JP2002249472A - 芳香族ポリカーボネート樹脂及び電子写真用感光体 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂及び電子写真用感光体

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JP2002249472A JP2001368274A JP2001368274A JP2002249472A JP 2002249472 A JP2002249472 A JP 2002249472A JP 2001368274 A JP2001368274 A JP 2001368274A JP 2001368274 A JP2001368274 A JP 2001368274A JP 2002249472 A JP2002249472 A JP 2002249472A
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一清 永井
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洪国 李
Katsuhiro Morooka
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Susumu Suzuka
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有機感光体用の電荷輸送性高分子材料
として特に有用な芳香族ポリカーボネート樹脂並びにそ
れを用いた電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示すジフェノール
化合物及びそれから誘導される芳香族ポリカーボネート
樹脂並びにそれを用いた電子写真感光体である。 (式(1)中Ar、Ar、Ar及びArは置換
もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは無
置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar−Za
−Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のアリ
レン基、ZaはO、S又はアルキレン基、R及びR′は
直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を
表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体材
料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂並びにこれ
を用いた電子写真用感光体に関し、詳しくは感光層中に
電荷輸送能を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含有
した高感度で且つ高耐久の電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂として、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以
下ビスフェノールAと略称する)にホスゲンやジフェニ
ールカーボネートを反応させて得られるポリカーボネー
ト樹脂がその代表的なものとして知られている。かかる
ビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂は、透明
性、耐熱性、寸法精度及び機械的強度などの面で優れた
性質を有していることから、多くの分野で用いられてい
る。
【0003】近年、有機感光体(OPC)が複写機、プ
リンターに多く使用されている。有機感光体の代表的な
構成例として、導電性基板上に電荷発生層(CGL)、
電荷輸送層(CTL)を順次積層した積層感光体が挙げ
られる。電荷輸送層は低分子電荷輸送材料(CTM)と
バインダー樹脂より形成される。しかしながら、低分子
電荷輸送材料の含有により、バインダー樹脂が本来有す
る機械的強度を低下させ、このことが感光体の摩耗性、
傷、クラック等の原因となり、感光体の耐久性を損うも
のとなっている。
【0004】光導電性高分子材料としては古くはポリビ
ニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール等のビニル重合体が電荷移動錯体型の感
光体として検討されたが、光感度の点で満足できるもの
ではなかった。一方、前述の積層型感光体の欠点を改良
すべく、電荷輸送能を有する高分子材料に関する検討が
なされている。例えばトリフェニルアミン構造を有する
アクリル系樹脂[M.Stolka et al, J.Polym.Sci., vo
l 21,969(1983)]、ヒドラゾン構造を有す
るビニル重合体(Japan Hard Copy‘89 P.67)及
びトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹
脂(米国特許4,801,517号、同4,806,4
43号、同4,806,444号、同4,937,16
5号、同4,959,288号、同5,030,532
号、同5,034,296号、同5,080,989号
各明細書、特開昭64−9964号、特開平3−221
522号、特開平2−304456号、特開平4−11
627号、特開平4−175337号、特開平4−18
371号、特開平4−31404号、特開平4−133
065号各公報)等であるが、実用化には至っていな
い。
【0005】また、M. A. Abkowitzらはテトラアリール
ベンジジン誘導体をモデル化合物として低分散型と高分
子化されたポリカーボネートとの比較を行っているが、
高分子系はドリフト移動度が一桁低いとの結果を得てい
る[Physical Review B466705(1992)]。
高分子化することにより機械的強度は改善されるもの
の、感度、残留電位等電気的特性に課題があることを示
唆している。
【0006】この原因については明らかではないが、テ
トラアリールベンジジン誘導体に代表される、主鎖に電
荷輸送性の骨格を有するポリマー、特にポリカーボネー
ト樹脂においては、テトラアリールベンジジン骨格上の
アリール基に置換された電子吸引性のカルボニルジオキ
シ基と第3級アミンの電子供与性の効果により、電子の
局在化が起こり、この結果ホール移動に不利な分子設計
になっていることが推察される。このことが高分子化す
ることにより感度、残留電位等電気特性が充分でない原
因になっていると思われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の実情に鑑みてなされたものであって、有機感光体用の
電荷輸送性高分子材料として特に有用な新規芳香族ポリ
カーボネート樹脂並びにそれを用いた電子写真用感光体
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、トリアリールアミン構造上のアリール基上に直
接カルボニルジオキシ基を置換することなく、すなわち
トリアリールアミン構造上のアリール基にアリール基で
置換されたアルカンの二価基を介してカルボニルジオキ
シ基を導入することにより、電子の局在化を回避しかつ
分子運動性の向上により、従来技術における電気特性上
及び機械特性上の課題が解決されることを見出した。
【0009】本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構
成単位を含有する新規芳香族ポリカーボネート樹脂によ
り上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は以下の[1]〜[1
4]よりなる。
【0010】[1] アリール基で置換されたアルカン
の二価基と少なくとも一つのトリアリールアミン基とを
有し、かつトリアリールアミン基のアリール基に結合し
たアリール基で置換されたアルカンの二価基上のアリー
ル基にヒドロキシル基が置換されていることを特徴とす
るジフェノール化合物。
【0011】[2] 上記[1]におけるジフェノール
化合物が下記一般式(1)で表されるジフェノール化合
物。
【化15】 (式(1)中Ar、Ar、Ar及びArは置換
もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは無
置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar−Za
−Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のアリ
レン基、ZaはO、S又はアルキレン基、R及びR’は
直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を
表す。)
【0012】[3] 上記[2]におけるジフェノール
化合物が下記一般式(2)で表されるジフェノール化合
物。
【化16】 (式(2)中Ra、Rb、Rc及びRdはアルキル基を
表し、Ar、Z、R、R’及びnは上記定義と同一で
ある。)
【0013】[4] 下記一般式(3)で表される構成
単位を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂。
【化17】
【0014】(式(3)中Ar、Ar、Ar及び
Arは置換もしくは無置換のアリレン基、Arは置
換もしくは無置換のアリール基、Zはアリレン基又は−
Ar−Za−Ar−を表し、Arは置換もしくは
無置換のアリレン基、ZaはO、S又はアルキレン基、
R及びR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。n
は0又は1を表す。)
【0015】[5] 上記[4]における芳香族ポリカ
ーボネート樹脂が下記一般式(4)で表される芳香族ポ
リカーボネート樹脂。
【化18】 (式(4)中Ra、Rb、Rc及びRdはアルキル基を
表し、Ar、Z、R、R’及びnは上記定義と同一で
ある。)
【0016】[6] 上記[4]における一般式(3)
及び下記一般式(5)で表される構成単位からなり、一
般式(3)で表される構成単位の組成比をk、一般式
(5)で表される構成単位の組成比をjとしたときに組
成比の割合が0<k/(k+j)≦1である芳香族ポリ
カーボネート樹脂。
【化19】
【0017】[式(5)中、Xは置換又は無置換の脂肪
族二価基、置換又は無置換環状脂肪族二価基、置換又は
無置換芳香族二価基、又はこれらを連結してできる二価
基、又は、
【化20】
【0018】(ここで、R、R、R及びRは独
立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
無置換のアリール基又はハロゲン原子である。またa及
びbは各々独立して0〜4の整数であり、c及びdは各
々独立して0〜3の整数であり、R、R、R及び
がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっ
ていても良い。Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖
状のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素原子数3
〜12の分岐状のアルキレン基、一つ以上の炭素数1〜
10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子
から構成される二価基、−O−、−S−、−SO−、−
SO−、−CO−、−COO−、又は下記式
【0019】
【化21】
【0020】から選ばれ、Z及びZは置換もしくは
無置換の脂肪族の二価基又は置換もしくは無置換のアリ
レン基を表し、R、R及びR12はハロゲン原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表
し、R、R、R、R10及びR11は各々独立し
て水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もし
くは無置換のアリール基を表す。またRとRは結合
して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R13
とR14は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表
し、R15とR16は各々独立して置換もしくは無置換
のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表
し、eとgは0〜4の整数、fは1又は2、hは0〜2
0の整数、iは0〜2000の整数を表す。)を表
す。]
【0021】[7] 上記[6]における一般式(3)
で表される構成単位が上記一般式(4)で表される構成
単位であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹
脂。
【0022】[8] 下記一般式(6)で表される芳香
族ポリカーボネート樹脂。
【化22】 (式(6)中Ra、Rb、Rc、Rd、Ar、Z、
R、R’、X及びnは上記定義と同一である。)
【0023】[9] 導電性支持体上に、アリール基で
置換されたアルカンの二価基と少なくとも一つのトリア
リールアミン基とを有し、かつカルボニルジオキシ基が
トリアリールアミン基のアリール基に結合したアリール
基で置換されたアルカンの二価基上のアリール基に置換
されていることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹
脂を有効成分として含有した感光層を設けたことを特徴
とする電子写真用感光体。
【0024】[10] 前記芳香族ポリカーボネート樹
脂が下記一般式(3)で表される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂であることを特徴とする[9]記載の電子写真用
感光体。
【化23】 (式(3)中Ar、Ar、Ar及びArは置換
もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは無
置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar−Za
−Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のアリ
レン基、ZaはO、S又はアルキレン基、R及びR’は
直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を
表す。)
【0025】[11] 前記芳香族ポリカーボネート樹
脂が下記一般式(4)で表される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂であることを特徴とする[10]記載の電子写真
用感光体。
【化24】 (式中Ra、Rb、Rc及びRdはアルキル基を表し、
Ar、Z、R、R’及びnは上記定義と同一であ
る。)
【0026】[12] 上記[10]における一般式
(3)及び下記一般式(5)で表される構成単位からな
り、一般式(3)で表される構成単位の組成比をk、一
般式(5)で表される構成単位の組成比をjとしたとき
に組成比の割合が0<k/(k+j)≦1である芳香族
ポリカーボネート樹脂を有効成分として含有した感光層
を設けたことを特徴とする電子写真用感光体。
【化25】
【0027】[式(5)中、Xは置換又は無置換の脂肪
族二価基、置換又は無置換環状脂肪族二価基、置換又は
無置換芳香族二価基、又はこれらを連結してできる二価
基、又は、
【化26】
【0028】(ここで、R、R、R及びRは独
立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
無置換のアリール基又はハロゲン原子である。またa及
びbは各々独立して0〜4の整数であり、c及びdは各
々独立して0〜3の整数であり、R、R、R及び
がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっ
ていても良い。Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖
状のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素原子数3
〜12の分岐状のアルキレン基、一つ以上の炭素数1〜
10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子
から構成される二価基、−O−、−S−、−SO−、−
SO−、−CO−、−COO−、又は下記式
【0029】
【化27】
【0030】から選ばれ、Z及びZは置換もしくは
無置換の脂肪族の二価基又は置換もしくは無置換のアリ
レン基を表し、R、R及びR12はハロゲン原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表
し、R、R、R、R10及びR11は各々独立し
て水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もし
くは無置換のアリール基を表す。またRとRは結合
して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R13
とR14は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表
し、R15とR16は各々独立して置換もしくは無置換
のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表
し、eとgは0〜4の整数、fは1又は2、hは0〜2
0の整数、iは0〜2000の整数を表す。)を表
す。]
【0031】[13] 上記一般式(3)で表される構
成単位が上記一般式(4)で表される構成単位である芳
香族ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする[1
2]記載の電子写真用感光体。
【0032】[14] 導電性支持体上に、下記一般式
(6)で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリカー
ボネート樹脂を有効成分として含有した感光層を設けた
ことを特徴とする電子写真用感光体。
【化28】 (式中Ra、Rb、Rc、Rd、Ar、Z、X、R、
R’及びnは上記定義と同一である。) [15] 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露
光、現像、転写が繰り返し行われる電子写真方法におい
て、該電子写真感光体が[9]〜[14]記載の電子写
真感光体であることを特徴とする電子写真方法。 [16] 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露
光、現像、転写を繰り返し行い、かつ画像露光の際には
LDあるいはLED等によって感光体上に静電潜像の書
き込みが行われる、デジタル方式の電子写真方法におい
て、該電子写真感光体が[9]〜[14]記載の電子写
真感光体であることを特徴とする電子写真方法。 [17] 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手
段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子
写真装置であって、該電子写真感光体が[9]〜[1
4]記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子
写真装置。 [18] 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手
段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる電子
写真装置において、画像露光手段にLDあるいはLED
等を使用することによって感光体上に静電潜像の書き込
みが行われる、デジタル方式の電子写真装置であって、
該電子写真感光体が[9]〜[14]記載の電子写真感
光体であることを特徴とする電子写真装置。 [19] 少なくとも電子写真感光体を具備してなる電
子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写
真感光体が[9]〜[14]記載の電子写真感光体であ
ることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッ
ジ。
【0033】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は前
記一般式(1)より得られた電荷輸送能を有する前記一
般式(3)、前記一般式(4)及び前記一般式(6)で
表される構成単位のいずれかを少なくとも含有するポリ
カーボネート樹脂である。より詳しくは、電荷輸送能を
有する前記一般式(3)、前記一般式(4)及び前記一
般式(6)で表される各構成単位のみからなるポリカー
ボネート樹脂、又は電荷輸送能を有する前記一般式
(3)、前記一般式(4)及び前記一般式(6)で示さ
れる構成単位と電荷輸送能以外の特性を付与するための
構成単位として前記一般式(5)で表される構成単位と
からなる共重合ポリカーボネート樹脂、又は電荷輸送能
を有する前記一般式(6)で表される繰り返し単位から
なる交互共重合ポリカーボネート樹脂である。これら芳
香族ポリカーボネート樹脂は電荷輸送能をもち、且つ高
い機械的強度を有し、電子写真感光体の電荷輸送層に要
求される電気的な性質、光学的な性質、機械的な性質を
合わせ持ったものである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に本発明の芳香族ポリカーボ
ネート樹脂について詳細に説明する。先ず、本発明のポ
リカーボネート樹脂の製造方法について説明する。本発
明のポリカーボネート樹脂は、従来ポリカーボネート樹
脂の製造法として公知の、ビスフェノールと炭酸誘導体
との重合と同様の方法で製造できる。すなわち、前記一
般式(1)あるいは(2)で表される電荷輸送能を有す
るジオールを少なくとも1種以上使用し、或いは、これ
らと下記一般式(7)で表されるジオールとを併用し、
ビスアリールカーボネートとのエステル交換法やホスゲ
ン等のハロゲン化カルボニル化合物との溶液又は界面重
合法、あるいはジオールから誘導されるビスクロロホー
メート等のクロロホーメートを用いる方法等により製造
される。 HO−X−OH (7) (式中、Xは前記定義と同一である。)
【0035】ハロゲン化カルボニル化合物を用いる方法
において、ハロゲン化カルボニル化合物としては、ホス
ゲンの代わりにホスゲンの2量体であるトリクロロメチ
ルクロロホーメートやホスゲンの3量体であるビス(ト
リクロロメチル)カーボネートも有用であり、塩素以外
のハロゲンより誘導されるハロゲン化カルボニル化合
物、例えば、臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ
化カルボニルも有用である。これら公知の製造法につい
ては例えばポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:
本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されてい
る。
【0036】前記したように、一般式(1)あるいは
(2)で表される電荷輸送能を有するジオール1種以上
と併用して前記一般式(7)で表されるジオールを使用
し、機械的特性等の改良された共重合体とすることがで
きる。この場合、一般式(7)で表されるジオールを1
種あるいは複数併用してもよい。一般式(1)あるいは
(2)で表される電荷輸送能を有するジオールと一般式
(7)で表されるジオールとの割合は所望の特性により
広い範囲から選択することができる。
【0037】また、適当な重合操作を選択することによ
って共重合体の中でもランダム共重合体、交互共重合
体、ブロック共重合体、ランダム交互共重合体、ランダ
ムブロック共重合体等を得ることができる。例えば、一
般式(1)あるいは(2)で表される電荷輸送能を有す
るジオールと一般式(7)で表されるジオールをはじめ
から均一に混合してホスゲンとの縮合反応を行えば一般
式(3)あるいは(4)で表される構成単位と一般式
(5)で表される構成単位とからなるランダム共重合体
が得られる。また、幾種類かのジオールを反応の途中か
ら加えることによりランダムブロック共重合体が得られ
る。また、一般式(7)で表されるジオールから誘導さ
れるビスクロロホーメートと一般式(1)あるいは
(2)で表される電荷輸送能を有するジオールとの縮合
反応を行えば一般式(6)で表される繰り返し単位から
なる交互共重合体が得られる。この場合、逆に一般式
(1)あるいは(2)で表される電荷輸送能を有するジ
オールから誘導されるビスクロロホーメートと一般式
(7)で表されるジオールとの縮合反応によっても同様
に一般式(6)で表される繰り返し単位からなる交互共
重合体が得られる。また、これらビスクロロホーメート
とジオールとの縮合反応の際、ビスクロロホーメート及
びジオールを複数使用することによりランダム交互共重
合体が得られる。
【0038】ハロゲン化カルボニル化合物や、クロロホ
ーメートを用いる方法において、界面重合で行う場合に
は、ジオールのアルカリ水溶液と水に対して実質的に不
溶性であり、且つ、ポリカーボネート樹脂を溶解する有
機溶媒との2相関で炭酸誘導体及び触媒の存在下に反応
を行う。この際、高速攪拌や乳化物質の添加によって反
応媒体を乳化させて行うことによって短時間で分子量分
布の狭いポリカーボネート樹脂を得ることができる。ア
ルカリ水溶液に用いる塩基としてはアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属であり、通常、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナト
リウム等の炭酸塩等である。これらの塩基は単独で使用
してもよく、また、複数併用してもよい。好ましい塩基
は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。ま
た、使用される水は蒸留水、イオン交換水が好ましい。
有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族
ハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン等の芳香族ハロゲン化炭化水素、又は、それらの混合
物である。また、それらにトルエン、キシレン、エチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒でもよい。
有機溶媒は、好ましくは、脂肪族ハロゲン化炭化水素、
芳香族ハロゲン化炭化水素であり、より好ましくは、ジ
クロロメタン又はクロロベンゼンである。
【0039】ポリカーボネート樹脂の製造時に使用され
るポリカーボネート生成触媒は、3級アミン、4級アン
モニウム塩、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、含
窒素複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその
塩、アミド基を有する化合物等である。ポリカーボネー
ト生成触媒の具体例は、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ヘキシ
ルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4
−テトラメチレンジアミン、4−ピロリジノピリジン、
N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルピペリジ
ン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベン
ジルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラメチル
アンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブ
ロマイド、フェニルトリエチルアンモニウムクロライ
ド、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、
ジフェニルブチルホスフィン、テトラ(ヒドロキシメチ
ル)ホスホニウムクロライド、ベンジルトリエチルホス
ホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウ
ムクロライド、4−メチルピリジン、1−メチルイミダ
ゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、3−メチルピ
リダジン、4,6−ジメチルピリミジン、1−シクロヘ
キシル−3,5−ジメチルピラゾール、2,3,5,
6,−テトラメチルピラジン等である。ポリカーボネー
ト生成触媒は、好ましくは、3級アミンであり、より好
ましくは、総炭素数3〜30の3級アミンであり、特に
好ましくは、トリエチルアミンである。これらのポリカ
ーボネート生成触媒は単独で使用してもよく、また、複
数併用してもよい。これらの触媒は、ホスゲンやビスク
ロロホーメート体等の炭酸誘導体を反応系に加える前、
及び又は、加えた後に添加することができる。
【0040】また、アルカリ水溶液中でのジオールの酸
化を防ぐためにハイドロサルファイト等の酸化防止剤を
加えても良い。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は
数分〜5時間であり、反応中のpHは通常10以上に保
つことが好ましい。
【0041】一方、溶液重合で行う場合は、ジオールを
溶媒に溶解し、脱酸剤を添加し、これにビスクロロホー
メート又は、ホスゲン又は、ホスゲンの多量体を添加す
ることにより得られる。脱酸剤としては、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンのような
第3級アミン及びピリジンが使用される。また、反応に
使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素及びテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
環状エーテル系の溶媒及びピリジンが好ましい。反応温
度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間である。
【0042】また、本発明のポリカーボネート樹脂はエ
ステル交換法によっても製造される。この場合、不活性
ガス存在下にジオールとビスアリールカーボネートを混
合し、通常減圧下120〜350℃で反応させる。減圧
度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にし
て生成するフェノール類を系外に留去させる。反応時間
は通常1〜4時間程度である。
【0043】また、製造時には必要に応じて酸化防止剤
を加えてもよい。ビスアリールカーボネートとしてはジ
フェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、
フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフ
ェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げ
られる。
【0044】以上すべての重合操作において分子量を調
節するために分子量調節剤として末端停止剤を用いるこ
とが望ましく、従って、本発明で使用されるポリカーボ
ネート樹脂の末端には停止剤にもとづく置換基が結合し
てもよい。使用される末端停止剤は、一価の芳香族ヒド
ロキシ化合物、一価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホ
ーメート誘導体、一価のカルボン酸又は一価のカルボン
酸のハライド誘導体である。一価の芳香族ヒドロキシ化
合物は、例えば、フェノール、p−クレゾール、o−エ
チルフェノール、p−エチルフェノール、p−イソプロ
ピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p
−クミルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、
p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,
4−キシレノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキ
シルオキシフェノール、p−デシルオキシフェノール、
o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−ク
ロロフェノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモ
フェノール、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフ
ェノール、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ジ
(1’−メチル−1’−フェニルエチル)フェノール、
β−ナフトール、α−ナフトール、p−(2’,4’,
4’−トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4’
−メトキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等のフェノール類又はそれらのアルカリ金
属塩及びアルカリ土類金属塩である。一価の芳香族ヒド
ロキシ化合物のハロホーメート誘導体は、上記の一価の
芳族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体などであ
る。
【0045】また、一価のカルボン酸は、例えば、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタ
ン酸、カプリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、3
−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉草
酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン酸、
3,5−ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪
酸類又はそれらのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属
塩、安息香酸、p−メチル安息香酸、p−tert−ブ
チル安息香酸、p−ブトキシ安息香酸、p−オクチルオ
キシ安息香酸、p−フェニル安息香酸、p−ベンジル安
息香酸、p−クロロ安息香酸等の安息香酸類又はそれら
のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩である。一価
のカルボン酸のハライド誘導体は、上記の一価のカルボ
ン酸のハライド誘導体である。これらの末端封止剤は単
独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。末端
封止剤は、好ましくは、一価の芳香族ヒドロキシ化合物
であり、より好ましくは、フェノール、p−tert−
ブチルフェノール又はp−クミルフェノールである。
【0046】また、機械的特性を改良するために重合時
に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐
化剤は、芳香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カ
ルボン酸基、カルボン酸ハライド基又は活性なハロゲン
原子等から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種で
もよい)有する化合物である。分岐化剤の具体例は、フ
ロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−ト
リス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロ
キシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4’−
ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス
(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−ト
リス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,
α’−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−エチ
ル−4−イソプロピルベンゼン、2,4−ビス[α−メ
チル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]フェ
ノール、2−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−
(2”,4”−ジヒドロキシフェニル)プロパン、トリ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,
4,4−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、2,2−ビス[4’,4’−ビス(4”−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、α,
α,α’,α’−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−1,4−ジエチルベンゼン、2,2,5,5,−
テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1,2,3−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,4−ビス(4’,4”−ジヒドロキ
シトリフェニルメチル)ベンゼン、3,3’,5,5’
−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−ジヒ
ドロキシ安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニルオ
キシ)安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、4−ク
ロロカルボニルオキシイソフタル酸、5−ヒドロキシフ
タル酸、5−クロロカルボニルオキシフタル酸、トリメ
シン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等であ
る。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また、
複数併用してもよい。
【0047】以上のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂は重合中に使用した触媒や酸化防止剤、また、未
反応のジオールや末端停止剤、また、重合中に発生した
無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操
作も先のポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本
間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている従
来公知の方法を使用できる。本発明の芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平
均分子量で1000〜500000であり、より好まし
くは10000〜200000である。また、上記これ
らの方法にしたがって製造された芳香族ポリカーボネー
ト樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、熱安
定剤、滑剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。
【0048】次に本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂
の主要な単位である一般式(1)及び(2)についてさ
らに詳細に説明する。前記一般式(1)、(2)中Ar
は置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar
置換もしくは無置換のアリール基としては、以下のもの
を挙げることができる。フェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレ
ニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズ
レニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセ
ニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、チエニル
基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、
カルバゾリル基、ピリジニル基、ピロリジル基、オキサ
ゾリル基等が挙げられ、これらは置換もしくは無置換の
アルキル基又はこの置換もしくは無置換のアルキル基を
有するアルコキシ基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、下記一般式で表さ
れるアミノ基を置換基として有していてもよい。上記置
換若しくは無置換のアルキル基としては、以下のものを
挙げることができる。すなわち、炭素数1〜5の直鎖又
は分岐のアルキル基であり、これらのアルキル基は更に
フッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子も
しくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基で置
換されたフェニル基を含有していてもよい。具体的には
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル
基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベ
ンジル基等が挙げられる。
【0049】
【化29】 [式中、R17及びR18はArで定義される置換も
しくは無置換のアリール基、または上記した置換もしく
は無置換のアルキル基を表すと共にR17とR が共
同で環を形成したり、アリール基上の炭素原子と共同で
環を形成してもよい。(このような具体例としてピペリ
ジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられ
る。)]
【0050】一般式(1)中、Ar、Ar、A
、Arは上記Arで示したアリール基から誘導
される二価基である。
【0051】一般式(1)中、Zはフェニレン、ナフチ
レン、ビフェニリレン、ターフェニリレン、ピレン−
1,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9,9
−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、チオフェン−
2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、N−エチル
カルバゾール−3,6−ジイル等が挙げられこれらは置
換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の
アルコキシ基及びハロゲン原子を置換基として有しても
良い。
【0052】ZにおけるArはフェニレン、ナフチレ
ン、ビフェニリレン、ターフェニリレン等が挙げられこ
れらは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
無置換のアルコキシ基及びハロゲン原子を置換基として
有しても良い。
【0053】一般式(2)中、Ra、Rb、Rc及びR
dは、置換もしくは無置換のアルキル基であり、以下の
ものを挙げることができる。すなわち、炭素数1〜5の
直鎖又は分岐のアルキル基であり、これらのアルキル基
は更にフッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン
原子もしくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具体
的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチ
ル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチル
ベンジル基等が挙げられる。
【0054】一般式(1)で表されるジフェノール化合
物は例えば下記スキームに従って製造される。下記式中
X’はハロゲン原子をR”は低級アルキル基を表す。
【0055】スキーム1においては、第2級アミン化合
物とハロゲン化合物とのウルマン反応によりジアルコキ
シ化合物を得、ついでエーテルの開裂反応により得られ
る。ウルマン反応においてArとAr、ArとA
及びRとR’がそれぞれ同一の基である場合は一段
階の反応でジアルコキシ化合物が得られることは言うま
でもない。
【0056】スキーム1;
【化30】
【0057】スキーム2では一般式(1)で示されるジ
フェノール化合物においてnが0の場合の経路を示し
た。本反応でもスキーム1と同様にウルマン反応とエー
テルの開裂反応により得られる。
【0058】スキーム2;
【化31】
【0059】スキーム3では一般式(1)で示されるジ
フェノール化合物においてnが1の場合の経路を示し
た。第2級アミン化合物とハロゲン化合物とのウルマン
反応によりジアルコキシ化合物を得、ついでエーテルの
開裂反応により得られる。スキーム1の場合と同様、ウ
ルマン反応においてArとAr、ArとAr
びRとR’がそれぞれ同一の基である場合は一段階の反
応でジアルコキシ化合物が得られることは言うまでもな
い。
【0060】スキーム3;
【化32】
【0061】スキーム4には一般式(1)で示されるジ
フェノール化合物においてR及びR’がエチレンの場合
の製造経路の一例を示した。第3級アミンをジホルミル
化した後変法Wittig反応等によりジオレフィンを
得、ついで還元、エーテル開裂反応によりジフェノール
化合物を得ることができる。
【0062】スキーム4;
【化33】
【0063】エーテルの開裂反応としては、酸性試薬に
よる方法と塩基性試薬による方法が挙げられる。酸性試
薬としては臭化水素、ヨウ化水素、トリフルオロ酢酸、
ピリジンの塩酸塩、濃塩酸、ヨウ化マグネシウムエチラ
ート、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三臭化ホ
ウ素、三塩化ホウ素、三ヨウ化ホウ素等が、塩基性試薬
としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウ
ム、リチウム、ヨウ化ナトリウム、リチウムジフェニル
ホスフイド、ナトリウムチオラート等を挙げることがで
きる。溶媒としては無水酢酸、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン、DMF、ピリジン、トルエン、ブタノー
ル等を挙げることができる。反応温度は用いる試薬の反
応性によるが、一般的には−10℃から200℃の間で
行われる。
【0064】こうして得られる一般式(1)で表される
ジフェノール化合物は文献未記載の化合物であり、ヒド
ロキシル基から誘導される種々の材料の製造、例えばポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂等のモノマーとして有用であり、特
にポリカーボネート樹脂用モノマーとして有用である。
【0065】一般式(7)のXが脂肪族の二価基、環状
脂肪族の二価基である場合のジオールの代表的具体例
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキ
シプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシ
ブチル)ベンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシペン
チル)ベンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシ
ル)ベンゼン、イソホロンジオール等である。
【0066】また、Xが芳香族の二価基である場合とし
ては、本明細書中一般式(1)のArにおいて定義さ
れた置換もしくは無置換のアリール基から誘導される二
価基を挙げることができる。また、Xは以下に示される
二価基を表す。
【0067】
【化34】
【0068】[ここで、R〜Rは独立して置換もし
くは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリー
ル基又はハロゲン原子である。またa及びbは各々独立
して0〜4の整数であり、c及びdは各々独立して0〜
3の整数であり、R〜Rがそれぞれに複数個存在す
るときは同一でも異なっていても良い。Yは単結合、炭
素原子数2〜12の直鎖状のアルキレン基、置換もしく
は無置換の炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン
基、一つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以
上の酸素原子及び硫黄原子から構成される二価基、−O
−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO
O−、又は下記式
【0069】
【化35】
【0070】から選ばれ、Z及びZは置換もしくは
無置換の脂肪族の二価基又は置換もしくは無置換のアリ
レン基を表し、R、R及びR12はハロゲン原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表
し、R〜R11は各々独立して水素原子、ハロゲン原
子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無
置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基
を表す。またRとRは結合して炭素数5〜12の炭
素環を形成してもよく、R13とR14は単結合又は炭
素数1〜4のアルキレン基を表し、R15とR16は各
々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換もし
くは無置換のアリール基を表し、eとgは0〜4の整
数、fは1又は2、hは0〜20の整数、iは0〜20
00の整数を表す。)を表す。]
【0071】またYは一つ以上の炭素数1〜10のアル
キレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成さ
れる二価基の具体例としては、OCHCHO、OC
CHOCHCHO、OCHCHOCH
CHOCHCHO、OCHCHCHO、O
CHCHCHCHO、OCHCHCH
CHCHO、OCHCHCHCHCH
CHCHCHO、CHO、CHCHO、
CHEtOCHEtO、CHCHO、SCH OCH
S、CHOCH、OCHOCHO、SCH
CHOCHOCHCHS、OCHCHCH
OCHCHCHO、SCHS、SCHCH
S、SCHCHCHS、SCHCHCH
CHS、SCHCHCHCHCHCH
S、SCHCHSCHCHS、SCHCH
OCHCHOCHCHS等が挙げられる。
【0072】また炭素原子数3〜12の分岐状のアルキ
レン基に修飾する置換基としては置換もしくは無置換の
アリール基、又はハロゲン原子が挙げられる。
【0073】これらの中で、置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のアリール基はいずれも本
明細書中で定義された置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基と同様である。ま
た、Z、Zが置換もしくは無置換の脂肪族の二価基
である場合としてはXが脂肪族の二価基、環状脂肪族の
二価基である場合のジオールからヒドロキシ基を除いた
二価基を挙げることができる。また、Z、Zが置換
もしくは無置換のアリレン基である場合としては本発明
中で定義された置換もしくは無置換のアリール基から誘
導される二価基を挙げることができる。
【0074】これらXが芳香族の二価基である場合の好
ましいジオールの代表的具体例としては、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェ
ニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−ジメチルプロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒド
ロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2
−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルぺンタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)へキサン、4,4−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)へプタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサ
フルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロぺンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)アダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコールビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、1,3−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホキシド、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’
−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケ
トン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケ
トン、3,3,3’,3’−テトラメチル−6,6’−
ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン、3,3’,4,
4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−テトラメチ
ル−2,2’−スピロビス(2H−1−べンゾピラン)
−7,7’−ジオール、トランス−2,3−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)キサンテン、1,6−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1,6−へキサンジオン、
α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,
α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒドロキ
シジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチ
アントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイン、
9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジ
ン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジ
ヒドロキシジベンゾチオフェン、4,4’−ジヒドロキ
シビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、4−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベン
ゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロ
キシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス
(4−ヒドロキシベンゾエート)、p−フェニレン−ビ
ス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,6−ビス(4
−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,6H,
6H−パーフルオロヘキサン、1,4−ビス(4−ヒド
ロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,4H,4H−
パーフルオロブタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シ
リコーンオイル等が挙げられる。また、ジオール2モル
とイソフタロイルクロライド又はテレフタロイルクロラ
イド1モルとの反応により製造されるエステル結合を含
む芳香族ジオール化合物も有用である。
【0075】以上一般式(7)について説明したが同一
の記号については他の一般式中でも同じ定義である。
【0076】以上本発明の電子写真用感光体に使用され
る電荷輸送能を有するポリカーボネート樹脂の構造につ
いて説明してきたが、このものを感光層中に含有させる
実施形態について以下に説明する。
【0077】本発明の感光体の断面図を図1〜図6に示
す。本発明の感光体は前記のような芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の1種又は2種以上を感光層2 (2’,
2’’,2’’’,2’’’’,2’’’’’)に含有
させたものであるが、これらの応用の仕方によって図
1、図2、図3、図4、図5あるいは図6に示したごと
くに用いることができる。
【0078】図1における感光体は導電性支持体1上に
増感染料及び芳香族ポリカーボネート樹脂、場合により
結合剤(結着樹脂)よりなる感光層2が設けられたもの
である。ここでの芳香族ポリカーボネート樹脂は光導電
性物質として作用し、光減衰に必要な電荷担体の生成及
び移動は芳香族ポリカーボネート樹脂を介して行われ
る。しかしながら、芳香族ポリカーボネート樹脂は光の
可視領域においてほとんど吸収を有していないので、可
視光で画像を形成する目的のためには、可視領域に吸収
を有する増感染料を添加して増感する必要がある。
【0079】図2における感光体は導電性支持体1上に
電荷発生物質3を電荷輸送能を有する芳香族ポリカーボ
ネート樹脂単独あるいは結合剤と併用してなる電荷輸送
媒体7の中に分散せしめた感光層2’が設けられたもの
である。ここでの芳香族ポリカーボネート樹脂は単独で
あるいは結合剤との併用で電荷輸送媒体を形成し、一
方、電荷発生物質3(無機又は有機顔料のような電荷発
生物質)が電荷担体を発生する。この場合、電荷輸送媒
体7は主として電荷発生物質3が発生する電荷担体を受
入れ、これを輸送する作用を担当している。そしてこの
感光体にあっては電荷発生物質と芳香族ポリカーボネー
ト樹脂とが、互いに主として可視領域において吸収波長
領域が重ならないというのが基本的条件である。これは
電荷発生物質3に電荷担体を効率よく発生させるために
は、電荷発生物質表面まで光を透過させる必要があるか
らである。一般式(3)、(4)あるいは(6)で表さ
れる構成単位を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂は
波長600nm以上にほとんど吸収がなく、一般に可視
領域から近赤外領域の光線を吸収し、電荷担体を発生す
る電荷発生物質3とを組合せた場合、特に有効に電荷輸
送物質として働くのがその特長である。なお、上記電荷
輸送媒体7中に低分子電荷輸送物質を含有させてもよ
い。
【0080】図3における感光体は導電性支持体1上に
電荷発生物質3を主体とする電荷発生層5と、電荷輸送
能を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する電荷
輸送層4との積層からなる感光層2’’が設けられたも
のである。この感光体では電荷輸送層4を透過した光が
電荷発生層5に到達し、その領域で電荷担体の発生が起
こり、一方電荷輸送層4は電荷担体の注入を受け、その
輸送を行うもので、光減衰に必要な電荷担体の発生は電
荷発生物質3で行われ、また電荷担体の輸送は電荷輸送
層4で行われる。こうした機構は図2に示した感光体に
おいてした説明と同様である。
【0081】なお電荷輸送層4は本発明の芳香族ポリカ
ーボネート樹脂単独あるいは結合剤との併用で形成され
る。また電荷発生効率を高めるために、電荷発生層5に
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂を含有させてもよ
い。同様の目的で感光層2’’中に低分子電荷輸送物質
を併用してもよい。後述の感光層2’’’〜
2’’’’’についても同様である。
【0082】図4における感光体は電荷輸送層4上に保
護層6を設けたものである。本構成の場合は電荷輸送層
4上に本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂あるいは結
合剤との併用で保護層が形成される。当然のことなが
ら、従来多く使用されている低分子分散型電荷輸送層上
への形成が効果的である。なお図2に示した感光層2’
上へ同様に保護層が設けられてもよい。
【0083】図5における感光体は図3の電荷発生層5
と芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する電荷輸送層4
の積層順を逆にしたものであり、その電荷担体の発生及
び輸送の機構は上記の説明と同様にできる。この場合機
械的強度を考慮し図6のように電荷発生層5の上に保護
層6を設けることもできる。
【0084】実際に本発明の感光体を作製するには、図
1に示した感光体であれば、電荷輸送能を有する芳香族
ポリカーボネート樹脂の1種又は2種以上あるいはそれ
と結合剤と併用して溶解し、更にこれに増感染料を加え
た液をつくり、これを導電性支持体1上に塗布し乾燥し
て感光層2を形成すればよい。
【0085】感光層の厚さは3〜50μm、好ましくは
5〜40μmが適当である。感光層2に占める芳香族ポ
リカーボネート樹脂の量は30〜100重量%であり、
また、感光層2に占める増感染料の量は0.1〜5重量
%、好ましくは0.5〜3重量%である。増感染料とし
てはブリリアントグリーン、ビクトリアブルーB、メチ
ルバイオレット、クリスタルバイオレット、アシッドバ
イオレット6Bのようなトリアリールメタン染料、ロー
ダミンB、ローダミン6G、ローダミンGエキストラ、
エオシンS、エリトロシン、ローズベンガル、フルオレ
セインのようなキサンテン染料、メチレンブルーのよう
なチアジン染料、シアニンのようなシアニン染料が挙げ
られる。
【0086】また、図2に示した感光体を作製するに
は、1種又は2種以上の電荷輸送能を有する芳香族ポリ
カーボネート樹脂あるいは結合剤を併用し溶解した溶液
に電荷発生物質3の微粒子を分散せしめ、これを導電性
支持体1上に塗布し乾燥して感光層2’を形成すればよ
い。
【0087】感光層2’の厚さは3〜50μm、好まし
くは5〜40μmが適当である。感光層2’に占める電
荷輸送能を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の量は4
0〜100重量%であり、また、感光層2’に占める電
荷発生物質3の量は0.1〜50重量%、好ましくは1
〜20重量%である。電荷発生物質3としては、例えば
セレン、セレン−テルル、硫化カドミウム、硫化カドミ
ウム−セレン、α−シリコンなどの無機材料、有機材料
としては例えばシーアイピグメントブルー25(カラー
インデックスCI21180)、シーアイピグメントレ
ッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド
52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3
(CI45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔
料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリ
ルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133
445号公報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベ
ンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2
1728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有す
るアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、
フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22
834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するア
ゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジス
チリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭
54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾー
ル骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公
報に記載)などのアゾ顔料、例えばシーアイバットブラ
ウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI
73030)などのインジゴ系顔料、アルゴスカーレッ
トB(バイエル社製)、インダンスレンスカーレットR
(バイエル社製)などのペリレン系顔料などが挙げられ
る。なお、これらの電荷発生物質は単独で用いられても
2種以上が併用されてもよい。
【0088】また、電荷発生物質3としてフタロシアニ
ン顔料を用いることもできるが、フタロシアニン顔料と
しては、下記式で表されるフタロシアニン骨格を有する
化合物で、Mは主として中心金属を表し、金属元素や水
素が挙げられる。
【0089】
【化36】
【0090】ここで挙げられるMは、H、Li、Be、
Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、G
e、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、
Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Hf、Ta、
W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、P
a、U、Np、Am等の単体、もしくはそれらの酸化
物、塩化物、フッ化物、水酸化物、臭化物などの2種以
上の元素からなる。ただし、中心金属は、これらの元素
に限定されるものではない。本発明におけるフタロシア
ニン骨格を有する電荷発生物質とは、少なくとも一般式
(N)の基本骨格を有していればよく、2量体、3量体
など多量体構造を持つもの、さらに高次の高分子構造を
持つものでもかまわない。また基本骨格に様々な置換基
があるものでもかまわない。
【0091】これらの様々なフタロシアニンのうち、中
心金属にTiOを有するオキソチタニウムフタロシアニ
ン、Hを有する無金属フタロシアニンは、感光体特性的
に、特に好ましい。
【0092】また、これらのフタロシアニンは様々な結
晶系を持つことも知られており、例えばオキソチタニウ
ムフタロシアニンの場合、α、β、γ、m、y型等、銅
フタロシアニンの場合、α、β、γ等の結晶多系を有し
ている。同じ中心金属を持つフタロシアニンにおいて
も、結晶系が変わることにより、種々の特性も変化す
る。その中で、感光体特性も、このような結晶系変化に
伴い、変化することが報告されている。(電子写真学会
誌 第29巻 第4号(1990)) このことから、
各フタロシアニンは、感光体特性的に、最適な結晶系が
存在し、特にオキソチタニウムフタロシアニンにおいて
は、y型の結晶系が望ましい。
【0093】また、これらの電荷発生物質は、フタロシ
アニン骨格を有する電荷発生物質を2種以上混合してい
てもかまわない。さらにそれ以外の電荷発生物質と混合
していてもかまわない。この場合に混合する電荷輸送物
質としては、無機系材料及び有機系材料があげられる。
【0094】更に図3に示した感光体を作製するには、
導電性支持体1に電荷発生物質を真空蒸着するか、ある
いは電荷発生物質の微粒子3を必要によって結合剤を溶
解した適当な溶媒中に分散した分散液を塗布し乾燥する
かして、更に必要であればバフ研磨などの方法によって
表面仕上げ、膜厚調整などを行って電荷発生層5を形成
し、この上に1種又は2種以上の電荷輸送能を有する芳
香族ポリカーボネート樹脂あるいは結合剤と併用し溶解
した溶液を塗布し乾燥して電荷輸送層4を形成すればよ
い。なお、ここで電荷発生層5の形成に用いられる電荷
発生物質は、前記の感光層2’の説明と同じものであ
る。
【0095】電荷発生層5の厚さは5μm以下、好まし
くは2μm以下であり、電荷輸送層4の厚さは3〜50
μm、好ましくは5〜40μmが適当である。電荷発生
層5が電荷発生層物質の微粒子3を結合剤中に分散させ
たタイプのものにあっては、電荷発生物質の微粒子3の
電荷発生層5に占める割合は10〜100重量%、好ま
しくは50〜100重量%程度である。また、電荷輸送
層4に占める電荷輸送能を有するポリカーボネート樹脂
の量は40〜100重量%である。
【0096】なお、図3における感光層2’’に低分子
電荷輸送物質を含有してもよいことは前記のとおりであ
るが、ここに用いられる電荷輸送物質としては下記のも
のが挙げられる。オキサゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体(特開昭52−139065号、同52−13
9066号公報に記載)、イミダゾール誘導体、トリフ
ェニルアミン誘導体(特開平3−285960号公報に
記載)、ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号
公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭
57−73075号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体
(特開昭55−154955号、同55−156954
号、同55−52063号、同56−81850号など
の公報に記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭5
1−10983号公報に記載)、アントラセン誘導体
(特開昭51−94829号公報に記載)、スチリル誘
導体(特開昭56−29245号、同58−19804
3号各公報に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58
−58552号公報に記載)、ピレン誘導体(特開平2
−94812号公報に記載)等である。
【0097】図4に示した感光体を作製するには、図3
に示した感光体上に本発明の電荷輸送能を有する芳香族
ポリカーボネート樹脂を単独であるいは結合剤と併用し
て溶解し塗布し、乾燥して、保護層6が設けられる。保
護層の厚さは0.15〜10μmが好ましい。保護層6
中に占める本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の量は
40〜100重量%である。
【0098】図5に示した感光体を作製するには導電性
支持体1上に電荷輸送能を有する芳香族ポリカーボネー
ト樹脂あるいは結合剤と併用し溶解した溶液を塗布し、
乾燥して電荷輸送層4を形成したのち、この電荷輸送層
の上に電荷発生層物質の微粒子を必要によって結合剤を
溶解した溶媒中に分散した分散液をスプレー塗工等の方
法で塗布乾燥して電荷発生層5を形成すればよい。電荷
発生層あるいは電荷輸送層の量比は図3で説明した内容
と同様である。
【0099】このようにして得られた感光体の電荷発生
層5の上に前述の保護層6を形成することにより、図6
に示す感光体を作製できる。
【0100】なお、これらのいずれの感光体製造におい
ても、導電性支持体1にはアルミニウムなどの金属板又
は金属箔、アルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチ
ックフィルム、あるいは導電処理を施した紙などが用い
られる。
【0101】また、結合剤としてはポリアミド、ポリウ
レタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポ
リカーボネートなどの縮合樹脂や、ポリビニルケトン、
ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリア
クリルアミドのようなビニル重合体などが用いられる
が、絶縁性で且つ接着性のある樹脂はすべて使用でき
る。必要により可塑剤が結合剤に加えられているが、そ
うした可塑剤としてはハロゲン化パラフィン、ジメチル
ナフタリン、ジブチルフタレートが例示できる。また必
要に応じて酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤など
の添加剤を加えることができる。
【0102】更に以上のようにして得られる感光体には
導電性支持体と感光層の間に、必要に応じて接着層又は
バリヤ層を設けることができる。これらの層に用いられ
る材料としては、ポリアミド、ニトロセルロース、酸化
アルミニウム、酸化チタンなどであり、また膜厚は1μ
m以下が好ましい。
【0103】本発明の感光体を用いて複写を行うには、
感光面に帯電、露光を施した後、現像を行い必要によっ
て紙などへ転写を行う。本発明の感光体は感度が高く、
また耐久性に優れている。次に図面を用いて本発明の電
子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。第
7図は、本発明の電子写真感光体を用いる電子写真プロ
セス及び電子写真装置を説明するための概略図であり、
下記のような例も本発明の範疇に属するものである。第
7図において、感光体1は少なくとも感光層を有してい
る。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート
状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チ
ャージャー3、転写前チャージャー7、転写チャージャ
ー10、分離チャージャー11、クリーニング前チャー
ジャー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電
器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ
等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。こ
れらの帯電器は感光体に接触していても、非接触であっ
てもよい。また、帯電器において直流成分に交流成分を
重畳することも可能である。転写手段には、一般に上記
の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャ
ージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的で
ある。また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源に
は、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水
銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導
体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(E
L)などの発光物全般を用いることができる。そして、
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカッ
トフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフ
ィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルタ
ー、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用い
ることもできる。光源等は、第7図に示される工程の他
に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング
工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、
感光体に光が照射される。さて、現像ユニット6により
感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写され
るが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残
存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブ
ラシ14およびクリーニングブレード15により、感光
体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラ
シだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシに
はファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知の
ものが用いられる。電子写真感光体に正(負)帯電を施
し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電
潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微
粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正
(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、ま
た、除電手段にも公知の方法が用いられる。第8図に
は、本発明の電子写真用感光体を用いる電子写真プロセ
スの別の例を示す。感光体21は少なくとも感光層を有
しており、駆動ローラ22a,22bにより駆動され、
帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像
(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によ
るクリーニング前露光、クリーニングブラシ27による
クリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれ
る。第8図においては、感光体21(勿論この場合は支
持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露
光の光照射が行なわれる。以上の図示した電子写真プロ
セスは、本発明における実施形態を例示するものであっ
て、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、第8
図において支持体側よりクリーニング前露光を行ってい
るが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露
光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、
光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光
が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露
光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に
光照射を行うこともできる。以上に示すような画像形成
手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定
して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジ
の形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカ
ートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光
手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手
段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカート
リッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例とし
て、第9図に示すものが挙げられる。感光体16は、導
電性支持体上に、少なくとも感光層を有している。感光
体16はドラム状の形状を示しているが、シート状、エン
ドレスベルト状のものであっても良い。
【0104】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、下記実施例において、部はすべて重量部である。
【0105】実施例1 3−メチル−4’−[2−(4−メトキシフェネチ
ル)]ジフェニルアミン6.15g、4、4’−ジヨー
ド−3,3’−ジメチルビフェニル4.54g、無水炭
酸カリウム7.22g及び銅粉0.20gをo−ジクロ
ロベンゼン40mlに採り窒素気流下40時間加熱還流
した。室温まで放冷後不溶部を濾過除去した後、溶媒を
減圧下留去し淡褐色の油状物を得た。これをシリカゲル
カラムクロマト処理(溶離液;トルエン)した後、酢酸
エチル/エタノールの混合溶媒から再結晶して無色針状
晶のN,N’−ジ−m―トリル−N,N’−ビス−4−
[2−(4−メトキシフェネチル)フェニル]−3,
3’−ジメチルベンジジン5.13gを得た。得られた
ジメトキシ化合物の融点測定及び元素分析の結果を以下
に示す。 融点 145.0〜146.0℃ 元素分析値(%)実測値(計算値) C85.32(85.66) H7.00(6.69) N2.98(3.45)
【0106】上述のようにして得られたジメトキシ化合
物4.53gを乾燥塩化メチレン40mlに溶解しこれ
に窒素気流下、三臭化ホウ素2.79gを塩化メチレン
7mlに溶解した溶液を−5〜−1℃で35分を要して
滴下した。滴下後室温にて1時間撹拌した後、水を加え
酢酸エチルで抽出し有機層を5%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄、ついで水洗したのち溶媒を減圧下留去し淡
褐色の油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマト
処理(溶離液;トルエン/酢酸エチル=10/1 vo
l.)して無色ガラス質のN,N’−ジ−m―トリル−
N,N’−ビス−4−[2−(4−ヒドロキシフェネチ
ル)フェニル]−3,3’−ジメチルベンジジン3.1
7gを得た。得られたジフェノール化合物の元素分析の
結果を以下に示す。また、赤外吸収スペクトル(KBr
錠剤法)を図10に示した。 元素分析値(%)実測値(計算値) C85.47(85.66) H6.83(6.69) N3.21(3.57)
【0107】実施例2 N,N’−ビス(3−メチル−4−ホルミルフェニル)
−4−メチルビフェニル−4’−アミン9.97gと4
−メトキシベンジルホスホン酸ジエチル12.66gを
乾燥N,N’−ジメチルホルムアミド75mlに溶解
し、これに室温でカリウム−tert−ブトキシド6.
95gを少量ずつ加えた。添加後室温で1時間撹拌後、
酢酸で内容物を中和し氷水に注ぎ沈殿物を濾過、水洗、
乾燥して黄色粉末状のジスチリル化合物13.75gを
得た。このジスチリル化合物13.75gをテトラハイ
ドロフラン70mlに溶解し5%Pd−カーボン1.4
gを加え水素添加した。反応終了後触媒を濾過助剤によ
り除去し、溶媒を減圧下留去して無色油状物のN,N’
−ビス{3−メチル−4[2−(4−メトキシ)フェネ
チル]}フェニル−4−メチルビフェニル−4’−アミ
ン11.50gを得た。
【0108】上述のようにして得られたジメトキシ化合
物11.50gを乾燥塩化メチレン80mlに溶解しこ
れに窒素気流下、三臭化ホウ素8.97gを塩化メチレ
ン22mlに溶解した溶液を−7〜−2℃で40分を要
して滴下した。滴下後室温にて1時間撹拌した後、水を
加え酢酸エチルで抽出し有機層を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で洗浄、ついで水洗したのち溶媒を減圧下留去
し淡褐色の油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロ
マト処理(溶離液;トルエン/酢酸エチル=4/1 v
ol.)した後ヘキサン中で加熱還流して無色微粉末の
N,N’−ビス{3−メチル−4[2−(4−ヒドロキ
シ)フェネチル]}フェニル−4−メチルビフェニル−
4’−アミン8.12gを得た。得られたジフェノール
化合物のTG−DTA測定及び元素分析の結果を以下に
示す。また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図
11に示した。 TG−DTA 108.4℃に吸熱ピーク 元素分析値(%)実測値(計算値) C85.66(85.52) H6.89(6.86) N2.18(2.32)
【0109】実施例3 4,4’−ビス[2−(4−メトキシフェネチル)]ジ
フェニルアミン6.0g、2−ヨード−9,9−ジメチ
ルフルオレン7.04g、無水炭酸カリウム11.4g
及び銅粉0.20gをニトロベンゼン50mlに採り窒
素気流下3.5時間加熱還流した。室温まで放冷後不溶
部を濾過除去した後、溶媒を減圧下留去し淡褐色の油状
物を得た。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離
液;トルエン)し黄色油状物のN,N’−ビス{4−
[2−(4−メトキシ)フェネチル]}フェニル−9,
9−ジメチルフルオレン−2−アミン6.55gを得
た。
【0110】上述のようにして得られたジメトキシ化合
物6.55gを乾燥塩化メチレン40mlに溶解しこれ
に窒素気流下、三臭化ホウ素5.18gを塩化メチレン
10mlに溶解した溶液を−3〜−1℃で20分を要し
て滴下した。滴下後室温にて2時間撹拌した後、水を加
え酢酸エチルで抽出し有機層を5%炭酸水素ナトリウム
水溶液で洗浄、ついで水洗したのち溶媒を減圧下留去し
淡褐色の油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマ
ト処理(溶離液;ジクロロエタン )し淡黄色ガラス質
のN,N’−ビス{4−[2−(4−ヒドロキシ)フェ
ネチル]}フェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2
−アミン3.92gを得た。得られたジフェノール化合
物のTG−DTA測定及び元素分析の結果を以下に示
す。また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1
2に示した。 TG−DTA 吸熱ピークは認められない。 元素分析値(%)実測値(計算値) C85.45(85.81) H6.46(6.55) N2.06(2.33)
【0111】実施例4 N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−ホルミル
フェニル)ジフェニルエーテル−4,4’−ジアミン
4.23gと4−メトキシベンジルホスホン酸ジエチル
4.10gを乾燥N,N−ジメチルホルムアミド50m
lに溶解し、これに室温でカリウム−tert−ブトキ
シド2.65gを少量ずつ加えた。添加後室温で2時間
撹拌後、酢酸で内容物を中和した後、氷水に注ぎ沈殿物
を濾過、水洗、乾燥して無色粉末状のジスチリル化合物
5.52gを得た。
【0112】このジスチリル化合物5.52gをテトラ
ハイドロフラン200mlに溶解し5%Pd−カーボン
0.6gを加え水素添加した。反応終了後触媒を濾過助
剤により除去し、溶媒を減圧下留去して無色結晶のN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス{4−[2−(4−
メトキシフェネチル)フェニル]}ジフェニルエーテル
−4,4’−ジアミン4.95gを得た。得られたジメ
トキシ化合物のTG−DTA測定の結果を以下に示す。 TG−DTA 134.1℃(吸熱ピーク温度)
【0113】上述のようにして得られたジメトキシ化合
物4.40gを乾燥塩化メチレン50mlに溶解しこれ
に窒素気流下、三臭化ホウ素2.85gを塩化メチレン
8mlに溶解した溶液を−4〜−3℃で20分を要して
滴下した。滴下後室温にて2時間撹拌した後、水を加え
酢酸エチルで抽出し有機層を5%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄、ついで水洗したのち溶媒を減圧下留去し淡
褐色の油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマト
処理(溶離液; トルエン/酢酸エチル=4/1 vo
l.)し無色ガラス質のN,N’−ジフェニル− N,
N’−ビス−4−[2−(4−ヒドロキシフェネチル)
フェニル]ジフェニルエーテル−4,4’−ジアミン
4.10gを得た。得られたジフェノール化合物のTG
−DTA測定及び元素分析の結果を以下に示す。また、
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図13示した。 TG−DTA 吸熱ピークは認められない。 元素分析値(%)実測値(計算値) C83.52(83.83) H5.80(5.97)N3.55(3.76)
【0114】実施例5 実施例1で得られたジフェノール化合物2.30g及び
4−tert−ブチルフェノール5.7mgを水酸化ナ
トリウム0.87gとナトリウムハイドロサルファイト
27mgを水15mlに溶解した溶液とともに、窒素気
流下30分室温撹拌した。激しく撹拌しながら20℃に
てビス(トリクロロメチル)カーボネート0.40gを
塩化メチレン9mlに溶解した溶液を一度に加え15分
撹拌を行った後、トリエチルアミン1滴を加え室温にて
1時間撹拌した。内容物を塩化メチレンで希釈した後、
有機層を分液し、これをイオン交換水で2回洗浄した後
2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後水層の電導度がイオ
ン交換水の電導度とほぼ等しくなるまで洗浄を繰り返し
た。有機層を多量のメタノール中に滴下し、濾過、乾燥
して無色の下式で表されるポリカーボネート樹脂1.7
7gを得た。
【0115】
【化37】
【0116】得られたポリカーボネート樹脂のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリス
チレン換算の数平均分子量は45800、重量平均分子
量は205800であった。示差走査熱量測定から求め
たガラス転移温度は143.7℃であった。また、赤外
吸収スペクトル(薄膜法)を図14に示した。また、元
素分析の結果は以下の通りであった。 元素分析値(%)実測値(計算値) C84.29(84.40) H6.16(6.23) N3.23(3.45)
【0117】実施例6 実施例2で得られたジフェノール化合物3.02g及び
4−tert−ブチルフェノール9.8mgを水酸化ナ
トリウム1.50gとナトリウムハイドロサルファイト
46mgを水20mlに溶解した溶液とともに、窒素気
流下30分室温撹拌した。激しく撹拌しながら20℃に
てビス(トリクロロメチル)カーボネート0.74gを
塩化メチレン15mlに溶解した溶液を一度に加え15
分撹拌を行った後、トリエチルアミン1滴を加え室温に
て1時間撹拌した。内容物を塩化メチレンで希釈した
後、有機層を分液し、これをイオン交換水で2回洗浄し
た後2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後水層の電導度が
イオン交換水の電導度とほぼ等しくなるまで洗浄を繰り
返した。有機層を多量のメタノール中に滴下し、濾過、
乾燥して無色の下式で表されるポリカーボネート樹脂
2.76gを得た。
【0118】
【化38】
【0119】得られたポリカーボネート樹脂のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリス
チレン換算の数平均分子量は67100、重量平均分子
量は229000であった。示差走査熱量測定から求め
たガラス転移温度は140.4℃であった。また、赤外
吸収スペクトル(薄膜法)を図15に示した。また、元
素分析の結果は以下の通りであった。 元素分析値(%)実測値(計算値) C83.81(83.90) H6.20(6.25) N2.08(2.22)
【0120】実施例7 実施例3で得られたジフェノール化合物3.28g及び
4−tert−ブチルフェノール14.0mgを水酸化
ナトリウム1.65gとナトリウムハイドロサルファイ
ト51mgを水22mlに溶解した溶液とともに、窒素
気流下30分室温撹拌した。激しく撹拌しながら20℃
にてビス(トリクロロメチル)カーボネート0.81g
を塩化メチレン17mlに溶解した溶液を一度に加え1
5分撹拌を行った後、トリエチルアミン1滴を加え室温
にて1時間撹拌した。内容物を塩化メチレンで希釈した
後、有機層を分液し、これをイオン交換水で2回洗浄し
た後2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後水層の電導度が
イオン交換水の電導度とほぼ等しくなるまで洗浄を繰り
返した。有機層を多量のメタノール中に滴下し、濾過、
乾燥して淡黄色の下式で表されるポリカーボネート樹脂
2.85gを得た。
【0121】
【化39】
【0122】得られたポリカーボネート樹脂のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリス
チレン換算の数平均分子量は52800、重量平均分子
量は173900であった。示差走査熱量測定から求め
たガラス転移温度は151.2℃であった。また、赤外
吸収スペクトル(薄膜法)を図16に示した。また、元
素分析の結果は以下の通りであった。 元素分析値(%)実測値(計算値) C83.91(84.17) H5.85(5.95) N2.00(2.23)
【0123】実施例8 実施例1で得られたジフェノール化合物4.33g、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン1.39g及び4−tert−ブチルフェノール26
mgを水酸化ナトリウム3.21gとナトリウムハイド
ロサルファイト100mgを水40mlに溶解した溶液
とともに、窒素気流下30分室温撹拌した。激しく撹拌
しながら20℃にてビス(トリクロロメチル)カーボネ
ート1.48gを塩化メチレン33mlに溶解した溶液
を一度に加え30分撹拌を行った後、トリエチルアミン
1滴を加え室温にて1時間撹拌した。内容物を塩化メチ
レンで希釈した後、有機層を分液し、これをイオン交換
水で2回洗浄した後2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後
水層の電導度がイオン交換水の電導度とほぼ等しくなる
まで洗浄を繰り返した。有機層を多量のメタノール中に
滴下し、濾過、乾燥して無色の下式で表されるポリカー
ボネート樹脂5.12gを得た。
【0124】
【化40】
【0125】得られたポリカーボネート樹脂の、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリ
スチレン換算の数平均分子量は50200、重量平均分
子量は143100であった。示差走査熱量測定から求
めたガラス転移温度は152.3℃であった。また、赤
外吸収スペクトル(薄膜法)を図17に示した。また、
元素分析の結果は以下の通りであった。 元素分析値(%)実測値(計算値) C82.46(82.66) H6.15(6.20) N2.30(2.57)
【0126】実施例9 実施例2で得られたジフェノール化合物4.86g、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン0.67g及び4−tert−ブチルフェノール25
mgを水酸化ナトリウム3.16gとナトリウムハイド
ロサルファイト96mgを水40mlに溶解した溶液と
ともに、窒素気流下30分室温撹拌した。激しく撹拌し
ながら20℃にてビス(トリクロロメチル)カーボネー
ト1.46gを塩化メチレン35mlに溶解した溶液を
一度に加え15分撹拌を行った後、トリエチルアミン1
滴を加え室温にて1時間撹拌した。内容物を塩化メチレ
ンで希釈した後、有機層を分液し、これをイオン交換水
で2回洗浄した後2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後水
層の電導度がイオン交換水の電導度とほぼ等しくなるま
で洗浄を繰り返した。有機層を多量のメタノール中に滴
下し、濾過、乾燥して無色の下式で表されるポリカーボ
ネート樹脂5.18gを得た。
【0127】
【化41】
【0128】得られたポリカーボネート樹脂の、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリ
スチレン換算の数平均分子量は53700、重量平均分
子量は188800であった。示差走査熱量測定から求
めたガラス転移温度は145.3℃であった。また、赤
外吸収スペクトル(薄膜法)を図18に示した。また、
元素分析の結果は以下の通りであった。 元素分析値(%)実測値(計算値) C82.92(83.10) H6.18(6.23) N1.75(1.94)
【0129】実施例10 実施例4で得られたジフェノール化合物3.70g、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン1.06g及び4−tert−ブチルフェノール16
mgを水酸化ナトリウム2.68gとナトリウムハイド
ロサルファイト83mgを水33mlに溶解した溶液と
ともに、窒素気流下30分室温撹拌した。激しく撹拌し
ながら20℃にてビス(トリクロロメチル)カーボネー
ト1.59gを塩化メチレン33mlに溶解した溶液を
一度に加え15分撹拌を行った後、トリエチルアミン1
滴を加え室温にて1時間撹拌した。内容物を塩化メチレ
ンで希釈した後、有機層を分液し、これをイオン交換水
で2回洗浄した後2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後水
層の電導度がイオン交換水の電導度とほぼ等しくなるま
で洗浄を繰り返した。有機層を多量のメタノール中に滴
下し、濾過、乾燥して無色の下式で表されるポリカーボ
ネート樹脂4.40gを得た。
【0130】
【化42】
【0131】得られたポリカーボネート樹脂の、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリ
スチレン換算の数平均分子量は67300、重量平均分
子量は190000であった。示差走査熱量測定から求
めたガラス転移温度は143.9℃であった。また、赤
外吸収スペクトル(薄膜法)を図19に示した。また、
元素分析の結果は以下の通りであった。 元素分析値(%)実測値(計算値) C81.60(81.40) H5.60(5.65) N2.62(2.79)
【0132】実施例11 実施例9における1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンを2,2−ビス(3−メチルー4−
ヒドロキシフェニル)プロパンに変えた以外は実施例9
と同様にして、下式で示す本発明のポリカーボネート樹
脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂のガラス転移
温度、元素分析値及びゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにより測定したポリスチレン換算の数平均分子
量、重量平均分子量を下記表1に、後述する実施例12
〜19で得られた樹脂と併せて示した。
【化43】
【0133】実施例12 実施例9における1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンを2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンに変えた以外は実施例9と同様にし
て、下式で示す本発明のポリカーボネート樹脂を得た。
このポリカーボネート樹脂のガラス転移温度、元素分析
値及びゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
測定したポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分
子量を下記表1に示した。
【化44】
【0134】実施例13 実施例6におけるジフェノール化合物をN−4−[2―
(4−ヒドロキシ)フェネチル]フェニル−N‘−4―[2
―(3−ヒドロキシ)フェネチル]フェニル−4−メチル
ビフェニル−4’−アミンに変えた以外は実施例6と同
様にして、下式で示す本発明のポリカーボネート樹脂を
得た。このポリカーボネート樹脂のガラス転移温度、元
素分析値及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定したポリスチレン換算の数平均分子量、重量
平均分子量を下記表1に示した。
【化45】
【0135】実施例14 実施例6におけるジフェノール化合物をN,N‘−ビス
{3−メチル−4−[2−(4−ヒドロキシー3−メチル)
フェネチル]}フェニル−4−メチルビフェニル−4’−
アミンに変えた以外は実施例6と同様にして、下式で示
す本発明のポリカーボネート樹脂を得た。このポリカー
ボネート樹脂のガラス転移温度、元素分析値及びゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリ
スチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を下記表
1に示した。
【化46】
【0136】実施例15 実施例6におけるジフェノール化合物をN,N‘−ビス
{3−メチル−4−[2−(4−ヒドロキシ)フェネチル]}
フェニル−4−エチルビフェニル−4’−アミンに変え
た以外は実施例6と同様にして、下式で示す本発明のポ
リカーボネート樹脂を得た。このポリカーボネート樹脂
のガラス転移温度、元素分析値及びゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算
の数平均分子量、重量平均分子量を下記表1に示した。
【化47】
【0137】実施例16 実施例9におけるジフェノール化合物をN,N‘−ビス
{4−[2−(4−ヒドロキシ)フェネチル]}フェニル−4
−エチルビフェニル−4’−アミンに変えた以外は実施
例9と同様にして、下式で示す本発明のポリカーボネー
ト樹脂を得た。このポリカーボネート樹脂のガラス転移
温度、元素分析値及びゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにより測定したポリスチレン換算の数平均分子
量、重量平均分子量を下記表1に示した。
【化48】
【0138】実施例17 実施例6におけるジフェノール化合物をN,N‘−ビス
{4−[2−(4−ヒドロキシ)フェネチル]}フェニル−4
−エチルビフェニル−4’−アミンに変えた以外は実施
例6と同様にして、下式で示す本発明のポリカーボネー
ト樹脂を得た。このポリカーボネート樹脂のガラス転移
温度、元素分析値及びゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにより測定したポリスチレン換算の数平均分子
量、重量平均分子量を下記表1に示した。
【化49】
【0139】実施例18 実施例6におけるジフェノール化合物をN,N‘−ビス
{4−[2−(4−ヒドロキシ)フェネチル]}フェニル−
3,3’−ジメチルビフェニル−4’−アミンに変えた
以外は実施例6と同様にして、下式で示す本発明のポリ
カーボネート樹脂を得た。このポリカーボネート樹脂の
ガラス転移温度、元素分析値及びゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の
数平均分子量、重量平均分子量を下記表1に示した。
【化50】
【0140】実施例19 実施例6におけるジフェノール化合物をN,N‘−ビス
{4−[2−(4−ヒドロキシ)フェネチル]}フェニル−
1,1’−ビフェニル−4’−アミンに変えた以外は実
施例6と同様にして、下式で示す本発明のポリカーボネ
ート樹脂を得た。このポリカーボネート樹脂のガラス転
移温度、元素分析値及びゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより測定したポリスチレン換算の数平均分
子量、重量平均分子量を下記表1に示した。
【化51】
【0141】
【表1】
【0142】実施例20 アルミ板上にメタノール/ブタノール混合溶媒に溶解し
たポリアミド樹脂(CM−8000;東レ社製)溶液を
ドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.3μmの
中間層を設けた。この上に電荷発生物質として下記式で
表されるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンとメチルエ
チルケトンの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得
られた分散液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し
て約0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0143】
【化52】
【0144】次に電荷輸送物質として実施例5で得られ
たポリカーボネート樹脂をジクロロメタンに溶解し、こ
の溶液を前記電荷発生層上にドクターブレードで塗布
し、自然乾燥し、次いで120℃で20分間乾燥して厚
さ20μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。
【0145】かくしてつくられた感光体について市販の
静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製SP42
8型]を用いて暗所で−6kVのコロナ放電を20秒間
行って帯電せしめた後、感光体の表面電位Vm(V)を
測定し、更に20秒間暗所に放置した後、表面電位Vo
(V)を測定した。次いでタングステンランプ光を感光
体表面での照度が4.5luxになるように照射して、
−800Vからの電位が1/2になるまでの時間(s)
を求め、露光量E1/2(lux・s)を算出した。そ
の結果を下記の表2に示す。
【0146】実施例21〜34 実施例21〜34では、実施例20で用いた実施例5の
ポリカーボネート樹脂の代わりに実施例6〜19で得ら
れたポリカーボネート樹脂を順にそれぞれ用いた以外
は、実施例20と同様にして感光体を作製し、評価し
た。その結果を下記の表2にまとめて記す。
【0147】また、以上の各感光体を市販の電子写真複
写機を用いて帯電せしめた後、原図を介して光照射を行
って静電潜像を形成せしめ、乾式現像剤を用いて現像
し、得られた画像(トナー画像)を普通紙上に静電転写
し、定着したところ、鮮明な転写画像が得られた。現像
剤として湿式現像剤を用いた場合も同様に鮮明な転写画
像が得られた。
【0148】
【表2】
【0149】
【発明の効果】本発明は、主鎖に電荷輸送性の骨格を有
するポリマー、特にポリカーボネート樹脂において、ト
リアリールアミン構造上のアリール基上に直接カルボニ
ルジオキシ基を置換することなく、すなわちトリアリー
ルアミン構造上のアリール基にアリール基で置換された
アルカンの二価基を介してカルボニルジオキシ基を導入
することにより、電子の局在化を回避し、かつ分子運動
性の向上により、電子写真感光体としての電気特性及び
機械特性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の一
例を示す断面図である。
【図2】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他
の例を示す断面図である。
【図3】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他
の例を示す断面図である。
【図4】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他
の例を示す断面図である。
【図5】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他
の例を示す断面図である。
【図6】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他
の例を示す断面図である。
【図7】本発明に係わる電子写真用感光体を用いる電子
写真装置の一例を示す概略図である。
【図8】本発明に係わる電子写真用感光体を用いる電子
写真装置の他の例を示す概略図である。
【図9】本発明に係わる電子写真用感光体を用いたプロ
セスカートリッジの例を示す概略図である。
【図10】本発明の実施例2の化合物の赤外吸収スペク
トル図である。
【図11】本発明の実施例4の化合物の赤外吸収スペク
トル図である。
【図12】本発明の実施例6の化合物の赤外吸収スペク
トル図である。
【図13】本発明の実施例8の化合物の赤外吸収スペク
トル図である。
【図14】本発明の実施例9の化合物の赤外吸収スペク
トル図である。
【図15】本発明の実施例10の化合物の赤外吸収スペ
クトル図である。
【図16】本発明の実施例11の化合物の赤外吸収スペ
クトル図である。
【図17】本発明の実施例12の化合物の赤外吸収スペ
クトル図である。
【図18】本発明の実施例13の化合物の赤外吸収スペ
クトル図である。
【図19】本発明の実施例14の化合物の赤外吸収スペ
クトル図である。
【符号の説明】
(図1〜図6について) 1 導電性支持体 2,2’,2’’,2’’’,2’’’’,
2’’’’’ 感光層 3 電荷発生物質 4 電荷輸送層 5 電荷発生層 6 保護層 7 電荷輸送媒体 (図7〜図9について) 1,16 感光体 2 除電ランプ 3、17 帯電チャージャ 4 イレーサ 5、19 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャ 8 レジストローラ 9 転写紙 10 転写チャージャ 11 分離チャージャ 12 分離爪 13 クリーニング前チャージャ 14 ファーブラシ 15 クリーニングブレード 18 クリーニングブラシ 20 現像ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/07 103 G03G 5/07 103 (72)発明者 永井 一清 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 李 洪国 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 諸岡 勝宏 神奈川県川崎市幸区堀川町66番地2 保土 谷化学工業株式会社内 (72)発明者 鈴鹿 進 神奈川県川崎市幸区堀川町66番地2 保土 谷化学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA13 BA12 BB26 BB48 FA27 FB07 FB08 4H006 AA01 AB46 BJ50 BN30 BU46 4J029 AA09 AB01 AB07 AC01 AC02 AC03 AE03 BB12A BB12B BB13A BD09A BE05A BE05B BF14A BF17 BG07X BG08X BG08Y BH01 BH02 BH04 DA06 DA09 DB13 HC02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリール基で置換されたアルカンの二価
    基と少なくとも一つのトリアリールアミン基とを有し、
    かつトリアリールアミン基のアリール基に結合したアリ
    ール基で置換されたアルカンの二価基上のアリール基に
    ヒドロキシル基が、置換されていることを特徴とするジ
    フェノール化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1におけるジフェノール化合物が
    下記一般式(1)で表されるジフェノール化合物。 【化1】 (式(1)中Ar、Ar、Ar及びArは置換
    もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは無
    置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar−Za
    −Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のアリ
    レン基、ZaはO、S又はアルキレン基、R及びR’は
    直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を
    表す。)
  3. 【請求項3】 請求項2におけるジフェノール化合物が
    下記一般式(2)で表されるジフェノール化合物。 【化2】 (式(2)中Ra、Rb、Rc及びRdはアルキル基を
    表し、Ar、Z、R、R’及びnは上記定義と同一で
    ある。)
  4. 【請求項4】 下記一般式(3)で表される構成単位を
    含有する芳香族ポリカーボネート樹脂。 【化3】 (式(3)中Ar、Ar、Ar及びArは置換
    もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは無
    置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar−Za
    −Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のアリ
    レン基、ZaはO、S又はアルキレン基、R及びR’は
    直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を
    表す。)
  5. 【請求項5】 請求項4における芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂が下記一般式(4)で表される芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂。 【化4】 (式(4)中Ra、Rb、Rc及びRdはアルキル基を
    表し、Ar、Z、R、R’及びnは上記定義と同一で
    ある。)
  6. 【請求項6】 請求項4における一般式(3)及び下記
    一般式(5)で表される構成単位からなり、一般式
    (3)で表される構成単位の組成比をk、一般式(5)
    で表される構成単位の組成比をjとしたときに組成比の
    割合が0<k/(k+j)≦1である芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂。 【化5】 [式(5)中、Xは置換又は無置換の脂肪族二価基、置
    換又は無置換環状脂肪族二価基、置換又は無置換芳香族
    二価基、又はこれらを連結してできる二価基、又は、 【化6】 (ここで、R〜Rは独立して置換もしくは無置換の
    アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基又はハロ
    ゲン原子である。またa及びbは各々独立して0〜4の
    整数であり、c及びdは各々独立して0〜3の整数であ
    り、R〜Rがそれぞれに複数個存在するときは同一
    でも異なっていても良い。Yは単結合、炭素原子数2〜
    12の直鎖状のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭
    素原子数3〜12の分岐状のアルキレン基、一つ以上の
    炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及
    び硫黄原子から構成される二価基、−O−、−S−、−
    SO−、−SO−、−CO−、−COO−、又は下記
    式 【化7】 から選ばれ、Z及びZは置換もしくは無置換の脂肪
    族の二価基又は置換もしくは無置換のアリレン基を表
    し、R、R及びR12はハロゲン原子、置換もしく
    は無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキ
    シ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R
    11は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、置換も
    しくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアル
    コキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。ま
    たRとRは結合して炭素数5〜12の炭素環を形成
    してもよく、R13とR14は単結合又は炭素数1〜4
    のアルキレン基を表し、R15とR16は各々独立して
    置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
    のアリール基を表し、eとgは0〜4の整数、fは1又
    は2、hは0〜20の整数、iは0〜2000の整数を
    表す。)を表す。]
  7. 【請求項7】 請求項6における一般式(3)で表され
    る構成単位が上記一般式(4)で表される構成単位であ
    ることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂。
  8. 【請求項8】 下記一般式(6)で表される芳香族ポリ
    カーボネート樹脂。 【化8】 (式(6)中Ra、Rb、Rc、Rd、Ar、Z、
    R、R’、X及びnは上記定義と同一である。)
  9. 【請求項9】 導電性支持体上に、アリール基で置換さ
    れたアルカンの二価基と少なくとも一つのトリアリール
    アミン基とを有し、かつカルボニルジオキシ基がトリア
    リールアミン基のアリール基に結合したアリール基で置
    換されたアルカンの二価基上のアリール基に置換されて
    いることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂を有
    効成分として含有した感光層を設けたことを特徴とする
    電子写真用感光体。
  10. 【請求項10】 前記芳香族ポリカーボネート樹脂が下
    記一般式(3)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂
    であることを特徴とする請求項9記載の電子写真用感光
    体。 【化9】 (式(3)中Ar、Ar、Ar及びArは置換
    もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは無
    置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar−Za
    −Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のアリ
    レン基、ZaはO、S又はアルキレン基、R及びR’は
    直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0又は1を
    表す。)
  11. 【請求項11】 前記芳香族ポリカーボネート樹脂が一
    般式(4)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂であ
    ることを特徴とする請求項10記載の電子写真用感光
    体。 【化10】 (式(4)中Ra、Rb、Rc及びRdはアルキル基を
    表し、Ar、Z、R、R’及びnは上記定義と同一で
    ある。)
  12. 【請求項12】 請求項10における一般式(3)及び
    下記一般式(5)で表される構成単位からなり、一般式
    (3)で表される構成単位の組成比をk、一般式(5)
    で表される構成単位の組成比をjとしたときに組成比の
    割合が0<k/(k+j)≦1である芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂を有効成分として含有した感光層を設けたこ
    とを特徴とする電子写真用感光体。 【化11】 [式(5)中、Xは置換又は無置換の脂肪族二価基、置
    換又は無置換環状脂肪族二価基、置換又は無置換芳香族
    二価基、又はこれらを連結してできる二価基、又は、 【化12】 (ここで、R〜Rは独立して置換もしくは無置換の
    アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基又はハロ
    ゲン原子である。またa及びbは各々独立して0〜4の
    整数であり、c及びdは各々独立して0〜3の整数であ
    り、R〜Rがそれぞれに複数個存在するときは同一
    でも異なっていても良い。Yは単結合、炭素原子数2〜
    12の直鎖状のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭
    素原子数3〜12の分岐状のアルキレン基、一つ以上の
    炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及
    び硫黄原子から構成される二価基、−O−、−S−、−
    SO−、−SO−、−CO−、−COO−、又は下記
    式 【化13】 から選ばれ、Z及びZは置換もしくは無置換の脂肪
    族の二価基又は置換もしくは無置換のアリレン基を表
    し、R、R及びR12はハロゲン原子、置換もしく
    は無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキ
    シ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R
    11は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、置換も
    しくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアル
    コキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。ま
    たRとRは結合して炭素数5〜12の炭素環を形成
    してもよく、R13とR14は単結合又は炭素数1〜4
    のアルキレン基を表し、R15とR16は各々独立して
    置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
    のアリール基を表し、eとgは0〜4の整数、fは1又
    は2、hは0〜20の整数、iは0〜2000の整数を
    表す。)を表す。]
  13. 【請求項13】 前記一般式(3)で表される構成単位
    が一般式(4)で表される構成単位である芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂であることを特徴とする請求項12記載
    の電子写真用感光体。
  14. 【請求項14】 導電性支持体上に、下記一般式(6)
    で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂を有効成分として含有した感光層を設けたことを
    特徴とする電子写真用感光体。 【化14】 (式(6)中、Ra、Rb、Rc、Rd、Ar、Z、
    X、R、R’及びnは上記定義と同一である。)
  15. 【請求項15】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、
    画像露光、現像、転写が繰り返し行われる電子写真方法
    において、該電子写真感光体が請求項9〜14記載の電
    子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法。
  16. 【請求項16】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、
    画像露光、現像、転写を繰り返し行い、かつ画像露光の
    際にはLDあるいはLED等によって感光体上に静電潜
    像の書き込みが行われる、デジタル方式の電子写真方法
    において、該電子写真感光体が請求項9〜14記載の電
    子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法。
  17. 【請求項17】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、
    現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してな
    る電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項9
    〜14記載の電子写真感光体であることを特徴とする電
    子写真装置。
  18. 【請求項18】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、
    現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してな
    る電子写真装置において、画像露光手段にLDあるいは
    LED等を使用することによって感光体上に静電潜像の
    書き込みが行われる、デジタル方式の電子写真装置であ
    って、該電子写真感光体が請求項9〜14記載の電子写
    真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
  19. 【請求項19】 少なくとも電子写真感光体を具備して
    なる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該
    電子写真感光体が請求項9〜14記載の電子写真感光体
    であることを特徴とする電子写真装置用プロセスカート
    リッジ。
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