JP2002248318A - 湿式排煙脱硫装置 - Google Patents

湿式排煙脱硫装置

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JP2002248318A
JP2002248318A JP2001046965A JP2001046965A JP2002248318A JP 2002248318 A JP2002248318 A JP 2002248318A JP 2001046965 A JP2001046965 A JP 2001046965A JP 2001046965 A JP2001046965 A JP 2001046965A JP 2002248318 A JP2002248318 A JP 2002248318A
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circulation tank
absorption tower
absorbing liquid
vane
falling
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JP2001046965A
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Inventor
Motoomi Iwatsuki
元臣 岩月
Hiroshi Ishizaka
浩 石坂
Hirobumi Yoshikawa
博文 吉川
Naoki Oda
直己 尾田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環タンク底部における石膏の堆積を防ぐこ
とにより、スプレノズルの詰まりや循環ポンプの破損、
スケーリングの発生を防止し、信頼性が高く、安定した
運転が可能な湿式排煙脱硫装置を得ること。 【解決手段】 吸収液5はスプレノズル13から吸収塔
1内に噴射され、吸収塔1内を落下する際に落下速度を
増して吸収液5の落下運動を水平方向の運動に変換する
ベーン17に衝突する。また、攪拌機7によって循環タ
ンク6内の吸収液5に旋回流が生じており、この流れと
同一方向になるようにベーン17が傾斜しているので、
落下する吸収液5を循環タンク6内にほぼ水平方向に旋
回運動をしつつ流れ込む。このとき、吸収液5の落下エ
ネルギーは循環タンク6内の流れの旋回エネルギーに変
換され、循環タンク6内の攪拌を促進する。このため、
攪拌機7に加えてベーン17によって生じる旋回流によ
る攪拌により、循環タンク6の底部における石膏の堆積
がより確実に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明はボイラなどの燃焼装置か
ら排出される排ガス中の二酸化硫黄(SO)を除去す
る湿式排煙脱硫装置に係わり、特に、循環タンク内の攪
拌を十分に行う機能を備えた湿式排煙脱硫装置に関する
ものである。
【0003】
【従来の技術】火力発電所等において、化石燃料の燃焼
に伴って発生する排煙中の硫黄酸化物、中でも特にSO
は大気汚染・酸性雨等の環境問題における主原因の一
つである。排煙中の硫黄酸化物を取り除く脱硫システム
は石灰石−石膏法による湿式法が主流を占めており、中
でも最も実績が多く信頼性の高いスプレ方式が世界的に
も多く採用されている。しかしながら、燃料の多様化、
排水量低減などに伴い、脱硫装置に対して厳しい運転条
件が要求されるようになり、脱硫性能の維持とトラブル
の発生を防止するためには、さらに高度な技術が必要で
ある。
【0004】従来技術のスプレ方式を採用した湿式排煙
脱硫装置の公知例として、脱硫装置を構成する吸収塔の
側面図を図8に示す。この湿式排煙脱硫装置は、主に吸
収塔本体1、入口ダクト2、出口ダクト3、吸収液循環
ポンプ4、循環タンク6、攪拌機7、空気吹込み管8、
ミストエリミネータ9、吸収液抜出し管10、循環配管
11、スプレヘッダー12、スプレノズル13、吸込み
配管14等から構成される。スプレノズル13は、ガス
流れに対して直交する断面内に複数個設置されており、
更にガス流れ方向に複数段設置されている。また、攪拌
機7及び空気吹込み管8は吸収液5が滞留する循環タン
ク6に設置され、ミストエリミネータ9は出口ダクト3
内に設置される。
【0005】ボイラから排出される排ガスは、脱硫ファ
ンにより入口ダクト2から吸収塔本体1にほぼ水平方向
に導入され、塔頂部に設けられた出口ダクト3から排出
される。この間、吸収液循環ポンプ4から送られる炭酸
カルシウムを含んだ吸収液5がスプレノズル13から噴
射され、吸収液5と排ガスの気液接触が行われる。この
とき吸収液5は排ガス中のSOを選択的に吸収し、亜
硫酸カルシウムを生成する。噴射された吸収液5の中
で、液滴径の小さいものは排ガスに同伴されるが、出口
ダクト3に設けられたミストエリミネータ9によって捕
集される。
【0006】一方、亜硫酸カルシウムを生成した吸収液
5は一旦循環タンク6に溜まり、酸化用攪拌機7によっ
て攪拌されながら、空気吹込み管8から供給される気泡
15中の酸素により亜硫酸カルシウムが酸化され硫酸カ
ルシウム(石膏)を生成する。炭酸カルシウム及び石膏
が共存する循環タンク6内の吸収液5の一部は、吸収液
循環ポンプ4によって再びスプレノズル13に送られ、
一部は吸収液抜き出し管10より廃液処理・石膏回収系
へと送られる。循環タンク6に溜まった吸収液5は循環
タンク6の上部に泡沫層16を発生させる。
【0007】酸化用攪拌機7の主なる目的は亜硫酸カル
シウムを酸化することであるが、循環タンク6内におい
て石膏の堆積を防ぐ役割も果たす。しかしながら、石膏
の堆積防止に十分な台数の攪拌機7を設置すると、設備
コスト及びランニングコストが増加し、経済的ではな
い。
【0008】
【課題を解決するための課題】上記従来技術では、経済
的に循環タンク6内における石膏の堆積を防止できず、
吸収液攪拌が十分に行われない前記循環タンク6中央部
において石膏が堆積する。堆積し固化した石膏が循環ポ
ンプ4に吸い込まれると、スプレノズル13の詰まりや
循環ポンプ4の破損を引き起こす。
【0009】本発明の課題は、循環タンク底部における
石膏の堆積を防ぐことにより、スプレノズルの詰まりや
循環ポンプの破損、スケーリングの発生を防止し、信頼
性が高く、安定した運転が可能な湿式排煙脱硫装置を得
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、次
の構成により解決される。 (1)ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガスを導
入する入口ダクトと浄化処理後の吸収液を排出する出口
ダクトと導入された排ガスを吸収液と気液接触させるこ
とにより排ガス中の硫黄酸化物を処理するガス吸収部を
有する吸収塔と、該吸収塔の下部に吸収液を貯留し、か
つ貯留吸収液を前記吸収塔のガス吸収部に循環供給する
循環タンクを備えた湿式排煙脱硫装置において、吸収塔
内を落下する吸収液の落下運動を循環タンク内において
ほぼ水平方向の運動に変換する機能を有する手段を吸収
塔本体もしくは循環タンク内に設けた湿式排煙脱硫装
置。
【0011】(2)ボイラなどの燃焼装置から排出され
る排ガスをほぼ水平方向に導入する入口ダクトと浄化し
た排ガスをほぼ水平方向に排出する出口ダクトとを設
け、前記入口ダクトと出口ダクトの間に排ガス流路を設
け、その排ガス流路を入口ダクト側と出口ダクト側の二
室に分割するために天井部側に開口部を有する鉛直方向
に立てた仕切板を設け、該仕切板で入口ダクトから導入
される排ガスが上向きに流れる上昇流領域と天井側の開
口部で反転した後に出口ダクトに向けて下向きに排ガス
が流れる下降流領域を形成し、噴出する吸収液スラリが
排ガスと上昇流領域では向流接触し、下降流領域では並
流接触するように前記各領域にスプレノズルを設けた排
ガス中の硫黄酸化物を処理する吸収塔と、前記吸収塔の
下方にスプレノズルから噴出する吸収液スラリを貯留す
る循環タンクとを備えた二室型湿式排煙脱硫装置におい
て、吸収塔内を落下する吸収液の落下運動を循環タンク
内においてほぼ水平方向の運動に変換する機能を有する
手段を吸収塔本体もしくは循環タンク内に設けた湿式排
煙脱硫装置。
【0012】上記本発明の吸収液の落下運動を水平方向
の運動に変換する手段として、吸収塔本体もしくは循環
タンク内の中心軸を通る特定の水平面を最低部として、
該水平面に対して半径方向に傾斜した面を有するベーン
又は吸収塔本体もしくは循環タンク内の中心軸を通る特
定の水平面を最低部として、該水平面に対して半径方向
に傾斜し、かつ前記中心軸周りに吸収液を旋回させる円
周方向にも傾斜した面を有するベーンを吸収塔内もしく
は循環タンク内に設けることが望ましい。
【0013】また、前記ベーンの傾斜面は、吸収塔本体
もしくは循環タンクの水平断面を二以上に分割した傾斜
面からなるものを用いることができる。
【0014】また、本発明の湿式脱硫装置は、循環タン
ク内の吸収液を攪拌する攪拌機を備え、前記ベーンは該
攪拌機によって作られる循環タンク内の吸収液の流れ方
向と同一方向に落下吸収液を誘導する傾斜面を傾けたも
のを使用することが望ましい。
【0015】
【作用】吸収液はスプレノズルから吸収塔内に噴出さ
れ、排ガスと気液接触をするが、その後、吸収塔内を落
下する際に落下速度を増して吸収液の落下運動を水平方
向の運動に変換する手段(図1のベーン17など)に衝
突する。このとき、吸収液の落下エネルギーは循環タン
ク内で旋回エネルギーに変換され、循環タンク内の吸収
液の攪拌を促進する。
【0016】また、攪拌機を設けている場合には攪拌機
によって、循環タンク内の吸収液に旋回流が生じてお
り、この流れと前記落下吸収液の流れ方向が同一方向に
なるように吸収液の落下運動を水平方向の運動に変換す
る手段(ベーン17など)が設けられているので、落下
吸収液は循環タンク内では、ほぼ水平方向に流れ方向を
変え、旋回運動をしつつ循環タンク内の吸収液の旋回流
に流れ込む。このため、攪拌機に加えて前記手段(ベー
ン17など)によって生じる旋回流による循環タンク内
の吸収液の攪拌作用で循環タンクの底部における石膏の
堆積がより確実に防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。図1は本発明による実施の形
態の湿式排煙脱硫装置の概略構成図を示し、図2は図1
に示す吸収塔本体の循環タンク部分を拡大して示す斜視
図である。図3は従来技術と本発明の実施の形態の湿式
排煙脱硫装置の循環タンク底部に堆積した石膏面積を比
較した図である。
【0018】図1、図2に示す湿式排煙脱硫装置は、図
8に示す湿式排煙脱硫装置と同様に、主に吸収塔本体
1、入口ダクト2、出口ダクト3、吸収液循環ポンプ
4、循環タンク6、攪拌機7、空気吹込み管8、ミスト
エリミネータ9、吸収液抜出し管10、循環配管11、
スプレヘッダー12、スプレノズル13、吸込み配管1
4等から構成される。スプレノズル13は、ガス流れに
対して直交する断面内に複数個設置されており、更にガ
ス流れ方向に複数段設置されている。また、攪拌機7及
び空気吹込み管8は吸収液5が滞留する循環タンク6に
設置され、ミストエリミネータ9は出口ダクト3内に設
置される。
【0019】吸収液循環ポンプ4から送られる炭酸カル
シウムを含んだ吸収液5がスプレノズル13から噴射さ
れ、吸収液5と排ガスの気液接触が行われ、吸収液5は
排ガス中のSOを選択的に吸収し、亜硫酸カルシウム
を生成する。亜硫酸カルシウムを生成した吸収液5は一
旦循環タンク6に溜まり、酸化用攪拌機7によって攪拌
されながら、空気吹込み管8から供給される気泡15中
の酸素により亜硫酸カルシウムが酸化され硫酸カルシウ
ム(石膏)を生成する。炭酸カルシウム及び石膏が共存
する循環タンク6内の吸収液5の一部は、吸収液循環ポ
ンプ4によって再びスプレノズル13に送られ、一部は
吸収液抜き出し管10より廃液処理・石膏回収系へと送
られる。
【0020】図1と図2に示す実施の形態は、吸収塔内
に円周方向に傾いたベーン17を設けた点で従来技術と
異なる。循環タンク6内に溜まった吸収液5は吸込み配
管14から循環ポンプ4に吸い込まれ、循環配管11を
通って塔頂部付近においてスプレノズル13から噴射さ
れる。吸収液5と排ガスの気液接触が行われた後、吸収
液5は循環タンク6に落下する。従来技術では循環タン
ク6に落下する吸収液5の運動エネルギーの多くは、循
環タンク6に溜まった吸収液5の液表面を乱すこと、も
しくは泡沫層16を発生させることに費やされ、何ら有
意な仕事に使われていない。
【0021】そこで、図1、図2に示す本発明の実施の
形態の湿式排煙脱硫装置では、吸収塔内を落下する吸収
液の落下運動エネルギーを循環タンク6内においてほぼ
水平方向の運動エネルギーに変換する機能を備えた部材
としてベーン17を設けたことに特徴がある。
【0022】図2に示すように、攪拌機7によって循環
タンク6内には吸収液の矢印でしめす旋回流が生じてお
り、この流れと同一方向になるようにベーン17は吸収
塔本体もしくは循環タンク6内の中心軸を通る特定の水
平面を最低部として、該水平面に対して半径方向に傾斜
し、かつ前記中心軸周りに吸収液を旋回させる円周方向
にも傾斜した扇状の平面を有している。
【0023】吸収液5はスプレノズル13から噴射さ
れ、吸収塔内を落下する際に落下速度を増してベーン1
7に衝突する。ベーン17は、図2に示すように、水平
面から円周方向に向けて傾いており、落下する吸収液は
ベーン17上で循環タンク6内にほぼ水平方向に旋回運
動をしつつ流れ込む。このとき、吸収液の落下エネルギ
ーは循環タンク6内の流れの旋回エネルギーに変換さ
れ、循環タンク6内の攪拌を促進する。このため、攪拌
機7に加えてベーン17によって生じる旋回流による攪
拌により、循環タンク6の底部における石膏の堆積がよ
り確実に防止される。
【0024】図3は、従来技術および本発明を適用した
吸収塔1を10日間運転した後の循環タンク6の底部に
20cm以上堆積した石膏面積を比較したものである。
従来技術の循環タンク底部に堆積した石膏面積を1と
し、運転時間、攪拌機台数、吸収液循環量、排ガス量等
は、従来技術と本発明を適用した循環タンク6の場合
で、全く同一条件とした。
【0025】図3より本発明のベーン17を備えた脱硫
装置では、従来技術の約25%まで循環タンク6の底部
に堆積した石膏面積が減少していることが分かる。した
がって、図1、図2に示した循環タンク6に設置したベ
ーン17により、循環タンク6内の吸収液5の攪拌が促
進され、その結果、従来技術の脱硫装置の約1/4まで
循環タンク6の底部における石膏の堆積が防止できる。
【0026】図4に示す本発明の実施の形態は、ベーン
17を循環タンク6の吸収液内に浸漬して設置した点で
図1に示す実施の形態と異なる。循環タンク6上部にベ
ーン17を配置する空間が無い場合、循環タンク6内の
吸収液5中に浸漬してベーン17を設置することによ
り、同様の効果を得ることができる。
【0027】図5に示す実施の形態は、ベーン17を4
枚にした点で図1に示す実施の形態と異なる。図5に示
すベーン17は循環タンク6の水平断面の四分の一を占
める四つの領域に扇状の傾斜面を有する構成から成って
いる。ベーン17の枚数を増やし、循環タンク6上部全
体を覆うことにより、落下する吸収液5が循環タンク6
に溜まった吸収液5の表面に直接衝突することを防ぐこ
とができる。このため、図8に示す泡沫層16の生成が
抑制され、泡沫層16が吸い込み配管14に吸い込まれ
ず、循環ポンプ4の安定した運転が可能となる。
【0028】図6に示す実施の形態のベーン17は循環
タンク6の水平断面の二分の一を占める一つの領域に扇
状の傾斜面を有する構成から成っている。図6に示す例
では攪拌機7の作る吸収液5の流れが吸込み配管14に
向かって一方向に流れており、ベーン17が吸込み配管
14の方向に傾けてある点で図1に示した実施の形態と
異なる。循環タンク6内の攪拌機7による攪拌方法は様
々であり、図6に示すように一方向に攪拌する場合もあ
る。この場合、吸収塔1内を落下して循環タンク6内の
吸収液5が攪拌機7の作る吸収液5の流れ方向に流れる
ように、ベーン17を傾けることにより循環タンク6の
底部に石膏が堆積することを防止することができる。
【0029】図7に示す実施の形態は、本発明のベーン
17を二室型脱硫装置の循環タンク内に設置した点で図
1に示した実施の形態とは異なる。図7に示す実施の形
態の吸収塔を構成する部材で図1に示す吸収塔で用いた
ものと同一のものは同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0030】吸収塔本体1内には仕切板20を設置し、
吸収塔本体1内の空間を二室に分けているが出口ダクト
3を入口ダクト2とほぼ同じ高さに設けているため、入
口ダクト2から導入された排ガスは、仕切板20に遮ら
れ、上昇流領域18を上昇し、塔頂部で反転した後、下
降流領域19を下降する。この間、上昇流領域18およ
び下降流領域19では、吸収液循環ポンプ4から送られ
る炭酸カルシウムを含んだ吸収液5が、それぞれの領域
18、19に設けられたスプレノズル13から噴射さ
れ、吸収液5と排ガスの気液接触が行われる。
【0031】このとき吸収液5により排ガス中のSO2
が選択的に吸収され、循環タンク6内で酸化され、硫酸
カルシウム(石膏)を生成する。炭酸カルシウム及び石
膏が共存する循環タンク6内の吸収液5の一部は、吸収
液循環ポンプ4によって再びスプレノズル13に送ら
れ、一部は吸込み配管14に設けられた吸収液抜き出し
管10より図示していない廃液処理・石膏回収系へと送
られる。また、スプレノズル13からの噴射によって微
粒化された吸収液5の中で、液滴径の小さいものは排ガ
スに同伴されるが、出口ダクト3に設けられたミストエ
リミネータ9によって捕集される。
【0032】図7に示す吸収塔本体1は、出口ダクト3
が入口ダクト2とほぼ同じ低い高さに設けられているた
め、ミストエリミネータ9および出口ダクト3の支持鉄
骨(図示せず)が低く簡易なものになり、また、熱交換
器(再加熱側)(図示せず)に接続するためのダクトの
長さも短くて済む。
【0033】上記構成の図7に示す吸収塔1内を落下す
る吸収液の落下運動エネルギーを循環タンク6内におい
てほぼ水平方向の運動エネルギーに変換する機能を備え
た部材としてベーン17を設けている。ベーン17は図
2、図5、図6に示すベーン17と同様の構成のものを
用いることができ、例えば図2、図5に示すベーン17
のように吸収塔本体1もしくは循環タンク6内の中心軸
を通る特定の水平面を最低部として、該水平面に対して
半径方向に傾斜し、かつ前記中心軸周りに吸収液5を旋
回させる円周方向に傾斜した扇形状の面を有しているベ
ーン17を用いる。
【0034】また、攪拌機7によって循環タンク6内に
は旋回流が生じており、この流れと同一方向になるよう
に前記ベーン17が傾斜しているので、スプレノズル1
3から噴射され、吸収塔1内を落下する吸収液5はベー
ン17上で循環タンク6内にほぼ水平方向に旋回運動を
しつつ流れ込む。このとき、吸収液5の落下エネルギー
はタンク内の流れの旋回エネルギーに変換され、循環タ
ンク6内の攪拌を促進する。このため、攪拌機7に加え
てベーン17によって生じる旋回流による攪拌により、
循環タンク6の底部における石膏の堆積がより確実に防
止される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、循環タンク底部におけ
る石膏の堆積を防ぐことができるため、堆積して固化し
た石膏が循環ポンプに吸い込まれてスプレーの目詰まり
およびポンプの破損を起こすことを防止することができ
る。さらに、ベーンにより循環タンク内の吸収液表面を
覆うため、塔内を落下する吸収液が液表面に直接衝突せ
ず、泡沫層の生成が抑制され、信頼性が高く、安定した
運転が可能な湿式排煙脱硫装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による吸収塔内に円周方向に傾いたベ
ーンを設置した吸収塔の側面を示す概略図である。
【図2】 図1のベーン部分を拡大した循環タンクの斜
視図である。
【図3】 従来技術と本発明において、循環タンク底部
に堆積した石膏面積を比較した図である。
【図4】 本発明による他の実施の形態であり、ベーン
を循環タンクの吸収液内に浸漬して設置した場合の吸収
塔の側面図である。
【図5】 本発明による他の実施の形態であり、ベーン
枚数を4枚に増やし、循環タンク上部を覆うことによ
り、落下する吸収液を直接吸収液に衝突することを防い
だ循環タンクの斜視図である。
【図6】 本発明による他の実施例であり、攪拌機のつ
くる流れが吸込み配管に向かって一方向に流れており、
ベーンが吸込み配管に向かって傾けてある循環タンクの
斜視図である。
【図7】 本発明による他の実施の形態であり、本発明
を二室型脱硫装置に適用した例である。
【図8】 従来技術の湿式脱硫装置における吸収塔の側
面図である。
【符号の説明】
1 吸収塔本体 2 入口ダクト 3 出口ダクト 4 吸収液循環ポンプ 5 吸収液 6 循環タンク 7 攪拌機 8 空気吹込み管 9 ミストエリミネータ 10 吸収液抜出し管 11 循環配管 12 スプレヘッダー 13 スプレノズル 14 吸込み配管 15 気泡 16 泡沫層 17 ベーン 18 上昇流領域 19 下降流領域 20 仕切板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 博文 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 尾田 直己 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AC01 BA02 CA01 DA05 DA16 EA11 FA03 HA06 HA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラなどの燃焼装置から排出される排
    ガスを導入する入口ダクトと浄化処理後の吸収液を排出
    する出口ダクトと導入された排ガスを吸収液と気液接触
    させることにより排ガス中の硫黄酸化物を処理するガス
    吸収部を有する吸収塔と、該吸収塔の下部に吸収液を貯
    留し、かつ貯留吸収液を前記吸収塔のガス吸収部に循環
    供給する循環タンクを備えた湿式排煙脱硫装置におい
    て、 吸収塔内を落下する吸収液の落下運動を循環タンク内に
    おいてほぼ水平方向の運動に変換する機能を有する手段
    を吸収塔本体もしくは循環タンク内に設けたことを特徴
    とする湿式排煙脱硫装置。
  2. 【請求項2】 前記吸収液の落下運動を旋回運動に変換
    する機能を有する手段として、吸収塔本体もしくは循環
    タンク内の中心軸を通る特定の水平面を最低部として、
    該水平面に対して半径方向に傾斜した面を有するベーン
    を吸収塔内もしくは循環タンク内に設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の湿式排煙脱硫装置。
  3. 【請求項3】 前記吸収液の落下運動を旋回運動に変換
    する機能を有する手段として、吸収塔本体もしくは循環
    タンク内の中心軸を通る特定の水平面を最低部として、
    該水平面に対して半径方向に傾斜し、かつ前記中心軸周
    りに吸収液を旋回させる円周方向にも傾斜した面を有す
    るベーンを吸収塔内もしくは循環タンク内に設けたこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の湿式排煙脱硫装置。
  4. 【請求項4】 前記ベーンの傾斜面は、吸収塔本体もし
    くは循環タンクの水平断面を二以上に分割した傾斜面か
    らなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の湿式排煙脱硫装置。
  5. 【請求項5】 循環タンク内の吸収液を攪拌する攪拌機
    を備え、前記ベーンは前記攪拌機によって作られる循環
    タンク内の吸収液の流れ方向と同一方向に落下吸収液を
    誘導する傾斜面を有することを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の湿式脱硫装置。
  6. 【請求項6】 ボイラなどの燃焼装置から排出される排
    ガスをほぼ水平方向に導入する入口ダクトと浄化した排
    ガスをほぼ水平方向に排出する出口ダクトとを設け、前
    記入口ダクトと出口ダクトの間に排ガス流路を設け、そ
    の排ガス流路を入口ダクト側と出口ダクト側の二室に分
    割するために天井部側に開口部を有する鉛直方向に立て
    た仕切板を設け、該仕切板で入口ダクトから導入される
    排ガスが上向きに流れる上昇流領域と天井側の開口部で
    反転した後に出口ダクトに向けて下向きに排ガスが流れ
    る下降流領域を形成し、噴出する吸収液スラリが排ガス
    と上昇流領域では向流接触し、下降流領域では並流接触
    するように前記各領域にスプレノズルを設けた排ガス中
    の硫黄酸化物を処理する吸収塔と、 前記吸収塔の下方にスプレノズルから噴出する吸収液ス
    ラリを貯留する循環タンクと、 を備えた二室型湿式排煙脱硫装置において、 吸収塔内を落下する吸収液の落下運動を循環タンク内に
    おいてほぼ水平方向の運動に変換する機能を有する手段
    を吸収塔本体もしくは循環タンク内に設けたことを特徴
    とする湿式排煙脱硫装置。
  7. 【請求項7】 前記吸収液の落下運動を旋回運動に変換
    する機能を有する手段として、吸収塔本体もしくは循環
    タンク内の中心軸を通る特定の水平面を最低部として、
    該水平面に対して半径方向に傾斜した面を有するベーン
    を吸収塔内もしくは循環タンク内に設けたことを特徴と
    する請求項6に記載の湿式排煙脱硫装置。
  8. 【請求項8】 前記吸収液の落下運動を旋回運動に変換
    する機能を有する手段として、吸収塔本体もしくは循環
    タンク内の中心軸を通る特定の水平面を最低部として、
    該水平面に対して半径方向に傾斜し、かつ前記中心軸周
    りに吸収液を旋回させる円周方向にも傾斜した面を有す
    るベーンを吸収塔内もしくは循環タンク内に設けたこと
    を特徴とする請求項6又は7記載の湿式排煙脱硫装置。
  9. 【請求項9】 前記ベーンの傾斜面は、吸収塔本体もし
    くは循環タンクの水平断面を二以上に分割した傾斜面か
    らなることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに
    記載の湿式排煙脱硫装置。
  10. 【請求項10】 循環タンク内の吸収液を攪拌する攪拌
    機を備え、前記ベーンは前記攪拌機によって作られる循
    環タンク内の吸収液の流れ方向と同一方向に落下吸収液
    を誘導する傾斜面を有することを特徴とする請求項6な
    いし9のいずれかに記載の湿式脱硫装置。
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