JP2002246397A - 炭化珪素半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置及びその製造方法

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JP2002246397A JP2001040497A JP2001040497A JP2002246397A JP 2002246397 A JP2002246397 A JP 2002246397A JP 2001040497 A JP2001040497 A JP 2001040497A JP 2001040497 A JP2001040497 A JP 2001040497A JP 2002246397 A JP2002246397 A JP 2002246397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化珪素半導体装置のイオン注入領域におい
て更なる高活性率化を図る。 【解決手段】 p型ベース領域3の形成時に、BとCと
の結合分子をイオン注入することで、B及びCを同時に
イオン注入する。これにより、p型ドーパントであるB
とC空孔を埋めるためのCとがイオン注入直後から近接
した場所に位置するようにできるため、Cの注入量が少
なくても十分にBの置換が行われる。このため、さらな
る高活性率化を図ることができると共に、Cの注入量低
減により結晶欠陥抑制を図ることも可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体装
置及びその製造方法に関し、特に絶縁ゲート型電界効果
トランジスタ、とりわけ大電力用の縦型パワーMOSF
ETに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化珪素を用いた半導体装置の不
純物層をイオン注入により形成する場合において、高い
活性率化の実現が所望されている。
【0003】例えば、p型ベース領域形成において、B
(ボロン)をドーパントとしてイオン注入する場合に
は、C(炭素)とBとをイオン注入することによりBを
選択的にSiサイトに置換できることが特開平9−63
968号公報で提案されている。この従来公報に示され
る半導体装置におけるp型ベース領域形成では、BとC
とを別々にイオン注入しており、高活性率化を実現する
ためには、Bの原子密度(以下、dBという)とCの原
子密度(以下、dCという)とがdB<dCの関係を満
たせば良いとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来公報に示され
るように、BとCとを別々にイオン注入することによっ
てもイオン注入領域の高活性率化を図ることが可能であ
るが、十分なものではなく、更なる高活性化率化が望ま
れる。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、炭化珪素半導体
装置のイオン注入領域において更なる高活性率化を図る
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべ
く、本発明者らがBとCとを連続的にイオン注入する場
合について実験したところ、C/B比が10の時にCサ
イトに置換されるBが極めて小さくなることが明確とな
った(例えばJpn.J.App.phys,Vol3
9(2000)p.2001参照)。すなわち、イオン
注入されたCをBが置換されるSiサイト近傍のC空孔
に置換するには、Bの注入量の10倍のCをイオン注入
する必要がある。これは、例えば1×1019cm-3程度
のBをイオン注入した場合において、隣り合うBの距離
が平均で約20〜30原子程度であることから、CをB
の10倍イオン注入することによりBとCとが近接する
確率を上昇させる必要があるためだと予測される。
【0007】しかしながら、Cの注入量を多くすると、
注入欠陥を増加させる原因ともなり、好ましくない。
【0008】そこで、請求項1に記載の発明では、炭化
珪素半導体(2)にイオン注入を行うことにより不純物
層(3)を形成する不純物層形成工程を含んだ炭化珪素
半導体装置の製造方法において、不純物層形成工程で
は、二つ以上の元素を同時にイオン化して炭化珪素半導
体に注入することを特徴としている。
【0009】このように、同時に二つ以上の元素をイオ
ン注入することで、これら各元素をイオン注入直後から
近接させることが可能となる。このため、さらなる高活
性率化を図ることができる。
【0010】具体的には、請求項2に示すように、少な
くとも一つの元素をドーパントとし、残りの元素を炭化
珪素の主元素とすることで、効率良くドーパントを所望
のサイトに置換することができ、この場合の、ドーパン
トとなる原子としては、例えば、請求項3に示すよう
に、p型ドーパントとなるB、Al、Ga、n型ドーパ
ントとなるN、Pが挙げられる。
【0011】請求項4に記載の発明では、ドーパントと
してBを用いると共に、炭化珪素の主元素としてCを用
い、かつドーパントと炭化珪素の主元素とをBxCyの
形としてイオン化し、炭化珪素半導体に注入することを
特徴としている。このように、例えばBxCyの形とし
てイオン注入を行えば、各元素を同時にイオン注入する
ことができる。
【0012】例えば、請求項5に示すように、BxCy
におけるx、yそれぞれを、x=4、y=1としても良
いし、請求項6に示すように、BxCyにおけるx、y
それぞれを、x=1、y=1としても良い。
【0013】この場合、BxCyの形を成すイオン化物
の生成原料としては、例えば請求項7に示すように、B
とCとを有する化合物を用いることができ、具体的に
は、請求項8に示すB4C、請求項9に示すB有機物、
請求項10に示す酢酸ボリルを用いることができる。
【0014】なお、生成原料からBxCyの形を成すイ
オン化物の取り出しは、例えば、請求項11に示すイオ
ンビームで行われ、電子ビームやイオンビーム等のよう
な高エネルギービームを用いることで、B4Cのように
融点が極めて高く、イオン注入原料として使用し難いも
のにおいても分子単体を取り出すことができる。
【0015】また、請求項12に示すようにプラズマに
よっても生成原料からのイオン化物の取り出しを行うこ
とができる。上記高エネルギービームを用いた分子単体
の取り出しの場合には、高エネルギービームの照射のみ
によってイオン化が可能であるが、プラズマを用いる場
合には、分子単体をプラズマ内に導入することイオン化
を行えるため、高効率なイオン化が可能である。
【0016】以上説明した請求項1乃至12に記載の発
明における半導体層形成工程は、例えば請求項13乃至
17に示す各素子の不純物層の形成に適用される。そし
て、このような半導体層形成工程を適用することによ
り、高活性率な不純物層を形成することが可能となる。
【0017】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
図に示す実施形態について説明する。
【0019】図1に、本実施形態におけるノーマリオフ
型のnチャネルタイププレーナ型MOSFET(縦型パ
ワーMOSFET)の断面図を示す。本デバイスは、イ
ンバータや車両用オルタネータのレクチファイヤに適用
すると好適なものである。図1に基づいて縦型パワーM
OSFETの構造について説明する。
【0020】炭化珪素からなるn+型半導体基板1は、
上面を主表面1aとし、主表面の反対面である下面を裏
面1bとしている。このn+型半導体基板1の主表面1
a上には、基板1よりも低いドーパント濃度を有する炭
化珪素からなるn-型エピタキシャル層(以下、n-型エ
ピ層という)2が積層されている。
【0021】n-型エピ層2の表層部における所定領域
には、所定深さを有するp型ベース領域3が形成されて
いる。このp型ベース領域3は、BとCとの結合分子を
イオン注入すること、つまりB及びCを同時にイオン注
入することで形成されており、約1×1017cm-3以上
の濃度となっている。なお、p型ベース領域3を部分的
に深くした領域30はディープベース層であり、このデ
ィープベース層で優先的にアバランシェブレークダウン
させることで、サージ耐量を向上させている。
【0022】また、p型ベース領域3の表層部の所定領
域には、該ベース領域3よりも浅いn+型ソース領域4
が形成されている。そして、n+型ソース領域4とn-
エピ層2とを繋ぐように、p型ベース領域3の表面部に
はn-型SiC層5が延設されている。このn-型SiC
層5は、エピタキシャル成長にて形成されたものであ
り、デバイスの動作時にチャネル形成層として機能す
る。以下、n-型SiC層5を表面チャネル層という。
【0023】また、表面チャネル層5の上面およびn+
型ソース領域4の上面には熱酸化にてゲート酸化膜7が
形成され、このゲート酸化膜7の上にゲート電極8が形
成されている。ゲート電極8は、LTO(Low Te
mperature Oxide)等で構成された絶縁
膜9で覆われ、この絶縁膜9の上にn+型ソース領域4
およびp型ベース領域3と電気的に接続されたソース電
極10が形成されている。そして、n+型半導体基板1
の裏面1bにドレイン電極11が形成され、縦型パワー
MOSFETが構成されている。
【0024】次に、図1に示す縦型パワーMOSFET
の製造工程を、図2〜図4を用いて説明する。
【0025】〔図2(a)に示す工程〕まず、n型4H
または6Hまたは3C−SiCからなる半導体基板、す
なわちn+型基板1を用意する。例えば、n+型基板1と
して、厚さが400μm、主表面1aが(0001)S
i面、又は、(112−0)a面のものを用意する。そ
して、このn+型基板1の主表面1aに厚さ5μmのn-
型エピ層2をエピタキシャル成長させる。この場合、n
-型エピ層2は下地の基板1と同様の結晶で得られ、n
型4Hまたは6Hまたは3C−SiC層となる。
【0026】〔図2(b)に示す工程〕n-型エピ層2
の上の所定領域にLTO膜20を配置し、これをマスク
としてBとCとの結合分子をイオン注入する。このとき
のイオン注入条件は、例えば、温度を700℃、ドーズ
量を1×1016cm-2とする。また、BとCとの結合分
子としては、ボロン有機化合物を加熱蒸発させた後、プ
ラズマによりBxCyの形でイオン化させ、マスナンバ
ー=23(BxCyにおけるx=1、y=1)となるも
のを選択する。
【0027】これにより、B及びCが同時にイオン注入
され、p型ドーパントであるBとC空孔を埋めるための
Cとがイオン注入直後から近接した場所に位置するよう
にできるため、Cの注入量が少なくても十分にBの置換
が行われる。このため、さらなる高活性率化を図ること
ができると共に、Cの注入量低減により結晶欠陥抑制を
図ることも可能となる。
【0028】なお、ここではBとCとの結合分子(Bx
Cy)がx=1、y=1となるようにしているが、x=
4、y=1となるようにしても良い。また、ここではB
の結合分子としてB有機物であるB有機化合物を用いて
いるが、BとCを有する化合物、例えばB4C、酢酸ボ
リルを用いても良い。また、ここではプラズマによって
BxCyの形でBとCとの結合分子を取り出している
が、イオンビームを用いて生成原料から分離させること
によっても取り出すことができる。これらプラズマやイ
オンビームは、特にB4Cのように融点が極めて高く、
イオン注入原料として使用し難いものにおいて、分子単
体が取り出せることから有効である。
【0029】〔図2(c)に示す工程〕LTO膜20を
除去した後、p-型ベース領域3を含むn-型エピ層2上
に化学気相成長法(CVD法)により表面チャネル層5
をエピタキシャル成長させる。
【0030】このとき、縦型パワーMOSFETをノー
マリオフ型にするために、表面チャネル層5の厚み(膜
厚)は以下の数式に基づいて決定している。縦型パワー
MOSFETをノーマリオフ型とするためには、ゲート
電圧を印加していない状態の際に、表面チャネル層5に
広がる空乏層が電気伝導を妨げるように十分なバリア高
さを有している必要がある。この条件は次式にて示され
る。
【0031】
【数1】 但し、Tepiは表面チャネル層5に広がる空乏層の高
さ、φmsは金属と半導体の仕事関数差(電子のエネル
ギー差)、Qsはゲート絶縁膜7中の空間電荷、Qfc
はゲート絶縁膜(SiO2)7と表面チャネル層5との
間の界面の固定電荷、Qiは酸化膜中の可動イオン、Q
ssはゲート絶縁膜7と表面チャネル層5の界面の表面
電荷、CoxはLTO膜7の容量である。
【0032】この数1に示される右辺第1項は表面チャ
ネル層5とp型ベース領域3とのPN接合のビルトイン
電圧Vbuiltによる空乏層の伸び量、すなわちp型ベー
ス領域3から表面チャネル層5に広がる空乏層の伸び量
であり、第2項はゲート絶縁膜7の電荷とφmsによる
空乏層の伸び量、すなわちゲート絶縁膜7から表面チャ
ネル層5に広がる空乏層の伸び量である。従って、p型
ベース領域3から広がる空乏層の伸び量と、ゲート絶縁
膜7から広がる空乏層の伸び量との和が表面チャネル層
5の厚み以上となるようにすれば縦型パワーMOSFE
Tをノーマリオフ型にすることができるため、この条件
を満たすようなイオン注入条件で表面チャネル層5を形
成している。
【0033】このようなノーマリオフ型の縦型パワーM
OSFETは、故障などによってゲート電極に電圧が印
加できないような状態となっても、電流が流れないよう
にすることができるため、ノーマリオン型のものと比べ
て安全性を確保することができる。
【0034】また、図1に示すように、p-型ベース領
域3は、ソース電極10と接触していて接地状態となっ
ている。このため、表面チャネル層5とp-型ベース領
域3とのPN接合のビルトイン電圧を利用して表面チャ
ネル層5をピンチオフすることができる。例えば、p-
型ベース領域3が接地されてなくてフローティング状態
となっている場合には、ビルトイン電圧を利用してp-
型ベース領域3から空乏層を延ばすということができな
いため、p-型ベース領域3をソース電極10と接触さ
せることは、表面チャネル層5をピンチオフするのに有
効な構造であるといえる。
【0035】なお、本実施形態では、不純物濃度が低い
ものでp-型ベース領域3を形成しているが、不純物濃
度を高くすることによりビルトイン電圧をより大きく利
用することができる。
【0036】また、本実施形態では炭化珪素によって縦
型パワーMOSFETを製造しているが、これをシリコ
ンを用いて製造しようとすると、p-型ベース領域3や
表面チャネル層5等の不純物層を形成する際における熱
拡散の拡散量の制御が困難であるため、上記構成と同様
のノーマリオフ型のMOSFETを製造することが困難
となる。このため、本実施形態のようにSiCを用いる
ことにより、シリコンを用いた場合と比べて精度よく縦
型パワーMOSFETを製造することができる。
【0037】また、ノーマリオフ型の縦型パワーMOS
FETにするためには、上記数式1の条件を満たすよう
に表面チャネル層5の厚みを設定する必要があるが、シ
リコンを用いた場合にはビルトイン電圧が低いため、表
面チャネル層5の厚みを薄くしたり不純物濃度を薄くし
て形成しなければならず、不純物イオンの拡散量の制御
が困難なことを考慮すると、非常に製造が困難であると
いえる。しかしながら、SiCを用いた場合にはビルト
イン電圧がシリコンの約3倍と高く、表面チャネル層5
の厚みを厚くしたり不純物濃度を濃くして形成できるた
め、ノーマリオフ型の蓄積型MOSFETを製造するこ
とが容易であるといえる。
【0038】〔図3(a)に示す工程〕表面チャネル層
5の上の所定領域にLTO膜21を配置し、これをマス
クとしてN(窒素)等のn型不純物をイオン注入し、n
+型ソース領域4を形成する。このときのイオン注入条
件は、温度を700℃、ドーズ量を1×1015cm-2
している。
【0039】〔図3(b)に示す工程〕そして、LTO
膜21を除去した後、フォトレジスト法を用いて表面チ
ャネル層5の上の所定領域にLTO膜22を配置し、こ
れをマスクとしてRIEによりp-型ベース領域3上の
表面チャネル層5を部分的にエッチング除去する。
【0040】〔図3(c)に示す工程〕さらに、LTO
膜22をマスクにしてB+をイオン注入し、ディープベ
ース層30を形成する。これにより、ベース領域3の一
部が厚くなったものとなる。このディープベース層30
は、n+型ソース領域4と重ならない部分に形成される
と共に、p-型ベース領域3のうちディープベース層3
0が形成された厚みが厚くなった部分が、ディープベー
ス層30が形成されていない厚みの薄い部分よりも不純
物濃度が濃く形成される。
【0041】〔図4(a)に示す工程〕LTO膜22を
除去した後、基板の上にウェット酸化(H2+O2による
パイロジェニック法を含む)によりゲート酸化膜7を形
成する。このとき、雰囲気温度は例えば1080℃とす
る。その後、ゲート絶縁膜7の上にポリシリコンからな
るゲート電極8をLPCVDにより堆積する。このとき
の成膜温度は例えば600℃とする。
【0042】〔図4(b)に示す工程〕引き続き、ゲー
ト絶縁膜7の不要部分を除去した後、LTOよりなる絶
縁膜9を例えば425℃で成膜し、さらに約1000℃
でのアニールを行うことでゲート電極8を覆う。
【0043】〔図4(c)に示す工程〕そして、室温で
の金属スパッタリングによりソース電極10及びドレイ
ン電極11を配置する。また、成膜後に1000℃のア
ニールを行う。このようにして、図1に示す縦型パワー
MOSFETが完成する。
【0044】次に、この縦型パワーMOSFETの作用
(動作)を説明する。
【0045】本MOSFETはノーマリオフ型の蓄積モ
ードで動作するものであって、ゲート電極に電圧を印加
しない場合は、表面チャネル層5においてキャリアは、
-型ベース領域3と表面チャネル層5との間の静電ポ
テンシャルの差、及び表面チャネル層5とゲート電極8
との間の仕事関数の差により生じた電位によって全域空
乏化された状態となる。
【0046】この状態において、ゲート電極8に電圧を
印加することで、表面チャネル層5とゲート電極8との
間の仕事関数の差と外部からの印加電圧の和により生じ
る電位差を変化させることができ、これにより、チャネ
ルの状態を制御することができる。
【0047】そして、オフ状態においては、p-型ベー
ス領域3及びゲート電極8により作られた電界によっ
て、空乏領域が表面チャネル層5内に形成されているた
め、この状態からゲート電極8に対して正のバイアスを
供給すると、ゲート絶縁膜(SiO2 )7と表面チャネ
ル層5との間の界面においてn+型ソース領域4からn-
型ドリフト領域2方向へ延びるチャネル領域が形成さ
れ、オン状態にスイッチングされる。これにより、n+
型ソース領域4→表面チャネル層5→n-型エピ層2を
順に経由したのち、n-型エピ層2(ドリフト領域)か
らn+型基板1(n+ ドレイン)に対して垂直を成すよ
うに電子が流れる。
【0048】このようにゲート電極8に正の電圧を印加
することにより、表面チャネル層5に蓄積型チャネルを
誘起させることができ、ソース電極10とドレイン電極
11との間にキャリアを流すことができる。
【0049】(他の実施形態)上記実施形態では、nチ
ャネルタイプの縦型パワーMOSFETの不純物層形成
技術として本発明の一実施形態を適用した場合を説明し
たが、導電型を反転させたpチャネルタイプの縦型パワ
ーMOSFETは勿論のこと、他の電界効果トランジス
タにおける不純物層形成技術として適用可能であり、ま
た、図5や図6に示すような他の素子における不純物層
形成技術としても適用可能である。
【0050】図5は、接合形トランジスタの断面構成を
示している。この図に示されるように、接合形トランジ
スタは、n+型基板12の表面側に備えられたn-型エピ
層13と、n-型エピ層13の表層部に形成されたp+
ベース領域14と、n-型エピ層13の表面に形成され
たソース電極15と、n+型基板12の裏面側に備えら
れたドレイン電極16とを有して構成されている。そし
て、各p+型ベース領域14への電圧印加量を変化させ
ることで、隣接するp+型ベース領域14からn-型エピ
層13側に伸びる空乏層の伸び量を調整し、ソース−ド
レイン間に流れるキャリアの量を制御するようになって
いる。
【0051】このような構成のうちのp+型ベース領域
14の形成工程に対して、上記したBとCとの結合分子
のイオン注入を行うことで、第1実施形態と同様にp型
不純物の高活性率化を図ることが可能となる。
【0052】一方、図6は、PNダイオードの断面構成
を示している。この図に示されるように、PNダイオー
ドは、n+型基板21の表面側に備えられたn-型エピ層
22と、n-型エピ層22の表層部に形成されたp+型領
域23と、p+型領域23の表面に形成されたアノード
電極24と、n+型基板21の裏面側に備えられたカソ
ード電極25とを有して構成されている。
【0053】このような構成のうちのp+型ベース領域
23の形成工程に対して、上記したBとCとの結合分子
のイオン注入を行うことで、第1実施形態と同様にp型
不純物の高活性率化を図ることが可能となる。
【0054】また、ここでは図示しないが、トレンチ型
の縦型パワーMOSFETにも適用可能である。例え
ば、n+型基板上にn-型エピ層、p+型ベース層が成膜
された基板に対して、p+型ベース層を貫通してn-型エ
ピ層まで達するような溝を形成したのち、その溝内にゲ
ート絶縁膜を介してゲート電極を形成することにより形
成されるトレンチ型の縦型パワーMOSFETのp+
ベース領域の製造に適用できる。
【0055】また、上記実施形態では、p型ドーパント
であるBを用いる場合について説明しているが、この他
のドーパントの場合であっても本発明を適用することが
可能である。例えば、他のp型ドーパントであるAl、
Gaだけでなく、n型ドーパントであるN、Pにおいて
も本発明を適用可能である。
【0056】さらに、上記実施形態では、p型ドーパン
トと共に炭化珪素の主元素であるCをイオン注入してい
るが、Cに限らず、例えば炭化珪素の他の主元素、つま
りSiをイオン注入するようにしてもよい。なお、上記
実施形態ではBとCという二つの元素を同時にイオン注
入するようにしているが、二つ以上の原子を同時にイオ
ン注入するようにしてもよい。
【0057】また、以上の説明では、不純物層としてp
+型ベース領域3を形成する場合について説明している
が、p型、n型不純物層をイオン注入によって形成する
もの(例えばn+型ソース領域4)であれば、どのよう
な場合においても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における縦型パワーMO
SFETの断面構成を示す図である。
【図2】図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図3】図2に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図4】図3に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図5】他の実施形態で示す接合型トランジスタの断面
構成を示す図である。
【図6】他の実施形態で示すPNダイオードの断面構成
を示す図である。
【符号の説明】
1…n+型半導体基板、2…n-型エピ層、3…p型ベー
ス領域、4…n+型ソース領域、5…表面チャネル層、
6…J−FET部、7…ゲート酸化膜、8…ゲート電
極、10…ソース電極、11…ドレイン電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/80 V

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素半導体(2)にイオン注入を行
    うことにより不純物層(3)を形成する不純物層形成工
    程を含んだ炭化珪素半導体装置の製造方法において、 前記不純物層形成工程では、二つ以上の元素を同時にイ
    オン化して前記炭化珪素半導体に注入することを特徴と
    する炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記不純物層形成工程では、少なくとも
    一つの元素をドーパントとし、残りの元素を炭化珪素の
    主元素とすることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪
    素半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ドーパントとなる元素として、B、
    Al、Ga、N、Pのいずれかを用いることを特徴とす
    る請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ドーパントとしてBを用いると共
    に、前記炭化珪素の主元素としてCを用い、かつ前記ド
    ーパントと前記炭化珪素の主元素とをBxCyの形とし
    てイオン化し、前記炭化珪素半導体に注入することを特
    徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記BxCyにおけるx、yそれぞれ
    を、x=4、y=1とすることを特徴とする請求項4に
    記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記BxCyにおけるx、yそれぞれ
    を、x=1、y=1とすることを特徴とする請求項4に
    記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記BxCyの形を成すイオン化物の生
    成原料として、BとCとを有する化合物を用いることを
    特徴とする請求項4に記載の炭化珪素半導体装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記生成原料として、B4Cを用いるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素半導体装置の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記生成原料として、B有機物を用いる
    ことを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素半導体装置
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記生成原料として、酢酸ボリルを用
    いることを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素半導体
    装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記不純物層形成工程では、イオンビ
    ームを用いて、前記生成原料から前記BxCyの形を成
    すイオン化物を分離することを特徴とする請求項7乃至
    10のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記不純物層形成工程では、プラズマ
    により、前記生成原料からBxCyの形を成すイオン化
    物を形成することを特徴とする請求項7乃至10のいず
    れか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 炭化珪素半導体を用いた電界効果トラ
    ンジスタの少なくとも一つの不純物層を、請求項1乃至
    12のいずれか1つに記載の不純物層形成工程にて形成
    することを特徴とする電界効果トランジスタの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 炭化珪素半導体を用いた接合型トラン
    ジスタの少なくとも一つの不純物層を、請求項1乃至1
    2のいずれか1つに記載の不純物層形成工程にて形成す
    ることを特徴とする接合型トランジスタの製造方法。
  15. 【請求項15】 炭化珪素半導体を用いたPNダイオー
    ドの少なくとも一つの不純物層を、請求項1乃至12の
    いずれか1つに記載の不純物層形成工程にて形成するこ
    とを特徴とするPNダイオードの製造方法。
  16. 【請求項16】 主表面(1a)及び主表面と反対面で
    ある裏面(1b)を有し、炭化珪素よりなる第1導伝型
    の半導体基板(1)と、 前記半導体基板の主表面上に形成され、前記半導体基板
    よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導伝型の半導体層
    (2)と、 前記半導体層の表層部の所定領域に形成され、所定深さ
    を有する第2導伝型べ一ス領域(3)と、 前記べ一ス領域の表層部の所定領域に形成され、該べ一
    ス領域の深さよりも浅い第1導伝型のソース領域(4)
    と、 前記べ一ス領域の表面部及び前記半導体層の表面部にお
    いて、前記ソース領域と前記半導体層とを繋ぐように形
    成された、炭化珪素よりなる第1導伝型の表面チャネル
    層(5)と、 前記表面チャネル層の表面に形成されたゲート絶縁膜
    (7)と、 前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極(8)
    と、 前記べ一ス領域及び前記ソース領域に接触するように形
    成されたソース電極(10)と、 前記半導体基板の裏面に形成されたドレイン電極(1
    1)とを備えた半導体装置の製造方法において、 前記べ一ス領域と前記ソース領域の少なくとも一方を請
    求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された不純
    物層形成工程にて形成することを特徴とするプレーナ型
    の縦型MOSFETの製造方法。
  17. 【請求項17】 第1導伝型の低抵抗半導体層と第1導
    伝型の高抵抗半導体層と第2導伝型の第1の半導体層と
    が積層され炭化珪素よりなる半導体基板と、 前記第1の半導体層の表層部の所定領域に形成された第
    1導伝型の半導体領域と、 前記半導体基板の表面から前記半導体領域と前記第1の
    半導体層を貫通する溝と、 前記溝の側面における少なくとも前記第1の半導体層の
    表面に形成された炭化珪素の薄膜よりなる第2の半導体
    層としてのチャネル層と、 少なくとも前記チャネル層の表面に形成されたゲート酸
    化膜と、 前記溝内における前記ゲート酸化膜の上に形成されたゲ
    ート電極と、 前記半導体基板の表面のうち少なくとも前記半導体領域
    の一部の表面上に形成された第1の電極層と、 前記半導体基板の裏面に形成された第2の電極層とを備
    え、 前記べ一ス領域と前記ソース領域の少なくとも一方を請
    求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された不純
    物層形成工程にて形成することを特徴とするトレンチ型
    の縦型MOSFETの製造方法。
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