JP2002246314A - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置

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JP2002246314A JP2001037386A JP2001037386A JP2002246314A JP 2002246314 A JP2002246314 A JP 2002246314A JP 2001037386 A JP2001037386 A JP 2001037386A JP 2001037386 A JP2001037386 A JP 2001037386A JP 2002246314 A JP2002246314 A JP 2002246314A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造でありながらにして装置全体の気
密性等が良好で、かつ、清掃や再組立、メンテナンスを
容易に行なうことができる成膜装置を提供する。 【解決手段】 成膜装置10において、真空雰囲気空間
を保持するための最外壁を備えるアウターチャンバー2
0と、エピタキシャル成長に供されるウエハを載置する
サセプタ16を収容するインナーチャンバー40と、で
構成するようにし、インナーチャンバー40とアウター
チャンバー20の間には、サセプタを支持して回転させ
るウエハ回転軸が貫通される石英製の石英チャンバー3
0が組み込む、というようにして成膜装置の成膜室の機
能構成を大きく二分化した二重構造とし、この部分を容
易に着脱可能とすると共に、メンテナンスが特に必要な
部分の機能構成を簡略化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ウエハに対してエピタキ
シャル成長を行うことによってウエハ表面に薄膜を形成
する成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハ等の半導体基板に対して
エピタキシャル成長を行う成膜装置は、成膜室にソース
ガスを導入し、そこで気相反応及び/又は化学反応を行
うことによってウエハ上に薄膜を形成させるものであ
る。
【0003】ここで、図6及び図7は、従来からの成膜
装置の成膜室の概略構造を示す概略断面図である。この
図6に示されるように、従来からの成膜装置は、成膜室
10が、石英製の成膜室10の上壁及び下壁を構成する
成膜室上壁11及び成膜室下壁15、成膜室10にソー
スガスを導入するソースガス導入口12、成膜室10か
らソースガスを排出するソースガス排出口14、成膜室
10内でウエハを載置し回転させるサセプタ16、並び
にこのサセプタ16を回転させるウエハ回転機構(サセ
プタ回転機構)18から構成されている。
【0004】図7は、図6のものとは別の形態に係る従
来からの成膜装置の成膜室の概略構造が示されている
が、図7の成膜装置においても、図6のものと同様に、
石英製の成膜室上壁11、ソースガス導入口12、ソー
スガス排出口14、サセプタ16、並びに、ウエハ回転
機構18が設けられている。但し、図7においては、図
6で図示しなかったゲートバルブ13、ウエハ出入口1
7及び赤外線ランプヒータ19を図示している。
【0005】このような構成を有する成膜室10におい
ては、ウエハは、成膜室10に設けられたウエハ出入口
17から成膜室10内に搬送されて、サセプタ16上に
転載される。そして、ソースガス導入口12からソース
ガスを成膜室に導入して排出口14から排出されていく
過程において、ウエハ表面を通過するソースガス(図6
及び図7において、図中に矢印で示されている)の一部
が化学反応をすることによって薄膜が生成し、それが堆
積されていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような成膜過程に
おいては、ソースガスが成膜室内に充填されており、成
膜室10を構成する成膜室上壁11及び成膜室下壁15
の内表面にソースガスの一部が分解し、付着・堆積す
る。この付着・堆積物が剥離して、搬送途中や成膜中の
ウエハ上に塵となって付着し、成膜品質を低下させるこ
とがある。
【0007】従って、成膜品質を維持するためにも、こ
の付着・堆積物を除去する必要があり、そのために成膜
室内部を定期的に清掃することとなるが、図6や図7に
示される従来の成膜装置では、成膜室が単一の構造で形
成されているがために、装置を逐一分解して清掃しなけ
ればならず、容易ではなかった。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、簡易な構造でありながら
にして装置全体の気密性等が良好で、かつ、清掃や再組
立、メンテナンスを容易に行なうことができる成膜装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、成膜装置の成膜室の機能構成を大きく二
分化した二重構造とし、この部分を容易に着脱可能とす
ると共に、メンテナンスが特に必要な部分の機能構成を
簡略化したことを特徴とする。
【0010】そしてまた、本発明においては、成膜室内
部の機構を集約することによって、成膜室内部のチャン
バーの再組立を簡単にし、成膜室のメンテナンス作業時
間を短縮すると共に、成膜室内部が大気に晒される大気
開放時間を短縮したことを特徴とする。
【0011】より具体的に説明すると、本発明において
は、成膜装置の成膜室の機能構成を、成膜装置の下部最
外壁を構成するアウターチャンバーと、このアウターチ
ャンバーの内側に組み込まれるインナーチャンバーと、
に二分化すると同時に、反応ガスの給排機構を前記イン
ナーチャンバーに集約させることによって、成膜室内部
のチャンバーの再組立を簡単にし、成膜室のメンテナン
ス作業時間を短縮すると共に、成膜室内部が大気に晒さ
れる大気開放時間を短縮したことを特徴とする。
【0012】より具体的には、本発明は以下のようなも
のを提供する。
【0013】(1) ウエハに対してエピタキシャル成
長を行う成膜装置であって、成膜装置の下部外壁を構成
するアウターチャンバーと、このアウターチャンバーの
内側に組み込まれたインナーチャンバーと、で分割され
て構成されていると共に、前記アウターチャンバーは、
ガスを導入するガス導入口及びガスを排出するガス排出
口をそれぞれ備え、前記インナーチャンバーと前記アウ
ターチャンバーの間には、ウエハを載置するサセプタを
支持し回転させる回転軸が貫通される石英製の板窓が組
み込まれていることを特徴とする成膜装置。
【0014】このような成膜装置においては、エピタキ
シャル成長のための加熱を行う赤外線ランプヒータがア
ウターチャンバーの下方に配置され、ヒータからの赤外
線は、インナーチャンバーとアウターチャンバーの間に
組み込まれた下石英板窓を通過し、サセプタ上のウエハ
を加熱することになる。
【0015】本発明に係る成膜装置では、成膜室の機能
構成を「アウターチャンバー」と「インナーチャンバ
ー」というように二分化し、このアウターチャンバーと
インナーチャンバーの間に石英製の下石英板窓を組み込
む、というような構成を基本構成とする。そして、アウ
ターチャンバーは、基板を出し入れする開口、前記開口
を開閉するシャッター、ソースガス導入口又は排出口等
というように、成膜室内の成膜環境を左右する複雑な機
構を有する精巧な機材を備えるようにする一方で、イン
ナーチャンバーは、ウエハを載置するサセプタ等といっ
たように、成膜室内の成膜環境を左右しない比較的簡単
な構造の機材を備えるように構成している。
【0016】また、インナーチャンバーの構成を簡単化
しているので(より具体的には、インナーチャンバーの
外側にシャッター等を設けることによってインナーチャ
ンバーの形状を複雑化させるといったようなことが本発
明ではないので)、容易に取付けや取外しが可能なイン
ナーチャンバーを単体で提供することが可能となる。
【0017】(2) 前記インナーチャンバーはNiF2
ートされているものであることを特徴とする(1)記載
の成膜装置。
【0018】本発明では、インナーチャンバーがNiF2
ートされていることによって、耐腐食性が良好となる。
即ち、金属フッ化物であるNiF2はそれ自体が化学的に安
定であり、腐食性物質等に対する反応性が遥かに低いと
いう特性を有する。従って、インナーチャンバーを化学
被膜で覆うことによって、化学薬品を用いた清掃作業に
おいても被膜が腐食されることがなく、また、インナー
チャンバーの取付け・取外し時に他の機材と接触して、
被膜物が剥離するというようなことが少なくなる。
【0019】また、従来は成膜室内部の機材等は防錆を
目的として、酸化クロムでコーティングされることもあ
ったが、清掃作業において金属機材等の洗浄に用いられ
る薬品の成分の一つに、Si系副生成物を洗浄するのに効
果的なフッ化水素酸があり、このフッ化水素酸は酸化ク
ロムをエッチングしてしまうため、使用することができ
なかった。しかしながら、インナーチャンバーをNiF2
ートすることによって、Si系副生成物洗浄に有効なフッ
化水素を使用することができるようになる。
【0020】(3) 前記インナーチャンバーの上部は
段差加工されているものであることを特徴とする(1)
又は(2)記載の成膜装置。
【0021】本発明では、インナーチャンバーの上部に
石英製の上蓋としての上石英板窓を構成するようにして
いるが、この上石英板窓を掛止するための段差加工をイ
ンナーチャンバーの上部に設けることによって、当該掛
止部分に上石英板窓を掛止することができ、上石英板窓
を容易に取付けたり、取外したりすることが可能とな
る。
【0022】本発明では、サセプタ等が収容されたイン
ナーチャンバーを、その上部を段差加工したり、NiF2
ートしたりしている。インナーチャンバーの外側にはウ
エハを搬入及び搬出する開口部分を開閉するシャッター
等の精密機構が備えられるわけでもなく、単に、インナ
ーチャンバー内部に成膜に必要な諸部品(サセプタ、ア
プローチプレート等)が収容されるのみであり取扱いが
容易になる。また、上述のように、インナーチャンバー
の構成を簡単にしているので、アウターチャンバーに収
容されるインナーチャンバーの取付けや取外しを容易に
行うことができることとなる。従って、本発明では、以
下のようなインナーチャンバー単体もその権利内容とす
る。
【0023】(4) エピタキシャル成長に供されるウ
エハを載置するサセプタを収容するインナーチャンバー
であって、前記インナーチャンバーの上部は段差加工さ
れていることを特徴とするインナーチャンバー。
【0024】(5) 前記インナーチャンバーはNiF2
ートされていることを特徴とする(4)記載のインナー
チャンバー。
【0025】なお、本発明に係る二重構造の成膜装置に
おいてインナーチャンバーを組み込むにあたっては、以
下のような手順(組み込み方法)によって行うことがで
きる。
【0026】(6) エピタキシャル成長のための加熱
を行う赤外線ランプヒータが下方に配置されるアウター
チャンバーの内側に、エピタキシャル成長に供されるウ
エハを載置するサセプタを収容するインナーチャンバー
を組み込むインナーチャンバーの組込方法であって、前
記アウターチャンバーの内側に前記サセプタを支持して
回転させるウエハ回転軸が貫通される石英製の板窓を組
み込むステップと、前記板窓の上部に(4)又は(5)
記載のインナーチャンバーを組み込むステップと、前記
インナーチャンバー上部の段差加工された段差部分に石
英製の上石英板窓を掛止するステップと、を含むインナ
ーチャンバーの組込方法。
【0027】本発明では、成膜室の土台となるアウター
チャンバーにインナーチャンバーを組み込む工程におい
て、上記(4)又は(5)のインナーチャンバーを用い
ることによって、組立に要する工数を削減でき、結果的
に大気開放時間を短くすることができる。
【0028】また、アウターチャンバーの内側に板窓を
組み込む、この板窓の上部にインナーチャンバーを組み
込む、インナーチャンバー上部に上石英板窓を掛止す
る、というように、アウターチャンバーにインナーチャ
ンバーを組み込む工程が単純であり、再組立も容易に行
える。
【0029】なお、本発明と同様の効果を奏する技術的
思想としては、次の取り外し方法も提供することができ
る。
【0030】エピタキシャル成長のための加熱を行うヒ
ータが下方に配置されるアウターチャンバーの内側に、
エピタキシャル成長に供されるウエハを載置するサセプ
タを収容するインナーチャンバーが組み込まれた成膜装
置において、前記インナーチャンバー上部に掛止された
上石英板窓を取り外すステップと、上記(4)又は
(5)記載のインナーチャンバーを取り外すステップ
と、前記アウターチャンバー内側に組み込まれた前記石
英チャンバーを取り外すステップと、を含むインナーチ
ャンバーの取り外し方法。
【0031】このような取外方法においては、メンテナ
ンスが必要なインナーチャンバーを取り外すときでも、
インナーチャンバー上部の段差加工された段差部分に掛
止した上石英板窓を取り外すことによって、容易にイン
ナーチャンバーを取り外すことができる。また、インナ
ーチャンバーとアウターチャンバーの間に組み込まれた
下石英板窓を取り外す場合でも、上石英板窓とインナー
チャンバーを取り外せば容易に下石英板窓を取り外すこ
とができるので、チャンバー(成膜室)の着脱が非常に
容易となる。
【0032】これに関し、従来の成膜装置では、装置を
逐一分解して清掃するという大掛かりな清掃作業が必要
となるが、上記のような取り外し工程・組み立て工程を
見れば明らかなように、本発明に係る成膜装置では、簡
易に取り外しや組み立てを行なうことができるために、
図6に示すような従来の装置のような煩がなく、容易に
成膜室の清掃を行なうことができる。
【0033】また、図7に示す装置では、基準面がな
く、反応室組立て後の調整が困難であるのに対して、本
発明では、アウターチャンバーをステンレス等の金属で
構成することができる為、サセプター等の炉内品は容易
に水平位置決めができ、反応室組立て後の調整が迅速に
行える。
【0034】更に、従来装置では、成膜室には様々な装
置や機構(例えば、石英冶具や温度計等)が取り付けら
れていると共に成膜室の内部構造が複雑であったがゆえ
に、分解清掃作業後の再組立に長時間を要していた。ま
た、清掃作業中や再組立中(メンテナンス中)は、成膜
室内部が大気に晒されることとなるために、メンテナン
ス時間の増加が成膜室内部の装置の金属汚染を進行させ
るという問題もあったが、本発明に係る成膜装置ではそ
のような問題は殆ど生じない。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の好適な実施の形
態に係るアウターチャンバーの構造を示す図である。図
1に示すアウターチャンバー20は、基板の搬入出の開
口(ウエハ出入口)17、内外Oリング間をパージする
為のN2導入管23及び下石英板窓30を掛止するOリン
グ25から構成されている。また、アウターチャンバー
20には、石英板窓収納領域27及びインナーチャンバ
ー収容領域29を有している。
【0036】図2は、本発明の好適な実施形態に係るイ
ンナーチャンバーの構造を示す図である。図2に示すイ
ンナーチャンバー40は、段差加工が施されている段差
部分41、冷却水導入管43及び冷却水排出管44から
構成されている。
【0037】即ち、本発明に係る成膜装置においては、
図1に示されるアウターチャンバーのインナーチャンバ
ー収納領域29内に図2のインナーチャンバー40が組
み込まれて一体化されることとなる。本発明において
は、インナーチャンバー40を容易に着脱可能な構成に
することによって、基本的には装置外でインナーチャン
バー40だけの清掃を行えば反応室内の清掃が済むよう
に構成しているのである。そして更に、インナーチャン
バー40の構造を簡単化しているので、組立の工数を削
減できると共に故障の発生の低減を図ることができるよ
うになり、メンテナンスの効率化が図られることとな
る。
【0038】図3は、本発明の好適な実施の形態に係る
インナーチャンバーの組込方法を説明するための図であ
り、図3(a)は組込順を説明する図で、図3(b)は
完成組図である。
【0039】成膜装置においては、赤外線ランプヒータ
19及びアウターチャンバー20は成膜装置に固定され
ており、その着脱はインナーチャンバー40ほど容易で
はない。即ち、アウターチャンバー20は、フランジ2
1、そのフランジ21には出入口を開閉するためのシャ
ッターが近接されており、成膜室内部の気密性を保つた
めにも成膜装置に十分に固定されている。
【0040】このように、まずは成膜装置の成膜室の土
台となるべきアウターチャンバー20の内側に、下石英
板窓30を組み込む(ステップ1)。次に、インナーチ
ャンバー40を、アウターチャンバー20の内側(イン
ナーチャンバー収納領域39)に組み込む(ステップ
2)。この場合において、下石英板窓30は、アウター
チャンバーに設けられたOリング25とインナーチャン
バー下部に設けられたOリングで挟み込まれて石英板窓
収納領域27に保持される。このとき、アウターチャン
バー20のウエハ出入口とインナーチャンバー40のウ
エハ出入口とをそれぞれ合致させる。
【0041】このようにしてアウターチャンバー20の
内側にインナーチャンバー40を組み込んだ後、インナ
ーチャンバーに諸部品を収容する(ステップ3〜ステッ
プ4)。具体的には、成膜室に設けられたウエハ回転機
構18のウエハ回転軸がインナーチャンバー40に突出
しており、この回転軸上部にサセプタ16を軸支する。
なお、収容する部品としては、サセプタ16の他に、ア
プローチプレート50等があり、装置特性・機能等によ
り適宜異なることとなる。
【0042】そして、必要なすべての部品をインナーチ
ャンバー40に収容した後、上石英板窓11をインナー
チャンバー40の上面Oリング部分に載せる(ステップ
5)。このようにして、インナーチャンバー40の上蓋
としての上石英板窓11が設置されると、アウターチャ
ンバー20の内側にインナーチャンバー40、下石英板
窓30、上石英板窓11で構成される成膜室を設けるこ
とができる。
【0043】なお、本発明の好適な実施の形態として
は、ステップ4の後に、押えフランジ60を上石英板窓
11の上部に配置するようにしている(ステップ6)。
【0044】図4は、本発明の好適な実施の形態に係る
成膜装置の成膜室の概略を示す図であり、図4(a)は
平面図、図4(b)は横断面図である。
【0045】図4(a)に示す成膜室は、アウターチャ
ンバー20の内側にインナーチャンバー40が組み込ま
れており、アウターチャンバー20の右側面にウエハ出
入口17が、上側面及び下側面にそれぞれ冷却水導入管
43及び冷却水排出管44が備えられている。また、成
膜室中央にはサセプタ16が備えられている。なお、ガ
スの導入管・排出管は、アウターチャンバーに接続され
るガスインレット・ガスアウトレット(図示せず)にそ
れぞれ接続される。
【0046】図5は、成膜室の成膜領域39の部分を拡
大した図である。アウターチャンバー20にサセプタ等
を収容したインナーチャンバー40を組み込んで形成さ
れた図5に示す成膜領域39は、上石英板窓11と、下
石英板窓30と、で構成されている。そして、このよう
な成膜領域39において、ソースガスが右方向から左方
向へと流れる(図5の矢印方向)。
【0047】なお、サセプタリング51の外周面と仕切
壁Cの内周面とで形成される空間形状をクランク形状と
することによって、ソースガスが下石英板窓30に接触
することが少なくなる(ラビリンス効果)。このため、
下石英板窓30上のウォールデポが減少することとな
り、下石英板窓30のメンテナンス頻度を抑えることが
できる。さらに、ソースガスの流れの乱れがなくなるの
で、ソースガスの流れは安定した平行流になり、膜厚の
平坦化が期待でき、成膜品質が安定することとなる。
【0048】また、本発明に係るインナーチャンバー4
0はNiF2コートされており、腐食性物質等に対する反応
性が遥かに低いという特性を有し、HFを含んだエッチン
グ液を使った洗浄にも耐え得るので、酸化クロム系被膜
よりも優れている。
【0049】
【発明の効果】このようにして、本発明によれば、成膜
室の機能構成をアウターチャンバーとインナーチャンバ
ーで大きく二分しているので、メンテナンスが特に必要
なインナーチャンバーの分解清掃作業において、分解作
業の簡易化を通じて分解清掃作業の効率化を図ることが
でき、分解清掃作業に伴うロスを削減することができる
ようになる。
【0050】また、インナーチャンバーの耐腐食性を強
化することによって、インナーチャンバーの消耗率を低
く抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施の形態に係るアウターチ
ャンバーの構造を示す図である。
【図2】 本発明の好適な実施の形態に係るインナーチ
ャンバーの構造を示す図である。
【図3】 本発明の好適な実施の形態に係るインナーチ
ャンバーの組込方法を説明するための図である。
【図4】 本発明の好適な実施の形態に係る成膜装置の
成膜室の概略を示す図である。
【図5】 成膜室の成膜領域部分を拡大した図である。
【図6】 従来の成膜装置の成膜室の概略構造を示す図
である。
【図7】 従来の成膜装置の成膜室の概略構造を示す図
である。
【符号の説明】
10 成膜室 11 上石英板窓(成膜室上壁) 12 ソースガス導入口 13 ゲートバルブ 14 ソースガス排出口 15 成膜室下壁 16 サセプタ 17 ウエハ出入口 18 ウエハ回転機構(サセプタ回転機構) 19 赤外線ランプヒータ 20 アウターチャンバー 21 フランジ 23 パージ用N2導入管 25 Oリング 27 石英板窓収納領域 29 インナーチャンバー収納領域 30 下石英板窓 39 成膜領域 40 インナーチャンバー 41 段差部分 43 冷却水導入管 44 冷却水排出管 50 アプローチプレート 51 サセプタリング 60 押えフランジ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエハに対してエピタキシャル成長を行
    う成膜装置であって、 成膜装置の下部外壁を構成するアウターチャンバーと、
    このアウターチャンバーの内側に組み込まれたインナー
    チャンバーと、で分割されて構成されていると共に、 前記アウターチャンバーは、ガスを導入するガス導入口
    及びガスを排出するガス排出口をそれぞれ備え、 前記インナーチャンバーと前記アウターチャンバーの間
    には、ウエハを載置するサセプタを支持し回転させる回
    転軸が貫通される石英製の板窓が組み込まれていること
    を特徴とする成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記インナーチャンバーはNiF2コートさ
    れているものであることを特徴とする請求項1記載の成
    膜装置。
  3. 【請求項3】 前記インナーチャンバーの上部は段差加
    工されているものであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の成膜装置。
  4. 【請求項4】 エピタキシャル成長に供されるウエハを
    載置するサセプタを収容するインナーチャンバーであっ
    て、前記インナーチャンバーの上部が段差加工されてい
    ることを特徴とするインナーチャンバー。
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