JP2002246313A - 結晶質シリコン系薄膜をプラズマcvdで形成する方法 - Google Patents

結晶質シリコン系薄膜をプラズマcvdで形成する方法

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JP2002246313A JP2001035302A JP2001035302A JP2002246313A JP 2002246313 A JP2002246313 A JP 2002246313A JP 2001035302 A JP2001035302 A JP 2001035302A JP 2001035302 A JP2001035302 A JP 2001035302A JP 2002246313 A JP2002246313 A JP 2002246313A
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crystalline
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Masashi Yoshimi
雅士 吉見
Toru Sawada
徹 澤田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低い耐熱温度を有する安価な基板を用
いながら簡便かつ低コストで大面積かつ良質の結晶質シ
リコン系薄膜を迅速にプラズマCVDで形成する。 【解決手段】 結晶質シリコン系薄膜4iをプラズマC
VDで形成する方法において、平行平板電極の各々が相
互に対面する0.36m2以上の電極面を有し、基板1
が80℃以上で200℃未満の温度に加熱されるべく基
板加熱用ヒータが温度設定され、反応室内に導入される
原料ガスはシランとその40倍以上で300倍以下の流
量比の水素を含み、反応室内は600Pa以上で600
0Pa以下のガス圧に調整され、基板と対向電極との間
隔は3mm以上で14mm以下に設定され、平行平板電
極には10MHz以上で120MHz以下の高周波電力
が100mW/cm2で1000mW/cm2以下のパワ
ー密度で印加され、結晶質シリコン系薄膜は12nm/
分以上で100nm/分以下の堆積速度で形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン系薄膜をプ
ラズマCVDで形成する方法に関し、特に、大面積で良
質の結晶質シリコン系薄膜を比較的低温でかつ迅速に形
成し得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、シリコン系薄膜は、複写機の感光
ドラム上の感光層、液晶表示パネルの透明基板上に形成
されるTFT(薄膜トランジスタ)アレイ、薄膜太陽電
池などにおける種々の半導体層として利用されている。
ここで、液晶表示パネルはその画面の大型化が望まれて
おり、薄膜太陽電池においては大きな発電能力と生産効
率の向上のためにさらに大面積化が求められている。こ
のように比較的大きな面積のシリコン系薄膜を簡便に形
成し得る方法として、従来からプラズマCVD法がよく
利用されている。
【0003】ところで、近年ではシリコン系薄膜を利用
する装置の典型例である薄膜太陽電池も多様化し、従来
の非晶質薄膜太陽電池の他に結晶質薄膜太陽電池も開発
され、これらを積層したハイブリッド型薄膜太陽電池も
実用化されつつある。
【0004】一般に、薄膜太陽電池は、基板上に順に積
層された第1電極、1以上の半導体薄膜光電変換ユニッ
ト、および第2電極を含んでいる。そして、1つの光電
変換ユニットは、p型層とn型層でサンドイッチされた
i型層を含んでいる。
【0005】光電変換ユニットの厚さの大部分を占める
i型層は実質的に真性の半導体層であって、光電変換作
用は主としてこのi型層内で生じる。したがって、i型
光電変換層は光吸収のためには厚い方が好ましいが、必
要以上に厚くすればその堆積のためのコストと時間が増
大することになる。
【0006】他方、p型やn型の導電型層は光電変換ユ
ニット内に拡散電位を生じさせる役割を果たし、この拡
散電位の大きさによって薄膜太陽電池の重要な特性の1
つである開放端電圧の値が左右される。しかし、これら
の導電型層は光電変換に直接寄与しない不活性な層であ
り、導電型層にドープされた不純物によって吸収される
光は発電に寄与しない損失となる。したがって、p型と
n型の導電型層は、十分な拡散電位を生じさせる範囲内
で、できるだけ小さな厚さを有することが好ましい。
【0007】このようなことから、光電変換ユニットま
たは薄膜太陽電池は、それに含まれるp型とn型の導電
型層が非晶質か結晶質かにかかわらず、その主要部を占
めるi型光電変換層が非晶質のものは非晶質ユニットま
たは非晶質薄膜太陽電池と称され、i型光電変換層が結
晶質のものは結晶質ユニットまたは結晶質薄膜太陽電池
と称される。
【0008】ところで、薄膜太陽電池の変換効率を向上
させる方法として、2以上の光電変換ユニットを積層し
てタンデム型にする方法がある。この方法においては、
薄膜太陽電池の光入射側に大きなバンドギャップを有す
る光電変換層を含む前方ユニットを配置し、その後ろに
順に小さなバンドギャップを有する(たとえばSi−G
e合金などの)光電変換層を含む後方ユニットを配置す
ることにより、入射光の広い波長範囲にわたって光電変
換を可能にし、これによって薄膜太陽電池全体としての
光電変換効率の向上が図られる。このようなタンデム型
薄膜太陽電池の中でも、非晶質光電変換ユニットと結晶
質光電変換ユニットの両方を含むものは特にハイブリッ
ド型薄膜太陽電池と称されることもある。
【0009】たとえば、非晶質i型シリコンが光電変換
し得る光の波長は長波長側において800nm程度まで
であるが、結晶質i型シリコンはそれより長い約110
0nm程度の波長の光までを光電変換することができ
る。ここで、光吸収係数の大きな非晶質シリコン光電変
換層は光吸収のためには単層でも0.3μm以下の厚さ
で十分であるが、光吸収係数の小さな結晶質シリコン光
電変換層は長波長の光をも十分に吸収するためには単層
では2〜3μm程度以上の厚さを有することが好まし
い。すなわち、結晶質光電変換層は、通常は、非晶質光
電変換層に比べて約10倍程度の大きな厚さを有するこ
とが望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の非晶質薄膜太陽
電池(タンデム型を含む)では、その透明絶縁基板とし
て、主として安価なソーダライム系ガラス基板が用いら
れてきた。この場合、ソーダライム系ガラス基板は比較
的軟化点が低くて350℃以下で用いられることが望ま
れるが、非晶質光電変換ユニットは200℃以下の基板
温度におけるプラズマCVDによって形成することが可
能であるので、ソーダライム系ガラス基板を問題なく用
いることができるのである。
【0011】ところで、一般的なプラズマCVD法によ
れば、多結晶シリコン薄膜を形成するためには、結晶化
促進のための何らかの工夫をしなければ、基板温度を6
00℃以上にしなければならない。しかし、このように
高い基板温度を要する場合には、安価なソーダライム系
ガラス基板などを用いることができない。他方、薄膜太
陽電池の普及のためには、そのコストの低減が不可欠で
あり、結晶質シリコン系光電変換層を含む薄膜太陽電池
においても、高価な石英ガラス基板などではなくて安価
なソーダライム系ガラス基板などを用いることが望まれ
ている。
【0012】また、上述のように結晶質シリコン系光電
変換層は非晶質光電変換層に比べてはるかに大きな厚さ
を有することが必要である。したがって、少なくとも1
の結晶質光電変換ユニットを含む薄膜太陽電池の製造に
おいては、その生産効率を高めるために、結晶質シリコ
ン系光電変換層の堆積速度を高めることも望まれてい
る。
【0013】そこで、本発明では、比較的低い耐熱温度
を有する安価な基板を用いながら簡便かつ低コストで、
大面積かつ良質の結晶質シリコン系薄膜を迅速にプラズ
マCVDで形成し得る方法を提供することを目的として
いる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基板を
支持するための基板支持電極とその基板に対面する対向
電極とを含む平行平板型高周波電極を備えた反応室内に
おいて結晶質シリコン系薄膜をプラズマCVDで形成す
る方法において、平行平板電極の各々は相互に対面する
0.36m2以上の電極面を有し、基板の温度が80℃
以上で200℃未満の範囲内の一定温度に維持されるべ
く基板加熱用ヒータが温度設定され、反応室内に導入さ
れる原料ガスはシランとその40倍以上で300倍以下
の範囲内の流量比の水素とを含み、反応室内は600P
a以上で6000Pa以下の範囲内の圧力に調整され、
基板と対向電極との間隔は3mm以上で14mm以下の
範囲内に設定され、平行平板電極には10MHz以上で
120MHz以下の範囲内の周波数の高周波電力が10
0mW/cm2で1000mW/cm2以下の範囲内のパ
ワー密度で印加され、結晶質シリコン系薄膜は12nm
/分以上で100nm/分以下の範囲内の堆積速度で形
成されることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による結晶質シリコン系薄
膜をプラズマCVDで形成する方法は、たとえば、大き
な面積を有するハイブリッド型薄膜太陽電池に含まれる
結晶質光電変換ユニット中の結晶質シリコン光電変換層
の形成のために好ましく利用され得る。図1は、ハイブ
リッド型薄膜太陽電池の一例を模式的な断面図で示して
いる。なお、この図において、厚さや長さなどの寸法関
係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されてお
り、実際の寸法関係を表わしてはいない。
【0016】図1に示されているようなハイブリッド型
薄膜太陽電池の作製においては、まず、0.36m2
上の大きな主面を有するソーダライム系ガラス基板1上
に、透明導電性酸化物(TCO)である酸化錫からなる
透明電極層2が熱CVDによって形成される。
【0017】その後、基板1を支持するために0.36
2以上の面積を有する基板支持電極とこれに対面する
対向電極とを含む平行平板型高周波電極を備えたプラズ
マCVD装置を利用して、透明電極層2上には、非晶質
光電変換ユニット3が慣用的RF(高周波)プラズマC
VDによって堆積され得る。この非晶質ユニット3は、
ボロンドープされたp型シリコンカーバイド3p、ノン
ドープの非晶質i型シリコン光電変換層3i、およびリ
ンドープされたn型シリコン層3nを含み得る。
【0018】非晶質光電変換ユニット3上には、結晶質
光電変換ユニット4がプラズマCVDによって堆積され
る。この結晶質ユニット4は、ボロンドープされたp型
シリコン層4n、ノンドープの結晶質i型シリコン光電
変換層4i、およびリンドープされたn型シリコン層4
nを含み得る。
【0019】結晶質i型シリコン光電変換層4iの堆積
に際しては、基板1の温度が80℃以上で200℃未満
の範囲内の一定温度に維持されるべく基板加熱用ヒータ
が温度設定される。これは、基板温度が低すぎれば良質
の結晶質シリコン膜が得られにくくなるからである。他
方、基板温度を必要以上に高めることも好ましくない。
なぜならば、基板温度がソーダライム系ガラスの耐熱温
度以下であるべきことはもちろんながら、大面積の基板
1を昇温するには時間がかかり、そのヒータ機構に要す
るコストも増大するからである。また、基板温度は、既
に形成されている非晶質光電変換ユニット3を熱劣化さ
せない温度であることも望まれるからである。
【0020】プラズマ反応室内に導入される原料ガス
は、シランとその40倍以上で300倍以下の範囲内の
流量比の水素とを含んでいる。これは、水素希釈率が低
すぎれば良質の結晶質シリコン膜が形成されにくくなっ
て、非晶質シリコン膜になりやすくなるからである。他
方、水素希釈率を大きくし過ぎれば、結晶質シリコン膜
の堆積速度を高めることが困難になる。
【0021】プラズマ反応室内は、600Pa以上で6
000Pa以下の範囲内のガス圧に調整される。これ
は、反応室内のガス圧が低すぎればシリコン膜を高速で
堆積することが困難になるとともに、良質の結晶質膜が
形成されにくくなるからである。他方、反応室内のガス
圧を高くし過ぎれば、反応室内に茶粉状のダストの生成
が多くなり、シリコン膜中のピンホールなどの原因にな
りやすくなる。このピンホールの問題は、特に基板面積
が大きい場合に顕著になる。
【0022】反応室内においてプラズマを生じさせるた
めに平行平板型電極に印加される高周波電力の周波数
は、10MHz以上で120MHz以下の範囲内にある
ことが好ましい。これは、周波数が低い場合には成膜速
度を高めることが困難だからである。他方、周波数が高
すぎる場合には、その電源のコストが高くなるととも
に、電力ロスも大きくなる。
【0023】平行平板型電極に印加される高周波電力の
パワー密度は、100mW/cm2以上で1000mW
/cm2以下の範囲内であることが好ましい。これは、
低いパワー密度では成膜速度を高めることが困難だから
である。他方、高周波パワー密度が高すぎれば、放電プ
ラズマが均一になりにくくなる。また、高いパワー密度
のためには電力容量の大きな高周波電源が必要となり、
コストの上昇を招く。
【0024】基板と対向電極との間隔(E/S間隔)
は、3mm以上で14mm以下の範囲内に設定される。
これは、比較的高い反応ガス圧の下では、E/S間隔が
大きすぎれば安定したプラズマ放電の発生が困難になる
とともに、基板と対向電極との間に反応ガスとプラズマ
を閉じ込める効果が低下するからである。他方、E/S
間隔が狭すぎれば、大面積の基板と対向電極との平行度
の割合を高く保つのが困難になり、膜厚の不均一性が増
大する。
【0025】以上の条件を調整することによって、成膜
速度は12nm/分以上で100nm/分以下の範囲内
にあることが好ましい。これは、成膜速度が遅すぎる場
合には生産性が低くなってコスト高になるからである。
他方、成膜速度が速すぎる場合には、良質の結晶質シリ
コン膜が得られにくくなるからである。
【0026】結晶質光電変換ユニット4上には、裏面電
極層5として酸化亜鉛膜5aと銀膜5bがスパッタリン
グによって順次に堆積される。ここで、TCOである酸
化亜鉛膜5aは、銀膜5bの光反射性を改善するように
作用するとともに、Ag原子が光電変換ユニット4や3
内に拡散侵入することを防止するようにも作用し得る。
【0027】(実施例1)実施例1として、図1に示さ
れているようなハイブリッド型薄膜太陽電池が作製され
た。まず、0.83m2の主面を有するガラス基板1上
に、酸化錫の透明電極層2が熱CVDで形成された。そ
の後、基板1はプラズマCVD装置内に導入された。こ
のプラズマCVD装置は、p型層、i型層およびn型層
のそれぞれを堆積するために複数の反応室を含んでい
た。これらの反応室の各々は、1.36m2の対向面を
有しかつ13.56MHzの高周波電力が印加される平
行平板型電極を含み、E/S間隔は24mmに設定され
た。また、基板加熱用ヒータは、180℃に加熱するよ
うに設定された。
【0028】非晶質光電変換ユニット3に含まれる非晶
質p型シリコンカーバイド層3pの堆積に際しては、シ
ラン、メタン、ジボランおよび水素の混合ガスがプラズ
マ反応室内に導入された。反応室内ガス圧は133Pa
に設定され、高周波放電パワー密度は0.017W/c
2に設定された。このような条件下で、7nmの厚さ
まで(堆積時間1分10秒)成膜した後に、混合ガス中
のメタンとジボランの濃度を徐々に減少させながらさら
に10nmの厚さだけ(堆積時間1分40秒)成膜し
た。
【0029】ノンドープの非晶質i型シリコン光電変換
層3iの堆積に際しては、シランガスがプラズマ反応室
内に導入された。そして、反応室内ガス圧が40Paで
放電パワー密度が0.018W/cm2の条件の下で、
230nmの厚さ(成膜時間19分10秒)まで成膜さ
れた。
【0030】その後、n型層3nの一部を構成するn型
シリコン部分層3n1を堆積するために、シラン、ホス
フィンおよび水素の混合ガスがプラズマ反応室内に導入
された。そして、反応室内ガス圧が133Paで放電パ
ワー密度が0.11W/cm 2の条件の下で、厚さ15
nmまで(堆積時間3分)成膜された。
【0031】この後に、非晶質光電変換ユニット3が形
成された基板1がプラズマCVD装置から大気中に取出
され、異なる第2のプラズマCVD装置内に導入され
た。この第2のプラズマCVD装置も複数の反応室を含
み、各反応室は1.36m2の対向面を有しかつ特に言
及しない限り13.56MHzの高周波の電力が印加さ
れる平行平板型電極を含み、そして基板加熱用ヒータは
165℃に加熱するように設定された。
【0032】このような第2のプラズマCVD装置内に
おいて、まず、一旦表面が大気に晒されたn型シリコン
部分層3n1の表面をリフレッシュさせるように、プラ
ズマ反応室内に水素ガスのみが導入されて水素プラズマ
処理が行なわれた。このときの反応室内圧力は800P
aに設定され、水素ガス流量は20SLMであった。ま
た、E/S間隔は12mmに設定され、0.11W/c
2の放電パワー密度で30秒間の水素プラズマ処理が
行なわれた。
【0033】その後、n型層3nに含まれる第2のn型
シリコン部分層3n2を形成するために、シラン、ホス
フィンおよび水素の混合ガスがプラズマ反応室内に導入
された。このとき、シランガス流量は250SCCM、
1%濃度になるように水素で希釈されたホスフィンガス
流量が500SCCM、そして水素ガス流量が20SL
Mに設定された。すなわち、シラン:ホスフィン:水素
の混合比は、1:0.02:80.4である。また、反
応室内ガス圧は800Pa、E/S間隔は12mm、そ
して放電パワー密度は0.11W/cm2に設定され
た。このような条件下で、12nm/分の成膜速度で厚
さ15nm(堆積時間1分15秒)まで成膜された。
【0034】このように、水素プラズマ処理を行なって
さらに第2のn型シリコン部分層3n2を追加成膜する
ことによって、異なるプラズマCVD装置間を移動させ
るときに大気に晒されて汚染された第1のn型シリコン
部分層3n1の表面を清浄化して大気暴露の影響を低減
させることができ、真空中で連続成膜する場合とほぼ同
等の品質のn型層3nを得ることができる。
【0035】次に、結晶質光電変換ユニット4に含まれ
るp型シリコン層4pを形成するために、プラズマ反応
室内にシラン、ジボランおよび水素の混合ガスがプラズ
マ反応室内に導入された。このとき、シランガスの流量
が150SCCM、0.2%の濃度になるように水素で
希釈されたジボランガスの流量が75SCCM、そして
水素ガスの流量が20SLMに設定された。すなわち、
シラン:ホスフィン:水素の混合比は、1:0.00
1:134であった。また、反応室内のガス圧は800
Pa、E/S間隔は12mm、そして放電パワー密度は
0.11W/cm 2に設定された。このような条件の下
で、6nm/分の成膜速度で膜厚20nm(堆積時間3
分20秒)まで成膜された。なお、水素プラズマ処理か
らこのp型シリコン層4pの形成までの工程は、同一の
反応室内で行われた。
【0036】結晶質i型シリコン光電変換層4iの堆積
に際しては、シランと水素の混合ガスがプラズマ反応室
内に導入された。このとき、シランガスの流量は190
SCCMで、水素ガスの流量は10SLMに設定され
た。すなわち、シラン:水素の混合比は、1:52.6
であった。また、反応室内ガス圧は800Pa、E/S
間隔は12mm、そして放電パワー密度は0.12W/
cm2に設定された。このような条件の下で、16nm
/分の成膜速度で厚さ1400nm(堆積時間87分3
0秒)まで成膜された。
【0037】n型シリコン層4nの堆積に際しては、シ
ラン、ホスフィンおよび水素の混合ガスがプラズマ反応
室内に導入された。このとき、シランガス流量は100
SCCM、1%濃度まで水素で希釈されたホスフィンガ
スの流量が200SCCM、そして水素ガス流量が10
SLMに設定された。すなわち、シラン:ホスフィン:
水素の混合比は、1:0.02:100であった。ま
た、反応室内ガス圧は133Pa、E/S間隔は24m
m、そして放電パワー密度は0.11W/cm2に設定
された。このような条件の下で、5nm/分の成膜速度
で厚さ15nm(堆積時間3分)まで成膜された。
【0038】結晶質光電変換ユニット4が形成された後
には、裏面電極層5として、厚さ90nmの酸化亜鉛膜
5aと厚さ240nmの銀膜がスパッタリングによって
順次に堆積された。
【0039】以上のようにして、100枚の基板の各々
の上に図1に示されているようなハイブリッド型薄膜太
陽電池を作製したところ、80W以上の出力を有するも
のが98枚得られ、大面積で十分な出力特性を有するハ
イブリッド型薄膜太陽電池を安定して製造し得ることが
確認された。
【0040】(実施例2)実施例2は、結晶質i型シリ
コン光電変換層4iの堆積条件が変更されたことのみに
おいて、実施例1と異なっていた。
【0041】具体的には、結晶質i型シリコン光電変換
層4iの堆積に際して、シランガス流量が300SCC
Mで、水素ガス流量が25SLMに設定された。すなわ
ち、シラン:水素の混合比は、1:83.3であった。
また、反応室内ガス圧は1200Pa、E/S間隔は1
0mm、そして放電パワー密度は0.25W/cm2
設定された。このような条件の下で、25nm/分の成
膜速度で厚さ1400nm(堆積時間56分)まで成膜
された。
【0042】このようにして、100枚のガラス基板の
各々の上に形成されたハイブリッド型薄膜太陽電池にお
いて、80W以上の出力を有するものが94枚得られ、
大面積で高出力のハイブリッド型薄膜太陽電池を安定し
て製造し得ることが確認された。
【0043】(実施例3〜5)実施例3においては、実
施例1に比べて、水素プラズマ処理条件と結晶質光電変
換ユニット4の形成条件が変更された。まず、基板加熱
用ヒータの加熱温度の設定が120℃に変更された。そ
の他の条件に関しては、表1にまとめて示されている。
【0044】
【表1】
【0045】実施例4においても、実施例1に比べて、
水素プラズマ処理条件と結晶質光電変換ユニット4の形
成条件が変更された。基板加熱用ヒータの加熱温度の設
定が120℃に変更されたことは、実施例3の場合と同
様であった。その他の条件に関しては、表2にまとめて
示されている。
【0046】
【表2】
【0047】さらに、実施例5においても、実施例1に
比べて、水素プラズマ処理条件と結晶質光電変換ユニッ
ト4の形成条件が変更された。実施例5において基板加
熱用ヒータの加熱温度の設定が120℃に変更されたこ
とは、実施例3の場合と同様であった。その他の条件に
関しては、表3にまとめられて示されている。
【0048】
【表3】
【0049】以上の実施例3〜5のそれぞれにおいて
も、100枚の基板の各々の上に図1に示されているよ
うなハイブリッド型薄膜太陽電池が作製され、80W以
上の出力を有するものが90枚以上得られ、実施例3〜
5においても大面積で高出力のハイブリッド型薄膜太陽
電池を安定して製造し得ることが確認された。
【0050】なお、上述の実施例ではハイブリッド型薄
膜太陽電池に含まれる結晶質シリコン薄膜の形成方法に
関して説明されたが、本発明はその他の種々のデバイス
において利用され得る結晶質シリコン系薄膜の形成に利
用し得ることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、比較的
低い耐熱温度を有する安価な基板を用いながら簡便かつ
低コストで、大面積かつ良質の結晶質シリコン系薄膜を
迅速にプラズマCVDで形成し得る方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるハイブリッド型薄
膜太陽電池の積層構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板、2 透明電極、3 非晶質光電変換ユ
ニット、3p p型層、3i 非晶質i型光電変換層、
3n n型層、4 結晶質光電変換ユニット、4p p
型層、4i 結晶質i型光電変換層、4n n型層、5
裏面電極層、5a 酸化亜鉛膜、5b 銀膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA17 BA29 BB12 CA06 FA03 JA03 JA06 JA08 JA10 JA12 JA16 JA18 JA20 LA16 5F045 AA08 AB03 AB06 AC01 AC07 AC19 AD04 AD05 AE21 AE23 BB07 BB08 BB09 CA13 DP01 5F051 AA03 CA16 CA35 CA36 CA37

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を支持するための基板支持電極とそ
    の基板に対面する対向電極とを含む平行平板型高周波電
    極を備えた反応室内において結晶質シリコン系薄膜をプ
    ラズマCVDで形成する方法であって、 前記平行平板電極の各々は相互に対面する0.36m2
    以上の電極面を有し、 前記基板の温度は80℃以上で200℃未満の範囲内の
    一定温度に維持されるべく基板加熱用ヒータが温度設定
    され、 前記反応室内に導入される原料ガスはシランとその40
    倍以上で300倍以下の範囲内の流量比の水素とを含
    み、 前記反応室内は600Pa以上で6000Pa以下の範
    囲内の圧力に調整され、 前記基板と前記対向電極との間隔は3mm以上で14m
    m以下の範囲内に設定され、 前記平行平板電極には10MHz以上で120MHz以
    下の範囲内の周波数の高周波電力が100mW/cm2
    で1000mW/cm2以下の範囲内のパワー密度で印
    加され、 前記結晶質シリコン系薄膜は12nm/分以上で100
    nm/分以下の範囲内の堆積速度で形成されることを特
    徴とする方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009298438A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Fukui Yodaru Seisakusho:Kk 紙製筒型容器
JP2010114299A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 光電変換装置の製造方法及び光電変換装置

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