JP2002246221A - 低損失酸化物磁性材料 - Google Patents

低損失酸化物磁性材料

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JP2002246221A
JP2002246221A JP2001039564A JP2001039564A JP2002246221A JP 2002246221 A JP2002246221 A JP 2002246221A JP 2001039564 A JP2001039564 A JP 2001039564A JP 2001039564 A JP2001039564 A JP 2001039564A JP 2002246221 A JP2002246221 A JP 2002246221A
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Japan
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loss
magnetic material
ferrite
zno
oxide magnetic
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JP2001039564A
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Koichi Kondo
幸一 近藤
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Tokin Corp
Original Assignee
NEC Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型の電源トランス用の磁心として好適な低
損失のNi-Zn-Cu 系あるいはNi-Zn 系フェライトを
提供すること。 【解決手段】 Fe23、NiO、ZnO、CuOを主成分
とするNi-Zn-Cu 系フェライトあるいはFe23、Ni
O、ZnOを主成分とするNi-Zn 系フェライトにおい
て、V25を0〜0.15wt%(0を含まず)含み、ま
た、結晶粒度分布のD50が7〜35μmであり、かつ
D10が2μmより大きく、D90が55μmより小さ
い酸化物磁性材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源用トランス材
料に係り、特に、電源トランスの磁心に用いる酸化物磁
性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯機器を始めとして、近年、電子機器
の小型化が急速に進行している。電源の中で、トランス
は体積的にも、電力損失においても大きな位置を占める
ため、その小型化、高効率化が求められている。また、
トランス材料の損失が大きいと、電源としての効率が悪
いだけでなく、自己発熱による熱暴走の危険が生じる。
そこで、トランス材料としては、一般に低損失で飽和磁
束密度が高く(約500mT)、低価格なMn-Zn 系フ
ェライトが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Mn-Z
n系フェライトは、比抵抗が小さく、絶縁性の確保のた
めに、ボビン等の巻線用部品を介し、巻線を行わなけれ
ばならない。よって、トランス材料として、Mn-Zn 系
フェライトを用いては、小型化に対して限界がある。一
方、Ni-Zn-Cu系フェライトは、比抵抗が高く、巻線
の直巻きが可能である。また、比抵抗が高いことに加
え、Cu添加により、低温焼成が可能であることから、
導体と磁性体の一体焼成が可能であり、限りない小型化
を実現できる。しかしながら、従来のNi-Zn-Cu 系フ
ェライトは、高損失であるため、効率が悪く、かつ、熱
暴走等、安全性に劣るため、トランス材料としての商品
化が困難である。
【0004】そこで、本発明は、低損失のNi-Zn-Cu
系フェライトを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】種々の検討を行った結
果、Fe23、NiO、ZnO、CuOを主成分とするNi-
Zn-Cu 系フェライト、またはFe23、NiO、ZnO
を主成分とするNi-Zn系フェライトにおいて、V25
を0〜0.15wt%(0を含まず)含み、結晶粒度分布
のD50が7〜35μmであり、かつD10が2μmよ
り大きく、D90が55μmより小さいことを特徴とす
る低損失酸化物磁性材料が上記課題を解決することを見
出した。
【0006】即ち、本発明の低損失酸化物磁性材料は、
Fe23、NiO、ZnO、CuOを主成分とするNi-Zn-
Cu系フェライト、またはFe23、NiO、ZnOを主成
分とするNi-Zn系フェライトであって、V25を0〜
0.15wt%(0を含まず)含んでいる。
【0007】また、本発明の低損失酸化物磁性材料にお
いては、結晶粒度分布のD50が7〜35μmであり、
かつD10が2μmより大きく、D90が55μmより
小さいことが好ましい。
【0008】さらに、本発明の低損失酸化物磁性材料に
おいては、48〜50mol%のFe23、10〜40mol
%のZnO、0〜15mol%のCuO、および残部をNiO
として主成分を形成することが望ましい。
【0009】
【作用】フェライトの損失は、ヒステリシス損失、渦電
流損失、残留損失に大別できる。本発明品と従来のNi-
Zn-Cuフェライトの損失を比較すると、主に、ヒステ
リシス損失の低減により、損失が低減されていることが
分かった。
【0010】ヒステリシス損失は、主に結晶粒径と結晶
磁気異方性エネルギーK1に依存する。結晶粒界は、磁
壁移動に対して、摩擦力として作用するため、通常の均
一な粒成長となる焼成条件では、結晶粒径が大きいほど
ヒステリシス損失は低下する。しかしながら、異常粒成
長により、局所的に粗大粒が発生すると、逆にヒステリ
シス損失は増大するため、粒度分布がシャープであるこ
とが望ましい。
【0011】本発明によれば、Fe23、NiO、Zn
O、CuOを主成分とするNi-Zn-Cu系フェライトにお
いて、V25を0〜0.15wt%(0を含まず)添加す
ることにより、結晶粒度分布の平均的な値であるD50
の値をほとんど変えることなく、シャープな粒度分布を
持つ組織を得ることができる。
【0012】本発明により、損失が低下した原因は明ら
かではないが、結晶粒度分布が従来品よりもシャープに
なったことが原因である可能性がある。
【0013】本発明の実施の一形態では、Fe23、Ni
O、ZnO、CuOを主成分とするNi-Zn-Cu 系フェラ
イトを用いたが、Fe23、NiO、ZnOを主成分とす
るNi-Zn 系フェライトにおいても同様の効果が得られ
る。
【0014】また、添加するV25量を0wt%以上(0
を含まず)としたのは、Ni-Zn系あるいはNi-Zn-Cu
系フェライトにV25を微量添加するのは一般的でな
く、微量に添加しても効果があるからである。さらに、
添加するV25量を0.15wt%以下としたのは、それ
を越えると損失が著しく増大するためである。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0016】主成分組成として、49mol%のFe23
19mol%のNiO、25mol%のZnO、残部のCuOを
所定の量秤量し、アトライターを用いて2時間混合し
た。この後、スプレードライアーで造粒した。造粒した
粉末をロータリーキルンで仮焼した。得られた粉末をア
トライターを用いて解砕した。続いて、スプレードライ
アにて造粒し、トロイダル形状にプレスし、950〜1
150℃で焼成した。
【0017】表1に、V25添加量を0〜0.20wt
%まで変化させた時の、結晶粒度分布、50kHz-15
0mT-80℃の損失(Pcv)、および飽和磁束密度
(Bs)を示す。なお、D10、D50およびD90
は、累積度数10%、50%および90%に対応する結
晶粒径を示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1より、発明品は、従来品と比べ、結晶
粒度分布がより均一であり、損失が低く、V添加
による飽和磁束密度(Bs)の低下も事実上は無視でき
るレベルであることが分かる。
【0020】また、発明品の結晶粒度分布は、D50が
7〜35μmであり、かつD10が2μmより大きく、
D90が55μmより小さいことが分かる。
【0021】図1に、従来品3と発明品9の50kHz-
150mTにおける損失の温度特性を示す。発明品は、
従来品と比べ、全温度範囲で損失が低いことが分かる。
【0022】以上述べたごとく、Fe23、NiO、Zn
O、CuOを主成分とするNi-Zn-Cu系フェライトにお
いて、V25を0〜0.15wt%(0を含まず)含み、
また、結晶粒度分布のD50が7〜35μmであり、か
つD10が2μmより大きく、D90が55μmより小
さいことを特徴とする低損失酸化物磁性材料が得られる
ことを見出した。
【0023】ところで、上記の実施の形態では、Fe2
3、NiO、ZnO、CuOを主成分とする場合について説
明したが、Fe23、NiO、ZnOを主成分とするNi-
Zn系フェライトにおいても同様の効果が得られる。
【0024】また、V25の添加がヒステリシス損失を
低減する効果は、フェライト主成分の特定の組成には限
定されないが、48〜50mol%のFe23、10〜40
mol%のZnO、0〜15mol%のCuO、および残部をN
iOとして主成分を形成する場合において、特に好まし
い効果が得られる。
【0025】
【発明の効果】本発明品は、従来のMn-Znフェライト
と比較して、比抵抗が著しく高い。このことにより、巻
線の直巻きが可能であり、ボビン等の巻線用部品が不要
であり、コストの低減が図れる。
【0026】また、比抵抗が高いことにより、磁性体と
の一体焼成が可能であり、限りない小型化が可能であ
る。
【0027】また、従来のNi-Znフェライトと比較し
て、低損失である。従って、高効率化とともに、発熱の
低減による信頼性の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来品3と発明品9の50kHz-150mTに
おける損失(Pcv)の温度特性を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe23、NiO、ZnO、CuOを主成分
    とするNi-Zn-Cu系フェライト、またはFe23、Ni
    O、ZnOを主成分とするNi-Zn系フェライトにおい
    て、V25を0〜0.15wt%(0を含まず)含むこと
    を特徴とする低損失酸化物磁性材料。
  2. 【請求項2】 結晶粒度分布のD50が7〜35μmで
    あり、かつD10が2μmより大きく、D90が55μ
    mより小さいことを特徴とする請求項1記載の低損失酸
    化物磁性材料。
  3. 【請求項3】 48〜50mol%のFe23、10〜40
    mol%のZnO、0〜15mol%のCuO、および残部をN
    iOとして主成分が形成されていることを特徴とする請
    求項1または2記載の低損失酸化物磁性材料。
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