JP2002243092A - 筒状発泡体 - Google Patents

筒状発泡体

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JP2002243092A JP2001041953A JP2001041953A JP2002243092A JP 2002243092 A JP2002243092 A JP 2002243092A JP 2001041953 A JP2001041953 A JP 2001041953A JP 2001041953 A JP2001041953 A JP 2001041953A JP 2002243092 A JP2002243092 A JP 2002243092A
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propylene
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Tetsuya Sato
哲也 佐藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲管部であっても挿嵌施工性に優れると共
に、施工後の曲管部や配管支持部での圧縮残留歪み性
(へたり性)に優れるため、冷媒配管などの断熱材とし
て好適な筒状発泡体を提供する。 【解決手段】 プロピレン系熱可塑性エラストマー、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体及びスチレン系熱可塑性エ
ラストマーより形成される筒状発泡体を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲管部への挿嵌施
工性に優れると共に、施工後の圧縮残留歪み(へたり
性)が小さく配管用チューブとして好適な筒状発泡体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、冷凍・冷蔵用などの配管の断
熱工事は配管工事と同時に行われることが多い。そし
て、上記配管の断熱工事に用いられる配管用チューブ
は、直管の外周面に容易に挿嵌することができるのは勿
論のこと、剛性を有する曲管の外周面に容易に挿嵌する
ことができるといった挿嵌施工性、配管の形状に併せて
切断することができる加工性、更には、配管への被嵌後
における寸法安定性、例えば、配管支持部における該配
管の荷重による圧縮クリープ性が小さいことや霜取り運
転時の100〜120℃といった高温下における加熱寸
法変化率が小さいこと等が要求される。
【0003】このような断熱チューブとしては、例え
ば、低密度ポリエチレン製架橋発泡体からなるものが提
案されている。しかしながら、上記低密度ポリエチレン
製架橋発泡体からなる断熱チューブは曲管部への挿嵌施
工はできるが、1人での挿嵌施工は困難であり、さらに
挿嵌施工後の配管指支持や曲管部にへたりが生じること
があった。このようなへたりによって、断熱チューブの
厚みが薄くなるため、断熱性が低下するという問題点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、曲管部であ
っても挿嵌施工性に優れると共に、施工後の曲管部や配
管支持部での圧縮残留歪み性(へたり性)に優れるた
め、冷媒配管などの断熱材として好適な筒状発泡体を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の筒状発泡体は、
プロピレン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体及びスチレン系熱可塑性エラストマーより
形成されることを特徴とする。
【0006】以下、本発明について説明する。本発明の
筒状発泡体の樹脂成分としては、プロピレン系熱可塑性
エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びスチ
レン系熱可塑性エラストマーよりなる3成分系混合物が
用いられる。
【0007】上記プロピレン系熱可塑性エラストマーと
しては、クロス分別法により温度上昇溶離分別を行った
際に、下記〜の特性を有するものを使用することが
好ましい。 0〜10℃での樹脂溶出量が全プロピレン系熱可塑性
エラストマーの30〜70重量%である。 10℃を超えて60℃以下での樹脂溶出量が全プロピ
レン系熱可塑性エラストマーの0〜30重量%である。 60℃を超えて130℃以下での樹脂溶出量が全プロ
ピレン系熱可塑性エラストマーの15〜65重量%であ
る。 重量平均分子量が8万〜50万である。
【0008】即ち、0〜10℃での樹脂溶出量は多く
なると、得られる筒状発泡体の耐熱性が不足し、寸法安
定性が低下することがあり、又、少なくなると得られる
筒状発泡体の柔軟性が不足し、配管への挿嵌施工性が低
下することがあるので、全プロピレン系熱可塑性エラス
トマーの30〜70重量%であることが好ましく、35
〜60重量%がより好ましい。
【0009】10℃を超え60℃以下での樹脂溶出量
は多くなると、10℃以下での樹脂溶出量や後述の60
℃を超え130℃以下での樹脂溶出量が不足し、得られ
る筒状発泡体の柔軟性と耐熱性を同時に両立させること
が困難となることがあるので、0〜30重量%が好まし
く、0〜20重量%がより好ましい。
【0010】60℃を超え130℃以下での樹脂溶出
量は多くなると、得られる架橋発泡体の柔軟性が低下
し、筒状発泡体の配管への挿嵌施工性が低下することが
あり、少なくなると得られる筒状発泡体の耐熱性が低下
し、寸法安定性が低下することがあるので、15〜65
重量%が好ましく、20〜55重量%がより好ましい。
【0011】重量平均分子量は大きくなると、発泡体
の生産性、即ち、押出成形性が低下することがあり、
又、小さくなると、得られる筒状発泡体の伸びや耐熱性
が低下し、配管への挿嵌施工性やへたり性が低下するこ
とがあるので、8万〜50万が好ましい。
【0012】上記クロス分別法は以下の方法により行わ
れる。即ち、上記プロピレン系熱可塑性エラストマーを
先ず140℃又は該プロピレン系熱可塑性エラストマー
が完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解
し、この溶液を一定速度で冷却し、予め用意しておいた
不活性担体表面に、薄いポリマー層を結晶性の高い順及
び分子量の大きい順に生成させる。次に、温度を連続又
は段階状に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検出し、
編成分布(結晶性分布)を測定する。これを温度上昇溶
離分別(TREF=Temperature Rising Elution Fractiona
tion)という。
【0013】この温度上昇溶離分別と共に、上記順次溶
出した成分について、高温型GPCにより分子量及び分
子量分布を測定する。本発明では、温度上昇溶離分別部
分と高温GPC(SEC =Size Exclusion Chromatograp
h)部分とをシステムとして備えているクロス分別クロ
マトグラフ装置(例えば、三菱油化社製、商品名「CF
C−T150A型」)を使用し、上記データを測定す
る。
【0014】上記プロピレン系熱可塑性エラストマーと
しては、架橋発泡体を得ることができれば、特に限定さ
れず、例えば、プロピレン系樹脂とエチレン−プロピレ
ンゴムとの多段重合によって得られるリアクタータイプ
のプロピレン系熱可塑性エラストマーが用いられる。
【0015】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(以
下、「EVA」という)は下記〜の特性を有するも
のを使用することが好ましい。 酢酸ビニル含有量は10〜40重量%が好ましく、よ
り好ましくは8〜30重量%である。酢酸ビニル含有量
が、10重量%未満又は40重量%を超えると所定の見
掛け密度の発泡体が得られ難くなる。
【0016】JIS K 6730の試験方法に準拠
して測定されるEVAのメルトフローレート(以下、
「MFR」と記す)が、0.5〜15g/10分であ
る。 JIS K 6760の試験方法に準拠して測定され
る密度が、0.93〜0.98g/cm3 である。 JIS K 7106の試験方法に準じて測定される
EVAの曲げ剛性率が、1〜60MPaである。
【0017】上記スチレン系熱可塑性エラストマーとし
ては、下記〜の特性を有するものを使用することが
好ましい。 ASTM D2240の試験方法に準拠して測定され
る表面硬度(ショアーA)が70以下である。 JIS K 7210の試験方法に準拠して測定され
るMFRが0.5〜10g/10分である。 JIS K 6301の試験方法(100%伸長)に
準拠して測定される永久伸びが50%以下である。 JIS K 6301の試験方法(70℃、22時
間)に準拠して測定される圧縮永久伸びが15%以下で
ある。 一般式S−E−S、S−B−S、S−I−S又はS−
E−B−Sで(式中、Sはスチレン、Eはエチレン、B
はブタジエン、Iはイソプレンをそれぞれ示す)で表さ
れるスチレン系共重合体を含有するものが好ましく、よ
り好ましくはS−E−B−Sを含有するものである。
【0018】また、上記スチレン系熱可塑性エラストマ
ーとしては、ランダムポリプロピレン30重量%、スチ
レン系共重合体30重量%及びオイル成分40重量%か
らなるものが好ましく、より好ましくはホモポリプロピ
レン30重量%、スチレン系共重合体30重量%及びオ
イル成分40重量%からなるものである。スチレン系熱
可塑性エラストマーにおいて、ランダムポリプロピレン
又はホモポリプロピレンが多くなると柔軟性が損なわ
れ、少なくなると分散性が低下する。
【0019】上記3成分系混合物において、各成分の配
合割合は、プロピレン系熱可塑性エラストマー10〜5
5重量%、EVA40〜80重量%及びスチレン系熱可
塑性エラストマー5〜30重量%が好ましく、より好ま
しくはプロピレン系熱可塑性エラストマー20〜50重
量%、EVA50〜70重量%及びスチレン系熱可塑性
エラストマー10〜20重量%である。
【0020】上記3成分系混合物において、プロピレン
系熱可塑性エラストマーの割合が、上記範囲を超えて多
くなると圧縮永久歪みが大きくなり、配管用チューブと
して使用したときにへたり易くなるため結露の原因とな
り、上記範囲を超えて少なくなると配管用チューブの加
熱寸法変化率が大きくなるため、実用性が損なわれる。
【0021】上記3成分混合物において、EVAの割合
が、上記範囲を超えて多くなると配管用チューブの加熱
寸法変化率が大きくなり、上記範囲を超えて少なくなる
と配管用チューブの挿嵌施工性が低下する。
【0022】上記3成分系混合物において、スチレン系
熱可塑性エラストマーの割合が、上記範囲を超えて多く
なると発泡体の押出生産性が大幅に低下すると共に高発
泡倍率の発泡体が得られ難くなり、上記範囲を超えて少
なくなると圧縮永久歪みが大きくなる。
【0023】上記3成分系混合物に代えて、スチレン系
熱可塑性エラストマー及びEVAの2成分系混合物を使
用すると、発泡体の加熱寸法変化率が大きくなるので好
ましくない。
【0024】本発明で用いられる発泡体は、例えば、上
記3成分系混合物からなる樹脂成分に、熱分解型発泡
剤、架橋助剤等の他、必要に応じて、発泡助剤、酸化防
止剤、滑剤等を添加した発泡性樹脂組成物を押出機に供
給して溶融混練し、発泡性樹脂シートを押出成形した
後、この発泡性樹脂シートに電子線、X線、α線、β
線、γ線等の電離性放射線を照射して架橋処理を施した
上で加熱、発泡させることにより、架橋発泡体の板状物
として得ることができる。
【0025】また、例えば、上記3成分系混合物からな
る樹脂成分に、熱分解型発泡剤、過酸化物の他、必要に
応じて、発泡助剤、酸化防止剤、滑剤等を添加した発泡
性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、発泡性樹
脂シートを押出成形した後、この発泡性樹脂シートを加
熱して架橋と同時に発泡させることにより、架橋発泡体
の板状物として得ることができる。
【0026】上記発泡性樹脂組成物には、さらに必要に
応じて、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、老化防止剤、
紫外線吸収剤、充填剤、着色剤等が添加されてもよい。
【0027】上記発泡性樹脂組成物は、例えば、バンバ
リーミキサー、ニーダーミキサー、、押出機等を用い
て、各成分を熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶
融、混練することにより得られる。
【0028】上記熱分解型発泡剤としては、発泡体の製
造に従来から用いられているものであれば、特に限定さ
れず、例えば、アゾジカルボンアミド、オキシベンゼン
スルホニルアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,
N' −ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が挙げら
れる。
【0029】上記熱分解型発泡剤の添加量は、得られる
発泡体の見掛け密度に応じて適宜調整されるが、多くな
ると破泡することがあり、少なくなると発泡しないこと
があるので、上記樹脂成分100重量部に対して、0.
5〜40重量部が好ましく、10〜30重量部がより好
ましい。
【0030】上記架橋助剤としては、一般に使用されて
いる多官能性モノマー又は単官能性モノマーが用いら
れ、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタ
クリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレー
ト、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイ
ソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチル
グリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼント
リカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ス
テアリルメタクリレート等が挙げられ、これらは単独で
用いられても併用されてもよい。
【0031】上記架橋助剤の添加量は、少なくなると架
橋密度が不十分となり均質な架橋発泡体が得られないこ
とがあり、多くなると架橋密度が大きくなり、得られる
架橋発泡体の柔軟性が低下することがあるので、上記樹
脂成分100重量部に対して、0.5〜10重量部が好
ましく、0.8〜6重量部がより好ましい。
【0032】上記過酸化物としては、発泡体の架橋に用
いられるものであれば、特に限定されず、例えば、イソ
ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、シクロヘキサンパーオキサイド、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ベルレート、ベンゾイルパー
オキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルオパーオキシ)ヘ
キサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブ
チルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸等が挙げら
れる。
【0033】上記過酸化物の添加量は、少なくなると樹
脂成分の架橋密度が不足し発泡に必要な剪断粘度が得ら
れず、多くなると樹脂成分の架橋密度が高くなりすぎて
発泡しないことがあるので、上記樹脂成分100重量部
に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0034】上記発泡性樹脂組成物からなる発泡性樹脂
シートに電離性放射線を照射することにより、3成分系
混合物にラジカル架橋が起こり、発泡に必要な架橋構造
が形成される。
【0035】上記電離性放射線による架橋の度合いは、
得られる架橋発泡体のゲル分率を目安として調節され、
該ゲル分率が大きくなると、架橋発泡体の成形性が低下
することがあり、又、小さくなると、架橋発泡体の曲げ
強度が低下することがあるので、好ましくは10〜50
重量%、より好ましくは20〜40重量%となるように
調節される。電離性放射線の照射量としては、通常1〜
20Mradが好ましい。
【0036】尚、本発明において、ゲル分率とは以下の
方法によって測定された値をいう。先ず、架橋発泡体を
所定量秤取し、120℃のキシレン25mlに24時間
浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過
して金網上の不溶解分を真空乾燥する。次に、該真空乾
燥された不溶解分の重量を秤量し、下記に示す式にてゲ
ル分率を算出する。 ゲル分率(%)=(不溶解分の重量/秤取した発泡体の
重量)×100
【0037】次いで、この発泡性樹脂シートを熱分解型
発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させることによ
り、架橋発泡体の板状物を得ることができる。
【0038】上記架橋発泡体の見掛け密度は、0.02
〜0.065g/cm3 が好ましく、より好ましくは
0.025〜0.04g/cm3 である。見掛け密度
が、0.02g/cm3 未満では得られる筒状発泡体の
機械的強度が低下し、0.065g/cm3 を超えると
得られる筒状発泡体が硬くなり、配管への施工性(特に
挿通施工性)が低下することがある。上記見掛け密度
は、JIS K 6767に準拠して測定された値をい
う。
【0039】上記架橋発泡体のシートを所定の幅にスリ
ット加工した後、一般に知られているチュービング成形
機を用いて、スリット加工したシートを加熱しながら筒
状に成形し、幅方向の両端部を突き合わせて熱融着する
ことにより、筒状発泡体を得る。尚、筒状発泡体の所望
の厚みに応じて、架橋発泡体の板状物を複数枚積層して
もよい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。 (実施例1〜5、比較例1)表4に示した所定量のプロ
ピレン系熱可塑性エラストマー、EVA、スチレン系熱
可塑性エラストマー、アゾジカルボンアミド、1,10
−デカンジオールジメタクリレート及び有効量の2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールからなる発泡
性樹脂組成物を押出機に供給し180〜190℃で溶融
混練した後、発泡性樹脂シートを押出成形した。次い
で、この発泡性樹脂シートの両面に1.0Mradの電
子線を照射して架橋処理を施した後、約270℃に保持
した熱風式発泡炉に供給して加熱発泡させ、4.5mm
厚、発泡倍率約32倍の架橋発泡体の板状物を得た。
【0041】尚、プロピレン系熱可塑性エラストマーと
しては、表1に示した性状を有する多段重合によって得
られるエチレン−プロピレンランダム共重合体(リアク
ターTPO)を使用した。EVAとしては、表2に示し
た性状を有するものを使用した。また、スチレン系熱可
塑性エラストマーとしては、表3に示した性状を有する
ものを使用した。表中、MFRはJIS K 7210
に基づき温度190℃、荷重21.17Nの条件で測定
された値である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】上記架橋発泡体の板状物を7枚用意し、ま
ず3枚を熱ラミネートによって積層して15mm厚の3
層積層体とした後、168mm幅にスリット加工した。
このスリット加工物を成形用金型に供給して円筒(チュ
ーブ)状に成形すると共に、対向する端面同士を350
℃のシール刃へ通すことによって熱融着一体化させて、
13.5mm厚、26.5mm内径の3層チューブ(筒
状発泡体)を得た。次に、残りの4枚の板状物を熱ラミ
ネートによって積層して15mm厚の4層積層体とした
後、285mm幅にスリット加工した。このスリット加
工物の一面を熱風及びヒーターにより約200〜450
℃に加熱し、加熱面を3層チューブの外周へ巻装した
後、端面同士を350℃のシール刃へ通すことによって
熱融着一体化させて、7層積層体からなる筒状発泡体を
得た。得られた筒状発泡体の内径は26.5mm、厚さ
は32mmであった。
【0046】上記各実施例及び比較例で得られた架橋発
泡体の板状物について、下記(1)〜(3)の性能評価
を行い、その結果を表4に示した。
【0047】(1)発泡倍率 JIS K 6767に準拠して測定した見掛け密度よ
り算出した。
【0048】(2)加熱寸法変化率 JIS K 6767の測定方法に準拠して、80℃の
熱風乾燥機中で7日間放置した後の加熱寸法変化率
(%)を測定した。
【0049】(3)ヤング率 JIS K 6767(A法)に準拠して引張強さの試
験を行ない、得られた引張強さ/歪み曲線の初期立ち上
がり域の直線部分の勾配値から求めた。尚、試験片はダ
ンベル状1号形を使用した。
【0050】また、上記各実施例及び比較例で得られた
筒状発泡体について、下記(4)及び(5)の性能評価
を行い、その結果を表4に示した。
【0051】(4)挿嵌施工性 ベンダーで90度に屈曲させた銅管(曲率半径=50
R、外径=25.4mm)を平面L字状に固定し、銅管
の一端部から長さ1mの筒状発泡体を両手で引き入れる
方法で銅管の屈曲部に筒状発泡体を被嵌させ、その際の
作業性を以下の基準により判断した。 ○・・筒状発泡体を容易に銅管の屈曲部に被嵌すること
ができた。 △・・筒状発泡体を銅管の屈曲部に被嵌することはでき
たものの力を要した。 ×・・筒状発泡体を銅管に挿嵌することができなかっ
た。
【0052】(5)圧縮永久歪 筒状発泡体を100mm長さに切断し、その径方向に2
kgの荷重を7日間加え、除重後の筒状発泡体の厚み変
化率(%)を測定した。
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】本発明の筒状発泡体は、上述した構成で
あり、柔軟性を有すると共に曲管部であっても挿嵌施工
性が優れる。さらに、圧縮永久歪み性が優れているの
で、曲管部や配管支持部等の高荷重がかかる部位におい
ても、「へたり」(圧縮永久歪)が生じ難くなり結露を
減少させると共に、耐熱性の向上によって加熱寸法変化
も少なくなり、寸法収縮による断熱性の低下が防止され
る。従って、ショーケース、冷凍機等の冷凍配管用保温
材として好適に使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系熱可塑性エラストマー、エ
    チレン−酢酸ビニル共重合体及びスチレン系熱可塑性エ
    ラストマーより形成されることを特徴とする筒状発泡
    体。
  2. 【請求項2】 プロピレン系熱可塑性エラストマーは、
    クロス分別法により温度上昇溶離分別を行った際に、0
    〜10℃での樹脂溶出量が全プロピレン系熱可塑性エラ
    ストマーの30〜70重量%であり、10℃を超えて6
    0℃以下での樹脂溶出量が全プロピレン系熱可塑性エラ
    ストマーの0〜30重量%であり、60℃を超えて13
    0℃以下での樹脂溶出量が全プロピレン系熱可塑性エラ
    ストマーの15〜65重量%であり、かつ、重量平均分
    子量が8万〜50万であることを特徴とする請求項1記
    載の筒状発泡体。
  3. 【請求項3】 エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビ
    ニル含有量が10〜40重量%であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の筒状発泡体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005133024A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Riken Technos Corp 熱可塑性エラストマー組成物
JP2006052262A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Sekisui Chem Co Ltd ポリオレフィン系樹脂発泡シート
JP2007040335A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 A & A Material Corp 金属被覆断熱保温材
JP2011103302A (ja) * 2010-12-13 2011-05-26 Teito Rubber Ltd 燃料電池用ホース
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