JP2002242080A - 合成樹脂レザー - Google Patents

合成樹脂レザー

Info

Publication number
JP2002242080A
JP2002242080A JP2001042030A JP2001042030A JP2002242080A JP 2002242080 A JP2002242080 A JP 2002242080A JP 2001042030 A JP2001042030 A JP 2001042030A JP 2001042030 A JP2001042030 A JP 2001042030A JP 2002242080 A JP2002242080 A JP 2002242080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
leather
synthetic resin
mixed resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001042030A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4489985B2 (ja
Inventor
Takashige Hatori
尊成 羽鳥
Toshimasa Mori
敏雅 森
Tetsuo Nodera
哲生 野寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okamoto Industries Inc
Original Assignee
Okamoto Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okamoto Industries Inc filed Critical Okamoto Industries Inc
Priority to JP2001042030A priority Critical patent/JP4489985B2/ja
Publication of JP2002242080A publication Critical patent/JP2002242080A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4489985B2 publication Critical patent/JP4489985B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性があり、耐表面傷付き性に優れ、高周波
ウェルダーで溶着加工が行なえ、難燃性を有し、縫い目
が広がることない合成樹脂レザーを提供する。 【解決手段】基材の少なくとも片面に、共重合ポリエス
テル樹脂40〜95重量%とアクリル系軟質樹脂60〜
5重量%との混合樹脂層を設けてなる合成樹脂レザーで
ある。混合樹脂層は、さらに混合樹脂100重量部に対
し5〜40重量部のエラストマーを含んでいてもよい。
混合樹脂層に可塑剤を配合するのが好ましい。可塑剤と
しては芳香族カルボン酸エステルが好ましい。また、上
記の基材は、織物、編物又は不織布が用いられる。基材
は軟質発泡体シートでもよいし、織物、編物又は不織布
と軟質発泡体シートとの積層物でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共重合ポリエステ
ル樹脂とアクリル系軟質樹脂との混合樹脂を用いた合成
樹脂レザーに関する。
【0002】
【従来技術】自動車の車両内装材、袋物素材、家具の表
皮材などに用いる合成樹脂レザーは、柔軟で強度を持つ
ことが要求されるが、従来は、織物、編物又は不織布、
或はポリオレフィンフォームなどのシート基材の表面に
軟質ポリ塩化ビニル層を形成させたものが一般的であ
る。ところが、近年リサイクル問題で、軟質ポリ塩化ビ
ニルに替えて、ランダムポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル樹脂、水素添加スチレンブタジエンラバーなど
を用いたポリオレフィン系樹脂レザーが提案されてい
る。
【0003】しかし、ポリオレフィン系樹脂レザーは、
軟質ポリ塩化ビニルレザーに比し、表面が傷付き易いこ
と、高周波ウェルダー性がないことなどの問題点があ
り、更に難燃性に劣るためリン酸系や硼酸系の難燃剤を
配合しないと規制に耐える難燃性を持たないという問題
点がある。そこで、本出願人は先に柔軟性、復元性があ
り、耐表面傷付き性に優れ、高周波ウェルダーで溶着加
工が行なえる合成樹脂レザーとして、基材の少なくとも
片面にアクリル系軟質樹脂層を設けてなるアクリル系樹
脂レザーを提案した(特願2000−349405
号)。このアクリル系樹脂レザーは、従来の軟質ポリ塩
化ビニルレザーに代替できる合成樹脂レザーとして優れ
ているが、ミシンなどで縫製したとき、縫い目が広がっ
たり、縫い目から裂け易いという問題点を有することを
知った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みなされたもので、上記のアクリル系樹脂レザーの
優れた性質を損なうことなく、ミシンなどで縫製したと
きに、縫い目が広がったり、縫い目から裂け易い欠点を
解消した合成樹脂レザーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
材の少なくとも片面に、共重合ポリエステル樹脂40〜
95重量%とアクリル系軟質樹脂60〜5重量%との混
合樹脂層を設けてなる合成樹脂レザーである。この混合
樹脂層は、混合樹脂100重量部に対し5〜40重量部
のエラストマーをさらに含むのが好ましい。また、合成
樹脂層に可塑剤を配合するのが好ましい。可塑剤として
は芳香族カルボン酸エステルが好ましい。また、本発明
の基材としては、織物、編物又は不織布が用いられる。
基材は軟質発泡体シートでもよいし、織物、編物又は不
織布と軟質発泡体シートとの積層物でもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂レザーは、基材
の少なくとも片面に、共重合ポリエステル樹脂40〜9
5重量%とアクリル系軟質樹脂60〜5重量%との混合
樹脂層を設けてなる合成樹脂レザーであるが、この基材
としては、織物、編物又は不織布が用いられる。これら
の編織物の素材はポリアミド繊維、ポリエステル繊維、
アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、綿、レーヨン、こ
れらの混紡糸などである。編物としては、両面編物、天
竺編物などであり、織物としては、平織物、綾織物、朱
子織物などである。また基材には軟質発泡体シートを用
いることもできる。この軟質発泡体シートは、ポリプロ
ピレンフォーム、電子線架橋したポリプロピレンフォー
ム、ポリエチレンフォーム、電子線架橋したポリエチレ
ンフォーム、ポリウレタンフォームなどである。また基
材には織物、編物又は不織布と軟質発泡体シートとの積
層物を用いることもできる。この場合は、織物、編物又
は不織布−軟質発泡体シート−混合樹脂層の構成を採る
のが好ましい。
【0007】本発明で用いる共重合ポリエステル樹脂
は、多価カルボン酸と多価アルコールのいずれか一方ま
たは両方に2種類以上の多価カルボン酸又は多価アルコ
ールを用いてランダム共重合させたものである。このよ
うな、共重合ポリエステル樹脂は結晶性が低く、融点が
低く、高結晶性ポリエステルと比べ、室温で柔軟で、レ
ザーにしたとき好ましい柔軟性を有する。そして、結晶
性がより低く、Tmが200℃以下のものが好ましく、
殊に示差走査熱量計(DSC)で測定したとき融点(T
m)が現れない、いわゆる非晶質ポリエステルが柔軟
性、加工性に特に優れており好適に用いられる。この共
重合ポリエステル樹脂は、後述するアクリル系軟質樹脂
のカレンダー加工温度である140〜200℃程度で軟
化し加工可能になるため、アクリル系軟質樹脂と混合し
て加工するのに適する。
【0008】共重合ポリエステル樹脂の製造に使用され
る多価カルボン酸は、脂肪族系としてはアジピン酸、グ
ルタル酸、コハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸などが挙げられ、脂環族系と
しては1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘ
キサンジ酢酸などが挙げられ、芳香族としてはテレフタ
ル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジメチレンカル
ボン酸、パラフェニレンジカルボン酸などの2価のカル
ボン酸;トリメリット酸などの3価のカルボン酸;ピロ
メリット酸などの4価のカルボン酸が挙げられる。3価
以上のカルボン酸は最大量0.5%モル程度にするのが
好ましい。また、これらの酸に対応する酸無水物、エス
テル及び酸塩化物も用いることができる。
【0009】共重合ポリエステル樹脂の製造に使用され
る多価アルコールは、脂肪族系としてはエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール(重合度5程度まで)、ポリテトラメチレングリコ
ール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなど挙
げられる。トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール等の3、4価アルコールなども使用できる。脂環族
系としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
が挙げられ、芳香族としては、ビスフェノールAなどが
挙げられる。3価以上のアルコールは、共重合ポリエス
テル樹脂の成形性の観点から最大量0.5%モル程度す
るのが好ましい。
【0010】上記の多価カルボン酸、多価アルコールの
うち、例えば環構造を持ち、分子回転しにくい1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸や1,4−シクロヘキサン
ジメタノールなどを用いて共重合した共重合ポリエステ
ル樹脂は、ガラス転移点が高くなり易く、合成樹脂レザ
ーを硬くする傾向が強い。また、たわみ易いメチレン鎖
を持つアジピン酸や1,6−ヘキサンジオールなどを用
いて共重合した共重合ポリエステル樹脂は、ガラス転移
点が低く柔軟性があるので、合成樹脂レザーを軟らかく
する傾向がある。そこで、共重合ポリエステル樹脂とア
クリル系軟質樹脂との配合割合、更にエラストマーの配
合量及び可塑剤の配合量を加減することによって、所望
のとする風合、手触りの合成樹脂レザーにするのがよ
い。
【0011】本発明で用いる共重合ポリエステル樹脂と
しては、ガラス転移点50℃以下、特にガラス転移点2
0℃以下の共重合ポリエステル樹脂が、柔軟性があり、
合成樹脂レザーに必要な柔らかさを有するので好まし
い。ガラス転移点50℃以下の共重合ポリエステルとし
ては、例えば三菱レイヨン社DC427(ガラス転移点
3〜5℃)を挙げることができる。またガラス転移点5
0℃を超えるの共重合ポリエステル樹脂も併用でき、こ
の共重合ポリエステル樹脂としては、例えば、エチレン
グリコール単位約70%と1,4−シクロヘキサンジメ
タノール単位約30%の共重合ポリエステル(イースト
マンケミカル社PETG6763:ガラス転移点81
℃)を挙げることができる。
【0012】本発明で用いるアクリル系軟質樹脂は、常
温で軟質ポリ塩化ビニルの如く柔軟性を示す樹脂であ
る。このアクリル系軟質樹脂は、多層構造重合体、すな
わち2種以上のアクリル系重合体がコア−シェル型の多
層構造を形成している重合体が好ましい。これらのアク
リル系軟質樹脂は、常温で良好な柔軟性を示し、屈曲耐
久性を有し、耐候性に優れている。
【0013】本発明で用いるアクリル系軟質樹脂の一例
を示す。炭素数1〜12のアルキル基を持つ少なくとも
一種のアクリル酸アルキルエステル30〜99.9重量
%、炭素数1〜8のアルキル基を持つ少なくとも一種の
メタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、共重合
可能な不飽和単量体0〜30重量%、多官能架橋性単量
体及び/又は多官能性グラフト単量体0.1〜10重量
%からなる単量体混合物を重合してなるTgが30℃以
下である少なくとも1層の重合体層[A]10〜90重
量部と、炭素数1〜12のアルキル基を持つ少なくとも
一種のアクリル酸アルキルエステル30〜99重量%、
炭素数1〜8のアルキル基を持つ少なくとも一種のメタ
クリル酸アルキルエステル1〜70重量%、共重合可能
な不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を
重合してなるTgが−20〜50℃である少なくとも1
層の重合体層[B]90〜10重量部との組合せからな
る多層構造重合体であり、且つ最外層が重合体層[B]
であるアクリル系軟質多層構造樹脂である。
【0014】アクリル系軟質樹脂の他の例を示す。炭素
数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステ
ル60〜99.5重量%、共重合可能ビニル基を1個有
する単官能性単量体0〜39.5重量%、及びビニル基
又はビニリデン基を少なくとも2個有する多官能性単量
体0.5〜5重量%を重合して得られるゴム層30〜8
0重量部と、メタアクリル酸メチル40〜100重量
%、炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキ
ルエステル0〜60重量%、及び共重合可能なビニル基
又はビニリデン基を有する単量体0〜20重量%を重合
して得られる硬質樹脂層20〜70重量部とから構成さ
れ、且つ最外層が硬質樹脂層であるアクリル系軟質多層
構造樹脂である。この樹脂は滑剤を添加すると、カレン
ダー成形が円滑になる。
【0015】更に、アクリル系軟質樹脂の他の例を示
す。(A)メチルメタクリレート80〜98.99重量
%、炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキ
ルエステル1〜20重量%、多官能性グラフト剤0.0
1〜1重量%及び多官能性架橋剤0〜0.5重量%から
なる単量体混合物を重合してなる最内層の硬質重合体層
5〜30重量部;(B)炭素数1〜8のアルキル基を持
つアクリル酸アルキルエステル70〜99.5重量%、
メチルメタクリレート0〜30重量%、多官能性グラフ
ト剤0.5〜5重量%及び多官能性架橋剤0〜5重量%
からなる単量体混合物を重合してなる中間層の硬質重合
体層20〜45重量部;(C)メチルメタクリレート9
0〜99重量%及び炭素数1〜8のアルキル基を持つア
クリル酸アルキルエステル10〜1重量%からなる単量
体混合物を重合してなる最外層の硬質重合体層50〜7
5重量部からなり、平均粒度が0.01〜0.3μmの
アクリル系軟質多層構造樹脂である。
【0016】本発明の合成樹脂レザーにおいては、合成
樹脂層の形成に、上記の共重合ポリエステル樹脂とアク
リル系軟質樹脂との混合樹脂を用いる。共重合ポリエス
テル樹脂とアクリル系軟質樹脂との配合割合は、共重合
ポリエステル樹脂40〜95重量%、アクリル系軟質樹
脂60〜5重量%、好ましくは共重合ポリエステル樹脂
50〜90重量%、アクリル系軟質樹脂50〜10重量
%、より好ましくは共重合ポリエステル樹脂70〜90
重量%、アクリル系軟質樹脂30〜10重量%である。
共重合ポリエステル樹脂が40重量%未満では縫い目が
広がったり、裂けやすく、一方共重合ポリエステル樹脂
が95重量%を越えると硬い感触となりレザーとしての
使用に適さない。
【0017】また、本発明の合成樹脂レザーにおいて
は、混合樹脂層にエラストマーを含有させてもよい。エ
ラストマーを含有させることによって、弾性感のあるソ
フトな風合になり、復元性に富むようになる。エラスト
マーとしては、ゴム及び熱可塑性エラストマーが用いら
れる。ゴムとしては天然ゴム、SBR、ポリブタジエ
ン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シロコーンゴム、
フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴ
ムなどが挙げられる。熱可塑性エラストマーとしてはス
チレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリ塩
化ビニル系、ポリエステル系、ポリアミド系などが挙げ
られる。これらゴム、熱可塑性エラストマーのうち、部
分架橋型ゴム、動的架橋熱可塑性エラストマーが高温で
の形態保持性が良く好ましい。特に、ニトリル系の部分
架橋型ゴムは、上記の混合樹脂と相溶性が良く好まし
い。混合樹脂層への配合割合は、共重合ポリエステル樹
脂とアクリル系軟質樹脂との混合樹脂100重量部に対
し5〜40重量部、好ましくは5〜20重量部である。
【0018】また、混合樹脂層に可塑剤を配合すると、
製品の柔軟性、手触りを改善できる。可塑剤としては、
フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸イソブチル、
フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸エステル;トリメ
リット酸トリ−2エチルヘキシルなどのトリメリット酸
エステル;ジ−2エチルヘキシルアジペート、ジ−イソ
ノニルアジペート、ジ−2エチルヘキシルセバケートな
どの脂肪族二塩基酸エステル;エポキシ化大豆油、エポ
キシステアリン酸ブチルなどのエポキシ系可塑剤、リン
酸トリクレジルなどのリン酸エステル系、アセチルクエ
ン酸トリブチルなどのクエン酸エステルなどが用いられ
る。このうち、可塑化効率が高く、且つブリード等の問
題が少ないという観点から、特に、フタル酸エステル、
トリメリット酸エステルなどの芳香族カルボン酸エステ
ルが好ましく用いられる。
【0019】混合樹脂層には、更に必要に応じて、通常
合成樹脂の配合に使用される滑剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、顔料、抗菌剤などが配合されていてもよい。滑剤
としてはステアリン酸のカルシウム、マグネシウム、亜
鉛、バリウムなどの脂肪族金属塩、ポリエチレンワック
ス、ステアリン酸、アルキレンビス脂肪酸アミドなどが
用いられる。紫外線吸収剤としては2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど
のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が用いられる。
光安定剤としてはビス−(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミ
ン系光安定剤等が用いられる。抗菌剤としては銀系無機
抗菌剤などが用いられる。
【0020】本発明の合成樹脂レザーは次のようにして
製造する。すなわち、例えば、共重合ポリエステル樹脂
とアクリル系軟質樹脂とを所定の割合で混合し、必要に
応じてエラストマー、また必要に応じて可塑剤、滑剤な
どの添加剤を配合し、良く混練し、その後カレンダー成
形或は押出し成形によって0.1〜5mmの厚さのシー
トに成形して混合樹脂シートを作成する。基材の編織物
に接着剤を塗布し、その接着剤塗布面に前記混合樹脂シ
ートを重ね多少加熱加圧して、ずれない程度に接着させ
る。次いで、必要に応じて、マーブルプリントし、つや
消し処理剤を塗布し、その後に150〜200℃に加熱
した絞ロールで加圧する。この加圧加熱によって基材と
混合樹脂シートが一体化し、レザーが得られる。また、
基材の編織物の両面に混合樹脂層を設けてもよい。また
編織物に予めポリプロピレンフォームシートなどの軟質
発泡体シートを接着剤で接着し、この軟質発泡体シート
面に、上記と同様にして混合樹脂層を形成させてレザー
としてもよい。
【0021】基材と混合樹脂シートの接着には、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、ポリ塩化ビニ
ルペースト、二液型ポリウレタン接着剤などが用いられ
る。この接着剤は、基布面に塗布しても、また混合樹脂
シート面に塗布してもよい。基材とポリプロピレンフォ
ームシート、及びポリプロピレンフォームシートと混合
樹脂シートを接着させるために、ポリプロピレンフォー
ムシートの積層面にポリウレタン系プライマー層又はエ
ポキシ系樹脂プライマー層などの接着性を良くするため
のプライマー層を設けてもよい。
【0022】また、混合樹脂シートは、カレンダー成形
してロール状に巻き取り、このロールからシートを巻き
出すとき、混合樹脂の種類や配合によっては、ブロッキ
ングを起しシート同士の剥離が難しくなることがある。
少量の脂肪酸アミド及び/又は金属石鹸、特に脂肪酸ア
ミドを配合することによって、合い紙を使用しなくて
も、上記のブロッキングを解消することができる。
【0023】本発明の合成樹脂レザーは、自動車などの
車両内装(座席、ヘッドレスト、トノカバー、サンバイ
ザー、天井など)、室内の内装材、二輪車のサドルの表
皮材、家具(椅子、ソファーなど)の表皮材、バッグな
ど袋物の素材、カッパ、前掛けなどに用いられる。また
基材の編織物の両面に混合樹脂層を設けたものはフレキ
シブルコンテナーの材料に用いられる。また、軟質発泡
シートを基材としたレザーも車両内装(インストルメン
トパネル、ドア、天井等)に用いられる。
【0024】
【実施例】次に実施例、比較例を示し、本発明を更に詳
しく説明する。 実施例1〜3、比較例1〜2 実施例1〜3として、共重合ポリエステル樹脂(三菱レ
イヨン株式会社製:DC−427)、アクリル系軟質樹
脂(株式会社クラレ製:SA−10000P)、部分架
橋型ニトリルゴム(日本ゼオン株式会社製:Nipol DN
214)、可塑剤(トリメリット酸トリオクチル)、カ
レンダー用滑剤(大協化成株式会社製:AX518
I)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)、酸化防
止剤(フェノール系、フォスファイト系)及び顔料を表
1に示す割合(数字は重量部を示す)で配合し、カレンダ
ー成形によって厚さ0.35mmのシートを成形した。
ポリエステル繊維の天竺編物にエチレン−酢酸ビニル系
エマルジョン接着剤を塗布した。この接着剤塗布面に前
記シートを重ね多少加熱加圧して、ずれない程度に接着
させた。その後に180℃に加熱した絞ロールで加圧し
た。天竺編物と混合樹脂シートが一体化し、本発明の合
成樹脂レザーが得られた。また、比較例1、2として、
共重合ポリエステル樹脂単独使用の場合と、アクリル系
軟質樹脂単独使用の場合を示した。表1の割合で配合
し、実施例1〜3とと同様にしてレザーを製造した。こ
の実施例、比較例で製造したレザーについて、表面傷付
き性、耐寒性、高周波ウェルダー性、柔軟性、縫い目の
広がり状態、復元性を調べた。その結果を併せて表1に
示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1において、表面傷付き性は、JIS
K 7204に準拠して測定した。但し、摩耗輪はCS
−10、荷重は1kgf×2000回にした。耐寒性
は、JIS K 6772に準拠して合格する最も低い温
度を示した。高周波ウェルダー性は、市販の機械を用い
て実際に溶着加工し、混合樹脂同士の接着性を剥離試験
によって評価した。○は剥離時に材料破壊、×は剥離時
に界面剥離を表す。柔軟性は、製造した各レザーを手で
触り、その感触を軟質ポリ塩化ビニルレザー(合成樹脂
層がポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤フタル酸ジエ
チルヘキシル100重量部配合したポリ塩化ビニル組成
物であるレザー)と対比して評価した。○は軟質ポリ塩
化ビニルレザーと同等の感触を有する、△は軟質ポリ塩
化ビニルレザーよりやや硬い感触を有する、×は感触が
硬く、軟質ポリ塩化ビニルレザーの代替不可、を表す。
縫い目の広がり状態は、各レザーを使用して椅子の上貼
りを縫製で行ない、その縫い目の状態を目視で観察し
た。○は縫い目が広がらない、×は縫い目が拡がり商品
性がない、を表す。復元性は、直径0.5mmの針を2
mm突き刺し(貫通する)た後、針を引き抜き、その後
の針の刺し跡の変化を目視して調べた。◎は刺し跡がす
ぐになくなる、○は刺し跡が一時間後になくなる、△は
1時間後に刺し跡は分かるが孔は残っていない、×は一
時間後に刺し跡に孔が残っている、を表す。
【0027】
【発明の効果】本発明の合成樹脂レザーは、柔軟性、復
元性、耐寒性、耐表面傷付き性がよく、また高周波ウエ
ルダーによって溶着加工できる利点があると共に、ミシ
ンなどで縫製したとき、縫い目がが広がったり、縫い目
から裂けたりすることがない。したがって、自動車の車
両内装材、袋物素材、家具の表皮材として有用である。
そして、従来の軟質ポリ塩化ビニルレザーに代替できる
合成樹脂レザーとしても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野寺 哲生 愛知県名古屋市東区徳川1丁目901番地 オカモト株式会社名古屋営業所内 Fターム(参考) 4F055 AA01 AA18 AA21 BA11 BA12 BA18 FA04 FA10 FA24 FA37 GA18 GA20 GA32 HA07 4J002 AC013 AC033 AC083 AC093 BD123 BG04X BG043 BG05X CD164 CF01W CF03W CF04W CF05W CF08W CF10W CK023 CP033 EH096 EH146 EW046 FD024 FD026 GT00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の少なくとも片面に、共重合ポリエス
    テル樹脂40〜95重量%とアクリル系軟質樹脂60〜
    5重量%との混合樹脂層を設けてなる合成樹脂レザー。
  2. 【請求項2】混合樹脂層が、さらに混合樹脂100重量
    部に対し5〜40重量部のエラストマーを含む請求項1
    記載の合成樹脂レザー。
  3. 【請求項3】混合樹脂層が可塑剤を含む請求項1又は2
    記載の合成樹脂レザー。
  4. 【請求項4】可塑剤が芳香族カルボン酸エステルである
    請求項3記載の合成樹脂レザー。
  5. 【請求項5】基材が織物、編物又は不織布である請求項
    1〜4のいずれかに記載の合成樹脂レザー。
  6. 【請求項6】基材が軟質発泡体シートである請求項1〜
    4のいずれかに記載の合成樹脂レザー。
JP2001042030A 2001-02-19 2001-02-19 合成樹脂レザー Expired - Fee Related JP4489985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001042030A JP4489985B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 合成樹脂レザー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001042030A JP4489985B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 合成樹脂レザー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002242080A true JP2002242080A (ja) 2002-08-28
JP4489985B2 JP4489985B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=18904387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001042030A Expired - Fee Related JP4489985B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 合成樹脂レザー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4489985B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101231720B1 (ko) 2011-04-29 2013-02-15 주식회사 샴코코퍼레이션 슬립방지성이 우수한 합성피혁

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108691211B (zh) * 2018-06-22 2021-02-19 宁波天盾防水材料有限公司 刀刮涂层布
CN109322167B (zh) * 2018-10-30 2021-09-14 宁波天盾防水材料有限公司 帐篷专用膜材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101231720B1 (ko) 2011-04-29 2013-02-15 주식회사 샴코코퍼레이션 슬립방지성이 우수한 합성피혁

Also Published As

Publication number Publication date
JP4489985B2 (ja) 2010-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5769382B2 (ja) 合成樹脂レザー及びその製造方法
JP4570229B2 (ja) 合成樹脂レザー
JP4727394B2 (ja) 合成皮革
US6863953B2 (en) Surface material of urethane resin and a method for preparation thereof
JP4190236B2 (ja) 合成樹脂レザー
JP7396812B2 (ja) 合成樹脂レザー
JP2007085149A (ja) ポリ塩化ビニル系床材
JP2003211612A (ja) ウレタン樹脂系表皮材
JP6898276B2 (ja) 多層フィルム、積層体、エアバッグ、及び積層体の製造方法
JP4230293B2 (ja) 合成樹脂レザー
JP4489985B2 (ja) 合成樹脂レザー
JP2001114911A (ja) 自動車内装用表皮材
JP4376005B2 (ja) 難燃性合成樹脂レザー
JP2002370330A (ja) ターポリン
JP5676209B2 (ja) 合成樹脂レザー
KR100903772B1 (ko) 우레탄 수지계 표피재 및 그의 제조방법
JP2002155477A (ja) アクリル系樹脂レザー
JP2003238796A (ja) シート状成形材料
JP4570236B2 (ja) 合成樹脂レザー
JP2004074767A (ja) 難燃シート
JP4245401B2 (ja) ターポリン用フィルム
JP2003335937A (ja) カレンダー加工用ポリウレタン組成物及びそれを用いた合成樹脂レザー
JP4413640B2 (ja) カレンダー加工用熱可塑性ポリウレタン組成物及びそれからなるフィルム・シート
JP3031616B2 (ja) 熱融着縫製可能な防水シート
JP2022013701A (ja) 合成皮革

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100401

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140409

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees