JP2002242080A - 合成樹脂レザー - Google Patents
合成樹脂レザーInfo
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Abstract
ウェルダーで溶着加工が行なえ、難燃性を有し、縫い目
が広がることない合成樹脂レザーを提供する。 【解決手段】基材の少なくとも片面に、共重合ポリエス
テル樹脂40〜95重量%とアクリル系軟質樹脂60〜
5重量%との混合樹脂層を設けてなる合成樹脂レザーで
ある。混合樹脂層は、さらに混合樹脂100重量部に対
し5〜40重量部のエラストマーを含んでいてもよい。
混合樹脂層に可塑剤を配合するのが好ましい。可塑剤と
しては芳香族カルボン酸エステルが好ましい。また、上
記の基材は、織物、編物又は不織布が用いられる。基材
は軟質発泡体シートでもよいし、織物、編物又は不織布
と軟質発泡体シートとの積層物でもよい。
Description
ル樹脂とアクリル系軟質樹脂との混合樹脂を用いた合成
樹脂レザーに関する。
皮材などに用いる合成樹脂レザーは、柔軟で強度を持つ
ことが要求されるが、従来は、織物、編物又は不織布、
或はポリオレフィンフォームなどのシート基材の表面に
軟質ポリ塩化ビニル層を形成させたものが一般的であ
る。ところが、近年リサイクル問題で、軟質ポリ塩化ビ
ニルに替えて、ランダムポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル樹脂、水素添加スチレンブタジエンラバーなど
を用いたポリオレフィン系樹脂レザーが提案されてい
る。
軟質ポリ塩化ビニルレザーに比し、表面が傷付き易いこ
と、高周波ウェルダー性がないことなどの問題点があ
り、更に難燃性に劣るためリン酸系や硼酸系の難燃剤を
配合しないと規制に耐える難燃性を持たないという問題
点がある。そこで、本出願人は先に柔軟性、復元性があ
り、耐表面傷付き性に優れ、高周波ウェルダーで溶着加
工が行なえる合成樹脂レザーとして、基材の少なくとも
片面にアクリル系軟質樹脂層を設けてなるアクリル系樹
脂レザーを提案した(特願2000−349405
号)。このアクリル系樹脂レザーは、従来の軟質ポリ塩
化ビニルレザーに代替できる合成樹脂レザーとして優れ
ているが、ミシンなどで縫製したとき、縫い目が広がっ
たり、縫い目から裂け易いという問題点を有することを
知った。
に鑑みなされたもので、上記のアクリル系樹脂レザーの
優れた性質を損なうことなく、ミシンなどで縫製したと
きに、縫い目が広がったり、縫い目から裂け易い欠点を
解消した合成樹脂レザーを提供することを目的とする。
材の少なくとも片面に、共重合ポリエステル樹脂40〜
95重量%とアクリル系軟質樹脂60〜5重量%との混
合樹脂層を設けてなる合成樹脂レザーである。この混合
樹脂層は、混合樹脂100重量部に対し5〜40重量部
のエラストマーをさらに含むのが好ましい。また、合成
樹脂層に可塑剤を配合するのが好ましい。可塑剤として
は芳香族カルボン酸エステルが好ましい。また、本発明
の基材としては、織物、編物又は不織布が用いられる。
基材は軟質発泡体シートでもよいし、織物、編物又は不
織布と軟質発泡体シートとの積層物でもよい。
の少なくとも片面に、共重合ポリエステル樹脂40〜9
5重量%とアクリル系軟質樹脂60〜5重量%との混合
樹脂層を設けてなる合成樹脂レザーであるが、この基材
としては、織物、編物又は不織布が用いられる。これら
の編織物の素材はポリアミド繊維、ポリエステル繊維、
アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、綿、レーヨン、こ
れらの混紡糸などである。編物としては、両面編物、天
竺編物などであり、織物としては、平織物、綾織物、朱
子織物などである。また基材には軟質発泡体シートを用
いることもできる。この軟質発泡体シートは、ポリプロ
ピレンフォーム、電子線架橋したポリプロピレンフォー
ム、ポリエチレンフォーム、電子線架橋したポリエチレ
ンフォーム、ポリウレタンフォームなどである。また基
材には織物、編物又は不織布と軟質発泡体シートとの積
層物を用いることもできる。この場合は、織物、編物又
は不織布−軟質発泡体シート−混合樹脂層の構成を採る
のが好ましい。
は、多価カルボン酸と多価アルコールのいずれか一方ま
たは両方に2種類以上の多価カルボン酸又は多価アルコ
ールを用いてランダム共重合させたものである。このよ
うな、共重合ポリエステル樹脂は結晶性が低く、融点が
低く、高結晶性ポリエステルと比べ、室温で柔軟で、レ
ザーにしたとき好ましい柔軟性を有する。そして、結晶
性がより低く、Tmが200℃以下のものが好ましく、
殊に示差走査熱量計(DSC)で測定したとき融点(T
m)が現れない、いわゆる非晶質ポリエステルが柔軟
性、加工性に特に優れており好適に用いられる。この共
重合ポリエステル樹脂は、後述するアクリル系軟質樹脂
のカレンダー加工温度である140〜200℃程度で軟
化し加工可能になるため、アクリル系軟質樹脂と混合し
て加工するのに適する。
る多価カルボン酸は、脂肪族系としてはアジピン酸、グ
ルタル酸、コハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸などが挙げられ、脂環族系と
しては1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘ
キサンジ酢酸などが挙げられ、芳香族としてはテレフタ
ル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジメチレンカル
ボン酸、パラフェニレンジカルボン酸などの2価のカル
ボン酸;トリメリット酸などの3価のカルボン酸;ピロ
メリット酸などの4価のカルボン酸が挙げられる。3価
以上のカルボン酸は最大量0.5%モル程度にするのが
好ましい。また、これらの酸に対応する酸無水物、エス
テル及び酸塩化物も用いることができる。
る多価アルコールは、脂肪族系としてはエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール(重合度5程度まで)、ポリテトラメチレングリコ
ール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなど挙
げられる。トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール等の3、4価アルコールなども使用できる。脂環族
系としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
が挙げられ、芳香族としては、ビスフェノールAなどが
挙げられる。3価以上のアルコールは、共重合ポリエス
テル樹脂の成形性の観点から最大量0.5%モル程度す
るのが好ましい。
うち、例えば環構造を持ち、分子回転しにくい1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸や1,4−シクロヘキサン
ジメタノールなどを用いて共重合した共重合ポリエステ
ル樹脂は、ガラス転移点が高くなり易く、合成樹脂レザ
ーを硬くする傾向が強い。また、たわみ易いメチレン鎖
を持つアジピン酸や1,6−ヘキサンジオールなどを用
いて共重合した共重合ポリエステル樹脂は、ガラス転移
点が低く柔軟性があるので、合成樹脂レザーを軟らかく
する傾向がある。そこで、共重合ポリエステル樹脂とア
クリル系軟質樹脂との配合割合、更にエラストマーの配
合量及び可塑剤の配合量を加減することによって、所望
のとする風合、手触りの合成樹脂レザーにするのがよ
い。
しては、ガラス転移点50℃以下、特にガラス転移点2
0℃以下の共重合ポリエステル樹脂が、柔軟性があり、
合成樹脂レザーに必要な柔らかさを有するので好まし
い。ガラス転移点50℃以下の共重合ポリエステルとし
ては、例えば三菱レイヨン社DC427(ガラス転移点
3〜5℃)を挙げることができる。またガラス転移点5
0℃を超えるの共重合ポリエステル樹脂も併用でき、こ
の共重合ポリエステル樹脂としては、例えば、エチレン
グリコール単位約70%と1,4−シクロヘキサンジメ
タノール単位約30%の共重合ポリエステル(イースト
マンケミカル社PETG6763:ガラス転移点81
℃)を挙げることができる。
温で軟質ポリ塩化ビニルの如く柔軟性を示す樹脂であ
る。このアクリル系軟質樹脂は、多層構造重合体、すな
わち2種以上のアクリル系重合体がコア−シェル型の多
層構造を形成している重合体が好ましい。これらのアク
リル系軟質樹脂は、常温で良好な柔軟性を示し、屈曲耐
久性を有し、耐候性に優れている。
を示す。炭素数1〜12のアルキル基を持つ少なくとも
一種のアクリル酸アルキルエステル30〜99.9重量
%、炭素数1〜8のアルキル基を持つ少なくとも一種の
メタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、共重合
可能な不飽和単量体0〜30重量%、多官能架橋性単量
体及び/又は多官能性グラフト単量体0.1〜10重量
%からなる単量体混合物を重合してなるTgが30℃以
下である少なくとも1層の重合体層[A]10〜90重
量部と、炭素数1〜12のアルキル基を持つ少なくとも
一種のアクリル酸アルキルエステル30〜99重量%、
炭素数1〜8のアルキル基を持つ少なくとも一種のメタ
クリル酸アルキルエステル1〜70重量%、共重合可能
な不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を
重合してなるTgが−20〜50℃である少なくとも1
層の重合体層[B]90〜10重量部との組合せからな
る多層構造重合体であり、且つ最外層が重合体層[B]
であるアクリル系軟質多層構造樹脂である。
数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステ
ル60〜99.5重量%、共重合可能ビニル基を1個有
する単官能性単量体0〜39.5重量%、及びビニル基
又はビニリデン基を少なくとも2個有する多官能性単量
体0.5〜5重量%を重合して得られるゴム層30〜8
0重量部と、メタアクリル酸メチル40〜100重量
%、炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキ
ルエステル0〜60重量%、及び共重合可能なビニル基
又はビニリデン基を有する単量体0〜20重量%を重合
して得られる硬質樹脂層20〜70重量部とから構成さ
れ、且つ最外層が硬質樹脂層であるアクリル系軟質多層
構造樹脂である。この樹脂は滑剤を添加すると、カレン
ダー成形が円滑になる。
す。(A)メチルメタクリレート80〜98.99重量
%、炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキ
ルエステル1〜20重量%、多官能性グラフト剤0.0
1〜1重量%及び多官能性架橋剤0〜0.5重量%から
なる単量体混合物を重合してなる最内層の硬質重合体層
5〜30重量部;(B)炭素数1〜8のアルキル基を持
つアクリル酸アルキルエステル70〜99.5重量%、
メチルメタクリレート0〜30重量%、多官能性グラフ
ト剤0.5〜5重量%及び多官能性架橋剤0〜5重量%
からなる単量体混合物を重合してなる中間層の硬質重合
体層20〜45重量部;(C)メチルメタクリレート9
0〜99重量%及び炭素数1〜8のアルキル基を持つア
クリル酸アルキルエステル10〜1重量%からなる単量
体混合物を重合してなる最外層の硬質重合体層50〜7
5重量部からなり、平均粒度が0.01〜0.3μmの
アクリル系軟質多層構造樹脂である。
樹脂層の形成に、上記の共重合ポリエステル樹脂とアク
リル系軟質樹脂との混合樹脂を用いる。共重合ポリエス
テル樹脂とアクリル系軟質樹脂との配合割合は、共重合
ポリエステル樹脂40〜95重量%、アクリル系軟質樹
脂60〜5重量%、好ましくは共重合ポリエステル樹脂
50〜90重量%、アクリル系軟質樹脂50〜10重量
%、より好ましくは共重合ポリエステル樹脂70〜90
重量%、アクリル系軟質樹脂30〜10重量%である。
共重合ポリエステル樹脂が40重量%未満では縫い目が
広がったり、裂けやすく、一方共重合ポリエステル樹脂
が95重量%を越えると硬い感触となりレザーとしての
使用に適さない。
は、混合樹脂層にエラストマーを含有させてもよい。エ
ラストマーを含有させることによって、弾性感のあるソ
フトな風合になり、復元性に富むようになる。エラスト
マーとしては、ゴム及び熱可塑性エラストマーが用いら
れる。ゴムとしては天然ゴム、SBR、ポリブタジエ
ン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シロコーンゴム、
フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴ
ムなどが挙げられる。熱可塑性エラストマーとしてはス
チレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリ塩
化ビニル系、ポリエステル系、ポリアミド系などが挙げ
られる。これらゴム、熱可塑性エラストマーのうち、部
分架橋型ゴム、動的架橋熱可塑性エラストマーが高温で
の形態保持性が良く好ましい。特に、ニトリル系の部分
架橋型ゴムは、上記の混合樹脂と相溶性が良く好まし
い。混合樹脂層への配合割合は、共重合ポリエステル樹
脂とアクリル系軟質樹脂との混合樹脂100重量部に対
し5〜40重量部、好ましくは5〜20重量部である。
製品の柔軟性、手触りを改善できる。可塑剤としては、
フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸イソブチル、
フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸エステル;トリメ
リット酸トリ−2エチルヘキシルなどのトリメリット酸
エステル;ジ−2エチルヘキシルアジペート、ジ−イソ
ノニルアジペート、ジ−2エチルヘキシルセバケートな
どの脂肪族二塩基酸エステル;エポキシ化大豆油、エポ
キシステアリン酸ブチルなどのエポキシ系可塑剤、リン
酸トリクレジルなどのリン酸エステル系、アセチルクエ
ン酸トリブチルなどのクエン酸エステルなどが用いられ
る。このうち、可塑化効率が高く、且つブリード等の問
題が少ないという観点から、特に、フタル酸エステル、
トリメリット酸エステルなどの芳香族カルボン酸エステ
ルが好ましく用いられる。
合成樹脂の配合に使用される滑剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、顔料、抗菌剤などが配合されていてもよい。滑剤
としてはステアリン酸のカルシウム、マグネシウム、亜
鉛、バリウムなどの脂肪族金属塩、ポリエチレンワック
ス、ステアリン酸、アルキレンビス脂肪酸アミドなどが
用いられる。紫外線吸収剤としては2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど
のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が用いられる。
光安定剤としてはビス−(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミ
ン系光安定剤等が用いられる。抗菌剤としては銀系無機
抗菌剤などが用いられる。
製造する。すなわち、例えば、共重合ポリエステル樹脂
とアクリル系軟質樹脂とを所定の割合で混合し、必要に
応じてエラストマー、また必要に応じて可塑剤、滑剤な
どの添加剤を配合し、良く混練し、その後カレンダー成
形或は押出し成形によって0.1〜5mmの厚さのシー
トに成形して混合樹脂シートを作成する。基材の編織物
に接着剤を塗布し、その接着剤塗布面に前記混合樹脂シ
ートを重ね多少加熱加圧して、ずれない程度に接着させ
る。次いで、必要に応じて、マーブルプリントし、つや
消し処理剤を塗布し、その後に150〜200℃に加熱
した絞ロールで加圧する。この加圧加熱によって基材と
混合樹脂シートが一体化し、レザーが得られる。また、
基材の編織物の両面に混合樹脂層を設けてもよい。また
編織物に予めポリプロピレンフォームシートなどの軟質
発泡体シートを接着剤で接着し、この軟質発泡体シート
面に、上記と同様にして混合樹脂層を形成させてレザー
としてもよい。
ン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、ポリ塩化ビニ
ルペースト、二液型ポリウレタン接着剤などが用いられ
る。この接着剤は、基布面に塗布しても、また混合樹脂
シート面に塗布してもよい。基材とポリプロピレンフォ
ームシート、及びポリプロピレンフォームシートと混合
樹脂シートを接着させるために、ポリプロピレンフォー
ムシートの積層面にポリウレタン系プライマー層又はエ
ポキシ系樹脂プライマー層などの接着性を良くするため
のプライマー層を設けてもよい。
してロール状に巻き取り、このロールからシートを巻き
出すとき、混合樹脂の種類や配合によっては、ブロッキ
ングを起しシート同士の剥離が難しくなることがある。
少量の脂肪酸アミド及び/又は金属石鹸、特に脂肪酸ア
ミドを配合することによって、合い紙を使用しなくて
も、上記のブロッキングを解消することができる。
車両内装(座席、ヘッドレスト、トノカバー、サンバイ
ザー、天井など)、室内の内装材、二輪車のサドルの表
皮材、家具(椅子、ソファーなど)の表皮材、バッグな
ど袋物の素材、カッパ、前掛けなどに用いられる。また
基材の編織物の両面に混合樹脂層を設けたものはフレキ
シブルコンテナーの材料に用いられる。また、軟質発泡
シートを基材としたレザーも車両内装(インストルメン
トパネル、ドア、天井等)に用いられる。
しく説明する。 実施例1〜3、比較例1〜2 実施例1〜3として、共重合ポリエステル樹脂(三菱レ
イヨン株式会社製:DC−427)、アクリル系軟質樹
脂(株式会社クラレ製:SA−10000P)、部分架
橋型ニトリルゴム(日本ゼオン株式会社製:Nipol DN
214)、可塑剤(トリメリット酸トリオクチル)、カ
レンダー用滑剤(大協化成株式会社製:AX518
I)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)、酸化防
止剤(フェノール系、フォスファイト系)及び顔料を表
1に示す割合(数字は重量部を示す)で配合し、カレンダ
ー成形によって厚さ0.35mmのシートを成形した。
ポリエステル繊維の天竺編物にエチレン−酢酸ビニル系
エマルジョン接着剤を塗布した。この接着剤塗布面に前
記シートを重ね多少加熱加圧して、ずれない程度に接着
させた。その後に180℃に加熱した絞ロールで加圧し
た。天竺編物と混合樹脂シートが一体化し、本発明の合
成樹脂レザーが得られた。また、比較例1、2として、
共重合ポリエステル樹脂単独使用の場合と、アクリル系
軟質樹脂単独使用の場合を示した。表1の割合で配合
し、実施例1〜3とと同様にしてレザーを製造した。こ
の実施例、比較例で製造したレザーについて、表面傷付
き性、耐寒性、高周波ウェルダー性、柔軟性、縫い目の
広がり状態、復元性を調べた。その結果を併せて表1に
示す。
K 7204に準拠して測定した。但し、摩耗輪はCS
−10、荷重は1kgf×2000回にした。耐寒性
は、JIS K 6772に準拠して合格する最も低い温
度を示した。高周波ウェルダー性は、市販の機械を用い
て実際に溶着加工し、混合樹脂同士の接着性を剥離試験
によって評価した。○は剥離時に材料破壊、×は剥離時
に界面剥離を表す。柔軟性は、製造した各レザーを手で
触り、その感触を軟質ポリ塩化ビニルレザー(合成樹脂
層がポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤フタル酸ジエ
チルヘキシル100重量部配合したポリ塩化ビニル組成
物であるレザー)と対比して評価した。○は軟質ポリ塩
化ビニルレザーと同等の感触を有する、△は軟質ポリ塩
化ビニルレザーよりやや硬い感触を有する、×は感触が
硬く、軟質ポリ塩化ビニルレザーの代替不可、を表す。
縫い目の広がり状態は、各レザーを使用して椅子の上貼
りを縫製で行ない、その縫い目の状態を目視で観察し
た。○は縫い目が広がらない、×は縫い目が拡がり商品
性がない、を表す。復元性は、直径0.5mmの針を2
mm突き刺し(貫通する)た後、針を引き抜き、その後
の針の刺し跡の変化を目視して調べた。◎は刺し跡がす
ぐになくなる、○は刺し跡が一時間後になくなる、△は
1時間後に刺し跡は分かるが孔は残っていない、×は一
時間後に刺し跡に孔が残っている、を表す。
元性、耐寒性、耐表面傷付き性がよく、また高周波ウエ
ルダーによって溶着加工できる利点があると共に、ミシ
ンなどで縫製したとき、縫い目がが広がったり、縫い目
から裂けたりすることがない。したがって、自動車の車
両内装材、袋物素材、家具の表皮材として有用である。
そして、従来の軟質ポリ塩化ビニルレザーに代替できる
合成樹脂レザーとしても有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】基材の少なくとも片面に、共重合ポリエス
テル樹脂40〜95重量%とアクリル系軟質樹脂60〜
5重量%との混合樹脂層を設けてなる合成樹脂レザー。 - 【請求項2】混合樹脂層が、さらに混合樹脂100重量
部に対し5〜40重量部のエラストマーを含む請求項1
記載の合成樹脂レザー。 - 【請求項3】混合樹脂層が可塑剤を含む請求項1又は2
記載の合成樹脂レザー。 - 【請求項4】可塑剤が芳香族カルボン酸エステルである
請求項3記載の合成樹脂レザー。 - 【請求項5】基材が織物、編物又は不織布である請求項
1〜4のいずれかに記載の合成樹脂レザー。 - 【請求項6】基材が軟質発泡体シートである請求項1〜
4のいずれかに記載の合成樹脂レザー。
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- 2001-02-19 JP JP2001042030A patent/JP4489985B2/ja not_active Expired - Fee Related
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