JP2002241498A - ポリイミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂の製造方法

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JP2002241498A JP2001039769A JP2001039769A JP2002241498A JP 2002241498 A JP2002241498 A JP 2002241498A JP 2001039769 A JP2001039769 A JP 2001039769A JP 2001039769 A JP2001039769 A JP 2001039769A JP 2002241498 A JP2002241498 A JP 2002241498A
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Wataru Okada
亘 岡田
Hideyuki Miyazaki
秀行 宮崎
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気・電子材料用として極めて利用価値が高
く、耐熱性や成型加工性に優れ、かつ品質の安定したポ
リイミド樹脂を、工業的に有利に製造することが可能な
ポリイミド樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 テトラカルボン酸二無水物とジアミンを
有機極性溶媒中で開環重付加反応させて得られるポリア
ミド酸溶液を、遠心薄膜蒸発機に連続的に供給し、薄膜
形成した状態で熱的にイミド閉環反応と副生する縮合水
の除去を行うことを特徴とするポリイミド樹脂の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テトラカルボン酸
二無水物とジアミンを有機極性溶媒中で開環重付加反応
させて得られるポリアミド酸溶液を、熱的にイミド閉環
反応と高分子量化を短時間で効率的に行うことが可能な
ポリイミド樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、耐熱性が高く難燃性
で電気絶縁性に優れていることから電気、電子材料の分
野において幅広く使用されている。具体的にはフィルム
としてフレキシブル印刷配線板や耐熱性接着テープの基
材に、樹脂ワニスとして半導体の絶縁皮膜、保護皮膜な
どに使用されている。しかし、ポリイミド樹脂は吸湿性
が高く、耐熱性に優れている反面不溶不融であったり極
めて融点が高く、成形加工性の点で決して使いやすい材
料とはいえなかった。そこで近年になり、これら欠点を
克服した吸湿性が低く、耐熱性や成形加工性に優れた有
機溶剤に可溶なポリイミド樹脂が様々に提案されてい
る。
【0003】従来、有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂の
製造方法としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンを有機極性溶媒中で公知の方法で反応して得られるポ
リアミド酸溶液を、常圧下において加熱し、疎水性溶媒
との共沸で副生する縮合水を留去しながらイミド閉環反
応と高分子量化を進行させる溶液熱閉環法(例えば特開
平5−33128号公報、特開平6−80777号公
報)が一般に知られている。しかし、従来の溶液熱閉環
法においては、加熱初期段階で酸アミド結合の脱水閉環
により副生する縮合水を系外に除去することができず、
加水分解によりポリマの重合活性が阻害されるといった
危険性や、また、充分に高分子量化が行えないために材
料としての機械的特性が低下し、品質不良を起こすとい
った問題があった。更には、工程に要する時間も長く工
業的にも非常に不利であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のこれ
ら問題点を解決するためになされたもので、その目的と
するところは、耐熱性や成形加工性に優れ、かつ品質が
安定した、電気・電子材料の分野に好適な、ポリイミド
樹脂を短時間で効率的に製造する方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、テトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを有機極性溶媒中で開環重
付加反応させて得られるポリアミド酸溶液を、遠心薄膜
蒸発機に連続的に供給し、薄膜形成した状態で熱的にイ
ミド閉環反応と副生する縮合水の除去を行うことを特徴
とするポリイミド樹脂の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を適用するポリイミド樹脂
としては、有機極性溶媒中でテトラカルボン酸二無水物
とジアミンを熱的にイミド閉環化反応させて得られる有
機溶剤に可溶なポリイミド樹脂が好ましく、ここで用い
るテトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−オキ
シジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、無水ピロメリット酸等が挙げられ、1種又は2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0007】また、ここで用いるジアミン成分として
は、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
2,2’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジア
ミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、
2,2’−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサフルオ
ロプロパン等の芳香族ジアミン類、α,ω−ビス(3−
アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン等のポリジメ
チルシロキサン構造を有するジアミン化合物を挙げるこ
とができる。これらのジアミン類も1種又は2種以上を
組み合わせ使用することができる。
【0008】また、得られるポリイミド樹脂の分子量を
制御するために、エンドキャップ剤として少量の酸無水
物や芳香族アミンを添加して反応を行うことも可能であ
る。エンドキャップ剤である酸無水物としては、無水フ
タル酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸等が、芳香族
アミンとしては、p−メチルアニリン、p−メトキシア
ニリン、p−フェノキシアニリン等が挙げられる。これ
らエンドキャップ剤である酸無水物、又は芳香族アミン
の添加量は5モル%以下であることが好ましい。5モル
%を越えると、得られるポリイミド樹脂の分子量が著し
く低下し、耐熱性や機械的特性に問題を生じる。
【0009】重縮合反応における酸成分とアミン成分の
当量比は、得られるポリアミド酸の分子量を決定する重
要な因子である。一般に、ポリマの分子量と機械的性質
の間に相関があることは良く知られており、分子量が大
きいほど機械的性質が優れている。従って、実用的に優
れた強度のポリイミド樹脂を得るためには、ある程度高
分子量であることが必要である。本発明では、使用する
酸成分とアミン成分の当量比を特に制限はしないが、ア
ミン成分に対する酸性分の当量比が0.90〜1.06
の範囲にあることが好ましい。0.90未満では、分子
量が低くて脆くなるため機械的強度が弱くなる。また、
1.06を越えると、未反応のカルボン酸が加熱時に脱
炭酸してガス発生、発泡の原因となり好ましくないこと
がある。
【0010】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、有機極性溶媒中で公知の方法で行われる。有機
極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、シク
ロヘキサノン、1,4−ジオキサン等の非プロトン性極性
溶媒類が挙げられ、1種類又は2種類以上を組み合わせ
て用いてもよい。この時、上記非プロトン性極性溶媒と
相溶性がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。ト
ルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、ソル
ベントナフサ等の芳香族炭化水素類が良く使用される。
混合溶媒における非極性溶媒の割合については、溶媒の
溶解度が低下し、反応して得られるポリアミド酸樹脂が
析出しない範囲であれば、攪拌装置能力や溶液粘度等の
樹脂性状に応じて任意に設定することができる。
【0011】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製した前述
反応溶媒に溶解し、これに閉環率98%、より好ましく
は99%以上の良く乾燥したテトラカルボン酸二無水物
を添加して、40℃以下、より好ましくは30℃以下の
温度で2〜10時間反応を進める。またこの時、溶媒中
におけるテトラカルボン酸二無水物とジアミン両成分の
濃度は適宜選択することができるが、10〜30重量%
程度にすることが適当である。濃度が10重量%に満た
ない場合は製品歩留まりが低下し経済的ではなく、ま
た、30重量%を越えると溶液粘度が高くなり攪拌装置
への負荷が大きくなるばかりか、均一反応が行えない場
合がある。
【0012】このようにして得たポリアミド酸溶液を、
遠心薄膜蒸発機に連続的に供給し、薄膜形成した状態
で、副生する縮合水を効率的に除去しながらイミド閉環
反応と高分子量化を行う。この時、遠心薄膜蒸発機に供
給するポリアミド酸溶液には、縮合水を共沸で留去する
ための疎水性溶媒をあらかじめ添加しておくことが好ま
しい。共沸で水を留去するための疎水性溶媒としては、
ジクロルベンゼンが一般に良く知られているが、エレク
トロニクス用としては塩素成分が混入する恐れがあり、
好ましくはトルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシ
チレン、ソルベントナフサ等の前記芳香族炭化水素類を
使用する。その添加量についてはポリアミド酸及びポリ
アミド酸を脱水閉環して得られるポリイミド樹脂が析出
しない範囲であれば任意に設定することができる。疎水
性溶媒を添加しない場合は、脱水閉環反応により副生し
た縮合水を反応溶液から十分に留去することができず、
酸アミド結合が加水分解を引き起こす恐れがあり、イミ
ド閉環反応を阻害するばかりか、重合活性をも低下さ
せ、得られるポリイミド樹脂の機械的物性にも悪影響を
与える場合がある。
【0013】本発明において用いる遠心薄膜蒸発機の形
式は縦型、横型のどちらでも良い。ポリアミド酸溶液の
供給速度は、遠心薄膜蒸発機の有効伝熱面積1m2当り
300kg/時間以下とすることが好ましく、これより
も大きくなる場合は発生する縮合水を留去できないばか
りか、イミド化反応自体を十分に行えない恐れがある。
また遠心薄膜蒸発機の伝熱面の温度は、80℃〜250
℃の範囲に設定することが好ましい。温度が80℃に満
たない場合は実用的な反応速度が得られ難く、250℃
を越える温度では樹脂の着色、副反応等が生じ、いずれ
の場合も好ましくない。
【0014】更に本発明においては、上述したポリアミ
ド酸溶液を薄膜としてのイミド閉環反応と発生する縮合
水の除去を、窒素等の不活性ガス通気下及び/又は減圧
条件下で行うことが好ましく、これにより縮合水の除去
効率を向上させることができる。不活性ガスの通気量は
微量でよく、薄膜蒸発機内の空塔速度が0.05cm/
秒以上であれば良い。また薄膜蒸発機内の圧力は35k
Pa〜95kPaの減圧状態に制御することがより好ま
しい。圧力が35kPaに満たない場合は、溶媒の沸点
が著しく低下し内温が上がらないので、実用的な反応速
度を得ることができず、95kPaを越える場合は常圧
(大気圧)下での処理と比べ顕著な優位性を見出すこと
はできない。
【0015】更に一実施例である図1の設備及びフロー
概略図を用いて、本発明の製造方法を詳細に説明する。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応器(1)で
反応し、ポリアミド酸溶液を得る。次いで定量ポンプ
(2)により遠心薄膜蒸発機(3)の攪拌翼(4)とミ
ストセパレーター(5)の間にポリアミド酸溶液を供給
する。この時、遠心薄膜蒸発機(3)のジャケット
(6)は、あらかじめ熱媒を熱媒体入口(7)及び熱媒
体出口(8)を通じて循環させておき、所定温度に調整
しておく。図1の態様ではジャケット(6)に熱媒を供
給することによって加熱が行われるが、電熱ヒーター等
を使用することもできる。遠心薄膜蒸発機(3)に供給
されたポリアミド酸溶液は、攪拌翼(4)により薄膜形
成させることで、イミド閉環反応と縮合水の蒸発除去が
促進され、遠心薄膜蒸発機(3)下部の回収タンク
(9)よりポリイミド樹脂溶液として取り出される。薄
膜より発生した溶媒及び縮合水のベーパーは、ベーパー
配管(11)を通じて熱交換器(12)にて凝縮後、ド
レンタンク(14)に除去される。不活性ガス通気下で
処理を行う場合は、不活性ガス入口(10)より不活性
ガスを供給し、減圧下で処理を行う場合は真空ポンプ
(13)にて遠心薄膜蒸発機(3)内を減圧状態にす
る。本発明では遠心薄膜蒸発機(3)がミストセパレー
ター(5)を有していることは必要不可欠である。ミス
トセパレーター(5)がないと、発生したベーパーがキ
ャリアガスとして働き、本来の除去物以外の樹脂溶液の
ミストまでも同伴し歩留まりを低下させるばかりか、ベ
ーパー配管(11)や熱交換器(12)の内壁に付着
し、これらを閉塞させる危険性がある。
【0016】本発明で得られたポリイミド樹脂溶液は溶
媒等で希釈し、塗布用ワニスとしてそのまま使用するこ
とができる。また、この溶液を貧溶媒中に投入してポリ
イミド樹脂を再沈殿析出させて未反応モノマーを除去
し、乾燥固化させたもの再び有機溶剤に溶解し精製品と
して用いることもできる。特に不純物や異物が問題にな
る用途では、再び有機溶剤に溶解して濾過精製ワニスと
することが好ましい。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。なお、各例中においてAPBは1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを、BAPPは
2,2’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパンを、25DPXは2,5−ジメチル−p−
フェニレンジアミンを、APPSはα,ω−ビス(3−
アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンを、ODPA
は4,4’−オキシジフタル酸二無水物を、BPDAは
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物を、BTDAは3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物を、PMDAは無水ピロメ
リット酸をそれぞれ略記したものである。また各例中の
物性の測定方法は以下の通りである。
【0018】(重量平均分子量)東ソー(株)製カラム
(G6000HXL:1本、GMHXL:2本、HXL
−H:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶媒:
0.1mol/Lの臭化リチウムを含有するN,N−ジメ
チルホルムアミド溶液、カラム温度40℃の分析条件で
UV検出器を用いて、ポリエチレンオキサイドを標準物
質とするゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下
GPCと略記)により測定した。
【0019】(実施例1)乾燥窒素ガス導入管、熱交換
器、加熱・冷却装置及び攪拌装置を装備した100Lの
反応器に脱水精製したN−メチル−2−ピロリドン39.
00kgを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しく
かき混ぜる。次にAPB5.346kgとAPPS3.
846kg(平均分子量840.36)を投入し、系を
60℃に加熱し均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解
後、系を20℃まで冷却し、ODPA6.385kgと
BPDA0.673kgを15分間かけて添加した。反
応器の温度を20℃に保ったまま3時間撹拌した後、疎
水性溶媒としてキシレン9.75kgを系中に添加混合
しポリアミド酸溶液を得た。
【0020】その後、遠心薄膜蒸発機(有効伝熱面積
0.3m2)のジャケットに熱媒を循環させ180℃に
加熱し、0.5cm/秒の空塔速度で窒素ガスを遠心薄
膜蒸発機内に通気した。次いで、前記で調整されたポリ
アミド酸溶液を50kg/時間の流量で定量ポンプを用
いて供給して、発生する縮合水を留去しながらイミド化
反応を行い、ポリイミド樹脂溶液58kgを得た。遠心
薄膜蒸発機での工程に要した時間は80分間であった。
GPC測定によるポリイミド樹脂の重量平均分子量は6
7600であった。
【0021】(実施例2)ジアミン成分をBAPP6.
629kg、APPS3.397kg(平均分子量84
0.36)、酸無水物成分をBPDA2.971g、B
TDA3.254kgに変更すること以外は実施例1と
同様にしてポリアミド酸溶液を得た。その後、遠心薄膜
蒸発機(有効伝熱面積0.3m2)のジャケットに熱媒
を循環させ180℃に加熱し、真空ポンプにて内圧を6
0kPaの減圧常態にして、ポリアミド酸溶液を60k
g/時間の流量で供給し、ポリイミド樹脂溶液56kg
を得た。遠心薄膜蒸発機での工程に要した時間は68分
間であった。またGPC測定によるポリイミド樹脂の重
量平均分子量は83400であった。
【0022】(実施例3)ジアミン成分をAPB6.0
06kg、APPS2.161kg(平均分子量84
0.36)、25DPX0.350kg、酸無水物成分
をPMDA0.560g、ODPA7.173g、疎水
性溶媒をメシチレン9.75kgに変更すること以外は
実施例1と同様にしてポリイミド樹脂溶液を得た。その
後、遠心薄膜蒸発機(有効伝熱面積0.3m2)のジャ
ケットに熱媒を循環させ190℃に加熱し、0.5cm
/秒の空塔速度で窒素ガスを遠心薄膜蒸発機内に通気
し、かつ真空ポンプにて内圧を70kPaの減圧常態に
して、ポリアミド酸溶液を55kg/時間の流量で供給
し、ポリイミド樹脂溶液56kgを得た。遠心薄膜蒸発
機での工程に要した時間は75分間であった。またGP
C測定によるポリイミド樹脂の重量平均分子量は886
00であった。
【0023】(実施例4)ジアミン成分をAPB4.5
91kg、APPS3.775kg(平均分子量84
0.36)、BAPP0.921g、酸無水物成分をO
DPA6.963gに変更すること以外は実施例3と同
様にしてポリイミド樹脂溶液を得た。その後、遠心薄膜
蒸発機内の圧力を85kPa、ポリアミド酸溶液の供給
流量を50kg/時間にすること以外は実施例3と同様
にして、ポリイミド樹脂溶液53kgを得た。遠心薄膜
蒸発機での工程に要した時間は82分間であった。また
GPC測定によるポリイミド樹脂の重量平均分子量は7
0400であった。
【0024】(比較例1)実施例1と同様にしてポリイ
ミド樹脂溶液を得た。その後、反応器を180℃まで加
熱し、発生する縮合水を系外に留去しながらイミド化反
応を行い、ポリイミド樹脂溶液59kgを得た。系から
水の発生が認められなくなるまでに要した時間は360
分間であった。またGPC測定によるポリイミド樹脂の
重量平均分子量は57800であった。
【0025】(比較例2)実施例2と同様にしてポリイ
ミド樹脂溶液を得た。その後、反応器を180℃まで加
熱し、発生する縮合水を系外に留去しながらイミド化反
応を行い、ポリイミド樹脂溶液58kgを得た。系から
水の発生が認められなくなるまでに要した時間は385
分間であった。またGPC測定によるポリイミド樹脂の
重量平均分子量は77600であった。
【0026】(比較例3)実施例3と同様にしてポリイ
ミド樹脂溶液を得た。その後、反応器を190℃まで加
熱し、発生する縮合水を系外に留去しながらイミド化反
応を行い、ポリイミド樹脂溶液59kgを得た。系から
水の発生が認められなくなるまでに要した時間は340
分間であった。またGPC測定によるポリイミド樹脂の
重量平均分子量は75400であった。
【0027】(比較例4)実施例4と同様にしてポリイ
ミド樹脂溶液を得た。その後、反応器を190℃まで加
熱し、発生する縮合水を系外に除去せずにイミド化反応
を12時間行い、ポリイミド樹脂溶液64kgを得た。
GPC測定によるポリイミド樹脂の重量平均分子量は1
7400であった。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、テトラカルボン
酸二無水物とジアミンを有機極性溶媒中で開環重付加反
応させて得られるポリアミド酸溶液を、遠心薄膜蒸発機
に連続的に供給し、薄膜形成した状態で副生する縮合水
の除去と脱水閉環反応を行うという簡便な操作と設備
で、短時間で効率的にポリイミド樹脂を得ることができ
るうえに、従来の欠陥である樹脂の加水分解や重合活性
の低下といった品質変動要因が除かれるので、工業的な
ポリイミド樹脂の製造方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の設備及びフローを示す概
略図。
【符号の説明】
1 反応器 2 定量ポンプ 3 遠心薄膜蒸発機 4 攪拌翼 5 ミストセパレーター 6 ジャケット 7 熱媒体入口 8 熱媒体出口 9 回収タンク 10 不活性ガス入口 11 ベーパー配管 12 熱交換器 13 真空ポンプ 14 ドレンタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J043 PA01 QB31 RA34 RA35 SA06 SB01 TA22 TB01 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UA672 UB122 UB131 UB152 UB301 UB302 UB351 UB402 VA021 VA022 VA031 VA041 VA051 VA062 WA07 XA02 XA03 XA14 XA19 XB40 YA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラカルボン酸二無水物とジアミンを
    有機極性溶媒中で開環重付加反応させて得られるポリア
    ミド酸溶液を、遠心薄膜蒸発機に連続的に供給し、薄膜
    形成した状態で熱的にイミド閉環反応と副生する縮合水
    の除去を行うことを特徴とするポリイミド樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 遠心薄膜蒸発機での処理が80〜250
    ℃の温度範囲で行われることを特徴とするポリイミド樹
    脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 遠心薄膜蒸発機での処理が不活性ガス通
    気下で行われることを特徴とする請求項1又は2記載の
    ポリイミド樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 遠心薄膜蒸発機での処理が35kPa〜
    95kPaの減圧条件下で行われることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のポリイミド樹脂の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 遠心薄膜蒸発機で処理を行うにあたっ
    て、イミド閉環反応時に副生する縮合水を、疎水性溶媒
    との共沸で留去することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 疎水性溶媒が芳香族炭化水素類である請
    求項5記載のポリイミド樹脂の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007516311A (ja) * 2003-09-26 2007-06-21 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ ポリイミドスルホン、その製造方法及び物品
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