JP2002239921A - 研磨フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
研磨フィルムおよびその製造方法Info
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Abstract
般鏡面研磨用の研磨フィルムにおいて、良好な被研磨面
を形成することができる研磨フィルムおよびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 基材フィルム2と、その基材フィルム2
上に形成されてなる研磨層4とを有する研磨フィルム1
において、研磨層4は、固定砥粒として被研磨面を研磨
する第1研磨材粒子5と、少なくとも遊離砥粒として被
研磨面を研磨する第2研磨材粒子6とがバインダー7中
に含有されてなる。このとき、第1研磨材粒子5が平均
粒径0.5〜5μmの範囲内の所定の平均粒径からなる
無機固体研磨材粒子であり、第2研磨材粒子6が平均粒
径1〜500nmの範囲内の所定の平均粒径からなるシ
リカ粒子であることが好ましい。
Description
品等の精密加工用および一般鏡面研磨用の研磨フィル
ム、およびその製造方法に関し、特に、光ファイバコネ
クタの端面研磨に好適に使用される研磨フィルムおよび
その製造方法に関する。
磨フィルムや一般鏡面研磨用の研磨フィルムに関して
は、基材フィルムと、その基材フィルム上に、所定粒径
の研磨材粒子がバインダー樹脂中に含有されてなる研磨
層とを有する研磨フィルムが広く知られ、使用されてい
る。
所定の種類の研磨材粒子の粒径を揃えることによって良
好な被研磨面を形成することができるとされている。こ
うしたことは、異なる粒径からなる研磨材粒子や異なる
種類の研磨材粒子を含有させて行った多くの検討結果に
基づくものであり、そうした検討結果の多くは、研磨時
にキズ等をさらに発生させてしまう等の悪影響が発生す
るという結果となっていた。
光学部品等の精密加工用および一般鏡面研磨用の研磨フ
ィルムについて、研磨材粒子の種類と大きさについて研
究した結果見いだされた新たな知見に基づくものであっ
て、良好な被研磨面を形成することができる研磨フィル
ムおよびその製造方法を提供するものである。
は、基材フィルムと、当該基材フィルム上に形成されて
なる研磨層とを有する研磨フィルムにおいて、前記研磨
層は、固定砥粒として被研磨面を研磨する第1研磨材粒
子と、少なくとも遊離砥粒として被研磨面を研磨する第
2研磨材粒子とが、バインダー中に含有されてなること
に特徴を有する。
して被研磨面を研磨する第1研磨材粒子と少なくとも遊
離砥粒として被研磨面を研磨する第2研磨材粒子とがバ
インダー中に含有されてなる研磨層を有するので、第1
研磨材粒子に基づいた固定砥粒作用による研磨と、第2
研磨材粒子に基づいた遊離砥粒作用による研磨とによっ
て被研磨面が研磨される。そうして研磨される被研磨面
は、第1研磨材粒子に基づいた固定砥流研磨によって生
じた研磨痕が、第2研磨材粒子に基づいた遊離研磨によ
って同時研磨されるので、その研磨痕を小さく浅くする
ことができる。こうした特徴を有する本発明の研磨フィ
ルムによれば、固定砥粒作用による研磨と遊離砥粒作用
による研磨とを同時に行うことができるので、工程の簡
略化を可能にすると共に良好な被研磨面とすることがで
きる。本発明の研磨フィルムは、仕上げ用の研磨フィル
ムとして好ましく適用できると共に、粗い研磨材粒子に
基づいて形成された大きな研磨痕を同時研磨することが
できるので、中間工程に使用される研磨フィルムとして
も好ましく適用できる。
の研磨フィルムにおいて、前記第1研磨材粒子が平均粒
径0.5〜5μmの範囲内の所定の平均粒径からなる無
機固体研磨材粒子であり、前記第2研磨材粒子が平均粒
径1〜500nmの範囲内の所定の平均粒径からなるシ
リカ粒子であることに特徴を有する。
粒径0.5〜5μmの範囲内の所定の平均粒径からなる
無機固体研磨材粒子であり、第2研磨材粒子が平均粒径
1〜500nmの範囲内の所定の平均粒径からなるシリ
カ粒子であるので、こうした異なる種類および異なる粒
径からなる研磨材粒子を一緒にした場合であっても、良
好な被研磨面とすることができると共に、固定砥粒作用
による研磨と遊離砥粒作用による研磨とを同時に行うこ
とができるので工程の簡略化を可能にすることができ
る。
請求項2に記載の研磨フィルムにおいて、前記基材フィ
ルムと前記研磨層との間には、プライマー層を有するこ
とに特徴を有する。
求項3の何れかに記載の研磨フィルムにおいて、光ファ
イバコネクタの端面研磨に使用されることに特徴を有す
る。
要求される光ファイバコネクタの端面研磨に好ましく用
いることができる。本発明にあっては、硬さや脆さの異
なる光ファイバとフェルールとからなる光ファイバコネ
クタ端面を同時に研磨することになるので、本発明にお
ける固定砥粒作用による研磨と遊離砥粒作用による研磨
との同時研磨は、工程の簡略化のみならず研磨面の状態
を格段に向上させることができる。
と、当該基材フィルム上に形成されてなる研磨層を有す
る研磨フィルムの製造方法において、固定砥粒として被
研磨面を研磨する第1研磨材粒子と、少なくとも遊離砥
粒として被研磨面を研磨する第2研磨材粒子とをバイン
ダー樹脂液中に分散させて塗工液を調整し、当該塗工液
を前記基材フィルム上に塗布形成することにより、前記
研磨層が形成されることに特徴を有する。
面を研磨する第1研磨材粒子と、少なくとも遊離砥粒と
して被研磨面を研磨する第2研磨材粒子とをバインダー
樹脂液中に分散させて塗工液を調整し、その塗工液を基
材フィルム上に塗布形成することによって研磨層を形成
するので、固定砥粒作用による研磨と遊離砥粒作用によ
る研磨とを同時に行うことができると共に良好な被研磨
面を実現できる研磨層を備えた研磨フィルムを容易に製
造することができる。こうして製造された研磨フィルム
によって研磨される被研磨面は、固定砥粒作用による一
種類の研磨材粒子のみからなる研磨層を有した研磨フィ
ルムで研磨した場合に比べて、形成された研磨痕を小さ
く浅くすることができる。
の研磨フィルムの製造方法において、前記第1研磨材粒
子が平均粒径0.5〜5μmの範囲内の所定の平均粒径
からなる無機固体研磨材粒子であり、前記第2研磨材粒
子が平均粒径1〜500nmの範囲内の所定の平均粒径
からなるシリカ粒子であることに特徴を有する。
製造方法について図面を参照しつつ説明する。
うに、基材フィルム2と、その基材フィルム2上に形成
されてなる研磨層4とを有する研磨フィルムであり、必
要に応じてプライマー層3およびその他の層を形成して
なるものである。特に、本発明の特徴とするところは、
研磨層4の構成にあり、固定砥粒として被研磨面を研磨
する第1研磨材粒子5と、少なくとも遊離砥粒として被
研磨面を研磨する第2研磨材粒子6とが、バインダー7
中に含有されてなる研磨層4を有することにある。
ム1を使用することによって、第1研磨材粒子5に基づ
いた固定砥粒作用による研磨と、第2研磨材粒子6に基
づいた遊離砥粒作用による研磨とを同時に行いつつ被研
磨面を研磨することが可能になる。そうして研磨された
被研磨面は、第2研磨材粒子6に基づいた遊離砥粒作用
による研磨によって、第1研磨材粒子5に基づいた固定
砥粒作用による研磨によって生成した研磨痕を小さく浅
くすることができるという格別の効果を奏する。
造方法の構成について詳しく説明する。
ァイバとフェルールとで構成されてなる光ファイバコネ
クタ、半導体ウエハ、金属、セラミックス、カラーフィ
ルター(液晶表示用等)、プラズマディスプレイ、光学
レンズ、磁気ディスクあるいは光ディスク基板、磁気ヘ
ッド、光学読取ヘッド等の精密部品等を挙げることがで
きるが、これらに限定されず一般部品等に適用してもよ
い。本発明の研磨フィルム1は、そうした部品等の表面
または端面等の研磨に好ましく使用することができる。
使用される研磨工程としては、仕上げ研磨工程でも中間
研磨工程でも構わない。なお、仕上げ研磨工程と中間仕
上げ工程とでは、主としては、第1研磨材粒子5と第2
研磨材粒子6の粒径がそれぞれ異なり、その要求に応じ
て粒径が相違した研磨層4を有する研磨フィルム1が用
いられる。
状、幅が狭い長尺帯状、四角形状、円形状等、どのよう
な形状であってもよい。こうした研磨フィルム1の具体
的な使用態様については、適用される対象および研磨装
置に応じて適宜形状を特定して使用することができる。
定性、耐熱性等が要求される。基材フィルム用の材料と
しては、合成紙やプラスチックフィルムが適用される。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、アセチルセルロースジエステ
ル、アセチルセルローストリエステル、延伸ポリエチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート等を挙げることができ
る。基材フィルム2の厚さとしては、10〜150μm
程度のものが好適である。
1においては必須の層ではなく、主に研磨層4の接着性
を考慮して必要に応じて設けられるものである。こうし
たプライマー層3は、研磨層4の隣接層として基材フィ
ルム2側に設けられる。プライマー層3を形成すること
により、被研磨材を研磨した際の研磨層4の剥離を防止
することができる。プライマー層3としては、従来公知
の構成からなるプライマー層を適用可能であり、例え
ば、易接着プライマー層、シランカップリング剤等の表
面改質剤層(界面活性剤層)、蒸着層等とすることがで
きる。なお、蒸着層としては、アルミニウム等の金属蒸
着層、SiO2 、Al2O3、TiO2 等の金属酸化物蒸
着層、ポリ尿素等の高分子薄膜蒸着層等を挙げることが
できる。
るプライマー層用の材料としては、例えば、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル系も
しくはポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系
樹脂、エチレン共重合体、ポリビニルアセタール系樹
脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、フェノール系樹脂、アミノ−プラスト系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、
セルロース系樹脂等からなる樹脂を構成するモノマー、
プレポリマー若しくはオリゴマーまたはポリマーの一種
ないしそれ以上をビヒクルの主成分とする組成物を挙げ
ることができる。プライマー層3は、そうしたプライマ
ー層用材料からなる塗工液や印刷インキ等を調製し、基
材フィルム2上に所定の厚さで塗布、印刷または蒸着し
て形成することができる。さらに、接着性を向上させる
ために、イソシアネート等の硬化剤を入れてもよい。
磨する第1研磨材粒子5と、少なくとも遊離砥粒として
被研磨面を研磨する第2研磨材粒子6とが、バインダー
7中に含有されてなるものである。研磨層4の厚さは、
被研磨材の種類やその研磨工程に応じて設定されるので
特に限定されるものではないが、通常は3〜20μm程
度である。
いた研磨を行うものであればよく、その種類は特に限定
されない。通常は、被研磨材の種類やその研磨工程に応
じて、第1研磨材粒子5の種類や粒子径が設定される。
なお、粒子径は、通常、平均粒径で取り扱っている。使
用される第1研磨材粒子5としては、例えば、ダイアモ
ンド、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化チタン、ジ
ルコニア(酸化ジルコニウム)、リチウムシリケート、
窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化鉄、酸化クロム、シリカ
(酸化ケイ素)、酸化アンチモン等の無機固体粒子を挙
げることができる。一般には、ダイヤモンドやアルミナ
等が好ましく使用される。第1研磨材粒子5の好ましい
平均粒径は、0.5〜5μmの範囲内の所定の平均粒径
からなるものであり、好ましくは0.5〜3μmの範囲
内の所定の平均粒径からなるものである。これらは、一
次粒子の状態のものを使用することが望ましい。こうし
た粒径からなる第1研磨材粒子5は、微細研磨に適する
研磨フィルム1を構成する研磨層4に好ましく含有させ
ることができる。
作用に基づいた研磨を行うものであればよく、その種類
には特に限定されない。なお、第2研磨材粒子6は、少
なくとも遊離砥粒作用を有するものであればよく、遊離
する前においては、固定砥粒として作用していてもよ
く、遊離砥粒作用と固定砥粒作用の両者を備えるもので
あってもよい。
研磨材の種類やその研磨工程に応じて、第2研磨材粒子
6の種類や粒子径が設定される。なお、この場合の粒子
径も、通常、平均粒径で取り扱っている。使用される第
2研磨材粒子6としては、例えば、シリカ(酸化ケイ
素)、ジルコニア、チタニア、セリア、炭酸カルシウム
等の無機固体粒子を挙げることができる。特に、シリカ
粒子は、バインダーとの親和性および相溶性がよいので
好ましく使用され、コロイダルシリカ粒子が特に好まし
く使用される。第2研磨材粒子6としてシリカ粒子を用
いたときに好ましい平均粒径は、1〜500nmの範囲
内の所定の平均粒径からなるものであり、好ましくは1
〜100nmの範囲内の所定の平均粒径からなるもので
ある。こうした粒径からなる第2研磨材粒子6は、微細
研磨に適する研磨フィルム1を構成する研磨層4に好ま
しく含有させることができる。
子6とは、後述するバインダー7中に含有されて研磨層
4を構成し、それらを合わせた研磨材粒子は、研磨材粒
子:バインダー=20:80〜95:5の配合割合(重
量%比)でバインダー7中に含有させることができる。
なお、第1研磨材粒子5と第2研磨材粒子6との配合割
合については、特に限定されないが、被研磨材の種類や
その研磨工程、さらには第1研磨材粒子5と第2研磨材
粒子6の種類や粒子径に応じて任意に設定される。
研磨材粒子6とを研磨層4中に固着させる役割を有する
ものである。バインダー7としては、そうした作用を有
するものであれば特に限定されず、一般的な研磨フィル
ムのバインダーとして採用されている各種のものを適用
することができる。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリ
ル系またはポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコー
ル系樹脂、エチレン共重合体、ポリビニルアセタール系
樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、フェノール系樹脂、アミノ−プラスト系樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、
その他の樹脂を構成するモノマー、プレポリマー若しく
はオリゴマーまたはポリマー、またはそれらのブレンド
物、あるいは反応変性物等を使用することができる。そ
うした樹脂には、UV硬化性樹脂、EB硬化性樹脂を含
まれる。本発明においては、ポリエステル系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリ
ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、UV硬化性樹脂、EB
硬化性樹脂を特に好ましく使用できる。
にシロキサン結合(Si−O結合)を有するモノマー、
プレポリマー若しくはオリゴマーまたはポリマー等を混
合させて使用することもできる。具体的には、ポリシロ
キサンやその誘導体、その変性物、あるいはそのブレン
ド物、更にはそのモノマー、プレポリマー若しくはオリ
ゴマー等を混合させることができる。使用するバインダ
ー樹脂にシロキサン結合(Si−O結合)を含有する樹
脂を混ぜると、第2研磨材粒子6としてシリカ粒子を使
用した場合に、その両者が相互にSi原子を共通とする
官能基を有することになる。その結果、両者が親和性を
有することとなるので、第2研磨材粒子6であるシリカ
粒子は、塗工液中または研磨層中の何れにおいても、一
次粒子の状態を保持し易くなり、極めて良好な遊離砥粒
としての作用を発揮することができる。
1によれば、研磨される被研磨面は、第1研磨材粒子に
よって生じた研磨痕が、第2研磨材粒子に基づいた遊離
研磨によって同時研磨されるので、その研磨痕を小さく
浅くすることができる。さらに、固定砥粒作用による研
磨と遊離砥粒作用による研磨とを同時に行うことができ
るので、工程の簡略化を可能にすると共に、良好な被研
磨面とすることができる。
高精度な研磨が要求される光ファイバコネクタの端面研
磨に適用すれば、硬さや脆さの異なる光ファイバとフェ
ルールとからなる光ファイバコネクタの研磨に際して
も、固定砥粒作用による研磨と遊離砥粒作用による研磨
とによって、工程の簡略化のみならず研磨面の状態を格
段に向上させることができる。
ついて説明する。
材フィルム2と、その基材フィルム2上に形成されてな
る研磨層4とを有する研磨フィルムの製造方法であり、
その特徴とするところは、固定砥粒として被研磨面を研
磨する第1研磨材粒子5と、少なくとも遊離砥粒として
被研磨面を研磨する第2研磨材粒子6とをバインダー樹
脂液中に分散させて塗工液を調整し、その塗工液を基材
フィルム2上に塗布形成して、研磨層4を形成すること
にある。
ムの製造方法によって、固定砥粒作用による研磨と遊離
砥粒作用による研磨とを同時に行うことができると共
に、良好な被研磨面を実現できる研磨層4を備えた上述
の研磨フィルム1を製造することができる。こうして製
造された研磨フィルム1によって研磨される被研磨面
は、固定砥粒作用による一種類の研磨材粒子のみからな
る研磨層を有した研磨フィルムで研磨した場合に比べ
て、形成された研磨痕を小さく浅くすることができる。
は、先ず、ポリエステルフィルム、例えば2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートからなる所定厚さの基材フィル
ム2が準備される。次に、基材フィルム2上に、必要に
応じてプライマー層3が塗布等によって形成される。次
に、所定の平均粒径の第1研磨材粒子5である例えばダ
イヤモンド粒子と、所定の平均粒径の第2研磨材粒子6
である例えばシリカ粒子とを、バインダー樹脂およびバ
インダー樹脂用溶媒を含んだバインダー樹脂液中に混合
して塗工液を調製する。このとき、全研磨材粒子とバイ
ンダー樹脂との配合割合は、上述した通りである。こう
して調製された塗工液を、上述の基材フィルム2上また
は必要に応じて設けられるプライマー層3上に塗布形成
する。このときの塗布方法としては、ロールコート法、
グラビアコート法、ダイコート法等、種々の手段を適用
することができる。塗布後直ちに所定の温度(例えば1
10℃〜120℃)で所定の時間(例えば30秒間程
度)加熱され、塗工層中の溶媒が大気中へ飛散する。こ
のようにして塗工層が乾燥され、所定の厚さ(例えば、
5〜20μm)の研磨層4が形成されて研磨フィルム1
が製造される。
造方法について、実施例と比較例を挙げて更に詳しく説
明する。なお、本発明が以下に実施例に限定されるもの
でないことは言うまでもない。
粒径1μmのダイヤモンド粒子(東名ダイヤモンド工業
株式会社:MICRON SIZE DIAMOND
POWDER)300重量部と、第2研磨材粒子6であ
る平均粒径30nmのコロイダルシリカゾル(日産化学
工業株式会社:MEK−ST(固形分30%溶液))3
00重量部と、ポリエステル樹脂液80重量部、ポリイ
ソシアネート10重量部、シリコンオイル0.5重量部
およびシクロヘキサノン300重量部からなるバインダ
ー7樹脂成分とを混合した後、撹拌して研磨層4用の塗
工液(a)を調製した。
トフィルム(帝人株式会社:低熱収縮SGタイプ)から
なる基材フィルム2の片面に、上記の研磨層4用の塗工
液(a)を、3本リバース法によって20g(dry)
/m2 に塗工、乾燥し、本発明の実施例品である研磨フ
ィルム(A)を得た。
すように、光ファイバ端面14を備える光ファイバコネ
クタ11の端面研磨を行った。従来の端面研磨に用いら
れている平均粒径1μmダイヤモンドを単一の研磨材粒
子とする研磨フィルムと比較すると、光ファイバ端面1
4およびフェルール端面15のキズの発生率が明らかに
改善され低減されていることが確認されたと共に、光フ
ァイバコネクタ11としての性能指標である反射減衰量
も良好であることが確認された。
磨フィルム1を、最終仕上げ工程の前工程における研磨
フィルムとして使用し、光ファイバ端面14を備える光
ファイバコネクタ11の端面研磨を行った。その後、市
販の最終仕上げ研磨フィルム(大日本印刷株式会社:F
OS−01)を用いて研磨したところ、光ファイバ端面
14およびフェルール端面15のキズの発生はなく、性
能が良好な光ファイバコネクタ11が作製された。
粒径1μmのアルミナ粒子(昭和電工株式会社:WA#
8000)160重量部と、第2研磨材粒子6である平
均粒径30nmのコロイダルシリカゾル(日産化学工業
株式会社:MEK−ST(固形分30%溶液))200
重量部と、飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社:
バイロン#530)80重量部、キシリレンジイソシア
ナート(ザ・インクテック株式会社:EXL硬化剤
(D))10重量部からなるバインダー7樹脂成分とを
混合し、サンドミルを用いて粒子をよく分散させた後、
さらに超音波分散を行い、研磨層4用の塗工液(b)を
調製した。
ィルタリングを行った。次に、厚さ75μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム(アイ・シー・アイ・ジャ
パン株式会社:易接着処理 PET Melinex)
からなる基材フィルム2の片面に、上記の研磨層4用の
塗工液(b)を、ロールコート法によって50g(dr
y)/m2 に塗工、乾燥し、本発明の実施例品である研
磨フィルム(B)を得た。
バ端面14を備える光ファイバコネクタ11の端面研磨
を行った。従来の端面研磨に用いられている平均粒径1
μmアルミナを単一の研磨材粒子とする研磨フィルムと
比較すると、光ファイバ端面14に発生するスクラッチ
が減少しているのが確認されたと共に、光ファイバ部の
フチ(縁)欠けが減少しているのが確認された。また、
光ファイバコネクタ11としての性能指標である反射減
衰量も良好であり、光ファイバコネクタ11としての性
能が向上することが確認された。
1μmのダイヤモンド粒子(東名ダイヤモンド工業株式
会社:MICRON SIZE DIAMOND PO
WDER)300重量部と、ポリエステル樹脂液60重
量部、ポリイソシアネート10重量部、シリコンオイル
0.5重量部、メチルエチルケトン200重量部および
シクロヘキサノン300重量部からなるバインダー7樹
脂成分とを混合し、サンドミルを用いて粒子を分散し、
さらに十分に撹拌して研磨層4用の塗工液(c)を調製
した。
トフィルム(帝人株式会社:低熱収縮SGタイプ)から
なる基材フィルム2の片面に、上記の研磨層4用の塗工
液(c)を、グラビアリバース法によって50g(dr
y)/m2 に塗工、乾燥し、比較例品である研磨フィル
ム(C)を得た。
バ端面14を備える光ファイバコネクタ11の端面研磨
を行った。反射減衰量等の性能は改善されたが、その性
能は、実施例1〜3に比べて改善の程度は低かった。
は、光ファイバコネクタ(ジルコニアフェルール製)を
光ファイバコネクタ研磨機((株)精工技術、SFP1
20A)で実施例品および比較例品の研磨フィルムを用
いて研磨を行なった後、光学顕微鏡および反射減衰量測
定装置(NTT−AT(株)、AR−301)で傷の有
無と光ファイバの反射減衰量を検査した結果である。
ルムによれば、第1研磨材粒子に基づいた固定砥粒作用
による研磨と、第2研磨材粒子に基づいた遊離砥粒作用
による研磨とによって被研磨面が研磨されるので、研磨
される被研磨面は、第1研磨材粒子によって生じた研磨
痕が、第2研磨材粒子に基づいた遊離砥粒研磨によって
同時研磨することができ、その研磨痕を小さく浅くする
ことができる。さらに、固定砥粒作用による研磨と遊離
砥粒作用による研磨とを同時に行うことができるので、
工程の簡略化を可能にすると共に、良好な被研磨面とす
ることができる。
ェルールとからなる光ファイバコネクタ、半導体ウエ
ハ、金属、セラミックス、カラーフィルター(液晶表示
用等)、プラズマディスプレイ、光学レンズ、磁気ディ
スクあるいは光ディスク基板、磁気ヘッド、光学読取ヘ
ッド等の精密部品の表面、端面等に対する仕上げ研磨も
しくは中間研磨または一般研磨を行う研磨フィルムに好
適に適用できる。特に光ファイバコネクタの端面研磨に
あっては、硬さや脆さの異なる光ファイバとフェルール
とを同時に研磨することになるので、工程の簡略化のみ
ならず研磨面の状態を格段に向上させることができる。
ば、固定砥粒作用による研磨と遊離砥粒作用による研磨
とを同時に行うことができると共に、良好な被研磨面を
実現できる研磨層を備えた研磨フィルムを容易に製造す
ることができるので、こうして製造された研磨フィルム
によって研磨される被研磨面は、固定砥粒作用による一
種類の研磨材粒子からなる研磨層を有した研磨フィルム
で研磨した場合に比べて、形成された研磨痕を小さく浅
くすることができる。
面図である。
ネクタの端面研磨の一態様を示す断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材フィルムと、当該基材フィルム上に
形成されてなる研磨層とを有する研磨フィルムにおい
て、 前記研磨層は、固定砥粒として被研磨面を研磨する第1
研磨材粒子と、少なくとも遊離砥粒として被研磨面を研
磨する第2研磨材粒子とが、バインダー中に含有されて
なることを特徴とする研磨フィルム。 - 【請求項2】 前記第1研磨材粒子が平均粒径0.5〜
5μmの範囲内の所定の平均粒径からなる無機固体研磨
材粒子であり、前記第2研磨材粒子が平均粒径1〜50
0nmの範囲内の所定の平均粒径からなるシリカ粒子で
あることを特徴とする請求項1に記載の研磨フィルム。 - 【請求項3】 前記基材フィルムと前記研磨層との間に
は、プライマー層を有することを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載の研磨フィルム。 - 【請求項4】 光ファイバコネクタの端面研磨に使用さ
れることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに
記載の研磨フィルム。 - 【請求項5】 基材フィルムと、当該基材フィルム上に
形成されてなる研磨層を有する研磨フィルムの製造方法
において、 固定砥粒として被研磨面を研磨する第1研磨材粒子と、
少なくとも遊離砥粒として被研磨面を研磨する第2研磨
材粒子とをバインダー樹脂液中に分散させて塗工液を調
整し、当該塗工液を前記基材フィルム上に塗布形成する
ことにより、前記研磨層が形成されることを特徴とする
研磨フィルムの製造方法。 - 【請求項6】 前記第1研磨材粒子が平均粒径0.5〜
5μmの範囲内の所定の平均粒径からなる無機固体研磨
材粒子であり、前記第2研磨材粒子が平均粒径1〜50
0nmの範囲内の所定の平均粒径からなるシリカ粒子で
あることを特徴とする請求項5に記載の研磨フィルムの
製造方法。
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