JP2002239701A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JP2002239701A
JP2002239701A JP2001038353A JP2001038353A JP2002239701A JP 2002239701 A JP2002239701 A JP 2002239701A JP 2001038353 A JP2001038353 A JP 2001038353A JP 2001038353 A JP2001038353 A JP 2001038353A JP 2002239701 A JP2002239701 A JP 2002239701A
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vibration
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Taizo Sera
泰三 瀬良
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳型振動に偏倚正弦波形を用いて連続鋳造す
る際に、鋳造条件が変化した場合にも、適正なモールド
パウダー層の厚みを確保し、安定した鋳造を継続する。 【解決手段】 鋳型を偏倚正弦波形Bで振動させて溶融
金属を連続鋳造する際に、鋳型の最大下降速度を鋳片引
き抜き速度(Vc)よりも速くすると共に、鋳型の最大
下降速度と鋳片引き抜き速度との速度差が、鋳片引き抜
き速度に対して0.3〜2の比率となるように、鋳片引
き抜き速度に応じて鋳型振動条件を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼等の溶融金属
の連続鋳造方法に関し、詳しくは、鋳型振動を制御する
ことによって鋳片の凝固殻と鋳型との潤滑を確保し、安
定した鋳造を可能とする連続鋳造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造設備では、鋳片凝固殻と鋳型と
の焼き付きを防止するため、鋳造中に凝固殻に沿って鋳
型を振動させている。従来、この鋳型振動の波形とし
て、機構的に最も簡単な正弦波形が広く用いられてき
た。そして、正弦波形の振幅及び振動数は、鋳造の安定
性や鋳片品質に基づき、経験的に決定されてきた。
【0003】従来の経験に基づく振動条件の決定方法と
しては、鋳型下降速度が鋳片引き抜き速度よりも速くな
る、所謂ネガティブストリップ期(以下「N.S期」と
記す)の1サイクル中における時間比率(これを「N.
S時間率」と称す)を或る一定の範囲に規定することが
一般的に行われてきた。具体的には、N.S時間率が3
0%〜40%になるように、鋳片引き抜き速度に応じて
振動数又は振幅が変更されてきた。N.S時間率がこの
範囲であれば、鋳片引き抜き速度が1.5m/min程
度までの低速度域では、安定した鋳造が可能である。
又、特公昭62−35854号公報のように、振幅及び
振動数のみならず、1サイクル中におけるN.S期の時
間を或る所定範囲に限定することも採用されている。
【0004】ところで、近年、連続鋳造設備の生産性の
向上、及び、鋳造した鋳片を冷却せずに直接熱間圧延す
る、所謂熱間直送圧延のために、鋳片引き抜き速度の高
速化が推進されてきた。しかし、鋳片引き抜き速度の高
速化に伴って、凝固殻と鋳型との潤滑剤であるモールド
パウダーの消費量が少なくなり、凝固殻と鋳型との間の
モールドパウダー層(「モールドパウダーフィルム」と
もいう)の厚みが減少して、凝固殻と鋳型との焼き付き
が発生し、凝固殻が破れて溶融金属が流出する、所謂ブ
レークアウトの発生頻度が増加した。そのため、正弦波
形を用いた場合には、N.S時間率を或る範囲に確保し
ながら振動数を減少させ、モールドパウダーの消費量を
確保せざるを得ないが、この場合には、鋳片表面のオシ
レーションマークが深くなり、鋳片表面割れの発生頻度
が高くなり、鋳造可能な対象が限定される等の問題点が
生じた。
【0005】この問題を解決するために、偏倚正弦波形
を用いた鋳型振動方法が特公平4−79744号公報等
に開示されている。この偏倚正弦波形では、正弦波形に
比較して鋳型の上昇速度が遅くなり、逆に、鋳型の下降
速度が速くなるという特徴があり、この偏倚正弦波形で
鋳型を振動させると、振動数及び振幅が正弦波形と同じ
条件であっても、モールドパウダーの流れ込み量が正弦
波形に比較して多くなり、凝固殻と鋳型との焼き付きに
よるブレークアウトを抑制することができると共に、振
幅及び振動数を大幅に変更する必要がないので、鋳片表
面割れを誘発することがないという優れた効果を発揮す
る。
【0006】従って、最近の新鋭連続鋳造設備では、こ
の偏倚正弦波形が鋳片引き抜き速度の高速化を支える重
要な手段として採用されており、各々の鋳造条件に応じ
て、振動波形、振幅、振動数を変化させ、鋳造すること
が通例となりつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳型振
動に上述の偏倚正弦波形を用いた場合の明確な最適振動
条件が開示されておらず、従って、振動条件を変更する
場合には、正弦波形におけるN.S時間率の制御等、従
来の正弦波形の基準を踏襲せざるを得ず、望むべく潤滑
条件及び鋳片表面品質が確保されず、最悪の場合にはブ
レークアウト等の事故に結びついていた。特に、鋳片引
き抜き速度を変化させた場合、どのように振動条件を変
化させるかが大きな問題であった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、鋳型振動に上述の偏倚正弦波
形を用いて連続鋳造する際に、鋳片引き抜き速度等の鋳
造条件が変化した場合にも、適正なモールドパウダー層
の厚みが確保され、凝固殻と鋳型との焼き付きが防止さ
れ、且つ表面性状の良好な鋳片を得ることができる連続
鋳造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために検討を重ねた。そして、溶融したモー
ルドパウダーが鋳片凝固殻と鋳型壁面との間隙に流入す
る状況を以下のように想定した。:モールドパウダー
の流れ込み量は、鋳型内の溶融金属湯面位置近傍の挙動
によって決定される。:鋳型内の溶融金属湯面位置近
傍において、鋳型壁面ではモールドパウダーは鋳型壁面
に付着して移動する。:凝固殻と鋳型壁面との間隙へ
のモールドパウダーの流れ込み量は、溶融金属湯面位置
近傍でのモールドパウダー層における鋳片引き抜き方向
の粘性力に依存する。:この粘性力は、モールドパウ
ダー層内におけるモールドパウダーの移動速度の速度勾
配、即ち、この粘性力の方向と垂直な方向の速度勾配に
比例する。
【0010】このように想定すると、モールドパウダー
の流れ込み量を確保するためには、凝固殻の下降速度
(=鋳片引き抜き速度)に対して鋳型の下降速度を十分
に大きくして、鋳型の下降により生じる粘性力を有効に
利用する必要があることが分かる。但し、鋳型の移動速
度が速くなり過ぎた場合には、モールドパウダー層の粘
性力が、モールドパウダーの鋳型壁との付着力よりも大
きくなって、モールドパウダー層が鋳型の移動とは同期
しなくなり、却ってモールドパウダーの流れ込み量が減
少することも想到される。
【0011】これらの条件を勘案して、偏倚正弦波形で
鋳型を振動させる際に振幅及び振動数を調整し、鋳片引
き抜き速度に対して鋳型の最大下降速度を種々変更した
試験鋳造を実施し、モールドパウダーの流れ込み量並び
に鋳片表面性状を調査した。図1に、モールドパウダー
流れ込み量の調査結果を示す。
【0012】図1は、鋳型の最大下降速度と鋳片引き抜
き速度との速度差と、鋳片引き抜き速度との速度比率を
横軸として、この速度比率のモールドパウダーの流れ込
み量に及ぼす影響を示した図である。尚、鋳型の最大下
降速度と鋳片引き抜き速度との速度差と、鋳片引き抜き
速度との速度比率とは、下記の(1)式で表す値であ
る。但し、(1)式において、Vmは鋳型の最大下降速
度、Vcは鋳片引き抜き速度、Rは、鋳型の最大下降速
度と鋳片引き抜き速度との速度差と、鋳片引き抜き速度
との速度比率である。
【0013】
【数1】
【0014】図1から明らかなように、上記の速度比率
(R)が0.3〜2の範囲では、一般的に安定操業の目
安とされる0.3kg/m2 のモールドパウダーの流れ
込み量が確保されることが分かった。又、速度比率
(R)がこの範囲であれば、鋳片表面性状も健全である
ことが分かった。即ち、鋳型の最大下降速度と鋳片引き
抜き速度との速度差を、鋳片引き抜き速度に対して0.
3〜2の比率となるようにすることで、適正なモールド
パウダー層の厚みが確保され、凝固殻と鋳型との焼き付
きを防止し、且つ、健全な表面の鋳片を得ることが可能
との知見を得た。
【0015】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、本発明による連続鋳造方法は、鋳型を偏倚正弦波形
で振動させて溶融金属を連続鋳造する際に、鋳型の最大
下降速度を鋳片引き抜き速度よりも速くすると共に、鋳
型の最大下降速度と鋳片引き抜き速度との速度差が、鋳
片引き抜き速度に対して0.3〜2の比率となるよう
に、鋳片引き抜き速度に応じて鋳型振動条件を制御する
ことを特徴とするものである。
【0016】このように、本発明では、鋳型の最大下降
速度を鋳片引き抜き速度よりも速くする、即ち、N.S
期を設定し、且つ、N.S期における鋳型の最大下降速
度と鋳片引き抜き速度との速度差を、鋳片引き抜き速度
に対して0.3〜2の比率としているので、適正なモー
ルドパウダー層の厚みが確保され、凝固殻と鋳型との焼
き付きを防止し、且つ、健全な表面の鋳片を鋳造するこ
とができる。
【0017】鋳型の最大下降速度と鋳片引き抜き速度と
の速度差と、鋳片引き抜き速度との速度比率が0.3未
満の場合には、鋳型の下降速度が遅く、モールドパウダ
ーの流れ込み量を左右する粘性力が不足し、一方、前記
速度比率が2を越える場合には、モールドパウダー層の
粘性力がモールドパウダーの鋳型壁との付着力よりも大
きくなって、モールドパウダー層と鋳型とで滑りが発生
し、粘性力が強化されなくなるためと想到される。
【0018】尚、本発明で用いた偏倚正弦波形とは、図
2においてBで示す波形であり、図2においてAで示す
正弦波形に比較して、鋳型の上昇速度が遅くなり、逆
に、鋳型の下降速度が速くなるという特徴がある。尚、
図2は、本発明で用いた偏倚正弦波形と従来の正弦波形
とで、鋳型の変位と鋳型の振動速度とを比較して示す図
である。又、図2におけるVcは鋳片引き抜き速度であ
る。
【0019】図2に示すように、本発明で用いた偏倚正
弦波形では鋳型振動の1サイクル中で鋳型が上昇した時
の最大変位をとる時間が正弦波形の場合よりも後半にず
れ、鋳型が下降した時の最大変位をとる時間が正弦波形
の場合よりも前半にずれた波形となっており、本発明で
は、正弦波形と比較してどれだけずれているかを表す指
標として、下記の(2)式に示す値を波形歪率とした。
但し、(2)式において、λは波形歪率(0<λ<
1)、Tnon-sinは偏倚正弦波形における1サイクル中
で鋳型が上昇した時の最大変位をとる時間、Tsin は正
弦波形における1サイクル中で鋳型が上昇した時の最大
変位をとる時間である。
【0020】
【数2】
【0021】又、本発明で用いた偏倚正弦波形は、下記
の(3)式で表すことができる。但し、(3)式におい
て、Zは鋳型の変位(mm)、an は振幅(mm)、π
は円周率、fは振動数(サイクル/min)、tは時間
(min)である。
【0022】
【数3】
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図3は本発明を実施した連続
鋳造設備の概略説明図である。
【0024】図3に示すように、水冷構造の鋳型8の上
方所定位置には、タンディッシュカー(図示せず)に積
載されたタンディッシュ5が配置されている。タンディ
ッシュ5はその内部を耐火物で構成されており、タンデ
ィッシュ5の底部には、溶鋼1の流出量を制御するスラ
イディングノズル6と、このスライディングノズル6の
下面側に接続する、耐火物製の浸漬ノズル7とが配置さ
れている。鋳型8の下方には、鋳片3を支持するための
鋳片支持ロール14が複数対設置されており、鋳片支持
ロール14には、その回転数から鋳片引き抜き速度を測
定する、測定用ロール14aが配置されている。これら
の鋳片支持ロール14の間隙には、鋳片3を冷却するた
めに、エアーミストスプレーや水スプレー等のスプレー
ノズル(図示せず)が設置されている。
【0025】鋳型8は支持架台9で支持されており、こ
の支持架台9には支持腕13が設けられている。この支
持腕13は、振動発生装置12と接続しており、振動発
生装置12で発生する振動を支持架台9に伝える役目を
果たしている。即ち、振動発生装置12で発生した振動
波形及び振動数の振動条件で、支持架台9に支持された
鋳型8が振動するようになっている。振動発生装置12
としては、例えば油圧サーボ方式等の振動発生機を用い
ることができる。
【0026】振動発生装置12で発生する振動波形及び
振動数は、制御部11によって制御されている。制御部
11は設定部10と接続しており、設定部10から入力
される振動条件で鋳型8を振動させることができる。
又、制御部11には測定用ロール14aの測定信号が入
力されており、鋳片引き抜き速度に応じて振動条件を変
更することが可能な構造となっている。
【0027】図示せぬ取鍋からタンディッシュ5内に注
入された溶鋼1は、浸漬ノズル7を介して鋳型8内に注
入される。そして、溶鋼1は鋳型8内で冷却されて凝固
殻2を形成し、凝固殻2は鋳片支持ロール14にて支持
されつつ鋳型8の下方に連続的に引き抜かれ、鋳片3と
なる。その際、鋳型8内の溶鋼湯面上にはモールドパウ
ダー4が添加され、モールドパウダー4は溶融して凝固
殻2と鋳型8との間に流れ込み、凝固殻2と鋳型8との
潤滑剤として作用する。
【0028】このような構成の連続鋳造設備において、
以下のようにして鋳型振動条件を設定する。先ず、偏倚
正弦波形の振動のストローク(ストローク=2×振幅)
及び波形歪率(λ)を決める。前述のように波形歪率
(λ)は0<λ<1の任意の値とすることができるが、
波形歪率(λ)が0の近傍では正弦波形と大差がなく、
偏倚正弦波形の有する効果が少ない。従って、波形歪率
(λ)は0.1以上、望ましくは0.2以上とすること
が好ましい。ストロークは20mm程度までの任意の値
とすることができる。
【0029】前述の(3)式において、振幅(an )に
適当な数値を代入すると、ストローク及び波形歪率
(λ)が一義的に決定される。但し、(2)式と(3)
式とは関連性が無く、(3)式から波形歪率(λ)を直
接求めることはできないので、振幅(an )を種々変更
して(3)式を図示化し、ストローク及び波形歪率
(λ)の異なる種々の偏倚正弦波形を予め把握しておく
ことが好ましい。因みに、振幅(a1 )=4.0mm、
振幅(a2 )=−0.8mm、振幅(a3 )=0.1m
mとすると、ストロークが8.4mm、波形歪率(λ)
が0.24の偏倚正弦波形となる。
【0030】所望のストローク及び波形歪率(λ)とな
る振幅(an )を決定したならば、次いで、鋳型8の移
動速度を算出する。(3)式を時間で微分した下記の
(4)式が鋳型8の移動速度を表す式であるので、所望
のストローク及び波形歪率(λ)となる振幅(an )を
(4)式に代入する。(4)式において、鋳型8の下降
速度が最大となる時期はt=1/2fであるので、
(4)式にt=1/2fを代入して鋳型8の最大下降速
度(Vm)を求める。
【0031】
【数4】
【0032】(4)式から明らかなように、振動数
(f)によって鋳型8の最大下降速度(Vm)は変化す
る。即ち、鋳型8の最大下降速度(Vm)は振動数
(f)に比例する。従って、鋳片引き抜き速度(Vc)
に応じて、前述の(1)式による速度比率(R)が0.
3〜2の任意の値となるように振動数(f)を決定す
る。速度比率(R)は設定部10により予め或る所定値
に設置しておくこととする。尚、本発明者等の経験か
ら、速度比率(R)は、モールドパウダー4の物性値や
鋳型8の振動波形により変化するが、一般的には1.0
程度が最適値であることを確認している。
【0033】これらの演算は制御部11が行うので、振
幅(an )と速度比率(R)とを設定部10に入力する
ことで、制御部11は、測定用ロール14aから入力さ
れる鋳片引き抜き速度(Vc)に応じてリアルタイムで
振動数(f)を変更し、所望の振動波形及び振動数で鋳
型8を振動させる。この場合に、鋳片引き抜き速度(V
c)が遅い範囲、例えば0.6m/min以下の範囲
は、振動数(f)を鋳片引き抜き速度(Vc)に連動さ
せず、一定値としても良い。
【0034】このようにして鋳片3を鋳造することで、
鋳片引き抜き速度(Vc)等の鋳造条件が変化した場合
にも、適正なモールドパウダー4の流れ込み量を確保す
ることができ、凝固殻2と鋳型8との焼き付きを防止す
ることができると共に、表面性状の良好な鋳片3を得る
ことができる。
【0035】尚、上記説明では、ストロークを一定と
し、振動数(f)を変更して鋳片引き抜き速度(Vc)
に対処したが、振動数(f)を一定としてストロークを
変更しても良く、又、ストロークと振動数(f)の両者
を変更しても良い。
【0036】図4は、鋳片引き抜き速度(Vc)が1.
8m/minと2.2m/minの場合において、波形
歪率(λ)が0.3で、且つ、速度比率(R)が1.0
となる時のストロークと振動数(f)との関係を示す図
である。即ち、図4に示す曲線上のストロークと振動数
(f)との組み合わせであれば、波形歪率(λ)が0.
3で、且つ、速度比率(R)が1.0となる。
【0037】このように、波形歪率(λ)と速度比率
(R)とを或る一定値に限定しても、ストロークと振動
数(f)との組み合わせは無限にあり、従って、鋳片引
き抜き速度(Vc)が変更になった場合に、振動数
(f)を変えずにストロークのみを変更しても、又、両
者を変更することもできる。どの方法によって振動条件
を変更するのか、予めロジックを設定しておけば、常に
最適な振動条件で鋳型8を振動させることが可能とな
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、鋳型を偏倚正弦波形で
振動させて連続鋳造する際に、鋳型の最大下降速度を鋳
片引き抜き速度よりも速くすると共に、鋳型の最大下降
速度と鋳片引き抜き速度との速度差が、鋳片引き抜き速
度に対して0.3〜2の比率となるようにしているの
で、適正なモールドパウダー層の厚みが確保され、その
結果、凝固殻と鋳型との焼き付きが防止されると共に、
健全な表面の鋳片を鋳造することができ、工業上有益な
効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳型の最大下降速度と鋳片引き抜き速度との速
度差と、鋳片引き抜き速度との速度比率がモールドパウ
ダーの流れ込み量に及ぼす影響を示す図である。
【図2】本発明で用いた偏倚正弦波形と従来の正弦波形
とで、鋳型の変位と鋳型の振動速度とを比較して示す図
である。
【図3】本発明を実施した連続鋳造設備の概略説明図で
ある。
【図4】波形歪率が0.3で、且つ、速度比率が1.0
となる時のストロークと振動数との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 溶鋼 2 凝固殻 3 鋳片 4 モールドパウダー 5 タンディッシュ 6 スライディングノズル 7 浸漬ノズル 8 鋳型 9 支持架台 10 設定部 11 制御部 12 振動発生装置 13 支持腕 14 鋳片支持ロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型を偏倚正弦波形で振動させて溶融金
    属を連続鋳造する際に、鋳型の最大下降速度を鋳片引き
    抜き速度よりも速くすると共に、鋳型の最大下降速度と
    鋳片引き抜き速度との速度差が、鋳片引き抜き速度に対
    して0.3〜2の比率となるように、鋳片引き抜き速度
    に応じて鋳型振動条件を制御することを特徴とする連続
    鋳造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017001079A (ja) * 2015-06-15 2017-01-05 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法
CN106311995A (zh) * 2016-11-09 2017-01-11 东北大学 连铸结晶器非正弦振动方法

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