JPH105956A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
鋼の連続鋳造方法Info
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- JPH105956A JPH105956A JP16730596A JP16730596A JPH105956A JP H105956 A JPH105956 A JP H105956A JP 16730596 A JP16730596 A JP 16730596A JP 16730596 A JP16730596 A JP 16730596A JP H105956 A JPH105956 A JP H105956A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 振動条件の変更のみで、拘束性ブレークアウ
トの発生を抑制し、2.5m/分以上の高速鋳造が安定
して行えるようにする。 【解決手段】 鋳型の下降時間が上昇時間に比べて長く
なるように偏期された振動波形を用い、下向きを正とし
た鋳型の振動速度Vmが鋼の鋳造速度Vc(m/分)よ
りも速いネガティブストリップ時間tN (秒)から、次
式 Q=a・tN {1+(f・tN /60}+b (ここで、a、b:定数、f:鋳型振動数)で求められ
るモールドパウダ消費量Qが、0.3Kg/m2 以上と
なるように、前記ネガティブストリップ時間tN を、次
式 tN ={60/(π・fd )}×cos-1{1000V
c/(π・fd ・S)} で規定している鋳型振動ストロークS(mm)及び鋳型
下降時の振動数fd (cpm)を設定する。
トの発生を抑制し、2.5m/分以上の高速鋳造が安定
して行えるようにする。 【解決手段】 鋳型の下降時間が上昇時間に比べて長く
なるように偏期された振動波形を用い、下向きを正とし
た鋳型の振動速度Vmが鋼の鋳造速度Vc(m/分)よ
りも速いネガティブストリップ時間tN (秒)から、次
式 Q=a・tN {1+(f・tN /60}+b (ここで、a、b:定数、f:鋳型振動数)で求められ
るモールドパウダ消費量Qが、0.3Kg/m2 以上と
なるように、前記ネガティブストリップ時間tN を、次
式 tN ={60/(π・fd )}×cos-1{1000V
c/(π・fd ・S)} で規定している鋳型振動ストロークS(mm)及び鋳型
下降時の振動数fd (cpm)を設定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型を上下に振動
させながら鋼を連続鋳造する鋼の連続鋳造方法に係り、
特に、例えば2.0m/分以上というような高速の連続
鋳造においても、ブレークアウトの発生を防止すること
が可能な鋳型の振動条件を規定した鋼の連続鋳造方法に
関する。
させながら鋼を連続鋳造する鋼の連続鋳造方法に係り、
特に、例えば2.0m/分以上というような高速の連続
鋳造においても、ブレークアウトの発生を防止すること
が可能な鋳型の振動条件を規定した鋼の連続鋳造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造は、図1に示す如く行われ
ている。即ち、取鍋20内の溶鋼10は、ロングノズル
22を介してタンディッシュ24内に注入れさる。該タ
ンディッシュ24に注入された溶鋼10は、浸漬ノズル
26を介して、鋳型28内に連続的に注入される。例え
ば水冷されている前記鋳型28内に注がれた溶鋼10
は、鋳型28で急冷されることにより、凝固シェル12
が鋳型28の内面に形成され、該凝固シェル12は、ガ
イドロール30により支持されながら、二次冷却水によ
り冷却され、ピンチロール32により鋳造(引抜)速度
Vcで連続的に引抜かれる。このようにして形成される
鋳片14は、二次冷却時に完全に凝固が完了しており、
連続的に製造される。
ている。即ち、取鍋20内の溶鋼10は、ロングノズル
22を介してタンディッシュ24内に注入れさる。該タ
ンディッシュ24に注入された溶鋼10は、浸漬ノズル
26を介して、鋳型28内に連続的に注入される。例え
ば水冷されている前記鋳型28内に注がれた溶鋼10
は、鋳型28で急冷されることにより、凝固シェル12
が鋳型28の内面に形成され、該凝固シェル12は、ガ
イドロール30により支持されながら、二次冷却水によ
り冷却され、ピンチロール32により鋳造(引抜)速度
Vcで連続的に引抜かれる。このようにして形成される
鋳片14は、二次冷却時に完全に凝固が完了しており、
連続的に製造される。
【0003】図2は、前記鋳型28の要部断面を示した
ものである。この鋳型28は、凝固シェル12の焼付き
防止を目的に、矢印Aに示す如く、上下方向に振動され
ている。又、鋳型28には、モールドパウダ34が添加
されており、溶鋼10のメニスカス11より、溶融パウ
ダ35が、鋳型28と凝固シェル12の間に流入して、
潤滑剤として作用する。
ものである。この鋳型28は、凝固シェル12の焼付き
防止を目的に、矢印Aに示す如く、上下方向に振動され
ている。又、鋳型28には、モールドパウダ34が添加
されており、溶鋼10のメニスカス11より、溶融パウ
ダ35が、鋳型28と凝固シェル12の間に流入して、
潤滑剤として作用する。
【0004】しかしながら、溶融パウダ35の流入が途
絶えると、凝固シェル12の鋳型28への焼付きが生
じ、凝固シェル12の破断状態が鋳型28の下側に移動
し、溶鋼10が鋳片14外に流出するブレークアウトが
発生する。
絶えると、凝固シェル12の鋳型28への焼付きが生
じ、凝固シェル12の破断状態が鋳型28の下側に移動
し、溶鋼10が鋳片14外に流出するブレークアウトが
発生する。
【0005】従来、鋳型28の振動方法は、図3に破線
Bで示す如く、正弦波形となるように上下方向に振動さ
せるものが主流であり、凝固シェル12の破断を防止す
るため、鋳型28の1サイクルの振動において、鋳型2
8の振動速度Vmが鋳片14の引抜き速度Vcより大き
い状態であるネガティブストリップ時間tN の長さが、
1サイクルの約30%を占めるように振動条件を設定し
ている。
Bで示す如く、正弦波形となるように上下方向に振動さ
せるものが主流であり、凝固シェル12の破断を防止す
るため、鋳型28の1サイクルの振動において、鋳型2
8の振動速度Vmが鋳片14の引抜き速度Vcより大き
い状態であるネガティブストリップ時間tN の長さが、
1サイクルの約30%を占めるように振動条件を設定し
ている。
【0006】一方近年、生産性の向上を目的に、高温鋳
片の製造と直送圧延プロセスの安定化の達成のため、高
速鋳造化が指向されている。この高速鋳造技術の確立に
あたり、最も問題となる操業トラブルの1つに前記ブレ
ークアウトがある。ブレークアウトの発生は、操業停止
をもたらし、連続鋳造装置のメンテナンスに多大な損害
を与える。現在の技術では、2.5m/分を超える速度
で安定して連続鋳造するのは困難である。
片の製造と直送圧延プロセスの安定化の達成のため、高
速鋳造化が指向されている。この高速鋳造技術の確立に
あたり、最も問題となる操業トラブルの1つに前記ブレ
ークアウトがある。ブレークアウトの発生は、操業停止
をもたらし、連続鋳造装置のメンテナンスに多大な損害
を与える。現在の技術では、2.5m/分を超える速度
で安定して連続鋳造するのは困難である。
【0007】又、ブレークアウトの発生頻度は、モール
ドパウダの消費量の低下と共に高くなることが知られて
おり、一般的には、モールドパウダの消費量が0.3K
g/m2 以下になると、ブレークアウト発生の危険性が
急増することが、経験的に知られている。
ドパウダの消費量の低下と共に高くなることが知られて
おり、一般的には、モールドパウダの消費量が0.3K
g/m2 以下になると、ブレークアウト発生の危険性が
急増することが、経験的に知られている。
【0008】これに対して、ブレークアウトの発生を防
止するために、モールドパウダの消費量を確保するため
の提案がなされており、例えば特開平4−127948
では、2.0m/分以上の鋳造速度に対して、適正範囲
に調整したモールドパウダを用いる方法が提案されてい
る。
止するために、モールドパウダの消費量を確保するため
の提案がなされており、例えば特開平4−127948
では、2.0m/分以上の鋳造速度に対して、適正範囲
に調整したモールドパウダを用いる方法が提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、連続鋳
造機の特性や鋳造条件の影響を受け易く、一旦ブレーク
アウトの起点である凝固シェルの拘束(スティッキン
グ)が発生すると、鋳造速度を低下させることなく、ブ
レークアウトの発生を完全に防止することは難しく、鋳
造条件の選定が困難であるという問題点を有していた。
造機の特性や鋳造条件の影響を受け易く、一旦ブレーク
アウトの起点である凝固シェルの拘束(スティッキン
グ)が発生すると、鋳造速度を低下させることなく、ブ
レークアウトの発生を完全に防止することは難しく、鋳
造条件の選定が困難であるという問題点を有していた。
【0010】これに対して、例えば特開昭61−159
255や特開平4−172161では、鋳型の振動波形
を変更することにより、モールドパウダ流入量の増大を
図り、凝固シェル/鋳片間の摩擦力を低減する手段とし
て、鋳型の上昇時間が下降時間に比べて長い非正弦波の
利用が有効であることが報告されている。
255や特開平4−172161では、鋳型の振動波形
を変更することにより、モールドパウダ流入量の増大を
図り、凝固シェル/鋳片間の摩擦力を低減する手段とし
て、鋳型の上昇時間が下降時間に比べて長い非正弦波の
利用が有効であることが報告されている。
【0011】しかしながら、この方法については、高速
鋳造に対しての有効性が明らかではなく、高速鋳造に際
しても、モールドパウダの消費量が確保できるか否かは
不明であった。
鋳造に対しての有効性が明らかではなく、高速鋳造に際
しても、モールドパウダの消費量が確保できるか否かは
不明であった。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、鋳造速度の如何に拘らず、安定した
鋳造を達成することが可能な鋳型の振動条件を与えるこ
と、特に、2.0m/分以上のような高速鋳造時のブレ
ークアウトの発生を抑制することを課題とする。
くなされたもので、鋳造速度の如何に拘らず、安定した
鋳造を達成することが可能な鋳型の振動条件を与えるこ
と、特に、2.0m/分以上のような高速鋳造時のブレ
ークアウトの発生を抑制することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋳型を上下に
振動させながら鋼を連続鋳造するに際して、鋳型の下降
時間が上昇時間に比べて長くなるように偏期された振動
波形を用い、下向きを正とした鋳型の振動速度Vmが鋼
の鋳造速度Vc(m/分)よりも速いネガティブストリ
ップ時間tN (秒)から、次式 Q=a・tN {1+(f・tN /60}+b …(1) ここで、a、b:定数 f:鋳型振動数 で求められるモールドパウダ消費量Qが、0.3Kg/
m2 以上となるように、前記ネガティブストリップ時間
tN を、次式 tN ={60/(π・fd )} ×cos-1{1000Vc/(π・fd ・S)} …(2) で規定している鋳型振動ストロークS(mm)及び鋳型
下降時の振動数fd (cpm)を設定することにより、
高速鋳造時のブレークアウト発生を防止するようにし
て、前記課題を解決したものである。
振動させながら鋼を連続鋳造するに際して、鋳型の下降
時間が上昇時間に比べて長くなるように偏期された振動
波形を用い、下向きを正とした鋳型の振動速度Vmが鋼
の鋳造速度Vc(m/分)よりも速いネガティブストリ
ップ時間tN (秒)から、次式 Q=a・tN {1+(f・tN /60}+b …(1) ここで、a、b:定数 f:鋳型振動数 で求められるモールドパウダ消費量Qが、0.3Kg/
m2 以上となるように、前記ネガティブストリップ時間
tN を、次式 tN ={60/(π・fd )} ×cos-1{1000Vc/(π・fd ・S)} …(2) で規定している鋳型振動ストロークS(mm)及び鋳型
下降時の振動数fd (cpm)を設定することにより、
高速鋳造時のブレークアウト発生を防止するようにし
て、前記課題を解決したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。
説明する。
【0015】連続鋳造における拘束性ブレークアウトの
発生に対して、鋳造条件と発生頻度の関係において、モ
ールドパウダの消費量Qが0.3Kg/m2 以下となる
と、図2に示したメニスカス11における凝固シェル1
2の破断が急増することが、経験的に知られている。こ
の場合、鋳造中にブレークアウトの予知警報がでるた
め、鋳造速度Vcを下げて凝固シェル12の強度を回復
させるにはことが不可避であった。
発生に対して、鋳造条件と発生頻度の関係において、モ
ールドパウダの消費量Qが0.3Kg/m2 以下となる
と、図2に示したメニスカス11における凝固シェル1
2の破断が急増することが、経験的に知られている。こ
の場合、鋳造中にブレークアウトの予知警報がでるた
め、鋳造速度Vcを下げて凝固シェル12の強度を回復
させるにはことが不可避であった。
【0016】発明者等が、モールドパウダの消費量Q
(Kg/m2 )と鋳造条件の関係について、振動条件と
モールドパウダ流量時期の関係を調査したところ、図4
に示す如く、モールドパウダの流入は、前出(1)式で
表記できることが明らかとなった。なお、(1)式中の
定数a、bは、モールドパウダの種類及び鋳型の振動方
法により決まる値であり、図3において、a=1.0、
b=0.19となった。図4のデータは、鋳型の振動数
f=200cpmとして得たものである。
(Kg/m2 )と鋳造条件の関係について、振動条件と
モールドパウダ流量時期の関係を調査したところ、図4
に示す如く、モールドパウダの流入は、前出(1)式で
表記できることが明らかとなった。なお、(1)式中の
定数a、bは、モールドパウダの種類及び鋳型の振動方
法により決まる値であり、図3において、a=1.0、
b=0.19となった。図4のデータは、鋳型の振動数
f=200cpmとして得たものである。
【0017】図4からわかるように、モールドパウダの
消費量Qは、ネガティブストリップ時間tN と強い相関
があり、モールドパウダの消費量を確保するためには、
ネガティブストリップ時間tN を長くすることが有効で
ある。なお、下向きを正とした鋳型の振動速度Vmが鋳
片の鋳造速度(引抜き速度)Vcより早い時期をネガテ
ィブストリップ時間tN と称するのに対して、鋳型の振
動速度Vmが鋳片の鋳造速度Vcより遅い時期は、ポジ
ティブストリップ時間tP と称する。
消費量Qは、ネガティブストリップ時間tN と強い相関
があり、モールドパウダの消費量を確保するためには、
ネガティブストリップ時間tN を長くすることが有効で
ある。なお、下向きを正とした鋳型の振動速度Vmが鋳
片の鋳造速度(引抜き速度)Vcより早い時期をネガテ
ィブストリップ時間tN と称するのに対して、鋳型の振
動速度Vmが鋳片の鋳造速度Vcより遅い時期は、ポジ
ティブストリップ時間tP と称する。
【0018】前記ネガティブストリップ時間tN は、振
動波形が正弦波である場合には、次式で表わされる。
動波形が正弦波である場合には、次式で表わされる。
【0019】 tN ={60/(πf)cos-1{1000Vc/(π・f・S)…(3)
【0020】拘束性ブレークアウトの伝播を防止するに
は、ネガティブストリップ期に、破断した凝固シェル1
2を修復することが必要であり、ネガティブストリップ
時間tN を確保することが、モールドパウダの消費量Q
を確保することと同様に重要である。
は、ネガティブストリップ期に、破断した凝固シェル1
2を修復することが必要であり、ネガティブストリップ
時間tN を確保することが、モールドパウダの消費量Q
を確保することと同様に重要である。
【0021】しかしながら、ネガティブストリップ時間
TN が前出(1)式で表される従来の正弦波状の振動波
形においては、鋳型振動数fとネガティブストリップ時
間t N の関係が図5、図6に示すようになる。従って、
鋳造速度Vc=2.5m/分を超えるような高速鋳造
で、ネガティブストリップ時間tN >0を目標とした操
業を行うには、ストロークアップや振動数のハイサイク
ル化が必要であり、設備上の制約を受けていた。
TN が前出(1)式で表される従来の正弦波状の振動波
形においては、鋳型振動数fとネガティブストリップ時
間t N の関係が図5、図6に示すようになる。従って、
鋳造速度Vc=2.5m/分を超えるような高速鋳造
で、ネガティブストリップ時間tN >0を目標とした操
業を行うには、ストロークアップや振動数のハイサイク
ル化が必要であり、設備上の制約を受けていた。
【0022】これに対して、図3に実線Cで示した本発
明のように、鋳型上昇期が鋳型下降期よりも短くなるよ
うな非正弦波形で振動することにより、設備上の制約を
殆ど受けずに、ネガティブストリップ時間tN を確保で
き、安定した鋳造が可能となる。
明のように、鋳型上昇期が鋳型下降期よりも短くなるよ
うな非正弦波形で振動することにより、設備上の制約を
殆ど受けずに、ネガティブストリップ時間tN を確保で
き、安定した鋳造が可能となる。
【0023】この非正弦波形を採用した場合のネガティ
ブストリップ時間tN は、前出(2)式で示されるもの
となる。
ブストリップ時間tN は、前出(2)式で示されるもの
となる。
【0024】
【実施例】70×70×750mmの水冷銅鋳型からな
るモデル連続鋳造装置において、本発明の効果の調査を
行った。このモデル装置における実験では、鋳型のスト
ロークS=8mm一定に対して、図3に実線Cで示すよ
うな非正弦波形を用いて、鋳型を振動数f=180cp
mで振動した。本発明法では、鋳型上昇期の振動数fu
(cpm)が、次式に示す如く、鋳型下降期の振動数f
d (cpm)よりも大きくなるようにした。
るモデル連続鋳造装置において、本発明の効果の調査を
行った。このモデル装置における実験では、鋳型のスト
ロークS=8mm一定に対して、図3に実線Cで示すよ
うな非正弦波形を用いて、鋳型を振動数f=180cp
mで振動した。本発明法では、鋳型上昇期の振動数fu
(cpm)が、次式に示す如く、鋳型下降期の振動数f
d (cpm)よりも大きくなるようにした。
【0025】fu >fd …(4)
【0026】なお、次式で定義される歪率αは、60%
とした。
とした。
【0027】 α=(t2 /t1 )×100(%) …(5)
【0028】ここで、t1 は、同じ振動数fの正弦波
(破線B)の変位がゼロから一方のピークに至る迄の時
間、t2 は、該正弦波のピークに対する、本発明による
非正弦波(実線C)のピークのずれ時間である。
(破線B)の変位がゼロから一方のピークに至る迄の時
間、t2 は、該正弦波のピークに対する、本発明による
非正弦波(実線C)のピークのずれ時間である。
【0029】又、比較法としては、図3中に破線Bで示
したような、従来の正弦波形を用いた。
したような、従来の正弦波形を用いた。
【0030】鋳造速度Vc=2.0、2.5、3.0m
/分に対して、図7に示すように、全体の振動数f並び
に鋳型上昇期の振動数fu 、鋳型下降期の振動数fd を
変更することで、ネガティブストリップ時間tN を変化
させた。なお、鋳型のストロークSは、全て8mmで一
定とした。図7中のNo.1〜6が、正弦波を用いた従
来法による比較例、No.7〜12が非正弦波を用いた
本発明法による実施例であり、図7中に示したように、
従来法によるNo.1〜6では、全てブレークアウト
(B.O.)が発生したのに対して、本発明法によるN
o.7〜12では、ブレークアウトの発生が皆無であっ
た。
/分に対して、図7に示すように、全体の振動数f並び
に鋳型上昇期の振動数fu 、鋳型下降期の振動数fd を
変更することで、ネガティブストリップ時間tN を変化
させた。なお、鋳型のストロークSは、全て8mmで一
定とした。図7中のNo.1〜6が、正弦波を用いた従
来法による比較例、No.7〜12が非正弦波を用いた
本発明法による実施例であり、図7中に示したように、
従来法によるNo.1〜6では、全てブレークアウト
(B.O.)が発生したのに対して、本発明法によるN
o.7〜12では、ブレークアウトの発生が皆無であっ
た。
【0031】図4は、このときのネガティブスリップ時
間tN とモールドパウダ消費量Qの関係を示したもので
ある。このときのモールドパウダ消費量Qは、前出
(1)式で表現できる。
間tN とモールドパウダ消費量Qの関係を示したもので
ある。このときのモールドパウダ消費量Qは、前出
(1)式で表現できる。
【0032】図8は、モールドパウダ消費量Qとブレー
クアウト発生の関係を示したものである。拘束性ブレー
クアウトの発生は、モールドパウダ消費量の低下と共に
増大しており、(1)式を満足する範囲においては、ブ
レークアウトの発生は皆無であり、モールドパウダ消費
量も、鋳造速度Vc=3.0m/分まで、0.3Kg/
m2 以上が確保できている。従って、本発明法によれ
ば、より高速迄、ブレークアウトの発生なしに鋳造が可
能となることがわかる。
クアウト発生の関係を示したものである。拘束性ブレー
クアウトの発生は、モールドパウダ消費量の低下と共に
増大しており、(1)式を満足する範囲においては、ブ
レークアウトの発生は皆無であり、モールドパウダ消費
量も、鋳造速度Vc=3.0m/分まで、0.3Kg/
m2 以上が確保できている。従って、本発明法によれ
ば、より高速迄、ブレークアウトの発生なしに鋳造が可
能となることがわかる。
【0033】実機の連続鋳造設備において、本発明法を
用いて検証を行った結果、鋳造速度Vc=3.0m/分
といった高速鋳造が、ブレークアウト予知警報の発生な
しに実施できた。又、鋳片の表面形状は、従来法の鋳造
速度Vc=2.0m/分のものと同レベルにあり、欠陥
や割れのない、完全無欠陥鋳片の鋳造が可能であること
が確認できた。
用いて検証を行った結果、鋳造速度Vc=3.0m/分
といった高速鋳造が、ブレークアウト予知警報の発生な
しに実施できた。又、鋳片の表面形状は、従来法の鋳造
速度Vc=2.0m/分のものと同レベルにあり、欠陥
や割れのない、完全無欠陥鋳片の鋳造が可能であること
が確認できた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、振動条件の変更のみ
で、高速鋳造における拘束性ブレークアウトの発生を抑
制でき、鋳造速度を低下することなく、操業を続けるこ
とが可能となる。特に、従来鋳造が困難であった、鋳造
速度2.5m/分以上の高速鋳造が安定して可能となる
ため、生産性が飛躍的に向上する。
で、高速鋳造における拘束性ブレークアウトの発生を抑
制でき、鋳造速度を低下することなく、操業を続けるこ
とが可能となる。特に、従来鋳造が困難であった、鋳造
速度2.5m/分以上の高速鋳造が安定して可能となる
ため、生産性が飛躍的に向上する。
【図1】連続鋳造設備の概略を示す断面図
【図2】鋳型周辺の構成を示す断面図
【図3】本発明による非正弦波状の振動波形と従来法に
よる正弦波状の振動波形を比較して示す線図
よる正弦波状の振動波形を比較して示す線図
【図4】本発明の原理を説明するための、ネガティブス
トリップ時間とモールドパウダの消費量の関係の例を示
す線図
トリップ時間とモールドパウダの消費量の関係の例を示
す線図
【図5】正弦波状の振動波形における、鋳型振動数とネ
ガティブストリップ時間の関係の例を示す線図
ガティブストリップ時間の関係の例を示す線図
【図6】同じく、鋳造速度を高めた状態を示す線図
【図7】本発明の実施例における実験条件を、従来法に
よる比較例と比較して示す線図
よる比較例と比較して示す線図
【図8】本発明法及び比較法における、鋳造速度及びモ
ールドパウダ消費量と、ブレークアウト発生の有無の関
係を示す線図
ールドパウダ消費量と、ブレークアウト発生の有無の関
係を示す線図
10…溶鋼 12…凝固シェル 14…鋳片 28…鋳型 34…モールドパウダ 35…溶融パウダ tN …ネガティブストリップ時間 Vc…鋳造速度 Q…モールドパウダ消費量 S…鋳型振動ストローク fu …鋳型下降期の振動数 f…鋳型の振動数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸澤 宏一 岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 中戸 參 岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 反町 健一 岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内
Claims (1)
- 【請求項1】鋳型を上下に振動させながら鋼を連続鋳造
するに際して、 鋳型の下降時間が上昇時間に比べて長くなるように偏期
された振動波形を用い、 下向きを正とした鋳型の振動速度が鋼の鋳造速度Vc
(m/分)よりも速いネガティブストリップ時間t
N (秒)から、次式 Q=a・tN {1+(f・tN /60}+b ここで、a、b:定数 f:鋳型振動数 で求められるモールドパウダ消費量Qが、0.3Kg/
m2 以上となるように、 前記ネガティブストリップ時間tN を、次式 tN ={60/(π・fd )}×cos-1{1000V
c/(π・fd ・S)} で規定している鋳型振動ストロークS(mm)及び鋳型
下降時の振動数fd (cpm)を設定することにより、 高速鋳造時のブレークアウト発生を防止することを特徴
とする鋼の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16730596A JPH105956A (ja) | 1996-06-27 | 1996-06-27 | 鋼の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16730596A JPH105956A (ja) | 1996-06-27 | 1996-06-27 | 鋼の連続鋳造方法 |
Publications (1)
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JPH105956A true JPH105956A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15847294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16730596A Pending JPH105956A (ja) | 1996-06-27 | 1996-06-27 | 鋼の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH105956A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-06-27 JP JP16730596A patent/JPH105956A/ja active Pending
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