JP2002321044A - 金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法 - Google Patents
金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法Info
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- JP2002321044A JP2002321044A JP2001125327A JP2001125327A JP2002321044A JP 2002321044 A JP2002321044 A JP 2002321044A JP 2001125327 A JP2001125327 A JP 2001125327A JP 2001125327 A JP2001125327 A JP 2001125327A JP 2002321044 A JP2002321044 A JP 2002321044A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶融金属を連続鋳造する際に、凝固シェルと
鋳型内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳
片表面の割れやブレークアウト等を発生させずに安定し
て連続鋳造する。 【解決手段】 本発明の連続鋳造用鋳型6は、鋳型の鋳
片引き抜き方向上流側に第1の振動子15が設置され、
下流側に第2の振動子16が設置され、第1の振動子に
より鋳型に励起された振動を第2の振動子により吸収し
て、鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する振動が形成さ
れることを特徴とする。この際に、鋳片引き抜き方向へ
向かって伝播する振動の振動数を10kHz〜50kH
zとすることが好ましい。又、本発明の連続鋳造方法
は、鋳型内壁面に鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する
振動を発生させながら凝固シェル3を引き抜くことを特
徴とする。
鋳型内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳
片表面の割れやブレークアウト等を発生させずに安定し
て連続鋳造する。 【解決手段】 本発明の連続鋳造用鋳型6は、鋳型の鋳
片引き抜き方向上流側に第1の振動子15が設置され、
下流側に第2の振動子16が設置され、第1の振動子に
より鋳型に励起された振動を第2の振動子により吸収し
て、鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する振動が形成さ
れることを特徴とする。この際に、鋳片引き抜き方向へ
向かって伝播する振動の振動数を10kHz〜50kH
zとすることが好ましい。又、本発明の連続鋳造方法
は、鋳型内壁面に鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する
振動を発生させながら凝固シェル3を引き抜くことを特
徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の連続鋳造用
鋳型設備及び連続鋳造方法に関し、詳しくは凝固シェル
との接触面側となる内壁面に鋳片引き抜き方向に向かっ
て伝播する振動が形成される連続鋳造用鋳型設備及びこ
の鋳型を用いた連続鋳造方法に関するものである。
鋳型設備及び連続鋳造方法に関し、詳しくは凝固シェル
との接触面側となる内壁面に鋳片引き抜き方向に向かっ
て伝播する振動が形成される連続鋳造用鋳型設備及びこ
の鋳型を用いた連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶鋼等溶融金属を連続鋳造する際には、
鋳型内壁面と接触して冷却され生成した凝固シェルと、
鋳型内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳
片表面の割れやブレークアウト等を発生させずに安定し
て連続鋳造するために、鋳型を正弦波形等の波形により
数mm〜十数mmの振動ストロークで鋳片引き抜き方向
に沿って往復運動(この往復運動を「オシレーション」
と呼ぶ)させると共に、この鋳型内壁面には連続的若し
くは断続的に潤滑剤を供給している。溶鋼の場合には、
酸化物や炭酸塩及び弗化物等からなるモールドパウダー
を鋳型内の溶鋼湯面上に添加し、溶鋼の熱により溶融さ
せたモールドパウダーを鋳型内壁と凝固シェルとの間に
流入させ、潤滑剤として用いている。尚、ブレークアウ
トとは凝固シェルの破断や亀裂等により未凝固の溶湯が
流出する現象であり、振動ストロークとは往復運動の上
限と下限との巾である。
鋳型内壁面と接触して冷却され生成した凝固シェルと、
鋳型内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳
片表面の割れやブレークアウト等を発生させずに安定し
て連続鋳造するために、鋳型を正弦波形等の波形により
数mm〜十数mmの振動ストロークで鋳片引き抜き方向
に沿って往復運動(この往復運動を「オシレーション」
と呼ぶ)させると共に、この鋳型内壁面には連続的若し
くは断続的に潤滑剤を供給している。溶鋼の場合には、
酸化物や炭酸塩及び弗化物等からなるモールドパウダー
を鋳型内の溶鋼湯面上に添加し、溶鋼の熱により溶融さ
せたモールドパウダーを鋳型内壁と凝固シェルとの間に
流入させ、潤滑剤として用いている。尚、ブレークアウ
トとは凝固シェルの破断や亀裂等により未凝固の溶湯が
流出する現象であり、振動ストロークとは往復運動の上
限と下限との巾である。
【0003】更に、モールドパウダーの流入量を制御し
てブレークアウトや鋳片表面性状をより一層改善するた
めに、超音波振動や高周波振動を適用した例も報告され
ている。例えば、特開平1−122645号公報には、
複数個の超音波振動子により鋳型内の溶湯湯面近傍の鋳
型内壁を数kHzの振動数で振動させて連続鋳造する方
法が開示され、特開平3−210942号公報には、振
幅が10〜500μm、振動数が1000〜10000
cpmの高周波振動で鋳型を鋳片の引き抜き方向と直交
する方向に振動させて連続鋳造する方法が開示され、
又、特開平5−76997号公報には、対向する2対の
鋳型銅板から構成された鋳型において、鋳型全体を鋳片
引き抜き方向にオシレーションさせながら、一対の鋳型
銅板に高周波振動を付与しつつ、鋳型オシレーションの
振動サイクルに対応させて一対の鋳型銅板を水平方向に
振動させて連続鋳造する方法が開示されている。
てブレークアウトや鋳片表面性状をより一層改善するた
めに、超音波振動や高周波振動を適用した例も報告され
ている。例えば、特開平1−122645号公報には、
複数個の超音波振動子により鋳型内の溶湯湯面近傍の鋳
型内壁を数kHzの振動数で振動させて連続鋳造する方
法が開示され、特開平3−210942号公報には、振
幅が10〜500μm、振動数が1000〜10000
cpmの高周波振動で鋳型を鋳片の引き抜き方向と直交
する方向に振動させて連続鋳造する方法が開示され、
又、特開平5−76997号公報には、対向する2対の
鋳型銅板から構成された鋳型において、鋳型全体を鋳片
引き抜き方向にオシレーションさせながら、一対の鋳型
銅板に高周波振動を付与しつつ、鋳型オシレーションの
振動サイクルに対応させて一対の鋳型銅板を水平方向に
振動させて連続鋳造する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に鋳
片引き抜き方向に沿って鋳型を正弦波形等の波形でオシ
レーションさせた場合には、このオシレーションに伴っ
て生じるオシレーションマークが深くなって製品での表
面欠陥の原因になったり、鋳造した鋳片を冷却せずに直
接熱間圧延する、所謂熱間直送圧延のために鋳片引き抜
き速度を高速化した際には、モールドパウダーの流れ込
み量が減少して、凝固シェルと鋳型との焼き付きが発生
し、ブレークアウトの発生頻度が増加する。
片引き抜き方向に沿って鋳型を正弦波形等の波形でオシ
レーションさせた場合には、このオシレーションに伴っ
て生じるオシレーションマークが深くなって製品での表
面欠陥の原因になったり、鋳造した鋳片を冷却せずに直
接熱間圧延する、所謂熱間直送圧延のために鋳片引き抜
き速度を高速化した際には、モールドパウダーの流れ込
み量が減少して、凝固シェルと鋳型との焼き付きが発生
し、ブレークアウトの発生頻度が増加する。
【0005】又、単に鋳型内壁表面を超音波振動で振動
させた場合には、鋳型表面の振幅が振動の干渉等によっ
てまちまちになったり、振動数が大きい反面、振幅が小
さく、焼き付きやブレークアウトに対して期待するほど
の効果が得られない。同様に、単に高周波振動で鋳型を
鋳片の引き抜き方向と直交する方向に振動させた場合に
も、振動数が大きい反面、振幅が小さく、結果としてモ
ールドパウダーの流れ込み量が少なく、焼き付きやブレ
ークアウトに対して期待するほどの効果が得られない。
させた場合には、鋳型表面の振幅が振動の干渉等によっ
てまちまちになったり、振動数が大きい反面、振幅が小
さく、焼き付きやブレークアウトに対して期待するほど
の効果が得られない。同様に、単に高周波振動で鋳型を
鋳片の引き抜き方向と直交する方向に振動させた場合に
も、振動数が大きい反面、振幅が小さく、結果としてモ
ールドパウダーの流れ込み量が少なく、焼き付きやブレ
ークアウトに対して期待するほどの効果が得られない。
【0006】一方、鋳片引き抜き方向に沿って鋳型全体
をオシレーションさせながら、高周波振動を付与しつ
つ、このオシレーションサイクルに対応させて一対の鋳
型銅板を水平方向に振動させた場合には、モールドパウ
ダーの流れ込み量を精度良く制御することは可能となる
が、一対の鋳型銅板には3種類の振動が付与されること
になり、そのための設備が複雑になる。又、水平方向の
振動により水平方向振動を行わない他の一対の鋳型銅板
との間に隙間が生じ、この間隙に溶鋼のスプラッシュが
流入した場合には鋳型幅変更の際に鋳型内壁面を損傷し
たり、溶鋼が流入した場合にはブレークアウトの原因と
なる。
をオシレーションさせながら、高周波振動を付与しつ
つ、このオシレーションサイクルに対応させて一対の鋳
型銅板を水平方向に振動させた場合には、モールドパウ
ダーの流れ込み量を精度良く制御することは可能となる
が、一対の鋳型銅板には3種類の振動が付与されること
になり、そのための設備が複雑になる。又、水平方向の
振動により水平方向振動を行わない他の一対の鋳型銅板
との間に隙間が生じ、この間隙に溶鋼のスプラッシュが
流入した場合には鋳型幅変更の際に鋳型内壁面を損傷し
たり、溶鋼が流入した場合にはブレークアウトの原因と
なる。
【0007】このように、従来の鋳型振動方法では鋳型
内壁面と凝固シェルとの潤滑が未だ十分には行われてい
るとは云えず、その結果、凝固シェルと鋳型内壁面との
焼き付きやスティッキングに起因するブレークアウトも
防止しきれていないことが現状である。
内壁面と凝固シェルとの潤滑が未だ十分には行われてい
るとは云えず、その結果、凝固シェルと鋳型内壁面との
焼き付きやスティッキングに起因するブレークアウトも
防止しきれていないことが現状である。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、その目的とするところは、溶鋼等の溶融金属を連
続鋳造する際に、凝固シェルと鋳型内壁面との焼き付き
やスティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレーク
アウト等を発生させずに安定して連続鋳造することがで
きる連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法を提供するこ
とである。
ので、その目的とするところは、溶鋼等の溶融金属を連
続鋳造する際に、凝固シェルと鋳型内壁面との焼き付き
やスティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレーク
アウト等を発生させずに安定して連続鋳造することがで
きる連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するため、鋳型内壁面と凝固シェルとの間の摩擦を
低減するだけではなく、鋳型内壁面自体が凝固シェルを
鋳片引き抜き方向に向かって移動させる機能を具備する
という観点から鋭意検討した。その結果、鋳型内壁面に
進行性の振動を発生させることにより、鋳型内壁面に接
触している凝固シェルに鋳片引き抜き方向の駆動力を与
えることができ、これにより潤滑不良による焼き付きや
スティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレークア
ウト等を発生させずに安定して鋳造することができると
の知見が得られた。
解決するため、鋳型内壁面と凝固シェルとの間の摩擦を
低減するだけではなく、鋳型内壁面自体が凝固シェルを
鋳片引き抜き方向に向かって移動させる機能を具備する
という観点から鋭意検討した。その結果、鋳型内壁面に
進行性の振動を発生させることにより、鋳型内壁面に接
触している凝固シェルに鋳片引き抜き方向の駆動力を与
えることができ、これにより潤滑不良による焼き付きや
スティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレークア
ウト等を発生させずに安定して鋳造することができると
の知見が得られた。
【0010】進行性の振動波を鋳型内壁面に発生させる
には、鋳型の鋳片引き抜き方向上流側に振動を発生させ
るための第1の振動子を取り付け、鋳片引き抜き方向下
流側の他端にこの振動を吸収させるための第2の振動子
を取り付け、これらにより進行性の振動波を鋳型内壁面
に励起させることができる。
には、鋳型の鋳片引き抜き方向上流側に振動を発生させ
るための第1の振動子を取り付け、鋳片引き抜き方向下
流側の他端にこの振動を吸収させるための第2の振動子
を取り付け、これらにより進行性の振動波を鋳型内壁面
に励起させることができる。
【0011】本発明はこれらの知見に基づきなされたも
ので、第1の発明による金属の連続鋳造用鋳型設備は、
その内壁面には鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する振
動が形成されることを特徴とし、第2の発明による金属
の連続鋳造用鋳型設備は、鋳片引き抜き方向に沿った往
復運動が施されると共に、その内壁面には鋳片引き抜き
方向へ向かって伝播する振動が形成されることを特徴と
し、第3の発明による金属の連続鋳造用鋳型設備は、第
1の発明又は第2の発明において、鋳型の鋳片引き抜き
方向上流側に第1の振動子が設置され、下流側に第2の
振動子が設置され、第1の振動子により鋳型に励起され
た振動を第2の振動子により吸収して、鋳片引き抜き方
向へ向かって伝播する振動が形成されることを特徴と
し、第4の発明による金属の連続鋳造用鋳型設備は、第
1の発明ないし第3の発明の何れかにおいて、鋳片引き
抜き方向へ向かって伝播する振動の振動数が10kHz
〜50kHzであることを特徴とし、第5の発明による
金属の連続鋳造用鋳型設備は、第1の発明ないし第4の
発明の何れかにおいて、更に、鋳型内の溶融金属に磁場
を印加するための磁場発生装置が備えられていることを
特徴とする。
ので、第1の発明による金属の連続鋳造用鋳型設備は、
その内壁面には鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する振
動が形成されることを特徴とし、第2の発明による金属
の連続鋳造用鋳型設備は、鋳片引き抜き方向に沿った往
復運動が施されると共に、その内壁面には鋳片引き抜き
方向へ向かって伝播する振動が形成されることを特徴と
し、第3の発明による金属の連続鋳造用鋳型設備は、第
1の発明又は第2の発明において、鋳型の鋳片引き抜き
方向上流側に第1の振動子が設置され、下流側に第2の
振動子が設置され、第1の振動子により鋳型に励起され
た振動を第2の振動子により吸収して、鋳片引き抜き方
向へ向かって伝播する振動が形成されることを特徴と
し、第4の発明による金属の連続鋳造用鋳型設備は、第
1の発明ないし第3の発明の何れかにおいて、鋳片引き
抜き方向へ向かって伝播する振動の振動数が10kHz
〜50kHzであることを特徴とし、第5の発明による
金属の連続鋳造用鋳型設備は、第1の発明ないし第4の
発明の何れかにおいて、更に、鋳型内の溶融金属に磁場
を印加するための磁場発生装置が備えられていることを
特徴とする。
【0012】又、第6の発明による金属の連続鋳造方法
は、タンディッシュ内の溶湯を鋳型内に注入する工程
と、鋳型内で形成される凝固シェルを連続的に引き抜い
て鋳片を製造する引き抜き工程とを有する金属の連続鋳
造方法において、前記引き抜き工程では鋳型内壁面に鋳
片引き抜き方向へ向かって伝播する振動を発生させなが
ら凝固シェルを引き抜くことを特徴とし、第7の発明に
よる金属の連続鋳造方法は、第6の発明において、鋳片
引き抜き方向へ向かって伝播する振動の振動数を10k
Hz〜50kHzとすることを特徴とする。
は、タンディッシュ内の溶湯を鋳型内に注入する工程
と、鋳型内で形成される凝固シェルを連続的に引き抜い
て鋳片を製造する引き抜き工程とを有する金属の連続鋳
造方法において、前記引き抜き工程では鋳型内壁面に鋳
片引き抜き方向へ向かって伝播する振動を発生させなが
ら凝固シェルを引き抜くことを特徴とし、第7の発明に
よる金属の連続鋳造方法は、第6の発明において、鋳片
引き抜き方向へ向かって伝播する振動の振動数を10k
Hz〜50kHzとすることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、溶融金属として溶鋼の場合
を例にして、本発明の実施の形態を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の実施の形態を示す図であって、
本発明による鋳型設備を備えたスラブ連続鋳造機の鋳型
部分を鋳型短辺側から見た概略断面図、図2は、図1に
示すスラブ連続鋳造機の鋳型部分を鋳型長辺側から見た
概略断面図、図3は、図2のX−X’矢視による概略断
面図、図4は、鋳型に振動を与えるために本発明で用い
た第1の振動子の概略構成図、図5は、鋳型から振動を
吸収するために本発明で用いた第2の振動子の概略構成
図である。
を例にして、本発明の実施の形態を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の実施の形態を示す図であって、
本発明による鋳型設備を備えたスラブ連続鋳造機の鋳型
部分を鋳型短辺側から見た概略断面図、図2は、図1に
示すスラブ連続鋳造機の鋳型部分を鋳型長辺側から見た
概略断面図、図3は、図2のX−X’矢視による概略断
面図、図4は、鋳型に振動を与えるために本発明で用い
た第1の振動子の概略構成図、図5は、鋳型から振動を
吸収するために本発明で用いた第2の振動子の概略構成
図である。
【0014】図1〜図3に示すように、鋳型6は、相対
する鋳型長辺7とこの鋳型長辺7内を摺動自在に内装さ
れた相対する鋳型短辺8とを備えており、正弦波形等の
波形により数mm〜十数mmの振動ストローク及び数十
〜数百cpmの振動数で鋳片引き抜き方向に沿って往復
運動即ちオシレーションが可能となっている。
する鋳型長辺7とこの鋳型長辺7内を摺動自在に内装さ
れた相対する鋳型短辺8とを備えており、正弦波形等の
波形により数mm〜十数mmの振動ストローク及び数十
〜数百cpmの振動数で鋳片引き抜き方向に沿って往復
運動即ちオシレーションが可能となっている。
【0015】そして、鋳型長辺7及び鋳型短辺8の溶鋼
1の入口側、即ち鋳片引き抜き方向の上流側には、鋳型
長辺7及び鋳型短辺8を振動させるための第1の振動子
15が設置されている。この第1の振動子15は、図4
に示すように、振動体17と、振動エネルギーを拡大す
るためのホーン18と、振動体17を振動させるための
発信装置19とを備えている。
1の入口側、即ち鋳片引き抜き方向の上流側には、鋳型
長辺7及び鋳型短辺8を振動させるための第1の振動子
15が設置されている。この第1の振動子15は、図4
に示すように、振動体17と、振動エネルギーを拡大す
るためのホーン18と、振動体17を振動させるための
発信装置19とを備えている。
【0016】一方、鋳型長辺7及び鋳型短辺8の鋳片引
き抜き方向の下流側には、第1の振動子15により励起
された振動を吸収するための第2の振動子16が設置さ
れている。この第2の振動子16は、図5に示すよう
に、振動体17と、振動エネルギーを拡大するためのホ
ーン18と、インダクタンス20及び抵抗21からなり
第1の振動子15により発せられた振動を電気的に吸収
するための電気的共振回路とを備えている。
き抜き方向の下流側には、第1の振動子15により励起
された振動を吸収するための第2の振動子16が設置さ
れている。この第2の振動子16は、図5に示すよう
に、振動体17と、振動エネルギーを拡大するためのホ
ーン18と、インダクタンス20及び抵抗21からなり
第1の振動子15により発せられた振動を電気的に吸収
するための電気的共振回路とを備えている。
【0017】第1の振動子15によって鋳型長辺7及び
鋳型短辺8の内壁面に励起された振動は、鋳型長辺7及
び鋳型短辺8の下端部まで伝播して第2の振動子16に
より吸収され、鋳型長辺7及び鋳型短辺8の下端部での
振動の反射がなくなるので、鋳型長辺7及び鋳型短辺8
の上端部から下端部への一方向即ち鋳片引き抜き方向と
同一方向へ伝播する進行性の振動(以下「進行波」と呼
ぶ)が形成される。この進行波により凝固シェル3と鋳
型長辺7及び鋳型短辺8の内壁面との摩擦係数が低減す
るのみならず、振動する内壁面と接触する凝固シェル3
には進行波の進行方向即ち鋳片引き抜き方向への駆動力
が生じ、強制的に鋳片引き抜き方向に移動させられるた
め、凝固シェル3と鋳型長辺7及び鋳型短辺8の内壁面
との焼き付きやスティッキングを防止することができ
る。この場合、一次元に伝播する進行波以外の振動も鋳
型長辺7及び鋳型短辺8の側面からの反射の影響等によ
り励起されがちであるが、これらの振動が励起されたと
しても進行波が発生している限り、引き抜き能力を阻害
するものではない。
鋳型短辺8の内壁面に励起された振動は、鋳型長辺7及
び鋳型短辺8の下端部まで伝播して第2の振動子16に
より吸収され、鋳型長辺7及び鋳型短辺8の下端部での
振動の反射がなくなるので、鋳型長辺7及び鋳型短辺8
の上端部から下端部への一方向即ち鋳片引き抜き方向と
同一方向へ伝播する進行性の振動(以下「進行波」と呼
ぶ)が形成される。この進行波により凝固シェル3と鋳
型長辺7及び鋳型短辺8の内壁面との摩擦係数が低減す
るのみならず、振動する内壁面と接触する凝固シェル3
には進行波の進行方向即ち鋳片引き抜き方向への駆動力
が生じ、強制的に鋳片引き抜き方向に移動させられるた
め、凝固シェル3と鋳型長辺7及び鋳型短辺8の内壁面
との焼き付きやスティッキングを防止することができ
る。この場合、一次元に伝播する進行波以外の振動も鋳
型長辺7及び鋳型短辺8の側面からの反射の影響等によ
り励起されがちであるが、これらの振動が励起されたと
しても進行波が発生している限り、引き抜き能力を阻害
するものではない。
【0018】第1の振動子15により鋳型長辺7及び鋳
型短辺8に励起される振動の振動数は、10kHz〜5
0kHzの範囲、望ましくは20kHz〜40kHzの
範囲とすることが好ましい。10kHz未満では波長が
長くなり、凝固シェル3に働く駆動力が減少してしまう
可能性があり、一方、50kHzを越えると波長が短か
くなり過ぎ、振幅が小さくなって凝固シェル3に働く駆
動力が減少してしまうためである。
型短辺8に励起される振動の振動数は、10kHz〜5
0kHzの範囲、望ましくは20kHz〜40kHzの
範囲とすることが好ましい。10kHz未満では波長が
長くなり、凝固シェル3に働く駆動力が減少してしまう
可能性があり、一方、50kHzを越えると波長が短か
くなり過ぎ、振幅が小さくなって凝固シェル3に働く駆
動力が減少してしまうためである。
【0019】図3に示すように、本実施の形態ではそれ
ぞれの鋳型長辺7には3個の第1の振動子15と3個の
第2の振動子16とが設置され、又、それぞれの鋳型短
辺8には1個の第1の振動子15と1個の第2の振動子
16とが設置されているが、第1の振動子15及び第2
の振動子16の設置個数はこれに限るわけではなく、各
々の鋳型長辺7及び鋳型短辺8に一個以上ずつ設置され
ていれば良い。又、発生した進行波のエネルギーを迅速
に吸収するためには第1の振動子15と第2の振動子1
6とを対にして設置することが望ましく、この観点から
第2の振動子16は、第1の振動子15と同一個数設置
することが好ましい。更に、鋳型6の内壁面全域に一方
向の進行波を形成させる観点から、第1の振動子15及
び第2の振動子16は鋳型長辺7及び鋳型短辺8の上端
部及び下端部に設置することが好ましい。
ぞれの鋳型長辺7には3個の第1の振動子15と3個の
第2の振動子16とが設置され、又、それぞれの鋳型短
辺8には1個の第1の振動子15と1個の第2の振動子
16とが設置されているが、第1の振動子15及び第2
の振動子16の設置個数はこれに限るわけではなく、各
々の鋳型長辺7及び鋳型短辺8に一個以上ずつ設置され
ていれば良い。又、発生した進行波のエネルギーを迅速
に吸収するためには第1の振動子15と第2の振動子1
6とを対にして設置することが望ましく、この観点から
第2の振動子16は、第1の振動子15と同一個数設置
することが好ましい。更に、鋳型6の内壁面全域に一方
向の進行波を形成させる観点から、第1の振動子15及
び第2の振動子16は鋳型長辺7及び鋳型短辺8の上端
部及び下端部に設置することが好ましい。
【0020】図3及び図4に示す第1の振動子15は、
1つの振動体17及びホーン18に対して1つの発信装
置19が設置されているが、図6に示すように、複数の
振動体17及びホーン18を1つの発信装置19で振動
させても良い。図6は、8個の振動体17及びホーン1
8を鋳型長辺7及び鋳型短辺8に設置し、これらとは離
れた位置に1個の発信装置19を設置して、1個の発信
装置19により8個の振動体17及びホーン18を振動
させる第1の振動子15の構成を示す概略図である。
1つの振動体17及びホーン18に対して1つの発信装
置19が設置されているが、図6に示すように、複数の
振動体17及びホーン18を1つの発信装置19で振動
させても良い。図6は、8個の振動体17及びホーン1
8を鋳型長辺7及び鋳型短辺8に設置し、これらとは離
れた位置に1個の発信装置19を設置して、1個の発信
装置19により8個の振動体17及びホーン18を振動
させる第1の振動子15の構成を示す概略図である。
【0021】ところで図1〜図3に示すような型式の連
続鋳造機の場合には、鋳型長辺7及び鋳型短辺8は、そ
の背面に冷却水を通すためのスリットが設けられた鋳型
銅板(図示せず)と、このスリットに冷却水を通じるた
めの水箱(図示せず)と、スリットの背面に接続される
背面板(図示せず)とから構成されることが一般的であ
る。この場合、水箱及び背面板は鋳型銅板とボルト等に
より接続されてはいるが、水箱及び背面板に第1の振動
子15を設置しても鋳型6の内壁面には振動が伝わり難
く、効率が低下する。そのため、例えば水箱や背面板に
冷却水が漏洩しないような孔を設け、第1の振動子15
を鋳型銅板に直接接触させて設置することが好ましい。
第2の振動子16も同様である。
続鋳造機の場合には、鋳型長辺7及び鋳型短辺8は、そ
の背面に冷却水を通すためのスリットが設けられた鋳型
銅板(図示せず)と、このスリットに冷却水を通じるた
めの水箱(図示せず)と、スリットの背面に接続される
背面板(図示せず)とから構成されることが一般的であ
る。この場合、水箱及び背面板は鋳型銅板とボルト等に
より接続されてはいるが、水箱及び背面板に第1の振動
子15を設置しても鋳型6の内壁面には振動が伝わり難
く、効率が低下する。そのため、例えば水箱や背面板に
冷却水が漏洩しないような孔を設け、第1の振動子15
を鋳型銅板に直接接触させて設置することが好ましい。
第2の振動子16も同様である。
【0022】鋳型長辺7の背面には、鋳型6内の溶鋼湯
面4近傍の溶鋼1に移動磁場を印加するための移動磁場
発生装置22と、タンディッシュノズル12の吐出孔1
3から吐出される溶鋼1に静磁場を印加して溶鋼流速に
制動力を作用させるための静磁場発生装置23とが設置
されている。移動磁場の印加により溶鋼1は溶鋼湯面4
の近傍で水平方向の旋回流を形成し、凝固シェル3に捕
捉された気泡や介在物を洗い流して清浄な鋳片2の製造
に寄与する。又、静磁場の印加により吐出孔13から吐
出される溶鋼流速は減速し、溶鋼1中の介在物の浮上が
促進され、清浄な鋳片2の製造に寄与する。但し、移動
磁場発生装置22及び静磁場発生装置23の設置は本発
明に必須の条件ではなく、必ずしも設置する必要はな
い。
面4近傍の溶鋼1に移動磁場を印加するための移動磁場
発生装置22と、タンディッシュノズル12の吐出孔1
3から吐出される溶鋼1に静磁場を印加して溶鋼流速に
制動力を作用させるための静磁場発生装置23とが設置
されている。移動磁場の印加により溶鋼1は溶鋼湯面4
の近傍で水平方向の旋回流を形成し、凝固シェル3に捕
捉された気泡や介在物を洗い流して清浄な鋳片2の製造
に寄与する。又、静磁場の印加により吐出孔13から吐
出される溶鋼流速は減速し、溶鋼1中の介在物の浮上が
促進され、清浄な鋳片2の製造に寄与する。但し、移動
磁場発生装置22及び静磁場発生装置23の設置は本発
明に必須の条件ではなく、必ずしも設置する必要はな
い。
【0023】そして、このような鋳型6の上方所定位置
に、内部を耐火物10で構成されたタンディッシュ9が
タンディッシュカー(図示せず)に積載されて配置され
ている。タンディッシュ9の底部には耐火物10と嵌合
して浸漬型のタンディッシュノズル12が配置され、一
方、タンディッシュ9内には、タンディッシュノズル1
2の鉛直上方位置にストッパー11が設置されている。
ストッパー11を上下に移動させて、ストッパー11の
先端とタンディッシュノズル12の上端との間隙を調整
することにより、タンディッシュ9から鋳型6への溶鋼
1の注入量が制御されるようになっている。鋳型6の直
下には、複数対(図1では一対のみ示す)の鋳片支持ロ
ール14が設置されている。
に、内部を耐火物10で構成されたタンディッシュ9が
タンディッシュカー(図示せず)に積載されて配置され
ている。タンディッシュ9の底部には耐火物10と嵌合
して浸漬型のタンディッシュノズル12が配置され、一
方、タンディッシュ9内には、タンディッシュノズル1
2の鉛直上方位置にストッパー11が設置されている。
ストッパー11を上下に移動させて、ストッパー11の
先端とタンディッシュノズル12の上端との間隙を調整
することにより、タンディッシュ9から鋳型6への溶鋼
1の注入量が制御されるようになっている。鋳型6の直
下には、複数対(図1では一対のみ示す)の鋳片支持ロ
ール14が設置されている。
【0024】このような構成の連続鋳造機における連続
鋳造方法を以下に説明する。先ず、取鍋(図示せず)か
らタンディッシュ9内に溶鋼1を注入し、次いでストッ
パー11を作動させてタンディッシュノズル12の下部
に設けた吐出孔13を介して鋳型6内に溶鋼1を注入す
る。その際に鋳型6を鋳片引き抜き方向に沿ってオシレ
ーションさせると共に、鋳型長辺7及び鋳型短辺8の内
壁面には第1の振動子15及び第2の振動子16による
進行波を励起させる。前述したように進行波の振動数は
10kHz〜50kHzの範囲、望ましくは20kHz
〜40kHzとすることが好ましい。又、鋳型6内の溶
鋼湯面4上にはモールドパウダー5を添加する。モール
ドパウダー5は、凝固シェル3と鋳型6との潤滑剤でも
あるが、その他に溶鋼湯面4の保温剤、溶鋼1中の介在
物の吸収剤、及び溶鋼湯面4の酸化防止剤としての機能
を有する。
鋳造方法を以下に説明する。先ず、取鍋(図示せず)か
らタンディッシュ9内に溶鋼1を注入し、次いでストッ
パー11を作動させてタンディッシュノズル12の下部
に設けた吐出孔13を介して鋳型6内に溶鋼1を注入す
る。その際に鋳型6を鋳片引き抜き方向に沿ってオシレ
ーションさせると共に、鋳型長辺7及び鋳型短辺8の内
壁面には第1の振動子15及び第2の振動子16による
進行波を励起させる。前述したように進行波の振動数は
10kHz〜50kHzの範囲、望ましくは20kHz
〜40kHzとすることが好ましい。又、鋳型6内の溶
鋼湯面4上にはモールドパウダー5を添加する。モール
ドパウダー5は、凝固シェル3と鋳型6との潤滑剤でも
あるが、その他に溶鋼湯面4の保温剤、溶鋼1中の介在
物の吸収剤、及び溶鋼湯面4の酸化防止剤としての機能
を有する。
【0025】鋳型6内に注入された溶鋼1は鋳型長辺7
及び鋳型短辺8の内壁面により冷却され、鋳型長辺7及
び鋳型短辺8の内壁面に沿って凝固シェル3を形成す
る。この凝固シェル3を鋳型6の下方に設けたピンチロ
ール(図示せず)により鋳型6の下方側に連続的に引き
抜く。表層部を凝固シェル3とし、内部を未凝固の溶鋼
1とした鋳片2は、鋳型6から引き抜かれた後には複数
対の鋳片支持ロール14に支持されながら、鋳片支持ロ
ール14の間に設置されたスプレーノズル(図示せず)
から噴霧される冷却水により冷却され、やがて内部まで
凝固する。この鋳片2を連続鋳造機の出口側に設けたガ
ス切断機にて所定長さに切断して連続鋳造鋳片2を製造
する。
及び鋳型短辺8の内壁面により冷却され、鋳型長辺7及
び鋳型短辺8の内壁面に沿って凝固シェル3を形成す
る。この凝固シェル3を鋳型6の下方に設けたピンチロ
ール(図示せず)により鋳型6の下方側に連続的に引き
抜く。表層部を凝固シェル3とし、内部を未凝固の溶鋼
1とした鋳片2は、鋳型6から引き抜かれた後には複数
対の鋳片支持ロール14に支持されながら、鋳片支持ロ
ール14の間に設置されたスプレーノズル(図示せず)
から噴霧される冷却水により冷却され、やがて内部まで
凝固する。この鋳片2を連続鋳造機の出口側に設けたガ
ス切断機にて所定長さに切断して連続鋳造鋳片2を製造
する。
【0026】この場合、鋳型6の内壁面自体が凝固シェ
ル3を鋳片引き抜き方向に移動させる駆動力を有するの
で、鋳型6の従来のオシレーションを停止させたり、
又、振動ストローク及び振動数を低減させたりしても良
い。但し、従来のオシレーションを併用することによ
り、凝固シェル3の焼き付き及びスティッキングがより
一層防止されるので、従来のオシレーションを併用する
ことが好ましい。又、潤滑剤としてのモールドパウダー
5も削減することができるので、前述した他の3つの機
能が損なわれない限り、使用量を削減したり、安価な組
成に変更することができる。
ル3を鋳片引き抜き方向に移動させる駆動力を有するの
で、鋳型6の従来のオシレーションを停止させたり、
又、振動ストローク及び振動数を低減させたりしても良
い。但し、従来のオシレーションを併用することによ
り、凝固シェル3の焼き付き及びスティッキングがより
一層防止されるので、従来のオシレーションを併用する
ことが好ましい。又、潤滑剤としてのモールドパウダー
5も削減することができるので、前述した他の3つの機
能が損なわれない限り、使用量を削減したり、安価な組
成に変更することができる。
【0027】このように、本発明による鋳型6を用いて
溶鋼1等の溶融金属を連続鋳造することにより、凝固シ
ェル3と鋳型6の内壁面との焼き付きやスティッキング
を防止して、鋳片2の表面割れやブレークアウト等を発
生させずに安定して連続鋳造することができる。又、鋳
型6をオシレーションせずに鋳造したり、オシレーショ
ンの振動ストローク及び振動数を低減することができる
ので、オシレーションマークが浅くなり、オシレーショ
ンマークに起因する表面欠陥を低減することが可能とな
る。更に、モールドパウダー5の潤滑機能を重視する必
要がなく、例えば鋳型6内で溶鋼1中に巻き込まれにく
い高粘性の組成とすることが可能となり、モールドパウ
ダー5の巻き込みによる欠陥も低減することができる。
溶鋼1等の溶融金属を連続鋳造することにより、凝固シ
ェル3と鋳型6の内壁面との焼き付きやスティッキング
を防止して、鋳片2の表面割れやブレークアウト等を発
生させずに安定して連続鋳造することができる。又、鋳
型6をオシレーションせずに鋳造したり、オシレーショ
ンの振動ストローク及び振動数を低減することができる
ので、オシレーションマークが浅くなり、オシレーショ
ンマークに起因する表面欠陥を低減することが可能とな
る。更に、モールドパウダー5の潤滑機能を重視する必
要がなく、例えば鋳型6内で溶鋼1中に巻き込まれにく
い高粘性の組成とすることが可能となり、モールドパウ
ダー5の巻き込みによる欠陥も低減することができる。
【0028】尚、本発明は上記説明に限定される訳では
なく、種々の変更が可能である。例えば、上記説明では
スラブ連続鋳造機の鋳型6に本発明を適用しているが、
ブルーム連続鋳造機やビレット連続鋳造機の鋳型に適用
することができる。又、溶融金属として溶鋼1の場合を
例にしているが、AlやCuの連続鋳造にも適用するこ
とができる。更に、溶鋼注入量の制御手段としてストッ
パー11を用いているが、スライディングノズル形式と
しても良い。
なく、種々の変更が可能である。例えば、上記説明では
スラブ連続鋳造機の鋳型6に本発明を適用しているが、
ブルーム連続鋳造機やビレット連続鋳造機の鋳型に適用
することができる。又、溶融金属として溶鋼1の場合を
例にしているが、AlやCuの連続鋳造にも適用するこ
とができる。更に、溶鋼注入量の制御手段としてストッ
パー11を用いているが、スライディングノズル形式と
しても良い。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、溶鋼等の溶融金属を連
続鋳造する際に、凝固シェルと鋳型内壁面との焼き付き
やスティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレーク
アウト等を発生させずに安定して連続鋳造することがで
き、その結果、製造コストの大幅な削減が達成され、工
業上有益な効果がもたらされる。
続鋳造する際に、凝固シェルと鋳型内壁面との焼き付き
やスティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレーク
アウト等を発生させずに安定して連続鋳造することがで
き、その結果、製造コストの大幅な削減が達成され、工
業上有益な効果がもたらされる。
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、本発明による
鋳型設備を備えたスラブ連続鋳造機の鋳型部分を鋳型短
辺側から見た概略断面図である。
鋳型設備を備えたスラブ連続鋳造機の鋳型部分を鋳型短
辺側から見た概略断面図である。
【図2】図1に示す連続鋳造機の鋳型部分を鋳型長辺側
から見た概略断面図である。
から見た概略断面図である。
【図3】図2のX−X’矢視による概略断面図である。
【図4】本発明で用いた第1の振動子の概略構成図であ
る。
る。
【図5】本発明で用いた第2の振動子の概略構成図であ
る。
る。
【図6】第1の振動子の他の構成を示す概略図である。
1 溶鋼 2 鋳片 3 凝固シェル 5 モールドパウダー 6 鋳型 7 鋳型長辺 8 鋳型短辺 9 タンディッシュ 11 ストッパー 12 タンディッシュノズル 14 鋳片支持ロール 15 第1の振動子 16 第2の振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 匡平 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E004 AD04 MA02 MB11
Claims (7)
- 【請求項1】 その内壁面には鋳片引き抜き方向へ向か
って伝播する振動が形成されることを特徴とする、金属
の連続鋳造用鋳型設備。 - 【請求項2】 鋳片引き抜き方向に沿った往復運動が施
されると共に、その内壁面には鋳片引き抜き方向へ向か
って伝播する振動が形成されることを特徴とする、金属
の連続鋳造用鋳型設備。 - 【請求項3】 鋳型の鋳片引き抜き方向上流側に第1の
振動子が設置され、下流側に第2の振動子が設置され、
第1の振動子により鋳型に励起された振動を第2の振動
子により吸収して、鋳片引き抜き方向へ向かって伝播す
る振動が形成されることを特徴とする請求項1又は請求
項2に記載の、金属の連続鋳造用鋳型設備。 - 【請求項4】 鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する振
動の振動数が10kHz〜50kHzであることを特徴
とする請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の、
金属の連続鋳造用鋳型設備。 - 【請求項5】 更に、鋳型内の溶融金属に磁場を印加す
るための磁場発生装置が備えられていることを特徴とす
る請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の、金属
の連続鋳造用鋳型設備。 - 【請求項6】 タンディッシュ内の溶湯を鋳型内に注入
する工程と、鋳型内で形成される凝固シェルを連続的に
引き抜いて鋳片を製造する引き抜き工程とを有する金属
の連続鋳造方法において、前記引き抜き工程では鋳型内
壁面に鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する振動を発生
させながら凝固シェルを引き抜くことを特徴とする、金
属の連続鋳造方法。 - 【請求項7】 鋳片引き抜き方向へ向かって伝播する振
動の振動数を10kHz〜50kHzとすることを特徴
とする請求項6に記載の、金属の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001125327A JP2002321044A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | 金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001125327A JP2002321044A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | 金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002321044A true JP2002321044A (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=18974569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001125327A Pending JP2002321044A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | 金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002321044A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017221963A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | 新日鐵住金株式会社 | 連続鋳造機及び連続鋳造方法 |
WO2018165316A1 (en) * | 2017-03-08 | 2018-09-13 | Southwire Company, Llc | Grain refining with direct vibrational coupling |
CN111069555A (zh) * | 2020-02-10 | 2020-04-28 | 江西理工大学 | 提高连铸铸锭表面质量的耦合振动铸造方法 |
-
2001
- 2001-04-24 JP JP2001125327A patent/JP2002321044A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017221963A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | 新日鐵住金株式会社 | 連続鋳造機及び連続鋳造方法 |
EP3592483A4 (en) * | 2017-03-08 | 2020-08-05 | Southwire Company, LLC | GRAIN REFINING WITH DIRECT VIBRATION COUPLING |
KR20190127801A (ko) * | 2017-03-08 | 2019-11-13 | 사우쓰와이어 컴퍼니, 엘엘씨 | 직접 진동 커플링을 이용한 결정립 미세화 |
CN110461501A (zh) * | 2017-03-08 | 2019-11-15 | 南线有限责任公司 | 具有直接振动耦合的晶粒细化 |
JP2020510537A (ja) * | 2017-03-08 | 2020-04-09 | サウスワイヤー・カンパニー、エルエルシー | 直接的振動結合を用いる結晶粒微細化 |
WO2018165316A1 (en) * | 2017-03-08 | 2018-09-13 | Southwire Company, Llc | Grain refining with direct vibrational coupling |
RU2764885C2 (ru) * | 2017-03-08 | 2022-01-24 | Саузвайр Компани, Ллс | Измельчение зерна металлов с применением непосредственной передачи энергии колебаний при производстве литых металлических заготовок |
CN110461501B (zh) * | 2017-03-08 | 2022-04-26 | 南线有限责任公司 | 具有直接振动耦合的晶粒细化 |
JP7296883B2 (ja) | 2017-03-08 | 2023-06-23 | サウスワイヤー・カンパニー、エルエルシー | 直接的振動結合を用いる結晶粒微細化 |
KR102611259B1 (ko) * | 2017-03-08 | 2023-12-08 | 사우쓰와이어 컴퍼니, 엘엘씨 | 직접 진동 커플링을 이용한 결정립 미세화 |
US11998975B2 (en) | 2017-03-08 | 2024-06-04 | Southwire Company, Llc | Grain refining with direct vibrational coupling |
CN111069555A (zh) * | 2020-02-10 | 2020-04-28 | 江西理工大学 | 提高连铸铸锭表面质量的耦合振动铸造方法 |
CN111069555B (zh) * | 2020-02-10 | 2021-09-10 | 江西理工大学 | 提高连铸铸锭表面质量的耦合振动铸造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
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