JP2006281314A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋳型内の溶鋼にリニア型移動磁場を印加して鋳型内の溶鋼流動を制御するに際し、鋳片幅によって定まる定在波の発生を抑えながら移動磁場を用いて溶鋼流動を制御する。
【解決手段】 リニア型移動磁場発生装置3を用いて鋳型1内の溶鋼に移動磁場を印加し、当該溶鋼の流動を制御するに当たり、印加する移動磁場の周波数を、鋳造する鋳片の幅寸法に基づき下記の(1)式によって算出される定在波の周波数から回避した範囲とする。但し、(1)式において、f0 は定在波の周波数(Hz)、nはモード次数、gは重力加速度(m/秒2)、Lは鋳片幅(m)である。
0 =[(ng)/(4πL)]0.5 …(1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋳型内の溶鋼に移動磁場を印加しながら鋳造する鋼の連続鋳造方法に関するものである。
連続鋳造機で鋳造される鋼のスラブ鋳片(以下、単に「鋳片」とも記す)に要求される品質の1つとして、鋳片中の非金属介在物(以下、「介在物」と記す)の含有量が少ないことが挙げられる。鋳片に捕り込まれる介在物には、(1):Alなどによる溶鋼の脱酸工程で発生し、溶鋼中に懸濁しているアルミナなどの脱酸生成物、(2):タンディッシュや浸漬ノズルで溶鋼内に吹き込まれるArガスなどの不活性ガスのガス気泡、(3):鋳型内の溶鋼湯面上に散布したモールドパウダーが溶鋼中に巻込まれて懸濁したもの、などがある。これらは何れも薄鋼板製品において表面欠陥となるため、何れも少なくすることが重要である。
しかも、近年、連続鋳造機の生産性を向上させるために、鋳造速度即ち鋳型内への溶鋼の供給速度を増加させた高速鋳造化が推進されている。このような高速鋳造操業では、鋳型内への溶鋼の供給量の増加に伴って鋳型内に注入される溶鋼の吐出流速が増加するため、即ち鋳型内における溶鋼の運動エネルギーが増加するため、溶鋼中に巻込まれるモールドパウダーの発生頻度が高くなるとともに、浸漬ノズルからの吐出流が鋳型短辺側の凝固シェルに衝突した後に分岐して下流側に向かって流れる侵入流の侵入深さが増大し、この侵入流に随伴して未凝固層の深くまで侵入して鋳片中に捕捉される脱酸生成物も多くなり、全体的に鋳片の介在物含有量が増加する傾向となる。
そのため、高速鋳造時のスラブ鋳片中の介在物量の低減を目的とする、鋳型内溶鋼の運動エネルギーを低減する手段として、鋳型内の溶鋼に磁場を印加し、印加した磁場と溶鋼との作用によって誘導電流を生じさせ、この誘導電流と印加した磁場とが作用して溶鋼に生じる電磁気力を利用し、鋳型内における溶鋼の運動エネルギーを制御する方法が、広く採用されている。
例えば、特許文献1には、鋳型の長辺方向に沿って水平に移動する磁界(リニア型移動磁界)を、鋳型短辺側から浸漬ノズル側に向かう方向、つまり浸漬ノズルからの溶鋼の吐出方向と反対方向に移動させ、浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えながらスラブ鋳片を連続鋳造する方法が提案されている。また、特許文献2には、鋳型内の溶鋼湯面で一方向に循環する溶鋼流を形成するように、リニア型移動磁界を印加する方法が提案されている。
特開平9−192801号公報 特開平6−606号公報
ところで、鋳型内の溶鋼湯面は、鋳型幅つまり鋳片幅によって定まる固有の振動数、例えば鋳型幅を1波長とする或いは1/2波長とするなどの固有の振動数で湯面変動する場合がある。この湯面変動を定在波と称する。定在波が発生すると、共振した状態になることから鋳型内の湯面変動は極端に大きくなり、従って、モールドパウダーの巻き込みなどの品質面のみならず、操業の安定性の面からも定在波を抑制することが必要不可欠となる。この定在波の周波数は、下記の(1)式によって求めることができる。但し、(1)式において、f0 は定在波の周波数(Hz)、nはモード次数、gは重力加速度(m/秒2)、Lは鋳片幅(m)である。
Figure 2006281314
前述したリニア型移動磁界を発生するためのリニア型移動磁場発生装置には、例えば図1に示すように、複数の電磁コイルが幅方向に並んで設置されており、隣り合う電磁コイルに流す電流の位相をずらすことにより、所謂リニアタイプの移動磁場を発生させている。図1において、1は鋳型、2は浸漬ノズル、3はリニア型移動磁場発生装置、FX は溶鋼に作用する電磁力、VX は移動磁場の移動速度、BYは移動磁場の磁束密度を表している。この磁場の移動速度VX は、電磁コイルのポールピッチτと周波数fとから、下記の(2)式によって表される。電磁コイルのポールピッチとは、S極からN極までの距離である。
Figure 2006281314
ローレンツの法則より、発生する誘導電流JZ は下記の(3)式で表される。但し、(3)式において、σは溶鋼の電気伝導度、VX は移動磁場の移動速度、BYは移動磁場の磁束密度である。
Figure 2006281314
電磁力FX は下記の(4)式で表され、主に磁場の移動方向と同じ向きに電磁力FX が作用する。即ち、周波数fの周期で溶鋼に電磁力FXが作用することになる。
Figure 2006281314
本発明者等は、印加するリニア型移動磁界の周波数fが定在波の周波数f0 と同一或いはその近傍であるときには、移動磁場を印加することで定在波の発生が助長されることを知見した。そして、鋳造速度を高速化するほど、定在波の発生が助長されることも知見した。
しかしながら、前述した特許文献1及び特許文献2に開示されるように、従来、印加する移動磁場の周波数と、鋳片幅によって定まる定在波の周波数とを関連させ、印加する移動磁場の周波数を鋳片幅に応じて設定することは、何ら提案されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳型内の溶鋼にリニア型移動磁場を印加して鋳型内の溶鋼流動を制御するに際し、鋳片幅によって定まる定在波の発生を抑えながら、移動磁場による溶鋼流動制御を行うことのできる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、リニア型移動磁場発生装置を用いて鋳型内の溶鋼に移動磁場を印加し、当該溶鋼の流動を制御するに当たり、印加する移動磁場の周波数を、鋳造する鋳片の幅寸法に基づき下記の(1)式によって算出される定在波の周波数から回避した範囲とすることを特徴とするものである。但し、(1)式において、f0 は定在波の周波数(Hz)、nはモード次数、gは重力加速度(m/秒2)、Lは鋳片幅(m)である。
Figure 2006281314
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、タンディッシュから鋳型へ溶鋼を注入する浸漬ノズルとして、溶鋼の流下する内孔部に1段または複数の段差部が形成された浸漬ノズルを使用することを特徴とするものである。
本発明によれば、移動磁場を印加するに当たり、鋳片幅によって定まる定在波の周波数を回避した範囲の周波数を有する移動磁場を印加するので、定在波の発生を抑制しつつ移動磁場による鋳型内溶鋼流動の制御を行うことができる。その結果、定在波に起因する鋳型内湯面変動量を大幅に減少させることが可能となり、移動磁場印加による効果に加えて定在波に起因する鋳型内湯面変動の低減効果が重なり、脱酸生成物、Arガスなどの不活性ガスのガス気泡、及びモールドパウダーの巻き込みのない、清浄な鋳片を鋳造することができ、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1及び図2は、本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図であり、図1は、鋳型部位の概略斜視図、図2は、鋳型部位の概略正面図である。
図1〜2において、相対する鋳型長辺6と、この鋳型長辺6の内側に内装された、相対する鋳型短辺7とを具備した鋳型1の上方所定位置にタンディッシュ4が配置されており、このタンディッシュ4の底部には上ノズル8が設置され、そして、上ノズル8の下面に接して、固定板9、摺動板10及び整流ノズル11からなるスライディングノズル5が配置され、更に、スライディングノズル5の下面に接して、下部に一対の吐出孔12を有する浸漬ノズル2が配置され、タンディッシュ4から鋳型1への溶鋼流出孔13が形成されている。浸漬ノズル2の内壁面へのアルミナ付着防止のために、上ノズル8、固定板9、浸漬ノズル2などから溶鋼流出孔13の内部にArガスや窒素ガスなどの不活性ガスが吹き込まれている。
鋳型長辺6の背面には、浸漬ノズル2を境として鋳型長辺6の幅方向左右で2つに分割された合計4基のリニア型移動磁場発生装置3が、その鋳造方向の中心位置を吐出孔12の直下位置とし、鋳型長辺6を挟んで対向して配置されている。それぞれのリニア型移動磁場発生装置3は電源(図示せず)と結線され、また、電源は、磁場の移動方向、磁場強度及び磁場の周波数を制御する制御装置(図示せず)と接続されており、制御装置から入力される磁場移動方向、磁場強度及び磁場の周波数に基づいて電源から供給される電力により、リニア型移動磁場発生装置3から印加される磁場強度、磁場移動方向及び磁場の周波数が、それぞれ個別に制御されるようになっている。
それぞれのリニア型移動磁場発生装置3には、図1に示すように複数の電磁コイルが幅方向に並んで設置されており、隣り合う電磁コイルに流す電流の位相をずらすことにより、所謂リニアタイプの移動磁場を発生させている。図1は、鋳型短辺側から鋳型中央の浸漬ノズル側に向かって移動する磁場を印加した場合について示している。図1において、FX は溶鋼に作用する電磁力、VX は移動磁場の移動速度、BYは移動磁場の磁束密度を表している。この磁場の移動速度VX は、電磁コイルのポールピッチτと周波数fとから、前述した(2)式によって表され、電磁力FXは前述した(4)式によって表される。電磁力FX は、主に磁場の移動方向と同じ向きに、周波数fの周期で溶鋼に作用する。
このリニア型移動磁場発生装置3により印加される移動磁場の印加パターンは3種類であり、浸漬ノズル2からの溶鋼吐出流18に制動力を与える場合には、図3に示すように、移動磁場の移動方向を鋳型短辺7から浸漬ノズル2に向いた方向とし、また、凝固界面に沿って水平方向に回転するような溶鋼流動を誘起させる場合には、図4に示すように、移動磁場の移動方向を相対する鋳型長辺6に沿ってそれぞれ相反する向きとし、更に、浸漬ノズル2からの溶鋼吐出流18に加速力を与える場合には、図5に示すように、移動磁場の移動方向を浸漬ノズル2から鋳型短辺7に向いた方向とする。尚、図3、図4、図5は、磁場の移動方向を鋳型1の真上から示した図であり、図中の矢印が磁場の移動方向を表している。
鋳型1の下方には、鋳造される鋳片19を支持するための複数のガイドロール(図示せず)と、鋳片19を鋳型1の下方に引き抜くための複数のピンチロール14とが設置されている。尚、図1ではピンチロール14を1つのみ記載し、他のピンチロールは省略している。
このように構成される連続鋳造機において、溶鋼15を、取鍋(図示せず)からタンディッシュ4に注入し、次いで、タンディッシュ4から溶鋼流出孔13を介して鋳型1に注入する。溶鋼15は、鋳型短辺7に向かう溶鋼吐出流18となって鋳型内に注入される。鋳型1に注入された溶鋼15は鋳型1により冷却され、凝固シェル16を形成する。そして、ピンチロール14により、外殻を凝固シェル16として内部に未凝固の溶鋼15を有する鋳片19を鋳型1の下方に連続的に引き抜く。鋳片19の引き抜き時、鋳型1における溶鋼湯面17の位置をほぼ一定位置に制御し、鋳片引き抜き速度を所定の速度とする。溶鋼湯面17の上にはモールドパウダー20を添加する。モールドパウダー20は溶融して、溶鋼15の酸化防止や凝固シェル16と鋳型1との間に流れ込んで潤滑剤としての効果を発揮する。
この鋳造に際し、リニア型移動磁場発生装置3によって移動磁場を印加し、鋳型内の溶鋼15に電磁力FX を作用させる。その際に、移動磁場の周波数fを、鋳片19の幅寸法によって定まる定在波の周波数を回避した範囲の周波数に設定する。具体的には、前述した(1)式を用いて、鋳造する鋳片19の幅寸法における定在波の周波数f0を求める。鋳片19の幅が1000mm及び2000mmにおける定在波の周波数f0 の計算値を表1に示す。
Figure 2006281314
表1に示すように、鋳片幅が2000mmの鋳片19の場合には、1次の定在波の周波数f0 は0.62Hz、2次の定在波の周波数f0 は0.88Hz、3次の定在波の周波数f0は1.08Hz、4次の定在波の周波数f0 は1.25Hz、5次の定在波の周波数f0 は1.40Hzであるので、2000mmm幅の鋳片19を鋳造する際には、これらの周波数を外した周波数fを設定し、その周波数で印加する。この場合、次数(n)が大きくなると、定在波の発生は弱くなるので、全ての次数(n)の周波数を回避する必要はなく、4次以降或いは5次以降の周波数は回避しなくてもよい。つまり、2000mm幅の鋳片19を鋳造する際には、移動磁場の周波数fを、4次の周波数である1.25Hz以上にしてもよいということである。但し、少なくとも1〜2次の周波数は回避しなければならない。当然ではあるが、周波数を低い方の側に回避することもでき、また、例えば、1次の定在波の周波数f0と2次の周波数f0 との中間の周波数とするなどしてもよい。
移動磁場の印加パターンは、前述した図3〜5に示す3種類の印加パターンのなかから、例えば、移動磁場を印加していないときの、鋳型短辺7の近傍の溶鋼湯面17における溶鋼流速を測定し、その流速に応じて設定すればよい。つまり、鋳型短辺7の近傍の溶鋼流速が速い場合(例えば、0.3m/秒以上)には、図3に示す印加パターンとし、遅い場合(例えば、0.20m/秒以下)には、図4に示す印加パターンまたは図5に示す印加パターンとし、更に遅くなった場合(0.10m/秒以下)には図5に示す印加パターンとするなどすればよい。但し、定在波の発生は高速鋳造になると激しくなることから、本発明を適用する際の印加パターンは、図3に示す印加パターンが主体となる。
使用する浸漬ノズル2は、溶鋼流出孔13を形成する内孔部が図2に示すようなストレート形状であっても構わないが、定常波の発生をより一層抑えるためには、図6に示すような、内孔部21に、溶鋼流出孔13の断面積を小さくさせる段差部22を有する浸漬ノズル2Aを使用することが好ましい。
浸漬ノズル2の内径は、アルミナなどの付着による閉塞、或いは鋳造開始時の地金生成による閉塞などを防止するために、定常時の注入速度に必要な有効径よりも1.5倍ないし2倍程度大きくしている。従って、定常操業時には、摺動板10をずらし、所定の注入速度に必要な開度まで絞った状態で注入している。この絞り状態の注入では、固定板9と摺動板10とで形成する開口部の位置は、浸漬ノズル2の中心に対して偏心しているため、浸漬ノズル2の溶鋼流出孔13を流下する溶鋼15に偏流を生じさせ、そのため、吐出孔12からの溶鋼吐出流18が不均等になる所謂「片流れ現象」が現れる。その結果、鋳型内の溶鋼流動も特定方向に偏った偏流が発生しやすくなり、定常波を促進させる。
これに対して、内孔部21に段差部22を設置した浸漬ノズル2Aでは、段差部22で溶鋼流速が速められ、段差部22よりも下流側の溶鋼流速が速まり、定常乱流状態となるために、溶鋼流出孔13における偏流が解消され、吐出孔12からの溶鋼吐出流18が均一化される。これにより定常波も抑制される。尚、図6に示す浸漬ノズル2Aでは段差部22が一箇所であるが、段差部22を2箇所以上に設置してもよい。
このようにして周波数fを設定した移動磁場を印加して鋳造することで、鋳片幅によって定まる定在波の発生を抑制しながら、移動磁場による鋳型内溶鋼流動の制御を行うことができる。これにより、定在波に起因する鋳型内湯面変動量は大幅に減少し、その結果、移動磁場印加による効果に、更に定在波に起因する鋳型内湯面変動の低減効果が加わり、脱酸生成物、Arガスなどの不活性ガスのガス気泡、及びモールドパウダーの巻き込みのない清浄な鋳片19を安定して鋳造することが可能となる。
尚、上記説明では2枚板構成のスライディングノズル5の例を挙げたが、3枚板構成のスライディングノズルについても上記に沿って本発明を適用することができる。また、ストッパー方式の場合にも、上記に沿って本発明を適用することができる。
図1〜2に示すスラブ連続鋳造機を用い、厚み250mm、幅2100mmのスラブ鋳片を、2.4m/分の引き抜き速度で鋳造した。鋳造には、C:0.08〜0.10質量%、Si:0.2〜0.3質量%、Mn:1.0〜1.2質量%、P:0.020質量%以下、sol.Al:0.02〜0.04質量%の中炭素Alキルド鋼を供した。
その際に、リニア型移動磁場発生装置から、周波数を1.0Hz及び2.0Hzの2水準として、図3に示す印加パターンで移動磁場を印加した。また、浸漬ノズルとしては、内孔部に段差部を設置していない内径90mmの通常のもの(「一般ノズル」と称す)と、段差部の内径を80mm、それ以外の内径を90mmとする段差部を設置したもの(「段差ノズル」と称す)とを使用した。そして、浸漬ノズルの段差の有無と、移動磁場の周波数を1.0Hzとした場合と2.0Hzとした場合との合計4水準で、鋳型内の湯面変動を比較調査した。因みに、幅2100mmのスラブ鋳片の定在波の周波数は、1次の周波数f0 は0.61Hz、2次の周波数f0 は0.86Hz、3次の周波数f0は1.06Hz、4次の周波数f0 は1.22Hzである。表2に、鋳造条件及び湯面変動測定結果を示す。
Figure 2006281314
表2に示すように、一般ノズルを使用して移動磁場の周波数を1.0Hzとした試験No.1では、3次の定在波の周波数f0 とほぼ同等の周波数であり、平均湯面変動量は18mmであった。これに対して、一般ノズルを使用して移動磁場の周波数を、4次の定在波の周波数f0よりも高い2.0Hzとした試験No.3では、平均湯面変動量は5mmであり、また、段差ノズルを使用し且つ移動磁場の周波数を2.0Hzとした試験No.4では、平均湯面変動量は4mmであった。段差ノズルを使用したが移動磁場の周波数を1.0Hzとした試験No.2では、平均湯面変動量は15mmであり、試験No.1よりも湯面変動は減少したものの、試験No.3及び試験No.4に比べると湯面変動は大きく、効果は少なかった。つまり、本発明を適用することで、鋳型内の湯面変動量を大幅に低減できることが確認できた。
本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図で、鋳型部位の概略斜視図である。 本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の概略図であり、鋳型部位の概略正面図である。 溶鋼吐出流に制動力を与える場合の印加パターンである。 水平方向に回転するような流動を誘起させる場合の印加パターンである。 溶鋼吐出流に加速力を与える場合の印加パターンである。 内孔部に段差部を有する浸漬ノズルの概略断面図である。
符号の説明
1 鋳型
2 浸漬ノズル
3 リニア型移動磁場発生装置
4 タンディッシュ
5 スライディングノズル
6 鋳型長辺
7 鋳型短辺
8 上ノズル
9 固定板
10 摺動板
11 整流ノズル
12 吐出孔
13 溶鋼流出孔
14 ピンチロール
15 溶鋼
16 凝固シェル
17 溶鋼湯面
18 溶鋼吐出流
19 鋳片
20 モールドパウダー
21 内孔部
22 段差部

Claims (2)

  1. リニア型移動磁場発生装置を用いて鋳型内の溶鋼に移動磁場を印加し、当該溶鋼の流動を制御するに当たり、印加する移動磁場の周波数を、鋳造する鋳片の幅寸法に基づき下記の(1)式によって算出される定在波の周波数から回避した範囲とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
    0 =[(ng)/(4πL)]0.5 …(1)
    但し、(1)式において、f0 は定在波の周波数(Hz)、nはモード次数、gは重力加速度(m/秒2 )、Lは鋳片幅(m)である。
  2. タンディッシュから鋳型へ溶鋼を注入する浸漬ノズルとして、溶鋼の流下する内孔部に1段または複数の段差部が形成された浸漬ノズルを使用することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
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