JPH067911A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JPH067911A
JPH067911A JP5096973A JP9697393A JPH067911A JP H067911 A JPH067911 A JP H067911A JP 5096973 A JP5096973 A JP 5096973A JP 9697393 A JP9697393 A JP 9697393A JP H067911 A JPH067911 A JP H067911A
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casting
vibration
mold
range
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JP5096973A
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Manfred Wolf
ヴォルフ マンフレッド
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Clecim SAS
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/16Controlling or regulating processes or operations
    • B22D11/166Controlling or regulating processes or operations for mould oscillation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/04Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into open-ended moulds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/04Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into open-ended moulds
    • B22D11/053Means for oscillating the moulds

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳型は軸線と平行に周波数fで距離hだけ振
動され、鋳型を出た製品は鋳造速度Vc'を有し、溶融金
属上には接触により液体スラグを形成して鋳型の冷却壁
面を潤滑化する潤滑剤が供給され、各振動サイクル時間
c'中の負の剥離時間tN の間の鋳型の降下速度が鋳造
速度Vc よりも大きくなるように鋳型の振動が調節さ
れ、鋳造速度Vc が鋳造条件に合わせて変更可能な、壁
面が冷却された無底の鋳型中で溶融金属を連続鋳造する
方法の改良。 【構成】 先ず最初に、金属の種類と通常の鋳造条件と
によって潤滑剤の種類とその最適消費量とを決定し、次
いで、潤滑剤の種類を変えずに、選択した鋳造速度Vc
の関数で振動の距離と周波数とを変化させることによっ
て所定鋳造条件に合うように鋳造速度Vc を広範囲に渡
って調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳造速度を変えることが
できる溶融金属の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄を連続鋳造方法してビレット、ブルー
ムまたはスラブ等の製品を製造することは公知で、古く
から用いられている。一般に、連続鋳造装置は両端が開
いたキャビティを規定する底が開いた型で構成される鋳
型または金型を有し、この鋳型の壁面は強制急冷されて
いて、鋳型の上側開口から注入された溶融金属が壁面に
沿って移動する間に冷却され、十分な厚さの凝固スキン
層を形成して、下側開口からこの凝固スキン層で規定さ
れる中央部が溶融状態のままの製品を連続的に引き出す
ことができるようになっている。溶融状態にある中央部
は鋳型の下側に位置したいわゆる二次冷却装置中で次第
に凝固する。この二次冷却装置には駆動ロールのような
製品の引き抜き手段が設けられていて、製品は鋳造条件
で決まる調節可能な速度で下向きに抜き出される。
【0003】一般に、鋳型の軸線はほぼ垂直で、製品を
誘導するジャケットを構成する二次冷却装置は湾曲して
いて、縦方向に鋳造された製品を水平方向へ導いて製品
の引抜き操作と所定長さへの切断操作とが容易にできる
ようになっている。一般に、製品の方向変換が容易にな
るように、鋳型の軸線は誘導ジャケットの軸線に対応し
て湾曲している。
【0004】金属が鋳型の冷却された壁面に付着して凝
固スキン層が破断するのを避ける必要がある。そのため
に、連続鋳造方法が開発された当初から、直線または曲
線状の鋳型軸線に平行に鋳型を振動させることが提案さ
れている。この振動装置は種々公知である。一般には、
例えば起振装置に連結したレバーを用いて鋳型を振動運
動をするテーブルに着脱自在に固定する。起振装置とし
ては例えばサイン曲線の動きを鋳型へ伝達する偏心装置
にすることができる。しかし、最近では、振動運動の範
囲を広く設定でき、しかも、例えば正方形、鋸歯形、そ
の他の速度線図を作り出すことができる例えば油圧制御
式起振装置等の別の形式の起振装置が提案されている。
【0005】しかし、凝固スキン層が冷却壁に付着する
のを防止するには凝固スキン層と冷却壁との間に入り込
んで凝固スキン層を潤滑して表面の滑りを良くし、表面
品質を向上させることも必要である。この潤滑剤として
は古くから粉末潤滑剤が用いられている。粉末潤滑剤は
鋳型上部で液体金属が形成するメニスカス上に注入さ
れ、金属と接触して溶解する。従って、粉末潤滑剤は潤
滑効果と共にインクルージョン(含有物)を吸収するス
ラグ機能を備えたものが好ましい。
【0006】金属メニスカスと接触して形成された液体
スラグは鋳型の冷却壁に沿って下降し、冷却壁と凝固ス
キン層との間に薄膜を形成する。このスラグの鋳型の冷
却壁に沿った下降運動を良くするには、鋳型を周期振動
させる、すなわち鋳型を下向きに移動させる相と常に降
下し続ける鋳型の向きとは反対に鋳型を上向きに移動さ
せる相の2つの相を各サイクルで繰り返すのが好まし
い。また、下向き移動の終わりに鋳型速度が製品の抜き
出し速度より大きくなるように鋳型の振動運動を調節し
て「負の剥離時間(temps de strippage negatif)または
回復時間 (tempsde cicatrisation) 」とよばれる一定
の時間中に負の滑り効果が生じるようにする必要がある
ということは古くから知られている。すなわち、冷却壁
と凝固スキン相との間に入り込んだ液体スラグはこの負
の剥離時間の間に圧縮され、その後に減圧され、それに
よって粉末潤滑剤の浸透が促進される。
【0007】しかし、その結果、鋳造製品の表面に波模
様または振動模様ができてしまう。この模様の深さは金
属の種類と、鋳造条件、特に振動の距離および周波数の
他に負の剥離時間とに依存する。さらに、潤滑特性はス
ラグの種類、特にその粘度、鋳造製品の寸法および引き
抜き速度にも依存する。鋳造製品の表面品質を良くする
ために、振動模様の深さをできるだけ小さくする方法が
求められ、そのために多くの従属パラメータ、特に金属
の種類と鋳造条件を調節することが考えられてきた。
【0008】しかし、基本的には負の剥離時間を短くし
なければならないということが分かっている。負の剥離
時間を短くするには一般に周波数を高くして振動の距離
を短くするが、そうすると、慣性が小さくなって起振装
置が共振する危険がある。また、潤滑剤の浸透が阻害さ
れ、付着の危険も増す。
【0009】少なくとも経験的には、通常の引き抜き速
度および所望最大速度で鋳型を良好に潤滑するためのス
ラグの種類、特にその粘度と最適消費量とは金属の種類
毎に求めることができるが、製品の引き抜き速度を一定
に保つことは不可能なだけでなく、狭い範囲に維持する
こともできない。すなわち、引き抜き速度は製品の横断
面積で決まり、ビレットのような断面積の小さい製品の
鋳造速度はブルームやスラブのような断面積の広い製品
の鋳造速度よりも速くなる。その比は約2倍〜3倍にな
る。
【0010】さらに、最近の連続鋳造設備では、同じ製
品の引き抜き速度を大幅に変化させなければならない場
合もある。例えば、溶融金属は連続鋳造装置の上方のス
チールワークに設置された取り鍋で供給され、空になっ
た取り鍋は一杯な取り鍋と交代される。取り鍋の交換時
に鋳造操作が中断されないようにするために、鋼を鋳型
に直接注入するのではなく緩衝容器の役目をする中間タ
ンクに注入し、このタンクから複数の鋳造ラインへ鋼を
分配する。しかし、空になった取り鍋の交換操作が中間
タンクの容量に比べて著しく遅れた場合には、金属の鋳
型への注入速度を遅くし、従って引き抜き速度を遅くす
る必要がでてくる。
【0011】しかし、引き抜き速度を変化させる場合に
は、鋳型壁の良好な潤滑を維持し且つ最適な負剥離比を
維持しなければならない。そのためには、鋳造速度に合
わせて振動の振幅および/または周波数を代えることが
できる。しかし、偏心運動で振動を与える従来型の起振
装置では振動の振幅の調節は一般に困難で、大抵の場合
には起振装置を停止して調節しなければならない。その
ため、これまでは、鋳型速度を鋳造速度に合わせる場合
には振動の周波数のみを調節していた。
【0012】大抵の場合、周波数は鋳造速度の線形関数
である。例えば添付の図1(a) は周波数を鋳造速度の関
数で示したもので、これによって各速度毎に起振装置に
与える振動の周波数を決定することができる。ただし、
振動の距離は速度調節の全範囲で一定である。図示した
従来例に対応するケースでは、振動の距離は 6.5mmで一
定で、振動の周波数は速度に対して線形関係f=100 V
c になる。
【0013】1サイクルでの鋳型の平均速度をVm =2
hfとすると、剥離比の値(一般に“NSR”といわれ
る)はVm /Vc =2hfNc になり、振動距離が 6.5
mmの時には 1.3となる。これが工業的にしばしば用い
られる場合に相当する。
【0014】また、鋳型がサイン曲線の運動をする場合
には、負の剥離時間は〔数1〕で表されることが知られ
ている: 〔数1〕 tN =(60/πf)×Arc cos (Vc/πfh)
【0015】図1(b) は、図1(a) と同じ対応周波数を
考えた時の負の剥離時間tN の変化を鋳造速度の関数と
して示したものである。1m/分以上の比較的速い鋳造
速度では負の剥離時間はかなり短く約 0.1秒であり、振
動の波模様の深さ、特に「フェリティックポテンシャ
ル」が約1で特徴づけられる種類の波模様が深く、従っ
て横方向に割れ易いグレードの鋼振動の波模様の深さを
最少に抑えることができる。
【0016】しかし、tN 値が低くなると周波数が高く
なり、潤滑剤の浸透度が低下して付着の危険が高くな
る。固着傾向は鋳造速度を上げた場合に強くなる。従っ
て、スラグ粘度を鋳造速度に合わせる必要がある。その
ためには、図1(a) および図1(b) に示す例では、1,30
0 ℃での溶融粘度:η1 が 1.5ポアズのスラグとなる粉
末を使用するのが有利である。図から明らかなように、
寸法の小さい製品、例えば 150×150 mmのビレットは1
分間に 1.2〜1.8 メートルの速度で良好な条件で鋳造す
ることができる。
【0017】これに対して、これより低い鋳造速度では
温度 1,300℃で粘度:η'1= 6.0ポアズのスラグとなる
ような別の粉末を使用する必要がある。そうすることに
よって、比較的寸法の大きい、例えば 240×240 mmのビ
レットを1分間に 0.4〜0.8メートルの速度で鋳造する
ことができる。しかし、剥離時間は約0.25〜0.5 秒の範
囲で変わることを図は示している。この結果は極めて限
られた2つの速度範囲に対してスラグの量を変化させれ
得られたものであって、全く満足できるものではない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は同一ス
ラグでより広範囲にわたって鋳造速度を変えることがで
きる新規な連続鋳造方法によって上記の欠点を克服する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明方法では、先ず最
初に、金属の種類と通常の鋳造条件とによって潤滑剤の
種類とその最適消費量とを決定し、次いで、潤滑剤の種
類を変えずに、選択した鋳造速度Vc の関数で振動の距
離と周波数とを組み合わせて変化させることによって所
定鋳造条件に合うように鋳造速度Vc を広範囲に渡って
調節して、各鋳造速度Vc に対する潤滑剤の消費量Qお
よび負の剥離時間tN の値が速度調節の全範囲で最適変
数値から実質的に外れないようにする。
【0020】
【作用】本発明の1つの特徴は振動の距離と周波数とを
所望の広い速度調節範囲をカバーする2つの範囲で別々
に調節する点にある。すなわち、最大鋳造速度から臨界
速度V’までの高速範囲では振動距離を一定に維持し且
つ振動周波数は鋳造速度の増加関数とし、臨界速度から
最低速度までの低速範囲では振動周波数をほぼ一定に維
持し且つ振動距離を鋳造速度の減少関数にする。ここ
で、臨界速度とは、その速度までは振動の振幅を一定に
維持し且つ摺動比 (rapport de glissement)Vm /Vc
を許容範囲内に維持した状態で下げることができる限界
の速度をいう(ここで、Vc はある瞬間の鋳造速度を表
し、Vm はこの瞬間に対応する鋳造サイクル中の鋳型の
平均速度を表す) 。
【0021】低速範囲での振動距離は鋳造速度の逆線形
関数(逆1次逆関数)であるのが好ましく、高速範囲で
の振動周波数は鋳造速度の1次関数であるのが好まし
い。
【0022】本発明の他の特徴は、 0.3m/分〜約7m
/分またはそれ以上の鋳造速度Vcの調節範囲で、振動
の距離および周波数が潤滑剤の種類および消費速度と下
記の式で関係付けられる点にある: Q=A(h.f.Vc .η)-m (ここで、Qは鋳型の断面積1平方メートル当たりのス
ラグ消費量 (kg)であり、hは振動の距離(m)であ
り、fは振動の周波数(1分間当たりのサイクル数、cp
m )てあり、Vc は鋳造速度(m/分)であり、ηは約
1,300℃でのスラグの粘度 (ポアズ) であり、Aは定数
であり、mは0〜1の数字である) 。この式の定数Aお
よびmの値は 0.5付近であるのが特に有利である。
【0023】本発明のさらに他の特徴は、低速範囲での
振動の距離hが鋳造速度Vc と下記の式で関係付けられ
る点にある: h=±DVc a +C (ここで、D、Cおよびaは金属の種類および鋳造条件
で決まる定数である)高速範囲での振動周波数は、常に
最低周波数f’=680 Vc /2h以上となるように、鋳
造速度Vc の関数で調節するのが好ましい。
【0024】本発明の好ましい実施例では、鋳型が三角
形に振動され、負の剥離時間tN が鋳造速度の全調節範
囲で最適な一定値に維持される。潤滑剤の消費量は鋳造
速度の全調節範囲で鋳造鋳型の断面積1平方メートル当
たり 0.3キログラムのほぼ一定値に維持するのが好まし
い。
【0025】本発明方法を実施する連続鋳造装置の特に
好ましい実施例では、鋳型が力の測定器を有し、この力
の測定器が閉じた自己制御ループのパラメータを瞬間的
に最適化するのに用いられる信号を出すようになってい
る。以下、添付図面に示した本発明の実施例を説明す
る。
【0026】
【実施例】既に述べたように、図1(a) と図1(b) は従
来の鋳造方法の例で、図1(a) は振動の距離と周波数と
を鋳造速度の関数で表したものであり、図1(b) は負の
剥離時間とスラグ消費量とを鋳造速度の関数で表したも
のである。図2(a) と図2(b) は本発明の実際の例を示
したもので、図2(a) は振動の距離と周波数とを鋳造速
度の関数で表したものであり、図2(b) は負の剥離時間
とスラグ消費量とを鋳造速度の関数で表したものであ
る。
【0027】多数の工業的評価を行った結果、潤滑剤の
消費量Q(横断面1平方メートル当たりのキログラム
数)と鋳造の主要パラメータとの間には以下の近似的な
経験式があることが分かった: Q=A(h.f.Vc .η)-m (ここで、hは振動の距離をメートルで示したものであ
り、fは振動周波数を1分間当たりのサイクル数で示し
たものであり、転で示しており、Vc は鋳造速度をメー
トル/分で示したものであり、ηは約 1,300℃でのスラ
グの粘度をポアズで示したものである) 。1,300 ℃とい
う温度は軟鋼表面の特徴温度すなわち固相線より約 200
℃低い温度である。合金に近いグレードではより低い特
徴温度に粘度の値を合わせる必要がある。
【0028】上記関数は基本的には経験的なものである
が、実際に各パラメータに下記範囲で適用できる: h: 0.002〜0.020 メートル f:20〜400 cpm 、さらに好ましくは 25〜200 cpm V: 0.3〜7.0 m/分 η: 0.1〜20ポアズ 最も一般的な場合では定数Aおよびmは 0.5付近であ
る。
【0029】既に説明したように、図1(b) は振動の距
離が一定で、周波数が速度の関数でほぼ増加する場合
で、この図には2種類のスラグ、すなわち 150×150 mm
のビレットの鋳造に対応する比較的高速範囲用の粘度が
1.5ポアズのスラグと、 240×240 mmのビレットの鋳造
に対応する比較的低速範囲用の粘度が6ポアズのスラグ
とを用いた場合の負の剥離時間tN の変化とスラグ消費
量Qとが示してある。図1(b) から分るように、1.2 〜
1.8 m/分の速度で鋳造する場合の負の剥離時間は 0.1
〜0.2 秒の範囲で、スラグ消費量は 0.4〜0.3 kg/m2
の間で変化する。「フェリティックポテンシャル(poten
tiel gerritique)」が約1であることで特徴づけられる
グレードの鋼の場合には、スラグ粉末の最適消費量は
0.3 kg /m2 値で、負の剥離時間の最適値は 0.1秒で
あることが分かっている。
【0030】従って、高速で鋳造される断面積が小さい
製品の場合には、最適な負の剥離時間とスラグ消費量と
で満足な表面品質を維持することができる。しかし、低
速で鋳造する場合には粘度の高いスラグ、例えば6ポア
ズ程度のスラグを使用した場合でも、負の剥離時間およ
びスラグ消費量が大きく変化して、最適値から大幅に外
れることが分る。従って、低速で鋳造する場合には粘度
の高いスラグ粉末を使用したとしても表面品質は非常に
低くなる。これに対して、本発明方法では潤滑剤の種類
を変えずに鋳造速度を広範囲に調節することができ、ま
た、低速鋳造時でも負の剥離時間と潤滑剤の消費量とを
ほぼ最適値に維持することができるので、連続鋳造装置
の運転の柔軟性が極めて大きくなる。
【0031】図2(a) は振動の距離hと振動の周波数f
との変化が選択した鋳造速度、この例では 0.3m/分か
ら2m/分までの間の鋳造速度の関数で示されている。
使用したスラグの粘度はη2 =3.5 ポアズである。第1
の高速範囲では、振動の距離を前記の場合と同様に一定
値、例えば4mmに維持するが、振動の周波数は鋳造速度
の関数で下記の式に従って直線的に変化させる: f= 70 Vc + 30 上記の振動距離の場合、この周波数の変化の式から、2
m/分の最大鋳造速度の場合から摺動比(NSR)は
0.68 となり、その結果、潤滑剤が正常に機能するのに
必要な負の剥離時間が得られる。潤滑剤の機能は鋳型に
加わる力を示すセンサー、例えばバランスまたはコント
ロールゲージでモニタすることができる。
【0032】図2(a) に示すように、振動の周波数は鋳
造速度の直接関数すなわち増加関数である。しかし、上
記の周波数の変化の式から、周波数は「NSR」比が最
少値0.68となる値より常に大きな値になる。この周波数
の変化を示す直線fは点線で示した直線f’(これは式
f=680 Vc /2hに対応する)より上側にある。一般
に、振動の周波数は広い範囲、例えば20〜400 サイクル
/分の範囲で調節できるが、起振装置の稼動寿命の点か
らは 200cpm 以上にしないのが良い。
【0033】本発明の一実施例では、最高速度から臨界
速度V’までの高速範囲の全範囲において、振動の距離
を一定に維持し且つ鋳造速度に比例して周波数を低下さ
せることができる。この場合、臨界速度V’とは振動の
距離を一定に維持し、摺動比NSR=Vm /Vc を許容
値内に維持、今の場合には 0.68 に維持した状態で、鋳
造速度を下げることができる最低の限界速度、今の場合
には臨界速度V’は約1m/分である。逆に、鋳造速度
範囲を臨界値V’以下まで低下させたい場合には、振動
の周波数を臨界速度V’に相当する一定の値(100 サイ
クル/分付近)とし、振動の距離hを鋳造速度の逆1次
関数にする。換言すれば、振動の距離hを鋳造速度Vc
が遅くなるほど大きくする。
【0034】比較的低速の鋳造速度範囲では、振動の距
離hと鋳造速度Vc とを下記の式で関係付けるのが好ま
しい: h=±DVc a +C (ここでD、Cおよびaは金属の種類および鋳造条件で
決まる定数である)図2(a) に示す鋳造の実施例では、
hはVc の1次関数であり、従って、aは1である。
【0035】本発明では、粘度が 3.5ポアズである一種
類のスラグのみを用いて2種類の速度範囲で断面積が異
なる製品を鋳造することができる。すなわち 1.2〜1.8
m/分の鋳造速度範囲では150×150mmのビレットを鋳造
することができ、0.4 〜0.8m/分の鋳造速度範囲では
240×240 mmのブルームを鋳造することできる。このこ
とから、図1(a) と(b) に示した従来例に対する本発明
の利点を比較することができる。
【0036】既に述べたように、本発明の1つの重要な
利点は、粘度が中程度である一種類のスラグのみを用い
ればよい点にある。これに対して従来法ではビレット用
には低粘度のスラグを用い、ブルーム用には高粘度のス
ラグを使用しなければならなかった。鋳造中にスラグを
変えるのは非常に難しいので、鋳造製品の断面を変化さ
せたい場合にはこの利点が特に重要になる。
【0037】また、図2(b) に示す負の剥離時間tN
変化曲線は高速鋳造範囲側では常に最適値の 0.1秒より
以下であり、低速鋳造範囲で高い値になった場合でもこ
の値tN はやはり0.25秒付近に留まっている。この値は
図1(b) の負の剥離時間よりはるかに低い許容可能な値
である。
【0038】図2(b) に示すスラグ消費量を表す曲線Q
は、2つの鋳造速度範囲のいずれの場合でもほぼ水平で
あり、この消費量Qは全鋳造速度範囲で消費の最適値で
ある0.3 kg/m2 にほぼ等しいことを示している。スラ
グ消費量Qを同一に維持できる点も本発明の利点であ
る。従って、本発明では、スラグの種類を変えずに負の
剥離時間の値とスラグ消費量とを最適値近く保ちながら
広範囲に渡って鋳造速度を変化させせ優れた表面品質の
製品を製造することができる。
【0039】本発明方法で振動の距離を速度の関数で調
節する場合には、鋳型の振動を例えば1986年3月7日に
本出願人が出願したフランス国特許出願第86.03282号ま
たはヨーロッパ特許出願第EP−A−0325.931号に記載
の油圧駆動システムを用いて行うのが好ましい。この油
圧駆動システムは鋳造中に振動の距離を極めて簡単に変
えることができる。図2(b) のtN の曲線はサイン曲線
の振動を用いた従来法に対応したものであるが、油圧駆
動システムを使用することによって速度変化線図の形を
容易に変えて四角または三角形の振動を作りだすことが
できる。この場合の負の剥離時間は全速度調節範囲で図
2(b) 示すように最適値t' N= 0.1秒の一定値に調節
することができる。換言すれば、負の剥離時間を最適値
まで減少させることできるので、この利点は低速鋳造範
囲では特に重要である。
【0040】また、高速鋳造では三角形の振動は重要で
ある。すなわち、振動周波数100cpmの臨界速度V’が1
m/分である例示した実施例の場合(全サイクル時間
0.6秒に相当) には、tN は最適値 0.1秒で一定である
ので、鋳型の上昇時間(tp =tC −tN に相当し、臨
界速度1m/分では0.5 秒) は鋳造速度の上昇およびF
=70Vc +30の式に従う周波数の上昇とともに次第に短
くすることができる。すなわち、高速鋳造範囲で鋳造速
度を1m/分から2m/分へ変えた場合、製品に対する
鋳型の上昇時間を 0.5秒から0.25秒へ短くすることがで
きる。
【0041】上記の振動パラメータは所望の表面品質が
得られ、共振無しに運転でき、起振装置の寿命が延ずる
ように完全に設定することができるということは理解で
きよう。従って、一般に、本発明は鋳造中に振動の距離
を調節することが可能な任意の連続鋳造装置に適用する
ことができ、最適な一定の負の剥離時間を得ることが可
能な三角形振動の場合に特に重要である。連続鋳造装置
は鋳型に加わる力を測定するセンサーを備えており、こ
のセンサーが閉じた自己制御ループ内のパラメータを瞬
間的に最適化するのに用いられる信号を出すのが好まし
い。
【0042】本発明は上記実施例で説明した種類の鋼と
鋳造条件とに限定されるものではなく、粘度の異なるス
ラグを使用した他の鋳造速度範囲に適用することができ
るということも理解できよう。また、高速の鋳造速度で
ビレットを鋳造する場合と低速の鋳造速度でブルームを
鋳造する場合とを説明したが、本発明の原理は鋳造中に
断面が変化する鋳造スラブのような任意断面の製品に適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a) は従来の鋳造法での振動の距離およ
び周波数を鋳造速度の関数で示した図であり、図1(b)
は従来の鋳造法での負の剥離時間およびスラグ消費量を
鋳造速度の関数で示した図。
【図2】 図2(a) は本発明の実施例での振動の距離お
よび周波数を鋳造速度の関数で示した図であり、図2
(b) は本発明の実施例での負の剥離時間およびスラグ消
費量を鋳造速度の関数で示した図。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ垂直な軸線を有する壁面が冷却され
    た無底の鋳型中で溶融金属を連続鋳造する方法であっ
    て、鋳型は軸線と平行に周波数fで距離hだけ振動運動
    され、鋳型を出た製品は鋳造速度Vc'を有し、溶融金属
    上には接触により液体スラグを形成して鋳型の冷却壁面
    を潤滑化する潤滑剤が供給され、各振動サイクル時間t
    c'中の負の剥離時間tN の間の鋳型の降下速度が鋳造速
    度Vc よりも大きくなるように鋳型の振動が調節され、
    鋳造速度Vc は鋳造条件に合わせて変更できるようにな
    っている連続鋳造する方法において、 先ず最初に、金属の種類と通常の鋳造条件とによって潤
    滑剤の種類とその最適消費量とを決定し、次いで、潤滑
    剤の種類を変えずに、選択した鋳造速度Vc の関数で振
    動の距離と周波数とを組み合わせて変化させることによ
    って所定鋳造条件に合うように鋳造速度Vc を広範囲に
    わたって調節し、各鋳造速度Vc に対して潤滑剤の消費
    量Qおよび負の剥離時間tN の値が速度調節の全速度調
    節範囲で最適変数値から実質的に外れないようにする方
    法。
  2. 【請求項2】 振動の距離と周波数とを所望の広い速度
    調節範囲をカバーする2つの範囲で別々に調節して、最
    大鋳造速度から臨界速度V’までの高速範囲では振動距
    離を一定に維持し且つ振動周波数は鋳造速度の増加関数
    とし、臨界速度から最低速度までの低速範囲では振動周
    波数をほぼ一定に維持し且つ振動距離を鋳造速度の減少
    関数とする〔ここで、臨界速度とは振動の振幅を一定に
    維持し且つ摺動比Vm /Vc を許容範囲内に維持した状
    態で下げることができる限界の速度である(ここで、V
    c はある瞬間の鋳造速度を表し、Vm はこの瞬間に対応
    する鋳造サイクル中の鋳型の平均速度を表す)〕請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 低速範囲での振動距離が鋳造速度の逆線
    形関数である請求項2に記載の連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 高速範囲での振動周波数が鋳造速度の1
    次関数である請求項2に記載の連続鋳造方法。
  5. 【請求項5】 0.3m/分〜約7m/分またはそれ以上
    の鋳造速度Vc の調節範囲で、振動の距離および周波数
    が潤滑剤の種類および消費速度と下記の式で関係付けら
    れる請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法: Q=A(h.f.Vc .η)-m (ここで、 Qは鋳型の断面積1平方メートル当たりのスラグ消費量
    (kg)であり、 hは振動の距離(m)であり、 fは振動の周波数(1分間当たりのサイクル数、cpm )
    てあり、 Vc は鋳造速度(m/分)であり、 ηは約 1,300℃でのスラグの粘度 (ポアズ) であり、 Aは定数であり、 mは0〜1の数字である) 。
  6. 【請求項6】 Aとmの値が約 0.5である請求項5に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 低速範囲での振動距離(h)が鋳造速度
    c と下記の式で関係付けられる請求項1〜6のいずれ
    か一項に記載の方法: h=±DVc a +C (ここで、 D、Cおよびaは金属の種類および鋳造条件で決まる定
    数である)
  8. 【請求項8】 高速範囲での振動周波数を、常に最低周
    波数f’=680 (Vc/2h)以上となるように、鋳造
    速度Vc の関数で調節する請求項1〜7のいずれか一項
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 鋳型は三角形に振動し、負の剥離速度t
    N が鋳造速度の全調節範囲で一定の最適値に維持する請
    求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 鋳造速度Vc の全調節範囲で潤滑剤の
    消費量を鋳型の断面積1平方メートル当たり約 0.3キロ
    グラムのほぼ一定値に維持する請求項1〜9のいずれか
    一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 振動の周波数を20〜400 サイクル/分
    にする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 振動の周波数を 200サイクル/分にす
    る請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 フェリティックポテンシャルが約1で
    あるグレードの鋼に対して負の剥離時間を鋳造速度の全
    調節範囲で約 0.1秒のほぼ一定値に維持する請求項1〜
    12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 閉じた自己制御ループのパラメータを
    瞬間的に最適化するのに用いられる信号を出す力の測定
    器が鋳型に取付けられている請求項1〜13のいずれか一
    項に記載の方法。
JP5096973A 1992-03-31 1993-03-31 連続鋳造方法 Withdrawn JPH067911A (ja)

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EP0564316B1 (fr) 1996-06-26
FR2689045A1 (fr) 1993-10-01
DE69303309T2 (de) 1997-01-23
DE69303309T3 (de) 2001-05-03
EP0564316B2 (fr) 2000-10-18
EP0564316A1 (fr) 1993-10-06
FR2689045B1 (fr) 1994-06-24
DE69303309D1 (de) 1996-08-01

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