JP2002237603A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜SOIデバイスにおいて、超高選択比
エッチング条件にてサイドウォールを形成し、SOI層
の膜減の量を極力低減すること、安定した高い電流駆
動能力を持つこと、高歩留まりを実現することの可能
な電解効果トランジスタの製造方法及びエッチング方法
を提供する。 【解決手段】 電界効果トランジスタの製造方法におい
て、ゲート電極21の側壁に形成されるSiO膜26
の垂直加工が可能な条件にてSiO膜の全膜厚の70
%〜90%に相当する分だけエッチングを行う第1ステ
ップと、シリコンとの選択比が500以上の条件にて残
りのSiO膜のエッチングを行う第2ステップとを含
むことを特徴とする。エッチングを2つのステップに分
割し、サイドウォールの垂直加工と、対Si高選択
比確保という二つの異なった役割を独立して担わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法、特にゲート電極の側壁に絶縁材料からなるサイド
ウォールを有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のシステムLSIやロジックLSI
を中心とした半導体デバイスの高性能化に伴ない、従来
のバルクSi基板に代わり、SOI(Silicon
onInsulator)基板上に電界効果トランジス
タ(Field Emission Transist
or:FET)を形成する技術が用いられている。この
手法は、絶縁性基板(SiO)上の薄膜シリコン上に
FETを形成する方法であり、従来のバルク基板に比較
して接合容量を低減できるため、動作速度を高速化で
き、また素子分離を容易化できる点でも優れている。中
でも、薄膜SOI層上に形成した完全空乏型FETは寄
生容量が小さくサブスレッショルド係数(Sub‐th
reshold Swing)がバルクに比べて小さい
(急峻である)ため、低消費電力デバイスとして注目さ
れている。さらにチャネル空乏層巾がSOI膜厚で決ま
るため、短チャネル効果抑制などに有効である。
【0003】これらのメリットを有するSOIデバイス
の完全空乏動作を実現するためには、デバイスの微細化
に伴って、SOI膜厚を薄膜化する必要がある。例え
ば、電子情報通信学会論文誌 C−II vol.J8
1−C−II No.3 pp.313−319(19
98)に示されているように、ゲート長が0.35μ
m、0.25μm、0.18μmとスケーリングされる
に従い、SOI膜厚は約60nm、50nm、40nm
と薄膜化されてきている。ゲート長0.1μm世代で
は、SOI薄膜は20nm未満が必要とされており、一
層薄膜化が進む。
【0004】SOI層を薄膜化した場合、ソース/ドレ
イン拡散層の寄生抵抗が上昇し、電流駆動能力の低下が
著しくなる。これを回避するため、通常、TiSixや
CoSix等のシリサイドを拡散層上に形成することに
より低抵抗化が図られている。CoSixシリサイドを
例にとると、COSi、CoSi、CoSiの3つ
の反応形態の中で最も抵抗の低いCoSi相を選択的
にSOI基板上に形成するためには、ある最適な膜厚の
Coを上記薄膜SOI基板上にスパッタ堆積させ、例え
ば(550℃、30秒)→(700℃、60秒)の2段
階の熱反応プロセス(RTA処理)によりCoSi
リサイドが安定的に形成可能であることが報告されてい
る(IEEE Electron Device Le
tters、Vol.15、No9(1994))。
【0005】しかしながら、SOI層を薄膜化した場
合、Coとの反応により消費されるSi量そのものが少
なくなり、微細化が制限されるようになってきた。さら
に上記薄膜SOI層はシリサイド形成前までのさまざま
なプロセスを経て次第に膜減りするため、デバイスの微
細化が進み、SOI層が薄膜化するにつれ、これらの影
響が無視できなくなってきている。
【0006】さらに上記プロセス起因のSOI層の薄膜
化は、シリサイド層の形成を不安定にし、場合によって
は欠損の原因となる。その後のコンタクトホール形成プ
ロセスにおいて、上記欠損部へコンタクトが落ちた場合
には、ホール底で欠損を介してBOX(Buried
OXide:埋め込み酸化膜)層の突き抜けを引き起こ
し、歩留まりを著しく低下させる結果となる。従って、
上記プロセス起因のSOI層の膜減りを極力低減するこ
とが微細SOIデバイスの開発上極めて重要な課題にな
ってくる。なお、本明細書中、このようなBOX層の突
き抜けに関係する歩留まりを「BOX歩留まり」と称す
る。
【0007】上記SOI層の膜減りの要因として、特に
シングルドレイン構造やLDDトランジスタ構造に用い
られるサイドウォールスペーサー形成エッチング時のS
OI層の膜減りの影響は深刻であり、膜減り量をほぼ0
にできるような、対Si選択比が極めて高いサイドウォ
ール形成エッチング技術が薄膜SOIデバイスに要求さ
れている。
【0008】本発明は、従来の電解効果トランジスタの
製造方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、本発明の第1の目的は、薄膜SOIデバイスにおい
て、超高選択比エッチング条件にてサイドウォールを形
成し、SOI層の膜減の量を極力低減することの可能
な、新規かつ改良された電解効果トランジスタの製造方
法及びエッチング方法を提供することである。
【0009】また、本発明の第2の目的は、薄膜SOI
デバイスにおいて、超高選択比エッチング条件にてサイ
ドウォールを形成し、SOI層の膜減の量を極力低減し
た場合であっても、安定した高い電流駆動能力を持つこ
との可能な、新規かつ改良された電解効果トランジスタ
の製造方法及びエッチング方法を提供することである。
【0010】また、本発明の第3の目的は、薄膜SOI
デバイスにおいて、超高選択比エッチング条件にてサイ
ドウォールを形成し、SOI層の膜減の量を極力低減し
た場合であっても、高歩留まりを実現することの可能
な、新規かつ改良された電解効果トランジスタの製造方
法及びエッチング方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の観点によれば、請求項1に記載のよ
うに、シリコンを含有する半導体基板上にゲート電極を
形成する工程と、前記ゲート電極を含む前記半導体基板
上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に対して異方
性エッチングを施し、前記絶縁膜の膜厚の70%〜90
%に相当する分だけ前記絶縁膜をエッチング除去する第
1のエッチング工程と、前記異方性エッチングよりもシ
リコンとの選択比が高い条件にて残存する前記シリコン
酸化膜のエッチングを行う第2のエッチング工程と、を
含むことを特徴とする、電界効果トランジスタの製造方
法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら、
本発明にかかる電界効果トランジスタの製造方法及びエ
ッチング方法の好適な実施の形態について詳細に説明す
る。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の
機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付
することにより重複説明を省略する。
【0013】(第1の実施の形態)本実施の形態は、S
OI層の膜減の量を極力低減することの可能な、対Si
選択比が極めて高いサイドウォール形成について説明す
る。発明者は、上述したSOI層の膜減り量を極力低減
する(実質0にする)ことのできるような、対Si選択
比が極めて高いサイドウォール形成エッチング条件を模
索した結果、今まで極めて困難とされていた約500も
の超高選択比が達成可能な実用的なプロセス条件を発見
した。以下にその手法について説明する。
【0014】(ダイポールリング型マグネトロンRIE
装置1)まず、以下の実施の形態で用いられる処理装置
の一例として、ダイポールリング型マグネトロンRIE
(Reactive Ion Etching)装置
を、図1を参照しながら説明する。
【0015】ダイポールリング型マグネトロンRIE装
置1は、電気的に接地された気密容器である処理室2を
その内部に有している。この処理室2内の底部には真空
ポンプ3に通ずる排気管4が接続されている。この処理
室2内はその底部周辺部から均等に真空引きすることが
可能であり、処理室2内を任意の圧力に設定維持できる
ように構成されている。
【0016】上記処理室2内の中央には、下部電極5及
びその支持台6が設けられている。下部電極5には、処
理室2外部に設けられている高周波電源7からの高周波
電力が、マッチング回路8、ブロッキングコンデンサ9
を介して供給されるように構成されている。
【0017】処理室2内の上部には、上部電極12が設
けられている。この上部電極12における半導体ウエハ
Wとの対向面には多数のガス拡散孔13が穿設されてい
る。上部電極12の上部に設けられているガス導入口1
4から供給される処理ガス(エッチングガス)は、これ
ら多数のガス拡散孔13から上記半導体ウエハWに向け
て均等に吐出されるように構成されている。
【0018】処理室2の側面には、これと近接して永久
磁石15が配置されている。この永久磁石15は、例え
ばモータなどの駆動機構(図示せず)によって所望の回
転速度で上記ガス導入口14をその回転中心軸として回
転するように構成されている。永久磁石15は、半導体
ウエハWに対して、その表面に均一な平行磁界を形成す
ることが可能になっている。
【0019】図2に上記ダイポールリング型マグネトロ
ンRIE装置1を用い、CHF/COの混合ガス(混
合比=15%/85%)を用いてSiO膜、Siをエ
ッチングした場合の、全ガス流量に対する各膜のエッチ
ング速度、SiO/Si選択比の変化を示す。ここ
で、圧力、RFパワー条件はそれぞれ35mTorr、
1600Wに固定してある。同様に、全圧力に対する選
択比の変化を図3に示す。RFパワー、CHF/CO
ガス流量条件はそれぞれ1600W、45/255(s
ccm)に固定してある。
【0020】図2、図3より全ガス流量が高くなる程、
すなわちガス滞留時間が短くなる程(図2参照)、また
全圧力が高くなる程(図3参照)、SiO/Si選択
比が高くなることがわかる。特に、図3の結果に示した
ように、RFパワー=1600W一定の下、CHF
CO=45/255(sccm)の高流量、70mTo
rrの高圧力条件下において、約500の超高選択比が
達成できた。なお、60mTorr以上の高圧力条件下
(例えば、65mTorr)であれば、実用的に十分な
超高選択比を達成可能である。
【0021】この時のSiO膜のエッチング速度は実
用的な値380nm/minが確保されており、約30
%のオーバーエッチ時の削れ量を実質0にすることがで
きた。本条件を実際の0.15μmSOIデバイス(S
OI膜厚=35nm)におけるサイドウォール形成エッ
チング工程に適用したところ、平坦部でのSOI層の膜
減り量はほぼ0であった。
【0022】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、プロセス起因のSOI層の目減り量を実質的に0に
することができるので、微細SOIデバイスの開発上極
めて有用である。
【0023】以上説明した第1の実施の形態は、プロセ
ス起因のSOI層の目減り量を実質的に0にすることが
でき、微細SOIデバイスの開発上極めて有用である。
【0024】(第2の実施の形態)第2の実施の形態で
は、第1の実施の形態で説明したエッチング条件をMO
Sトランジスタのサイドウォールの形成に適用した場合
について説明する。
【0025】第1の実施形態で説明したエッチング条件
をMOSトランジスタのサイドウォールにそのまま適用
した場合、特にシングルドレイン構造トランジスタにお
いて、電流知のばらつきが大きくなる場合がある。
【0026】発明者は、まず上述した約500の超高選
択比SWエッチング条件を用いた場合、特に、シングル
ドレイン構造トランジスタにおける電流値のばらつきが
大きくなる要因を調査するため、エッチング後のサイド
ウォール形状を透過電子顕微鏡(TEM)を用いて詳細
に解析した。図4は、SOI基板25上のゲート(ゲー
ト電極21、ゲート酸化膜22)側壁にサイドウォール
スペーサー23が形成された状態を示す説明図である。
その結果、図4に示したように、サイドウォール形状の
一部がテーパー状(テーパー部24)になっている(テ
ールを引いている)ことが判った。
【0027】これは、超高選択比を達成する目的でサイ
ドウォール形成用エッチングガスにCHF/COとい
う非常に堆積性の高いガスを用いたため、パターン側壁
にCF系の重合膜が厚く堆積し、それがエッチング進行
中、側壁部でマスクとして作用したためと考えられる。
この側壁部での重合膜の堆積速度は、圧力や温度などの
プロセスパラメータの変化に対して非常に敏感に影響さ
れるため、例えばウェハ面内においてこれらのプロセス
パラメータがばらついた場合にはそれが直接テール部の
テーパー角のばらつきにつながることになる。
【0028】サイドウォールスペーサーの幅は、特にシ
ングルドレイン構造トランジスタの場合、斜めからのイ
オン注入による不純物打ち込み時の濃度プロファイルを
決定する上で非常に重要なパラメータである。従って上
記テール形状は垂直形状に比べてその分だけサイドウォ
ール幅が実効的に広くなるため、テーパー角が僅かに変
化するだけで容易に不純物の打ち込み濃度プロファイル
が変化し、結果としてトランジスタの電流値の変動を引
き起こしてしまう。特にテーパー部の幅が大きくなる方
向へばらついた場合には、実効サイドウォール幅が目標
値から大きく外れ、ゲート付近にまで不純物イオンが到
達できず、電流値がオフセットになってしまう場合があ
ることが判った。従って、トランジスタ動作の安定化の
ためにはサイドウォール形状の垂直化が必須であると結
論づけられた。
【0029】発明者は、様々なフルオロカーボンブラズ
マを用いてサイドウォールスペーサー形成エッチングの
実験を行い、対Si選択比とサイドウォール形状の関係
を詳細に調査した。その結果、高選択比とサイドウォー
ル形状の垂直化はトレードオフの関係にあり、例えば上
述した約500もの超高選択比と、垂直なサイドウォー
ル形状を同時に達成することが実質不可能であることが
判った。これは主に高選択比を達成する手段としてフル
オロカーボン重合膜をSi上に選択的に厚く堆積させる
手法を利用していることに起因していると考えられる。
サイドウォール側壁部にも同時に、テール形状の原因と
なる厚い重合膜が堆積してしまうためである。
【0030】しかしながら、以下に説明する新たな手法
を用いることにより、Si削れが無く、かつ垂直なサイ
ドウォール形状を同時に達成することが可能となった。
この手法を用いることにより、図5に示したようなテー
ル部のない垂直かつSi削れの全く無いサイドウォール
スペーサー33が形成可能となった。このプロセスを実
際のSOIデバイスに適用したところ、トランジスタ動
作の不安定性、特に上述したオフセット電流の問題は飛
躍的に改善された。
【0031】以下に、対Si超高選択比と垂直サイドウ
ォール形状を同時に達成可能なエッチングプロセスを説
明する。
【0032】上述したように、発明者が行った実験の範
囲内においては、どのような種類のフルオロカーボンガ
スプラズマを用いた場合でも、対Si高選択比とサイド
ウォール形状の垂直化はトレードオフの関係にあり、こ
れらは同時には達成できないことが判った。この問題を
解決するため、従来からの単一ステップエッチングの考
え方をやめ、エッチングプロセスを2つのステップに分
割し、各ステップ毎にサイドウォールの垂直加工と、
対Si高選択比確保という二つの異なった役割を独立
して担わせるという発想を考えついた。
【0033】発明者は、被エッチング膜の全膜厚の内、
、各ステップにおけるエッチング量の比率とサイド
ウォール形状の関係を調査したところ、実験を行った範
囲内においてはの高選択比ステップでのエッチング量
の割合が被エッチング膜全体の膜厚の30%を越えると
テールを引いた形状になってしまうことが判った。すな
わちのステップのエッチング量を70%〜90%程度
(好ましくは90%程度)、のステップのエッチング
量を30%〜10%程度(好ましくは10%程度)、に
することによって超高選択比を確保しながら垂直なサイ
ドウォール形状を得ることが可能であることが判った。
以下に、図6を参照しながら、その具体的な手法につい
て説明する。
【0034】高さ200nmのゲート22上に、CVD
(Chemical VaporDepositio
n)によりSiO膜26を1500Å堆積した後(図
6(a))、まずのステップとしてダイポールリング
型マグネトロンRIE装置を用い、C/Ar(=
20/500(sccm))混合ガスを用いて40mT
orr、800Wにて上記SiO膜を全膜厚の70%
〜90%、好ましくは90%に相当する1350Åだけ
エッチングを行う(図6(b))。なお、C/A
r=20/500(sccm)は一例に過ぎず、全ガス
流量に対するArのガス流量の比が90%以上であれば
よい。
【0035】続いてのステップとして、同一チャンバ
ー内にて残りのSiO膜26’の150Å(全膜厚の
10%)を、高選択比条件にてエッチングを行う(図6
(c))。高選択比条件としては、例えば、上述のCH
/CO=45/255(sccm)、圧力70mT
orrの高流量、高圧力条件下で、RFパワー1600
Wにて行うことにより、選択比約500が達成できる。
このステップでのエッチング量は150Å以下と低く、
したがってエッチング時間も短い(数秒程度)ため、側
壁部での重合膜堆積によるテール形状化の効果は無視で
きる。
【0036】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、サイドウォールスペーサーのエッチングを2つのス
テップに分割し、各ステップ毎にサイドウォールの垂
直加工と、対Si高選択比確保という二つの異なった
役割を独立して担わせるようにしたため、従来トレード
オフの関係にあった対Si高選択比と垂直加工を同時に
達成することが可能となった。この技術を薄膜SOIデ
バイスへ適用することにより、特にシングルドレイン構
造トランジスタの動作の安定性が飛躍的に向上するよう
になった。
【0037】そして、FET下のSOI層(Si)の削
れが無く、かつ垂直なサイドウォールスペーサー33を
持ったFET構造を採用したため、従来サイドウォール
エッチングでSOI層(Si)削れを低減した場合に特
にシングルドレイン構造トランジスタで問題となってい
た動作の不安定性が解決され、安定したFETの動作が
可能となった。
【0038】(第3の実施の形態)本実施の形態は、特
定のエッチング条件に対しては上記第2の実施の形態の
効果が得られないという不具合を解消するためのもので
あり、第1のエッチングステップに必須な条件としてO
ガスを添加することを特徴としている。
【0039】上記第2の実施の形態では、サイドウォー
ルスペーサーのエッチングを2つのステップに分割する
ことにより対Si高選択比と垂直加工を同時に達成でき
ることを示した。しかしながら、第1のステップに、あ
る特定なエッチング条件を用いると、エッチングを2つ
のステップに分割しても垂直形状を達成できない場合が
あることが実験により判った。例えば、第1のステップ
にCHF/Arや、CHF/CF/Ar等を用い
ると、上述した2ステッププロセスを用いても形状はテ
ールを引いた形状となってしまう。これは本来垂直加工
だけを目指した第1のステップにおいて、側壁部での不
要な堆積効果が促進されてしまうことに起因すると考え
られる。
【0040】発明者は、第2のエッチングステップ条件
を固定したまま第1のエッチングステップにさまざまな
種類のガスを用いた場合のサイドウォール形状の変化を
調べた。その結果、第1のエッチングステップにどのよ
うな種類のガスを用いても、共通してOガスを添加す
ることにより、形状の垂直化が可能であることを見出し
た。第1のエッチングステップ用ガスとして、例えば、
上記第2の実施の形態のC/ArにOを加えた
/O/Ar(=20/10/500(scc
m))のほか、CHF/O/Ar、CHF/CF
/O/Ar、CF/O/Ar等の混合ガスを用
いることにより垂直加工が可能となる。
【0041】以上説明したように、本実施の形態ではサ
イドウォールスペーサーのエッチングを2つのステップ
に分割し、かつ第1のステップにOを添加するプロセ
スを用いたため、2つのステップに分割しても、サイド
ウォール形状が垂直化しないという問題点を解決でき、
対Si高選択比と垂直加工を同時に達成することが可能
となった。この技術を薄膜SOIデバイスへ適用するこ
とにより、特にシングルドレイン構造トランジスタの動
作の安定性が飛躍的に向上した。
【0042】(第4の実施の形態)本実施の形態は、B
OX歩留まりの向上を目的とするものである。
【0043】上記第2、第3の実施の形態では、超高選
択比エッチング条件にてサイドウォールを形成した場合
に、特にシングルドレイン構造トランジスタの動作が不
安定になるという問題を解決するFETの構造、及び、
その製造方法について説明した。またここで開発したサ
イドウォール形成プロセスによってSOI層の膜減り量
を極力低減し、その後のプロセスに最低限必要なSOI
層の残膜厚を確保できることを示した。
【0044】このSOI層の残膜厚の確保は、その後安
定したCoSiシリサイドを選択的に形成し、電流駆
動能力を向上させることができた。
【0045】本実施形態では、その後のCoシリサイド
層へおちるコンタクトホール形成プロセスにおいても、
ホール底でのBOX層歩留まり低下を飛躍的に改善でき
る半導体装置の製造方法について説明する。
【0046】発明者は、上記ホール底でのBOX層歩留
まり低下の要因を調査するため、第2、第3の実施の形
態で説明した2ステップエッチング手法でサイドウォー
ルを形成した場合のサイドウォール形状を透過電子顕微
鏡(TEM)を用いて詳細に解析した。その結果、図7
に示したように、平坦部でのSi削れがほぼ0であるに
も関わらず、サイドウォール端部で、サブトレンチと呼
ばれる(トレンチングなどとも呼ばれる。)50Å程度
のSi削れ47が局所的に起きていることが判った。
【0047】このサブトレンチの発生機構の詳細は現段
階では不明であるが、イオンのサイドウォール側壁部
での反射、サイドウォール近傍での電界歪みによる入
射イオンの軌道変化、パターン近傍での重合膜堆積
(イオン衝撃からの保護効果)の遮蔽効果等が考えられ
る。
【0048】解析の結果、サブトレンチ部ではSOI膜
厚は実効的に薄膜化しているため、その後安定なCoS
シリサイドを形成した場合、上記サブトレンチ部で
はCoとの反応により消費されるSi量そのものが少な
いため、より抵抗の高いメタルリッチなCoSixが形
成されることが判った。このメタルリッチなCoSix
層は前述の第2RTA温度(通常750〜850℃)付
近では化学的に不安定であり、上記熱処理中にCoSi
x中のCoが遊離して表面エネルギーが安定なCoSi
になろうとする。
【0049】遊離したCoはCoSi層へ拡散するか
あるいはサイドウォール下のSi層へ拡散しSiとの合
金を形成するが、この時CoSix/CoSi界面
(すなわちサブトレンチング部)を介して結晶粒成長が
起こり、界面での亀裂が生じるようになる。これが進む
と欠損(ボイド)が生じる。この欠損上にコンタクトホ
ールが開ロされた場合、ホール底で欠損を介してBOX
層を突き抜け、Si基板にまで達してしまう。特にセル
フアラインコンタクトのように、ホールがゲートあるい
はサイドウォールに接触して開口される場合は、上記B
OX層の突き抜けの可能性が飛躍的に向上してしまうこ
とが判った。
【0050】従って、BOX歩留まりの低下を改善する
ためには、サイドウォール端部でサブトレンチ(Siの
極所的な削れ)を無くすことが必須であると結論づけら
れた。
【0051】発明者は、様々なフルオロカーボンプラズ
マを用いてサイドウォールスべーサー形成エッチングの
実験を行った結果、どのような条件を用いてもサイドウ
ォール端部でのSiOのエッチング速度が早くなり、
またこの部分での正味の対Si選択比も低いことが判っ
た。しかしながら、以下に詳細に説明する手法を用いる
ことにより、サブトレンチが無い、垂直なサイドウォー
ル形状を達成することが可能となった。
【0052】この手法を用いることにより、図5に示し
たようなテール部のない垂直かつSi削れの全く無いサ
イドウォールスペーサーが形成可能となった。このプロ
セスを実際の0.15μmSOIデバイスに適用したと
ころ、トランジスタ動作の不安定性、特に上述したオフ
セット電流の問題は飛躍的に改善された。
【0053】以下に、サブトレンチのないサイドウォー
ル形成エッチング方法について説明する。
【0054】上述したように、単一条件でサイドウォー
ルエッチングを行った場合、サイドウォール端部でのS
iOのエッチング速度が早く、またこの部分での正味
の対Si選択比も低いことが判った。サイドウォール端
部で局所的に選択比が悪いのは、平坦部より早くサイド
ウォール端部でエッチングが終了しSiが現れるため、
その時点で未だ平坦部に残っているSiOからの反応
生成物であるOがこの部分を攻撃し、エッチング保護層
であるフルオロカーボン重合膜を除去してしまうため
と、考えられる。このことにより第2ステップの選択比
が500もの極めて高い値であっても局所的にSi削れ
が発生するものと考えられる。
【0055】発明者はこの問題を解決するため、第2ス
テップのエッチングにおいて、初めにサイドウォール端
部でSiが現れてからサイドウォールエッチングが完全
に終了するまでの間、すなわちサイドウォール端部のS
iがOの攻撃を受けている間、Siを堆積性の極めて高
い条件のプラズマに曝すことによって厚い重合膜を堆積
させ、この間Oからの攻撃を受けても完全に除去される
までには至らないようにした。以下、その具体的なエッ
チング条件を説明する。
【0056】第2の実施の形態で説明したように、まず
第1のステップとしてダイボールリング型マグネトロン
RIE装置を用い、C/O/Ar(=20/1
0/500(sccm))混合ガスを用いて40mTo
rr、800Wにて上記SiO膜を全膜厚の90%に
相当する1350Åだけエッチングを行う。続いて同一
チャンバー内にて残りの150Åを、上記堆積性の極め
て高い条件でエッチングを行う。
【0057】第2ステップの条件としては、例えば、C
HF/CO=45/255(sccm)、圧力70m
Torrの高流量、高圧力条件下で、RFパワーを第2
の実施の形態で示した1600Wよりさらに低パワーの
800Wにて行うことにより、選択比が極めて大きい超
高選択比が達成できる。このように対Si選択比を50
0よりも極めて大きくすることによってサブトレンチン
グのない垂直なサイドウォールの形成が可能となる。
【0058】発明者は、さまざまなフルオロカーボンプ
ラズマを評価した結果、上記超高選択比を得ることがで
きる実用的なガス種は非常に限定されていることが判っ
た。すなわち、エッチングガスにCHF/CO(=4
5/255(sccm))、またはCH/CO、
またはCH/CHF/COの混合ガスを用いる
ことが必要であることが判った。
【0059】以上説明したように、本実施の形態ではサ
イドウォールスペーサーのエッチングを2つのステップ
に分割し、第2のエッチングステップにCHF/C
O、またはCH/CO、またはCH/CH
/COの混合ガスを用いて、対Si選択比を極めて
高くするようにしたため、従来サイドウォール端部で発
生していたサブトレンチを抑制し、垂直かつSi削れの
ないサイドウォールスペーサーを形成することが可能と
なった。この技術を薄膜SOIデバイスへ適用すること
により、SOIデバイスのBOX歩留まりの低下を飛躍
的に改善できるようになった。
【0060】以上、添付図面を参照しながら本発明にか
かる電界効果トランジスタの製造方法及びエッチング方
法の好適な実施形態について説明したが、本発明はかか
る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲
に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例
または修正例に想到し得ることは明らかであり、それら
についても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了
解される。
【0061】例えば、上記実施の形態では、SOI基板
上に形成されたゲート電極上に堆積されたSiO膜を
エッチングする場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されない。Si基板上に形成されたゲート電極上
に堆積されたSiO膜をエッチングする場合であって
も、本発明を適用することが可能であり、Si基板表面
へのダメージを低減させることが可能である。
【0062】(第5の実施の形態)第5の実施形態で
は、第2の実施形態におけるサイドウォールとしてシリ
コン窒化膜を用いた場合について説明する。
【0063】近年、半導体素子の微細化に伴い、SAC
(Self−aligned Contact)と呼ば
れる技術が脚光を浴びている。
【0064】SAC構造とは、トランジスタのゲート電
極の上部および側壁にシリコン窒化膜を形成し、トラン
ジスタのソースやドレインに達するコンタクトホールを
形成する際に、このシリコン窒化膜により自己整合的に
コンタクトホールを開口する技術である。
【0065】このシリコン窒化膜は、同時にLDDトラ
ンジスタや、シングルドレイントランジスタなどにおけ
るチャネル領域の不純物プロファイルをコントロールす
る際のイオン注入マスクとしての役割を演じるため、そ
の巾や形状制御はトランジスタの安定動作上極めて重要
となってくる。したがって上記SAC構造の場合、SO
I基板におけるシリコン層の膜減り量をほぼ0にできる
ような、対Si選択比が極めて高いシリコン窒化膜によ
るサイドウォール形成エッチングを達成すると同時に、
サイドウォールの巾や形状を高精度にコントロールする
ことが要求されてくる。
【0066】本実施形態では、SOI層の膜減り量を実
質的に0にできるような、対Si選択比が極めて高いシ
リコン窒化膜のサイドウォール形成エッチング条件を模
索した結果、今まで極めて困難とされていた約500も
の超高選択比が得られ、且ウエハ面内均一性も±5%以
内という実用的なプロセス条件を見出した。以下にその
手法について述べる。
【0067】シリコン窒化膜のサイドウォールエッチン
グ時のシリコン窒化膜とシリコンとの高選択比プロセス
を構築するため、発明者は先ず第1の実施形態における
エッチング条件をシリコン窒化膜に対して適用してみ
た。
【0068】この場合、シリコン窒化膜とシリコンとの
選択比は200以上というきわめて高い選択非が達成で
きた反面、ウエハ面内均一性が極端に悪化してしまうと
いう問題点が発生した。
【0069】一例として、図8にダイポールリング型マ
グネトロンRIE装置を用い、CHF/CO流量=3
0/170(sccm)、RFパワー800W、電極間
隔27mm一定の条件の下、圧力条件を15〜70mT
orrまで変化させた場合のSi、Siの各エッ
チング速度およびSi/Si選択比の変化を示
す。
【0070】また、その時のSiのエッチング速
度の面内均一性(6インチウエハ面内)も同一グラフ内
に示した。
【0071】図8より圧力が高くなるにつれてSi
のエッチング速度は次第に上昇するが、逆にSiのエ
ッチング速度は減少し、結果としてSi/Si選
択比は向上する。この傾向は第1の実施形態で示したS
iO/Si選択比の変化と一致する。
【0072】図8より70mTorrの高圧力条件下で
は200以上の高選択比が達成できていることがわか
る。しかしながら、一方ではシリコン酸化膜のサイドウ
ォールの場合と異なり、面内均一性は高圧化に伴って次
第に悪化し、70mTorrでは±19%にまで達す
る。この傾向はガス流量に対しても全く同様であり、高
流量にするほどSi/Si選択比は上昇するが、
逆に面内均一性は悪化した。このようにSi/S
i高選択比と面内均一性とはトレードオフの関係にあ
り、何らかの技術的改良が必要であることがわかった。
なお、均一性に関しては最適な圧力条件が存在し、図8
に示すように20〜30mTorrで最小になることが
わかった。
【0073】次に発明者は、上記トレードオフの関係に
あるSi/Si高選択比と面内均一性の問題を克
服できる新たなガス種を模索した結果、上記CHF
COガス系で高均一性が得られる低圧、低流量条件にC
ガスを添加することによって、均一性を悪化さ
せることなく選択比を極めて高くできることを見出し
た。
【0074】図9はCO流量=170(sccm)、C
HF+CH=30(sccm)、RFパワー8
00W、電極間隔40mm一定条件の下、CHF3/
の流量比を変化させた場合のSi膜、S
i膜の各エッチング速度およびSi/Si選択比
の変化を示す。Siのエッチング速度の面内均一
性も同一グラフ内に示した。
【0075】CHの流量比が上昇するにつれ、S
/Siのエッチング速度はわずかに上昇する
が、Siのエッチング速度は減少し、結果としてSi
/Si選択比は高くなっていく。一方面内均一性は
選択比が高くなっても極端に悪化することなく何れも±
5%以内に入っていることがわかる。
【0076】CHF3/CH=15/15(sc
cm)では、Si/Si選択比約500、均一性
±4.8%が達成できた。このときのSi膜のエ
ッチング速度は実用的な値160nm/minが確保さ
れており、約30%のオーバーエッチング時のSiの削
れ量を実質的に0にすることができた。
【0077】以上述べたように、シリコン上に形成され
たシリコン窒化膜をエッチングする条件として(1)エ
ッチングガスにCHF+CH+COの混合ガス
を用い、(2)圧力条件を20〜30mTorrに保持
し、(3)CHF+CHガス中のCH
合比を30%以上にするようにしたため、Si
Si選択比と、均一性の問題点との両方を解決し、均一
性±5%を保持しながらSi/Si選択比500
以上を達成することが可能となった。
【0078】(第6の実施の形態)第6の実施の形態で
は、第5の実施の形態で説明したエッチング条件をMO
Sトランジスタのサイドウォール形成時のエッチングに
適用した例を説明する。
【0079】第5の実施の形態で説明したエッチング条
件においてSiをエッチングする場合において
も、第2の実施の形態で説明したように、サイドウォー
ルの一部がテーパー状になっている(テールを引いてい
る)ことがわかった。
【0080】これは、超高選択比を達成する目的でサイ
ドウォール形成用エッチングガスにCHF+CH
+COという非常に堆積性の高いガスを用いたため、
パターン側壁にCF系の重合膜が厚く堆積し、それがエ
ッチング進行中、側壁部でマスクとして作用したためと
考えられる。この側壁部での重合膜の堆積速度は、圧力
や温度などのプロセスパラメータの変化に対して非常に
敏感に影響されるため、例えばウエハ面内においてこれ
らのプロセスパラメータがばらついた場合にはそれが直
接テール部のテーパー角のばらつきにつながることにな
る。
【0081】サイドウォールスペーサーの巾は、特にシ
ングルドレイン構造トランジスタの場合、斜めからのイ
オン注入による不純物打ち込み時の濃度プロファイルを
決定する上で非常に重要なパラメータである。したがっ
て、上記テール形状は垂直形状に比べてその分だけサイ
ドウォール巾が実効的に広くなるため、テーパー角が僅
かに変化するだけで容易に不純物の打ち込み濃度プロフ
ァイルが変化し、結果としてトランジスタの電流値の変
動を引き起こしてしまう。特にテーパー部の巾が大きく
なる方向へばらついた場合には、実効サイドウォール巾
が目標値から外れ、ゲート付近にまで不純物イオンが到
達できず、電流値がオフセットになってしまう場合があ
ることがわかった。したがって、トランジスタ動作の安
定化のためにはサイドウォール形状の垂直化が必須であ
ると結論付けられた。
【0082】発明者は、様々なフルオロカーボンプラズ
マを用いてサイドウォールスペーサー形成エッチングの
実験を行い、対Si選択比とサイドウォール形状の関係
を詳細に調査した。その結果、高選択比とサイドウォー
ル形状の垂直化はトレードオフの関係にあり、たとえば
上述した約500もの超高選択比と、垂直なサイドウォ
ール形状を同時に達成することが実質不可能であること
がわかった。これは主に高選択比を達成する手段として
フルオロカーボン重合膜をSi上に選択的に厚く堆積さ
せる手法を利用していることに起因していると考えられ
る(サイドウォール側壁部にも同時に、テール形状の原
因となる厚い重合膜が堆積してしまうため)。
【0083】第6の実施の形態では、エッチングプロセ
スを2回のエッチング工程で行い、各工程ごとにSi
サイドウォールの垂直加工と対Si高選択比確
保という二つの異なった役割を独立して担わせるという
発想を考え付いた。
【0084】被エッチング膜の全膜厚のうち、、各
工程におけるエッチング量の比率とSiサイドウ
ォール形状の関係を調査したところ、実験を行った範囲
内においては、の高選択比ステップでのエッチング量
の割合が被エッチング膜全体の膜厚の30%を越えると
テールを引いた形状になってしまうことがわかった。
【0085】すなわち、のステップのエッチング量を
Siの膜厚の30%以下、をSiの膜厚
の70%以上にすることによって超高選択比を確保しな
がら垂直なサイドウォール形状を得ることが可能である
ことがわかった。
【0086】以下、図10を用いてその具体的な手法に
ついて述べる。
【0087】先ず、図10(a)に示すように、半導体
ウエハのシリコン膜101上にゲート絶縁膜102ゲー
ト電極膜103を順次形成した後、Siハードマ
スク104をマスクとしてゲート電極膜103およびゲ
ート絶縁膜102をエッチングする。このときのゲート
電極の高さは例えば200nmである。
【0088】シリコン膜101は、例えば、SOI基板
における絶縁膜上に形成されたシリコン層である。
【0089】次に、半導体ウエハ全面にLP−CVD法
によりSi膜105を500Å堆積する。
【0090】次に、図10(b)に示すように、ダイポ
ールリング型マグネトロンRIE装置を用い、CHF
/O/Ar(流量30/5/150(sccm))混
合ガス用いて25mTorr、RFパワー300Wにて
Si膜105を全膜厚の70%に相当する350
Åだけエッチングを行う。この条件では、Si
105は実質的に垂直にエッチングされる。
【0091】ここでは、CHF/O/Ar混合ガス
を用いたが、CHF/CF/O /Ar混合ガス
や、CF/O/Ar混合ガスを用いることも出き
る。このように、Oを含むガスを用いることにより、
側壁部における不要な堆積効果を抑制することが可能と
なる。
【0092】次に、図10(c)に示すように、Si
膜105の残りの150Å(全膜厚の30%)を第
5の実施の形態で説明した高選択比条件にてエッチング
を行う。高選択比条件としては、例えば、CHF3/
2/CO=15/15/170(sccm)、R
Fパワー800W、電極間隔40mmにて行うことによ
り、選択比約500が達成できる。このステップでのエ
ッチング量は150Å以下と低く、したがって、エッチ
ング時間も短い(数秒程度)ため、側壁部での重合膜堆
積によるテール化の効果は無視できる。また、これらの
2工程のエッチング工程は同一チャンバー内にて連続し
て行われることが望ましい。
【0093】このように、第6の実施の形態では、Si
サイドウォールスペーサーのエッチングを複数の
ステップに分割し、各ステップ毎にSiサイド
ウォールの垂直加工と対Si高選択比確保という二つ
の異なった役割を独立して担わせるようにしたため、従
来トレードオフの関係にあった対Si高選択比と垂直加
工とを同時に達成することが可能となった。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
薄膜SOIデバイスにおいて、超高選択比エッチング条
件にてサイドウォールを形成し、SOI層の膜減の量を
極力低減することが可能である。さらに、SOI層の膜
減の量を極力低減した場合であっても、安定した高い電
流駆動能力を持った電界効果トランジスタを提供するこ
とが可能である。さらに、SOI層の膜減の量を極力低
減した場合であっても、高歩留まりを実現することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイポールリング型マグネトロンRIE装置の
説明図である。
【図2】CHF/CO全ガス流量に対するSiO
Siのエッチング速度及びSiO/Si選択比の変化
を示す説明図である。
【図3】CHF/COガスの全圧力に対するSi
、Siのエッチング速度及びSiO/Si選択比
の変化を示す説明図である。
【図4】対Si高選択比条件(CHF/COガスを用
いて、単一ステップでエッチングを行う)でサイドウォ
ールスペーサーを形成した場合の形状を示す説明図であ
る。
【図5】第2の実施の形態のFET構造を示す説明図で
ある。
【図6】第2の実施の形態のFET構造を示す説明図で
あり、(a)はエッチング前の形状であり、(b)は第
1ステップのエッチング形状であり、(c)は第2ステ
ップのエッチング形状である。
【図7】対Si高選択比、垂直加工を行った場合のサイ
ドウォールスペーサー端部での局所的なSi崩れ(サブ
トレンチあるいはトレンチング)を示す説明図である。
【図8】CHF/CO全ガス圧力に対するSi
、Siのエッチング速度及びSi/Si選
択比の変化を示す説明図である。
【図9】CH/CHF流量比に対するSi
、Siのエッチング速度及びSi/Si選択比
の変化を示す説明図である。
【図10】第6の実施の形態のFET構造を示す説明図
であり、(a)はエッチング前の形状であり、(b)は
第1ステップのエッチング形状であり、(c)は第2ス
テップのエッチング形状である。
【符号の説明】
21 ゲート電極 22 ゲート酸化膜 25 Si基板 26 SiO膜 33 サイドウォールスペーサー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 H01L 21/302 J Fターム(参考) 4M104 AA01 AA09 BB20 CC01 DD02 DD04 DD08 DD16 DD17 DD78 DD84 EE09 EE14 EE17 GG09 GG10 GG14 HH14 HH20 5F004 AA05 BA13 BB08 CA02 DA00 DA01 DA15 DA16 DA23 DA26 DB03 DB07 EA12 EA28 5F033 GG03 KK25 QQ09 QQ13 QQ15 QQ21 QQ37 QQ58 QQ65 QQ70 QQ73 RR04 RR06 SS11 SS13 TT08 WW00 WW02 WW05 WW06 WW10 XX03 XX06 XX15 5F110 AA04 AA26 CC02 DD05 DD11 EE32 EE45 GG02 GG25 HK05 HK40 HM15 QQ04 QQ11 QQ30 5F140 AA26 BA01 BG52 BG53 BG58 BG60 BH15 BJ01 BJ08 BK27 BK34

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンを含有する半導体基板上にゲー
    ト電極を形成する工程と、 前記ゲート電極を含む前記半導体基板上に絶縁膜を形成
    する工程と、 前記絶縁膜に対して異方性エッチングを施し、前記絶縁
    膜の膜厚の70%〜90%に相当する分だけ前記絶縁膜
    をエッチング除去する第1のエッチング工程と、 前記異方性エッチングよりもシリコンとの選択比が高い
    条件にて残存する前記絶縁膜のエッチングを行う第2の
    エッチング工程と、 を含むことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記絶縁膜はシリコン酸化膜であることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記第2のエッチングを行う工程は、シリコン
    との選択比が500以上の条件で行うことを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記第1のエッチング工程は、処理ガスにC
    とArの混合ガスを用い、全ガス流量に対するAr
    のガス流量比が90%以上の条件にて行われることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記第1のエッチング工程は、処理ガスにO
    を含む混合ガスを用いることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記Oを含む混合ガスは、CとO
    Arの混合ガス、CHFとOとArの混合ガス、C
    HFとCFとOとArの混合ガス、CFとO
    とArの混合ガスのいずれかの混合ガスであることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれかに記載の半導体装
    置の製造方法において、前記第1のエッチング工程と前
    記第2のエッチング工程とが、同一のエッチング装置を
    用いて行われることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の半導体装置において、前
    記第2のエッチング工程は、CFHとCOとの混合ガ
    スを用い、全ガス流量を300sccm以上に保持し、
    全ガス圧力を60mTorr以上に保持することにより
    行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記絶縁膜はシリコン窒化膜であることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の半導体装置の製造方法
    において、前記第2のエッチング工程は、シリコンとの
    選択比が500以上の条件で行うことを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の半導体装置の製造方法
    において、前記第2のエッチング工程は、CHFとC
    とCOとの混合ガスを用い、圧力を20mTo
    rr以上30mTorr以下に保持し、CHFとCH
    との混合ガス中のCHの混合比を30%以
    上の条件で行われることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の半導体装置の製造方法
    において、前記第1のエッチング工程は、処理ガスにO
    を含む混合ガスを用いることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の半導体装置の製造方法
    において、前記半導体基板は、絶縁層と、前記絶縁層上
    に形成されたシリコン層を有する半導体基板であり、前
    記ゲート電極は前記シリコン層上に形成されることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
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