JP2002237416A - 電源トランスおよび電源トランスの製造方法 - Google Patents

電源トランスおよび電源トランスの製造方法

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JP2002237416A
JP2002237416A JP2001032593A JP2001032593A JP2002237416A JP 2002237416 A JP2002237416 A JP 2002237416A JP 2001032593 A JP2001032593 A JP 2001032593A JP 2001032593 A JP2001032593 A JP 2001032593A JP 2002237416 A JP2002237416 A JP 2002237416A
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power transformer
primary winding
winding
silicone resin
secondary winding
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JP2001032593A
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English (en)
Inventor
Koichi Ueki
浩一 植木
Fumito Takahashi
文人 高橋
Takayuki Usuda
隆行 薄田
Shigenori Kinoshita
繁則 木下
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源装置内部の熱を外部に逃がすようにし
て、出力容量を高める電源トランスおよびその製造方法
を提供する。 【解決手段】一次巻線30,40と二次巻線50,60
との間に密着して介在する熱伝導層1,2により、一次
巻線30,40の銅損による発熱を二次巻線50,60
を通じてパワーモジュールの冷却フィンまで伝導して、
放熱するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スイッチング電
源等の電源装置に組み込まれる電力変換手段としての電
源トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源等の電源装置に組み込
まれる電源トランスは小型であるとともに変換効率を向
上させるために特性が安定していることが望まれてお
り、従来から特性を安定化するための各種の技術開発が
なされている。本出願人も、特性の安定を実現する電源
トランスに関する発明について、特願平6−27776
号として特許出願を行っており、そして、この特許出願
は特開平7−235428号として出願公開されるに至
っている。この従来技術の電源トランスについて以下に
説明する。
【0003】図5は従来技術の電源トランスの分解斜視
図である。図5において、10,20はそれぞれコアで
あり、このコア10,20は中央部に円柱状の突起10
A,20Aを有し、この突起10A,20Aの周囲に巻
線収納部10B,20Bが形成されている。
【0004】30,40はそれぞれ内周からの引出し部
30A,40Aと外周からの引き出し部30B,40B
を有する一次巻線であり、この一次巻線30,40はそ
れぞれ渦巻状に巻回されると共に平板状に形成され、内
側にある巻線の引出し部30A,40Aは平板状面に沿
って導き出される。50,60はそれぞれ引出し部50
A,50Bと60A,60Bを有する二次巻線であり、
この二次巻線50,60は平板状でほぼ円形に近い馬蹄
形に形成されており、前記引出し部50A,50Bと6
0A,60Bにはそれぞれ外部接続のための孔50C,
50Dと60C,60Dが形成されている。この孔はね
じ孔やきり孔などである。
【0005】70はコア10,20の巻線収納部10
B,20Bに収納される絶縁部材であり、この絶縁部材
70はコア10,20の突起10A,20Bが挿入され
る中空円筒状の内周壁70Aと、切欠き部70C,70
Dにより両端が開放された外周壁70Bを有する。一次
巻線30,40の引出し部30A,30B,40A,4
0Bが通る絶縁部材70の切欠き部70Dの開放幅は、
一次巻線30,40のそれぞれの引出し部30A,30
Bと40A,40Bの間隔に一致し、引出し部30A,
30B,40A,40Bをガイドする役割を果たしてい
る。同様に、二次巻線50,60の引出し部50A,5
0B,60A,60Bが通る絶縁部材70の切欠き部7
0Cの開放幅は、二次巻線50,60のそれぞれの引出
し部50A,50B,60A,60Bの間隔に一致して
いる。
【0006】80〜110はスペーサである。これらス
ペーサ80〜110が配置される理由について説明す
る。一次巻線30,40は、三重被覆電線を用いている
ため、絶縁を保つための沿面距離を確保する必要がな
く、近接して配置することを可能としている。しかしな
がら、一次巻線30,40が、接着等されることなく単
に載置されるのみのため移動が可能であり、一次巻線3
0,40の移動により生じたこすれのために被覆が破ら
れ、コア10,二次巻線50,60等に接触してレアー
ショートするという事態が起こる恐れがある。そこで万
が一被覆が破れたとしてもレアーショートするという事
態を防止するために設けるものである。
【0007】スペーサ80は、一次巻線30とコア10
との間を絶縁するものである。スペーサ80には切欠き
80Aが設けられ、一次巻線30の引出し部30Aがこ
の切欠き部80Aにはめ込まれるように一次巻線30の
平板面上に重ねて配置される。スペーサ90は、一次巻
線40と二次巻線50との間を絶縁し、かつその厚さ寸
法を変えることにより一次巻線40と二次巻線50との
間の間隙を任意に決めることができるものである。スペ
ーサ90には切欠き90Aが設けられ、一次巻線40の
引出し部40Aがこの切り欠き部90Aにはめ込まれる
ように一次巻線40の平板面上に重ねて配置される。
【0008】スペーサ100は、一次巻線30と二次巻
線50との間を絶縁し、かつその厚さ寸法を変えること
により一次巻線30と二次巻線50との間の間隙を任意
に決めることができるものである。スペーサ110は一
次巻線40と二次巻線60との間を絶縁し、かつその厚
さ寸法を変えることにより一次巻線40と二次巻線60
との間の間隙を任意に決めることができるものである。
【0009】図5に示した電源トランスを組み立てる場
合、絶縁部材70の内周壁70Aと外周壁70Bとの間
の空間内に、二次巻線60、スペーサ110、一次巻線
40、スペーサ90、二次巻線50、スペーサ100、
一次巻線30、スペーサ80の順に組み込む。その組み
込みの際、二次巻線50,60の引出し部50A,50
B,60A,60Bが絶縁部材70の切欠き部70Cか
ら突出し、また一次巻線30,40の引出し部30A,
30B,40A,40Bが絶縁部材70の切欠き部70
Dから突出するように組み込む。
【0010】このように一次巻線30,40と二次巻線
50,60とスペーサ80,90,100,110が所
定の順に組み込まれた絶縁部材70はコア20に組み込
まれる。この場合絶縁部材70の内周壁70Aにより形
成される貫通孔内にコア20の突起20Aが差し込まれ
る。コア20に絶縁部材70を組み込んだ後コア10を
コア10の突起10Aが絶縁部材70の内周壁70Aに
より形成される貫通孔内に差し込まれるように重ね合わ
せ、コア10の突起10Aの先端をコア20の突起20
Aの先端に当接させて核心部を形成し、コア10とコア
20とを絶縁テープ等により固定することにより電源ト
ランスが完成する。
【0011】このように組立てられた電源トランスにお
いては、一次巻線30,40の内側の引出し部30A,
40Aがスペーサ80,90の切欠き部80A,90A
に案内されると共に一次巻線30,40の折り曲げ部3
0C,40Cがスペーサ80,90の曲面部80B,9
0Bで支持され、また一次巻線30,40の外側の引出
し部30B,40Bの折り曲げ部30D,40Dが絶縁
部材70の切欠き部70Dにより支持されることによ
り、一次巻線30,40の引出し部30A,30B,4
0A,40Bが外側に引っ張られた場合にもその折り曲
げ部30C,30D,40C,40Dが外側に変形する
ことがない。
【0012】このような従来技術の電源トランスによれ
ば、引出し部30A,30B,40A,40Bが外側に
引っ張られたときにもその折り曲げ部が外側に変形する
ことがないため、電源トランスの特性が低下することが
なく、特性のばらつきをなくすという効果を有するもの
であった。さらに、一次巻線の変形を、接着剤で一次巻
線の引出し部の折り曲げ部を固定するようなこと、折り
曲げ部の変形を防止するために特別の部品を用いるよう
なことがないので、組立工数が増加することもなく、安
価な電源トランスとしていた。従来技術の電源トランス
はこのような構成・効果を有するものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す従来技術の
電源トランスにおいては、二次巻線50,60による発
熱は、図示しないものの、二次巻線50,60に直結す
るダイオードモジュールに取り付けられた冷却フィン等
まで伝達されて放熱されるため、二次巻線50,60の
温度上昇を抑制することができた。しかしながら、一次
巻線30,40の放熱については問題点を有している。
以下、この点について説明する。
【0014】一次巻線30と二次巻線50との間にはス
ペーサ100が、また、一次巻線40と二次巻線60と
の間にはスペーサ110が、それぞれ介在している。こ
れらスペーサ100,110は、熱伝導性の悪い絶縁体
により形成されていたため、一次巻線30の銅損による
発熱は、スペーサ80,100および内周壁70A,外
周壁70Bで仕切られる空間に滞留し、また、一次巻線
40の銅損による発熱は、スペーサ90,110および
内周壁70A,外周壁70Bで仕切られる空間に滞留す
る。このため、電源トランス内部、特に、一次巻線3
0,40は高熱であり、ひいては電源トランスの出力容
量を高くできないという問題点があった。
【0015】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、上述した電源装置内部
の熱を外部に逃がすようにして、出力容量を高める電源
トランスおよびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明の電源トランスは、中央開口を
有するように巻回され、引出し部を有する一次巻線と、
平板状で中央開口を有するように形成され、引出し部を
有する二次巻線と、前記一次巻線と前記二次巻線との間
に介在し、前記一次巻線と前記二次巻線との間の熱伝導
を行う熱伝導層と、前記引き出し部を引き出した状態で
前記熱伝導層、前記一次巻線および前記二次巻線を覆う
外周壁と、前記一次巻線および前記二次巻線の中央開口
内にある内周壁とをともに有する絶縁部材と、前記絶縁
部材の前記内周壁内に挿入される核芯が形成されたコア
と、を備える電源トランスであって、前記一次巻線によ
る発熱は、前記熱伝導層を介して前記二次巻線へ熱伝導
されて外部で放熱されることを特徴とする。
【0017】また、請求項2に係る発明の電源トランス
は、請求項1に記載の電源トランスにおいて、前記熱伝
導層は、シリコーン樹脂が前記一次巻線の前記引き出し
部以外の表面を覆うように形成された層であることを特
徴とする。
【0018】また、請求項3に係る発明の電源トランス
は、請求項1に記載の電源トランスにおいて、前記熱伝
導層は、シリコーン樹脂およびシリコーン樹脂が充填さ
れる開口部を有するスペーサからなる層であることを特
徴とする。
【0019】また、請求項4に係る発明の電源トランス
は、請求項1に記載の電源トランスにおいて、前記二次
巻線には凹部が設けられているものとし、前記熱伝導層
は、シリコーン樹脂が前記凹部内に充填されて形成され
た層であることを特徴とする。
【0020】また、請求項5に係る発明の電源トランス
は、請求項1〜請求項4に記載の電源トランスにおい
て、前記熱伝導層を介在する前記一次巻線および前記二
次巻線を1組みとし、スペーサを介して複数組を配置す
ることを特徴とする。
【0021】また、請求項6に係る発明の電源トランス
の製造方法は、請求項2に記載の電源トランスを製造す
る方法であって、前記熱伝導層は、前記一次巻線の外表
面にシリコーン樹脂を付着させ、シリコーン樹脂の硬化
前に前記二次巻線の上に配置して前記一次巻線と前記二
次巻線とに密着させて形成した層とすることを特徴とす
る。
【0022】また、請求項7に係る発明の電源トランス
の製造方法は、請求項3に記載の電源トランスを製造す
る方法であって、前記熱伝導層は、前記二次巻線上に前
記スペーサを配置したのちにシリコーン樹脂をスペーサ
の開口部内に充填し、シリコーン樹脂の硬化前に前記一
次巻線を配置して前記一次巻線と前記二次巻線とに密着
させて形成した層とすることを特徴とする。
【0023】また、請求項8に係る発明の電源トランス
の製造方法は、請求項4に記載の電源トランスを製造す
る方法であって、前記熱伝導層は、前記二次巻線を配置
したのちにシリコーン樹脂を前記凹部内に充填し、シリ
コーン樹脂の硬化前に前記一次巻線を配置して前記一次
巻線と前記二次巻線とに密着させて形成した層とするこ
とを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明における電源トランスにおいては、一次
巻線と二次巻線との間に熱伝導層(好ましくは電気的絶
縁性および熱伝導性が高いシリコーン樹脂層)を形成し
て、一次巻線と二次巻線との間の熱伝導性を良好なもの
とする。そして、一次巻線の熱が二次巻線へ伝導し、さ
らに二次巻線に直結されるダイオードモジュールが有す
る冷却フィンまで熱が伝導するようにして、電源トラン
ス内部の放熱を行うようにした。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。まず、本発明の請求項1,
2,5,6に係る第1実施形態について説明する。図1
は本実施形態の電源トランスの分解斜視図であり、図2
は本実施形態の電源トランスの三面図であって、図2
(a)は平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側
面図である。図1,図2において、図5に示す従来技術
の電源トランスと同一のものには同一の符号を付してそ
の説明は省略する。
【0026】本実施形態では、図5で示した従来技術と
比較すると、従来技術で一次巻線30,40と二次巻線
50,60との間に配置されていた絶縁スペーサ10
0,110を取り去り、新たに一次巻線30,40と二
次巻線50,60との間の熱伝導を行う熱伝導層1,2
を介在させる点が新規な点である。この熱伝導層1,2
の材料は、具体的には、シリコーン樹脂が選択されるこ
ととなる。シリコーン樹脂は熱伝導性も良好であるとと
もに電気的絶縁を保つという特長を有している。
【0027】シリコーン樹脂による熱伝導層1,2の形
成方法について説明する。図1で示すように電源トラン
スを組み立てる場合であって二次巻線60の配置後に一
次巻線40を配置するときに、シリコーン樹脂液に一次
巻線40をディッピングし、一次巻線40の巻線の外表
面にシリコーン樹脂液を付着させる。そして、シリコー
ン樹脂液の硬化前に二次巻線60上に一次巻線40を配
置し、さらに一次巻線40上にスペーサ90を配置す
る。以下、二次巻線50,一次巻線30,スペーサ80
を配置する場合にも同様の工程を経るものとする。この
ようにすると一次巻線30,40と二次巻線50,60
とに密着させた状態でシリコーン樹脂が硬化することと
なり、一次巻線30,40と二次巻線50,60との間
に熱伝導性の高い熱伝導層1,2が形成される。組み立
て終了後、電源トランスの全体形状は図2で示すように
なる。
【0028】本実施形態では、熱伝導層1,2は、実際
には一次巻線30,40の巻線表面の全体を覆うように
なるが、少なくとも一次巻線30,40と二次巻線5
0,60とに密着して、一次巻線30,40から二次巻
線50,60への熱伝導が実現されるため、問題はな
い。また、一次巻線30,40のディッピング時に、一
次巻線30,40の片面のみにシリコーン樹脂を付着す
るようにし、二次巻線50,60の上に配置するように
しても良い。これらは適宜選択される。
【0029】本実施形態では、絶縁部材70,スペーサ
80,90の熱伝導性が低い中で、良好な熱伝導性を有
する熱伝導層1,2を形成したため、一次巻線30,4
0の発熱は熱伝導層1,2を介して二次巻線50,60
へ伝導され、二次巻線50,60の後段に設けられてい
るダイオードモジュールが有する冷却フィン等まで伝導
されて放熱される。これにより、電源トランス全体の温
度が下がり、その結果出力容量を高めた電源トランスと
する事が可能となる。
【0030】また、一次巻線30,40は、3重皮膜電
線を採用しているため電気的絶縁は保たれるとともに沿
面距離も考慮しなくても良く、電源トランスの更なる小
型化も実現する。さらにまた、シリコーン樹脂による熱
絶縁層1,2は、一次巻線30,40と二次巻線50,
60とを接着・固定するため、従来技術のように、一次
巻線30,40の移動により生じたこすれのために被覆
が破られるという事態を考慮しなくともよくなり、信頼
性はさらに向上する。
【0031】続いて本発明の請求項1,3,5,7に係
る第2実施形態について説明する。図3は本発明の第2
実施形態の分解斜視図である。図3において、図5に示
す従来装置と同一のものには同一の符号を付してその説
明は省略する。
【0032】本実施形態では、図5で示した従来技術と
比較すると、従来技術で一次巻線30,40と二次巻線
50,60との間に配置される絶縁スペーサ100,1
10を取り去り、新たに2つの開口部を有するスペーサ
100’および2つの開口部を有するスペーサ110’
を配置し、この開口部に熱伝導層3,4が形成されてい
る点が新規な点である。この熱伝導層3,4の材料も、
第1実施形態と同様に、電気的絶縁を保つとともに熱伝
導性も良好な材料であるシリコーン樹脂が選択されるこ
ととなる。
【0033】シリコーン樹脂による熱伝導層3,4の形
成方法について説明する。図3で示すように電源トラン
スを組み立てる場合であって二次巻線60の上にスペー
サ110’を配置するときに、シリコーン樹脂を開口部
内に充填し、シリコーン樹脂の硬化前に一次巻線40を
スペーサ110’上に配置する。以下、二次巻線50,
スペーサ100’,一次巻線30を配置する場合にも同
様の工程を経ることになる。このようにするとスペーサ
100’,110’の開口部に充填されたシリコーン樹
脂は、一次巻線30,40と二次巻線50,60とに密
着した状態で硬化し、一次巻線30,40と二次巻線5
0,60との間に熱伝導性の高い熱伝導層3,4が形成
される。
【0034】第1実施形態では、シリコーン樹脂液にデ
ィッピングした1次巻線30,40を、シリコーン樹脂
の硬化前に二次巻線50,60の上に配置して組み立て
るため、硬化前のシリコーン樹脂が流れ出ないようにす
る工夫・労力を要するものであった。しかしながら、本
実施形態では、スペーサ100’,110’の開口部内
に充填したシリコーン樹脂液が平面状の二次巻線50,
60と開口部により形成される凹部に溜まるため、この
凹部から流れ出るような事態は防止される。これによ
り、例えばダイオードモジュール等の取り付けネジ付近
までシリコーン樹脂が流れでて電源トランスが不良品に
なるという事態を防止するため、不良品が発生する恐れ
が少なくなる。
【0035】以上説明した本実施形態によれば、絶縁部
材70,スペーサ80,90の熱伝導性が低い中で、良
好な熱伝導性を有する熱伝導層3,4を形成したため、
一次巻線30,40の発熱は熱伝導層3,4を介して二
次巻線50,60へ伝導され、二次巻線50,60の後
段に設けられているダイオードモジュールが有する冷却
フィン等まで伝導されて放熱される。これにより、電源
トランス全体の温度が下がり、その結果出力容量を高め
た電源トランスとする事が可能となる。
【0036】また、シリコーン樹脂による熱伝導層3,
4は、一次巻線30,40と二次巻線50,60とを接
着・固定するため、従来技術のように、一次巻線30,
40の移動により生じたこすれのために被覆が破られと
いう事態を考慮しなくともよくなり、信頼性はさらに向
上する。
【0037】続いて、本発明の請求項1,4,5,8に
係る第3実施形態について説明する。図4は本実施形態
の分解斜視図である。図4において、図5に示す従来装
置と同一のものには同一の符号を付してその説明は省略
する。
【0038】本実施形態では、図5で示した従来技術と
比較すると、一次巻線30,40と二次巻線50,60
との間に配置される絶縁スペーサ100,110および
二次巻線50,60を取り去り、新たに凹部を有する二
次巻線50’,60’を配置し、この凹部内に熱伝導層
5,6を形成する点が新規な点である。この熱伝導層
5,6も、第1実施形態と同様に、電気的絶縁を保つと
ともに熱伝導性も良好な材料であるシリコーン樹脂が選
択されることとなる。
【0039】シリコーン樹脂による熱伝導層5,6の形
成方法について説明する。図4で示すように電源トラン
スを組み立てる場合であって二次巻線60’を配置した
後に、シリコーン樹脂液を二次巻線60’の凹部内に充
填し、シリコーン樹脂液の硬化前に一次巻線40を二次
巻線60’上に配置する。そして、二次巻線50’上に
一次巻線30を配置する場合にも二次巻線50’の凹部
内にシリコーン樹脂を充填し、一次巻線30を配置す
る。このようにすると二次巻線50’,60’に充填さ
れたシリコーン樹脂が、一次巻線30,40と二次巻線
50’,60’とに密着した状態で硬化することとな
り、一次巻線30,40と二次巻線50’,60’と間
に熱伝導性の高い熱伝導層5,6が形成される。
【0040】第1実施形態では、シリコーン樹脂液にデ
ィッピングした1次巻線30,40を、シリコーン樹脂
の硬化前に二次巻線50,60の上に配置して組み立て
るため、硬化前のシリコーン樹脂が流れ出ないようにす
る工夫・労力を要するものであった。しかしながら、本
実施形態では、二次巻線50’,60’の凹部にシリコ
ーン樹脂液が充填されるため、この凹部から流れ出るよ
うな事態は防止される。これにより、例えばダイオード
モジュール等の取り付けネジ付近までシリコーン樹脂が
流れでて電源トランスが不良品になるという事態を防止
するため、不良品の発生を低く抑制することができる。
【0041】以上説明した本実施形態によれば、絶縁部
材70,スペーサ80,90の熱伝導性が低い中で、良
好な熱伝導性を有する熱伝導層5,6を形成したため、
一次巻線30,40の発熱は熱伝導層5,6を介して二
次巻線50’,60’へ伝導され、二次巻線50’,6
0’の後段に設けられているダイオードモジュールが有
する冷却フィン等まで伝導されて放熱される。これによ
り、電源トランス全体の温度が下がり、その結果出力容
量を高めた電源トランスとする事が可能となる。
【0042】また、シリコーン樹脂による熱伝導層5,
6は、一次巻線30,40と二次巻線50’,60’と
を接着・固定するため、従来技術のように、一次巻線3
0,40の移動により生じたこすれのために被覆が破ら
れという事態を考慮しなくともよくなり、信頼性はさら
に向上する。また、一次巻線30,40は3重皮膜巻線
を利用するため、沿面距離の確保が必要でなく、絶縁を
確保することができ、電源トランスの小型化に寄与す
る。
【0043】以上第1〜第3実施形態について説明し
た。これら実施形態の電源トランスは、放熱効果が高
く、従来技術と比較して同等又は小型であるにも拘わら
ず、出力容量が20〜30%上昇するという優れた効果
を有している。
【0044】なお、第1〜第3本実施形態では、二個の
トランスを有する電源トランスについて説明した。しか
しながら、二個に限定する趣旨ではなく、トランスが1
個又は3個以上のような場合であっても適用できる。こ
れらは、適宜設計・選択される。
【0045】
【発明の効果】以上、本発明によれば、一次巻線と二次
巻線との間から熱伝導を妨げるようなスペーサを取り去
り、一次巻線の銅損による発熱を熱伝導層を介して2次
巻線へ効率良く伝導するようにし、電源トランス内部の
熱を低下させて、その結果トランスの出力容量を高くで
きるような電源トランスおよびその製造方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の電源トランスの分解斜
視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の電源トランスの構成図
であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は
側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の電源トランスの分解斜
視図である。
【図4】本発明の第3実施形態の電源トランスの分解斜
視図である。
【図5】従来技術の電源トランスの分解斜視図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6 熱伝導層 10,20 コア 10A,20A 突起 10B,20B 巻線収容部 30,40 一次巻線 30A,40A,30B,40B 引き出し部 30C,40C,30D,40D 折り曲げ部 50,60,50’,60’ 二次巻線 50A,60A,50B,60B 引き出し部 50C,60C,50D,60D 孔部 70 絶縁部材 70A 内周壁 70B 外周壁 70C,70D 切欠き部 80,90, スペーサ 80A,90A 切欠き部 100’,110’ スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薄田 隆行 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 木下 繁則 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5E050 JA03 5E062 EE02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中央開口を有するように巻回され、引出し
    部を有する一次巻線と、 平板状で中央開口を有するように形成され、引出し部を
    有する二次巻線と、 前記一次巻線と前記二次巻線との間に介在し、前記一次
    巻線と前記二次巻線との間の熱伝導を行う熱伝導層と、 前記引き出し部を引き出した状態で前記熱伝導層、前記
    一次巻線および前記二次巻線を覆う外周壁と、前記一次
    巻線および前記二次巻線の中央開口内にある内周壁とを
    ともに有する絶縁部材と、 前記絶縁部材の前記内周壁内に挿入される核芯が形成さ
    れたコアと、 を備える電源トランスであって、 前記一次巻線による発熱は、前記熱伝導層を介して前記
    二次巻線へ熱伝導されて外部で放熱されることを特徴と
    する電源トランス。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電源トランスにおいて、 前記熱伝導層は、シリコーン樹脂が前記一次巻線の前記
    引き出し部以外の表面を覆うように形成された層である
    ことを特徴とする電源トランス。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電源トランスにおいて、 前記熱伝導層は、シリコーン樹脂およびシリコーン樹脂
    が充填される開口部を有するスペーサからなる層である
    ことを特徴とする電源トランス。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の電源トランスにおいて、 前記二次巻線には凹部が設けられているものとし、 前記熱伝導層は、シリコーン樹脂が前記凹部内に充填さ
    れて形成された層であることを特徴とする電源トラン
    ス。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4に記載の電源トランス
    において、 前記熱伝導層を介在する前記一次巻線および前記二次巻
    線を1組みとし、スペーサを介して複数組を配置するこ
    とを特徴とする電源トランス。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の電源トランスを製造する
    方法であって、 前記熱伝導層は、前記一次巻線の外表面にシリコーン樹
    脂を付着させ、シリコーン樹脂の硬化前に前記二次巻線
    の上に配置して前記一次巻線と前記二次巻線とに密着さ
    せて形成した層とすることを特徴とする電源トランスの
    製造方法。
  7. 【請求項7】請求項3に記載の電源トランスを製造する
    方法であって、 前記熱伝導層は、前記二次巻線上に前記スペーサを配置
    したのちにシリコーン樹脂をスペーサの開口部内に充填
    し、シリコーン樹脂の硬化前に前記一次巻線を配置して
    前記一次巻線と前記二次巻線とに密着させて形成した層
    とすることを特徴とする電源トランスの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項4に記載の電源トランスを製造する
    方法であって、 前記熱伝導層は、前記二次巻線を配置したのちにシリコ
    ーン樹脂を前記凹部内に充填し、シリコーン樹脂の硬化
    前に前記一次巻線を配置して前記一次巻線と前記二次巻
    線とに密着させて形成した層とすることを特徴とする電
    源トランスの製造方法。
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