JP2002237407A - 希土類系焼結磁石 - Google Patents

希土類系焼結磁石

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂やカップリング剤などの第三の成分を用
いることなく、磁石表面全体に均一にしかも強固に導電
層を形成することにより、めっき被膜などの耐食性被膜
の形成を高い膜厚寸法精度で行うことができる希土類系
焼結磁石を提供すること。 【解決手段】 磁石表面を構成する金属上に実質的に金
属微粉のみからなる被着層を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき被膜などの
耐食性被膜の形成を高い膜厚寸法精度で行うことができ
る希土類系焼結磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】Nd−Fe−B系永久磁石に代表される
R−Fe−B系永久磁石などの希土類系永久磁石は、S
m−Co系永久磁石に比べて、資源的に豊富で安価な材
料が用いられ、かつ、高い磁気特性を有している。従っ
て、特に、R−Fe−B系永久磁石は、今日様々な分野
で使用されている。しかし、希土類系永久磁石は、大気
中で酸化腐食されやすいRを含む。それ故、表面処理を
行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水
分などの影響によって表面から腐食が進行して錆が発生
し、それに伴って、磁気特性の劣化やばらつきを招くこ
とになる。さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの
装置に組み込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染す
る恐れがある。この問題点を解消すべく、例えば、電気
めっき処理によって、希土類焼結磁石表面に耐食性被膜
としてめっき被膜を形成する方法が実用に供せられてい
る。磁石表面に優れた耐食性などを有するめっき被膜を
形成するためには磁石表面全体に導電性が付与されてい
ることが肝要である。希土類系焼結磁石の表面は基本的
に導電性があるので、なんらの方法を講じなくてもその
表面にめっき被膜を形成することができるが、磁石表面
全体に均一にしかも強固に導電層を形成する方法は有用
性が高く、そのような方法の出現が望まれている。
【0003】ところで、ボンド磁石表面全体に導電性を
付与して電気めっき処理を行う方法が各種提案されてい
る。これらの方法は焼結磁石に対しても応用可能な方法
である。例えば、特開平5−302176号公報には、
ボンド磁石と少なくとも部分的に未硬化の状態にある樹
脂と導電性粉体とスチールボールなどの被膜形成媒体を
容器内に入れ、それらに振動または攪拌を加えることに
より、導電性粉体を含む樹脂被膜を磁石表面に形成し、
その表面にめっき被膜を形成する方法が記載されてい
る。特開平7−161516号公報には、ボンド磁石表
面の全体または一部に未硬化樹脂層を形成した後、振動
ボールミルのメディアである銅製ボールを用いてその表
面に金属粉体からなる導電層を形成し、さらにその導電
層表面にめっき被膜を形成する方法が記載されている。
特開平11−3811号公報には、金属粉末を添加した
カップリング剤の溶液中にボンド磁石を浸漬し、磁石表
面に金属粉末を付着させた後、さらにステンレスボール
などのブラストメディアの打撃力で磁石表面に金属粉末
を充填・被覆し、その後、その表面にめっき被膜を形成
する方法が記載されている。また、特開平8−1860
16号公報には、ボンド磁石表面に樹脂と導電性材料粉
末との混合物を塗装して導電性被膜層を形成した後、表
面平滑処理を行い、その表面にめっき被膜を形成する方
法が記載されている。
【0004】ボンド磁石表面にめっき被膜以外の耐食性
被膜を形成する方法としては、以下のような方法が提案
されている。例えば、特開平7−302705号公報に
は、ボンド磁石の表面を未硬化樹脂で被覆した後、これ
を金属粉末とアルミナ製ボールなどの被覆形成媒体とと
もに容器内に入れ、容器を振動および/または攪拌する
ことにより未硬化樹脂表面に金属粉末を付着させ、その
表面にクロメート被膜を形成する方法が記載されてい
る。特開平10−226890号公報には、金属粉末を
添加したカップリング剤の溶液中にボンド磁石を浸漬し
た後、その表面に予め金属粉末を付着させた状態で、ス
テンレスボールなどのブラストメディアによる金属粉末
の付着工程を行い、その表面に樹脂被膜を形成する方法
が記載されている。また、特開平9−205013号公
報には、ボンド磁石表面の空隙部にスチールボールなど
のブラストメディアの攻撃力によって金属粉末を充填
し、その表面に樹脂被膜を形成する方法が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−30217
6号公報などに記載の方法は、基本的に金属粉末を用い
てボンド磁石表面全体に導電性を付与するものである。
また、特開平7−302705号公報と特開平10−2
26890号公報に記載の方法によっても、ボンド磁石
表面全体に導電性を付与することができる。しかし、い
ずれの方法も樹脂やカップリング剤などの第三の成分の
粘着性を利用して金属粉末を磁石表面に付着させるもの
である。このような方法では、第三の成分を必要とする
ことから、コストの上昇を招く他、導電層を磁石表面全
体に均一に形成することが困難になるので、結果的に高
い寸法精度での表面処理が困難になる。また、未硬化樹
脂の硬化工程などが必要となるので製造工程が煩雑にな
る。さらに、金属粉末の付着手段として、スチールボー
ル、銅製ボール、ステンレスボール、アルミナ製ボール
などの媒体を用いた場合、ボンド磁石の割れや欠けを招
いてしまう恐れがある。特開平9−205013号公報
に記載の方法によれば、樹脂やカップリング剤などの第
三の成分を用いずに磁石表面の空隙部に金属粉末を充填
することが可能となる。しかし、この方法は、本来的に
磁石表面を構成する磁性粉上に金属粉末を付着させよう
とするものではない。従って、磁性粉上に金属粉末が付
着しても、その付着力は必然的に弱いものなので、磁性
粉上に金属粉末を強固に付着させることはできない。ま
た、この方法では、磁性粉上に弱く付着した過剰の金属
粉末を洗浄により除去する工程が必要になるので、製造
工程の煩雑化を招く。そこで本発明は、樹脂やカップリ
ング剤などの第三の成分を用いることなく、磁石表面全
体に均一にしかも強固に導電層を形成することにより、
めっき被膜などの耐食性被膜の形成を高い膜厚寸法精度
で行うことができる希土類系焼結磁石を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化など
がされていない無垢な金属表面(新鮮表面)が引き起こ
す特異な表面化学反応であるメカノケミカル(mech
anochemical)反応に着目し、種々の検討を
行った結果、希土類系永久磁石と金属微粉生成物質を処
理容器内に入れ、処理容器内にて、両者に振動を加え、
および/または両者を攪拌すると、金属微粉生成物質か
ら新鮮表面を有する金属微粉が生成し、磁石表面を構成
する金属上に、金属微粉からなる被着層が強固にかつ高
密度に形成されることを知見した。
【0007】本発明は、かかる知見に基づき成されたも
ので、本発明の希土類系焼結磁石は、請求項1記載の通
り、磁石表面を構成する金属上に実質的に金属微粉のみ
からなる被着層を有することを特徴とする。また、請求
項2記載の希土類系焼結磁石は、請求項1記載の希土類
系焼結磁石において、金属微粉がCu、Fe、Ni、C
o、Crから選ばれる少なくとも一種の金属成分を含ん
でなることを特徴とする。また、請求項3記載の希土類
系焼結磁石は、請求項1記載の希土類系焼結磁石におい
て、金属微粉がCu微粉であることを特徴とする。ま
た、請求項4記載の希土類系焼結磁石は、請求項1記載
の希土類系焼結磁石において、金属微粉のヴィッカース
硬度値が60以下であることを特徴とする。また、請求
項5記載の希土類系焼結磁石は、請求項1記載の希土類
系焼結磁石において、金属微粉がSn、Zn、Pb、C
d、In、Au、Ag、Alから選ばれる少なくとも一
種の金属成分を含んでなることを特徴とする。また、請
求項6記載の希土類系焼結磁石は、請求項1記載の希土
類系焼結磁石において、金属微粉がAl微粉であること
を特徴とする。また、請求項7記載の希土類系焼結磁石
は、請求項1記載の希土類系焼結磁石において、希土類
系焼結磁石がR−Fe−B系焼結磁石であることを特徴
とする。また、請求項8記載の希土類系焼結磁石は、請
求項2記載の希土類系焼結磁石において、被着層の膜厚
が0.001μm〜0.2μmであることを特徴とす
る。また、請求項9記載の希土類系焼結磁石は、請求項
4記載の希土類系焼結磁石において、被着層の膜厚が
0.001μm〜100μmであることを特徴とする。
また、請求項10記載の希土類系焼結磁石は、請求項1
記載の希土類系焼結磁石において、金属微粉の長径が
0.001μm〜5μmであることを特徴とする。ま
た、本発明の希土類系焼結磁石は、請求項11記載の通
り、請求項1記載の希土類系焼結磁石の実質的に金属微
粉のみからなる被着層の表面にめっき被膜を有すること
を特徴とする。また、本発明の希土類系焼結磁石は、請
求項12記載の通り、請求項1記載の希土類系焼結磁石
の実質的に金属微粉のみからなる被着層の表面に金属酸
化物被膜を有することを特徴とする。また、本発明の希
土類系焼結磁石は、請求項13記載の通り、請求項1記
載の希土類系焼結磁石の実質的に金属微粉のみからなる
被着層の表面に化成処理被膜を有することを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、磁性粉を所要のバイン
ダーによって結合成形したボンド磁石、磁性粉を焼結さ
せた焼結磁石など、種々の構成からなる希土類系永久磁
石を対象とすることができるが、本発明は焼結磁石を対
象とする。
【0009】希土類系焼結磁石としては、Nd−Fe−
B系焼結磁石に代表されるR−Fe−B系焼結磁石、S
m−Fe−N系焼結磁石に代表されるR−Fe−N系焼
結磁石などが挙げられる。焼結磁石の原料となる磁性粉
は、例えば、従来から採用されている溶解粉砕法、直接
還元拡散法などによって得ることができる。このような
方法の他では、特に、特許第2665590号公報に記
載されている、溶湯急冷法によって板厚方向に成長させ
た柱状結晶組織を有する合金薄板を粉砕することで得ら
れる磁性粉を用いることによって、高磁気特性の焼結磁
石を得ることができる。焼結磁石の原料となる磁性粉の
組成は、以下に述べる範囲から選定することができる。
なお、焼結磁石は、公知の粉末冶金法を採用することで
容易に得ることができる。異方性の付与は、磁気的異方
性を有する磁性粉を磁界中配向成形することで実現する
ことができる。これらの焼結磁石においては、原料とな
る磁性粉の組成や異方性の有無によって本発明の効果が
異なるものではなく、目的とする効果を得ることができ
る。
【0010】希土類系焼結磁石を構成する磁性粉は、希
土類系永久磁石合金を溶解し、鋳造後に粉砕する溶解粉
砕法、一度焼結磁石を作成した後、これを粉砕する焼結
体粉砕法、Ca還元にて直接磁性粉を得る直接還元拡散
法、溶解ジェットキャスターで希土類系永久磁石合金の
リボン箔を得、これを粉砕・焼純する急冷合金法、希土
類系永久磁石合金を溶解し、これをアトマイズで粉末化
して熱処理するアトマイズ法、原料金属を粉末化した
後、メカニカルアロイングにて微粉末化して熱処理する
メカニカルアロイ法などの方法で得ることができる。ま
た、R−Fe−N系焼結磁石を構成する磁性粉は、希土
類系永久磁石合金を粉砕し、これを窒素ガス中またはア
ンモニアガス中で窒化した後、微粉末化するガス窒化法
などの方法でも得ることができる。以下、R−Fe−B
系焼結磁石用の磁性粉の製造を例にとって各方法の概略
を説明する。
【0011】(溶解粉砕法)原料を溶解して鋳造後に機
械的粉砕する工程による製造法である。例えば、出発原
料として、電解鉄、Bを含有し残部はFeおよびAl、
Si、Cなどの不純物からなるフェロボロン合金、希土
類金属、あるいはさらに、電解Coを配合した原料粉
を、高周波溶解し、その後水冷銅鋳型に鋳造し、水素吸
蔵粉砕するか、スタンプミルなどの通常の機械的な粉砕
により粗粉砕する。次の微粉砕のプロセスとしては、ボ
ールミル、ジェットミルなどの乾式粉砕ならびに種々の
溶媒を用いる湿式粉砕などが採用できる。本方法によ
り、主相が正方晶で、実質的に単結晶ないし数個の結晶
粒からなる平均粒度1μm〜500μmの微粉末を得る
ことができる。また、所要組成の3μm以下の微粉砕粉
を、磁界中配向成形した後、解砕し、さらに800℃〜
1100℃で熱処理した後、解砕することにより、高保
磁力を有した磁性粉を得ることができる。
【0012】(焼結体粉砕法)所要のR−Fe−B系合
金を焼結し、再度粉砕して磁性粉を得る方法である。例
えば、出発原料として、電解鉄、Bを含有し残部はFe
およびAl、Si、Cなどの不純物からなるフェロボロ
ン合金、希土類金属、あるいはさらに、電解Coを配合
した原料粉を、不活性ガス雰囲気下、高周波溶解などで
合金化し、スタンプミルなどを用いて粗粉砕、さらに、
ボールミルなどにより微粉砕する。得られた微粉末を磁
界下または磁界をかけずに加圧成形し、非酸化性雰囲気
である真空中や不活性ガス中で焼結し、再度粉砕して、
平均粒度0.3μm〜100μmの微粉末を得る。この
後、保磁力を高めるために、500℃〜1000℃で、
熱処理を施してもよい。
【0013】(直接還元拡散法)フェロボロン粉、フェ
ロニッケル粉、コバルト粉、鉄粉、希土類酸化物粉など
からなる少なくとも1種の金属粉および/または酸化物
粉からなる原料粉を所望する原料合金粉末の組成に応じ
て選定し、上記原料粉に、金属CaあるいはCaH
上記希土類酸化物粉の還元に要する化学量論的必要量の
1.1倍〜4.0倍(重量比)混合し、不活性ガス雰囲
気中で900℃〜1200℃に加熱し、得られた反応生
成物を水中に投入して反応副生成物を除去することによ
り、粗粉砕が不要な10μm〜200μmの平均粒度を
有する粉末を得る。得られた粉末は、さらに、ボールミ
ル、ジェットミルなどの乾式粉砕を行い微粉砕するのも
よい。また、所要組成の3μm以下の微粉砕粉を、磁界
中配向成形した後、解砕し、さらに800℃〜1100
℃で熱処理した後、解砕することにより、高保磁力を有
した磁性粉を得ることができる。
【0014】(急冷合金法)所要のR−Fe−B系合金
を溶解し、ジェットキャスターでメルトスピンさせて2
0μm厚み程度のリボン箔を得てこれを粉砕した後、焼
鈍熱処理し、0.5μm以下の微細結晶粒を有する粉末
となす。また、上記のリボン箔から得た微細結晶粒を有
する粉末をホットプレス・温間据え込み加工して、異方
性を付与したバルク磁石を得、これを微粉砕するのもよ
い。
【0015】(アトマイズ法)所要のR−Fe−B系合
金を溶解し、細いノズルより溶湯を落下させ、高速の不
活性ガスまたは液体でアトマイズし、これを篩分けまた
は粉砕後、乾燥または焼鈍熱処理して磁性粉を得る方法
である。また、上記の微細結晶粒を有する粉末をホット
プレス・温間据え込み加工して、異方性を付与したバル
ク磁石を得、これを微粉砕するのもよい。
【0016】(メカニカルアロイ法)所要の原料粉末
を、ボールミル、振動ミル、乾式アトライターなどによ
り、不活性ガス中で、原子レベルで混合、非晶質化し、
その後、焼鈍熱処理して磁性粉を得る方法である。ま
た、上記の微細結晶粒を有する粉末をホットプレス・温
間据え込み加工して、異方性を付与したバルク磁石を
得、これを微粉砕するのもよい。
【0017】また、バルクや磁性粉に対して磁気的異方
性を付与する方法として、急冷合金法によって得られた
合金粉をホットプレスなどにより低温で焼結し、さらに
温間据え込み加工によって磁気的異方性を付与したバル
ク状磁石体を粉砕する温間加工・粉砕法(特公平4−2
0242号公報参照)、急冷合金法によって得られた合
金粉をそのまま金属製容器に充填封入し、温間圧延など
の塑性加工によって磁気的異方性を付与するパック圧延
法(特許第2596835号公報参照)、合金鋳塊を熱
間で塑性加工し、その後に粉砕して磁気的異方性を有す
る磁性粉を得るインゴット熱間加工・粉砕法(特公平7
−66892号公報参照)、希土類系永久磁石合金を水
素中で加熱して水素を吸蔵させた後、脱水素処理し、次
いで冷却することによって磁性粉を得るHDDR法(特
公平6−82575号公報参照)などを採用することが
できる。なお、磁気的異方性の付与は、上記の原料合金
と異方化手段の組合せに限られるものではなく、適宜組
み合わせることができる。
【0018】上記の方法により得られる磁性粉の組成と
しては、例えば、R:8原子%〜30原子%(但しRは
Yを含む希土類元素の少なくとも1種、望ましくはN
d、Prなどの軽希土類を主体として、あるいはNd、
Prなどとの混合物を用いる)、B:2原子%〜28原
子%(Bの一部をCで置換することもできる)、Fe:
65原子%〜84原子%(Feの一部を、Feの50%
以下のCo、Feの8%以下のNi、のうち少なくとも
1種で置換したものを含む)が挙げられる。
【0019】また、得られる焼結磁石の高保磁力化、耐
食性向上のために、原料粉末に、Cu:3.5原子%以
下、S:2.5原子%以下、Ti:4.5原子%以下、
Si:15原子%以下、V:9.5原子%以下、Nb:
12.5原子%以下、Ta:10.5原子%以下、C
r:8.5原子%以下、Mo:9.5原子%以下、W:
9.5原子%以下、Mn:3.5原子%以下、Al:
9.5原子%以下、Sb:2.5原子%以下、Ge:7
原子%以下、Sn:3.5原子%以下、Zr:5.5原
子%以下、Hf:5.5原子%以下、Ca:8.5原子
%以下、Mg:8.5原子%以下、Sr:7原子%以
下、Ba:7原子%以下、Be:7原子%以下、Ga:
10原子%以下、のうち少なくとも1種を添加含有させ
ることができる。
【0020】本発明において、磁石表面を構成する金属
とは、焼結磁石表面に位置する磁性結晶相などを意味す
る。即ち、磁石表面を構成する金属は、メカノケミカル
反応によって金属微粉を強固に被着させることができる
ものであれば、その形態や材質に特段の制限や限定はな
く、得られる効果が大きく異なるものでもない。本発明
は、磁石表面での酸化腐食による発錆の要因となる金属
のすべてを対象とするものであるので、磁石の製造方法
などによって磁石表面を構成する金属の存在形態や配置
形態が異なっていても、メカノケミカル反応によって金
属微粉を強固に被着させることができるものであればよ
く、後述する実施例によって制限や限定を受けるもので
もない。
【0021】金属微粉としては、Cu、Fe、Ni、C
o、Crなどの金属成分からなるもの、展延性が大き
な、例えば、Sn、Zn、Pb、Cd、In、Au、A
g、Alなどの金属成分からなるヴィッカース硬度値が
60以下のものが挙げられる。なお、ヴィッカース硬度
は、材料の硬さを示す指標の一つであり、その測定試験
は、例えば、ヴィッカース硬度試験器(JISB772
5)を用いたヴィッカース硬度試験方法(JISZ22
44)に基づいて行うことができる。
【0022】金属微粉は、上記の各々単一の金属成分か
らなるものであっても、二種以上の金属成分を含有する
合金からなるものであってもよい。また、これらの金属
成分を主成分とし、他の金属成分を含有する合金からな
るものであってもよい。このような合金を用いる場合、
要求される展延性などに応じて適切な金属成分の組み合
わせを選定することが望ましい。なお、金属微粉は、工
業的生産上不可避な不純物を含有するものであっても差
し支えない。
【0023】本発明では、金属の新鮮表面が引き起こす
特異な表面化学反応であるメカノケミカル反応を利用し
て、希土類系焼結磁石表面を構成する金属上に、金属微
粉からなる被着層を効率よく形成させる。メカノケミカ
ル反応によって形成された被着層は、磁石表面を構成す
る金属上に強固にかつ高密度に形成されているので、手
で表面を擦った程度では除去することができない。従っ
て、被着層形成後の洗浄工程など、電気めっき処理を完
了するまでの種々の取り扱い時に被着層が脱落すること
はない。よって、樹脂やカップリング剤などの第三の成
分を用いなくても、磁石表面全体に均一にしかも強固に
導電層を形成できるので、密着強度の高いめっき被膜を
高い膜厚寸法精度で形成することができる。
【0024】なお、磁石表面を構成する金属上に形成さ
れた被着層は、金属微粉生成物質から生成した直後の形
状を保持した金属微粉、磁石表面を構成する金属上に被
着した金属微粉が処理容器内の内容物(その多くは金属
微粉生成物質である)との衝突によって変形(例えば展
延)した金属微粉、金属微粉上に被着した後に変形した
金属微粉、金属微粉の集合体、該集合体の変形物(例え
ば展延されて鱗片状になったもの)、該集合体の積層物
などから構成されている。よって、本発明における金属
微粉からなる被着層は、金属微粉生成物質から生成した
金属微粉を形成源として形成された被着層を意味するも
のとする。
【0025】メカノケミカル反応は、上述のように金属
の新鮮表面が引き起こす反応であるので、いかに金属の
新鮮表面を生じさせるのかが重要となる。本発明におい
ては、希土類系焼結磁石と金属微粉生成物質を処理容器
内に入れ、処理容器内にて、両者に振動を加え、および
/または両者を攪拌することでこの目的を達成すること
ができる。そのメカニズムとしては、希土類系焼結磁石
と金属微粉生成物質に対する、振動および/または攪拌
により、まず、金属微粉生成物質から金属微粉が生成す
る。この生成直後の金属微粉は、酸化されておらず、新
鮮表面を有していることが挙げられる。さらに、上記の
操作は、磁石表面を構成する金属や、磁石表面を構成す
る金属上に被着した金属微粉などに対しても、処理容器
内の内容物との衝突によって新鮮表面を生じさせること
が挙げられる。その結果として、メカノケミカル反応を
連続的に引き起こすのに非常に都合がよいと考えられ
る。
【0026】ちなみに、本発明者らの検討において、金
属微粉生成物質の代わりに市販の金属微粉を容器内に入
れて同様の操作を行っても、磁石表面を構成する金属上
に金属微粉を被着させることはできないことが判明して
いる。これは、市販の金属微粉は、通常、その表面が酸
化されており、新鮮表面を持たないことに加え、鋭利な
端部を有していないことから、金属微粉と磁石表面を構
成する金属との衝突では、磁石表面を構成する金属に対
して効率よく新鮮表面を生じさせることができず、ま
た、金属微粉自体も互いの衝突や磁石表面を構成する金
属との衝突によっては新鮮表面が生じないからであると
考えられる。
【0027】新鮮表面を有する金属微粉の生成源となる
金属微粉生成物質としては、所望する金属のみからなる
金属片、異種金属からなる芯材に所望する金属を被覆し
た複合金属片などが用いられる。これらの金属片は、針
状(ワイヤー状)、円柱状、塊状など様々な形状を有す
るが、金属微粉を効率よく生成させるためや、磁石表面
を構成する金属に対して新鮮表面を効率よく生じさせる
ためなどの観点からは、末端が鋭利な針状や円柱状のも
のを用いることが望ましい。このような望ましい形状
は、公知のワイヤーカット技術を採用することで容易に
得ることができる。
【0028】金属微粉生成物質の大きさ(長径)は、金
属微粉を効率よく生成させること、磁石表面を構成する
金属に対して効果的に新鮮表面を生じさせることなどの
観点から、0.05mm〜10mmが望ましい。より望
ましくは0.3mm〜5mmであり、さらに望ましくは
0.5mm〜3mmである。金属微粉生成物質は、同一
形状・同一寸法のものを用いてもよく、異形状・異寸法
のものを混合して用いてもよい。
【0029】市販の金属微粉のみでは、磁石表面を構成
する金属上に金属微粉を被着させることができないこと
は上述の通りであるが、市販の金属微粉を、上述の金属
微粉生成物質とともに処理容器内に入れれば、金属微粉
生成物質などとの衝突によって、金属微粉にも新鮮表面
を生じさせることができるので、該金属微粉も被着層の
形成に寄与することが期待される。
【0030】本発明において使用しうる処理容器は、該
処理容器内にて、希土類系焼結磁石と金属微粉生成物質
に振動を加え、および/または両者を攪拌することがで
きるものであれば特段限定されるものではない。具体的
な処理容器としては、例えば、被処理物の表面を加工す
るために用いられるバレル装置の処理槽、被処理物を粉
砕するために用いられるボールミル装置の処理槽などが
挙げられる。バレル装置は、回転式をはじめ、振動式
や、遠心式など、公知の装置を用いることができる。回
転式の場合、その回転数は20rpm〜50rpmとす
ることが望ましい。振動式の場合、その振動数は50H
z〜100Hz、振動振幅は0.3mm〜10mmとす
ることが望ましい。遠心式の場合、その回転数は70r
pm〜200rpmとすることが望ましい。
【0031】希土類系焼結磁石と金属微粉生成物質に対
する、振動および/または攪拌は、両者が酸化腐食され
やすいことを考慮して乾式的に行うことが望ましい。処
理容器内に投入する希土類系焼結磁石と金属微粉生成物
質の量は、処理容器内容積の20vol%〜90vol
%が望ましい。20vol%未満では、処理量が少なす
ぎて実用的でなく、90vol%を越えると、磁石への
金属微粉の被着が効率よく起こらなくなる恐れがあるか
らである。また、容器内に投入する希土類系焼結磁石と
金属微粉生成物質との比率は、容積比率(磁石/金属微
粉生成物質)にして3以下が望ましい。容積比率が3を
越えると、金属微粉の被着に時間を要して実用的でない
ことに加え、磁石同士の衝突が頻繁に起こり、磁石の割
れや、磁石表面からの磁性粉の脱粒などを引き起こす恐
れがあるからである。また、処理時間は、処理量にも依
存するが、一般的には1時間程度〜10時間程度であ
る。
【0032】金属微粉生成物質から生成する金属微粉の
大きさや形状は様々であるが、概して、超微粉(長径
0.001μm〜0.1μmの微粉)はメカノケミカル
反応を引き起こすのに都合がよいようである。Cu、F
e、Ni、Co、Crなどの金属成分からなる微粉は、
磁石表面を構成する金属上に、膜厚が0.001μm〜
0.2μmの、強固でかつ高密度な被着層を形成する。
展延性が大きな、例えば、Sn、Zn、Pb、Cd、I
n、Au、Ag、Alなどの金属成分からなるヴィッカ
ース硬度値が60以下の微粉は、その集合体が積層する
ようにして強固でかつ高密度な被着層を形成する。従っ
て、処理時間を延長すれば、100μm程度の膜厚を有
する被着層を形成することも可能である。しかし、磁石
表面に十分な導電性を付与し、かつ磁石の小型化の要請
に応えるためには、被着層の膜厚は0.001μm〜1
μmであることが望ましい。
【0033】このようにして磁石表面全体に導電性が付
与された希土類系焼結磁石に対しては、公知の電気めっ
き処理などを行うことが可能である。しかも、樹脂やカ
ップリング剤などの第三の成分を含んだ導電層を形成す
ることが不要となるので、磁石表面上に高い膜厚寸法精
度でめっき被膜を形成させることができる。従って、本
発明の構成を採用することによって、めっき被膜形成後
の磁石寸法精度の向上を図ることが可能となる。
【0034】このようにして得られるめっき被膜を有す
るリング状焼結磁石をモータに利用した場合、磁石自体
の磁気特性を最大限に活用でき、エネルギー効率の向上
を図ることが可能となる。また、モータの小型化を図る
ことも可能となる。なお、いずれの金属微粉からなる被
着層であっても、その表面にめっき被膜を形成すること
は可能であるが、電気Niめっき処理の容易性やコスト
の点においては、Cu微粉を用いて形成された被着層が
望ましい。
【0035】また、メカノケミカル反応によって形成さ
れた金属微粉からなる被着層は、磁石表面を構成する金
属上に強固にかつ高密度に形成されているので、被着層
自体が磁石の発錆を防ぐ効果を有する。勿論、高い耐食
性を付与するためには、電気めっき処理などを行う必要
がある。しかし、樹脂埋め込み型モータ用磁石などのよ
うに、部品の製造完了時までの耐食性が保証されていれ
ばよいような磁石に対しては、金属微粉からなる被着層
自体が、磁石の防錆層としての効果によって十分な工業
的価値を有する。Al微粉からなる被着層は、その表面
に酸化被膜を形成し、防錆作用も優れているので、上記
のような簡易的防錆の点においてAl微粉は望ましいも
のである。
【0036】磁石表面上にめっき被膜を形成するための
代表的な電気めっき処理法としては、例えば、Ni、C
u、Sn、Co、Zn、Cr、Ag、Au、Pb、Pt
などから選ばれた少なくとも1つの金属または金属の合
金(B、S、Pを含有していてもよい)を用いためっき
法などが挙げられる。また、用途に応じて、上記の金属
とともに他の金属を含有する合金を用いためっき法を採
用することも可能である。めっき厚は、50μm以下、
望ましくは10μm〜30μmである。
【0037】電気Niめっき処理を行う場合、洗浄、電
解Niめっき、洗浄、乾燥の工程で行うことが望まし
い。めっき浴槽は磁石の形状に応じて種々の浴槽が使用
でき、例えば、リング形状の焼結磁石の場合には、ひっ
かけめっき処理用浴槽やバレルめっき処理用浴槽を用い
ることが望ましい。めっき浴としては、ワット浴、スル
ファミン酸浴、ウッド浴などの公知のめっき浴を用いれ
ばよい。陽極には電解Ni板を用いるが、Niの溶出を
安定させるために、電解Ni板としてSを含有したエス
トランドニッケルチップを使用することが望ましい。
【0038】電気Cuめっき処理を行う場合、洗浄、電
解Cuめっき、洗浄、乾燥の工程で行うことが望まし
い。めっき浴槽は磁石の形状に応じて種々の浴槽が使用
でき、例えば、リング形状の焼結磁石の場合には、ひっ
かけめっき処理用浴槽やバレルめっき処理用浴槽を用い
ることが望ましい。めっき浴としては、硫酸銅浴、ピロ
リン酸胴浴などの公知のめっき浴を用いればよい。
【0039】なお、Alの微粉からなる被着層上に電気
めっき処理を施す場合、電気めっき処理時におけるAl
の溶解流出を防止するために亜鉛置換処理を行うことが
望ましい。亜鉛置換処理は公知の方法に準じて行えばよ
く、例えば、水酸化ナトリウム、酸化亜鉛、塩化第二
鉄、ロッシェル塩、硝酸ナトリウムを含む亜鉛置換液を
用いて、浴温10℃〜25℃にて、10秒〜120秒浸
漬すればよい。
【0040】また、金属微粉からなる被着層上には、め
っき被膜の他にも種々の耐食性被膜、例えば、金属酸化
物被膜や化成処理被膜を形成することができる。該被着
層は、磁石表面全体に均一にしかも強固に形成されてい
るので、高い膜厚寸法精度での被膜形成が可能となる。
【0041】金属酸化物被膜を形成する方法としては、
CVD法、スパッタリング法、塗布熱分解法、ゾルゲル
成膜法など公知の方法を用いることができる。しかし、
金属酸化物被膜の構成源となる金属化合物の、加水分解
反応や重合反応などによって得られたゾル液を、磁石表
面に塗布した後、熱処理することによって被膜形成を行
うゾルゲル成膜法を用いることが望ましい。ゾルゲル成
膜法に使用されるゾル液は比較的安定であり、被膜形成
を比較的低温で行えるので、高温による磁石自体の磁気
特性への影響を回避できることなどの利点がある。金属
酸化物被膜は、単一の金属酸化物成分からなる被膜であ
ってもよいし、複数の金属酸化物成分からなる複合被膜
であってもよい。金属酸化物被膜は、膜厚が0.01μ
m以上であれば優れた耐食性を発揮する。膜厚の上限は
特段限定されるものではないが、磁石自体の小型化に基
づく要請から、10μm以下、望ましくは5μm以下が
実用面において適した膜厚である。被着層を形成する金
属成分と同一の金属成分を含む金属酸化物被膜を被着層
上に形成した場合(例えば、Al微粉からなる被着層上
へのAlを含む金属酸化物被膜の形成)、両者の界面で
の密着性がより強固なものになる点において都合がよ
い。
【0042】ゾル液は、金属アルコキシド(アルコキシ
ル基の一部をアルキル基などで置換したものであっても
よい)などの金属化合物、硝酸や塩酸などの触媒、所望
する場合はβ−ジケトンなどの安定化剤、水などを有機
溶媒中で調整し、金属化合物の加水分解反応や重合反応
などにより得られるコロイドが分散した溶液を用いる。
また、ゾル液には無機質微粒子などを分散させてもよ
い。ゾル液の塗布方法としては、ディップコーティング
法、スプレー法、スピンコーティング法などが挙げられ
る。ゾル液塗布後の熱処理は、ゾル液中の有機溶媒の沸
点や磁石の耐熱性などを考慮して80℃〜200℃で行
うことが望ましい。なお、通常、熱処理時間は1分〜1
時間である。所望する膜厚を有する被膜を得るために、
塗布と熱処理を繰り返して行ってもよいことは言うまで
もない。
【0043】化成処理被膜を形成する方法としては、ク
ロメート処理、リン酸処理、リン酸亜鉛処理、リン酸マ
ンガン処理、リン酸カルシウム処理、リン酸亜鉛カルシ
ウム処理、チタン−リン酸系化成処理、ジルコニウム−
リン酸系化成処理などの公知の方法を用いることができ
る。Al微粉からなる被着層の耐食性を向上させる場合
には、クロメート処理、チタン−リン酸系化成処理、ジ
ルコニウム−リン酸系化成処理などが望ましく、とりわ
け、処理液や被膜の環境への負荷が小さい、チタン−リ
ン酸系化成処理、ジルコニウム−リン酸系化成処理が望
ましい。
【0044】チタン−リン酸系化成処理を行う際の処理
液は、フルオロチタン酸などのチタン化合物、リン酸や
縮合リン酸、上記のフルオロチタン酸やフッ化水素酸な
どのフッ素化合物などを水に溶解して調整する。磁石表
面への処理液の塗布方法としては、ディップコーティン
グ法、スプレー法、スピンコーティング法などが挙げら
れる。処理液を塗布する際の処理液温度は20℃〜80
℃、処理時間は10秒〜10分が望ましい。処理液塗布
後の乾燥温度は、50℃〜200℃、乾燥時間は5秒〜
1時間である。ジルコニウム−リン酸系化成処理を行う
場合、チタン−リン酸系化成処理の方法に準じればよ
い。形成される被膜中には、チタンやジルコニウムが磁
石表面1m上に形成される被膜あたり0.1mg〜1
00mg含有されていることが望ましい。
【0045】
【実施例】以下、本発明の詳細を具体的実施例に基づい
て説明する。なお、以下の実施例において、金属微粉か
らなる被着層の膜厚の測定には電子線マイクロアナライ
ザー(EPMA)(EPM−810:島津製作所社製)
を用いた。めっき被膜の膜厚の測定には蛍光X線膜厚計
(SFT−7100:セイコー電子社製)を用いた。化
成処理被膜中の金属含量の測定には蛍光X線強度測定装
置(RIX−3000:理学電機社製)を用いた。
【0046】実施例1: (工程A)例えば、米国特許4770723号公報に記
載されているようにして、公知の鋳造インゴットを粉砕
し、微粉砕後に成形、焼結、熱処理、表面加工を行うこ
とによって17Nd−1Pr−75Fe−7B組成の縦
23mm×横10mm×高さ6mm寸法の焼結磁石を作
製した。この磁石を、80℃、相対湿度90%の条件下
に放置したところ、6時間で点錆が発生した(表面状況
についての30倍の顕微鏡観察による)。
【0047】(工程B)工程Aで得られた磁石30個
(見かけ容積0.1l、重量320g)と見かけ容積2
lの直径0.8mm、長さ1mmの短円柱状Al微粉生
成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容積3.5lの
振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投入量は処理槽
内容積の60vol%)、振動数60Hz、振動振幅
1.5mmの条件にて乾式的に処理を5時間行った。こ
の操作により生成したAl微粉は、長径が0.1μm以
下の超微粉から最も大きいもので長径が5μm程度であ
った。上記の処理によって得られた磁石について、標準
試料を用いてAlKα線強度測定を行ったところ、磁石
表面には膜厚0.6μmのAl微粉からなる被着層が形
成されていることがわかった。この磁石表面全体にAl
微粉からなる被着層を有する磁石を、80℃、相対湿度
90%の条件下に放置しても、24時間までは発錆を招
くことはなかった(表面状況についての30倍の顕微鏡
観察による)。
【0048】参考例1: (工程A)急冷合金法で作製した、Nd12原子%、F
e77原子%、B6原子%、Co5原子%の組成からな
る平均粒径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2w
t%加えて混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形
した後、170℃で1時間キュアし、外径22mm×内
径20mm×高さ3mmのリング状ボンド磁石を作製し
た。得られたリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性
を表1に示す。
【0049】(工程B)工程Aで得られた磁石50個
(見かけ容積0.15l、重量71g)と直径1mm、
長さ1mmの短円柱状Cu微粉生成物質(ワイヤーをカ
ットしたもの)10kg(見かけ容積2l)を容積3.
5lの振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投入量は
処理槽内容積の61vol%)、振動数70Hz、振動
振幅3mmの条件にて乾式的に処理を3時間行った。こ
の操作により生成したCu微粉は、長径が0.1μm以
下の超微粉から最も大きいもので長径が5μm程度であ
った。上記の処理によって得られた磁石について、標準
試料を用いてCuKα線強度測定を行ったところ、磁石
表面の磁性粉上には膜厚0.1μmのCu微粉からなる
被着層が形成されていることがわかった。さらに、磁石
表面の樹脂部分は、Cu微粉からなる被着層で被覆され
ていることがわかった。
【0050】参考例2:参考例1で得られた磁石表面全
体にCu微粉からなる被着層を有する磁石を洗浄した
後、ひっかけめっき方式で電気Niめっき処理を行っ
た。該処理は、電流密度2A/dm、めっき時間60
分、pH4.2、浴温55℃、めっき液組成(硫酸ニッ
ケル240g/l、塩化ニッケル45g/l、炭酸ニッ
ケル適量(pH調整)、ほう酸30g/l)の条件にて
行った。得られためっき被膜は、外径側膜厚が22μ
m、内径側膜厚が20μmであった。このめっき被膜を
有する磁石について、80℃、相対湿度90%、500
時間の条件にて環境試験(耐湿試験)を行い、耐湿試験
後の表面状況観察(30倍の顕微鏡観察)と磁気特性劣
化率測定を行った。また、内径側膜厚の寸法精度を測定
した(n=50)。その結果を表2および表3に示す。
表2および表3から明らかなように、このめっき被膜を
有する磁石は優れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸
法精度にて成膜されていた。この結果は、参考例1で用
いた短円柱状Cu微粉生成物質の末端が鋭利であるの
で、処理容器内の内容物との衝突により新鮮表面を有す
るCu微粉を効率よく生成させたことや、磁石表面の磁
性粉に対しても新鮮表面を効率よく生じさせたことなど
により、メカノケミカル反応が非常に都合がよく引き起
こされ、強固でかつ高密度なCu微粉からなる被着層を
形成できたことに起因するものと思われる。また、磁石
表面の樹脂部分もCu微粉からなる被着層で被覆するこ
とができたことから、磁石表面全体に均一にしかも強固
に導電層を形成できたことに起因するものと思われる。
【0051】参考例3: (工程A)急冷合金法で作製した、Nd13原子%、F
e76原子%、B6原子%、Co5原子%の組成からな
る平均粒径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2w
t%加えて混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形
した後、180℃で2時間キュアし、外径21mm×内
径18mm×高さ4mmのリング状ボンド磁石を作製し
た。得られたリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性
を表1に示す。
【0052】(工程B)工程Aで得られた磁石50個
(見かけ容積0.15l、重量132g)と見かけ容積
2lの直径1mm、長さ0.8mmの短円柱状Fe微粉
生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容積3.0l
の振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投入量は処理
槽内容積の72vol%)、振動数60Hz、振動振幅
2mmの条件にて乾式的に処理を2時間行った。この操
作により生成したFe微粉は、最も大きいもので長径が
5μm程度であった。上記の処理によって得られた磁石
について、標準試料を用いてFeKα線強度測定を行っ
たところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.1μmのF
e微粉からなる被着層が形成されていることがわかっ
た。さらに、磁石表面の樹脂部分は、Fe微粉からなる
被着層で被覆されていることがわかった。
【0053】参考例4:参考例3で得られた磁石表面全
体にFe微粉からなる被着層を有する磁石を洗浄した
後、ひっかけめっき方式で電気Niめっき処理を行っ
た。該処理は、電流密度2.2A/dm、めっき時間
60分、pH4.2、浴温50℃、めっき液組成(硫酸
ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/l、炭酸
ニッケル適量(pH調整)、ほう酸30g/l)の条件
にて行った。得られためっき被膜は、外径側膜厚が21
μm、内径側膜厚が18μmであった。このめっき被膜
を有する磁石について、参考例2と同様にして、耐湿試
験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚
の寸法精度測定を行った。その結果、表2および表3か
ら明らかなように、このめっき被膜を有する磁石は、優
れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜
されていた。
【0054】参考例5:参考例3の工程Aと同様の方法
で作製されたリング状ボンド磁石(特性を表1に示す)
を用い、工程Bの短円柱状Fe微粉生成物質を同じ大き
さの短円柱状Ni微粉生成物質に代えたこと以外は参考
例3の工程Bと同様にして処理を行った。この操作によ
り生成したNi微粉は、最も大きいもので長径が5μm
程度であった。上記の処理によって得られた磁石につい
て、標準試料を用いてNiKα線強度測定を行ったとこ
ろ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.1μmのNi微粉
からなる被着層が形成されていることがわかった。さら
に、磁石表面の樹脂部分は、Ni微粉からなる被着層で
被覆されていることがわかった。
【0055】参考例6:参考例5で得られた磁石表面全
体にNi微粉からなる被着層を有する磁石に対し、参考
例4と同一の条件にて電気Niめっき処理を行った。得
られためっき被膜は、外径側膜厚が21μm、内径側膜
厚が18μmであった。このめっき被膜を有する磁石に
ついて、参考例2と同様にして、耐湿試験後の表面状況
観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測定
を行った。その結果、表2および表3から明らかなよう
に、このめっき被膜を有する磁石は、優れた耐食性を示
すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0056】参考例7:参考例3の工程Aと同様の方法
で作製されたリング状ボンド磁石(特性を表1に示す)
を用い、工程Bの短円柱状Fe微粉生成物質を同じ大き
さの短円柱状Co微粉生成物質に代えたこと以外は参考
例3の工程Bと同様にして処理を行った。この操作によ
り生成したCo微粉は、最も大きいもので長径が5μm
程度であった。上記の処理によって得られた磁石につい
て、標準試料を用いてCoKα線強度測定を行ったとこ
ろ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.1μmのCo微粉
からなる被着層が形成されていることがわかった。さら
に、磁石表面の樹脂部分は、Co微粉からなる被着層で
被覆されていることがわかった。
【0057】参考例8:参考例7で得られた磁石表面全
体にCo微粉からなる被着層を有する磁石に対し、参考
例4と同一の条件にて電気Niめっき処理を行った。得
られためっき被膜は、外径側膜厚が21μm、内径側膜
厚が18μmであった。このめっき被膜を有する磁石に
ついて、参考例2と同様にして、耐湿試験後の表面状況
観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測定
を行った。その結果、表2および表3から明らかなよう
に、このめっき被膜を有する磁石は、優れた耐食性を示
すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0058】参考例9:参考例3の工程Aと同様の方法
で作製されたリング状ボンド磁石(特性を表1に示す)
を用い、工程Bの短円柱状Fe微粉生成物質を同じ大き
さの短円柱状Cr微粉生成物質に代えたこと以外は参考
例3の工程Bと同様にして処理を行った。この操作によ
り生成したCr微粉は、最も大きいもので長径が5μm
程度であった。上記の処理によって得られた磁石につい
て、標準試料を用いてCrKα線強度測定を行ったとこ
ろ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.1μmのCr微粉
からなる被着層が形成されていることがわかった。さら
に、磁石表面の樹脂部分は、Cr微粉からなる被着層で
被覆されていることがわかった。
【0059】参考例10:参考例9で得られた磁石表面
全体にCr微粉からなる被着層を有する磁石に対し、参
考例4と同一の条件にて電気Niめっき処理を行った。
得られためっき被膜は、外径側膜厚が21μm、内径側
膜厚が18μmであった。このめっき被膜を有する磁石
について、参考例2と同様にして、耐湿試験後の表面状
況観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測
定を行った。その結果、表2および表3から明らかなよ
うに、このめっき被膜を有する磁石は、優れた耐食性を
示すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されていた。
【0060】比較例1: (工程A)参考例1の工程Aと同様の方法で作製された
外径22mm×内径20mm×高さ3mmのリング状ボ
ンド磁石を洗浄後、浸漬法にて、未硬化のフェノール樹
脂層を磁石上に形成した後、市販のAg粉(長径0.7
μm以下)を樹脂表面に付着させた。得られた50個の
リング状ボンド磁石(見かけ容積0.15l、重量71
g)を容積3.5lの振動バレル装置の処理槽に投入
し、2.5mm径のスチールボール(見かけ容積2l)
をメディアとして3時間処理した後(合計投入量は処理
槽内容積の61vol%)、150℃で2時間キュア
し、磁石表面上に7μmの導電被覆層を形成した。
【0061】(工程B)工程Aで得られた磁石に対し、
参考例2と同一の条件にて電気Niめっき処理を行っ
た。このめっき被膜を有する磁石について、参考例2と
同様にして、耐湿試験後の表面状況観察、内径側膜厚の
寸法精度測定を行った。その結果、表2から明らかなよ
うに、このめっき被膜を有する磁石は耐湿試験によって
発錆を招き、また膜厚寸法精度も低いものであった。
【0062】比較例2: (工程A)参考例1の工程Aと同様の方法で作製された
外径22mm×内径20mm×高さ3mmのリング状ボ
ンド磁石を洗浄後、エポキシ系接着剤の10wt%メチ
ルエチルケトン(MEK)溶液に5分間含浸させ、その
後、十分に液切りしてからMEKを乾燥させた。このよ
うにして作製された、表面に未硬化のエポキシ系接着剤
層を有するリング状ボンド磁石50個(見かけ容積0.
15l、重量71g)と直径1mmのCuボール10k
g(見かけ容積2l)と長径0.8μmの市販のCu粉
末25gを容積3.5lの振動バレル装置の処理槽に投
入し(合計投入量は処理槽内容積の61vol%)、3
時間処理した。その後、150℃で2時間キュアしてか
ら洗浄し、過剰のCu粉末を除去し、磁石表面上に18
μmの導電被覆層を形成した。
【0063】(工程B)工程Aで得られた磁石に対し、
参考例2と同一の条件にて電気Niめっき処理を行っ
た。このめっき被膜を有する磁石について、参考例2と
同様にして、耐湿試験後の表面状況観察、内径側膜厚の
寸法精度測定を行った。その結果、表2から明らかなよ
うに、このめっき被膜を有する磁石は耐湿試験によって
発錆を招き、また膜厚寸法精度も低いものであった。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】参考例11: (工程A)急冷合金法で作製した、Nd13原子%、F
e76原子%、B6原子%、Co5原子%の組成からな
る平均粒径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2w
t%加えて混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形
した後、180℃で2時間キュアし、外径25mm×内
径23mm×高さ3mmのリング状ボンド磁石を作製し
た。得られたリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性
を表4に示す。
【0068】(工程B)工程Aで得られた磁石50個
(見かけ容積0.15l、重量83g)と見かけ容積2
lの直径2mm、長さ1mmの短円柱状Sn微粉生成物
質(ワイヤーをカットしたもの)を容積3.0lの振動
バレル装置の処理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容
積の72vol%)、振動数60Hz、振動振幅2mm
の条件にて乾式的に処理を2時間行った。この操作によ
り生成したSn微粉は、長径が0.1μm以下の超微粉
から最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記
の処理によって得られた磁石について、標準試料を用い
てSnKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性
粉上には膜厚0.5μmのSn微粉からなる被着層が形
成されていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂
部分は、Sn微粉からなる被着層で被覆されていること
がわかった。
【0069】参考例12:参考例11で得られた磁石表
面全体にSn微粉からなる被着層を有する磁石を洗浄し
た後、ひっかけめっき方式で電気Cuめっき処理を行っ
た。該処理は、電流密度2.3A/dm、めっき時間
6分、pH10.5、浴温45℃、めっき液組成(銅2
0g/l、遊離シアン10g/l)の条件にて行った。
続いて、ひっかけめっき方式で電気Niめっき処理を行
った。該処理は、電流密度2.2A/dm、めっき時
間60分、pH4.2、浴温50℃、めっき液組成(硫
酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/l、炭
酸ニッケル適量(pH調整)、ほう酸30g/l)の条
件にて行った。得られためっき被膜は、外径側膜厚が2
4μm、内径側膜厚が22μmであった。このめっき被
膜を有する磁石について、参考例2と同様にして、耐湿
試験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜
厚の寸法精度測定を行った。その結果、表5および表6
から明らかなように、このめっき被膜を有する磁石は、
優れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸法精度にて成
膜されていた。
【0070】参考例13:参考例11の工程Aと同様の
方法で作製されたリング状ボンド磁石(特性を表4に示
す)を用い、工程Bの短円柱状Sn微粉生成物質を同じ
大きさの短円柱状Zn微粉生成物質に代えたこと以外は
参考例11の工程Bと同様にして処理を行った。この操
作により生成したZn微粉は、最も大きいもので長径が
5μm程度であった。上記の処理によって得られた磁石
について、標準試料を用いてZnKα線強度測定を行っ
たところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.3μmのZ
n微粉からなる被着層が形成されていることがわかっ
た。さらに、磁石表面の樹脂部分は、Zn微粉からなる
被着層で被覆されていることがわかった。
【0071】参考例14:参考例13で得られた磁石表
面全体にZn微粉からなる被着層を有する磁石に対し、
参考例12と同一の条件にて電気Cuめっき処理と電気
Niめっき処理を行った。得られためっき被膜は、外径
側膜厚が24μm、内径側膜厚が22μmであった。こ
のめっき被膜を有する磁石について、参考例2と同様に
して、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測
定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結果、表
5および表6から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は、優れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸
法精度にて成膜されていた。
【0072】参考例15:参考例11の工程Aと同様の
方法で作製されたリング状ボンド磁石(特性を表4に示
す)を用い、工程Bの短円柱状Sn微粉生成物質を同じ
大きさの短円柱状Pb微粉生成物質に代えたこと以外は
参考例11の工程Bと同様にして処理を行った。この操
作により生成したPb微粉は、最も大きいもので長径が
5μm程度であった。上記の処理によって得られた磁石
について、標準試料を用いてPbKα線強度測定を行っ
たところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.7μmのP
b微粉からなる被着層が形成されていることがわかっ
た。さらに、磁石表面の樹脂部分は、Pb微粉からなる
被着層で被覆されていることがわかった。
【0073】参考例16:参考例15で得られた磁石表
面全体にPb微粉からなる被着層を有する磁石に対し、
参考例12と同一の条件にて電気Cuめっき処理と電気
Niめっき処理を行った。得られためっき被膜は、外径
側膜厚が24μm、内径側膜厚が22μmであった。こ
のめっき被膜を有する磁石について、参考例2と同様に
して、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣化率測
定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結果、表
5および表6から明らかなように、このめっき被膜を有
する磁石は、優れた耐食性を示すとともに、高い膜厚寸
法精度にて成膜されていた。
【0074】比較例3: (工程A)参考例11の工程Aと同様の方法で作製され
た外径25mm×内径23mm×高さ3mmのリング状
ボンド磁石(特性を表4に示す)を洗浄後、浸漬法に
て、未硬化のフェノール樹脂層を磁石上に形成した後、
市販のAg粉(長径0.8μm以下)を樹脂表面に付着
させた。得られた50個のリング状ボンド磁石(見かけ
容積0.15l、重量83g)を容積3.0lの振動バ
レル装置の処理槽に投入し、2.5mm径のスチールボ
ール(見かけ容積2l)をメディアとして2時間処理し
た後(合計投入量は処理槽内容積の72vol%)、1
50℃で2時間キュアし、磁石表面上に8μmの導電被
覆層を形成した。
【0075】(工程B)工程Aで得られた磁石に対し、
参考例12と同一の条件にて電気Cuめっき処理と電気
Niめっき処理を行った。このめっき被膜を有する磁石
について、参考例2と同様にして、耐湿試験後の表面状
況観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精度測
定を行った。その結果、表5および表6から明らかなよ
うに、このめっき被膜を有する磁石は、耐湿試験によっ
て発錆や磁気特性の劣化を招き、また膜厚寸法精度も低
いものであった。
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】参考例17: (工程A)急冷合金法で作製した、Nd13原子%、F
e76原子%、B6原子%、Co5原子%の組成からな
る平均粒径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2w
t%加えて混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形
した後、180℃で2時間キュアし、外径20mm×内
径17mm×高さ6mmのリング状ボンド磁石を作製し
た。得られたリング状ボンド磁石(素材上がり)の特性
を表7に示す。
【0080】(工程B)工程Aで得られた磁石50個
(見かけ容積0.15l、重量188g)と見かけ容積
2lの直径1.2mm、長さ1.5mmの短円柱状Al
微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容積3.
0lの振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投入量は
処理槽内容積の72vol%)、振動数60Hz、振動
振幅2mmの条件にて乾式的に処理を2時間行った。こ
の操作により生成したAl微粉は、最も大きいもので長
径が5μm程度であった。上記の処理によって得られた
磁石について、標準試料を用いてAlKα線強度測定を
行ったところ、磁石表面の磁性粉上には膜厚0.4μm
のAl微粉からなる被着層が形成されていることがわか
った。さらに、磁石表面の樹脂部分は、Al微粉からな
る被着層で被覆されていることがわかった。この磁石表
面全体にAl微粉からなる被着層を有する磁石を、80
℃、相対湿度90%の条件下に放置しても、36時間ま
では発錆を招くことはなかった(表面状況についての3
0倍の顕微鏡観察による)。
【0081】参考例18:参考例17で得られた磁石表
面全体にAl微粉からなる被着層を有する磁石を、浴温
20℃の亜鉛置換液(液組成:水酸化ナトリウム50g
/l、酸化亜鉛5g/l、塩化第二鉄2g/l、ロッシ
ェル塩50g/l、硝酸ナトリウム1g/l)に1分間
浸漬して亜鉛置換処理を行った。磁石を洗浄した後、ひ
っかけめっき方式で電気Niめっき処理を行った。該処
理は、電流密度2.2A/dm、めっき時間60分、
pH4.2、浴温50℃、めっき液組成(硫酸ニッケル
240g/l、塩化ニッケル45g/l、炭酸ニッケル
適量(pH調整)、ほう酸30g/l)の条件にて行っ
た。得られためっき被膜は、外径側膜厚が21μm、内
径側膜厚が19μmであった。このめっき被膜を有する
磁石について、参考例2と同様にして、耐湿試験後の表
面状況観察と磁気特性劣化率測定、内径側膜厚の寸法精
度測定を行った。その結果、表8および表9から明らか
なように、このめっき被膜を有する磁石は、優れた耐食
性を示すとともに、高い膜厚寸法精度にて成膜されてい
た。
【0082】比較例4: (工程A)参考例17の工程Aと同様の方法で作製され
た外径20mm×内径17mm×高さ6mmのリング状
ボンド磁石(特性を表7に示す)を洗浄後、浸漬法に
て、未硬化のフェノール樹脂層を磁石上に形成した後、
市販のAg粉(長径0.8μm以下)を樹脂表面に付着
させた。得られた50個のリング状ボンド磁石(見かけ
容積0.15l、重量188g)を容積3.0lの振動
バレル装置の処理槽に投入し、2.5mm径のスチール
ボール(見かけ容積2l)をメディアとして2時間処理
した後(合計投入量は処理槽内容積の72vol%)、
150℃で2時間キュアし、磁石表面上に7μmの導電
被覆層を形成した。
【0083】(工程B)工程Aで得られた磁石に対し、
参考例18に記載の条件にて電気Niめっき処理を行っ
た。このめっき被膜を有する磁石について、参考例2と
同様にして、耐湿試験後の表面状況観察と磁気特性劣化
率測定、内径側膜厚の寸法精度測定を行った。その結
果、表8および表9から明らかなように、このめっき被
膜を有する磁石は、耐湿試験によって発錆や磁気特性の
劣化を招き、また膜厚寸法精度も低いものであった。
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】
【表9】
【0087】参考例19: (工程A)急冷合金法で作製した、Nd12原子%、F
e77原子%、B6原子%、Co5原子%の組成からな
る平均粒径150μmの合金粉末にエポキシ樹脂を2w
t%加えて混練し、686N/mmの圧力で圧縮成形
した後、170℃で1時間キュアし、縦30mm×横2
0mm×高さ3mmのボンド磁石を作製した。この磁石
を、80℃、相対湿度90%の条件下に放置したとこ
ろ、12時間で微小な点錆が発生した(表面状況につい
ての30倍の顕微鏡観察による)。
【0088】(工程B)工程Aで得られた磁石50個
(見かけ容積0.1l、重量650g)と見かけ容積2
lの直径2mm、長さ1mmの短円柱状Sn微粉生成物
質(ワイヤーをカットしたもの)を容積3.0lの振動
バレル装置の処理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容
積の72vol%)、振動数60Hz、振動振幅2mm
の条件にて乾式的に処理を2時間行った。この操作によ
り生成したSn微粉は、長径が0.1μm以下の超微粉
から最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記
の処理によって得られた磁石について、標準試料を用い
てSnKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性
粉上には膜厚0.5μmのSn微粉からなる被着層が形
成されていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂
部分は、Sn微粉からなる被着層で被覆されていること
がわかった。
【0089】参考例20:ゾル液を、表10に示すSi
化合物、触媒、有機溶媒および水の各成分にて、表11
に示す組成、粘度およびpHで調整した。参考例19で
得られた磁石表面全体にSn微粉からなる被着層を有す
る磁石に対し、ゾル液を、ディップコーティング法に
て、表12に示す引き上げ速度で塗布し、熱処理を行っ
て、その表面に膜厚1.5μm(破面の電子顕微鏡観察
で測定)のSi酸化物被膜(SiO被膜:0<x≦
2)を形成した。このゾルゲル成膜法によって得られた
Si酸化物被膜を有する磁石を、80℃、相対湿度90
%の条件下に放置しても、200時間までは発錆を招く
ことはなかった(表面状況についての30倍の顕微鏡観
察による)。
【0090】参考例21:参考例19の工程Aと同様の
方法で作製されたボンド磁石を用い、工程Bの短円柱状
Sn微粉生成物質を同じ大きさの短円柱状Zn微粉生成
物質に代えたこと以外は参考例19の工程Bと同様にし
て処理を行った。この操作により生成したZn微粉は、
最も大きいもので長径が5μm程度であった。上記の処
理によって得られた磁石について、標準試料を用いてZ
nKα線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上
には膜厚0.3μmのZn微粉からなる被着層が形成さ
れていることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分
は、Zn微粉からなる被着層で被覆されていることがわ
かった。
【0091】参考例22:ゾル液を、表10に示すTi
化合物、触媒、安定化剤、有機溶媒および水の各成分に
て、表11に示す組成、粘度およびpHで調整した。参
考例21で得られた磁石表面全体にZn微粉からなる被
着層を有する磁石に対し、ゾル液を、ディップコーティ
ング法にて、表12に示す引き上げ速度で塗布し、熱処
理を行って、その表面に膜厚0.7μm(破面の電子顕
微鏡観察で測定)のTi酸化物被膜(TiO被膜:0
<x≦2)を形成した。このゾルゲル成膜法によって得
られたTi酸化物被膜を有する磁石を、80℃、相対湿
度90%の条件下に放置しても、200時間までは発錆
を招くことはなかった(表面状況についての30倍の顕
微鏡観察による)。
【0092】参考例23:参考例19の工程Aと同様の
方法で作製されたボンド磁石50個(見かけ容積0.1
l、重量650g)と見かけ容積2lの直径1.2m
m、長さ1.5mmの短円柱状Al微粉生成物質(ワイ
ヤーをカットしたもの)を容積3.0lの振動バレル装
置の処理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積の72
vol%)、振動数60Hz、振動振幅2mmの条件に
て乾式的に処理を2時間行った。この操作により生成し
たAl微粉は、長径が0.1μm以下の超微粉から最も
大きいもので長径が5μm程度であった。上記の処理に
よって得られた磁石について、標準試料を用いてAlK
α線強度測定を行ったところ、磁石表面の磁性粉上には
膜厚0.4μmのAl微粉からなる被着層が形成されて
いることがわかった。さらに、磁石表面の樹脂部分は、
Al微粉からなる被着層で被覆されていることがわかっ
た。
【0093】参考例24:ゾル液を、表10に示すSi
化合物、Al化合物、触媒、安定化剤、有機溶媒および
水の各成分にて、表11に示す組成、粘度およびpHで
調整した。参考例23で得られた磁石表面全体にAl微
粉からなる被着層を有する磁石に対し、ゾル液を、ディ
ップコーティング法にて、表12に示す引き上げ速度で
塗布し、熱処理を行って、その表面に膜厚0.5μm
(破面の電子顕微鏡観察で測定)のSi−Al複合酸化
物被膜(SiO・Al被膜:0<x≦2・0<
y≦3)を形成した。このゾルゲル成膜法によって得ら
れたSi−Al複合酸化物被膜を有する磁石を、80
℃、相対湿度90%の条件下に放置しても、200時間
までは発錆を招くことはなかった(表面状況についての
30倍の顕微鏡観察による)。
【0094】
【表10】
【0095】
【表11】
【0096】
【表12】
【0097】参考例25:パルコート3753(製品
名:日本パーカライジング社製のTi−リン酸系化成処
理用液)35gを水1lに溶解して調整した処理液(p
H3.8)に、参考例17で得られた磁石表面全体にA
l微粉からなる被着層を有する磁石を、浴温40℃で1
分間浸漬した後、100℃で20分間乾燥し、その表面
にTi含有化成処理被膜を形成した。得られた被膜中の
Ti含有量は、磁石表面1m上に形成された被膜あた
り10mgであった。この化成処理被膜を有する磁石
を、80℃、相対湿度90%の条件下に放置しても、2
00時間までは発錆を招くことはなかった(表面状況に
ついての30倍の顕微鏡観察による)。
【0098】参考例26:パルコート3756MAおよ
びパルコート3756MB(いずれも製品名:日本パー
カライジング社製のZr−リン酸系化成処理用液)各1
0gを水1lに溶解して調整した処理液(pH3.2)
に、参考例17で得られた磁石表面全体にAl微粉から
なる被着層を有する磁石を、浴温50℃で1分30秒間
浸漬した後、120℃で20分間乾燥し、その表面にZ
r含有化成処理被膜を形成した。得られた被膜中のZr
含有量は、磁石表面1m上に形成された被膜あたり1
6mgであった。この化成処理被膜を有する磁石を、8
0℃、相対湿度90%の条件下に放置しても、200時
間までは発錆を招くことはなかった(表面状況について
の30倍の顕微鏡観察による)。
【0099】
【発明の効果】本発明の希土類系焼結磁石は、磁石表面
を構成する金属上に実質的に金属微粉のみからなる被着
層が強固にかつ高密度に形成されている。従って、電気
めっき処理などにより、耐食性に優れた被膜の形成を高
い膜厚寸法精度で行うことができ、磁石寸法精度の向上
を図ることが可能となる。また、金属微粉からなる被着
層自体に防錆効果があるので、それ自体が磁石の防錆層
としての役割を果たす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 28/00 C23C 28/00 B C H01F 41/02 H01F 41/02 G // C22C 38/00 303 C22C 38/00 303D (72)発明者 菊井 文秋 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 Fターム(参考) 4K018 AA11 AA27 BA05 BA18 DA11 FA23 FA27 KA45 4K022 AA02 AA44 BA08 BA14 BA33 BA36 DA06 DB01 EA01 4K044 AA02 AB10 BA02 BA06 BA08 BA10 BA12 BA15 BA17 BB03 BB11 BC02 BC05 BC14 CA13 CA15 CA16 CA18 CA23 CA51 CA53 CA62 5E040 AA04 BC01 BD01 CA01 HB14 5E062 CD04 CG02 CG07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石表面を構成する金属上に実質的に金
    属微粉のみからなる被着層を有することを特徴とする希
    土類系焼結磁石。
  2. 【請求項2】 金属微粉がCu、Fe、Ni、Co、C
    rから選ばれる少なくとも一種の金属成分を含んでなる
    ことを特徴とする請求項1記載の希土類系焼結磁石。
  3. 【請求項3】 金属微粉がCu微粉であることを特徴と
    する請求項1記載の希土類系焼結磁石。
  4. 【請求項4】 金属微粉のヴィッカース硬度値が60以
    下であることを特徴とする請求項1記載の希土類系焼結
    磁石。
  5. 【請求項5】 金属微粉がSn、Zn、Pb、Cd、I
    n、Au、Ag、Alから選ばれる少なくとも一種の金
    属成分を含んでなることを特徴とする請求項1記載の希
    土類系焼結磁石。
  6. 【請求項6】 金属微粉がAl微粉であることを特徴と
    する請求項1記載の希土類系焼結磁石。
  7. 【請求項7】 希土類系焼結磁石がR−Fe−B系焼結
    磁石であることを特徴とする請求項1記載の希土類系焼
    結磁石。
  8. 【請求項8】 被着層の膜厚が0.001μm〜0.2
    μmであることを特徴とする請求項2記載の希土類系焼
    結磁石。
  9. 【請求項9】 被着層の膜厚が0.001μm〜100
    μmであることを特徴とする請求項4記載の希土類系焼
    結磁石。
  10. 【請求項10】 金属微粉の長径が0.001μm〜5
    μmであることを特徴とする請求項1記載の希土類系焼
    結磁石。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の希土類系焼結磁石の実
    質的に金属微粉のみからなる被着層の表面にめっき被膜
    を有することを特徴とする希土類系焼結磁石。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の希土類系焼結磁石の実
    質的に金属微粉のみからなる被着層の表面に金属酸化物
    被膜を有することを特徴とする希土類系焼結磁石。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の希土類系焼結磁石の実
    質的に金属微粉のみからなる被着層の表面に化成処理被
    膜を有することを特徴とする希土類系焼結磁石。
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