JP2002236241A

JP2002236241A - 光ケーブル

Info

Publication number: JP2002236241A
Application number: JP2001032239A
Authority: JP
Inventors: Hiroto Watanabe; 裕人渡邉; Naoki Okada; 直樹岡田; Koichiro Watanabe; 幸一郎渡辺; Suehiro Miyamoto; 末広宮本; Kazuo Hokari; 和男保苅
Original assignee: Fujikura Ltd; Nippon Telegraph and Telephone Corp
Current assignee: Fujikura Ltd; Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date: 2001-02-08
Filing date: 2001-02-08
Publication date: 2002-08-23

Abstract

(57)【要約】【課題】防水特性を有し、かつ製造も容易で低コスト
で提供できる光ケーブルを得る。【解決手段】光ファイバテープ心線２が１本以上の吸
水性ヤーン８で結束し、これをヤーン集合体９で包囲
し、シース１０により一括被覆された構造とし、吸水性
ヤーン８とヤーン集合体９の割合を５体積％：９５体積
％〜３０体積％：７０体積％とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、防水特性を要する
屋外使用などに好適な光ファイバケーブルの構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来の光ケーブルの一例を示すも
のである。図３において、符号１は光ケーブルを示す。
この光ケーブル１は、複数本の光ファイバテープ心線２
がアラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維などのヤーン３
で包囲され、この上にナイロン１２、可塑化ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなるシース
４で被覆された、外径５．０〜１０．０ｍｍ程度のもの
である。このシース４内には鋼線などからなる２本の抗
張力線５、５およびプラスチック紐などからなる口出し
紐６、６が光ケーブル１の長手方向に埋め込まれてい
る。

【０００３】このような構造の光ケーブル１は、抗張力
線５、５の存在により架設中の張力に対して十分な耐性
を有しており、また、口出し紐６、６の存在により光フ
ァイバテープ心線２を容易に口出しさせることができる
ため、広く用いられている。

【０００４】しかしながら、このような構造の光ケーブ
ルにあっては、防水特性を有していないという欠点があ
るため、屋外用途には適していない。そこで、防水特性
を有する光ケーブルが考えられた。この防水性光ケーブ
ルは、通常のヤーンと吸水性ヤーンとが混在した集合体
を用いて光ファイバテープ心線２を包囲した構造のもの
である。

【０００５】しかしながら、この構造の防水性光ケーブ
ルにあっては、ヤーンと吸水性ヤーンの混在する割合を
変えて光ケーブル１を造り、その防水性試験を行ったと
ころ、光ケーブルによって防水特性にばらつきがあるば
かりでなく、防水特性を満足しない光ケーブルが存在す
ることが明らかとなった。

【０００６】上記のような防水特性不良の原因を調査し
たところ、防水試験時に注いだ水は光ファイバテープ心
線の間に侵入しやすいため、吸水性ヤーンが光ファイバ
テープ心線２に接している光ケーブル１では良好な防水
特性が得られるが、吸水性ヤーンが光ファイバテープ心
線２に接していない光ケーブル１では良好な防水特性は
得られないことが判明した。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、防水特性を有し、かつ製造も容易で低コスト
で提供できる光ケーブルを得ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の請求項１記載の光ケーブルは、光ファイバ
テープ心線がヤーンで包囲され、このヤーンの外周が直
接シースで被覆され、前記光ファイバテープ心線が１本
以上の吸水性ヤーンで結束され、この上にヤーンで包囲
されたものである。また、本発明の請求項２記載の光ケ
ーブルは、前記光ファイバテープ心線を結束している１
本以上の吸水性ヤーンを包囲するヤーンを、吸水性ヤー
ンとヤーンが混在する集合体とする。そして、本発明の
請求項３記載の光ケーブルは、前記吸水性ヤーンとヤー
ンの集合体における、吸水性ヤーンとヤーンの混在する
割合を、５体積％：９５体積％〜３０体積％：７０体積
％とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の光ケーブルの一例
について図１および図２を用いて説明する。本例の防水
性光ケーブル７においては、複数本の光ファイバテープ
心線２が、１本以上、好ましくは２〜３本の吸水性ヤー
ン８が巻き付けられ、さらにこの上に、吸水性ヤーンと
通常のヤーンとが集合されてなるヤーン集合体９で包囲
されて、ヤーン集合体９の外周にポリエチレン、可塑化
ポリ塩化ビニルなどの樹脂からなるシース１０が被覆さ
れたものであり、その外径が５．０〜１０．０ｍｍ程度
のものである。吸水性ヤーン８はポリアクリル酸塩系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルアミド
系樹脂、ポリオキシエチレン系樹脂などの吸水性樹脂を
繊維化した繊維からなっており、通常のヤーンはアラミ
ド繊維、炭素繊維、ガラス繊維などからなっている。

【００１０】防水性光ケーブル７の一括被覆層のシース
１０内には、外径０．４〜１．２ｍｍの鋼線からなるテ
ンションメンバ１１、１１および外径０．５〜２．０ｍ
ｍのプラスチック紐からなるリップコード１２、１２
が、防水性光ケーブル７の長手方向に埋め込まれてお
り、テンションメンバ１１、１１とリップコード１２、
１２は互いに９０°間隔で埋め込まれている。上記テン
ションメンバ１２、１２は防水性光ケーブル７が架設さ
れた際に、架設中の張力に対して十分な耐性を有してお
り、光ファイバテープ心線２の断線を防止している。

【００１１】また、この防水性光ケーブル７では、シー
ス１０のリップコード１２、１２の埋め込み部分１０
ａ、１０ａの厚みをリップッコード１２が埋め込まれて
いない部分のシース１０の厚みよりも肉厚としてある。
このようにすれば、リップコード１２の外径を大きくし
た場合にも埋め込み部分１０ａの機械的強度の低下を防
ぐことができ、防水性光ケーブル７の側圧特性、衝撃特
性が良好に保たれる。

【００１２】このように、シース１０のリップコード１
２、１２の埋め込み部分１０ａ、１０ａが、他の部分よ
りも肉厚に設計された防水性光ケーブル７においては、
肉厚部分が外見上突起状となるため、当該埋め込み部分
１０ａの位置が容易に確認できる。また、この突起状と
なったシース埋め込み部分１０ａをニッパなどでつまん
で、リップコード１２を防水性光ケーブル７から容易に
取り出すことができる。リップコード１２を取り出して
引っ張り出すことによって、シース１０に裂け目が生じ
て、ここから光ファイバテープ心線２を容易に口出しす
ることができるようになっている。

【００１３】また、防水性光ケーブル７の中心に収容さ
れる光ファイバとしては、光ファイバテープ心線２以外
に光ファイバ素線、光ファイバ心線などであってもよ
い。

【００１４】次に、このような構造の防水性光ケーブル
７の製法について説明する。図２に示すように、複数本
の光ファイバテープ心線２が、あらかじめ１本以上の吸
水性ヤーン８で結束される。結束の方法は、１本以上の
吸水性ヤーン８を、複数本の光ファイバテープ心線２の
外周全体に巻き付けるようにして行われる。そしてこの
上に、吸水性ヤーンと通常のヤーンとが集合されてなる
ヤーン集合体９で包囲して集合体をなし、この集合体は
引き続き押出ヘッドに送られる。

【００１５】押出ヘッドにはこれと同時に２本のテンシ
ョンメンバ１１、１１および２本のリップコード１２、
１２が供給され、押出機からシース１０をなすポリエチ
レン、可塑化ポリ塩化ビニルなどの溶融樹脂が供給され
る。そして、この溶融樹脂は、上記集合体、テンション
メンバ１１、１１およびリップコード１２、１２を一括
に被覆し、防水性光ケーブル７となる。

【００１６】このようにして造られた防水性光ケーブル
７の防水特性の評価を、以下のような方法で行う。防水
性光ケーブル７の端部に水頭長１ｍになるように水を注
ぎ、ケーブル内に侵入する水の２４時間後の侵入長さに
より防水性を評価する。

【００１７】このような防水性光ケーブル７では、１本
以上の吸水性ヤーン８が、複数本の光ファイバテープ心
線２の外周全体に巻き付けられて、この上にヤーン集合
体９で包囲されているので、吸水性ヤーン８と光ファイ
バテープ心線２が密着した状態で成形される。このた
め、光ファイバテープ心線２間に水が侵入しても、直ち
に吸水性ヤーン８が吸水して膨潤し、それ以上の水の侵
入が抑えられ、結果として防水特性が向上する。

【００１８】また、本例の防水性光ケーブル７では、ヤ
ーン集合体９における、吸水性ヤーンと通常のヤーンの
混在する割合が、５体積％：９５体積％〜３０体積％：
７０体積％の範囲で十分な防水特性を発揮する。吸水性
ヤーンの割合が５体積％未満では、防水特性は不十分で
あり、３０体積％を超えると製造コストが嵩み、実用に
供することができない。

【００１９】以下、具体例を示す。図１に示すような構
造からなる防水性光ケーブル７において、ヤーン集合体
９の吸水性ヤーンと通常のヤーンの混在する割合が異な
る４種類の光ケーブル（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）
を作製した。光ケーブル（Ａ）は、ヤーン集合体９が全
て吸水性ヤーンからるものであり、光ケーブル（Ｂ）は
ヤーン集合体９が、吸水性ヤーンとヤーンが３０体積
％：７０体積％の割合で、光ケーブル（Ｃ）はヤーン集
合体９が、吸水性ヤーンとヤーンが５体積％：９５体積
％の割合で、光ケーブル（Ｄ）はヤーン集合体９が、吸
水性ヤーンとヤーンが２体積％：９８体積％の割合で混
在しているものである。

【００２０】このようにして造られた光ケーブル
（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）の防水特性の評価を、
以下のような方法で行った。光ケーブル（Ａ）、
（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）の端部に水頭長１ｍになるよう
に水を注ぎ、ケーブル内に侵入する水の２４時間後の侵
入長さを測定し、防水特性を評価した。結果を表１に示
す。

【００２１】

【表１】

【００２２】表１の結果から、本発明の光ケーブル７に
あっては、ヤーン集合体９は、吸水性ヤーンとヤーンが
５体積％：９５体積％〜３０体積％：７０体積％の割合
で混在していれば良好な防水特性を示すことが判明し
た。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ケーブ
ルは、光ファイバテープ心線がヤーンで包囲され、この
ヤーンの外周が直接シースで被覆され、前記光ファイバ
テープ心線が１本以上の吸水性ヤーンで結束され、この
上にヤーンで包囲されたものであるので、防水特性が向
上し、屋外用途にも用いることができる。

【００２４】また、本発明の光ケーブルは、前記光ファ
イバテープ心線を結束している１本以上の吸水性ヤーン
を包囲するヤーンは、吸水性ヤーンとヤーンが混在する
集合体であるので、このヤーン集合体は防水性および緩
衝作用を発揮することができる。

【００２５】そして、本発明の光ケーブルは、前記吸水
性ヤーンとヤーンの集合体における、吸水性ヤーンとヤ
ーンの混在する割合が、５体積％：９５体積％〜３０体
積％：７０体積％であるものであるから、低コストかつ
容易に防水特性を有する光ケーブルを製造することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ケーブルの一例を示す概略断面図
である。

【図２】本発明の光ケーブル内の光ファイバテープ心
線に吸水性ヤーンが巻き付けられている様子を示す概略
斜視図である。

【図３】従来の光ケーブルの一例を示す概略断面図で
ある。

【符号の説明】

２・・・光ファイバテープ心線、７・・・防水性光ケーブル、
８・・・吸水性ヤーン、９・・・ヤーン集合体、１０・・・シー
ス、１０ａ・・・リップコード埋め込み部分、１１・・・テン
ションメンバ、１２・・・リップコード

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者岡田直樹千葉県佐倉市六崎1440番地株式会社フジクラ佐倉事業所内 (72)発明者渡辺幸一郎千葉県佐倉市六崎1440番地株式会社フジクラ佐倉事業所内 (72)発明者宮本末広千葉県佐倉市六崎1440番地株式会社フジクラ佐倉事業所内 (72)発明者保苅和男東京都千代田区大手町二丁目３番１号日本電信電話株式会社内Ｆターム(参考） 2H001 BB16 BB18 DD06 DD09 DD15 DD18 DD35 KK06 KK17

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光ファイバテープ心線がヤーンで包囲さ
れ、このヤーンの外周が直接シースで被覆され、前記光
ファイバテープ心線が１本以上の吸水性ヤーンで結束さ
れ、この上にヤーンで包囲されたことを特徴とする光ケ
ーブル。
【請求項２】前記光ファイバテープ心線を結束してい
る１本以上の吸水性ヤーンを包囲するヤーンは、吸水性
ヤーンとヤーンが混在する集合体であることを特徴とす
る請求項１記載の光ケーブル。
【請求項３】前記吸水性ヤーンとヤーンの集合体にお
ける、吸水性ヤーンとヤーンの混在する割合が、５体積
％：９５体積％〜３０体積％：７０体積％であることを
特徴とする請求項１または２記載の光ケーブル。