JP2002232386A - アダプティブアレーを用いたofdm受信装置 - Google Patents

アダプティブアレーを用いたofdm受信装置

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JP2002232386A
JP2002232386A JP2001022379A JP2001022379A JP2002232386A JP 2002232386 A JP2002232386 A JP 2002232386A JP 2001022379 A JP2001022379 A JP 2001022379A JP 2001022379 A JP2001022379 A JP 2001022379A JP 2002232386 A JP2002232386 A JP 2002232386A
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adaptive array
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ofdm
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Naohiko Iwakiri
直彦 岩切
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アダプティブアレー信号処理により妨害波の
除去を行い、マルチパスによる劣化を解決したOFDM
受信装置を提供する。 【解決手段】 複数アンテナで受信したパイロット・シ
ンボルを含んだOFDM信号について、FFT後に摘出
された受信パイロット・シンボルから正規の信号点との
ノルムを計算してその結果を基に到来波の到来方向推定
とアダプティブアレーのリファレンス信号をガードイン
ターバル区間だけ生成してMMSEによって最適重み係
数を計算し、OFDMシンボル毎に重み係数を更新する
といったアダプティブアレー信号処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各キャリアがシン
ボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数
が設定されたOFDM(Orthogonal Frequency Divisio
n Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の受信装置
に係り、特に、到来波の遅延時間差が大きなマルチパス
による劣化を解決したOFDM受信装置に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、アダプティブア
レー信号処理により妨害波の除去を行い、マルチパスに
よる劣化を解決したOFDM受信装置に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、携帯電話や車載電話など移動通信
の普及と需要が目覚しく進展している。今や誰もが移動
通信機器を使用し、社会生活上の必需品として認知され
つつある。
【0004】移動伝搬環境で無線伝送を行う場合、フェ
ージングやマルチパスによる伝送品質の劣化が特に問題
となる。
【0005】無線伝送の高速化・高品質化を実現する技
術として「OFDM(Orthogonal Frequency Division
Multiplexing:直交周波数分割多重)方式」が期待され
ている。OFDM方式とは、マルチキャリア(多重搬送
波)伝送方式の一種で、各キャリアがシンボル区間内で
相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されて
いる。情報伝送の一例は、シリアルで送られてきた情報
を情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/
パラレル変換して出力される複数のデータを各キャリア
に割り当ててキャリア毎に変調を行い、その複数キャリ
アについて逆FFTを行うことで周波数軸での各キャリ
アの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換して送信
する。例えば、各キャリアはBPSK(Binary Phase S
hift Keying)変調を行うとして情報伝送速度の256
分の1のシンボル周期でシリアル/パラレル変換すると
キャリア総数は256となり、逆FFTは256キャリ
アについて行うことになる。復調はこの逆の操作、すな
わちFFTを行なって時間軸の信号を周波数軸の信号に
変換して各キャリアについてそれぞれの変調方式に対応
した復調を行い、パラレル/シリアル変換して元のシリ
アル信号で送られた情報を再生するといったことで行な
われる。OFDM伝送方式は、遅延波があっても良好な
伝送特性を有することが実験で確かめられている。
【0006】OFDM方式による伝送は、同じ伝送容量
のシングル・キャリア伝送方式に比べ、1シンボル周期
が長くなるので、到来波の遅延時間差が大きなマルチパ
ス・フェージングや選択性フェージングに対する耐フェ
ージング特性が強いという特徴がある。しかしながら、
複数の到来波で構成されるマルチパスにおいて主波に対
する妨害波の遅延時間がガード・インターバル以上にな
った場合や主波と妨害波の電力比(D/U)が大きい場
合は復調信号の誤り率が劣化し、また、到来波の遅延時
間差が小さなフラット・フェージングに対しても復調信
号の誤り率が劣化するといった問題がある。
【0007】マルチパスによる劣化を解決するには、妨
害波の除去を行うアダプティブ・アレー信号処理が有効
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の技術
的課題に鑑みたものであり、効率的に到来波分布から伝
搬路推定と到来角度の推定を行って最も強い電力を持っ
た到来波に相当するリファレンス信号を推定し、そのリ
ファレンス信号を基にアダプティブアレー信号処理を行
うことができる、優れたOFDM受信装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、複数アンテナで受信したパイロット・シンボルを含
んだOFDM信号について、FFT後に摘出された受信
パイロット・シンボルから正規の信号点とのノルムを計
算する手段と、該計算結果を基に到来波の到来方向推定
とアダプティブアレーのリファレンス信号をガード・イ
ンターバル区間から生成してMMSEによって最適重み
係数を計算し、OFDMシンボル毎に重み係数を更新す
るアダプティブアレー信号処理を行う手段と、を具備す
ることを特徴とするアダプティブアレーを用いたOFD
M受信装置である。
【0010】本発明の第1の側面に係るアダプティブア
レーを用いたOFDM受信装置よれば、到来波分布から
伝搬路と到来角度を効率的に推定して、最も強い電力を
持った到来派に相当するリファレンス信号を推定して、
そのリファレンス信号を基にアダプティブアレー信号処
理を行うことができる。この結果、マルチパスによる劣
化を好適に解決することができる。
【0011】また、本発明の第2の側面は、OFDM
(直交周波数多重分割)信号をアダプティブアレーを用
いて受信するOFDM受信装置であって、受信アンテナ
と、該受信アンテナを介して受信した信号をRF周波数
帯からベースバンド信号にダウンコンバートするRF部
と、該ダウンコンバートされたベースバンド信号をA/
D変換して複素ディジタル信号に変換するディジタル変
換部と、該複素ディジタル信号の重み付けを行う重み計
算部とをそれぞれ含む複数の受信系統と、該重み付けさ
れた複素ディジタル信号の加算を行う加算部と、該加算
後の複素ディジタル信号を所定のウインドウ・タイミン
グに従ってOFDMシンボル1周期分のフーリエ変換を
行なって並列キャリアの受信シンボルを生成するFFT
部と、該複素ディジタル信号についてガード・インター
バル部分の信号を使用して相関計算を行ない、FFTウ
インドウ・タイミング情報と、相関信号のピーク本数、
該ピーク電力などからなる相関検出情報を出力する相関
検出部と、各受信系統に相当する並列キャリアの受信シ
ンボルの復調を行なう復調部と、前記FFT部から入力
する並列キャリアの受信シンボルからパイロット・シン
ボルを摘出し、該パイロット・シンボルを基に到来波の
到来角度を推定して最も強い信号電力を持った到来波に
相当するリファレンス信号を生成するリファレンス信号
生成部と、該リファレンス信号と該複素ディジタル信号
により各受信系統からの受信信号に対するそれぞれの最
適重み係数を計算して、それぞれの重み係数を該当する
受信系統の重み計算部に出力するアダプティブアレー信
号処理部と、を具備することを特徴とするアダプティブ
アレーを用いたOFDM受信装置である。
【0012】本発明に第2の側面に係るアダプティブア
レーを用いたOFDM受信装置では、各重み計算部は、
該当する受信系統において受信された複素ディジタル信
号について、アダプティブアレー信号処理部で計算され
たそれぞれの重み係数によって重み付けを行う。また、
前記加算部は各受信系統からの重み付け後の複素ディジ
タル信号を加算して、該加算結果を合成複素ディジタル
信号として前記相関検出部並びに前記FFT部に出力す
る。また、前記相関検出部は、ガード・インターバル区
間の繰り返しパターンを用いて相関検出を行い、FFT
ウインドウ・タイミング情報並びに相関信号のピーク本
数、該ピーク電力などからなる相関検出情報を生成し
て、FFTウインドウ・タイミング情報を前記FFT部
に出力するとともに、相関検出情報を前記リファレンス
信号生成部に出力する。また、前記FFT部はFFTウ
インドウ・タイミング情報に従ってOFDMシンボル毎
にフーリエ変換を行って並列キャリアの受信シンボルを
生成して前記復調部並びに前記リファレンス信号生成部
に出力する。また、前記復調部は該並列キャリアの受信
シンボル毎に復調を行う。また、前記リファレンス信号
生成部は、該並列キャリアの複数受信シンボルからパイ
ロット・シンボルを摘出し、送信時に挿入されたパイロ
ット・シンボル系列と同じ系列を発生して双方の差分を
基に受信シンボル毎にノルムを計算し、それぞれ積分を
行ったノルム積分値に基づいて到来波の到来角推定を行
い、その推定値と該複素ディジタル信号を基にリファレ
ンス信号を生成して前記アダプティブアレー信号処理部
に出力する。また、前記アダプティブアレー信号処理
は、ガード・インターバル区間毎に該複素ディジタル信
号と該リファレンス信号から重み係数を計算して各受信
系統の重み計算部に出力する。
【0013】したがって、本発明に第2の側面に係るア
ダプティブアレーを用いたOFDM受信装置によれば、
FFT後の並列キャリアの復調シンボルを基にアダプテ
ィブアレー信号処理のリファレンス信号を求めることが
できるので、MMSE型の適応信号処理を行うことがで
きる。
【0014】また、前記リファレンス信号生成部は、前
記相関検出部から入力する相関検出情報と該受信シンボ
ル毎のノルム積分値から、OFDMシンボル単位に到来
波数や到来波電力、電力変動の時間推移などからなる伝
搬路パラメータを求めて、該伝搬路パラメータを基に伝
搬路状況を推定して、伝搬環境がアダプティブアレー信
号処理に適したと判断した場合はアダプティブアレー信
号処理を行い、それ以外の場合はアダプティブアレー信
号処理を停止するなど他の処理を行うようにすること
で、アダプティブアレー信号処理によりマルチパス環境
における妨害波除去効果を期待できる場合のみアダプテ
ィブアレー信号処理を適用することができる。
【0015】また、前記リファレンス信号生成部は、該
複素ディジタル信号をOFDMシンボル分だけ遅延させ
た信号に対して直前のノルム積分値と伝搬路パラメータ
を用いて求められた到来角推定結果を用いて最も強い電
力を持った到来波に相当するリファレンス信号の生成を
行なうようにすることで、常時、最新のノルム積分値を
用いたリファレンス信号を生成することができる。
【0016】また、前記リファレンス信号生成部は、装
備した受信系統の個数分の次元の到来角を要素とした到
来角ベクトルに対応したノルム積分値の複数の閾値を備
え、ノルム積分値から到来角ベクトルが到来波方向と確
定できる閾値を第1閾値とし、以下、到来角ベクトルが
到来方向である可能性が高い確率から必要となる数の閾
値を第n閾値とし(n=2,3…)、到来角ベクトルの
要素を変更してその都度ノルム積分値と閾値の比較を行
い比較結果が第1閾値を満足した場合、到来角ベクトル
は固定しておき、第1閾値を満足しない場合はそのとき
のノルム積分値が満足できる第k閾値を求め(但し、1
<k≦n)、その閾値で設定された到来角サーチ範囲と
到来角サーチ・ステップ数に従って閾値の比較を行い、
ノルム積分値とが第1閾値を満足する到来角ベクトルを
求める到来角サーチ操作を行なうようにすることで、到
来角の高精度化を実現することができる。
【0017】また、前記リファレンス信号生成部は、到
来角ベクトルに関する事前情報がある場合、この事前情
報と到来角ベクトル情報と該伝搬路パラメータを基に到
来角サーチ範囲と到来角サーチ・ステップ数を決定して
到来角サーチを行い、事前情報がない場合は到来角ベク
トル情報と該伝搬路パラメータを基に到来角サーチ範囲
と到来角サーチ・ステップ数を決定して到来角サーチを
行うようにすることで、到来角サーチの高速化を実現す
ることができる。
【0018】また、前記アダプティブアレー信号処理
は、重み係数の計算を該複素ディジタル信号の相関行列
と該リファレンス信号と複素ディジタル信号から相関ベ
クトルをガード・インターバル区間のサンプル毎に計算
して積分を行い、ガード・インターバル区間終了時に、
相関行列から逆行列を求めてこの逆行列と積分された相
関ベクトルの積を取ることにより最適な重み係数を計算
し、この操作をガード・インターバル区間毎に行うこと
によって重み係数の更新を行うことによって、相関行列
と逆行列、相関ベクトル、最適ウェイトの計算負荷を軽
減することができる。
【0019】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳
細な説明によって明らかになるであろう。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係るダイバーシティ・ア
ダプティブアレーを用いたOFDM受信装置の説明を行
なう前に、OFDM信号を送信するOFDM送信装置の
一例の概略構成について、図1を参照しながら説明す
る。
【0021】図1に示すように、OFDM信号送信装置
100は、変調部101と、パイロット・シンボル挿入
部102と、シリアル/パラレル変換部103と、IF
FT部104と、ガード区間挿入部105と、アナログ
変換部106と、RF部107と、送信アンテナ108
と、送信制御部109を備えている。
【0022】変調部101は、送信データを入力する
と、送信制御部109から供給される変調情報とタイミ
ングに従って変調を行なって、変調シンボルをシリアル
に出力する。
【0023】パイロット・シンボル挿入部102は、送
信制御部109から入力するパイロット・シンボル挿入
パターン並びにタイミングに従って、既知のデータ系列
をパイロット・シンボルとして変調シンボル系列に挿入
する。
【0024】シリアル/パラレル変換部103は、送信
制御部109から入力する並列キャリア数並びにタイミ
ングに従って、シリアル・データを並列キャリア数分の
パラレル・データに変換する。
【0025】IFFT部104は、送信制御部109か
ら入力するFFTサイズ並びにタイミングに従って、F
FTサイズ分の逆フーリエ変換を行なう。
【0026】ガード区間挿入部105は、送信制御部1
09から入力するガード・インターバル・サイズ、ガー
ド・バンド・サイズ、並びにタイミングに従って、ガー
ド・インターバル、ガード・バンドといったガード信号
を挿入する。
【0027】ガード信号が挿入されたディジタル送信信
号は、アナログ変換部106で直交変調、並びにA/D
変換され、送信RF部107によってアップコンバート
されて、送信アンテナ108から送信される。
【0028】本発明に係るアダプティブアレーを用いた
OFDM受信装置は、例えば図1を参照しながら説明し
たOFDM送信装置100から送信されたOFDM信号
を受信することができるものである。以下では、本発明
に係るアダプティブアレーを適用したOFDM受信装置
であって、OFDM受信装置の2本の受信アンテナを用
いた場合の装置構成並びにその動作特性について、図面
を参照しながら説明する。
【0029】図2には、本発明の一実施形態に係るアダ
プティブアレーを用いたOFDM受信装置200の概略
的な構成を示している。同図に示すアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200は、2系統の受信アン
テナを備え、それぞれ搬送波周波数の1/2波長だけ離
して設置したULA構成をとっている。したがって、到
来波が平面波とした場合、アンテナ垂直方向から到来角
θ1、θ2を持つ2波の到来波を分離することが可能であ
る。
【0030】図2において、参照番号201並びに20
2は受信アンテナである。各受信アンテナで受信された
信号は、それぞれRF部203、204によってRF周
波数帯からベースバンド信号にダウンコンバートされ
る。
【0031】各ディジタル変換部205、206は、そ
れぞれのRF部203、204によってダウンコンバー
トされたアナログ・ベースバンド信号をA/D変換器と
直交検波器により複素ディジタル信号に変換して出力す
る。バッファ207、208は、それぞれの複素ディジ
タル信号を記憶して適切なタイミングで出力する。
【0032】各重み計算部209、210は、アダプテ
ィブアレー信号処理部216によって設定された重み係
数W1、W2を入力して、これら重み係数と複素ディジタ
ル信号との複素乗算を行う。
【0033】加算部211は、各重み計算部209、2
10から入力する重み付けされた複素ディジタル信号を
加算する。
【0034】FFT部212は、加算部211から入力
する合成された複素ディジタル信号についてフーリエ変
換を行って並列キャリア数分の受信シンボルを出力す
る。
【0035】相関検出部213は、加算部211から入
力する合成された複素ディジタル信号について相関検出
を行って、FFTウインドウ・タイミング情報と相関検
出結果を出力する。
【0036】復調部214は、FFT部212から入力
する並列キャリア数分の受信シンボルについて復調を行
って復調データを出力する。
【0037】リファレンス信号生成部215は、FFT
部212から入力する並列キャリア数分の受信シンボル
からパイロット・シンボルを摘出し、該パイロット・シ
ンボルを基に到来波の到来角度(DOA:Direction Of
Array) を推定してアダプティブアレー信号処理の基
準となるリファレンス信号を生成する。
【0038】アダプティブアレー信号処理部216は、
リファレンス信号生成部215から入力する到来波検出
情報を基に、該リファレンス信号と各バッファ207、
208から入力する複素ディジタル信号により、各受信
アンテナ201、202からの受信信号に対する最適重
み係数を計算して、それぞれの受信系統における最適重
み係数W1、W2として出力する。
【0039】次いで、図2に示したように構成されたア
ダプティブアレーを用いたOFDM受信装置200の動
作特性について説明する。
【0040】各受信アンテナ201及び202で受信さ
れた信号は、各RF部203、204によってそれぞれ
のベースバンド信号に変換され、ディジタル変換部20
5及び206にそれぞれ出力される。
【0041】各ディジタル変換部205、206は、A
/D変換器と直交検波部で各受信アンテナ201、20
2に対応するベースバンド複素ディジタル信号を生成
し、それぞれバッファ207及び208に出力する。各
バッファ207、208に記憶されたベースバンド複素
ディジタル信号は、それぞれの出力タイミングに従って
各重み計算部209、210リファレンス信号生成部2
15、並びにアダプティブアレー信号処理部216に出
力される。
【0042】各重み計算部209、210は、それぞれ
バッファ207及び208から入力する各受信アンテナ
201、202に対応する複素ディジタル信号につい
て、アダプティブアレー信号処理部216によって計算
された各重み係数W1、W2の乗算を行い、さらに加算部
211で重み付けされたベースバンド複素ディジタル信
号の加算を行う。この合成された複素ディジタル信号
は、FFT部212でOFDMシンボル1周期分入力す
る毎にフーリエ変換を行って並列キャリア数分の受信シ
ンボルを生成して、復調部214とリファレンス信号生
成部215に出力される。
【0043】復調部214では、キャリア毎に復調を行
い、復調データを出力する。また、相関検出部213
は、合成された複素ディジタル信号を基に、ガード・イ
ンターバル区間の繰り返しパターンを利用して相関検出
を行い、FFTウインドウ・タイミング情報と相関信号
のピーク本数、該ピーク電力などからなる相関検出情報
を生成する。そして、前者のFFTウィンドウ・タイミ
ング情報をFFT部212に出力するとともに、後者の
相関検出情報をリファレンス信号生成部215に出力す
る。
【0044】リファレンス信号生成部215は、同期が
確立してFFTが正常に動作を始めた後は、FFT部2
12から入力する並列キャリア数分の受信シンボルから
パイロット・シンボルを摘出して、OFDM送信装置
(図1を参照のこと)で挿入されたパイロット・シンボ
ル系列と同じ系列を発生して双方の差分を基にノルムを
計算し、OFDMシンボル1個分のノルムについて積分
を行って、該ノルム計算結果と相関検出部213から送
られてくる相関検出情報から伝搬路がマルチパス環境か
否かといった伝搬路推定を行う。その結果、マルチパス
環境と判断された場合、1OFDMシンボル毎に該積分
値に基づいて、到来波の到来角度(DOA:Direction
Of Array)を推定し、その推定値と各バッファ207、
208から入力する複素ディジタル信号を1OFDMシ
ンボル周期だけ遅らせた信号を基に最も強い電力を持っ
た到来波に相当するリファレンス信号を生成する。
【0045】アダプティブアレー信号処理部216で
は、ガード・インターバル区間毎に各バッファ207、
208から入力する複素ディジタル信号から相関行列R
xxとその逆行列Rxx -1を用いて、リファレンス信号生成
部215から入力するリファレンス信号と複素ディジタ
ル信号から相関ベクトルrcoを計算するとともに、逆行
列Rxx -1と相関行列Rxxの積を取ることにより最適ウエ
イトWoptを計算する。最適ウエイトは重み係数W1、W
2として、各重み計算部209、210に出力され、ガ
ード・インターバル区間毎に更新される。
【0046】アダプティブアレーによる信号処理は、実
際には、アダプティブアレー信号処理部、積分ダンプ
部、並びにリファレンス信号生成部による協働的動作に
よって行われる。図3、図4、並びに図5には、それぞ
れアダプティブアレー信号処理部、積分ダンプ部、リフ
ァレンス信号生成部の概略的な構成を示している。以
下、各図を参照しながら、これら機能ブロックの構成に
ついて説明する。
【0047】図3には、アダプティブアレー信号処理部
216の概略的な構成を示している。同図において、参
照番号301は、各バッファ207、208から入力す
る複素ディジタル信号1〜2から相関行列Rxxを計算す
る相関行列計算部である。
【0048】また、参照番号302は、相関行列Rxx
各要素についてアダプティブアレー信号制御部307
(後述)から送られてくるゲイン、積分回数、積分及び
ダンプ・タイミングに従って積分ダンプを行う積分ダン
プ部である。
【0049】また、参照番号303は、上述の積分ダン
プ部302から送られてくる相関行列Rxxから逆行列R
xx -1を計算する逆行列計算部である。
【0050】また、参照番号304は、各バッファ20
7、208から入力する複素ディジタル信号1〜2と、
アダプティブアレー信号処理部216から入力するリフ
ァレンス信号を基に相関ベクトルrcoを計算する相関ベ
クトル計算部である。
【0051】また、参照番号305は、相関ベクトルr
coの各要素について、アダプティブアレー信号制御部3
07(後述)から送られてくるゲイン、積分回数、積分
及びダンプ・タイミングに従って積分ダンプを行う積分
ダンプ部である。
【0052】また、参照番号306は、各受信アンテナ
201、202で受信した受信信号に対応する最適ウエ
イトWoptを計算する重み決定部である。
【0053】また、参照番号307は、リファレンス信
号生成部215から入力する到来波検出情報を基に各ブ
ロックの係数及び動作タイミングの制御を行うアダプテ
ィブアレー信号処理制御部である。
【0054】図4には、アダプティブアレー信号処理部
216の構成要素である積分ダンプ部302、305の
概略的な構成を示している。
【0055】セレクタ401は、制御信号として送られ
てきたリセット又はダンプ・タイミングの場合は0を選
択し、それ以外の場合はゲイン部402から入力するデ
ータを選択する。
【0056】ゲイン部402は、遅延部403から入力
するデータを制御信号で送られてきたゲイン設定値で増
幅する。
【0057】加算部404は、セレクタ401のセレク
タから送られてくるデータと外部から送られてくる入力
データの加算を行う。遅延部403は、加算部404か
ら入力するデータを記憶する。記憶部405は、制御信
号として送られてきたダンプ・タイミングに従って、加
算部404から送られてくるデータのラッチを行ってダ
ンプ値を出力する。
【0058】図5には、リファレンス信号生成部215
の概略的な構成を示している。同図において、参照番号
501は、OFDM送信装置200(図1を参照のこ
と)内のパイロット・シンボル挿入部102で生成され
るパイロット・シンボル系列と同じ系列ptxを発生する
パイロット信号生成部である。
【0059】また、参照番号502は、上述のパイロッ
ト信号生成部501で発生した送信パイロット・シンボ
ル系列ptxとFFT部212から出力される受信シンボ
ルから摘出した受信パイロット・シンボル系列prxとの
ノルムを計算するノルム計算部である。
【0060】また、参照番号503は、リファレンス信
号生成制御部509から送られてくるゲイン、積分回
数、積分およびダンプタイミングに従って積分ダンプを
行う積分ダンプ部である。
【0061】また、参照番号504は、積分ダンプ部5
03から入力するノルムの積分結果とリファレンス信号
生成制御部509(後述)から送られてくる到来波方向
判定閾値との比較を行う比較部である。
【0062】また、参照番号505は、比較部504に
おける比較結果を基に到来波方向DOA[θ1,θ2]の
値を設定する到来方向設定部である。
【0063】また、参照番号506は、各バッファ20
7、208から入力する複素ディジタル信号1〜2を記
憶して、リファレンス信号生成制御部509から送られ
てくるタイミングに従って出力する遅延部である。
【0064】また、参照番号507は、到来方向設定部
505から入力する到来波方向DOA[θ1,θ2]と遅
延部506から送られてくる複素ディジタル信号1〜2
からリファレンス信号を生成するリファレンス信号計算
部である。
【0065】また、参照番号508は、各ブロックの係
数及び動作タイミングの制御、並びに、相関検出部21
3から入力する相関検出情報とノルム計算値からマルチ
パス環境か否かといった伝搬路情報、あるいは到来方向
推定の有無や推定精度といった到来波検出情報を出力す
るリファレンス信号生成制御部である。
【0066】このように構成されたアダプティブアレー
信号処理部216とリファレンス信号生成部215の動
作について、図6に示したアダプティブアレーによる信
号処理タイミングを例にとって説明する。
【0067】本実施形態におけるOFDM信号の構成
は、図6 [a−1]の複素ディジタル信号に示すよう
に、OFDMシンボルDnとOFDMシンボル後半部分
のサンプルをガード間隔分だけコピーしたガード・イン
ターバルGnで構成され、それぞれGn、Dnの順に伝送
されるものとする。ここで、n=1,2,…,Nであ
る。また、これらのタイミング例では、送受信間のクロ
ック誤差、周波数オフセットは無いものとする。
【0068】複素ディジタル信号 [a−1]を受信した
場合、[a−2]のような1OFDMシンボル遅延信号
を、遅延器を用いて生成する。そして、[a−1]と[a
−2]の相関を取った場合、Tc(n)〜Td(n)の区
間では両者は同じパターンとなることから、相関検出を
行うことができる。相関検出部213では、この区間を
相関検出実行区間として相関検出を行い、FFTウイン
ドウ・タイミング情報と相関信号のピーク本数、該ピー
ク電力といった相関検出情報を求めている。
【0069】ノルムの積分[a−3]は区間Td(n−
1)〜Td(n)で行われ、時刻Td(n)で積分値がダ
ンプされる。図6に示す例では毎回ノルムの計算を行っ
ているが、ノルムの計算は、相関検出部213からの情
報に従って初期同期獲得後あるいはマルチパス検出、到
来波の到来角の変動といった状況が観測された場合に行
われることから、常時ノルムの計算を行う必要はない。
【0070】2波のマルチパスを想定し、それぞれの到
来角度をθ1並びにθ2としたとき、ダンプされる積分値
n_sum[θ1,θ2]は次式で与えられる。
【0071】
【数1】
【0072】ここで、imaxは1OFDMシンボル内の
パイロット・シンボル総数であり、ptx(i)は送信パ
イロット・シンボル系列であり、prx(i)は受信パイ
ロット・シンボル系列である。ノルムは、図7に示すよ
うに、送信パイロット・シンボルと受信パイロット・シ
ンボルとの距離に相当する。
【0073】ノルムの積分結果n_sum[θ1,θ2]がダ
ンプされると、あらかじめ設定された閾値との比較、あ
るいは最急降下法といった収束アルゴリズムを用いて到
来波の到来角推定を行う。その結果、到来角推定の判定
条件を満たした場合は、該当する到来角θ1,θ2を推定
結果として更新する。
【0074】図6のリファレンス信号の更新[a−4]で
は、各時刻でダンプされたn_sum[θ1,θ2]である各
ノルム1〜4についてそれぞれ到来角推定を行ってお
り、そのうちノルム1とノルム3について到来角推定の
判定条件を満たしたことを示している。この場合、該当
する到来角はDOA1とDOA3に更新されている。
【0075】一方、ノルム2については、到来角推定の
判定条件を満たさなかったことから前回設定された到来
角DOA1を用いることを示している。
【0076】到来角が更新された場合、更新された次の
タイミングの相関検出実行区間からその値が使用され
る。図6の[a−4]においては更新されたDOA1とD
OA3はそれぞれ時刻Tc(2)及びTc(4)から使用
される。
【0077】リファレンス信号は、設定された到来角D
OAと図6の[a−2]で示した1OFDMシンボル遅延
信号のガード・インターバル区間について生成される。
すなわち図6に示す例では、区間Tc(n)〜Td(n)
のGn’について行われる。
【0078】また、リファレンス信号は以下のように求
めることができる。すなわち、到来波ベクトルをs=
[s1,s2]とし、1OFDMシンボル遅延した複素デ
ィジタル信号で構成される信号ベクトルをx(t−Ts
=[x1,x2]とし、到来波の到来角θ1並びにθ2で表
されるステアリング行列をAとして、雑音の影響はない
ものと仮定すると、以下に示す関係が成立する。
【0079】
【数2】
【0080】また、到来角θ1が基準と仮定すると、リ
ファレンス信号はrref=s1となり、s1は次式で与え
られる。
【0081】
【数3】
【0082】このように各到来角θ1、θ2が決定される
と、1OFDMシンボル遅延信号を用いてリファレンス
信号rrefを計算することができる。
【0083】アダプティブアレー信号処理部216は、
相関検出実行区間毎に入力するリファレンス信号を用い
て行われる。ここでは、受信信号に対する最適ウエイト
op tを計算して重み係数W1とW2の更新を行う。例え
ば、図6でTd(2)で決定された到来角DOA1に対
応するリファレンス信号rrefを用いたアダプティブア
レー信号処理は、[a−5]のC2区間で行われる。
【0084】最適ウエイトWoptは、複素ディジタル信
号で構成される信号ベクトルxから求まる相関行列Rxx=
E[x(t)xH(t)]の逆行列Rxx -1と相関ベクト
ルrco=E[x(t)rref*(t)]について、それぞ
れ相関検出実行区間にわたって積分し、1区間分の積分
を行った後、すなわちTd(n)のタイミングで次式に
従って計算される。
【0085】
【数4】
【0086】最適ウエイトWoptは、アダプティブアレ
ー信号処理が実行されている間は相関検出実行区間Tc
(n)〜 Td(n)毎に重み係数の計算が行われ、時刻
d(n)で更新され、それ以降の重み係数として用い
られ複素ディジタル信号に対する重み計算が行われる。
このようにして一度更新された最適ウエイトは、次に値
が更新されるまで保持される。
【0087】次いで、リファレンス信号を生成する処理
手順について、図8に示したフローチャートを参照しな
がら説明する。ここでは、到来波の到来角推定を閾値検
出により行う方法の一例を示している。同図において閾
値としてDOA_th1とDOA_th2の2種類を用いており、それ
ぞれ収束点に近いと考えられる値、収束点と考えられる
値を設定する。このことにより、到来角推定は通常、−
π/2≦θ1≦π/2、−π/2≦θ2≦π/2のサーチ
範囲で行わなければならないが、閾値DOA_th1とDOA_th2
を用いて到来角推定のサーチ範囲を絞ることにより推定
時間を高速化を図っている。
【0088】まず、ステップS1では、到来角DOA
[θ1,θ2]の設定角度を−π/2≦[θ1(x)≦,
θ2(y)]≦π/2とし、あらかじめ決められた初期
値があればその値を設定し、なければ初期値としてθ1
=θ1_int=−π/2,θ2=θ2_i nt=π/2を設定す
るとともに、ステップ数θ1_s=π/90,θ2_s=−π
/90を設定する。但し、ノルム積算最小値n_sum
[θ1,θ2minの初期化を設定可能な最大値にすると
ともに、ノルム積算値n_sum[θ1,θ2]の初期化を0
にする。
【0089】次いで、ステップS2では、OFDMシン
ボル1周期についてFFTを行って受信シンボルを計算
し、受信シンボルからパイロット信号prx(i)を摘出
する。
【0090】次いで、ステップS3では、上記の[数
1]で示した式を用いてノルム積分値n_sum[θ1,θ2]
を計算して、ステップS4において、ノルム積分値n_su
m[θ1,θ2]とその最小値n_sum[θ1,θ2minとを大
小比較する。
【0091】ノルム積分値n_sum[θ1,θ2]の方が小さ
いときには、後続のステップS5に進んで、ノルム積分
最小値n_sum[θ1,θ2minにノルム積分値n_sum
1,θ2]を代入する。
【0092】次いで、ステップS6では、到来角θ1
θ1+θ1_sに更新する。そして、すべてのθ1について
設定が終了していない場合には(ステップS7)、ステ
ップS3に復帰して上述した処理を繰り返し実行する。
【0093】また、ステップS8において、到来角θ2
をθ2+θ2_sに更新するとともに、到来角θ1をθ1_int
に初期化する。
【0094】そして、すべてのθ2について設定が終了
していない場合には(ステップS9)、ステップA14
において到来角θ2をθ2_intに初期化した後に、ステッ
プS3に復帰して上述した処理を繰り返し実行する。
【0095】次いで、ステップS10では、ノルム積分
値n_sum[θ1,θ2]が収束したか否かを判定する。
【0096】ノルム積分値n_sum[θ1,θ2]が収束し
たと判定された場合には、ステップS11に進んで、判
定したノルム積分値n_sum[θ1,θ2]のθ1とθ2をリ
ファレンス信号の到来角DOA[θ1,θ2]として、ア
ダプティブアレー信号処理を実行する。収束の判定は、
ステップS18を少なくとも1回実行して、ノルム積分
値がDOA_th1よりも大きいものが存在する場合に限り、
この条件を満たす[θ1,θ2]の中で最も高いノルム積
分値の組をリファレンス信号の到来角DOA[θ1
θ2]とする。
【0097】また、ノルム積分値n_sum[θ1,θ2]が
収束したと判定できない場合には、DOA[θ1,θ2
推定を終了するか否かを判別する(ステップS12)。
該判別結果が否定的であれば、ステップS2に復帰し
て、上述と同様の処理を繰り返し実行する。また、該判
別結果が肯定的であれば、ステップS13に進み、DO
A[θ1,θ2]の推定が不能であるとして、アダプティ
ブアレー信号処理を停止する。
【0098】他方、ステップS4において、ノルム積分
値n_sum[θ1,θ2]の方が大きいときには、ステップ
S15においてノルム積分値n_sum[θ1,θ2]と閾値D
OA_th1とを大小比較する。ノルム積分値n_sum[θ1,θ
2]の方が閾値DOA_th1以下である場合には、ステップS
6にジャンプして、上述と同様の処理を実行する。
【0099】これに対し、ノルム積分値n_sum[θ1,θ
2]が閾値DOA_th1よりも大きい場合には、さらに、ノル
ム積分値n_sum[θ1,θ2]を他の閾値DOA_th2と大小比
較する(ステップS16)。
【0100】ノルム積分値n_sum[θ1,θ2]の方が閾
値DOA_th2よりも大きい場合には、ステップS18に進
んで、到来角DOA[θ1,θ2]の設定角度をMIN
1) −a≦θ1≦MIN (θ1)+a、及び、MIN (θ2) −
a≦θ2≦MIN (θ2)+aとし、初期値としてθ1_int
MIN (θ1) −a ,θ2_int =MIN (θ2) を設定し、ス
テップ数θ1_s=θt1 ,θ2_s=θt2を設定する。そし
て、これらの設定を終えた後、ステップS14に進んで
上述と同様の処理を実行する。ここで、aは、閾値DOA_
th2より大きく、DOA_th1より小さいノルム積分値を持つ
塘路威嚇を中心にした検索範囲を示す。ここでは、±3
゜と仮定するので、a=3を設定する。
【0101】これに対し、ノルム積分値n_sum[θ1,θ
2]が閾値DOA_th2よりも大きい場合には、到来角推定が
終了したと仮定して判断し、ステップS17に進んで、
推定したノルム積分値n_sum[θ1,θ2]のθ1とθ2
リファレンス信号のDOA[θ1,θ2]として、アダプ
ティブアレー信号処理を実行する。
【0102】本明細書では、受信アンテナ2本を使用し
た実施形態を例にとって説明してきたが、さらに、3本
以上の受信アンテナを用いた場合であっても、2本の受
信アンテナによる受信系を受信アンテナ個分に拡張して
本発明に係るOFDM受信装置を実装することが可能で
ある。すなわち、図2の受信アンテナ、RF部、ディジ
タル変換部、バッファ、重み計算部を受信アンテナに相
当する数だけ備え、リファレンス信号生成部とアダプテ
ィブアレー処理部では受信アンテナ数分の最適ウエイト
設定に必要な計算を行えるようにすれば可能である。ア
ンテナ数を増やすことで、最適ウエイト計算の処理量は
増大するが、到来波方向推定可能な到来波数が増加する
ことから分解能の向上を図ることができる。
【0103】[追補]以上、特定の実施例を参照しなが
ら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や
代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示とい
う形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈
されるべきではない。本発明の要旨を判断するために
は、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきで
ある。
【0104】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
効率的に到来波分布から伝搬路推定と到来角度の推定を
行って最も強い電力を持った到来波に相当するリファレ
ンス信号を推定し、そのリファレンス信号を基にアダプ
ティブアレー信号処理を行うことができる、優れたOF
DM受信装置を提供することができる。
【0105】本発明に係るアダプティブアレーを用いた
OFDM受信装置によれば、アダプティブアレー信号処
理によりマルチパス環境における妨害波除去効果を期待
することができる場合のみアダプティブアレー信号処理
を行うことができる。
【0106】また、本発明に係るアダプティブアレーを
用いたOFDM受信装置によれば、FFT後の並列キャ
リアの復調シンボルを基にアダプティブアレー信号処理
のリファレンス信号を求めることができ、MMSE型の
適応信号処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】OFDM送信装置100の概略的な構成図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態に係るアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200の概略的な構成を示し
た図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200の構成要素であるアダ
プティブアレー信号処理部216の概略的な構成を示し
た図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200の構成要素である積分
ダンプ部の概略的な構成を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200の構成要素であるリフ
ァレンス信号生成部215の概略的な構成を示した図で
ある。
【図6】本発明の一実施形態に係るアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200におけるアダプティブ
アレー信号処理時の動作タイミングを例示した図であ
る。
【図7】本発明の一実施形態に係るアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200におけるノルムのイメ
ージを示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るアダプティブアレー
を用いたOFDM受信装置200におけるリファレンス
信号生成の様子を例示した図である。
【符号の説明】
100…OFDM信号送信装置 101…変調部,102…パイロット・シンボル挿入部 103…シリアル/パラレル変換部,104…IFFT
部 105…ガード区間挿入部,106…アナログ変換部 107…RF部,108…送信アンテナ 109…送信制御部 201,202…受信アンテナ 203,204…RF部 205,206…ディジタル変換部 207,208…バッファ 209,210…重み計算部 211…加算部、212…FFT部 213…相関検出部、214…復調部 215…リファレンス信号生成部 216…アダプティブアレー信号処理部 301…相関行列計算部、302…積分ダンプ部 303…逆行列計算部、304…相関ベクトル計算部 305…積分ダンプ部、306…重み決定部 307…アダプティブアレー信号処理制御部 401…セレクタ、402…ゲイン部 403…遅延部、404…計算部 405…記憶部 501…パイロット信号生成部、502…ノルム計算部 503…積分ダンプ部、504…比較部 505…DOA設定部、506…遅延部 507…リファレンス信号計算部 508…リファレンス信号生成制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数アンテナで受信したパイロット・シン
    ボルを含んだOFDM信号について、FFT後に摘出さ
    れた受信パイロット・シンボルから正規の信号点とのノ
    ルムを計算する手段と、 該計算結果を基に到来波の到来方向推定とアダプティブ
    アレーのリファレンス信号をガード・インターバル区間
    から生成してMMSEによって最適重み係数を計算し、
    OFDMシンボル毎に重み係数を更新するアダプティブ
    アレー信号処理を行う手段と、を具備することを特徴と
    するアダプティブアレーを用いたOFDM受信装置。
  2. 【請求項2】OFDM(直交周波数多重分割)信号をア
    ダプティブアレーを用いて受信するOFDM受信装置で
    あって、 受信アンテナと、該受信アンテナを介して受信した信号
    をRF周波数帯からベースバンド信号にダウンコンバー
    トするRF部と、該ダウンコンバートされたベースバン
    ド信号をA/D変換して複素ディジタル信号に変換する
    ディジタル変換部と、該複素ディジタル信号の重み付け
    を行う重み計算部とをそれぞれ含む複数の受信系統と、 該重み付けされた複素ディジタル信号の加算を行う加算
    部と、 該加算後の複素ディジタル信号を所定のウインドウ・タ
    イミングに従ってOFDMシンボル1周期分のフーリエ
    変換を行なって並列キャリアの受信シンボルを生成する
    FFT部と、 該複素ディジタル信号についてガード・インターバル部
    分の信号を使用して相関計算を行ない、FFTウインド
    ウ・タイミング情報と、相関信号のピーク本数、該ピー
    ク電力などからなる相関検出情報を出力する相関検出部
    と、 各受信系統に相当する並列キャリアの受信シンボルの復
    調を行なう復調部と、 前記FFT部から入力する並列キャリアの受信シンボル
    からパイロット・シンボルを摘出し、該パイロット・シ
    ンボルを基に到来波の到来角度を推定して最も強い信号
    電力を持った到来波に相当するリファレンス信号を生成
    するリファレンス信号生成部と、 該リファレンス信号と該複素ディジタル信号により各受
    信系統からの受信信号に対するそれぞれの最適重み係数
    を計算して、それぞれの重み係数を該当する受信系統の
    重み計算部に出力するアダプティブアレー信号処理部
    と、を具備することを特徴とするアダプティブアレーを
    用いたOFDM受信装置。
  3. 【請求項3】各重み計算部は、該当する受信系統におい
    て受信された複素ディジタル信号について、アダプティ
    ブアレー信号処理部で計算されたそれぞれの重み係数に
    よって重み付けを行い、 前記加算部は各受信系統からの重み付け後の複素ディジ
    タル信号を加算して、該加算結果を合成複素ディジタル
    信号として前記相関検出部並びに前記FFT部に出力
    し、 前記相関検出部は、ガード・インターバル区間の繰り返
    しパターンを用いて相関検出を行い、FFTウインドウ
    ・タイミング情報並びに相関信号のピーク本数、該ピー
    ク電力などからなる相関検出情報を生成して、FFTウ
    インドウ・タイミング情報を前記FFT部に出力すると
    ともに、相関検出情報を前記リファレンス信号生成部に
    出力し、 前記FFT部はFFTウインドウ・タイミング情報に従
    ってOFDMシンボル毎にフーリエ変換を行って並列キ
    ャリアの受信シンボルを生成して前記復調部並びに前記
    リファレンス信号生成部に出力し、 前記復調部は該並列キャリアの受信シンボル毎に復調を
    行い、 前記リファレンス信号生成部は、該並列キャリアの複数
    受信シンボルからパイロット・シンボルを摘出し、送信
    時に挿入されたパイロット・シンボル系列と同じ系列を
    発生して双方の差分を基に受信シンボル毎にノルムを計
    算し、それぞれ積分を行ったノルム積分値に基づいて到
    来波の到来角推定を行い、その推定値と該複素ディジタ
    ル信号を基にリファレンス信号を生成して前記アダプテ
    ィブアレー信号処理部に出力し、 前記アダプティブアレー信号処理は、ガード・インター
    バル区間毎に該複素ディジタル信号と該リファレンス信
    号から重み係数を計算して各受信系統の重み計算部に出
    力する、ことを特徴とする請求項2に記載のアダプティ
    ブアレーを用いたOFDM受信装置。
  4. 【請求項4】前記リファレンス信号生成部は、前記相関
    検出部から入力する相関検出情報と該受信シンボル毎の
    ノルム積分値から、OFDMシンボル単位で到来波数や
    到来波電力、電力変動の時間推移などからなる伝搬路パ
    ラメータを求めて、該伝搬路パラメータを基に伝搬路状
    況を推定して、伝搬環境がアダプティブアレー信号処理
    に適したと判断した場合はアダプティブアレー信号処理
    を行い、それ以外の場合はアダプティブアレー信号処理
    を停止する、ことを特徴とする請求項2に記載のアダプ
    ティブアレーを用いたOFDM受信装置。
  5. 【請求項5】前記リファレンス信号生成部は、該複素デ
    ィジタル信号をOFDMシンボル分だけ遅延させた信号
    に対して直前のノルム積分値と伝搬路パラメータを用い
    て求められた到来角推定結果を用いて最も強い電力を持
    った到来波に相当するリファレンス信号の生成を行な
    う、ことを特徴とする請求項2に記載のアダプティブア
    レーを用いたOFDM受信装置。
  6. 【請求項6】前記リファレンス信号生成部は、装備した
    受信系統の個数分の次元の到来角を要素とした到来角ベ
    クトルに対応したノルム積分値の複数の閾値を備え、ノ
    ルム積分値から到来角ベクトルが到来波方向と確定でき
    る閾値を第1閾値とし、以下、到来角ベクトルが到来方
    向である可能性が高い確率から必要となる数の閾値を第
    n閾値とし(n=2,3…)、到来角ベクトルの要素を
    変更してその都度ノルム積分値と閾値の比較を行い比較
    結果が第1閾値を満足した場合、到来角ベクトルは固定
    しておき、第1閾値を満足しない場合はそのときのノル
    ム積分値が満足できる第k閾値を求め(但し、1<k≦
    n)、その閾値で設定された到来角サーチ範囲と到来角
    サーチ・ステップ数に従って閾値の比較を行い、ノルム
    積分値とが第1閾値を満足する到来角ベクトルを求める
    到来角サーチ操作を行なう、ことを特徴とする請求項2
    に記載のアダプティブアレーを用いたOFDM受信装
    置。
  7. 【請求項7】前記リファレンス信号生成部は、到来角ベ
    クトルに関する事前情報がある場合、この事前情報と到
    来角ベクトル情報と該伝搬路パラメータを基に到来角サ
    ーチ範囲と到来角サーチ・ステップ数を決定して到来角
    サーチを行い、事前情報がない場合は到来角ベクトル情
    報と該伝搬路パラメータを基に到来角サーチ範囲と到来
    角サーチ・ステップ数を決定して到来角サーチを行う、
    ことを特徴とする請求項2に記載のアダプティブアレー
    を用いたOFDM受信装置。
  8. 【請求項8】前記アダプティブアレー信号処理は、重み
    係数の計算を該複素ディジタル信号の相関行列と該リフ
    ァレンス信号と複素ディジタル信号から相関ベクトルを
    ガード・インターバル区間のサンプル毎に計算して積分
    を行い、ガード・インターバル区間終了時に、相関行列
    から逆行列を求めてこの逆行列と積分された相関ベクト
    ルの積を取ることにより最適な重み係数を計算し、この
    操作をガード・インターバル区間毎に行うことによって
    重み係数の更新を行う、ことを特徴とする請求項2に記
    載のアダプティブアレーを用いたOFDM受信装置。
JP2001022379A 2001-01-30 2001-01-30 アダプティブアレーを用いたofdm受信装置 Pending JP2002232386A (ja)

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