JP7289600B2 - 無線受信装置 - Google Patents
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Description
本発明は、複数のブランチに到来した受信波をスペースダイバーシチ方式に基づいて受信する無線受信装置に関する。
マイクロ波無線通信システムのマイクロ波無線受信に関して、電波伝搬で発生するフェージング条件下においても良好な受信信号を得るための工夫として、複数のアンテナを用いたスペースダイバーシチ方式が知られている。スペースダイバーシチ効果を利用する無線通信技術として、例えば、複数のアンテナが設置された第1の固定局と単一のアンテナが設置された第2の固定局との間でマイクロ波による無線通信を行う無線通信システムの第1の固定局に用いられるマイクロ波無線送受信装置において、複数のアンテナそれぞれに対応して設けられ、対応するアンテナに到来したマイクロ波信号について受信処理を行う受信処理手段と、送信対象のデータから無線周波数の信号を生成する送信処理手段と、送信処理手段によって得られた無線周波数の信号を、複数のアンテナのいずれか一方を指定する切り替え制御信号に応じて指定されたアンテナに伝送し、アンテナによる無線送信に供する切り替えスイッチと、複数の受信処理手段によってそれぞれ得られる受信信号の選択に同期して、選択された受信信号に対応するアンテナを指定する切り替え制御信号を生成し、切り替えスイッチに入力する切り替え制御手段とを備える、ものが知られている(特許文献1)。
ところで、スペースダイバーシチ方式において複数のアンテナで受信される無線信号を利用する場合には、アンテナと受信機との間の配線長の差やフェージング環境下での電波伝搬長の差に基づいて遅延が発生する。このため、ダイバーシチ合成を良好に行うためには、複数のアンテナの各々に対応する複数のブランチの間における遅延を調整する必要がある。従来のダイバーシチ合成では、各ブランチの信号の相関をとって、相関電力が最大となるように遅延が調整される。しかしながら、各ブランチで、異なる反射波、すなわち電波伝搬経路が異なって電波伝搬長が異なる反射波を受信すると、相関がとれずに電力ピークを検出することが困難である、という問題や、相関の電力ピークの位置がずれて調整誤差が発生する、という問題がある。
そこで本発明は、ダイバーシチ合成におけるアンテナブランチ間の遅延調整を高精度に行うことが可能な無線受信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のアンテナの各々に対応する複数のブランチ毎に設けられて、前記アンテナによって受信される無線信号に基づいて得られるベースバンド信号に対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号を出力するA/D変換器と、前記複数のブランチ毎に設けられて、前記受信信号に対してタップ係数に基づいてウェイトの乗算処理を施してタップ出力信号を出力するとともに前記受信信号の受信信号ベクトルを出力するタップ処理部と、前記複数のブランチそれぞれの前記タップ出力信号および前記受信信号ベクトルに基づいて前記タップ係数を出力する適応処理部と、前記複数のブランチそれぞれの前記タップ出力信号についての遅延プロファイルを出力する相関計算部と、前記遅延プロファイルに基づいて遅延時間を出力する遅延時間検出部と、前記複数のブランチそれぞれの前記受信信号をダイバーシチ合成して合成受信信号を出力するダイバーシチ合成部と、前記合成受信信号に対して復調処理を施す復調部と、を有し、前記遅延時間に基づいて前記受信信号を遅延させた上で前記ダイバーシチ合成部でダイバーシチ合成して前記合成受信信号を得て該合成受信信号を前記復調部で復調する、ことを特徴とする無線受信装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線受信装置において、前記アンテナによって受信される前記無線信号の変調方式が四位相偏移変調である、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の無線受信装置において、前記ブランチの数が2つである、ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、各ブランチの信号の相関を計算する前に波形等化するようにしているので、フェージングの影響が軽減され、各ブランチにおける反射波の影響を軽減した状態で遅延調整を行って高精度なダイバーシチ合成を行うことが可能となり、延いてはダイバーシチ合成の効果を十分に引き出すことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、四位相偏移変調方式が用いられて行われる無線通信において上記の効果を奏することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、ブランチの数が2つであるダイバーシチ合成において上記の効果を奏することが可能となる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。なお、以下では、この発明の特徴的な構成について説明し、スペースダイバーシチ方式で通信を行う際の従来と同様の仕組みについては説明を省略する。
図1は、この発明の実施の形態に係る無線受信装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。この無線受信装置1は、単一のアンテナが設置された送信側の固定局と複数のアンテナが設置された受信側の固定局との間で無線通信(特に、マイクロ波無線通信)を行うために、受信側の固定局に設けられる機序である。
この実施の形態に係る無線受信装置1は、2つのアンテナ11A,11Bの各々に対応する2つのブランチ(ここでは、第1ブランチおよび第2ブランチ)毎に設けられて、アンテナ11A,11Bによって受信される無線信号に基づいて得られるベースバンド信号(I,Q)に対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号(I_1,Q_1 および I_2,Q_2)を出力するA/D変換器13A,13Bと、2つのブランチ毎に設けられて、受信信号(I_1,Q_1 および I_2,Q_2)に対してタップ係数(W_1 および W_2)に基づいてウェイトの乗算処理を施してタップ出力信号(Ti_1,Tq_1 および Ti_2,Tq_2)を出力するとともに受信信号の受信信号ベクトル(V_1 および V_2)を出力するタップ処理部14A,14Bと、2つのブランチそれぞれのタップ出力信号(Ti_1,Tq_1 および Ti_2,Tq_2)および受信信号ベクトル(V_1 および V_2)に基づいてタップ係数(W_1 および W_2)を出力する適応処理部15と、2つのブランチそれぞれのタップ出力信号についての遅延プロファイルを出力する相関計算部16と、遅延プロファイルに基づいて遅延時間Tを出力する遅延時間検出部17と、2つのブランチそれぞれの受信信号(I_1,Q_1 および I_2,Q_2)をダイバーシチ合成して合成受信信号(Ic,Qc)を出力するダイバーシチ合成部20と、合成受信信号(Ic,Qc)に対して復調処理を施す復調部21と、を有し、遅延時間Tに基づいて受信信号(I_2,Q_2)を遅延させた上でダイバーシチ合成部20でダイバーシチ合成して合成受信信号(Ic,Qc)を得て該合成受信信号(Ic,Qc)を復調部21で復調する、ようにしている。
この実施の形態に係る無線受信装置1は、スペースダイバーシチにおけるブランチとして、2つのアンテナの各々に対応する2つのブランチを有し、各ブランチに対応して混合器、A/D変換器、およびタップ処理部がそれぞれ2個ずつ備えられる。
アンテナ11A,11Bは、送信側の固定局のアンテナ(図示していない)から送信される無線信号を受信し、受信した無線信号に応じた受信波信号を出力する。
混合器12A,12Bは、アンテナ11A,11Bから出力される受信波信号の入力を受け、受信波信号に対して直交復調処理を施して同相成分のベースバンド信号Iおよび直交成分のベースバンド信号Qを出力する。この実施の形態では、変調方式として、四位相偏移変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying の略)が用いられる。
第1ブランチのA/D変換器13Aは、混合器12Aから出力される同相成分のベースバンド信号Iに対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号(同相成分I_1)を出力するとともに、直交成分のベースバンド信号Qに対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号(直交成分Q_1)を出力する。
第2ブランチのA/D変換器13Bは、混合器12Bから出力される同相成分のベースバンド信号Iに対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号(同相成分I_2)を出力するとともに、直交成分のベースバンド信号Qに対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号(直交成分Q_2)を出力する。
第1ブランチのタップ処理部14Aは、A/D変換器13Aから出力される受信信号に対して、適応処理部15から出力される第1ブランチ側の信号に対応する重み付け係数(タップ係数やウェイトベクトルなどとも呼ばれる)に基づいてウェイトの乗算処理を施して、同相成分の信号および直交成分の信号を出力する。第1ブランチのタップ処理部14Aは、具体的には、A/D変換器13Aから出力される受信信号(同相成分I_1、直交成分Q_1)に、適応処理部15から出力される重み付け係数W_1を乗算して、タップ出力信号(同相成分Ti_1、直交成分Tq_1)を生成する。
そして、第1ブランチのタップ処理部14Aは、生成したタップ出力信号(同相成分Ti_1、直交成分Tq_1)を適応処理部15および相関計算部16に対して出力する。第1ブランチのタップ処理部14Aは、また、A/D変換器13Aから出力される受信信号(同相成分I_1、直交成分Q_1)を第1ブランチの受信信号ベクトルV_1として適応処理部15に対して供給する。
第2ブランチのタップ処理部14Bは、A/D変換器13Bから出力される受信信号に対して、適応処理部15から出力される第2ブランチ側の信号に対応する重み付け係数(タップ係数やウェイトベクトルなどとも呼ばれる)に基づいてウェイトの乗算処理を施して、同相成分の信号および直交成分の信号を出力する。第2ブランチのタップ処理部14Bは、具体的には、A/D変換器13Bから出力される受信信号(同相成分I_2、直交成分Q_2)に、適応処理部15から出力される重み付け係数W_2を乗算して、タップ出力信号(同相成分Ti_2、直交成分Tq_2)を生成する。
そして、第2ブランチのタップ処理部14Bは、生成したタップ出力信号(同相成分Ti_2、直交成分Tq_2)を適応処理部15に対して出力するとともに相関計算部16へと向けて出力する。第2ブランチのタップ処理部14Bは、また、A/D変換器13Bから出力される受信信号(同相成分I_2、直交成分Q_2)を第2ブランチの受信信号ベクトルV_2として適応処理部15に対して供給する。
適応処理部15は、適応等化処理を行ってタップ更新を実行する。適応処理部15は、具体的には、第1ブランチのタップ処理部14Aから出力される第1ブランチの受信信号ベクトルV_1およびタップ出力信号(同相成分Ti_1、直交成分Tq_1)、ならびに、第2ブランチのタップ処理部14Bから出力される第2ブランチの受信信号ベクトルV_2およびタップ出力信号(同相成分Ti_2、直交成分Tq_2)を用いて、第1ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_1および第2ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_2を計算する。
そして、適応処理部15は、計算した第1ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_1を第1ブランチのタップ処理部14Aに対して出力し、計算した第2ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_2を第2ブランチのタップ処理部14Bに対して出力する。
相関計算部16は、第1ブランチ側の系統の信号と第2ブランチ側の系統の信号とについての遅延プロファイルを計算して出力する。遅延プロファイルは、受信信号の電力レベルと相対遅延時間とを複数プロットすることによって遅延特性を表すものとして算出され、横軸は信号到着時刻に関する信号間の相対遅延時間(単位は、例えばμs)として、また、縦軸は受信電力(単位は、例えばdBm)として表現される。
遅延時間検出部17は、相関計算部16から出力される遅延プロファイルに基づいて、第1ブランチ側の系統の信号に対する第2ブランチ側の系統の信号の遅延時間Tを求める(尚、Tが正の値の場合は第1ブランチ側の系統の信号が先行波であるとともに第2ブランチ側の系統の信号が遅延波であり、Tが負の値の場合は第1ブランチ側の系統の信号が遅延波であるとともに第2ブランチ側の系統の信号が先行波である)。そして、遅延時間検出部17は、求めた遅延時間Tを遅延適用部18に対して出力するとともに遅延調整部19に対して出力する。
ここで、相関計算部16および遅延時間検出部17の具体的な構成や遅延時間の求め方は、第1ブランチ側の系統の信号に対する第2ブランチ側の系統の信号の遅延時間Tが求められれば、特定の構成や仕法には限定されない。例えば、相関計算部16において、第1ブランチ側の系統の信号や第2ブランチ側の系統の信号における既知の信号部分を利用して、有限インパルス応答フィルタ(FIR:Finite Impulse Response の略)を用いてスライディング相関処理を行って遅延プロファイルを計算し、遅延時間検出部17において、前記遅延プロファイルのピークから遅延時間を算出する方法が挙げられる。
遅延適用部18は、第2ブランチのタップ処理部14Bから出力されるタップ出力信号(同相成分Ti_2、直交成分Tq_2)を、遅延時間検出部17から出力される遅延時間Tだけ遅延させて遅延適用信号(同相成分Li_2、直交成分Lq_2)を生成して相関計算部16に対して出力する。つまり、相関計算部16は、第1ブランチ側の系統の信号として第1ブランチのタップ処理部14Aから出力されるタップ出力信号(同相成分Ti_1、直交成分Tq_1)と、第2ブランチ側の系統の信号として遅延適用部18から出力される遅延適用信号(同相成分Li_2、直交成分Lq_2)とについての遅延プロファイルを計算する。
遅延調整部19は、第2ブランチのA/D変換器13Bから出力される受信信号(同相成分I_2、直交成分Q_2)を、遅延時間検出部17から出力される遅延時間Tだけ遅延させて遅延調整信号(同相成分Di_2、直交成分Dq_2)を生成してダイバーシチ合成部20に対して出力する。なお、図に示す例では第2ブランチ側の系統に対して遅延調整部19が設けられるようにしているが、第1ブランチ側の系統の信号に対して第2ブランチ側の系統の信号が相対的に遅延時間Tだけ遅延するのであれば、図に示す構成には限定されない。
ダイバーシチ合成部20は、第1ブランチのA/D変換器13Aから出力される信号系列である受信信号(同相成分I_1、直交成分Q_1)と第2ブランチ側の系統に設けられている遅延調整部19から出力される信号系列である遅延調整信号(同相成分Di_2、直交成分Dq_2)とをダイバーシチ合成して合成受信信号(同相成分Ic、直交成分Qc)を出力する。ダイバーシチ合成部20は、2系統の信号系列を並列的に入力させ、所定の合成方式で2系統の信号系列を合成し、合成した1系統の信号系列を出力する。ダイバーシチ合成部20における合成方式としては、例えば、同相合成が用いられる。
復調部21は、ダイバーシチ合成部20から出力される信号系列である合成受信信号(同相成分Ic、直交成分Qc)の入力を受け、合成受信信号(同相成分Ic、直交成分Qc)に対して変調方式として四位相偏移変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying の略)を用いて復調処理を施して復調結果の信号系列を出力する。
次に、このような構成の無線受信装置1の作用、動作などについて説明する。
第1ブランチに関する処理として、アンテナ11Aが受信した無線信号に応じた受信波信号を混合器12Aへと出力し、混合器12Aが受信波信号に対して直交復調処理を施して同相成分のベースバンド信号Iおよび直交成分のベースバンド信号QをA/D変換器13Aへと出力し、A/D変換器13Aが前記ベースバンド信号I,Qに対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号(同相成分I_1、直交成分Q_1)をタップ処理部14Aへと出力する。タップ処理部14Aは、受信信号(同相成分I_1、直交成分Q_1)に対して、適応処理部15から出力される第1ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_1を用いてウェイトの乗算処理を施してタップ出力信号(同相成分Ti_1、直交成分Tq_1)を適応処理部15および相関計算部16に対して出力する。
第2ブランチに関する処理として、アンテナ11Bが受信した無線信号に応じた受信波信号を混合器12Bへと出力し、混合器12Bが受信波信号に対して直交復調処理を施して同相成分のベースバンド信号Iおよび直交成分のベースバンド信号QをA/D変換器13Bへと出力し、A/D変換器13Bが前記ベースバンド信号I,Qに対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号(同相成分I_2、直交成分Q_2)をタップ処理部14Bへと出力する。タップ処理部14Bは、受信信号(同相成分I_2、直交成分Q_2)に対して、適応処理部15から出力される第2ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_2を用いてウェイトの乗算処理を施してタップ出力信号(同相成分Ti_2、直交成分Tq_2)を適応処理部15に対して出力するとともに相関計算部16へと向けて出力する。
また、第1ブランチのタップ処理部14Aは受信信号(同相成分I_1、直交成分Q_1)を第1ブランチの受信信号ベクトルV_1として適応処理部15に対して供給し、第2ブランチのタップ処理部14Bは受信信号(同相成分I_2、直交成分Q_2)を第2ブランチの受信信号ベクトルV_2として適応処理部15に対して供給する。
次に、適応処理部15は、タップ出力信号(同相成分Ti_1、直交成分Tq_1)および第1ブランチの受信信号ベクトルV_1ならびにタップ出力信号(同相成分Ti_2、直交成分Tq_2)および第2ブランチの受信信号ベクトルV_2を用いて第1ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_1および第2ブランチ側の信号に対応する重み付け係数W_2を計算して、第1ブランチのタップ処理部14Aおよび第2ブランチのタップ処理部14Bに対して出力する。
また、相関計算部16が第1ブランチ側の系統の信号(具体的には、タップ出力信号の同相成分Ti_1および直交成分Tq_1)と第2ブランチ側の系統の信号(具体的には、遅延適用信号の同相成分Li_2および直交成分Lq_2。但し、初期は、タップ出力信号の同相成分Ti_2および直交成分Tq_2)とについての遅延プロファイルを遅延時間検出部17へと出力し、遅延時間検出部17が遅延プロファイルに基づいて第1ブランチ側の系統の信号に対する第2ブランチ側の系統の信号の遅延時間Tを求めて遅延適用部18および遅延調整部19に対して出力し、遅延適用部18が第2ブランチのタップ処理部14Bから出力されるタップ出力信号(同相成分Ti_2、直交成分Tq_2)を遅延時間Tだけ遅延させて遅延適用信号(同相成分Li_2、直交成分Lq_2)を相関計算部16に対して出力する。
そして、遅延調整部19が受信信号(同相成分I_2、直交成分Q_2)を遅延時間Tだけ遅延させて遅延調整信号(同相成分Di_2、直交成分Dq_2)をダイバーシチ合成部20に対して出力し、ダイバーシチ合成部20が第1ブランチ側の系統の信号系列である受信信号(同相成分I_1、直交成分Q_1)と第2ブランチ側の系統の信号系列である遅延調整信号(同相成分Di_2、直交成分Dq_2)とをダイバーシチ合成して合成受信信号(同相成分Ic、直交成分Qc)を復調部21に対して出力し、復調部21が合成受信信号(同相成分Ic、直交成分Qc)に対して復調処理を施して復調結果の信号系列を出力する。
この実施の形態に係る無線受信装置1によれば、ダイバーシチ合成の遅延調整に対して適応等化処理を組み込み、等化後の信号を用いて計算される各ブランチの信号の相関に基づいて遅延時間Tを計算するようにしているため、フェージングの影響が軽減され、各ブランチにおける反射波による干渉の影響を軽減した状態で遅延調整を行って高精度なダイバーシチ合成を行うことが可能となり、延いてはダイバーシチ合成の効果を十分に引き出すことが可能となる。また、ダイバーシチ合成後に波形等化器を実装する場合においては、ダイバーシチ合成による等化性能の劣化を軽減することが可能となる。
なお、この発明に係る処理は、アンテナ11A,11Bを含む受信側の固定局が設置されて実際の運用が開始される前に行われて計算されて特定された遅延時間Tが以後用いられるようにしてもよく、或いは、定期的に若しくは必要に応じて(例えば、メンテナンスが実施された場合に)行われて遅延時間Tが更新されるようにしてもよい。
次に、このような構成の無線受信装置1の位相差の検出特性について、図2および図3も用いて検証する。
図2に示すように、送信側の固定局に設置されている単一のアンテナ2から送信される信号を受信側の固定局に設置されている2つのアンテナ11A,11Bで受信する際に、一方のアンテナ11Aは直接波のみを受信して受信波信号を出力し、他方のアンテナ11Bはフェージングが発生している状況で(即ち、直接波に加えて反射波も受信して)受信波信号を出力している条件で、等化処理の有無による相関検出特性の違いを検証する。
ここでは、下記の仕様・条件を用いて検証を行う。
〈変調方式〉
四位相偏移変調(QPSK)
〈フェージング条件(最小位相推移型)〉
遅延時間 :0.5T
ノッチ深さ :30dB
ノッチ周波数:変調スペクトルセンター周波数
〈等化アルゴリズム〉
Godardの方法(Godardのカルマンアルゴリズム)
〈変調方式〉
四位相偏移変調(QPSK)
〈フェージング条件(最小位相推移型)〉
遅延時間 :0.5T
ノッチ深さ :30dB
ノッチ周波数:変調スペクトルセンター周波数
〈等化アルゴリズム〉
Godardの方法(Godardのカルマンアルゴリズム)
アンテナ11Aの受信波信号に基づく第1ブランチ側の系統の信号系列とアンテナ11Bの受信波信号に基づく第2ブランチ側の系統の信号系列との間の、第1ブランチ側の系統の信号系列に対して第2ブランチ側の系統の信号系列を-T~Tの範囲で遅延させた場合の相関を計算し、これを検出1とする。検出1は、等化処理が無い場合の相関の検出結果である。
一方、アンテナ11Aの受信波信号に基づく第1ブランチ側の系統の信号系列とアンテナ11Bの受信波信号に基づく第2ブランチ側の系統の信号系列とに対して等化処理を施した上で、第1ブランチ側の系統の信号系列と第2ブランチ側の系統の信号系列との間の、第1ブランチ側の系統の信号系列に対して第2ブランチ側の系統の信号系列を-T~Tの範囲で遅延させた場合の相関を計算し、これを検出2とする。検出2は、等化処理がある場合の相関の検出結果である。
検出1および検出2について、遅延時間(ここでは、シンボル周期を単位とする)と相関との間の関係を整理すると図3に示すようになる。図3の縦軸は、第1ブランチ側の系統の信号系列と第2ブランチ側の系統の信号系列との同相成分同士の相間と直交成分同士の相間との平均値を用いている。ここでは、相関をみる一方のデータについて複素共役をとった後に複素乗算して相関値を計算している。この計算によると、相関の高いところで虚数(IMG)成分が0(ゼロ)になる。
図3に示す検出1の結果から、フェージングが発生している状況では、等化処理が行われないと、遅延を検出することができないことが確認できる。一方で、検出2の結果から、フェージングが発生している状況でも、等化処理が行われることにより、遅延を検出可能であることが確認できる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。具体的には、この発明の要旨はダイバーシチ合成の遅延調整に対して適応等化処理を組み込んで等化後の信号の相関に基づいて遅延時間を計算することであり、この要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態ではスペースダイバーシチにおけるブランチとして第1ブランチおよび第2ブランチの2つのブランチを有するようにしているが、ブランチの個数は、2つに限定されるものではなく、2つ以上の任意の数とすることができる。
また、上記の実施の形態ではスペースダイバーシチ方式に従って通信が行われてダイバーシチ合成されるようにしているが、この発明は複数のブランチの信号系列間で発生する遅延を調整することが可能であり、この発明が適用され得る通信方式は、スペースダイバーシチ方式に限定されるものではなく、他のダイバーシチ方式であっても構わない。
1 無線受信装置
11A アンテナ(第1ブランチ)
11B アンテナ(第2ブランチ)
12A 混合器(第1ブランチ)
12B 混合器(第2ブランチ)
13A A/D変換器(第1ブランチ)
13B A/D変換器(第2ブランチ)
14A タップ処理部(第1ブランチ)
14B タップ処理部(第2ブランチ)
15 適応処理部
16 相関計算部
17 遅延時間検出部
18 遅延適用部
19 遅延調整部
20 ダイバーシチ合成部
21 復調部
11A アンテナ(第1ブランチ)
11B アンテナ(第2ブランチ)
12A 混合器(第1ブランチ)
12B 混合器(第2ブランチ)
13A A/D変換器(第1ブランチ)
13B A/D変換器(第2ブランチ)
14A タップ処理部(第1ブランチ)
14B タップ処理部(第2ブランチ)
15 適応処理部
16 相関計算部
17 遅延時間検出部
18 遅延適用部
19 遅延調整部
20 ダイバーシチ合成部
21 復調部
Claims (3)
- 複数のアンテナの各々に対応する複数のブランチ毎に設けられて、前記アンテナによって受信される無線信号に基づいて得られるベースバンド信号に対してアナログ-デジタル変換処理を施して受信信号を出力するA/D変換器と、
前記複数のブランチ毎に設けられて、前記受信信号に対してタップ係数に基づいてウェイトの乗算処理を施してタップ出力信号を出力するとともに前記受信信号の受信信号ベクトルを出力するタップ処理部と、
前記複数のブランチそれぞれの前記タップ出力信号および前記受信信号ベクトルに基づいて前記タップ係数を出力する適応処理部と、
前記複数のブランチそれぞれの前記タップ出力信号についての遅延プロファイルを出力する相関計算部と、
前記遅延プロファイルに基づいて遅延時間を出力する遅延時間検出部と、
前記複数のブランチそれぞれの前記受信信号をダイバーシチ合成して合成受信信号を出力するダイバーシチ合成部と、
前記合成受信信号に対して復調処理を施す復調部と、を有し、
前記遅延時間に基づいて前記受信信号を遅延させた上で前記ダイバーシチ合成部でダイバーシチ合成して前記合成受信信号を得て該合成受信信号を前記復調部で復調する、
ことを特徴とする無線受信装置。 - 前記アンテナによって受信される前記無線信号の変調方式が四位相偏移変調である、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線受信装置。 - 前記ブランチの数が2つである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019214026A JP7289600B2 (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | 無線受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019214026A JP7289600B2 (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | 無線受信装置 |
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