JP5723240B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
ここで、図11に例示するようなFWAシステムの伝搬モデルにおいて、送信点(送信側のアンテナaの位置)と受信点(受信側のアンテナbの位置)との間に海面が存在し、更に、反射波の反射点が海面上に位置する場合について検討する。
まず、直接波に関しては、潮位が変動しても、キャリア位相が変化することはない。
一方、反射波に関しては、潮位の変動に伴って、経路及び経路長が変化する。その結果、受信点における反射波のキャリア位相には変動が生じる。
このため、受信点では、直接波と反射波のキャリア位相差が変化することになり、その結果、直接波と反射波を合成した受信波(合成波)のレベルが変動する。
ここで、図12のような選択ダイバーシティ方式において、アンテナb−1,b−2の位置関係が後述の条件(逆相関成立条件)を満たすとき、アンテナb−1による受信レベルの変動と、アンテナb−2による受信レベルの変動との関係が、逆相関関係になる。図13には、逆相関関係が成立している場合の受信レベルの変動例を示してある。図13において、横軸は潮位を表しており、縦軸は受信電界強度を表している。
ここで、アンテナb−1に対する直接波と反射波の路程の差を路程差d1とし、アンテナb−2に対する直接波と反射波の路程の差を路程差d2とする。そして、位相で表現した上記の逆相関成立条件をキャリア波長での表現に言い換えると、逆相関成立条件は、「路程差d1と路程差d2の差が1/2波長になること」となる。従って、この条件を満たす位置関係でアンテナb−1,b−2を設置すれば良いことになる。
なお、より一般的には、「d1−d2=(2m+1)λ/2」の条件を満たす時、アンテナb−1,b−2は逆相関の関係が成立する。λはキャリア波長、mは0以上の整数である。
図15に示されるように、逆相関関係が成立していない場合には、受信アンテナの切り換えの実施時点において、受信レベルの低下がやや大きくなる場合がある。これに対し、図14に示されるように、逆相関関係が成立している場合には、受信アンテナの切り換えの実施時点の受信レベルは、全て、図15に示した最も低下した際の受信レベルにまで低下することはない。
つまり、信号の受信に係る2つのアンテナb−1,b−2の設置条件に逆相関成立条件を加えることで、選択ダイバーシティにおいて受信レベルを一定以上に保つ効果が大きくなるといえる。
図16には、TDDシステムの特徴を利用した選択ダイバーシティの例を示してある。すなわち、アンテナb−1,b−2の側であるB点では、受信側の時間帯には受信ダイバーシティを行い、送信側の時間帯には送信ダイバーシティを行う。このような送信ダイバーシティの実施により、対向する装置側(アンテナaの側)であるA点の受信レベルも一定以上のレベルに保つことが可能になる。
反射波は、直接波に対して遅延する。この遅延時間がシンボル周期に対して大きくなると、変調波帯域内の周波数特性の歪みが無視できなくなる。変調多値数を大きくするためには、このような伝搬路歪みの補償が必須となる。この場合には、通常、時間領域或いは周波数領域において等化処理が行われる。
ここで、アンテナ選択による受信ダイバーシティを実施する場合、受信アンテナの切り換えに伴って伝搬路が切り換わり、伝搬路特性も変化する。このため、受信アンテナの切り換え時には受信品質が一時的に劣化することになるが、この劣化を解消するために、受信信号の等化処理に用いるパラメータ(等化係数)の調整などが必要になる。
同様に、アンテナ選択による送信ダイバーシティを実施する場合にも、送信アンテナの切り換えに伴って伝搬路特性が変化する。このため、送信アンテナの切り換え時には受信品質が一時的に劣化することになり、この劣化を解消するために、受信側は受信信号の等化処理に用いるパラメータ(等化係数)の調整などが必要になる。
例えば、特許文献1には、2つのアンテナの相関係数を−1として、2つのアンテナで信号を受信する場合に、一方のアンテナの受信入力(例えば、電界強度)が最小となったときに、他方のアンテナの受信入力(例えば、電界強度)が最大となる逆相関関係とする構成が開示されている。
そこで、本発明では、所定の相関関係を有する複数のアンテナのうちのいずれかを選択的に使用して信号の送信を行う送信ダイバーシティに関し、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化の改善を図ることを目的とする。
ここで、所定の相関関係を有する複数のアンテナとしては、例えば、逆相関関係を有する2つのアンテナである。
すなわち、受信側では、送信側における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握でき、送信アンテナの切り換えに伴う伝搬路特性の変化への対応を速やかに行える。
当該構成によれば、第2の送受信装置では、第1の送受信装置における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、等化処理に用いる等化係数の変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。
なお、上記無線通信システムとしては、同一のアンテナ間において送信及び受信の伝搬路特性が実質的に同一であることが望ましく、例えば、送信及び受信を同一の無線周波数帯で行う、TDDによる複信方式システムが好適である。
当該構成によれば、上記構成例に対して、特に、第1の送受信装置が備える2つのアンテナの各受信レベルが逆相関関係を有するという条件に基づいて等化係数変更時の係数を設定することができ、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
当該構成によれば、受信装置では、送信装置における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、等化処理に用いる等化係数の変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。
当該構成によれば、受信装置では、送信装置における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、受信信号に対する処理に関するパラメータの変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成例を示してある。
本例の無線通信システムは、TDD複信方式のシステムであり、2つの送受信装置を有している。本例では、B点(図中右側)に位置する第1の送受信装置で、受信ダイバーシティ及び送信ダイバーシティを実施し、これに対向するA点(図中右側)に位置する第2の送受信装置で、B点側(第1の送受信装置)における送信ダイバーシティを実施した結果の信号を受信する構成となっている。
B点側に位置する第1の送受信装置は、信号の送受信に用いるアンテナb−1,b−2に加え、ENC部(エンコーダ部)21、送信ベースバンド部22、送信RF部23、送信系選択部24、TDD−SW部(送受信切り換え部)25−1,25−2、受信RF部26−1,26−2、受信系選択部27、受信ベースバンド部28、DEC部(デコーダ部)29、タイミング管理部30、レベル測定/比較部31、制御部32を有する。
本例の第1の送受信装置では、2つのアンテナb−1,b−2を互いに逆相関関係となるような位置関係で配置している。
ENC部11は、第1の送受信装置へ送信する対象として入力されたデータ(ユーザー用データや制御用データ)に対して符号化処理を行い、その結果の信号を送信ベースバンド部12へ出力する。
送信ベースバンド部12は、ENC部11から入力された信号に対して送信ベースバンド処理を行い、その結果の信号を送信RF部13へ出力する。
送信RF部13は、送信ベースバンド部12から入力された信号に対して送信RF処理を行い、その結果の信号をTDD−SW部14へ出力する。
TDD−SW部14は、制御部19による制御の下で、送信RF部13から入力された信号をアンテナaにより第1の送受信装置へ送信する状態と、アンテナaにより第1の送受信装置から受信した信号を受信RF部15へ出力する状態を切り換える。
受信ベースバンド部16は、受信RF部15から入力された信号に対して受信ベースバンド処理を行い、その結果の信号をDEC17へ出力する。
DEC17は、受信ベースバンド部16から入力された信号に対して復号化処理を行い、その結果のデータ(ユーザー用データや制御用データ)を出力する。
タイミング管理部18は、信号の送受信に係るフレーム中の位置を確認するためのカウンタである。
制御部19は、タイミング管理部18によるカウンタ値に基づいて、所定の制御を実施する。
ENC部21は、第2の送受信装置へ送信する対象として入力されたデータ(ユーザー用データや制御用データ)に対して符号化処理を行い、その結果の信号を送信ベースバンド部22へ出力する。
送信ベースバンド部22は、ENC部21から入力された信号に対して送信ベースバンド処理を行い、その結果の信号を送信RF部23へ出力する。
送信RF部23は、送信ベースバンド部22から入力された信号に対して送信RF処理を行い、その結果の信号を送信系選択部24へ出力する。
送信系選択部24は、制御部32による制御の下で、送信RF部23から入力された信号をTDD−SW部25−1へ出力する状態(第1の送信系を使用する状態)と、送信RF部23から入力された信号をTDD−SW部25−2へ出力する状態(第2の送信系を使用する状態)を切り換える。なお、第1の送信系は、アンテナb−1、TDD−SW部25−1等により構成され、第2の送信系は、アンテナb−2、TDD−SW部25−2等により構成される。
TDD−SW部25−2は、制御部32による制御の下で、送信系選択部24から入力された信号をアンテナb−2により第2の送受信装置へ送信する状態と、アンテナb−2により第2の送受信装置から受信した信号を受信RF部26−2へ出力する状態を切り換える。
受信RF部26−2は、TDD−SW部25−2を介して入力される第2の送受信装置から受信した信号に対して受信RF処理を行い、その結果の信号を受信系選択部27及びレベル測定/比較部31へ出力する。
受信ベースバンド部28は、受信系選択部27から入力された信号に対して受信ベースバンド処理を行い、その結果の信号をDEC29へ出力する。
DEC29は、受信ベースバンド部28から入力された信号に対して復号化処理を行い、その結果のデータ(ユーザー用データや制御用データ)を出力する。
レベル測定/比較部31は、受信RF部26−1から入力された信号及び受信RF部26−2から入力された信号のレベル(例えば、電力の値)をそれぞれ測定し、これらのレベルを比較し、当該比較結果の情報を制御部32へ出力する。
制御部32は、タイミング管理部30によるカウンタ値及びレベル測定/比較部から入力された情報に基づいて、所定の制御を実施する。
受信ベースバンド処理に関するパラメータとしては、一例として、受信信号の等化処理に用いるパラメータである等化係数が挙げられる。等化係数は、受信系の切り換えに伴って、切り換え後の受信系に対応した初期化が行われ、その後、所定の係数更新アルゴリズムに基づいて更新(収束)される。
受信ベースバンド処理に関するパラメータとしては、一例として、受信信号の等化処理に用いるパラメータである等化係数が挙げられる。等化係数は、第1の送受信装置(B点側)における送信系の切り換えに伴って、切り換え後の送信系に対応した初期化(変更)が行われ、その後、所定の係数更新アルゴリズムに基づいて更新(収束)される。
本例では、以下の[ステップ1]〜[ステップ4]に示すように、受信ダイバーシティの実施に連動して送信ダイバーシティを実施するものとする。
図2には、n−3番目のフレームにおける通信内容の例を示してあり、図3には、n−2番目のフレームにおける通信内容の例を示してあり、図4には、n−1番目のフレームにおける通信内容の例を示してあり、図5には、n番目のフレームにおける通信内容の例を示してある。
n−3番目のフレームにおいて、受信ダイバーシティ及び送信ダイバーシティの実施タイミングを決定する。
すなわち、B点(第1の送受信装置)では、2つの受信系で受信された信号のレベルをそれぞれ測定して両者を比較し、受信レベルの大小の入れ替わりに応じて、受信レベルが大きくなった方の受信系への切り換えを決定する。送信系についても、当該受信系と同じアンテナで構成される送信系への切り換えを決定する。本例では、受信系の切り換えは、当該フレーム(n−3番目のフレーム)時点では実施せず、その次のフレーム(n−2番目のフレーム)時点で実施する(つまり、フレームの途中では切り換えない)。送信系の切り換えについてもこの時点では実施しない。
一方、A点(第2の送受信装置)では、この時点でのダイバーシティ関連の制御はない。
なお、受信系及び送信系の切り換えの決定は、受信レベルの大小の入れ替わりに応じて行われる態様だけでなく、測定された受信レベルを比較して、受信レベルの大きさが入れ替わると予測される場合に、大きくなると予測される方の受信系へ予め切り換えるように決定する態様をとってもよい。
n−2番目のフレームにおいて、受信ダイバーシティを実施する。
すなわち、B点(第1の送受信装置)では、当該フレーム(n−2番目のフレーム)の信号の受信を開始するタイミングに合わせて、受信系の切り換えと、受信ベースバンド処理に関するパラメータ(例えば、等化係数などの伝搬路特性補償処理に係るパラメータ)の調整(変更)を実施する。送信系の切り換えは、この時点では実施しない。
一方、A点(第2の送受信装置)では、この時点でのダイバーシティ関連の制御はない。
n−1番目のフレームにおいて、送信ダイバーシティに関する通知を行う。
すなわち、B点(第1の送受信装置)では、送信ダイバーシティを実施するフレームの位置(送信系の切り換えタイミング)をA点(第2の送受信装置)側に通知するために、そのフレーム位置情報を当該フレーム(n−2番目のフレーム)で送信する制御用データの信号に埋め込んで送信する。本例では、送信系の切り換えは、当該フレーム(n−1番目のフレーム)時点では実施せず、その次のフレーム(n番目のフレーム)時点で実施する(すなわち、フレームの途中では切り換えない)。
一方、A点(第2の送受信装置)では、受信した制御用データの信号をデコードしてフレーム位置情報を抽出(送信系の切り換えタイミングを特定)し、B点(第1の送受信装置)における送信系の切り換えに備える。
n番目のフレームにおいて、送信ダイバーシティを実施する。
すなわち、B点(第1の送受信装置)では、当該フレーム(n番目のフレーム)の信号の送信を開始するタイミングに合わせて、送信系の切り換えを行う。
一方、A点(第2の送受信装置)では、当該フレーム(n番目のフレーム)の受信を開始するタイミングに合わせて、受信ベースバンド処理に関するパラメータ(例えば、等化係数などの伝搬路特性補償処理に係るパラメータ)の調整(変更)を実施する。
なお、本例では、送信アンテナの切り換えを、対向側(A点側)に切り換え情報(位置情報)を通知した直後のフレームとしているが、これに限定するものではなく、第1の送受信装置及び第2の送受信装置の双方でタイミングを同期して切り換え処理がなされればよい。すなわち、例えば、“数フレーム後に実施”という情報(送信系の切り換えを実施するフレーム位置の情報)を通知し、当該情報に基づく制御を双方の装置で行うようにしてもよい。
更に、第1の送受信装置は、アンテナ切り換えによる受信ダイバーシティに連動して送信ダイバーシティを行う。すなわち、受信アンテナを切り換えたタイミングに基づき、送信も、切り換え後のアンテナ側から行うように切り換える。また、第1の送受信装置は、送信アンテナを切り換えるタイミングを第2の送受信装置に伝えるために、ユーザ用データのほかに制御用データを送信する。この制御用データに、送信アンテナがいつ切り換わるかを示す情報(切り換えタイミングの情報)を載せる。
一方、第2の送受信装置は、送信アンテナがいつ切り換わるかを、受信した制御用データの中から判断する。そして、制御用データで指定されたタイミングで、送信アンテナの切り換わりに対応するための受信関連パラメータ(例えば、等化係数)を変更する。
受信ベースバンド処理では、例えば、直交変調処理、デシメーション(サンプリングレートの変換)処理、受信フィルタ処理、等化処理などの各処理が順に実施される。
以下では、受信ベースバンド処理に関するパラメータを変更する例として、等化処理に用いるパラメータである等化係数を初期化する場合について説明する。
等化係数の初期化の第1実施例を説明する。
図9には、受信ベースバンド部16に設けられる適応等化器の内部の構成例を示してある。
本例では、適応等化器のタップ数が3である場合を示すが、他の種々なタップ数が用いられてもよい。
本例の適応等化器は、3個のレジスタ(Reg)51−0〜51−2、3個の(係数可変の)乗算器52−0〜52−2、加算器(又は、累算器)53を備えており、また、3個のレジスタ(Reg)61−0〜61−2、3個の選択部62−0〜62−2、3個の調整部63−0〜63−2、係数更新部64を備えており、また、シンボル判定部71、参照信号部72、スイッチ73、加算器74を備えている。
本例では、xn(k)、y(k)、d(k)、en(k)、wn(k)は、複素数である。
入力信号が、直列に接続された3個のレジスタ51−0〜51−2を通過する。
第1のレジスタ51−0からの出力信号x0(k)が、第1の乗算器52−0に入力されて等化係数w0(k)を乗算され、その結果の信号が加算器53に入力される。
第2のレジスタ51−1からの出力信号x1(k)が、第2の乗算器52−1に入力されて等化係数w1(k)を乗算され、その結果の信号が加算器53に入力される。
第3のレジスタ51−2からの出力信号x2(k)が、第3の乗算器52−2に入力されて等化係数w2(k)を乗算され、その結果の信号が加算器53に入力される。
加算器53は、3個の乗算器52−0〜52−2から入力された信号を加算(合成)し、当該加算結果の信号を出力信号y(k)として出力する。この信号y(k)は、シンボル判定部71及び加算器74に入力される。
参照信号部72は、例えば、予め、トレーニングに用いられる所定のシンボルに等しい参照信号をメモリ等に記憶しており、その参照信号を出力する。
スイッチ73は、例えば制御部19により制御され、シンボル判定部71からのシンボルの信号を所望信号d(k)として選択して加算器74へ出力する状態と、参照信号部72からの参照信号を所望信号d(k)として選択して加算器74へ出力する状態を切り換える。
加算器74は、スイッチ73からの所望信号d(k)から、加算器73からの出力信号y(k)を減算し、当該減算結果の信号(等化誤差信号)e(k){=d(k)−y(k)}を係数更新部64へ出力する。
なお、ここでは、入力情報の時刻kに対して出力情報の時刻(k+1)を用いて表したが、次の時刻における処理においては、この時刻(k+1)が再び時刻kとして扱われるとみなす。
また、各調整部63−0〜63−2は、例えば、制御部19から入力される所定の制御信号(制御_A)により制御される。
また、各選択部62−0〜62−2は、例えば、制御部19から入力される所定の制御信号(制御_B)により制御される。
本例の調整部63−0は、実数部抽出部81、虚数部抽出部82、−1部83、乗算器84、0部85、選択器86、複素数化部87を備えている。
レジスタ61−0から出力された等化係数wn(k)(調整部63−0については、w0(k))が、実数部抽出部81及び虚数部抽出部82に入力される。
実数部抽出部81は、入力された等化係数wn(k)の実数部を抽出して複素数化部87へ出力する。
虚数部抽出部82は、入力された等化係数wn(k)の虚数部を抽出して乗算器84へ出力する。
乗算器84は、虚数部抽出部82からの虚数部の信号と−1部83からの−1の信号を乗算し、当該乗算結果(−1×虚数部)の信号を選択器86へ出力する。
0部85は、0の値の信号を選択器86へ出力する。
また、選択器86は、例えば、制御部19から入力される調整方法制御のための所定の制御信号(制御_A)により制御される。
また、選択器86により0部55からの信号(0)が選択された場合には、複素数化部87は、調整部63−0に入力された等化係数wn(k)の虚数部を0としたもの(実数部のみ)を調整済みの等化係数wn(k)として出力する。
実際に第1の送受信装置(B点側)における送信系の切り換えタイミングに同期して、それまでに収束した1つ又は複数の等化係数wn(k)に対して、虚数部の符号を反転することにより、各等化係数の複素共役を求め、その値(調整済みの等化係数)によりそれぞれの等化係数wn(k)を初期化する。なお、第1の送受信装置(B点側)における送信系の切り換え以外の場合では、所定の係数更新アルゴリズムに基づいて、等化係数wn(k)の更新処理を行う。
図6(a)〜(d)は、基準側の受信系について示してあり、それぞれ、0度(同相加算)、+90度、180度(逆相加算)、−90度(+270度)である場合を示している。また、図6(e)〜(h)は、逆相関側の受信系について示してあり、それぞれ、180度(逆相加算)、−90度(+270度)、0度(同相加算)、+90度である場合を示している。また、図6(a)〜(d)と図6(e)〜(h)が、それぞれ、対応している。
図6(a)〜(h)の各グラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図6(a)〜(h)は第1の送受信装置側における受信信号のスペクトラムであるが、上述の通り、本例の無線通信システムにおいては、同一のアンテナで行う送信と受信の伝搬路が実質的に同一であるため、各アンテナから送信されて第2の送受信装置側において受信される信号も、それぞれ図6と同様の変調波スペクトラムを有する。
なお、上記では変調波スペクトラムの振幅特性の関係に基づいて説明したが、逆相関関係にある2つのアンテナを用いることにより、位相特性についても、複素共役を用いてアンテナ切り換え後の伝搬路特性を補償できる条件を満たすことができる。
本例のような等化係数の初期化を実行することにより、アンテナの切り換え時に、異なる伝搬路特性への追加的な追従時間が不要になり、切り換え時における通信品質を維持することができる。
まず、アンテナ切り換え時における各変調波スペクトラムが、左右対称になることが必要である。より具体的には、各変調波スペクトラムに示される周波数特性のうち、振幅特性に関しては、中心周波数を反転軸にしたとき、一方がもう一方を反転したものと同じになることが必要である。なお、位相特性に関しては、左右反転した後、位相自体の符号反転も必要となる。
これが満たされているという前提があるならば、直接波に対する反射波の遅延が大きくなるほど、効果が顕著になる。但し、この遅延があまりに大きくなりすぎると、ダイバーシティとは無関係な期間の受信品質に影響が出てくる。このため、このような影響が無視できる範囲あれば、遅延が大きいほど、本例の効果がはっきりわかるということである。
例えば、距離が離れていても、アンテナ設置高が低ければ、直接波のパス長と反射波のパス長との差は、大きくならない。
反対に、距離が離れていなくても、アンテナ設置高が高ければ、直接波のパス長と反射波のパス長との差が、大きくなる。
また、本例では、アンテナ切り換えを行うため、例えば、FDD(Frequency Division Duplexing)方式よりも、TDD方式に適合的な構成である。
等化係数の初期化の第2実施例を説明する。
上記した第1実施例では、B点(第1の送受信装置)における送信系の切り換えタイミングに同期して実行する等化係数の初期値の算出として、直前までの等化係数の収束値の複素共役を求める場合を示した。これに対して、本例では、送信系の切り換えタイミングに同期して実行する等化係数の初期値の算出として、直前までの等化係数の収束値の実数部だけを使用する場合を示す。なお、本例では、実数部だけを使うということと、虚数部を0にするということとは、同じ意味である。
本例のように、選択器86により0部85からの信号(0)が選択された場合には、複素数化部87は、調整部に入力された等化係数wn(k)の虚数部を0としたもの(実数部のみ)を調整済みの等化係数wn(k)として出力する。
等化係数の初期化の第3実施例を説明する。
上記した第1実施例や第2実施例では、第2の送受信装置(A点側)において、B点(第1の送受信装置)における送信系の切り換えタイミングに同期して、切り換え前の送信アンテナから送信された信号の受信結果(受信信号)に基づいて適応的に収束された等化係数とは異なる等化係数を設定する(異なる等化係数へ変更する)ことにより、切り換え後の送信アンテナから送信された信号の受信結果(受信信号)に対する等化係数の収束時間を短縮する例を示した。
ここで、このような異なる等化係数(送信系の切り換え後における等化係数の初期値)としては、上記した第1実施例や第2実施例に示したものに限られず、種々なものが用いられてもよい。
本例では、これについて説明する。
また、上記した第2実施例の変形例として、例えば、送信系の切り換えタイミングの直前における等化係数について虚数部に0を使用する一方で、実数部には直前までの収束値の実数部ではなく0や1或いは他の予め定められた値を使用したものを初期値とするような構成が実施されてもよい。このような変形例に係る初期値を使用しても、収束の所要時間の短縮効果が得られることが期待される。なお、この実数部として、0や1以外の値を使用する場合には、例えば、アンテナ特性等に応じて適切な初期値を設定するようなことが可能である。
一構成例として、第1の送受信装置(送信側の装置)は、逆相関関係にある2つの送信アンテナを備え、送信アンテナの切り換えタイミングを第2の送受信装置(受信側の装置)に通知した後に送信アンテナの切り換えを行い、第2の送受信装置は、前記2つの送信アンテナに対向する1つの受信アンテナと1つの適応等化器を備え、第1の送受信装置から通知された切り換えタイミングに同期して、切り換え前後の送信アンテナ間の関係(逆相関関係)を利用して適応等化器の等化係数を変更する。変更後の等化係数は、例えば、変更前(送信アンテナの切り換え直前)の等化係数に対して逆相関関係を利用した演算により求められる。
一構成例として、送信アンテナの切り換えタイミングに同期して変更される等化係数としては、送信アンテナの切り換えタイミング時(例えば、直前)の複素共役が与えられる。すなわち、送信アンテナが切り換えが行われるタイミングにおける等化係数の複素共役を、変更後の等化係数として決定する。
一構成例として、送信アンテナの切り換えタイミングに同期して変更される等化係数としては、実数部として送信アンテナの切り換えタイミング時(例えば、直前)の等化係数の実数部が与えられ、虚数部として0が与えられる。すなわち、すなわち、送信アンテナが切り換えが行われるタイミングにおける等化係数の実数部をそのままとして虚数部を0としたものを、変更後の等化係数として決定する。
一構成例として、送信アンテナの切り換えタイミングに同期して変更される等化係数としては、予め定められた値(初期値)が与えられる。すなわち、変更後の等化係数として、予め設定された値を用いる。
このような構成においても、例えば、所定の相関関係を有する3つ以上のアンテナを用いた送信ダイバーシティで、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
ここで、上記3つ以上の送信アンテナは、例えば、2つの送信アンテナを切り換える構成例と同様、各アンテナにおける受信レベルの推移が相関関係を有するように設置、構成される。つまり、例えば3つの送信アンテナの場合には、各アンテナが受信する直接波と反射波のキャリア位相差がそれぞれ120°ずつ異なるように設置、構成され、第1の送受信装置、及び第2の送受信装置のいずれにおいても受信レベルを一定以上に保つことが可能になる。
n本のアンテナで、任意のタイミングで、直接波の位相と遅延波の位相との差を求めたとき、各々が、以下のように表せればよい。
本例では、基準となる第1アンテナと、第1アンテナに対して120度の位相差を持たせた第2アンテナと、第1アンテナに対して240度の位相差を持たせた第3アンテナの各々についての受信レベルが、図7のような相互関係を有するように設定してある。この場合、各アンテナについての直接波と反射波のキャリア位相差別の変調スペクトラムは、図8のような相互関係を有する。なお、図7のグラフでは、横軸は直接波と反射波のキャリア位相差を表しており、縦軸は相対レベルを表している。また、図8のグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
これにより、上述の実施例と同様に、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
すなわち、第1の発明は、互いに信号の送受信を行う第1の送受信装置と第2の送受信装置とを有する無線通信システムにおいて、前記第1の送受信装置は、前記第2の送受信装置の特定のアンテナから送信される信号の受信レベルが互いに所定の相関関係を有する複数のアンテナと、前記第2の送受信装置における特定のアンテナから送信されて前記複数のアンテナによりそれぞれ受信される信号の受信レベルに基づいて、前記第2の送受信装置の特定のアンテナへ信号を送信するアンテナを前記複数のアンテナのいずれかに切り換える送信アンテナ切換手段と、前記送信アンテナ切換手段による切り換えタイミングを前記第2の受信装置に通知するタイミング通知手段と、を備え、前記第2の送受信装置は、前記第1の送受信装置から通知された切り換えタイミングに同期して、前記特定のアンテナにより受信する信号の等化処理に用いる等化係数を変更する等化係数変更手段を備えた、ことを特徴とする無線通信システムである。
当該第1の発明によれば、第1の送受信装置では、受信される信号の受信レベルに基づいて、第2の送受信装置へ信号を送信するアンテナを複数のアンテナのいずれかに切り換えることで、常に信号の送信に最適なアンテナにより信号を送信することができるとともに、第2の送受信装置では、第1の送受信装置における信号を送信するアンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、等化処理に用いる等化係数の変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。特に、第1の送受信装置の複数のアンテナは、第2の送受信装置の特定のアンテナから送信される信号の受信レベルが互いに所定の相関関係を有しており、当該受信レベルに基づいて信号の送信に用いるアンテナの切り換えを行うことから、当該複数のアンテナの各受信レベルが相関関係を有し、当該受信レベルに基づいて信号の送信に用いるアンテナの切り換えを行うという条件に基づいて等化係数変更時の係数を設定することができるので、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
当該第2の発明によれば、上記第1の発明に対して、前記第1の送受信装置が備える2つのアンテナが、前記第2の送受信装置の特定のアンテナから送信される信号の受信レベルが互いに逆相関となる関係を有しているため、特に、当該2つのアンテナは各受信レベルが逆相関関係を有するという条件に基づいて、等化係数変更時の係数を設定することができ、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
当該第3の発明によれば、受信装置では、送信装置における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、等化処理に用いる等化係数の変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。特に、送信装置における切り換え前後の送信アンテナの伝搬路特性が所定の相関関係を有しているため、当該相関関係を考慮して、等化係数変更時の係数を設定することができ、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
前記送信装置の複数の送信アンテナが有する伝搬路特性の相関関係としては、例えば、複数の送信アンテナから送信される信号の変調波スペクトラム(周波数特性)が、図6に示す様な関係や、図7,図8に示す様な関係が考えられる。
当該第4の発明によれば、受信装置では、送信装置における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、受信信号に対する処理に関するパラメータの変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。特に、送信装置における切り換え前後の送信アンテナの伝搬路特性(例えば、変調波スペクトラム等)が所定の相関関係を有しているため、受信信号に対する処理に関するパラメータの変更時に、当該相関関係を考慮したパラメータを設定することができ、送信系の切り換えに起因するパラメータの変更において当該パラメータを最適値に近づけることが可能である。
当該第5の発明によれば、送信装置が送信アンテナの切り換えタイミングを事前に受信装置へ通知し、受信装置は当該タイミングを事前に把握することができる。特に、送信装置における切り換え前後の送信アンテナの伝搬路特性(例えば、変調波スペクトラム等)が所定の相関関係を有しているため、受信装置は、例えば受信信号の等化処理に用いる等化係数を、当該切り換えタイミングに同期して、当該相関関係に基づいた値に変更(初期化)することが可能である。これにより、送信装置における送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善されるとともに、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
当該第6の発明によれば、受信装置は、送信装置における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、等化処理に用いる等化係数の変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。特に、送信装置における切り換え前後の送信アンテナの伝搬路特性(例えば、変調波スペクトラム等)が所定の相関関係を有しているため、当該相関関係に基づいて等化係数変更時の係数を設定することができ、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
当該第7の発明によれば、受信装置は、送信装置における送信アンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、等化処理に用いる等化係数の変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。特に、送信装置における切り換え前後の送信アンテナの伝搬路特性(例えば、変調波スペクトラム等)が所定の相関関係を有しているため、当該相関関係に基づいて等化係数変更時の係数を設定することができ、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
当該第8の発明によれば、第1の送受信装置では、受信される信号の受信レベルに基づいて、第2の送受信装置へ信号を送信するアンテナを複数のアンテナのいずれかに切り換えることで、常に信号の送信に最適なアンテナにより信号を送信することができるとともに、第2の送受信装置では、第1の送受信装置における信号を送信するアンテナの切り換えタイミングを事前に把握することができ、当該切り換えタイミングに同期して、等化処理に用いる等化係数の変更(初期化)が実施されるため、送信アンテナの切り換え直後における通信品質の劣化が改善される。特に、第1の送受信装置の複数のアンテナは、第2の送受信装置の特定のアンテナから送信される信号の受信レベルが互いに所定の相関関係を有しており、当該受信レベルに基づいて信号の送信に用いるアンテナの切り換えを行うことから、当該複数のアンテナの各受信レベルが相関関係を有し、当該受信レベルに基づいて信号の送信に用いるアンテナの切り換えを行うという条件に基づいて等化係数変更時の係数を設定することができるので、送信系の切り換えに起因する等化係数の再収束において、その所要時間を短縮することが可能である。
21:ENC部(エンコーダ部)、 22:送信ベースバンド部、 23:送信RF部、 24:送信系選択部、 25−1,25−2:TDD−SW部(送受信切り換え部)、 26−1,26−2:受信RF部、 27:受信系選択部、 28:受信ベースバンド部、 29:DEC部(デコーダ部)、 30:タイミング管理部、 31:レベル測定/比較部、 32:制御部
Claims (5)
- 互いに信号の送受信を行う第1の送受信装置と第2の送受信装置とを有する無線通信システムにおいて、
前記第1の送受信装置は、前記第2の送受信装置の特定のアンテナから送信される信号の受信レベルが互いに所定の相関関係を有する複数のアンテナと、前記第2の送受信装置における特定のアンテナから送信されて前記複数のアンテナによりそれぞれ受信される信号の受信レベルに基づいて、前記第2の送受信装置の特定のアンテナへ信号を送信するアンテナを前記複数のアンテナのいずれかに切り換える送信アンテナ切換手段と、前記送信アンテナ切換手段による切り換えタイミングを前記第2の送受信装置に通知するタイミング通知手段と、を備え、
前記第2の送受信装置は、前記第1の送受信装置から通知された切り換えタイミングに同期して、前記特定のアンテナにより受信する信号の等化処理に用いる等化係数を変更する等化係数変更手段を備え、
前記等化係数変更手段は、前記送信アンテナ切換手段により切り換えが行われるタイミングにおける等化係数の複素共役をアンテナ切換後の等化係数の初期値として変更する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 互いに信号の送受信を行う第1の送受信装置と第2の送受信装置とを有する無線通信システムにおいて、
前記第1の送受信装置は、前記第2の送受信装置の特定のアンテナから送信される信号の受信レベルが互いに所定の相関関係を有する複数のアンテナと、前記第2の送受信装置における特定のアンテナから送信されて前記複数のアンテナによりそれぞれ受信される信号の受信レベルに基づいて、前記第2の送受信装置の特定のアンテナへ信号を送信するアンテナを前記複数のアンテナのいずれかに切り換える送信アンテナ切換手段と、前記送信アンテナ切換手段による切り換えタイミングを前記第2の送受信装置に通知するタイミング通知手段と、を備え、
前記第2の送受信装置は、前記第1の送受信装置から通知された切り換えタイミングに同期して、前記特定のアンテナにより受信する信号の等化処理に用いる等化係数を変更する等化係数変更手段を備え、
前記等化係数変更手段は、前記送信アンテナ切換手段により切り換えが行われるタイミングにおける等化係数の実数部をそのままとして虚数部を0としたものをアンテナ切換後の等化係数の初期値として変更する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の送受信装置は2つのアンテナを備え、当該2つのアンテナは、前記第2の送受信装置の特定のアンテナから送信される信号の受信レベルが互いに逆相関となる関係を有する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 対向する送信装置と受信装置とを有する無線通信システムにおいて、
前記送信装置は、前記受信装置の特定の受信アンテナとの間の伝搬路特性が所定の相関関係を有する複数の送信アンテナと、前記受信装置の特定の受信アンテナへ信号を送信するアンテナを前記複数の送信アンテナのいずれかに切り換える送信アンテナ切換手段と、前記送信アンテナ切換手段による切り換えタイミングを前記受信装置に通知するタイミング通知手段と、を備え、
前記受信装置は、前記送信装置から通知された切り換えタイミングに同期して、前記特定の受信アンテナにより受信する信号の等化処理に用いる等化係数を変更する等化係数変更手段を備え、
前記等化係数変更手段は、前記送信アンテナ切換手段により切り換えが行われるタイミングにおける等化係数の実数部をそのままとして虚数部を0としたものをアンテナ切換後の等化係数の初期値として変更する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 対向する送信装置と受信装置とを有する無線通信システムにおいて、
前記送信装置は、前記受信装置の特定の受信アンテナとの間の伝搬路特性が所定の相関関係を有する複数の送信アンテナと、前記受信装置の特定の受信アンテナへ信号を送信するアンテナを前記複数の送信アンテナのいずれかに切り換える送信アンテナ切換手段と、前記送信アンテナ切換手段による切り換えタイミングを前記受信装置に通知するタイミング通知手段と、を備え、
前記受信装置は、前記送信装置から通知された切り換えタイミングに同期して、前記特定の受信アンテナにより受信する信号の等化処理に用いる等化係数を変更する等化係数変更手段を備え、
前記等化係数変更手段は、前記送信アンテナ切換手段により切り換えが行われるタイミングにおける等化係数の実数部をそのままとして虚数部を0としたものをアンテナ切換後の等化係数の初期値として変更する、
ことを特徴とする無線通信システム。
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