JP2006121516A - 空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置 - Google Patents

空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置 Download PDF

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理一 工藤
Kentaro Nishimori
健太郎 西森
Taiji Takatori
泰司 鷹取
Koichi Tsunekawa
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Abstract

【課題】 伝搬環境に最適となる送信重みを用いた通信をより簡易に行うことができる、空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置を提供する。
【解決手段】 伝達係数行列推定部1321〜132Fにより、送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、伝達係数行列演算部1330により、受信重みを、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量の逆数の二乗を各行に乗算して求め、この受信重みを用いて、復号部1340により、受信信号を復号する。
【選択図】 図1

Description

本発明は複数のアンテナ素子を用い、空間多重による送信を行う空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置に関する。
直交波周波数分割多重送受信装置は、直交性を利用し周波数軸上でのオーバラップを許容することで中心周波数が異なる複数の搬送波が利用でき、高い周波数効率を実現する送受信装置である。また、空間多重伝送用送受信装置は,複数のアンテナ素子からなる異なる信号を送信することで、周波数帯域を増大することなしに高速伝送を実現する送受信装置である。
図1に送信指向性を制御し、空間多重を行い、直交波周波数分割多重により伝送速度を向上させる空間多重伝送用送受信装置の構成例を示す。
符号1110はシリアル−パラレル変換部、1111〜111Fは送信部、1121〜112Fはマルチビーム形成部、1131〜113Nは逆フーリエ変換部、1201〜120Nは送受信の切り替え部、1211〜121Nはアンテナ素子、1301〜130Nはフーリエ変換部、13111〜131FNは受信切り替え部、1321〜132Fは伝達係数行列推定部、1330は伝達係数行列演算部、1340は復号部である。
アンテナ素子1211〜121Nで受信された信号は切り替え部1201〜120Nにより切り替えられ、フーリエ変換部1301〜130Nに出力される。フーリエ変換部では入力信号にフーリエ変換を行い、この受信信号がプリアンブル信号の場合は受信切り替え部13111〜131FNにより切り替えられ、伝達係数行列推定部1321〜132Fの対応するポートに入力される。ここで伝達係数行列推定部は各周波数帯における伝達係数行列を算出し、伝達係数行列演算部1330に出力する。伝達係数行列演算部は伝達係数行列から、受信重み、送信重み、変調方式、空間多重数の決定を行い、それぞれを後述する復号部1340、マルチビーム形成部1121〜112F、送信部1111〜111F、シリアル−パラレル変換部1110に出力する。
受信信号がデータ信号であった場合には受信切り替え部13111〜131FNによって復号部1340に出力され、伝達係数行列演算部1330により決定された受信重みにより復号を行う。
また送信信号系列は、シリアル−パラレル変換部1110により、周波数分割多重数Fにそれぞれ伝達係数行列演算部1330で決定された空間分割多重数および変調方式に対応する信号系列に振り分けられ、それぞれ送信部1111〜111Fにより伝達係数行列演算部1330で決定された変調方式を適用され、1121〜112Fのマルチビーム形成部に出力される。マルチビーム形成部に入力された各信号系列は、伝達係数行列演算部1330で決定された送信重みをかけられた後、同一のアンテナに出力する信号は合成され、逆フーリエ変換部1131〜113Nの対応するポートに出力される。逆フーリエ変換部からの出力信号は、前記切り替え部を介し、アンテナ素子から送信される。
ここで伝達係数行列演算部1330ではマルチビーム形成部1121〜112Fで送信信号にかける送信重みを以下のようにして決定する。
送受信装置Aのアンテナ素子数をM、通信相手である送受信装置Bのアンテナ素子数をM、MをMとMのうち小さい方の数字とし、送受信装置Bから送受信装置Aへの通信を上り通信、送受信装置Aから送受信装置Bへの通信を下り通信とする。
上り通信においては、送受信装置Aでは、まず上り通信の伝達係数行列Hの推定を行う。伝達係数行列Hは、送受信装置Bから送受信装置A、Bで共に既知であるプリアンブル信号S(M×M行列)の送信を行い、送受信装置Aでは受信信号X(M×M)にプリアンブル信号の逆行列S −1(M×M行列)を乗算することで得ることができる。
伝達係数行列Hは下式のように特異値分解SVDにより、ユニタリ行列V(M×M行列)、U(M×M行列)及び固有値√λを対角要素とする対角行列Σ(M×M対角行列)に分けることができる。
Figure 2006121516
ここでHijは送受信装置Bのj番目のアンテナから送受信装置Aのi番目のアンテナまでの伝達係数を表し、Vijは上り通信における送受信装置Bのj番目の送信ビームに対するi番目のアンテナ素子に適用する送信重みであり、Uijは上り回線における送受信装置Aのj番目の送信ビームに対するi番目のアンテナの受信信号に適用する受信重みの複素共役となっている。ここで、固有値λは各パスの伝送容量の大きさを表す。上付きの添え字Hは共役複素転置行列を表す。
このようにして得られたVから、対応する固有値の大きいものから通信に用いる空間多重数Lだけ列ベクトルを選択し得られる上り送信ウェイトWを送受信装置Bの送信重みとし、U から通信に使用するL個の行ベクトルを選択し得られる上り受信ウェイトW´を送受信装置Aの受信重みとすることで、各信号で特異値λに対応する最大の伝送容量を実現することができる。WとW´を下式に示す。
Figure 2006121516
Figure 2006121516
L=Mとした上り通信においては、送受信装置Bで送信信号S(M×1ベクトル)に送信重みVを用いて送信することで、受信信号X(M×Lベクトル)は以下のように表せる。
Figure 2006121516
よって送信信号Sは受信信号Xに例えばUの共役複素転置行列を乗算することで、それぞれ対応する固有値の平方根を乗算された送信信号Sを得ることができ、各信号は固有値λだけ熱雑音Nに対する比(SN比)が高くなる。
同様にして、下り通信についても伝送品質を最大とする特異値分解による通信を行うことができる。
(Miyashita,K.;Nishimura,T.;Ohgane,T.;Ogawa,Y;Takatori,Y;KeizoCho;"High data-rate transmission with eigenbeam-space division multiplexing(E-SDM)in a MIMO channel,‘’Vehicular Technology Conference,2002.Proceedings.VTC 2002-Fall.2002 IEEE 56th,Volume:3,24-28 Sept.2002 Pages:1302_1306 vol.3).
上述した方法は最大の伝送容量を得ることを可能とするが、特異値分解の演算量が大きいことや、フィードバックが伝送速度を低下させるなどの問題を生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、著しく少ない演算量で送信重み、受信重みを決定することを可能とし、このときに推定誤差による生じる伝送品質の劣化を直交化法により低減することができ、高い伝送速度をもつ通信を実現できる、空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量の逆数の二乗を各行に乗算したものを用いることを特徴とする。
これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、直交化演算によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらに各ベクトルにあらかじめ求めた各行スカラー量の逆数を各行に乗算したものを用いることを特徴とする。
これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、電力値の高いものからグラム・シュミットの直交化法によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらにあらかじめ求めた各スカラー量の逆数を各行に乗算したものを用いることを特徴とする。
これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルを用い、それぞれ所定の電力で送信することを特徴とする。
これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、最大の通信容量を得ることができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、直交化演算を行い、それぞれ直交したベクトルに変換したものを用い、それぞれ所定の電力で送信することを特徴とする。
これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、電力の大きいベクトルからグラム・シュミットの直交化法により、それぞれ直交したベクトルに変換したものを用い、それぞれ所定の電力で送信することを特徴とする。
これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、前記推定した伝達係数行列の各列成分の電力値を通信相手が各ビームに用いた電力配分で補正した値と、雑音電力との比から、通信相手局における受信電力を推定し、適用する変調方式及び空間多重数、電力配分を決定することを特徴とする。
これにより、最も伝送品質が高くなる空間多重数と、変調方式、配分する電力を決定することができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信方法は、プリアンブル信号に送信重み付けがされているかの判断として、各シンボルタイミングで受信されるプリアンブル信号の受信レベルの順番が、予め規定した順番であるか検定し、ある指標以上であれば、送受信重みを用いたプリアンブル信号であると判別することを特徴とする。
これにより、プリアンブル信号に送信重み付けがされているかを容易に判断できる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量の逆数の二乗を各行に乗算して求める伝達係数行列演算部と、前記受信重みにより受信信号を復号する復号部とを備えることを特徴とする。
これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、直交化演算によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらに各ベクトルにあらかじめ求めた各行スカラー量の逆数を各行に乗算して求める伝達係数行列演算部と、前記受信重みにより受信信号を復号する復号部とを備えることを特徴とする。
これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、電力値の高いものからグラム・シュミットの直交化法によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらにあらかじめ求めた各スカラー量の逆数を各行に乗算して求める伝達係数行列演算部と、前記受信重みにより受信信号を復号する復号部とを備えることを特徴とする。
これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、前記プリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルを用い、それぞれ所定の電力に規格化して求める伝達係数行列演算部と、前記送信重みを送信信号に乗算する送信部とを備えることを特徴とする。
これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、最大の通信容量を得ることができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、前記プリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対して直交化演算を行い、それぞれ直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に規格化して求める伝達係数行列演算部と、前記送信重みを送信信号に乗算する送信部とを備えることを特徴とする。
これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、前記プリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、電力の大きいベクトルからグラム・シュミットの直交化法により、それぞれ直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に規格化して求める伝達係数行列演算部と、前記送信重みを送信信号に乗算する送信部とを備えることを特徴とする。
これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、前記推定した伝達係数行列の各列成分の電力値を通信相手が各ビームに用いた電力配分で補正した値と、雑音電力との比から、通信相手局における受信電力を推定し、適用する変調方式及び空間多重数、電力配分を決定することを特徴とする。
これにより、最も伝送品質が高くなる空間多重数と、変調方式、配分する電力を決定することができる。
また、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、プリアンブル信号に送信重み付けがされているかの判断として、各シンボルタイミングで受信されるプリアンブル信号の受信レベルの順番が、予め規定した順番であるか検定し、ある指標以上であれば、送受信重みを用いたプリアンブル信号であると判別することを特徴とする。
これにより、プリアンブル信号に送信重み付けがされているかを容易に判断できる。
本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、プリアンブル信号に送信重み付けがされている場合に、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量の逆数の二乗を各行に乗算したものを用いるようにしたので、これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる。
また本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、プリアンブル信号に送信重み付けがされている場合に、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、直交化演算によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらに各ベクトルにあらかじめ求めた各行スカラー量の逆数を各行に乗算したものを用いるようにしたので、これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、プリアンブル信号に送信重み付けがされている場合に、受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、電力値の高いものからグラム・シュミットの直交化法によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらにあらかじめ求めた各スカラー量の逆数を各行に乗算したものを用いるようにしたので、これにより、受信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信重みとして、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルを求め、それぞれ所定の電力に正規化したものを用いるようにしたので、これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、最大の通信容量を得ることができる。
また本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信重みとして、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、直交化演算を行い、それぞれ直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に正規化したものを用いるようにしたので、これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信重みとして、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、電力の大きいベクトルからグラム・シュミットの直交化法により、それぞれ直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に正規化したものを用いるようにしたので、これにより、送信重みを決定するために必要な演算量を著しく削減することができる効果に加えて、伝達係数行列の推定誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。
また本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、推定した伝達係数行列の各列成分の電力値を通信相手が各ビームに用いた電力配分で補正した値と、雑音電力との比から、通信相手局における受信電力を推定し、適用する変調方式及び空間多重数、電力配分を決定するようにしたので、これにより、最も伝送品質が高くなる空間多重数と、変調方式、配分する電力を決定することができる。
また本発明の空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置においては、プリアンブル信号に送信重み付けがされているかの判断として、各シンボルタイミングで受信されるプリアンブル信号の受信レベルの順番が、予め規定した順番であるか検定し、ある指標以上であれば、送信重みを用いたプリアンブル信号であると判別するようにしたので、これにより、プリアンブル信号に送信重み付けがされているかを容易に判断できる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
本発明の空間多重伝送用送受信装置の構成は、従来と共通であり、図1に示される通りである。図1において、符号1110はシリアル−パラレル変換部、1111〜111Fは送信部、1121〜112Fはマルチビーム形成部、1131〜113Nは逆フーリエ変換部、1201〜120Nは切り替え部、1211〜121Nはアンテナ素子、1301〜130Nはフーリエ変換部、13111〜131FNは受信切り替え部、1321〜132Fは伝達係数行列推定部、1330は伝達係数行列演算部、1340は復号部である。
アンテナ素子1211〜121Nで受信された信号は切り替え部1201〜120Nにより切り替えられ、フーリエ変換部1301〜130Nに出力される。フーリエ変換部では入力信号にフーリエ変換を行い、この受信信号がプリアンブル信号の場合は受信切り替え部13111〜131FNにより切り替えられ、伝達係数行列推定部1321〜132Fの対応するポートに入力される。ここで伝達係数行列推定部は各周波数帯における伝達係数行列を算出し、伝達係数行列演算部1330に出力する。伝達係数行列演算部1330は伝達係数行列から、受信重み、送信重み、変調方式、空間多重数の決定を行い、それぞれを後述する復号部1340、マルチビーム形成部1121〜112F、送信部1111〜111F、シリアル−パラレル変換部1110に出力する。
受信信号がデータ信号であった場合には、受信切り替え部13111−131FNによって復号部1340に出力され、伝達係数行列演算部1330により決定された受信重みにより復号を行う。
また送信信号系列は、シリアル−パラレル変換部1110により、周波数分割多重数Fにそれぞれ伝達係数行列演算部1330で決定された空間分割多重数および変調方式に対応する信号系列に振り分けられ、それぞれ送信部1111〜111Fにより伝達係数行列演算部1330で決定された変調方式を適用され、1121〜112Fのマルチビーム形成部に出力される。マルチビーム形成部に入力された各信号系列は、伝達係数行列演算部1130で決定された送信重みをかけられた後、同一のアンテナに出力する信号は合成され、逆フーリエ変換部1131〜113Nの対応するポートに出力される。逆フーリエ変換部からの出力信号は、前記切り替え部1201〜120Nを介し、アンテナ素子から送信される。
送受信装置Aのアンテナ素子数をM、通信相手である送受信装置Bのアンテナ素子数をMとした場合のある周波数帯における特異値分解により得られる送信ウェイトを用いた通信を考える。MをMとMのうち小さい方の数字とし、送受信装置Bから送受信装置Aへの通信を上り通信、送受信装置Aから送受信装置Bへの通信を下り通信とする。
送受信装置Aは、送受信装置Bより送信されたプリアンブル信号S(M×M行列)を受信し、伝達係数行列推定部1321〜132Fにおいて受信信号X(M×M)にプリアンブル信号の逆行列S −1(M×M行列)を乗算することで上り伝達係数行列Hを推定し、下り伝達係数行列Hを上り伝達係数行列Hの転置行列として得る。
図2は、上述した、伝達係数行列の推定手順を示すフローチャートであり、送受信装置Aは送受信装置Bから送信されるプリアンブル信号Sを受信し(ステップS11)、受信信号Xにプリアンブル信号Sの逆行列を乗算し、上り伝達係数行列Hを推定する(ステップS12)。また、上り伝達係数行列Hの転置行列により、下り伝達係数行列Hを求めることができる(ステップS13)。
送受信装置Bより送信されたプリアンブル信号が無指向性での送信であった場合、伝達係数行列演算部1330は上り伝達係数行列Hの特異値分解により得られるユニタリ行列V(M×M行列)から送信に用いる空間多重数L(L≦M)の列ベクトルを選択した送信ウェイトW(L×M行列)により送信を行う。
ここで送受信装置Bからのプリアンブル信号S(L×L行列)が、上り伝達係数行列Hの特異値分解により得られるユニタリ行列Vから、対応する固有値の大きい順に列ベクトルを選択することで得られる送信ウェイトW(M×L行列)で送信された場合について考える。このとき送受信装置Aで得られる受信信号Xは以下のように表せる。
Figure 2006121516
Figure 2006121516
Figure 2006121516
Dは電力配分行列(L×L行列)であり、a〜aは各ビームに用いる電力値を表し、W´は(3)式に定義した上り通信の受信ウェイトである。このようにして得られた受信信号Xにプリアンブル信号Sの逆行列を乗算することで、送信重み使用上り伝達係数行列Gは、送受信装置Aの伝達係数行列推定部1321〜132Fにより、下式のように求められる。
Figure 2006121516
前記伝達係数行列演算部1330において、例えば、1〜F番目の各周波数帯で、送信重み使用伝達係数行列Gから、受信重みを決定し、復号部1340に出力し、その伝搬環境の到来波方向、到来波数、レベル、遅延の推定をMUSIC法(Multiple Signal Classification)やESPRIT法(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)(Paulaj et al,‘ESPRIT−a subspace rotation approach to signal parameter estimation’,IEEE Proceeding,74(7),1044-1045,July1986)を用いて推定し、あらかじめ準備された重みの中から、その環境において所定の伝送品質の基準値を最大とするような重みを選択し、マルチビーム形成部1121〜112Fにおいて乗算される送信重みとして出力し、空間多重数及び変調多倍数を送信部1111〜111Fとシリアル−パラレル変換部1110に出力する。
また、前記伝達係数行列演算部1330は、対応する周波数帯の受信信号に乗算する受信重みを、推定した送信重み使用伝達係数行列の複素転置行列G の各行ベクトルのスカラー量の逆数の二乗を各行に乗算したものを用いる。(8)式で得られるG にこのような処理を行うと、行列Uはユニタリ行列であるために、各行ベクトルからL個のスカラー量√(aλ)〜√(aλ)が得られる。これらの逆数の二乗を各行ベクトルに乗算すると、得られる受信重みW″は以下のように表せる。
Figure 2006121516
上り通信において、データ信号S(L×1行列)が送信ウェイトWを用いて送信された場合、送信重み使用伝達係数行列Gと熱雑音Nを用いて、受信信号Xは以下のように表せる。
Figure 2006121516
よって送信信号Sは受信信号XにW″を乗算することで、以下のように得られる。
Figure 2006121516
下り通信においても同様にして受信重みを決定できる。
なお、図3は、上述した受信重みW″の算出手順を示すフローチャートであり、送受信装置Aは送受信装置Bから送信されるプリアンブル信号Sを受信し(ステップS21)、受信信号Xにプリアンブル信号Sの逆行列を乗算し、送信重み使用伝達係数行列Gを推定する(ステップS22)。また、送信重み使用伝達係数行列Gの複素転置行列G を求める(ステップS23)。そして、G の各行ベクトルのスカラー量√(aλ)〜√(aλ)の逆数の二乗を各行に乗算し(ステップS24)、受信重みW″を求め(ステップS25)、この受信重みW″を用いて復号部により、送受信装置Bから受信した受信信号を復号する(ステップS26)。
また、伝達係数行列演算部1330は、対応する周波数帯の受信信号に乗算する受信重みを求めるため、まず推定した送信重み使用伝達係数行列の複素転置行列G の各行ベクトルのスカラー量を求め、その逆数を各行に乗算する。(8)式で得られるG にこのような処理を行うと、行列Uはユニタリ行列であるために、各行ベクトルからL個のスカラー量√(aλ)〜√(aλ)が得られる。これらの逆数を各行ベクトルに乗算すると、誤差がなければ受信重み行列W´が得られるはずである。しかし、実際には推定には誤差が含まれており、この誤差が問題となる場合には、この補正を行う必要がある。
推定された受信重み行列W´の各行ベクトルは理論的にそれぞれ直交しているため、これらに直交化法を用い、直交するベクトルに変換することで得られるユニタリ行列に対し、対応するスカラー量√(aλ)〜√(aλ)の逆数を各行ベクトルに乗算することで、(9)式で得られた送信重みW″が得られ、推定誤差による影響を低減できる。下り通信においても同様にして受信重みを決定できる(ステップS27)。
また、前記伝達係数行列演算部1330は、対応する周波数帯の受信信号に乗算する受信重みをもとめるため、まず推定した送信重み使用伝達係数行列の複素転置行列G の各行ベクトルのスカラー量を求め、その逆数を各行に乗算する。(8)式で得られるG にこのような処理を行うと、行列Uはユニタリ行列であるために、各行ベクトルからL個のスカラー量√(aλ)〜√(aλ)が得られる。これらの逆数を各行ベクトルに乗算すると、誤差がなければ受信重み行列W´が得られるはずである。しかし、実際には推定には誤差が含まれており、この補正を行う必要がある。送信重みWを用いて送信が行われた場合、推定された受信重み行列W´の各行ベクトルに含まれる誤差は対応する固有値の小さいものほど大きい。よってグラム・シュミットの直交化法により、対応する固有値の大きい行ベクトルから直交化を行うことにより、推定誤差による伝送品質の劣化を防ぐことができる。
ここで、W´の行ベクトルを対応する固有値が大きいものから順に、u,u,・・・,uとおき、ベクトルv、wの内積を(v,w)と表すものとする。u´=uとしてグラム・シュミットの直交化法を行うと、
Figure 2006121516
以上のように直交ベクトルu´,u´,・・・,u´を新しく求めることができる。このu´,u´,・・・,u´にあらかじめ求めたL個のスカラー量√(aλ)〜√(aλ)の逆数を乗算したものを各行成分とする行列を受信重みとすることで、推定誤差の影響を低減できる。下り通信においても同様にして受信重みを決定できる。
直交化法を用いるかの判定を行う場合には、例えば、判定値として伝達係数行列から得られるノルムの値、またはスカラー量√(aλ)〜√(aλ)の値の全て、もしくはいずれかの値を用いることができ、この判定値があらかじめ定められた値より小さい場合には、直交化法を用いることを決定できる。
次に、前記伝達係数行列演算部1330おいて行なわれる、対応する周波数帯の送信信号に乗算する送信重みの決定について考える。
ここで、以下に整理のため上り伝達係数行列Hと送信重み使用上り伝達係数行列Gの関係を示す。
Figure 2006121516
下り伝達係数行列Hは上り伝達係数行列Hの転置行列になっているため、以下のように表すことができる。
Figure 2006121516
よって下り送信重みWは、上り受信重み行列W´の転置行列となっていることが分かる。
よって推定した送信重み使用上り伝達係数行列Gの各列成分の複素共役ベクトルを用い、それぞれ所定の電力に規格化したものを前記マルチビーム形成部1121〜112Fで送信信号に乗算する送信重みとすることで最大の通信容量を得ることができる。上り通信の送信重みも同様に下り通信の送信重み使用伝達係数行列から決定することができる。
なお、図4は、上述した送信重みの算出手順を示すフローチャートであり、送受信装置Aは送受信装置Bから送信されるプリアンブル信号Sを受信し(ステップS31)、受信信号Xにプリアンブル信号Sの逆行列を乗算し、送信重み使用伝達係数行列Gを推定する(ステップS32)。また、送信重み使用伝達係数行列Gの複素共役ベクトルを求め、それぞれを所定の電力に規格化して(ステップS33)、送信重みを決定し(ステップS34)、この送信重みをマルチビーム形成部1121〜112Fで送信信号に乗算する(ステップS35)。
また、前記伝達係数行列演算部1130は、対応する周波数帯に前記マルチビーム形成部で乗算する送信重みを、推定した伝達係数行列Gの各列成分の複素共役ベクトルに対し、直交化演算を行い、それぞれ直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に規格化したものを用いることで、伝達係数行列の誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。上り通信の送信重みも同様に下り通信の送信重み使用伝達係数行列から決定することができる(ステップS36)。
また、前記伝達係数行列演算部1330は、対応する周波数帯に前記マルチビーム形成部で乗算する送信重みを、推定した伝達係数行列Gの各列成分の複素共役ベクトルに対し、対応する固有値の大きいベクトルからグラム・シュミットの直交化法により、直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に規格化したものを用いることで、伝達係数行列の誤差による伝送品質の低減を防ぐことができる。上り通信の送信重みも同様に下り通信の送信重み使用伝達係数行列から決定することができる。
直交化法を用いるかの判定を行う場合には、例えば、判定値として伝達係数行列から得られるノルムの値、またはスカラー量√(aλ)〜√(aλ)の値の全て、もしくはいずれかの値を用いることができ、この判定値があらかじめ定められた値より小さい場合には、直交化法を用いることを決定できる。
また、前記伝達係数行列演算部1330は、対応する送信重みに用いる電力値として、伝達係数行列Gの各列成分のスカラー量√(aλ)〜√(aλ)を求め、あらかじめa〜aを知っておくことで固有値λ〜λを算出し、この固有値をもとに推定される各ストリームの信号対雑音比より、最も伝送品質が高くなる空間多重数と、変調方式、配分する電力を決定することができる。
信号対雑音比の指標としては、例えば固有値と熱雑音電力Pとの比λ/P〜λ/Pを用いることができ、変調方式としては256QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、16QAM、8PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、BPSK(Binary Phase Shift Keying)等の各種多値変調方式で所定の伝送品質を満たすものを適用し、所定の伝送品質に満たないストリーム数、空間多重数を減らして通信を行うことができる。
また、前記伝達係数行列演算部1330は、送信重みを用いたプリアンブル信号の送信を行う際に、各シンボルタイミングに用いる送信重みを、対応する固有値の大きさをあらかじめ規定された順番でプリアンブル信号に乗算する。
そして、受信時には、プリアンブル信号の受信レベルの順番を示すものとして、前記伝達係数行列おいて推定された伝達係数行列の各成分のスカラー量を求め、その絶対値の大きさの順番が、予め規定された順番となっているかを判定し、ある指標以上であれば、送信重みを用いたプリアンブル信号であると決定することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の空間多重伝送用送受信装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明によれば、特異値分解による空間分割多重を用いた通信において、固有モードで送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定することで、著しく少ない演算量で送信重み、受信重みを決定することを可能とし、このときに推定誤差による生じる伝送品質の劣化を直交化法により低減する効果を奏するので、本発明は空間多重伝送用送受信方法および空間多重伝送用送受信装置等に有用である。
従来および本発明の実施形態におけるマルチビームを形成する直交周波数分割多重を用いた空間多重伝送用送受信装置の構成例を示す図である。 伝達係数行列の推定手順を示すフローチャートである。 受信重みW″の算出手順を示すフローチャートである。 送信重みの算出手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1110 シリアル−パラレル変換部
1111〜111F 送信部
1121〜112F マルチビーム形成部
1131〜113N 逆フーリエ変換部
1201〜120N 切り替え部
1211〜121N アンテナ素子
1301〜130N フーリエ変換部
13111〜131FN 受信切り替え部
1321〜132F 伝達係数行列推定部
1330 伝達係数行列演算部
1340 復号部

Claims (16)

  1. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、
    送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、
    受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量の逆数の二乗を各行に乗算したものを用いること
    を特徴とする空間多重伝送用送受信方法。
  2. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、
    送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、
    受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、直交化演算によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらに各ベクトルにあらかじめ求めた各行スカラー量の逆数を各行に乗算したものを用いること
    を特徴とする空間多重伝送用送受信方法。
  3. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、
    送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、
    受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、電力値の高いものからグラム・シュミットの直交化法によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらにあらかじめ求めた各スカラー量の逆数を各行に乗算したものを用いること
    を特徴とする空間多重伝送用送受信方法。
  4. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、
    プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、
    送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルを用い、それぞれ所定の電力で送信すること
    を特徴とする空間多重伝送用送受信方法。
  5. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、
    プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、
    送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、直交化演算を行い、それぞれ直交したベクトルに変換したものを用い、それぞれ所定の電力で送信すること
    を特徴とする空間多重伝送用送受信方法。
  6. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信方法であって、
    プリアンブル信号から伝達係数行列を推定し、このプリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、
    送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、電力の大きいベクトルからグラム・シュミットの直交化法により、それぞれ直交したベクトルに変換したものを用い、それぞれ所定の電力で送信すること
    を特徴とする空間多重伝送用送受信方法。
  7. 前記推定した伝達係数行列の各列成分の電力値を通信相手が各ビームに用いた電力配分で補正した値と、雑音電力との比から、通信相手局における受信電力を推定し、適用する変調方式及び空間多重数、電力配分を決定すること
    を特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の空間多重伝送用送受信方法。
  8. プリアンブル信号に送信重み付けがされているかの判断として、各シンボルタイミングで受信されるプリアンブル信号の受信レベルの順番が、予め規定した順番であるか検定し、ある指標以上であれば、送受信重みを用いたプリアンブル信号であると判別すること
    を特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の空間多重伝送用送受信方法。
  9. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、
    送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、
    受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量の逆数の二乗を各行に乗算して求める伝達係数行列演算部と、
    前記受信重みにより受信信号を復号する復号部と
    を備えることを特徴とする空間多重伝送用送受信装置。
  10. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、
    送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、
    受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、直交化演算によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらに各ベクトルにあらかじめ求めた各行スカラー量の逆数を各行に乗算して求める伝達係数行列演算部と、
    前記受信重みにより受信信号を復号する復号部と
    を備えることを特徴とする空間多重伝送用送受信装置。
  11. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、
    送信重み付けを行われて送信されたプリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、
    受信重みとして、推定した伝達係数行列の複素転置行列をとり、各行成分のスカラー量を算出した後、各行成分ベクトルに対し、電力値の高いものからグラム・シュミットの直交化法によりそれぞれ直交したベクトルに変換し、さらにあらかじめ求めた各スカラー量の逆数を各行に乗算して求める伝達係数行列演算部と、
    前記受信重みにより受信信号を復号する復号部と
    を備えることを特徴とする空間多重伝送用送受信装置。
  12. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、
    プリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、
    前記プリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルを用い、それぞれ所定の電力に規格化して求める伝達係数行列演算部と、
    前記送信重みを送信信号に乗算する送信部と
    を備えることを特徴とする空間多重伝送用送受信装置。
  13. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、
    プリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、
    前記プリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対して直交化演算を行い、それぞれ直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に規格化して求める伝達係数行列演算部と、
    前記送信重みを送信信号に乗算する送信部と
    を備えることを特徴とする空間多重伝送用送受信装置。
  14. 複数のアンテナ素子を備え、受信したプリアンブル信号から伝搬環境に適した送信重みを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで空間分割多重を用いて送受信する空間多重伝送用送受信装置であって、
    プリアンブル信号から伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定部と、
    前記プリアンブル信号が送信重み付けを行われて送信されたものである場合に、送信する際に適用する送信重みを、推定した伝達係数行列の各列成分の複素共役ベクトルに対し、電力の大きいベクトルからグラム・シュミットの直交化法により、それぞれ直交したベクトルに変換し、それぞれ所定の電力に規格化して求める伝達係数行列演算部と、
    前記送信重みを送信信号に乗算する送信部と
    を備えることを特徴とする空間多重伝送用送受信装置。
  15. 前記推定した伝達係数行列の各列成分の電力値を通信相手が各ビームに用いた電力配分で補正した値と、雑音電力との比から、通信相手局における受信電力を推定し、適用する変調方式及び空間多重数、電力配分を決定すること
    を特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の空間多重伝送用送受信装置。
  16. プリアンブル信号に送信重み付けがされているかの判断として、各シンボルタイミングで受信されるプリアンブル信号の受信レベルの順番が、予め規定した順番であるか検定し、ある指標以上であれば、送受信重みを用いたプリアンブル信号であると判別すること
    を特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の空間多重伝送用送受信装置。

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