JP2002227922A - 防振支持装置並びにこれを用いた冷蔵庫及び圧縮機 - Google Patents

防振支持装置並びにこれを用いた冷蔵庫及び圧縮機

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JP2002227922A
JP2002227922A JP2001022912A JP2001022912A JP2002227922A JP 2002227922 A JP2002227922 A JP 2002227922A JP 2001022912 A JP2001022912 A JP 2001022912A JP 2001022912 A JP2001022912 A JP 2001022912A JP 2002227922 A JP2002227922 A JP 2002227922A
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compressor
vibration
refrigerator
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Masahiko Inoue
雅彦 井上
Toshihiko Horiuchi
敏彦 堀内
Hajime Konno
元 紺野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防振支持装置において、支持する機構部と支持
部材との設置状態に影響を与えることなく、防振支持に
使用するコイルばねのサージングの周波数を容易に調整
できるようにすること。 【解決手段】振動源を有する機構部1を支持部材4に所
定間隔を保って複数箇所で防振支持するコイルバネ3を
備えており、機構部1と支持部材4との所定間隔を保持
した状態で、コイルバネ3のサージング周波数を調整す
る調整部材5をコイルバネ3に着脱可能または移動可能
に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振支持装置並び
にこれを用いた冷蔵庫及び圧縮機に係り、特に防振支持
用コイルばねを有する防振支持装置並びにこれを用いた
冷蔵庫及び圧縮機に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に回転機械等、運動する部分を有
する機械構造物では、振動源を有する機構部を支持部材
に所定間隔を保って複数個所で防振支持するコイルバネ
を備えた防振支持装置により、その振動を周囲に伝えな
いようにしている。例えば、圧縮機を内蔵した冷蔵庫に
おいては、冷媒を循環させる圧縮機が冷蔵庫箱体の底板
にコイルバネにより防振支持されている。さらに、圧縮
機内部においては、その駆動部分がコイルバネにより防
振支持されている。このようにすることにより、圧縮機
及び圧縮機内部で発生する振動を支持部材側へ伝播しな
いようにして、振動や騒音の低減を図っている。このよ
うな防振支持に使用されるコイルばねは、それに載せら
れるものの質量とコイルばねの剛性とからなる振動系の
固有振動数が低くなるように、剛性を十分柔らかくし
て、圧縮機及び圧縮機内部で生じる高周波数の振動をそ
の支持部材側に伝達しないようにしている。
【0003】圧縮機の振動及び騒音の低減に関して、特
開平4−347431号公報(従来技術1)に示されて
いるように、圧縮機の振動を効果的に防止でき、多種の
圧縮機に適用できて汎用性に優れた振動減衰装置を提供
するために、底フレームにコイルバネを介して取り付け
られる架台と、この架台に載置して固定される圧縮機
と、架台に設けられた張り出し部と、ゴム柱を介して架
台の張り出し部に固定される重錘からなる動吸振器とを
備えた圧縮機の振動減衰装置がある。
【0004】また、特開平9−250457号公報(従
来技術2)に示されているように、エアコンプレッサの
低騒音化を図るために、空気タンクと、空気タンク内へ
空気を圧縮充填するコンプレッサユニットとを結合した
エアコンプレッサにおいて、レールまたはガイドへ錘を
走行自在に装着し、錘の走行方向の前後両側にバネある
いは磁石の組合せ等による弾発手段を介装して錘をレー
ルまたはガイドの走行範囲の中間位置に安定させた動吸
振器を空気タンク内に装置し、動吸振器の共振周波数を
コンプレッサユニットの発生する振動の基本周波数とほ
ぼ等しく設定したエアコンプレッサがある。
【0005】また、振動や騒音の低減を目的としたコイ
ルばねに関しては、特開2000−104773号公報
(従来技術3)に示されているように、コイルバネの線
間接触もしくは相互衝突に基づく打音の発生を防止する
ために、リボン状の高分子材を小巻径の螺旋状に成形し
てなる消音チューブ2で、コイル1に間隙3を残しある
いは残すことなく巻付けて、コイル1の線材同士の直接
接触を避け、同時に受け座に対しても線材と受け座の地
金とが直接当接することを避けるようにするものがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】防振支持に使用される
コイルばねは、前述のように防振支持系としての固有振
動数を十分低くして、高振動数での振動伝達を抑制する
ことを目的として用いられる。しかし、例えば『実用機
械振動学』(理工学社、1984年、151頁から15
4頁)に記載されているように、コイルばねには、コイ
ルばね自身の質量と剛性から形成される共振であるサー
ジングと呼ばれる振動現象がある。このサージングの振
動数fHzは、コイルばねの質量mkg、コイルばねの剛性
kN/mとすると、次の式(1)で与えられる。
【0007】
【数1】
【0008】このサージングの振動数fHzは、等間隔に
固有振動数が現れるため、いずれかの振動数において共
振を励起することによって、コイルバネの防振効果が低
減されるという問題がある。
【0009】このコイルバネのサージングを防止する方
法としては、コイルバネを取り付けるばね座に防振ゴム
を介在させる方法があるが、温度や薬品類の影響など環
境によっては防振ゴムを使用することが困難な場合もあ
り、また、防振支持装置の高さ等の設置状態を変えられ
ないことにより防振ゴムを使用することが困難な場合も
あり得る。
【0010】そこで、上述した従来技術1及び2に示さ
れているように、支持部以外の他の部分に動吸振器を取
り付ける方法が考えられている。しかし、この従来技術
1及び2では、ある1つの共振を低減することは可能で
あるが、サージングの周波数は複数点で生じるため、こ
の対策には適していない。
【0011】そして、上述した従来技術3では、コイル
ばねの線材間の接触を物理的に妨げることによってコイ
ルばねから発生する騒音は防げるものの、サージングが
発生することにより、振動が他に伝達されて騒音及び振
動の原因になってしまうことに対しては配慮されていな
い。また、あらかじめ、振動源の周波数や他の部品の固
有振動数を考慮して、それを避けるように防振支持のコ
イルばねを設計することも可能であるが、あらゆる振動
状態を予測することは困難であり、さらに、インバータ
の利用により圧縮機の回転数が変化して励振力の周波数
が変動する場合には、そのような設計を当初から行うこ
とは難しい。
【0012】そこで、サージングの原因であるコイルば
ね自体の振動特性を調整することができれば、防振支持
装置における共振を避けることが容易になり、防振支持
装置を用いた冷蔵庫や圧縮機等の設計開発段階におい
て、防振支持系の共振特性を変化させてその影響を調べ
たり、検査の段階において個々の特性のばらつきを考慮
して微調整を施したりすることが行え、また、同一のコ
イルバネでも、設置された状態において使用環境に応じ
た微妙な調整を行うことが可能になり有用である。
【0013】本発明の目的は、支持する機構部と支持部
材との設置状態に影響を与えることなく、防振支持に使
用するコイルばねのサージングの周波数を容易に調整す
ることが可能で、低振動、低騒音の防振支持装置、冷蔵
庫及び圧縮機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の代表的な発明の1つである防振支持装置は、
振動源を有する機構部を支持部材に所定間隔を保って複
数箇所で防振支持するコイルバネを備えた防振支持装置
において、前記機構部と前記支持部材との所定間隔を保
持した状態で、前記コイルバネのサージング周波数を調
整する調整部材を前記コイルバネに着脱可能または移動
可能に配置したものである。
【0015】また、上記目的を達成するための本発明の
代表的な発明の1つである冷蔵庫は、冷媒を循環させる
圧縮機と、前記圧縮機を防振支持する線材を螺旋状に巻
いたコイルばねと、前記コイルばねを配置する支持部材
とを備えた冷蔵庫において、前記コイルばねの螺旋状に
巻いた中間部に他の部分よりも巻き径が大きい拡大部を
形成し、前記コイルバネの質量を変えてサージング周波
数を調整するための調整用錘を前記拡大部に着脱可能取
り付けたものである。
【0016】また、上記目的を達成するための本発明の
代表的な発明の1つである圧縮機は、冷媒等の吸入及び
排出を繰り返す機構部と、前記機構部を防振支持するた
めの線材を螺旋状に巻いたコイルばねと、これらを内蔵
する容器とを備えた圧縮機において、前記コイルばねを
設置する前記容器の座面に前記コイルばねの内径よりも
小さい直径を有する円柱部を設け、前記コイルばねと前
記円柱部との間に筒状の固定部材をはさみ込むように前
記コイルばねを着脱可能に前記容器の座面に取り付けた
ものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施例を図を用
いて説明する。なお、第2実施例以降の説明では、第1
実施例と重複する部分の説明を一部省略する。また、各
実施例の図における同一符号は同一物又は相当物を示
す。
【0018】まず、本発明の第1実施例を図1及び図2
を用いて説明する。図1は本発明の第1実施例の冷蔵庫
における圧縮機の設置状態を示す図、図2は図1のコイ
ルバネに調整用錘を取り付ける方法を説明する図であ
る。なお、図2(a)は側面図、図2(b)は平面図で
ある。
【0019】冷蔵庫における防振支持装置は、圧縮機1
の複数箇所の脚部2を支持するコイルばね3と、このコ
イルばね3を載置する底板4と、コイルばね3の拡大部
3aに着脱可能に取り付けられる調整用錘5とにより構
成されている。
【0020】冷媒を循環させる圧縮機1は、内部に振動
源となる電動機部及び圧縮機構部を有する機構部を構成
するものであり、底面の複数箇所に設けられた脚部2を
防振のためのコイルばね3によって所定間隔を保持した
状態で支持され、冷蔵庫の底板4上に配置されている。
この圧縮機1は、冷蔵庫の運転設定に基づいてインバー
タにより電動機部が回転数制御され、この電動機部によ
り駆動される圧縮機構部で冷媒を圧縮して循環させる。
なお、底板4は圧縮機1の支持部材として機能するもの
である。
【0021】コイルばね3は、線材を螺旋状に巻いて形
成しており、その中間部に他の部分よりも巻き径を大き
くした拡大部3aを設けてある。このコイルばね3は、
上端部が圧縮機1の脚部2に固定され、下端部が底板4
に固定されて取り付けられている。なお、コイルばね3
の拡大部3aは、1個所に限らず複数個所に設け、ま
た、さらに大きく設けてもよい。
【0022】調整用錘5は、コイルバネ3のサージング
周波数を調整する調整部材を構成するものであり、コイ
ルバネ3の拡大部3aに着脱可能に取り付けられる。こ
の調整用錘5は、図2(a)に示すように、コイルばね
3の線材の径に合わせた溝5aが開けてあり、この溝5
aの奥側の側面に突起部6を設けてあるので、この溝5
a内に拡大部3aが挿入されるように、調整用錘5をコ
イルバネ3の側方から拡大部3aに押しつけて取り付け
る。この際、調整用錘5の溝5aの両側部分が弾性変形
してコイルばね3の拡大部3aが突起部6を通過するこ
とにより溝5aの最奥部に挿入され、これによって、調
整用錘5が自発的に外れないように拡大部3aにはめ込
まれると共にガタや滑りがなく取り付けることができ
る。調整用錘5を外すには、調整用錘5を側方外方に引
っ張ることにより、調整用錘5の溝5aの両側部分が弾
性変形し、コイルばね3の拡大部3aが突起部6を通過
して溝5aから取り外すことができる。このように、調
整用錘5は、コイルばね3の中間部に着脱可能に取り付
けられるので、圧縮機1と底板4との設置状態を変更す
ることなく、取り付けることができる。
【0023】なお、突起部6を設けない場合には、調整
用錘5をコイルばね3に取り付けた後に、調整用錘5を
ペンチ等によりはさんでかしめることによって取り付け
ることができるが、この調整用錘5を取り外す場合に
は、調整用錘5の溝5aをペンチ等で拡大して取り外す
ことが必要である。
【0024】以上のことから、調整用錘5は、密度が高
く、かつ弾性を有し、また、かしめによる塑性変形も可
能な鉄などの金属にすることが望ましい。
【0025】また、コイルばね3の拡大部3aを大きく
する量は、取り付ける調整用錘5の溝5aの奥行きより
も大きくとっている。これにより、コイルばね3が上下
方向に振動した際に、調整用錘5がコイルばね3の他の
部分に衝突することがなく、衝突音やコイルばね3の損
傷等を防止することができる。
【0026】かかる冷蔵庫は、その設計開発段階におい
て防振支持装置の共振特性を変化させその影響を調べて
調整用錘5を調整したり、製作後の検査の段階において
個々の防振支持装置の特性のばらつきを考慮して調整用
錘5を調整したりすることが行える。
【0027】例えば、質量の異なる調整用錘5を複数個
備えておくことにより、防振支持装置を冷蔵庫に実装し
た状態で、調整を行う際に圧縮機1を内蔵した冷蔵庫箱
体のカバーを取り外して調整用錘5を取り換えて調整す
ることが可能であり、運転したままの状態で振動や騒音
の違いを比べながらその取り換え作業を行うことができ
ると共に、コイルばね3に質量の異なる調整用錘5を取
り換えるだけでコイルばね3のサージング周波数の変更
が可能となり、コイルばね3のサージング周波数を容易
に調節することができる。従って、コイルばね3に加わ
る励振力の周波数とサージング周波数とをずらすことが
でき、防振効果の低減を防ぐことが可能となり、冷蔵庫
の低振動、低騒音化が図れる。
【0028】また、コイルばね3ごとに調整用錘5の質
量を変えたり、あるいは、調整用錘5を付けたり、付け
なかったりすることにより、各々のコイルばね3のサー
ジング周波数が互いに異なってくるため、サージングが
同時に励起しなくなり、共振時の振幅を低減することが
できる。
【0029】また、同一形状のコイルバネ3でも、設置
された状態において使用環境に応じた微妙なサージング
周波数の調整を行うことが可能になり、極めて有用であ
る。
【0030】次に、調整用錘5の変形例を図3を用いて
説明する。図3は図1のコイルばねに異なる調整用錘を
取り付けた状態の側面図である。
【0031】この調整用錘5は、上下に張り出した縁部
7を設けており、コイルばね3の線材に接するようにし
ている。これにより、コイルばね3が振動した際に、調
整用錘5の縁部7とコイルばね3の線材との間で摩擦を
生じさせることができる。この摩擦による振動の減衰効
果によりサージングが生じた際の振幅を抑制することが
可能となる。
【0032】次に、本発明の第2実施例を図4及び図5
を用いて説明する。図4は本発明の第2実施例の冷蔵庫
における圧縮機の設置状態を示す図、図5は図4のコイ
ルバネに捩れ部材を取り付ける方法を説明する図であ
る。なお、図4(a)は側面図、図4(b)は断面図で
ある。
【0033】圧縮機1は、脚部2を防振用のコイルばね
3によって支持され、冷蔵庫の底板4に配置されてい
る。コイルばね3には捩れ部材8が巻き付けられてい
る。この捩れ部材8は、金属あるいはプラスチック等で
できており、その内側の角部にコイルばね3の線材の直
径に合った曲率を与えてあり、線材間に密着できるよう
になっている。
【0034】また、捩れ部材8はコイルばね3と同じピ
ッチを与えることが望ましく、これにより捩れ部材8を
取り付けても全体の高さに変化を与えない。さらに、捩
れ部材8は人の手によって曲げられる程度の剛性にして
おくことにより、コイルばね3が実装された状態でも、
図5に示すように捩れ部材8の両端を捩るようにして間
隔を広げることで、コイルばね3の横方向から容易に装
着することができる。従って、調整を行う際には圧縮機
1を内蔵した冷蔵庫箱体のカバーを取り外して、振動や
騒音の発生を確認しながら、捩れ部材8のつけはずしを
行ったり、取り付ける位置や数を変えたりしながら調整
することが可能である。なお、捩れ部材8の大きさが異
なるものを数種類用意することにより、コイルばね3に
付加する質量を調節することもでき、また、装着する位
置や個数も任意に選定することができる。
【0035】以上の構成により、本実施例で示した冷蔵
庫は、コイルばね3を実装した状態で、捩れ部材8をコ
イルばね3に任意の状態で装着でき、有効巻き数を変化
させて剛性を変えたり、また、捩れ部材8を錘として用
いてコイルばね3の質量を変えたりすることによって、
コイルばね3のサージング周波数を調節することが可能
である。従って、コイルばね3に加わる励振力の周波数
とサージング周波数をずらすことによって、防振効果の
低減を防止することができ、低振動、低騒音化に適した
冷蔵庫を提供することができる。また、コイルばね3ご
とに捩れ部材8の取付け状態を変えることにより、コイ
ルばね3のサージング周波数が互いにずれるため、サー
ジングが同時に生じなくなり、共振による振動振幅を抑
制できる。
【0036】次に、本発明の第3実施例を図6を用いて
説明する。図6は本発明の第3実施例の冷蔵庫における
圧縮機の設置状態を示す図である。
【0037】本実施例おいて、圧縮機1がその脚部2に
おいてコイルばね3に支持され、底板4に配置されてい
る。そして、冷蔵庫箱体9の底板4には移動のためのキ
ャスター10が付けられており、底板4と床面11との
間に隙間を形成するようになっている。また、コイルば
ね3の下端は底板4に固定されており、コイルばね3の
中央に位置する底板4の部分にはコイルばね3の外径よ
りも小さい直径を持った穴が開けられている。
【0038】この穴を通して底板4の下側からコイルば
ね3の内側に金属またはプラスチック等からなるネジ状
部材12が挿入されている。ネジ状部材12のネジ山の
ピッチはコイルばね3のピッチに合わせてあり、かつ、
ネジ山の谷の部分がコイルばね3の線材の外径と合わせ
てあるため、ネジ状部材12を回転させることによっ
て、ネジ状部材12をコイルばね3に密着させた状態で
ねじ込むことができ、コイルばね3の動きを拘束するこ
とができる。従って、冷蔵庫を設置した状態において、
底板4の下側からスパナ等の工具を用いて、ネジ状部材
12を回転させてねじ込み量を調節することができる。
これにより、冷蔵庫を運転して振動や騒音を計測しなが
ら、ネジ上部材2のねじ込み量の調整が可能になる。
【0039】本実施例により、冷蔵庫を設置した状態
で、ネジ状部材12の任意の長さをコイルばね3内に挿
入して拘束することが可能となるため、コイルばね3の
設置高さを変えることなく、コイルばね3の有効巻き数
を自由に変更することができ、コイルばね3の剛性を変
えて、サージング周波数を容易に調節することが可能と
なる。従って、コイルばね3に加わる励振力の周波数と
サージング周波数とをずらすことによって、防振効果の
低減を防ぐことが可能となるため、冷蔵庫の低振動、低
騒音化が行える。
【0040】また、コイルばね3ごとにネジ状部材12
をねじ込む量を変えることにより、各コイルばね3のサ
ージング周波数が互いにずれるために、同時に共振を起
こさなくなり、振動を抑えることができる。
【0041】次に、本発明の第4実施例を図7を用いて
説明する。図7は本発明の第4実施例の冷蔵庫における
圧縮機の設置状態を示す図である。
【0042】本実施例において、圧縮機1は、脚部2を
コイルばね3によって支持され、底板4上に配置されて
いる。そして、コイルばね3には、粘性を有するシート
状の高分子材13を巻き付けてある。高分子材13はコ
イルばね3に比べて十分に柔軟であり、コイルばね3の
剛性にはほとんど影響を与えないが、粘性を有してお
り、振動によってコイルばね3の線材間の距離が変化す
る際にサージング周波数の減衰を行うことが可能であ
る。また、コイルばね3が振動した際、線材と高分子材
13との間に摩擦を生じることによっても減衰の効果を
得ることが可能である。
【0043】また、調整を行う際には圧縮機1を内蔵し
た冷蔵庫箱体のカバーを取り外せば、そのままの状態で
調整作業を行うことが可能である。さらには、冷蔵庫の
運転状態において、発生する振動や騒音を確認しなが
ら、高分子材13を巻き付けることで確実な調整が行え
る。この際、高分子材13はコイルばね3の全長に渡っ
て巻き付けてもよく、任意の長さだけ用いてもよい。し
かも、粘性が異なる複数の高分子材13を予め用意して
おくことで調整の幅が広がり、作業が容易になる。ま
た、高分子材13の内側に粘性剤を塗布することによっ
て粘性を与えてもよい。
【0044】本実施例で示した冷蔵庫によれば、コイル
ばね3を実装した状態で防振用のコイルばね3の線材の
動きに対して減衰を付与することが可能となり、サージ
ングが生じた際にその振幅を低減できる。これにより、
防振効果の低減を抑制することができ、冷蔵庫の低振
動、低騒音化に寄与できる。
【0045】次に、本発明の第5実施例を図8を用いて
説明する。図8は本発明の第5実施例の圧縮機の断面図
である。
【0046】圧縮機1は、電動機部や圧縮機構部などか
らなる機構部14と、それを複数個所で防振支持するコ
イルばね3と、それらを内蔵する容器15とを備えてい
る。容器15のコイルばね3を設置する座面16の中央
にコイルばね3の内径よりも小さい直径を持つ円柱部1
7を設けてある。コイルばね3は、円柱部17を中心に
して配置しており、コイルばね3と円柱部17との間に
筒状の固定部材18を挟み込むことによって固定されて
いる。これにより、コイルばね3の固定部材18に接し
た部分は動きが拘束される。従って、筒状になった固定
部材18の長さを変えることによって、コイルばね3を
拘束する範囲を変えることができ、同一のコイルばね3
を用いても全体の長さを変えることなく、ばねとしての
有効な長さを調整することが可能になる。
【0047】なお、固定部材18の材質は、振動による
摩擦が発生すること、また、容器15内の高温な環境
や、冷媒や潤滑油といった化学物質に触れることから、
鉄などの金属製にすることが望ましい。
【0048】また、圧縮機1の組み立てにあたっては、
容器15は蓋部15aと底部15bとに別れており、底
部15bにコイルばね3を取り付ける際に固定部材18
を挟み込むことが可能である。また、蓋部15aを取り
付けない状態で、機構部14とコイルばね3からなる振
動系の特性を調べて、固定部材18の長さを変えて調節
を行うことができる。さらに、固定部材18の長さが異
なる圧縮機1を試作して、それらの振動や騒音を比較す
ることによって確認することも可能である。また、調整
にあたっては、長さの異なる固定部材18を予め用意し
ておくことにより、作業が容易になる。
【0049】以上の構成により、本実施例の圧縮機1で
は、コイルばね3自体を変更することなく、固定部材1
8によってそのコイルばね3の有効巻き数を調節するこ
とができ、コイルばね3の持つサージング周波数を容易
に調整することが可能となる。従って、コイルばね3に
加わる励振力の周波数とサージング周波数とをずらすこ
とによって、防振効果の低減を防ぐことが可能となるた
め、圧縮機の低振動、低騒音化を図ることが可能であ
る。
【0050】また、1台の圧縮機の中で固定部材18の
長さが相異なるものを用いることにより、個々のコイル
ばね3の有するサージング周波数を互いにずらすことが
できるため、全てのコイルばね3が同時にサージングを
発生することがなくなり、共振した場合の振動が抑えら
れる。
【0051】次に、本発明の第6実施例を図9及び図1
0を用いて説明する。図9は本発明の第6実施例の圧縮
機の断面図、図10は図9のコイルバネを取り付ける方
法を説明する図である。
【0052】圧縮機1は、機構部14とそれを支持する
コイルばね3とそれらを内蔵する容器15とを備えてい
る。コイルばね3の端部には接続治具19が取り付けら
れている。図10に詳細を示すように、接続治具19
は、コイルばね3の下端部を固定し、その下側にコイル
ばね3の内径よりも大きい直径を有した円柱状の部分を
備えており、かつ、その底面には凹部21が設けてあ
る。一方、コイルばね3を設置する容器15の座面16
には凸部20が設けてあり、接続治具19の凹部を座面
16の凸部20にはめ込むことによって、接続治具19
を容器15に固定することができる。
【0053】なお、接続治具19は、容器15内の温度
ならびに冷媒や潤滑油といった化学物質の環境によって
影響を受けない鉄などの金属製にすることが望ましい。
【0054】そして、コイルばね3及び接続治具19は
それぞれ長短に形成されており、長さが短いコイルばね
3に対しては、接続治具19の円柱状になった部分の長
さが長いものを組合せることによって、座面16から装
置部14までの距離を一定に保つことができる。従っ
て、そのような組み合せにすることで支持高さを変える
ことなく、長さの異なるコイルばね3を用いることが可
能になる。
【0055】また、容器15の蓋部15aを取り付けな
い状態で、装置部14とコイルばね3からなる振動系の
特性を調べて、コイルばね3の長さが異なる組み合せに
交換して調節を行うことができる。さらに、コイルばね
3の長さが異なる組み合せの圧縮機1を試作して、それ
らの振動や騒音を比較することによって確認することも
可能である。また、このような組み合せのコイルばね3
と接続治具19を複数組予め用意しておくことにより、
これらを交換することによって変更が容易に行える。
【0056】以上の構成により、本実施例では、接続治
具19を用いることによって、座面16から装置部14
までの距離を変更することなく、すなわち、支持高さを
変えることなく、長さの異なるコイルばね3を用いるこ
とができ、サージング周波数を変更することが可能とな
る。従って、コイルばね3に加わる励振力の周波数とサ
ージング周波数とをずらすことによって、防振効果の低
減を防ぐことが可能となるため、低振動、低騒音化に適
した圧縮機を得ることができる。
【0057】また、1台の圧縮機の中で、長さが異なる
コイルばね3を利用することにより、個々のコイルばね
3の持つサージング周波数を互いにずらすことができる
ため、全てのコイルばね3が同時にサージングを発生す
ることがなくなり、コイルばね3が共振した場合でも振
動を低減できる。
【0058】以上に示した実施例は、いくつかの実施例
を併用することも可能であり、様々な構成が有り得る。
また、エアコン等の圧縮機を用いた他の機器に対しても
適用することが可能であり、圧縮機以外の振動を発生す
る装置、例えば、モーターやエンジン等の防振支持装置
に応用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
支持する機構部と支持部材との設置状態に影響を与える
ことなく、防振支持に使用するコイルばねのサージング
の周波数を容易に調整することが可能で、低振動、低騒
音の防振支持装置、冷蔵庫及び圧縮機を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の冷蔵庫における圧縮機の
設置状態を示す図である。
【図2】図1のコイルバネに調整用錘を取り付ける方法
を説明する図である。
【図3】図1のコイルばねに異なる調整用錘を取り付け
た状態の側面図である。
【図4】本発明の第2実施例の冷蔵庫における圧縮機の
設置状態を示す図である。
【図5】図4のコイルバネに捩れ部材を取り付ける方法
を説明する図である。
【図6】本発明の第3実施例の冷蔵庫における圧縮機の
設置状態を示す図である。
【図7】本発明の第4実施例の冷蔵庫における圧縮機の
設置状態を示す図である。
【図8】本発明の第5実施例の圧縮機の断面図である。
【図9】本発明の第6実施例の圧縮機の断面図である。
【図10】図9のコイルバネを取り付ける方法を説明す
る図である。
【符号の説明】
1…圧縮機(機構部)、2…脚部、3…コイルばね、3
a…拡大部、4…底板(支持部材)、5…調整用錘(調
整部材)、6…突起部、7…縁部、8…捩れ部材(調整
部材)、9…冷蔵庫箱体、10…キャスター、11…床
面、12…ネジ状部材(調整部材)、13…高分子材
(調整部材)、14…機構部、15…容器、15a…蓋
部、15b…底部、16…座面、17…円柱部、18…
固定部材(調整部材)、19…接続治具(調整部材)、
20…凸部、21…凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 紺野 元 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立栃木テクノロジー内 Fターム(参考) 3J048 AA02 BC02 BE12 BF04 CB23 DA03 EA09 3J059 AA08 AC03 BA05 BB07 BB08 BD01 DA23 DA25 GA21 GA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動源を有する機構部を支持部材に所定間
    隔を保って複数箇所で防振支持するコイルバネを備えた
    防振支持装置において、前記機構部と前記支持部材との
    所定間隔を保持した状態で、前記コイルバネのサージン
    グ周波数を調整する調整部材を前記コイルバネに着脱可
    能または移動可能に配置したことを特徴とする防振支持
    装置。
  2. 【請求項2】冷媒を循環させる圧縮機と、前記圧縮機を
    防振支持する線材を螺旋状に巻いたコイルばねと、前記
    コイルばねを配置する支持部材とを備えた冷蔵庫におい
    て、前記コイルばねの螺旋状に巻いた中間部に他の部分
    よりも巻き径が大きい拡大部を形成し、前記コイルバネ
    の質量を変えてサージング周波数を調整するための調整
    用錘を前記拡大部に着脱可能に取り付けたことを特徴と
    する冷蔵庫。
  3. 【請求項3】冷媒を循環させる圧縮機と、前記圧縮機を
    防振支持する線材を螺旋状に巻いたコイルばねと、前記
    コイルばねを配置する支持部材とを備えた冷蔵庫におい
    て、前記コイルばねを同一ピッチで螺旋状に巻いて形成
    し、前記コイルバネと同じピッチを有する捩れ部材を前
    記コイルばねの線材と線材との間に密着して着脱または
    移動可能に巻き付けたことを特徴とする冷蔵庫。
  4. 【請求項4】冷媒を循環させる圧縮機と、前記圧縮機を
    防振支持する線材を螺旋状に巻いたコイルばねと、前記
    コイルばねを配置する底板とを備えた冷蔵庫において、
    前記支持部材に前記コイルばねの下端部を固定し、前記
    支持部材の前記コイルばねを配置した位置の中心に前記
    コイルばねの外径よりも小さい穴部を設け、前記コイル
    ばねと同じピッチを有したネジ状部材を前記穴部を通し
    て前記コイルばねの内側に密着して移動可能に挿入した
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 【請求項5】冷媒等の吸入及び排出を繰り返す機構部
    と、前記機構部を防振支持するための線材を螺旋状に巻
    いたコイルばねと、これらを内蔵する容器とを備えた圧
    縮機において、前記コイルばねを設置する前記容器の座
    面に前記コイルばねの内径よりも小さい直径を有する円
    柱部を設け、前記コイルばねと前記円柱部との間に筒状
    の固定部材をはさみ込むように前記コイルばねを着脱可
    能に前記容器の座面に取り付けたことを特徴とする圧縮
    機。
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