JP2002226985A - 鋼材製施設体の防蝕具 - Google Patents

鋼材製施設体の防蝕具

Info

Publication number
JP2002226985A
JP2002226985A JP2001151385A JP2001151385A JP2002226985A JP 2002226985 A JP2002226985 A JP 2002226985A JP 2001151385 A JP2001151385 A JP 2001151385A JP 2001151385 A JP2001151385 A JP 2001151385A JP 2002226985 A JP2002226985 A JP 2002226985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ground
facility
anticorrosion
steel
corrosion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001151385A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Hanazaki
昌幸 花崎
Junichi Oshiro
準一 大代
Yuichi Nishimura
祐一 西村
Hiromitsu Ishikawa
博光 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP2001151385A priority Critical patent/JP2002226985A/ja
Publication of JP2002226985A publication Critical patent/JP2002226985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Road Signs Or Road Markings (AREA)
  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地面に設置される種々の鋼材製施設体に対し
て、たとえ豪雪地帯や重塩地帯等で使用された場合で
も、長期に亘って優れた防蝕性能を発揮せしめることが
できる鋼材製施設体の防蝕具を提供する。 【解決手段】 地面に設置された際に地中に埋設される
埋設部と地上に露出する地上部とを有する鋼材製施設体
の防蝕具であり、上記施設体の地上部根元部分には、亜
鉛又は亜鉛合金からなる亜鉛系金属、アルミニウム又は
アルミニウム合金からなるアルミ系金属、若しくはマグ
ネシウム又はマグネシウム合金からなるマグネシウム系
金属で形成されて施設体に対して犠牲陽極となる防蝕具
を、この地上部根元部分にその略全周に亘って通電可能
で、かつ、着脱可能に取り付けられる防蝕具であって、
防蝕具本体はその地面側厚さ寸法が上端側厚さ寸法より
大きく形成されているか、或いは、防蝕具本体はその地
面側端部に地面に沿って外側に突出するフランジ部を有
することを特徴とする鋼材製施設体の防蝕具である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面に亜鉛又は
亜鉛合金からなる亜鉛メッキ層を有する亜鉛メッキ鋼材
を始め、その他の金属メッキ鋼材、ステンレス鋼材等の
特殊鋼材、防蝕塗装等の塗装が施された塗装鋼材等の鋼
材で形成され、コンクリート面、アスファルト面、土面
等の地面に設置される種々の施設体の防蝕具に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材、例えば表面に亜鉛メッキ層を有す
る亜鉛メッキ鋼材は、強度に優れているだけでなく、亜
鉛メッキ層の犠牲陽極効果により耐久性にも比較的優れ
ており、その特徴を生かして道路、橋梁、公園、傾斜
地、崖淵等においてガードレール、高欄、標識柱、手摺
り、柵体、落石防止用柵、土留め用柵等の施設体として
頻繁に使用されている。
【0003】そして、このような鋼材製施設体は、ベ
ースアングルを介して支柱をコンクリート中の鉄筋と固
定した後、あるいは、支柱とコンクリート鉄筋とを直接
固定した後、コンクリートを流し込む埋め込み方式や、
ベースアングルを介して支柱を固定用鉄筋と固定、あ
るいは、支柱と鉄筋を直接固定して土壌中に埋設する埋
め戻し方式や、コンクリート中に支柱と同等の径の穴
を穿ち、支柱を打ち込むいわゆる打ち込み方式や、支
柱内径よりも一回り小さな外径を有するパイプ底部に鋼
板を溶接して得られたベースポストを用い、このベース
ポストをアンカーボルト等により地面に固定すると共
に、ボルトナット等により支柱をこのベースポストに固
定するベースポスト方式や、スリーブ付の支柱を用
い、予めコンクリート中から立ち上げたアンカーボルト
で支柱を固定するアンカーボルト方式や、底付き鋼管
柱に支柱をコンクリートで埋め込み、更にこの底付き鋼
管をコンクリート地覆部中に埋め込む箱抜き埋め込み方
式等の種々の方法で地面に設置され、地中(コンクリー
ト中、アスファルト中、土中等)に位置して埋設される
埋設部と地上(コンクリート面上、アスファルト面上、
土面上等)に位置して露出する地上部とを有する。
【0004】しかるに、本発明者らがこのような鋼材製
施設体の設置状態について調査してみると、施設体の設
置方法や周辺の環境等により多少の差異はあるものの、
一般に、施設体において地上に露出した地上部の根元部
分やコンクリート地覆部界面直下のコンクリート内部根
元部分等のように、水、電解質等の溜まり易い部位等に
発錆が集中しており、特に、施設体の地上部根元部分や
コンクリート内部根元部分における発錆の傾向は凍結防
止剤の散布を必要とする豪雪地帯や海塩粒子の飛来があ
る重塩害地帯等で顕著であることが判明した。
【0005】そこで、この問題について更に詳細に検討
した結果、豪雪地帯で路上に散布される凍結防止剤は一
般に岩塩、食塩、塩化カルシウム等の電解質であること
が多く、また、重塩害地帯で飛来する海塩粒子も同様に
電解質であり、しかも、このように散布され、あるい
は、飛来したこれらの電解質は施設体の地上部根元部分
付近に滞留する傾向があり、更にこれらの電解質は雨水
に極めて溶解し易いという性質を有していることから、
これらの要因が重なり合って、施設体の地上部根元部分
は他の部分に比べて比較的高濃度の電解質溶液に晒さ
れ、その結果として発錆が集中するとの考えに至った。
【0006】このような施設体の地上部根元部分におけ
る発錆の集中は、施設体の他の部分がほとんど健全な姿
で存在しているにも関わらず、施設体それ自体の早期倒
壊の原因になり、この早期倒壊を防止するために、地上
部根元部分以外についてはたとえ全く健全であっても施
設体の取替え工事が必要になることが多く、施設体それ
自体の寿命を顕著に短くする大きな原因になっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、地面に設置される種々の鋼材製施設体について、た
とえ豪雪地帯や重塩害地帯等に設置された場合でも、長
期に亘って優れた防蝕性能を発揮することができ、ま
た、必要により既に設置された施設体についても容易に
適用することができる鋼材製施設体の防蝕方法及び防蝕
具並びに防蝕構造について鋭意検討した結果、亜鉛系金
属、アルミ系金属、又はマグネシウム系金属で形成され
て施設体に対して犠牲陽極となる防蝕具を、施設体の地
上部根元部分にその略全周に亘って、かつ、施設体との
間で通電可能に取り付けることにより、施設体に対する
所望の防蝕性能を発揮せしめることが可能であることを
見出し、本発明を完成した。
【0008】従って、本発明の目的は、新たに設置され
る、あるいは、設置されたばかりの新しい鋼材製施設体
のみならず、既に設置されて腐蝕が始まっているような
施設体に対しても適用することができ、しかも、たとえ
豪雪地帯や重塩害地帯等で使用された場合でも長期に亘
って優れた防蝕性能を発揮せしめることができる鋼材製
施設体の防蝕具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、地
面に設置された際に地中に埋設される埋設部と地上に露
出する地上部とを有する鋼材製施設体の防蝕具であり、
亜鉛又は亜鉛合金からなる亜鉛系金属、アルミニウム又
はアルミニウム合金からなるアルミ系金属、若しくはマ
グネシウム又はマグネシウム合金からなるマグネシウム
系金属で形成されて犠牲陽極になる防蝕具本体と、少な
くともこの防蝕具本体の1ヶ所に設けられて防蝕具本体
を施設体に締付け状態に取り付けるための締付部とを有
し、上記施設体の地上部根元部分にその略全周に亘って
通電可能で、かつ、着脱可能に取り付けられることを特
徴とする鋼材製施設体の防蝕具である。
【0010】本発明において、本発明の防蝕具が適用さ
れる鋼材製施設体は、例えば亜鉛又は亜鉛合金からなる
亜鉛メッキ層を有する亜鉛メッキ鋼材を始め、錫、アル
ミニウム、鉛、銅、クロム等の金属又はその合金により
メッキ処理されたその他の金属メッキ鋼材、ステンレス
鋼材等の特殊鋼材、普通鋼鋼材に重防蝕塗装等の塗装処
理を施した塗装鋼材等の鋼材で形成され、地面に設置さ
れた際に地中に埋設される埋設部と地上に露出する地上
部とを有するものであり、例えば道路、橋梁、公園、傾
斜地、崖淵等においてガードレール、高欄、標識柱、手
摺り、柵体、落石防止用柵、土留め用柵等の施設体とし
て、更には、ゴルフ練習場のネット支持支柱、野球グラ
ンドのバックネット支持支柱、又はカーポートの支持支
柱として使用されるものであり、一般的には、強度に優
れているだけでなく、亜鉛メッキ層等の犠牲陽極効果や
塗装等により耐腐蝕性や耐久性においても比較的優れて
いるものである。
【0011】本発明において、このような鋼材製施設体
にその防蝕を目的に適用される防蝕具は、亜鉛又は亜鉛
合金からなる亜鉛系金属、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金からなるアルミ系金属、若しくはマグネシウム又
はマグネシウム合金からなるマグネシウム系金属で形成
され、施設体に対して犠牲陽極となる必要があり、この
施設体を構成する鋼基材の腐蝕電位よりも100 mV vs
SCE以上、好ましくは120 mV vs SCE以上卑であるこ
とが望ましい。このような亜鉛系金属、アルミ系金属、
及びマグネシウム系金属の具体例としては、例えば、純
亜鉛、Zn-0.3wt%Al、Al-3wt%Zn-0.02wt%In、Mg-9wt%Al-
1wt%Zn、Mg-6wt%Al-0.3wt%Zn等を挙げることができる。
【0012】また、犠牲陽極としての防蝕具は、鋼材製
施設体が亜鉛メッキ層を有する亜鉛メッキ鋼材製の施設
体である場合には、この亜鉛メッキ層の腐蝕に先駆けて
腐蝕し、亜鉛メッキ層の腐蝕をも可能な範囲で防止する
ことができるように、亜鉛メッキ層と同等若しくはそれ
以下の電位を持つものであるのがよい。
【0013】更に、本発明で用いる防蝕具本体の肉厚に
ついては、厚くても薄くても防蝕性能を発揮せしめるこ
とができるが、あまり薄すぎると消耗や破損が進み易く
なって交換が必要になるまでの期間が短くなり、反対
に、あまり厚くしすぎると効果が飽和するだけでなく、
コストも高くなって経済的でないので、通常1mm以上
25mm以下、好ましくは3mm以上20mm以下であ
るのがよい。肉厚が1mm以下では犠牲陽極となる防蝕
具本体の寿命が短くなるほか、鋳造や押出で製造するの
が困難になり、また、肉厚が25mmを超えると重量が
嵩んで取付作業性に影響を及ぼすほか、犠牲陽極となる
防蝕具本体の耐用年数が施設体の耐用年数を超えて経済
的でない。
【0014】また、本発明で用いる防蝕具本体の高さ寸
法についても、この防蝕具本体を施設体に取り付けるこ
とができさえすれば特に制限はないが、施設体の腐食状
況を調べてみると、一般に、腐食の約90%が地面より
高さ20mmまでの部分に集中し、また、地面より高さ
30mmまでの部分に腐食の約95%が集中し、更に、
地面より高さ50mmまでの部分に腐食の約98%が集
中しているので、通常は地面から20mm以上、好まし
くは30mm以上、より好ましくは50mm以上の高さ
があれば充分である。この防蝕具本体の高さ寸法につい
て、50mmを超えてあまり高くしても、材料費が嵩む
だけであまり経済的でない。
【0015】そして、上記防蝕具については、地面に設
置した際にその地上部根元部分に位置するように施設体
に取り付けられ、その際に、防蝕具は施設体の地上部根
元部分にその略全周に亘って、かつ、施設体との間で通
電可能な状態に取り付けられればよく、固着状態に取り
付けられても、また、締付け状態で着脱可能に取り付け
られてもよいが、好ましくは、亜鉛系金属、アルミ系金
属、又はマグネシウム系金属で形成されて施設体に対し
犠牲陽極となる防蝕具本体と、少なくともこの防蝕具本
体の1ヶ所、好ましくは1〜4ヶ所に設けられて防蝕具
本体を施設体に締付け状態に取り付けるための締付部と
を有し、この防蝕具本体を施設体の地上部根元部分に締
付け状態に取り付けることができ、かつ、犠牲陽極とな
る防蝕具本体が消耗した際に容易に交換できるように、
着脱可能に取り付けるのがよい。
【0016】この防蝕具本体の形状については、施設体
の地上部根元部分にその略全周に亘って取り付ける必要
があることから、好ましくはリング状に形成されるのが
よく、また、その全体の形状は、施設体の地上部根元部
分の横断面外形状に依存し、例えば、施設体の地上部根
元部分の横断面外形状が円形である場合には円形リング
状に形成され、矩形である場合には矩形リング状に形成
され、施設体の地上部根元部分がI型鋼、T型鋼、H型
鋼等で形成されていてそれぞれI字形、T字形、H字形
である場合にはI字形、T字形、H字形等のリング状に
形成される。
【0017】そして、防蝕具の締付部については、例え
ばボルトナット、ネジ、打込みピン、金属製又はプラス
チック製のバンド等の締結手段で防蝕具本体を施設体の
地上部根元部分に締付け状態に取り付けることができれ
ばよく、また、この締付部には必要により所定の大きさ
の隙間(締付け代)を用意しておき、施設体の地上部根
元部分に防蝕具本体を着脱可能に取り付けた際にこの防
蝕具本体が締付け状態で取り付けられるようにするのが
よい。
【0018】このように防蝕具に締付部を設け、犠牲陽
極となる防蝕具本体を施設体の地上部根元部分に締付け
状態で、かつ、着脱可能に取り付けることにより、防蝕
具本体が消耗した際にその交換が可能になるほか、既に
地面に設置されている施設体への適用も容易になり、し
かも、仮に施設体の地上部根元部分に腐蝕の始まり等に
起因する少々の凹凸面が存在しても、比較的柔らかい金
属(亜鉛系金属、アルミ系金属、又はマグネシウム系金
属)でリング状に形成された防蝕具本体は、この施設体
の地上部根元部分の凹凸面に倣って変形し、施設体側と
よく密着し、通電状態が確保されて優れた犠牲陽極とし
て機能することができる。
【0019】更に、上記防蝕具本体については、この防
蝕具本体が施設体の地上部根元部分に取り付けられた際
に、その地面側端面が地面に確実に接地するように取り
付けるのがよく、これによって、この接地した防蝕具本
体の地面側端面が犠牲陽極の防蝕電流の取出し口として
機能し、施設体の地上部根元部分に対する防蝕性能がよ
り一層向上する。
【0020】そして、この際に、防蝕具本体の地面側の
厚さ寸法(防蝕具本体がリング状に形成される場合には
その半径方向に相当する)を上端側の厚さ寸法(防蝕具
本体がリング状に形成される場合にはその半径方向に相
当する)より大きく形成したり、あるいは、防蝕具本体
の地面側端部に地面に沿って外側に突出するフランジ部
を設けることにより、この防蝕具本体の地面側端面がよ
り広い面積で地面に接地するように設計するのがよく、
これによって施設体に対する防蝕性能がより一層向上す
るほか、施設体の埋設部における地面近傍部分の腐蝕を
も可及的に防止することができる。犠牲陽極となる防蝕
具本体の地面側端面の面積が大きくなれば、防蝕電流の
取出し口がそれだけ大きくなり、より効率良く防蝕性能
を発揮せしめることができるようになり、施設体埋設部
の地面近傍部分の防蝕効果をも発揮されるものと考えら
れる。
【0021】ここで、施設体の埋設部における腐食の状
況を調べてみると、一般に、地面から深さ2mmまでが
70%を占め、また、5mmまでの深さが90%を占
め、更に、10mmまでの深さが95%を占めていて、
15mmまでの深さが99%に達しており、また、本発
明者らの経験的な知見によれば、この施設体埋設部の地
面近傍部分の腐食を防止するためには、防蝕具本体の地
面側の厚さ寸法を上記施設体埋設部の地面近傍部分にお
ける腐食の地面からの深さの3倍程度に設定すればよい
ことが判明した。
【0022】そこで、上記防蝕具本体において、地面側
の厚さ寸法をより大きく形成する場合の厚さ寸法、ある
いは、地面側端部にフランジ部を設ける場合のその突出
寸法については、特に制限されるものではないが、施設
体埋設部の地面近傍部分の腐蝕を可及的に防止するため
には少なくとも6mm以上あればよく、また、その上限
については、30〜50mmあれば施設体埋設部の地面
近傍部分の腐蝕の約95%を防蝕することができ、15
〜30mmの範囲であっても90%以上の防蝕効果が発
揮され、また、6〜15mmの範囲でも70%以上の防
蝕効果が発揮される。この厚さ寸法や突出寸法が6mm
より小さいと施設体埋設部の地面近傍部分の防蝕効果が
あまり発揮されず、反対に、50mmより大きくしても
その防蝕効果が飽和してあまり向上しない。
【0023】また、本発明において、上記防蝕具本体に
はその内周面であって施設体の地上部根元部分を挟んで
対称な位置に一対の突起及び/又は突条からなる突出部
を設け、これら一対の突出部により防蝕具本体が施設体
の外周面に通電可能に当接せしめると共にこの防蝕具本
体内周面と施設体外周面との間に比較的小さな空隙を形
成せしめ、これによって防蝕具本体が一対の突出部の間
を結ぶ直線を回転軸心として防蝕具本体内周面と施設体
外周面との間の空隙の分だけ回転し、防蝕具本体の地面
側端面が傾斜してその周方向略全周に亘って地面に接地
するように形成してもよい。このように構成することに
より、防蝕具本体を、施設体の地上部根元部分の全周に
亘って地面との間に隙間なく密着状態に取り付けること
ができるほか、少ない工数で、かつ、迅速に取り付ける
ことができる。
【0024】更に、防蝕具本体については、これを複数
の本体部材、好ましくは一対の又は3〜6個の本体部材
で構成し、これら各本体部材の間をボルトナット、ボル
ト止め、ビス止め、ネジ止め等や、凹溝と係止片、凹溝
と凸条、円弧部とC形片等の嵌合部や、角孔と打込みピ
ン等のピン結合部等の適当な連結手段で互いに連結する
と共に、これら連結部のいずれか1つを締付部としても
よく、より好ましくは、防蝕具本体を一対の本体部材で
構成し、形成される一対の連結部の一方又は双方を締付
部としてこの締付部を直接的に又は間接的に嵌合される
嵌合部で構成したり、あるいは、打込みピンを用いるピ
ン結合部で構成するのがよい。この構成によれば、施設
体の地上部根元部分に各本体部材を配置してその端部の
間を適当な連結手段で連結し、締付部とされた例えばボ
ルトナット等により締め付けることにより、犠牲陽極と
なる防蝕具本体を上記地上部根元部分の全周に亘ってほ
ぼ密着状態に、しかも、少ない工数でかつ迅速に取り付
けることができる。ここで、上記間接的に嵌合される嵌
合部とは、一対の本体の端部を別部材を介して嵌合する
形態を示すものである。
【0025】更にまた、鋼材製施設体が設置されている
地面が傾斜しているような場合、犠牲陽極となる防蝕具
本体の内周面に一対の突起及び/又は突条からなる突出
部を設けることに代えて、防蝕具本体の略水平な地面側
端面と傾斜した地面との間にこの地面の傾斜を吸収する
モルタル、コンクリート、透水スポンジ、カルボキシメ
チルセルロースやベントナイト等からなるバックフィル
材等の補正層を介装した防蝕構造としてもよく、これに
よれば、傾斜した道路や断崖であっても、それらの設置
面と防蝕具本体の地面側端面を確実に接地させることが
でき、防蝕具本体の犠牲陽極としての機能をより確実か
つ十二分に発揮せしめることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例、比較例、及び試験
例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説
明する。
【0027】実施例1 図1(A)及び(B)並びに図2(A)及び(B)は、本
発明による鋼材製施設体Sの防蝕具Pの実施例1を示
す。この実施例1では、鋼材製施設体Sは、道路の路肩
に沿った地覆部2からなる地面2a上に立設される車両用
防護柵を支持する支柱である。地覆部2は、鉄筋を内臓
するコンクリート又はモルタルからなる。また、施設体
Sを構成する支柱は、中空部を有すると共に表面に亜鉛
メッキ層を有する亜鉛メッキ鋼管からなり、地覆部2内
に埋設された埋設部1aとこの地覆部2から地上に露出し
た地上部1bとを有している。
【0028】地覆部2上に位置する施設体Sの地上部1b
根元部分には、その全周を囲む円形のリング形状を呈す
る防蝕具(犠牲陽極)Pが配置されている。この防蝕具P
は、図2(A)及び(B)に詳細に示されているよう
に、その防蝕具本体3がそれぞれ略半円形状に形成され
た一対の本体部材3a,3bからなり、また、これら各本体
部材3a,3bはAl-3wt%Zn-0.02wt%Inのようなアルミニウ
ム合金の鋳物で形成され、施設体Sを形成する亜鉛メッ
キ鋼管の腐蝕電位よりも卑であり、かつ、100mV vs
SCE以上卑な腐蝕電位を有する。
【0029】そして、防蝕具本体3を構成する各本体部
材3a,3bは、その地面側端面6の厚さ寸法が20mmで
あってその上端面7の厚さ寸法3mmより大きく形成さ
れ、また、その内周面の中央部には施設体Sの外周面に
接触し、かつ、施設体Sの軸心を挟んで互いに対称な位
置に、円形でかつ偏平な突起8が設けられ、また、上記
施設体S外周面と防蝕具本体3内周面との間には比較的
小さな隙間が形成されている。すなわち、各本体部材3
a,3bは、図2(B)に示すように、厚さ寸法の大きい
(すなわち、幅広の)地面側端面6を有するため、地覆
部2の地面2a上に確実に接地し、かつ、突起8を中心に
回転可能であるため、たとえ地覆部2の地面2aが多少傾
斜していたり、あるいは、施設体Sが多少傾いていて
も、この施設体Sの地上部1bの根元部分に隙間なく、か
つ、確実に取り付けることができる。
【0030】そして、この防蝕具Pの本体部材3a,3b
は、図1(B)及び図2(A)に示されているように、その
一方の端部9a,9bにおいて断面略L字形で互いに嵌合す
る嵌合部10a,10bを有し、また、本体部材3aの他方の端
部11aには、その傾斜面に設けた凹部12から接線方向に
延びる通し孔13が形成され、本体部材3bの他方の端部11
bには、通し孔13に連通する雌ネジ穴14が形成されてお
り、通し孔13を有する端部11a、雌ネジ穴14を有する端
部11b、及び上記通し孔13を貫通して雌ネジ穴14に螺合
する止めボルト15が防蝕具Pの締付部を構成している。
【0031】上記防蝕具Pを施設体Sに取り付けるに際
しては、先ず、施設体Sの地上部1b根元部分に対し先ず
防蝕具本体3の一方の本体部材3aを配置した後、その嵌
合部10bに他方の本体部材3aの嵌合部10aを嵌合させつつ
この本体部材3aを対称位置に配置し、これら本体部材3
a,3bの各端部11a,11bを互いに接近させる。次いで、
図2(A)に示すように、頭部に六角穴を有する止めボル
ト15を本体部材3aの凹部12から通し孔13に貫通せしめ、
この止めボルト15をレンチにより回転させて本体部材3b
の雌ネジ穴14に軽くネジ込んで仮締付けを行う。この状
態で、地覆部2の地面2aが僅かに傾斜している場合に
は、図2(B)中の矢印で示すように、突起8を回転中心
として各本体部材3a,3bを回転させ、その地面側端面6
を地面2aに密着させる。そして、止めボルト15を更に締
め付けることにより、本体部材3a,3bと施設体Sの地上
部1b根元部分との間を締付け状態とし、本体部材3a,3b
で構成される防蝕具本体3内周面と施設体S外周面との
間を上記各突起8を介して確実に通電可能に接触し、ま
た、防蝕具本体3内周面と施設体S外周面との間の隙間
が可及的に小さくなって概ね密着状態が形成される。な
お、止めボルト15は、防蝕具Pを構成する本体部材3a,
3bのアルミニウム合金の腐蝕電位よりも貴な材質で形成
されていることが望ましいが、同じ材質であっても差し
支えない。
【0032】更に、防蝕具Pは、図2(B)に示すよう
に、本体部材3a,3bの地面側端面6が地覆部2の地面2a
上に広い面積で密着すると共に、施設体Sの地上部1b根
元部分との隙間が最小限になった状態でこの地上部1b根
元部分にほぼ密着した状態で配置される。このため、塩
分等の電解質成分を含む水が施設体Sと防蝕具Pとの隙
間に溜まり、これら施設体S、防蝕具P及び地覆部2と
の間で腐蝕電流が発生しても、鋼材製の施設体Sに対し
て防蝕具Pが優先的に腐蝕し、この鋼材製施設体Sの腐
蝕、すなわち発錆が未然に防止される。
【0033】従って、防蝕具Pを用いることにより、高
欄の支柱のような鋼材製施設体Sを長期間に亘って発錆
(腐蝕)から保護し、安全性等の機能を安定して確保す
ることができる。また、防蝕具Pは、本体部材3a,3bで
構成される防蝕具本体3の上端面7の厚さ寸法が比較的
小さく形成されているので、施設体Sからの突出寸法が
小さく、不用意な接触事故等を防止することもできる。
【0034】実施例2 図3は、本発明の他の実施例2を示すものであり、鋼材
製施設体Sに防蝕具Pが取り付けられた防蝕構造を含む
ものである。図3(A)に示すように、地覆部2はその地
面2aが傾斜しており、そして、鋼材製施設体Sを構成す
る支柱の地上部1bはこの地覆部2の傾斜と無関係に垂直
に立設されている。
【0035】防蝕具Pは、図3(B)に示すように、その
防蝕具本体3が略半円形状に形成された一対の本体部材
3a,3bからなり、これらは前記と同じアルミニウム合金
の鋳物で形成されて施設体Sの鋼基材に対して卑の犠牲
陽極となる。上記各本体部材3a,3bは、その上端が半円
形の稜線で、かつ、所要幅の地面2a側端面6を有して断
面略三角形状に形成されていると共に、両端部にはそれ
ぞれ三角形状の垂直板16が設けられており、これら各垂
直板16には突き合わせた際に互いに同じ位置にある通し
孔17が開設されている。
【0036】この実施例2において、鋼材製施設体Sに
防蝕具Pを取り付けて防蝕構造を得る際には、図3(A)
に示すように、先ず施設体Sの地上部1b根元部分周囲の
傾斜した地面2a上に、上面が水平となるように、モルタ
ルMを盛り付けて補正層を形成し、次に、このモルタル
Mが固化する前に、施設体Sの地上部1b根元部分を挟ん
で対称に本体部材3a,3bを配置し、両端の垂直板16同士
をほぼ面接触させ、この状態で通し孔17内にボルト5aを
貫通し、これにナット5bを締結して締め付ける。この実
施例2において、通し孔17を有する一対の垂直板16とこ
れら垂直板16間を締結するボルトナット5が防蝕具Sの
締付部を構成する。
【0037】これにより、防蝕具Pの本体部材3a,3b
は、その地面2a側端面6がモルタルMを介して地覆部2
上の地面2aに密着し、その内周面も同時に施設体Sの地
上部1b外周面に密着する。従って、電解質成分を含む水
が施設体Sの地上部1b根元付近に溜まり、施設体Sの地
上部1b、地覆部2、モルタルM、及び防蝕具Pの間で腐
蝕電流が発生しても、鋼材製施設体Sに対して防蝕具P
が優先的に腐蝕する犠牲陽極として作用し、この鋼材製
施設体Sの発錆(腐蝕)を未然に防止する。
【0038】なお、図3(C)は、前記防蝕具Pの変形例
を示すもので、この変形例に係る防蝕具Pもその防蝕具
本体3が略半円形状に形成された一対の本体部材3a,3b
で構成されており、また、これら各本体部材3a,3bはア
ルミニウム合金の鋳物で形成されて犠牲陽極となるもの
であり、その上端が半円形の稜線で、かつ、その地面2a
側端面6が所定の厚さ寸法を有して断面略三角形状とな
っている。この変形例の防蝕具Pにおいては、図3
(A)及び(B)の場合と異なり、一方の本体部材3aの
両端部18付近の外面(傾斜面)に凹部19が形成され、こ
の凹部19から接線方向に延びる通し孔17が形成されてお
り、また、他方の本体部材3bの両端面にはそれぞれ通し
孔17に連通する雌ネジ穴20が形成されており、図示外の
止めボルトを通し孔17から挿通して雌ネジ穴20内にネジ
込むことによって防蝕具Pを施設体Sに取り付けるよう
になっている。
【0039】また、図4は、この実施例2に係る防蝕構
造の変形例を示すものであり、第3図(A)の場合と同
様に、地覆部2はその地面2aが傾斜しており、そして、
鋼材製施設体Sを構成する支柱の地上部1bはこの地覆部
2の傾斜と無関係に垂直に立設されている。この変形例
においては、第3図(A)のモルタルMを盛り付けた補
正層に代えて、地覆部2における施設体Sの地上部1b根
元部分の周辺に、底面が水平であって高さが防蝕具Pの
高さ寸法と同じあるいはそれ以下であり、防蝕具Pがそ
の地面側からその一部又は全部が入る大きさの設置溝穴
2bが穿設され、防蝕具Pはこの設置溝穴2b内に位置させ
て取り付けられており、これによって地覆部2の地面2a
の傾斜を吸収している。
【0040】実施例3 図5(A)及び(B)は、本発明の他の実施例3に係る
鋼材製施設体Sの防蝕具Pを示すものであり、図1(A)
及び(B)並びに図2(A)及び(B)に示す実施例1
の場合とは異なり、防蝕具本体3を構成する各本体部材
3a,3bの内周面はその略全面で施設体Sの地上部1b根元
部分の外周面に密着しており、また、各本体部材3a,3b
の地面側端面6には半径方向に延びる複数の排水条溝
(この実施例3では2条の条溝)60aが形成されている
と共に、その内周面には縦方向に延びる複数の排水条溝
(この実施例3では3条の条溝)60bが形成されてい
る。
【0041】従って、この実施例3の防蝕具Pにおいて
は、複数の排水条溝60a,60bにより、施設体Sの地上部
1b根元部分の外周面と防蝕具本体3の内周面との間に、
長期に亘って雨水が滞留することがなく、比較的乾燥し
た状態に維持されるので、鋼材製施設体Sは防蝕具Pに
よる防蝕効果がより一層長期に亘って効果的に発揮され
るほか、冬期に施設体S外周面と防蝕具本体3内周面と
の間に滞留した雨水が凍結して防蝕具本体3が損傷する
のを未然に防止することができる。
【0042】試験例1 図6に示すように、114.3mmφ×700mmL×4.
5mmtの大きさの鋼管表面に目付量550g/m2の溶融亜
鉛メッキ処理が施された亜鉛メッキ鋼管、又はこの亜鉛
メッキ鋼管から亜鉛メッキ層を除去して得られた鋼管
(以下、これらを単に「鋼管1」という)を用い、その
上部(地上部1b)100mmが露出するように、その下部
(埋設部1a)を250mmφ×600mmLの円柱状のコン
クリート中に埋め込み、試験用支柱Tを形成した。
【0043】次に、この試験用支柱Tにおいて鋼管1の
地上部1bには、高さ30mmであってコンクリートの地覆
部2に接地される地面側端面の厚さ寸法が0.1〜70
mmであるAl-3wt%Zn-0.02wt%In合金製のリング状防蝕具
を、ボルトナットで締結して取り付け、試験No.1〜1
0の試験用施設体を形成した。
【0044】このようにして調製した各試験用施設体に
ついて、硫酸でpH5に調整した5wt%塩化ナトリウム
水溶液を用い、塩水噴霧時間1,000時間、5,00
0時間、及び10,000時間の塩水噴霧試験(JIS Z
2371に準拠)を実施し、コンクリートの地覆部2界面よ
り上部30mmの地上部1b根元部分の発錆状況(地上部防
錆効果)と、コンクリートの地覆部2界面より下部30
mmの埋設部1a地面近傍部分の発錆状況(埋設部防錆効
果)とを調べると共に、地覆部2界面より下部30mmを
除く570mmの埋設部1aにおいて発錆が認められない距
離を測定し、埋設部防蝕有効距離として評価し、更に、
1000時間経過後の時点でコンクリートの地覆部2界
面とコンクリート内部に埋め込まれた鋼管1の下端部と
の間の支柱コンクリート埋込部自然電位測定を行い、最
終コンクリート表面電位として評価した。結果を表1に
示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から明らかなように、地上部防
錆効果については試験No.1〜10の試験用施設体のい
ずれも良好な結果を示しており、埋設部防錆効果につい
ては試験No.1(地面側端面の厚さ寸法が0.1mmの場
合)の場合に1000時間までは良好であったが500
0時間を超えると部分発錆が始まり、また。試験No.2
〜10の試験用施設体においてはいずれも充分な埋設部
防蝕有効距離を示した。
【0047】
【発明の効果】本発明の鋼材製施設体の防蝕具によれ
ば、地面に設置される種々の鋼材製施設体に対して、長
期に亘って優れた防蝕性能を発揮せしめることができ、
また、新たに設置される、あるいは、設置されたばかり
の新しい鋼材製施設体のみならず、既に設置されて腐蝕
が始まっているような施設体に対しても適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の実施例1に係る防食具の
使用状態を示す斜視図であり、図1(B)は図1(A)中の
B−B線断面図である。
【図2】 図2(A)は図1の防食具の斜視図であり、図
2(B)は図1(A)中における部分縦断面図である。
【図3】 図3(A)は本発明の実施例2に係る防蝕具及
び防食構造を示す正面図であり、図3(B)は図3(A)中
に示した防食具の斜視図であり、また、図3(C)は図3
(B)の防食具の変形例を示す斜視図である。
【図4】 図4は図3の防食構造の変形例を示す部分断
面説明図である。
【図5】 図5(A)は実施例3に係る防食具を示す斜視
図であり、図5(B)は図5(A)の防食具の取付状態の部
分縦断面図である。
【図6】 図6は試験例1で用いた試験用支柱を示す斜
視図説明図である。
【符号の説明】 P…防蝕具、S…鋼材製施設体、M…モルタル(補正
層)、1…亜鉛メッキ鋼管、1a…埋設部、1b…地上部、
2…地覆部、2a…地面、2b…設置溝穴、3…防蝕具本
体、3a,3b…リング半体(本体部材)、4…締付部、5
…ボルトナット、5a…ボルト、5b…ナット、6…地面側
端面、7…上端面、8…突起、9a,9b,11a,11b…端部、1
0a,10b,…嵌合部、12,19…凹部、13,17…通し孔、14,20
…雌ネジ穴、15…止めボルト、16…垂直板、18…両端
部、60a,60b…排水条溝、T…試験用支柱。
フロントページの続き (72)発明者 西村 祐一 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1−34−1、日本 軽金属株式会社グループ技術センター内 (72)発明者 石川 博光 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1−34−1、日本 軽金属株式会社グループ技術センター内 Fターム(参考) 2D059 AA22 GG21 2D064 AA02 AA22 CA04 CA05 CA06 HA11 HA12 4K060 AA02 BA02 BA07 BA13 BA19 BA41 BA43 BA45 EA08 EA19 EA20 EB01 EB02 FA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地面に設置された際に地中に埋設される
    埋設部と地上に露出する地上部とを有する鋼材製施設体
    の防蝕具であり、亜鉛又は亜鉛合金からなる亜鉛系金
    属、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミ
    系金属、若しくはマグネシウム又はマグネシウム合金か
    らなるマグネシウム系金属で形成されて犠牲陽極になる
    防蝕具本体と、少なくともこの防蝕具本体の1ヶ所に設
    けられて防蝕具本体を施設体に締付け状態に取り付ける
    ための締付部とを有し、上記施設体の地上部根元部分に
    その略全周に亘って通電可能で、かつ、着脱可能に取り
    付けられる防蝕具であって、防蝕具本体はその地面側厚
    さ寸法が上端側厚さ寸法より大きく形成されていること
    を特徴とする鋼材製施設体の防蝕具。
  2. 【請求項2】 地面に設置された際に地中に埋設される
    埋設部と地上に露出する地上部とを有する鋼材製施設体
    の防蝕具であり、亜鉛又は亜鉛合金からなる亜鉛系金
    属、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミ
    系金属、若しくはマグネシウム又はマグネシウム合金か
    らなるマグネシウム系金属で形成されて犠牲陽極になる
    防蝕具本体と、少なくともこの防蝕具本体の1ヶ所に設
    けられて防蝕具本体を施設体に締付け状態に取り付ける
    ための締付部とを有し、上記施設体の地上部根元部分に
    その略全周に亘って通電可能で、かつ、着脱可能に取り
    付けられる防蝕具であって、防蝕具本体はその地面側端
    部に地面に沿って外側に突出するフランジ部を有するこ
    とを特徴とする鋼材製施設体の防蝕具。
  3. 【請求項3】 防蝕具本体は施設体の鋼基材の腐蝕電位
    より100 mV vs SCE以上卑の犠牲陽極である請求項1
    又は2に記載の鋼材製施設体の防蝕具。
  4. 【請求項4】 施設体が亜鉛又は亜鉛合金からなる亜鉛
    メッキ層を有する亜鉛メッキ鋼材製の施設体であり、か
    つ、防蝕具本体が施設体の亜鉛メッキ層と同等若しくは
    それ以下の電位を持つ犠牲陽極である請求項3に記載の
    鋼材製施設体の防蝕具。
  5. 【請求項5】 防蝕具本体がリング状に形成されている
    請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材製施設体の防蝕
    具。
JP2001151385A 2000-05-23 2001-05-21 鋼材製施設体の防蝕具 Pending JP2002226985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001151385A JP2002226985A (ja) 2000-05-23 2001-05-21 鋼材製施設体の防蝕具

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151822 2000-05-23
JP2000-361777 2000-11-28
JP2000-151822 2000-11-28
JP2000361777 2000-11-28
JP2001151385A JP2002226985A (ja) 2000-05-23 2001-05-21 鋼材製施設体の防蝕具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002226985A true JP2002226985A (ja) 2002-08-14

Family

ID=27343475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001151385A Pending JP2002226985A (ja) 2000-05-23 2001-05-21 鋼材製施設体の防蝕具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002226985A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101395894B1 (ko) * 2013-11-26 2014-05-15 (주) 세리엔지니어링 친환경 전주근가

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376048U (ja) * 1986-10-31 1988-05-20
JPH0278561U (ja) * 1988-08-31 1990-06-15
JPH0813528A (ja) * 1994-06-23 1996-01-16 Nippon Light Metal Co Ltd 金属製支柱コンクリート埋込み部の防食方法
JPH10252026A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Nippon Light Metal Co Ltd 耐蝕性に優れたアルミニウム高欄及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376048U (ja) * 1986-10-31 1988-05-20
JPH0278561U (ja) * 1988-08-31 1990-06-15
JPH0813528A (ja) * 1994-06-23 1996-01-16 Nippon Light Metal Co Ltd 金属製支柱コンクリート埋込み部の防食方法
JPH10252026A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Nippon Light Metal Co Ltd 耐蝕性に優れたアルミニウム高欄及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101395894B1 (ko) * 2013-11-26 2014-05-15 (주) 세리엔지니어링 친환경 전주근가

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5449563A (en) Galvanic protection of rebar by zinc wire
JP2002226986A (ja) 鋼材製施設体の防食具
JP2002226984A (ja) 鋼材製施設体の防蝕方法及び防蝕具並びに防蝕構造
JP2002226985A (ja) 鋼材製施設体の防蝕具
JP7055551B2 (ja) 伸縮装置の腐食防止構造及び腐食防止方法
JP2002227149A (ja) 鋼材製施設体の防食具
JP2002226983A (ja) 鋼材製施設体の防食具およびこれを含む防食構造
JP4959433B2 (ja) 鋼製橋梁の部分防食方法及び鋼製橋梁
CN210599050U (zh) 新型防腐预埋槽道组件
RU2451784C1 (ru) Способ повышения надежности и долговечности крепления стальной опоры линии электропередачи к фундаменту
JP2001335973A (ja) ベースポスト式アルミ施設体の防蝕方法
JP2973823B2 (ja) 金属製支柱コンクリート埋込み部の防食方法
CN205976270U (zh) 一种新型防锈护栏
JP2002241974A (ja) アルミニウム製施設体の防蝕方法及び防蝕具
JP4122937B2 (ja) 分割型リング状流電陽極
JP2002060983A (ja) 電気防食装置
GB2140457A (en) Motor vehicle having a corrosion protection device
JP2021092074A (ja) 支柱構造物
JP2019027264A (ja) ポール取付け用の埋設台座
Schwarz et al. Maintenance and repair of steel reinforced concrete structures by simultaneous galvanic corrosion protection and chloride extraction
JP2003176513A (ja) 防護柵
JPH08326356A (ja) 鋼管製電柱
JP3165263U (ja) 鋼材の防食構造
JP2002348690A (ja) リング状複合流電陽極
CN220225444U (zh) 一种防坠网安装结构、防坠组件以及检查井

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040629

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041026