JP2002227149A - 鋼材製施設体の防食具 - Google Patents

鋼材製施設体の防食具

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JP2002227149A
JP2002227149A JP2001153922A JP2001153922A JP2002227149A JP 2002227149 A JP2002227149 A JP 2002227149A JP 2001153922 A JP2001153922 A JP 2001153922A JP 2001153922 A JP2001153922 A JP 2001153922A JP 2002227149 A JP2002227149 A JP 2002227149A
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anticorrosion
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JP2001153922A
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English (en)
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Masayuki Hanazaki
昌幸 花崎
Junichi Oshiro
準一 大代
Yuichi Nishimura
祐一 西村
Hiromitsu Ishikawa
博光 石川
Kaoru Sugita
薫 杉田
Toshiro Niimi
敏朗 新見
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面にメッキ層や塗膜層を有し且つ傾斜地を含
む種々の設置面に立設される鋼材製施設体の根本部分に
おいて、係る鋼材製施設体の腐食を確実に防止できる犠
牲陽極からなる鋼材製施設体の防食具を提供する。 【解決手段】表面に防錆塗膜または防錆メッキ膜を有
し、且つ設置面4に立設された際係る設置面4上に位置
する支柱(鋼材製施設体)6の根本部分の全周にわたって
取り付けられ、亜鉛系、アルミニウム系、またはマグネ
シウム系の金属または合金からなり、円形のリング状の
本体12を形成するリング半体12a,12bと、係る
半体12a,12bの内部に埋め込まれ、且つ端部18
が上記リング半体12a,12bの内周面13から突出
する接触片17と、を含む、鋼材製施設体の防食具1
0。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば表面が塗装
された鋼材や亜鉛メッキ鋼材などからなる車道用防護柵
の支柱のような鋼材製施設体の防食具に関する。
【0002】
【従来の技術】表面に亜鉛メッキ層を有する亜鉛メッキ
鋼材は、強度的に優れると共に、表面の亜鉛メッキ層の
犠牲陽極効果により耐食性にも優れているため、道路、
傾斜地、または断崖などに設置されるガードレール、車
道用防護柵、高欄、標識、手摺、柵、落石防止柵などの
施設体に広く用いられている。上記亜鉛メッキ鋼材製の
施設体の1つである車道用防護柵は、下部に取付けたベ
ースアングルを介して支柱を地中の鉄筋と固定したり、
支柱の下部と地中の鉄筋とを直に固定した後で、コンク
リートを流し込む埋込方式、予めコンクリートに開設し
た垂直穴に支柱を打ち込む方式、あるいは、底板付き支
柱をコンクリート製の地覆内に埋め込む箱抜き方式など
によって、地面に立設される。係る車道用防護柵の支柱
は、地中(コンクリート中または土中)に位置する埋設部
と、地上(コンクリート面上または土面上)に位置する地
上部とから構成される。
【0003】ところで、亜鉛メッキ鋼材からなる防護柵
の支柱においては、地上部の根元部分や、水または電解
質成分が溜まり易い部分などに発錆が集中していること
が調査により判明している。特に、上記支柱の根元部分
における錆発生の傾向は、路面凍結防止剤が散布される
豪雪地域や海水の塩分が飛来し易い海岸地域において、
顕著に生じている。上記凍結防止剤は、一般的に食塩、
岩塩、塩化カルシウムなどの電解質成分を含み、海岸地
域において飛来する塩分も同様である。係る電解質成分
は、上記支柱の根元部分の付近に溜まり易く、雨水より
溶解し易い性質がある。この結果、支柱の根元部分は、
当該支柱を含む防護柵における他の部分に比べて電解質
溶液にさらされため、発錆が集中するものと考えられて
いる。
【0004】亜鉛メッキ鋼材などからなる鋼材製防護柵
の支柱の根元部分における集中的な発錆は、車道用防護
柵の他の部分が健全であっても、防護柵全体が倒壊する
原因となる。しかも、係る早期の倒壊を予防するために
は、支柱を取り替えるために大規模な工事が必要とな
る、という問題がある。このため、発明者らは、鋼材製
防護柵などの施設体における支柱の地上部の根元部分に
リング形状を呈する犠牲陽極を配置する防食方法および
これに用いる防食具を提案している。
【0005】しかしながら、前記鋼材製防護柵などの施
設体の支柱は、表面に防錆用の亜鉛メッキ層や塗膜層が
被覆されているため、その根本部に配置する犠牲陽極と
の接触が不安定となり、防食効果が十分に得られない場
合があった。また、前記鋼材製防護柵などの施設体の支
柱は、傾斜した地面上または僅かな傾斜地などの傾斜し
た設置面に立設される場合がある。この際、上記支柱の
地上部の根元部分に犠牲陽極からなる防食具を全周に亘
ってほぼ密着状態で配置し、且つ当該防食具と支柱とを
十分に接触させることは、発錆防止上の点から重要であ
るが、係る観点からの対策が不十分になる場合があっ
た。
【0006】
【発明が解決すべき課題】本発明は、以上のような事情
に鑑み、表面にメッキ層や塗膜層を有し且つ傾斜地を含
む種々の設置面に立設される鋼材製施設体の根本部分に
おいて、係る鋼材製施設体の腐食を確実に防止できる犠
牲陽極からなる鋼材製施設体の防食具を提供する、こと
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、鋼材製施設体の表面に被覆された金属メッ
キ層や塗膜層を貫通してその素地と犠牲陽極からなる防
食具とを確実に接触せしめることに着想して成されたも
のである。即ち、本発明による第1の鋼材製施設体の防
食具(請求項1)は、表面に防錆塗膜または防錆メッキ膜
を有し、且つ設置面に立設された際にこの設置面上に位
置する鋼材製施設体の根本部分の全周にわたって取り付
けられ、亜鉛系、アルミニウム系、またはマグネシウム
系の金属または合金からなる防食具であって、円形また
は角形のリング状の本体と、係る本体の内部に埋め込ま
れると共に、端部または中間部が上記本体の内周面から
突出する接触片と、を含む、ことを特徴とする。
【0008】これによれば、リング状の本体における内
周面から突出する接触片の端部や中間部が、鋼材製施設
体の表面に被覆された金属メッキ層や塗膜層を貫通し且
つその素地に接触する。また、傾斜した設置面に立設し
た鋼材製施設体であっても、リング状の本体の底面を設
置面に接触させた状態で、接触片の端部や中間部を容易
に当該鋼材製施設体の素地に接触させることができる。
従って、犠牲陽極の防食具と鋼材製施設体の素材とが接
触片の端部などを介して確実に接触するので、鋼材製施
設体の根本付近に腐食電流が流れた際、防食具を優先的
に腐食させ当該鋼材製施設体を確実に保護することが可
能となる。尚、上記施設体は、ガードレール、車道用防
護柵、高欄、標識、手摺、柵、落石防止柵、公園におけ
る遊技具などを含み、且つこれらを設置面上で支持する
それらの支柱などが主に対象となると共に、その形状も
断面円形の鋼管や断面角形の角形鋼管が含まれる。
【0009】また、本発明による第2の鋼材製施設体の
防食具(請求項2)は、表面に防錆塗膜または防錆メッキ
膜を有し、且つ設置面に立設された際にこの設置面上に
位置する鋼材製施設体の根本部分の全周にわたって取り
付けられ、亜鉛系、アルミニウム系、またはマグネシウ
ム系の金属または合金からなる防食具であって、円形ま
たは角形のリング状の本体と、係る本体の径方向に沿っ
て貫通するかまたは埋め込まれると共に、先端が上記本
体の内周面から突出するボルトまたは楔形片と、を含
む、ことを特徴とする。これによれば、リング状の本体
における内周面から突出するボルトや楔形片の先端が、
鋼材製施設体の表面に被覆された金属メッキ層や塗膜層
を貫通して素地に容易に接触する。しかも、傾斜した設
置面に立設した鋼材製施設体であっても、リング状の本
体の底面を設置面に接触させた状態で、ボルトや楔形片
の先端を容易に当該鋼材製施設体の素地に接触させるこ
とができる。従って、犠牲陽極の防食具と鋼材製施設体
の素材とがボルトなどを介してに接触するので、鋼材製
施設体の根本付近に腐食電流が流れた際、防食具を優先
的に腐食させることにより、当該鋼材製施設体を確実に
保護することが可能となる。
【0010】更に、本発明には、前記リング状の本体に
埋め込まれる接触片、ボルト、または楔形片における埋
込最深部と、上記本体の外側面との間の距離は、当該本
体の耐用期間に対応した距離である、鋼材施設体の防食
具(請求項3)も含まれる。これによれば、上記接触片な
どの埋込最深部が露出することにより、上記本体が犠牲
陽極として相応の期間にわたり防食を果たした(腐食し
て小径化した)ことが、一目で容易に確認することがで
きる。このため、防食具の長期間にわたる管理や、新た
な防食具に取り替えるなどのメンテナンスが容易とな
る。
【0011】また、本発明による第3の鋼材製施設体の
防食具(請求項4)は、表面に防錆塗膜または防錆メッキ
膜を有し、且つ設置面に立設された際にこの設置面上に
位置する鋼材製施設体の根本部分の全周にわたって取り
付けられ、亜鉛系、アルミニウム系、またはマグネシウ
ム系の金属または合金からなる防食具であって、円形ま
たは角形のリング状の本体の内周面に先尖り片が一体に
突設されているか、あるいは、上記本体と上記鋼材製施
設体との間に先尖り部を有する金属板材が挟持されてい
る、ことを特徴とする。これによれば、上記本体の内周
面に一体に突設された先尖り片、または上記本体と上記
鋼材製施設体の間に挟持される金属板材に設けられた先
尖り部が、鋼材製施設体の表面に被覆された金属メッキ
層や塗膜層を貫通して素地に容易に接触する。しかも、
傾斜した設置面に立設した鋼材製施設体であっても、リ
ング状の本体の底面を設置面に接触させた状態で、先尖
り片や先尖り部を容易に当該鋼材製施設体の素地に接触
させることができる。従って、鋼材製施設体を確実に保
護することが可能となる。
【0012】更に、本発明には、前記リング状の本体
は、一対の対称なほぼ半円形を呈するリング片からなる
と共に、係る一対のリング片同士の両端部は、互いに嵌
合し合う嵌合部、ピンを用いるピン結合部、またはネジ
締結部を有している、鋼材施設体の防食具(請求項5)も
含まれる。これによれば、断面円形または角形の鋼管な
どの鋼材施設体が立設する設置面の根本部分において、
防食具を容易且つ確実に接触させつつ配置することがで
きる。
【0013】加えて、本発明には、前記接触片、ボル
ト、楔形片、または金属板材は、前記本体の腐食電位よ
りも貴で且つ前記鋼材施設体の腐食電位よりも卑な材質
から形成されている、鋼材施設体の防食具(請求項6)も
含まれる。これによれば、犠牲陽極の防食具と鋼材製施
設体の素材とが接触片の端部などを介して確実に接触し
た状態で、鋼材製施設体の根本付近に腐食電流が流れた
際に、係る鋼材製施設体やボルトなどよりも防食具が優
先的に腐食するので、当該鋼材製施設体を一層確実に保
護することができる。尚、亜鉛系、アルミニウム系、ま
たはマグネシウム系の金属あるいはこれらの合金(例え
ばAl−3wt%Zn−0.02wt%In、またはMg
−9wt%Al−1wt%Zn)などの犠牲陽極からなる防
食具の本体は、施設体の鋼材の腐食電位よりも卑である
と共に、望ましくは100mV vs SCE以上卑な電
位を有するものが用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図1(A)は、本発明によ
る第1の鋼材製施設体の防食具10を示す。この形態の
鋼材製施設体は、道路1の路肩に沿った地覆2の設置面
4上に立設された図示しない防護柵を支持する支柱6で
ある。地覆2は、鉄筋を内蔵するコンクリートまたはモ
ルタルからなる。また、中空部8を有する支柱6は、表
面に亜鉛メッキ層または樹脂塗膜層を有する鋼管からな
り、その下部を地覆2内に埋設され且つ固定されてい
る。設置面4上に位置する支柱6の根元部分には、その
全周を囲む円形のリング形状を呈する防食具(犠牲陽極)
10が配置されている。図1(A)および(B)に示すよう
に、防食具10は、平面視で円形リング状の本体12を
形成する一対のリング半体12a,12bからなる。図
1(B)および図2(A)に示すように、リング半体12
a,12bは、平面視が半円形で断面がほぼ直角三角形
であり、Al−3wt%Zn−0.02wt%Inのような
アルミニウム合金の鋳物からなると共に、支柱6を形成
する鋼材の腐食電位よりも卑で且つそれよりも100m
V vs SCE以上卑な腐食電位を有する。
【0015】図1(B)および図2(A)に示すように、リ
ング半体12a,12bは、その両端部14に互いに嵌
合する鈎片(嵌合部)15または鈎片(嵌合部)16を有す
ると共に、それらの内周面13から斜め方向で且つほぼ
左右対称にして接触片17の両端部18,18が突出し
ている。係る接触片17の両端部18,18の先端は、
支柱6の表面に当接している。接触片17は、本体12
の腐食電位よりも貴で且つ前記支柱(鋼材施設体)6の腐
食電位よりも卑な材質から形成され、図2(C)に示すよ
うに、矩形の板部17aと、その両端の上/下半部を斜
めに折り曲げた端部18,18と、上記板部17aに穿
設した一対の通し孔19とを有する。
【0016】図2(A),(B)に示すように、接触片17
は、板部17aをリング半体12a中に埋設すると共
に、端部18,18の先端寄りを内側面13から突出さ
せるように予めリング半体12aに鋳ぐるみされてい
る。前記通し孔19は、リング半体12a中における接
触片17の固着強度を高めている。また、図2(B)に示
すように、接触片17の端部18,18に隣接する埋込
最深部f,fは、リング半体12a(12b)の外側面と
の間に距離Lを有する。距離Lは、当該本体12の耐用
期間に対応した距離に予め設定されている。従って、犠
牲陽極として相応の期間を経て埋込最深部fが外部に露
出した際、当該本体12を含む防食具10の取り替えが
必要であることが一目で判明し、メンテナンスも容易と
なる。
【0017】図1(B)に示すように、リング半体12
a,12bは、両端部14の鈎片15,16を垂直方向
に沿って強制的に嵌合すると、リング状の本体12が形
成され、それらの内側面13から突出する接触片17の
端部18,18の先端は、支柱6の表面に向けて押圧さ
れる。この際、端部18,18の先端は、支柱6の表面
に被覆された亜鉛メッキ層などを剥離しつつ貫通し且つ
支柱6の鋼材(素地)中に食い込む。このため、犠牲陽極
の本体12は、4つの端部18を介して支柱6と確実に
接続するので、係る支柱6の根本付近に腐食電流が流れ
た際、該本体12自体が優先的に腐食して、支柱6を確
実に保護することができる。また、支柱6が傾斜した地
覆2の設置面4上に垂直に立設されていても、本体12
は、その底面を設置面4に接触させた状態で、接触片1
4の端部18,18を介して上記支柱に確実に接触する
ため、防食効果を確実に得ることができる。
【0018】図3(A),(B)は、異なる形態の接触片2
0に関する。図3(B)に示すように、接触片20は、前
記接触片17と同様の材質からなり、矩形の板部(中間
部)21と、その両端を斜めに折り曲げた端部22,2
2と、板部21に穿設した一対の通し孔23とを有す
る。図3(A)に示すように、接触片20は、端部22,
22の先端寄りをリング半体12a(12b)の内側面1
3から内部に進入させた姿勢で、当該リング半体12a
(12b)に予め鋳ぐるまれている。接触片20の板部2
1は、上記半体12a(12b)の内側面13から水平に
突出すると共に、その厚み方向に沿って弾性変形可能と
されている。尚、図3(A)に示すように、端部22,2
2の先端に位置する埋込最深部fとリング半体12a
(12b)の外側面との間の距離Lは、当該本体12の耐
用期間に対応した距離に予め設定されている。
【0019】従って、前記同様にリング半体12a,1
2bを嵌合してリング状の本体12とすると同時に、一
対の接触片20の板部21は、支柱6の表面により外側
寄りに押圧される。この際、接触片20の各板部21、
特に左右の先鋭なコーナー部や板部21の上縁および下
縁は、支柱6の表面に被覆された亜鉛メッキ層などを剥
離しつつ貫通し且つ支柱6の鋼材(素材)中に食い込む。
このため、前記同様に支柱6の腐食を確実に防止するこ
とができる。また、支柱6が傾斜した地覆2の設置面4
上に垂直に立設されている場合も、本体12は、その底
面を設置面4に接触させた状態で、接触片20の各板部
21を介して係る支柱6と確実に接続されるため、防食
効果を保つことができる。しかも、接触片20の埋込最
深部fが露出した際には、当該接触片20を含む防食具
の取り替え時期も一目で容易に判明するため、メンテナ
ンスも容易となる。
【0020】図3(C)は、第2の防食具に関し、リング
半体12a(12b)の外側面から径方向に沿って、複数
のボルト24を貫通させ、且つ内周面13から突出する
各ボルト24の先端部25を、支柱6の表面に強制的に
食い込ませた状態を示す。図3(C)に示すように、リン
グ半体12a(12b)には、径方向に沿った雌ネジ孔1
2c,12cが形成され、これらの外側からステンレス
鋼製などのボルト24を個別にネジ込み且つボルト頭2
6を回転させる。これにより、尖った先端部25を内周
面13から内側に突出させ且つ支柱6の表面に食い込ま
せている。従って、ボルト24の先端部25は、支柱6
の表面に被覆された亜鉛メッキ層などを剥離しつつ貫通
し且つ支柱6の鋼材(素地)中に食い込むため、前記同様
に支柱6の腐食を確実に防止することができる。
【0021】また、図3(D)も第2の防食具に関し、リ
ング半体12a(12b)の外側面から径方向に沿って、
複数の楔形片27を貫通させ且つ内周面13から突出す
る各楔形片27の先端部29を、支柱6の表面に強制的
に食い込ませた状態を示す。図3(D)に示すように、リ
ング半体12a(12b)には、径方向に沿った複数のテ
ーパ孔12dが予め穿設され、これらの外側からステン
レス鋼などからなりテーパ状周面に抜止め突起28を多
数形成した楔形片27が個別に且つ強制的に打ち込まれ
る。これにより、図3(D)に示すように、楔形片27の
尖った先端部29は、リング半体12a(12b)内周面
13から内側に突出させ且つ支柱6の表面に食い込む。
【0022】従って、楔形片27の先端部29は、支柱
6の表面に被覆された亜鉛メッキ層などを剥離しつつ貫
通し且つ支柱6の鋼材(素地)中に食い込むため、前記同
様に鋼管の支柱6の腐食を確実に防止することができ
る。しかも、楔形片27は、その抜止め突起28により
本体12から抜け出ないため、安全性も図れる。尚、楔
形片27のテーパ状周面における中間に耐用期間を示す
マークを刻設しておくと、楔形片27を含む防食具の取
り替え時期も容易に判明する。また、前記ボルト24や
上記楔形片27を、その基端部寄りをリング半体12a
(12b)の径方向に沿って埋設し、先端部25,29を
内周面13から突出させる形態にしても良い。係る形態
の場合も、ボルト頭26や楔形片27の基端部が露出し
た際に、該防食具の取り替え時期を示すように、埋設す
る位置を設定しても良い。
【0023】図4(A)は、本発明による第3の防食具3
0の使用状態を示す。防食具30は、前記同様のアルミ
ニウム合金からなる犠牲陽極のリング半体12a(12
b)と、その内周面13から径方向に沿って一体に突設
した複数の先尖り片31とを有する。係る複数の先尖り
片31は、図4(A)に示すように、内周面13の円周方
向に沿ってほぼ等間隔に突設され、リング半体12a
(12b)を鋳造にて成形するする際に同時に形成され
る。このため、リング半体12a(12b)の両端部1
4,14に位置する前記鈎片(嵌合部)15と鈎片(嵌合
部)16とを嵌合することにより、複数の先尖り片31
を支柱6の表面に強制的に食い込ませることができる。
従って、先尖り片31は、支柱6表面の亜鉛メッキ層な
どを貫通し且つ支柱6の鋼材(素地)中に食い込むため、
前記同様に鋼管の支柱6の腐食を確実に防止することが
できる。
【0024】図4(B)は、異なる形態の第3の防食具3
2の使用状態を示す。防食具32は、図4(B)に示すよ
うに、前記同様のアルミニウム合金からなる犠牲陽極の
リング半体12a(12b)と、鋼管の支柱6との間に挟
持した金属板材33とを備えている。金属板材33は、
図4(C)に示すように、厚さ数mmのステンレス鋼板に
おける一方の側面に円錐形状に突出する多数の先尖り部
34,34,…をプレス加工などによって千鳥状に成形
したものである。係る金属板材33は、支柱6の根元部
分における全周に沿って、予め巻き付けられる。次い
で、リング半体12a(12b)の両端部14,14を前
記同様に嵌合することにより、金属板材33の多数の先
尖り部34,34,…を支柱6の表面に強制的に食い込
ませる。この結果、先尖り部34は、支柱6の表面に被
覆された亜鉛メッキ層などを貫通し且つ支柱6の鋼材
(素地)中に食い込むため、前記同様に鋼管の支柱6の腐
食を確実に防止することができる。
【0025】図5(A)は、更に異なる形態の第3の防食
具35の使用状態を示す。防食具35は、図5(A)に示
すように、前記同様のアルミニウム合金からなる犠牲陽
極のリング半体12a(12b)、およびこれらと鋼管の
支柱6との間に挟持した金属板材36を備えている。金
属板材36は、図5(B)に示すように、厚さ数mmのス
テンレス鋼板などを折り曲げ加工したもので、中板部3
7とその両側から斜めに延びる対称な一対の端板38,
38とからなる。金属板材36は、図5(A)に示すよう
に、支柱6の根元部分の対称な位置に一対が配置され、
且つリング半体12a(12b)の内周面13の中央部付
近に位置決めされる。
【0026】そして、リング半体12a(12b)の両端
部14,14を前記同様に嵌合することにより、金属板
材36の端板38,38における先端縁(先尖り部)を支
柱6の表面に強制的に食い込ませる。この結果、各端板
38の先端縁は、支柱6の表面に被覆された亜鉛メッキ
層などを剥離しつつ貫通し且つ支柱6の鋼材(素地)中に
食い込む。従って、以上のような防食具35によって
も、前記同様に鋼管の支柱6の腐食を確実に防止するこ
とができる。
【0027】図5(C)は、更に別なる形態の第3の防食
具40の使用状態を示す。防食具40は、図5(C)に示
すように、前記同様のアルミニウム合金からなる犠牲陽
極のリング半体12a(12b)と、鋼管の支柱6との間
に挟持した金属板材41とを備えている。金属板材41
は、図5(D)に示すように、厚さ数mmのステンレス鋼
板などを連続したジグザク状に折り曲げ加工し、断面V
字形の山形部(先尖り部)42を多数平行に有する。図5
(C)に示すように、先ず、支柱6の根元部分のほぼ全周
にわたり、金属板材41を山形部42,42,…を垂直
にして巻き付ける。次に、リング半体12a(12b)の
両端部14,14を前記同様に嵌合することにより、金
属板材41の各山形部42を支柱6の表面に強制的に食
い込ませる。この結果、山形部42,42,…の先端縁
は、支柱6の表面に被覆された亜鉛メッキ層などを貫通
し且つ支柱6の鋼材(素地)中に食い込む。従って、以上
のような防食具40も、前記同様に鋼管の支柱6の腐食
を確実に防止することができる。
【0028】本発明は、以上において説明した各形態に
限定されるものではない。例えば、防食具の本体は、一
体の円形または角形を呈するリング状の形態であっても
良い。また、防食具の本体を形成する一対のリング半体
は、平面視でほぼコ字形を呈する形態としても良い。こ
れにより、鋼材製施設体の角形鋼管からなる支柱の根元
部分に対しても、前記接触片17やボルト24などによ
り、メッキ膜などを貫通して確実に接触させることがで
きる。更に、防食具の本体を形成する一対のリング半体
は、両端部に互いに面接触するフランジを立設し、これ
らを貫通するボルトにナットを螺着するネジ締結部を有
していたり、上記面接触するフランジ同士を逆U字形の
U形ピンで結合するピン結合部を有していても良い。
尚、本発明の対象となる鋼製施設体には、ゴルフ練習場
のネット支持支柱、野球グランドのバックネット支持支
柱、またはカーポートの支持支柱も含まれる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明した本発明の第1の鋼材製施
設体の防食具(請求項1)によれば、本体に埋設され且つ
係る本体の内周面から突出する接触片が、鋼材製施設体
の表面に被覆された金属メッキ層や塗膜層を貫通し且つ
その素地に接触する。このため、鋼材製施設体の根本付
近に腐食電流が流れた際、防食具を優先的に腐食させ当
該鋼材製施設体を確実に保護することが可能となる。ま
た、本発明の第2の鋼材製施設体の防食具(請求項2)に
よれば、本体を貫通しまたは本体に埋設されて内周面か
ら突出するボルトや楔形片の先端部が、鋼材製施設体の
表面の金属メッキ層や塗膜層を貫通して素地に容易に接
触する。
【0030】更に、請求項3の鋼材製施設体の防食具に
よれば、前記接触片などの埋込最深部が露出することに
より、上記本体が犠牲陽極として相応の期間にわたり腐
食をしたことが、一目で容易に確認することができ、メ
ンテナンスも容易となる。一方、本発明の第3の鋼材製
施設体の防食具(請求項4)によれば、本体の内周面に一
体に突設された先尖り片、または本体と上記鋼材製施設
体の間に挟持される金属板材に設けられた先尖り部が、
鋼材製施設体の表面に被覆された金属メッキ層や塗膜層
を貫通して素地に容易に接触する。従って、本体と鋼材
製施設体とを確実に導通させるため、係る鋼材製施設体
を確実に保護することができる。また、請求項5の鋼材
製施設体の防食具によれば、鋼材施設体が立設する設置
面の根本部分において、防食具を容易且つ確実に接触さ
せつつ配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による第1の防食具の使用状態を
示す斜視図、(B)は(A)中のB−B線に沿った視角にお
ける断面図。
【図2】(A)は図1の防食具に用いるリング半体の斜視
図、(B)は(A)中のB−B線に沿った視角における断面
図、(C)は上記リング半体に埋設される接触片を示す斜
視図。
【図3】(A)は異なる形態の防食具における前記図2
(B)と同様な断面図、(B)は係る防食具に埋設される接
触片を示す斜視図、(C),(D)は本発明による第2の防
食具の使用状態を示す前記図2(B)と同様な断面図。
【図4】(A),(B)は本発明による第3の防食具の使用
状態を示す前記図2(B)と同様な断面図、(C)は(B)の
防食具に用いる金属板材を示す斜視図。
【図5】(A),(C)は第3の防食具における異なる形態
を示す前記図2(B)と同様な断面図、(B),(D)はこれ
らに用いる金属板材を示す斜視図。
【符号の説明】
4………………………………設置面 6………………………………支柱(鋼材製施設体) 10,30,32,35,40…防食具 12……………………………本体 12a,12b………………リング半体 13……………………………内周面 14……………………………端部 15,16……………………鈎片(嵌合部) 17,20……………………接触片 24……………………………ボルト 27……………………………楔形片 31……………………………先尖り片 33,36,41………………金属板材 34……………………………先尖り部 38……………………………端板(先尖り部) 42……………………………山形部(先尖り部) L………………………………距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 祐一 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 石川 博光 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 杉田 薫 北海道苫小牧市晴海町43番地3 日本軽金 属株式会社苫小牧製造所内 (72)発明者 新見 敏朗 北海道苫小牧市晴海町43番地3 日本軽金 属株式会社苫小牧製造所内 Fターム(参考) 2D101 CA06 CB00 DA04 EA02 FA13 FB03 GA00 4K060 AA02 BA05 BA10 BA13 BA36 BA43 DA10 EA20 EB01 FA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に防錆塗膜または防錆メッキ膜を有
    し、且つ設置面に立設された際にこの設置面上に位置す
    る鋼材製施設体の根本部分の全周にわたって取り付けら
    れ、亜鉛系、アルミニウム系、またはマグネシウム系の
    金属または合金からなる防食具であって、 円形または角形のリング状の本体と、係る本体の内部に
    埋め込まれると共に、端部または中間部が上記本体の内
    周面から突出する接触片と、を含む、 ことを特徴とする鋼材製施設体の防食具。
  2. 【請求項2】表面に防錆塗膜または防錆メッキ膜を有
    し、且つ設置面に立設された際にこの設置面上に位置す
    る鋼材製施設体の根本部分の全周にわたって取り付けら
    れ、亜鉛系、アルミニウム系、またはマグネシウム系の
    金属または合金からなる防食具であって、 円形または角形のリング状の本体と、係る本体のほぼ径
    方向に沿って貫通するかまたは埋め込まれると共に、先
    端が上記本体の内周面から突出するボルトまたは楔形片
    と、を含む、ことを特徴とする鋼材施設体の防食具。
  3. 【請求項3】前記リング状の本体に埋め込まれる接触
    片、ボルト、または楔形片における埋込最深部と、上記
    本体の外側面との間の距離は、当該本体の耐用期間に対
    応した距離である、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の鋼材施設体
    の防食具。
  4. 【請求項4】表面に防錆塗膜または防錆メッキ膜を有
    し、且つ設置面に立設された際にこの設置面上に位置す
    る鋼材製施設体の根本部分の全周にわたって取り付けら
    れ、亜鉛系、アルミニウム系、またはマグネシウム系の
    金属または合金からなる防食具であって、 円形または角形のリング状の本体の内周面に先尖り片が
    一体に突設されているか、あるいは、上記本体と上記鋼
    材製施設体との間に先尖り部を有する金属板材が挟持さ
    れている、ことを特徴とする鋼材施設体の防食具。
  5. 【請求項5】前記リング状の本体は、一対の対称なほぼ
    半円形を呈するリング半体からなると共に、係る一対の
    リング半体同士の両端部は、互いに嵌合し合う嵌合部、
    ピンを用いるピン結合部、またはネジ締結部を有してい
    る、 ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の
    鋼材施設体の防食具。
  6. 【請求項6】前記接触片、ボルト、楔形片、または金属
    板材は、前記本体の腐食電位よりも貴で且つ前記鋼材施
    設体の腐食電位よりも卑な材質から形成されている、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の
    鋼材施設体の防食具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100901796B1 (ko) 2009-03-10 2009-06-11 주식회사 흥화 가드레일용 지지대
JP2009221569A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Kyushu Univ 鋼構造物の防食構造
KR200456136Y1 (ko) * 2009-01-08 2011-10-13 전홍은 볼라드 캡
KR101113136B1 (ko) 2009-06-02 2012-02-15 유한회사 미래시아건설 회전식 탄성볼라드
JP2014528514A (ja) * 2011-09-29 2014-10-27 サウジ アラビアン オイル カンパニー セラー領域におけるセメントによって遮蔽される地下井戸ケーシング区分を防食するためのブレスレット流電陽極を利用するためのシステム、装置、および方法

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