JP2002226544A - 一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物

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JP2002226544A
JP2002226544A JP2001025617A JP2001025617A JP2002226544A JP 2002226544 A JP2002226544 A JP 2002226544A JP 2001025617 A JP2001025617 A JP 2001025617A JP 2001025617 A JP2001025617 A JP 2001025617A JP 2002226544 A JP2002226544 A JP 2002226544A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性に優れかつ硬化速度と貯蔵安定性のバラ
ンスを高めた一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の提
供。 【解決手段】高温高圧下、連鎖移動剤を用いずに重合さ
せてなる水酸基含有アクリル重合体(A)、(A)以外
のポリオール(B)およびポリイソシアネートから得ら
れるアクリルウレタンプレポリマーを含むことを特徴と
する一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れかつ
硬化速度と貯蔵安定性のバランスを高めた一液湿気硬化
性ウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、揮発性有機化合物や廃棄物の削
減、および製品のコストダウンの要望が高まっており、
環境負荷が少なく、かつ経済的なプロセスで製造するこ
とが求められている。こうした要請に応え、特開昭60
−215007号公報では、スチレンとアクリル酸の共
重合において、高温で連続塊状重合することにより、無
溶媒で分子量が小さく分子量分布の狭いポリマーが得ら
れることを開示している。この技術は、連鎖移動剤の添
加を必要とせず、反応溶媒や重合開始剤は少量で足りる
ことから、副原料に起因すると考えられる耐候性の低下
が抑制されることが期待され、建築、自動車、土木また
は電子部品分野のシーリング材あるいは接着剤等への使
用が注目されている。「工業材料 1999年10月号
Vol.47 No.10」では、この技術により合
成した低OH価のアクリル樹脂とポリイソシアネート
(ウレタンプレポリマーを含む)を混合することにより
得られる二液型のシーリング材が提案されており、耐候
性試験において強度と伸びの保持率が良好であったこと
が報告されている。しかし、前記アクリル樹脂をイソシ
アネート変成したアクリルウレタンプレポリマーは硬化
速度が遅いことと、強度と伸びのバランスが取れていな
いため、一液型のシーリング材としては使用できなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、塗
料、土木、建築分野等におけるシーリング材あるいは接
着剤として有用な、耐候性に優れかつ硬化速度と貯蔵安
定性のバランスを高めた一液湿気硬化性ウレタン樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため鋭意検討した結果、ポリオール成分とし
て、高温高圧下で連鎖移動剤を用いずに製造した水酸基
含有アクリル重合体と、汎用のポリオールとを併用して
得られたアクリルウレタンプレポリマーを用いることに
より、耐候性が非常によく、かつ硬化速度と貯蔵安定性
のバランスが高い一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物が
得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、高温高圧下、連鎖移
動剤を用いずに重合させてなる水酸基含有アクリル重合
体(A)、(A)以外のポリオール(B)およびポリイ
ソシアネートから得られるアクリルウレタンプレポリマ
ーを含むことを特徴とする一液湿気硬化性ウレタン樹脂
組成物を提供する。また、本発明は、前記水酸基含有ア
クリル重合体(A)と前記ポリオール(B)との合計量
に対する前記水酸基含有アクリル重合体(A)の重量比
が、10重量%〜95重量%であることを特徴とする一
液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を提供する。さらに、
本発明は、前記ポリイソシアネートのうち、脂肪族ポリ
イソシアネートおよび/または脂環式ポリイソシアネー
トが20重量%以上含まれることを特徴とする一液湿気
硬化性ウレタン樹脂組成物を提供する。
【0006】加えて、本発明は、前記アクリル重合体
が、(1)連続的に(a)溶融樹脂混合物を含有する連
続混合反応域に、(i)少なくとも1種のアクリル単量
体と、(ii)重合開始剤と前記アクリル単量体のモル比
が約0.0005:1〜0.06:1となる量の重合開
始剤と、(iii )アクリル単量体重量基準で約0〜25
%の反応溶媒とを供給し、前記溶融樹脂混合物は未反応
アクリル単量体とアクリル重合体製品からなるものであ
り、(b)(i)前記反応域内の上記供給アクリル単量
体の滞留時間を少なくとも約1分とし、そして(ii)前
記反応域内での反応混合物を予め定めた量に維持するよ
う上記反応域通過流量を充分に維持し、(c)溶融樹脂
混合物を加工が容易で、均一な、濃縮重合体製品に加速
転化するのに充分な反応温度に昇温維持する工程からな
ることを特徴とする分子量分布が狭く、発色団含有量が
低い、高固形分で低分子量のアクリル重合体製品を高収
率で製造する連続塊状重合法により得られることを特徴
とする一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一液湿気硬化性ウ
レタン樹脂組成物(以下、単に「本発明の樹脂組成物」
ともいう。)について詳しく説明する。本発明の樹脂組
成物は、特定の製造方法により合成された水酸基含有ア
クリル重合体(A)、それ以外のポリオール(B)およ
びポリイソシアネートから得られるアクリルウレタンプ
レポリマーを含むことを特徴としている。なお、本明細
書において、「アクリル重合体」というときは、アクリ
ル重合体とメタクリル重合体の両方をいうこととする。
「アクリル単量体」等についても同様である。
【0008】<アクリルウレタンプレポリマー>上述の
ように、本発明の樹脂組成物に用いられるアクリルウレ
タンプレポリマーは、ポリオール化合物として、高温高
圧下、連鎖移動剤を用いずに重合させてなる水酸基含有
アクリル重合体(A)と(A)以外のポリオール(B)
とを併用し、これにポリイソシアネートを反応させて得
られるプレポリマーである。アクリル重合体(A)とそ
れ以外のポリオール(B)とは、それぞれ別途にポリイ
ソシアネートと反応させてもよいし、(A)と(B)と
を予め混合し、その混合物とポリイソシアネートとを反
応させてもよい。
【0009】水酸基含有アクリル重合体(A)は、高温
高圧下、連鎖移動剤を用いずに重合して得られる。この
水酸基含有アクリル重合体の製造方法として、具体的に
は、連続的に(a)溶融樹脂混合物を含有する連続混合
反応域に、(i)少なくとも1種のアクリル単量体と、
(ii)重合開始剤と前記アクリル単量体のモル比が約
0.0005:1〜0.06:1となる量の重合開始剤
と、(iii )アクリル単量体重量基準で約0〜25%の
反応溶媒とを供給し、前記溶融樹脂混合物は未反応アク
リル単量体とアクリル重合体製品からなるものであり、
(b)(i)前記反応域内の上記供給アクリル単量体の
滞留時間を少なくとも約1分とし、そして(ii)前記反
応域内での反応混合物を予め定めた量に維持するよう上
記反応域通過流量を充分に維持し、(c)溶融樹脂混合
物を加工が容易で、均一な、濃縮重合体製品に加速転化
するのに充分な反応温度に昇温維持する工程からなる連
続塊状重合法が好ましい。
【0010】従来、アクリル重合体の製造には、連鎖移
動剤や重合開始剤、および反応溶媒が必要であった。特
に反応溶媒はモノマーと約同量添加する必要があり、反
応溶媒を含め、あまりにも多量の不純物が重合体中に残
留することから、耐候性には特徴がなかったが、上記の
方法により製造された水酸基含有アクリル重合体(A)
は、連鎖移動剤を添加する必要がなく、重合開始剤や反
応溶媒の使用量が少ない。そのため、副原料に起因する
耐候性の低下を抑制できると共に、分子量分布が狭く、
発色団含有量が低い、高固形分で低分子量のアクリル重
合体製品を高収率で得られる。
【0011】アクリル単量体は、非官能性アクリル単量
体と官能性アクリル単量体の少なくとも2種を用いるの
が好ましい。非官能性アクリル単量体としては、アクリ
ル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエス
テルが挙げられ、具体的には、アクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘ
キシルが挙げられる。官能性アクリル単量体としては、
アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキ
シアルキルが挙げられ、具体的には、アクリル酸ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル
酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸ヒド
ロキシヘキシル、およびこれらの混合物が好ましく挙げ
られる。非官能性アクリル単量体と官能性アクリル単量
体との割合は、非官能性アクリル単量体が約50重量%
〜98重量%、官能性アクリル単量体が約2重量%〜3
0重量%であるのが好ましい。
【0012】重合開始剤は、半減期が100℃で約10
時間であることが好ましく、具体的には過酸化物または
ヒドロペルオキシドが挙げられる。反応溶媒としては、
高沸点の(i)芳香族アルコール、(ii)アルコールま
たはグリコール・エーテル、エステル、混合エーテル、
混合エステル、(iii )(ポリ)アルキレン・グリコー
ル・ジアルキル・エーテル、および(iv)炭化水素留分
から選択されるのが好ましい。なお、上記製造方法につ
いて、さらに詳しくは、特開昭60−215007号公
報に開示されたとおりである。
【0013】本発明のアクリルウレタンプレプリマー
は、上記水酸基含有アクリル重合体(A)と併用して、
(A)以外のポリオール(B)を用いる。ポリオール
(B)としては、(A)以外のポリオールであって、通
常ウレタンプレポリマーの原料として用いられるポリオ
ールを使用でき、例えばポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、その他のポリオールおよびこれら
の混合ポリオール等を挙げることができる。
【0014】ポリエーテルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキ
シフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニル
メタン等の2価アルコール;グリセリン、1,1,1−
トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオ
ール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;エチ
レンジアミン、芳香族ジアミンなどのジアミン類;ソル
ビトール等の糖類;またはエチレングリコール、グリセ
リン等のポリオールの1種または2種以上に、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1
種または2種以上を付加して得られるポリオール;ポリ
オキシテトラメチレンオキサイド等が挙げられる。
【0015】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパンあるいはその他の低分子ポリオールの1
種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ダイマー酸あるいはその他の低分子カルボン酸
やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;
プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等
が挙げられる。
【0016】その他、主鎖が炭素−炭素結合よりなるポ
リオール、例えば、アクリルポリオール、ポリブタジエ
ンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオー
ル等や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の
低分子ポリオールが好適に例示される。これらのポリオ
ールは、1種でも2種以上を併用してもよい。
【0017】本発明のアクリルウレタンプレポリマーを
生成するポリイソシアネートとしては、通常のポリウレ
タン樹脂組成物に使用されるポリイソシアネートが各種
例示されるが、具体的には、2,4−トリレンジイソシ
アネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソ
シアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−
MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート(XDI),1,5−ナフタレンジイソ
シアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ノルボル
ナンジイソシアナートメチル(NBDI)等の脂肪族ポ
リイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IP
DI)、H6 XDI(水添XDI)、H12MDI(水添
MDI)等の脂環式ポリイソシアネート;上記各ポリイ
ソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネー
ト、またはこれらのイソシアヌレート変性ポリイソシア
ネート等が挙げられる。また、立体障害の大きなイソシ
アネート基を少なくとも1個有するイソシアネート化合
物を用いることもできる。具体的には、三井サイテック
社製のTMI(モノイソシアネート化合物)、TMXD
I(ジイソシアネート化合物)、サイセン(トリイソシ
アネート化合物)等が好ましく挙げられる。これらは、
1種でも2種以上を併用してもよい。併用する場合に
は、上記ポリイソシアネートの2種以上を混合する割合
は特に限定されないが、ポリイソシアネートの全重量に
対し、脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂環式
ポリイソシアネートが20重量%以上含まれると耐候性
が特に優れるので好ましい。より好ましくは、30重量
%以上である。
【0018】本発明のアクリルウレタンプレポリマー
は、上述の水酸基含有アクリル重合体(A)と(A)以
外のポリオール(B)とを併用して得られるものであれ
ば特に限定されないが、水酸基含有アクリル重合体
(A)とポリオール(B)との合計量に対する前記水酸
基含有アクリル重合体(A)の重量比[(A)/
{(A)+(B)}]が、10重量%〜95重量%であ
ると耐候性と硬化速度のバランスが高いので好ましい。
また、硬化物の強度と伸びのバランスにも優れる。より
好ましくは、(A)/{(A)+(B)}の重量比が2
0重量%〜90重量%、さらに好ましくは30重量%〜
80重量%であるとこれらのバランスが特に高い。上記
範囲を超えて水酸基含有アクリル重合体(A)が多過ぎ
ると、硬化速度が低下しやすく、硬化物の強度が著しく
低下する傾向があり、逆に少な過ぎると所望の耐候性が
得られない。
【0019】また、ポリイソシアネートの配合量は、上
記割合で用いられるポリオール成分{(A)+(B)}
1当量(OH当量)に対し、ポリイソシアネート1.2
当量以上(NCO当量)が好ましく、1.3当量〜2.
5当量がより好ましい。本発明のアクリルウレタンプレ
ポリマーは、上記割合でポリオール成分{(A)+
(B)}とポリイソシアネートとを混合し、30℃〜1
20℃、好ましくは50℃〜100℃で加熱撹拌するこ
とによって製造される。必要に応じて触媒を添加しても
よい。先に述べたように、2種のポリオール成分(A)
および(B)は、それぞれ別途にポリイソシアネートと
反応させてもよいし、予め混合した後ポリイソシアネー
トと反応させてもよい。これらの方法で製造されたアク
リルウレタンプレポリマーはいずれの製造方法で製造し
た場合にも、耐候性と硬化速度に優れている。このよう
にして製造される本発明のアクリルウレタンプレポリマ
ーのNCO%は、好ましくは0.5%以上、より好まし
くは0.7%〜3.0%であると、粘度上昇が抑制さ
れ、長期間貯蔵後も高い接着性が確保できる。ここで、
NCO%は、アクリルウレタンプレポリマーの全重量に
対するNCO基の重量%を表す。また、本発明のアクリ
ルウレタンプレポリマーの数平均分子量は、2000〜
50000が好ましく、4000〜30000がより好
ましい。
【0020】本発明の樹脂組成物には、上記成分のほ
か、本発明の目的を損なわない範囲で、充填剤、可塑
剤、溶剤、シランカップリング剤、老化防止剤、チクソ
トロピー付与剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、難燃
剤、接着付与剤、脱水剤等を配合してもよい。
【0021】充填剤としては、通常の一液型ウレタン樹
脂組成物に配合される充填剤であれば特に限定はなく、
各種形状の有機あるいは無機充填剤が使用できる。例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタ
ン、カーボンブラック等が挙げられ、これらは1種でも
2種以上を併用することもできる。炭酸カルシウムは、
沈降性炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムとがあり、
本発明ではそのいずれを用いることもできる。前者は粒
径が細かいため本発明の樹脂組成物のチクソ性の発現に
有効であるが、その製法上、一液型として用いるには、
脂肪酸あるいは脂肪酸エステル等の表面処理剤で処理さ
れていることが好ましい。他方、後者はこのような表面
処理を施す必要はなく、多量に添加しても粘度上昇を招
かないが、一般に粒径が大きく、チクソ性を高める効果
は前者に比べて低い。そのため、本発明の樹脂組成物に
配合する場合は、これらを混合して用いるのが特に有効
であり好ましい。チクソ性を高いレベルで安定化するに
は、ある程度の沈降性炭酸カルシウムを配合するのが有
効であり、重質炭酸カルシウムを併用することにより、
沈降性炭酸カルシウムの配合量が多いために懸念される
粘度上昇を抑制でき、作業性を確保できるからである。
【0022】沈降性炭酸カルシウムの表面処理に用いら
れる脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグ
ノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸など
の直鎖飽和脂肪酸;セトレイン酸、ソルビン酸などの不
飽和脂肪酸;安息香酸、フェニル酢酸などの芳香族カル
ボン酸等が挙げられる。また、脂肪酸エステルとして
は、炭素数8以上の高級脂肪酸のエステルが好ましく、
例えばステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリ
ル、パルミチン酸ステアリル、パルチミン酸ラウリル、
トリステアリン酸グリセライド、トリパルミチン酸グリ
セライド等が挙げられる。沈降性炭酸カルシウムを上記
脂肪酸あるいは脂肪酸エステルで表面処理する方法とし
て、例えば、脂肪酸あるいは脂肪酸エステルを沈降性炭
酸カルシウムに添加し、混練、噴霧または浸漬すること
により沈降性炭酸カルシウムの表面に脂肪酸、樹脂酸ま
たは脂肪酸エステルを吸着させる方法が挙げられる。脂
肪酸あるいは脂肪酸エステルの表面処理量は、沈降性炭
酸カルシウムに対して、通常1.0重量%〜10重量%
である。
【0023】シリカとしては、ヒュームドシリカ、焼成
シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ等、クレ
ーとしては、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレ
ー等、あるいはこれらの脂肪酸、脂肪酸エステル処理物
等が挙げられる。
【0024】充填剤は、アクリルウレタンプレポリマー
100重量部に対し、合計で10重量部〜200重量部
配合するのが好ましい。より好ましくは20重量部〜1
80重量部配合すると、所望のチクソ性が得られると共
に、貯蔵安定性とのバランスも高い。
【0025】可塑剤としては、ブチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸オリゴマ
ー;ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレ
ート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソ
デシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタ
エリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチル
リシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステ
ル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が用
いられる。なかでも、アクリル酸オリゴマーはアクリル
ウレタンプレポリマーとの相溶性が高いため、少ない添
加量で所望の効果が得られるので好ましい。これらの可
塑剤は、1種でも2種以上を併用してもよい。可塑剤は
アクリルウレタンプレポリマー100重量部に対し、好
ましくは2重量部〜100重量部、より好ましくは2重
量部〜50重量部が適量である。
【0026】本発明に用いる溶剤としては、前記反応性
樹脂に含まれるイソシアネート基に対して不活性であ
り、さらに適度な揮発性を有するものが好ましい。例え
ば、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、
ミネラルスピリット、トルエン、キシレン、ジメチルア
セトアミド、メチルエチルケトン、アセトン、n−ヘキ
サン、メチレンクロリド、テトラヒドロフラン、エチル
エーテル、ジオキサン等が挙げられ、これらは1種でも
2種以上を併用してもよい。なお、これらの溶剤は、併
用されるイソシアネート化合物に対する水分の影響を防
止するため、乾燥または脱水してから用いるのが好まし
い。溶剤の配合量は用途にもよるが、アクリルウレタン
プレポリマー100重量部に対し、0重量部〜30重量
部が好ましく、0重量部〜20重量部がより好ましい。
【0027】シランカップリング剤としては、本発明の
目的を損なわない範囲で、従来公知のシランカップリン
グ剤を用いることができる。このようなシランカップリ
ング剤としては、クロロプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン等が挙げられる。これらのうち、ビニルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランは、特に、湿潤面への接着性を向上させる効果に
優れ、さらに汎用であることから、好適に用いられる。
これらのシランカップリング剤は、アクリルウレタンプ
レポリマー100重量部に対し、0.1重量部〜10重
量部配合するのが好ましく、より好ましくは0.1重量
部〜5重量部である。この範囲であると、湿潤面への接
着性が高いと共に、貯蔵安定性を確保することができ
る。
【0028】老化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、ヒンダードアミン系等の化合物が挙げられる。老
化防止剤はアクリルウレタンプレポリマー100重量部
に対し、好ましくは0.1重量部〜3重量部程度を用い
ると耐候性がさらに向上する。
【0029】チクソトロピー付与剤としては、エアロジ
ル(日本エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化
成(株)製)を、帯電防止剤としては、一般的に、第4
級アンモニウム塩あるいはポリグリコールやエチレンオ
キサイド誘導体などの親水性化合物を挙げることができ
る。また、酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトル
エン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BH
A)等を挙げることができる。
【0030】顔料としては、無機顔料と有機顔料とがあ
り、無機顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群
青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバル
ト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等を挙げることがで
きる。また、有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシ
アニン顔料等が挙げられる。
【0031】難燃剤としては、クロロアルキルホスフェ
ート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合
物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロ
マイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げら
れ、接着付与剤としては、テルペン樹脂、フェノール樹
脂、テルペンーフェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン
樹脂等が挙げられる。
【0032】また、本発明の樹脂組成物は、硬化剤とし
てアミン系潜在性硬化剤を含んでいてもよい。アミン系
潜在性硬化剤は、水による加水分解反応でアミノ基が再
生されるまでの間は硬化剤として機能しないため、後述
するように、空気中の水分や組成物に含有される水によ
り、アミン系潜在性硬化剤が加水分解され、アミノ基が
再生するまでの時間を組成物の可使時間として稼ぐこと
ができると共に、アミノ基が再生した後は、硬化速度の
早い硬化剤として機能するため、硬化時間の短い組成物
とすることができる。
【0033】本発明で使用するアミン系潜在性硬化剤と
しては、加水分解反応によりアミノ基を生成し、ウレタ
ン樹脂組成物の潜在性硬化剤として使用可能である従来
公知のすべての潜在性硬化剤を使用することができる。
例えば、ポリアミンとカルボニル化合物との反応物であ
るケチミン類、エナミン類;アミノアルコールとカルボ
ニル化合物との反応物であるオキサゾリジン類を挙げる
ことができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0034】本発明で使用されるアミン系潜在性硬化剤
としては、中でも、より硬化速度が早いという観点か
ら、ケチミン類、あるいはオキサゾリジン類を好ましく
挙げることができる。
【0035】潜在性硬化剤として使用されるケチミン類
としては、ポリアミンとカルボニル化合物との反応物で
あれば、特に制限なく使用することができる。ケチミン
類の合成に使用されるカルボニル化合物としては、良好
な貯蔵安定性を与え、かつ、可使時間を長くできるの
で、他の硬化速度の早い硬化剤を併用する時に硬化速度
の調整用として有効であるという観点から、α位に置換
基を有する立体障害の大きなカルボニル化合物が好まし
く挙げることができる。α位に置換基をもつカルボニル
化合物とは、カルボニル基から数えてα位に置換基を有
するカルボニル化合物のことである。このようなカルボ
ニル化合物としては、例えば、下記式(1)で表される
化合物を挙げることができる。
【0036】
【化1】 1 は、水素原子またはメチル基を表し、R2 は、炭素
数1〜6のアルキル基を表し、R3 は、メチル基または
エチル基を表し、R4 は、水素原子、メチル基またはエ
チル基を表す。
【0037】ここで、R2 を表す炭素数1〜6のアルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げること
ができる。また、R2 とR3 とが結合し、シクロヘキシ
ル環を形成してもよい。上記カルボニル化合物として
は、具体的にはメチルイソプロピルケトン、メチルt−
ブチルケトン、メチルシクロヘキシルケトンを好ましく
挙げることができる。
【0038】また、ケチミン類の合成に用いられるポリ
アミンとしては、特に限定はないが、硬化速度が速いと
いう点で脂肪族系ポリアミンが好ましい。例えば、2,
5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メン
センジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチル
プロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭
素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール(P
PG)(たとえばサンテクノケミカル社製ジェファーミ
ンD230、ジェファーミンD400など)、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキ
サメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプ
ロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビス
プロピルアミン、H2 N(CH2 CH 2 O)2 (C
2 2 NH2 (商品名サンテクノケミカル社製ジェフ
ァーミンEDR148)などのアミン窒素にメチレン基
が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジア
ミノ−2−メチルペンタン(商品名デュポン・ジャパン
社製MPMD)、メタキシリレンジアミン(MXD
A)、ポリアミドアミン(三和化学社製X2000)、
イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン(三菱ガス化学社製1,3BAC)、1−シク
ロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメ
チル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミ
ン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社
製NBDA)等を挙げることができる。これらの中で
も、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3
BAC)、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(NB
DA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ジェフ
ァーミンEDR148(商品名)、ポリアミドアミンが
好ましい。
【0039】好適に用いられるケチミン類としては、ケ
チミン類を使用することにより本発明の樹脂組成物の貯
蔵安定性および硬化性を高める観点から、メチルイソプ
ロピルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケト
ン(MTBK)と、ジェファーミンEDR148(商品
名:ポリエーテル骨格のジメチレンアミン)とから得ら
れるもの、MIPKまたはMTBKと、1,3−ビスア
ミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)とから得ら
れるもの、MIPKまたはMTBKと、ノルボルナン骨
格のジメチレンアミン(商品名:NBDA)とから得ら
れるもの、MIPKまたはMTBKと、メタキシリレン
ジアミン(MXDA)とから得られるもの、MIPKま
たはMTBKと、ポリアミドアミン(商品名:X200
0)とから得られるものなどを挙げることができる。こ
れらの中でも、特にMIPKまたはMTBKと、NBD
Aとから得られるもの、MIPKと1,3BACとから
得られるものは、優れた硬化性を発現する。またMIP
KまたはMTBKと、X2000とから得られるもの
は、湿潤面に対し優れた接着性を発現する。
【0040】上述のケチミン類は、上記カルボニル化合
物とポリアミンを無溶媒下、あるいはベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の溶媒存在下で加熱還流させ、脱離して
くる水を共沸により除きながら反応させることにより得
られる。
【0041】潜在性硬化剤として使用されるオキサゾリ
ジン類としては、アミノアルコールとカルボニル化合物
との反応物であれば、特に制限なく使用することができ
る。オキサゾリジン類の合成に使用されるカルボニル化
合物としては、良好な貯蔵安定性を与え、かつ、可使時
間を長くできるので、他の硬化速度の大きい硬化剤を併
用する時に硬化速度の調整用として有効であるという観
点から、上述したケチミン類の合成に好適に使用される
カルボニル化合物を挙げることができる。
【0042】また、オキサゾリジン類の合成に用いられ
るアミノアルコールとしては、特に限定はないが、N−
メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミ
ン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノ
ールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、2−ヒ
ドロキシエチルアミン,1−アミノ−2−プロパノー
ル、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロ
キシプロピル)アミン、ビス−N−(2−ヒドロキシエ
チル)アミン、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミン、N−(2−アミノエチル)イソプロパノールアミ
ン等を好ましく挙げることができ、N−メチルエタノー
ルアミン、N−エチルエタノールアミン、ビス−N−2
−ヒドロキシエチルアミン等が硬化速度および価格の面
から好適である。
【0043】好適に用いられるオキサゾリジン類として
は、オキサゾリジン類を使用することにより本発明の樹
脂組成物の貯蔵安定性および硬化性を高める観点から、
MIPKまたはMTBKと、N−メチルエタノールアミ
ンまたはN−エチルエタノールアミンとから得られるも
のを挙げることができる。
【0044】オキサゾリジン類は、カルボニル化合物と
アミノアルコールを無溶媒下、あるいはベンゼン、トル
エン、キシレン等の溶媒存在下で加熱還流させ、脱離し
てくる水を共沸により除きながら反応させることにより
得られる。
【0045】本発明において、アミン系潜在性硬化剤の
含有量は、アクリルウレタンプレポリマー100重量部
に対して、0重量部〜10重量部が好ましく、0.1重
量部〜5重量部がより好ましい。
【0046】さらに、本発明においては、使用時に硬化
触媒を別途添加して、二液型のシーリング材等として用
いることもできる。硬化触媒は、通常のポリウレタン樹
脂組成物に使用されるものであれば特に限定されず、ト
リエチレンジアミン、ペンタメチレンジエチレントリア
ミン、モルフォリン系アミン、トリエチルアミン等のア
ミン系触媒、ジラウリル酸−ジ−n−オクチル錫、ジラ
ウリル酸ジブチル錫、スタノクトエート等の錫系触媒、
ビスマス系触媒等が挙げられる。
【0047】本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定
されないが、好ましくは、上述の各成分を減圧下あるい
は窒素存在下に、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて充
分に混練し、均一に分散させて組成物とするのがよい。
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、耐候性
に優れかつ硬化速度と貯蔵安定性のバランスを高めた一
液型のウレタン樹脂組成物として好適である。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではない。 (1)アクリルウレタンプレポリマーA1〜A9の合成 表1に示した組成で、水酸基含有アクリル重合体(A)
としてUH2000(東亞合成社製、数平均分子量10
000、OHV20.5)、ポリオール(B)として数
平均分子量2000の2官能ポリプロピレングリコール
(旭硝子(株)製、商品名EXL−2020、OHV5
6.1)および/または数平均分子量5000の3官能
ポリプロピレングリコール(旭硝子(株)製、商品名E
XL−5030、OHV33.7)を用い、これにさら
にNCO/OH=1.90となる量のポリイソシアネー
ト、およびジイソノイルフタレート(「DINP」と表
す。)を加えて、窒素の存在下、80℃で12時間加熱
撹拌することによりアクリルウレタンプレポリマーA1
〜A9を得た。
【0049】(2)アクリルウレタンプレポリマーA1
0の合成 水酸基含有アクリル重合体(A)に代えて、以下の方法
で合成した汎用アクリレートを用い、これに上記2種の
ポリオールを表1に示した組成で混合し、同様に加熱撹
拌することによりアクリルウレタンプレポリマーA10
を得た。汎用アクリレートは、ブチルアクリレート19
20g、ヒドロキシエチルアクリレート80g、DIN
P973g、ドデシルメルカプタン15g、アゾビスイ
ソブチロニトリル(「AIBN」と表す。)20gを混
合し、窒素の存在下、70℃で24時間反応させること
により、平均分子量約2万の水酸基含有アクリル重合体
を得た。
【0050】アクリルウレタンプレポリマーA1〜A1
0について、それぞれの反応に用いた全ポリオール化
合物中における水酸基含有アクリル重合体の重量比
(A)/{(A)+(B)}、全イソシアネート中の
脂肪族イソシアネートの重量比(脂肪族イソシアネート
/全イソシアネート)、アクリルウレタンプレポリマ
ーとDINPとの重量比、加えて、得られたアクリルウ
レタンプレポリマーの最終NCO%および外観を表
1に示した。ここで、「OHV」とは水酸基価をいい、
「最終NCO%」とは合成後に実測したNCO%をい
う。
【0051】
【表1】
【0052】実施例1〜11 このようにして得られたアクリルウレタンプレポリマー
を、脂肪酸エステル処理炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、アクリレートオリゴマー、キシレン、ビニルシ
ラン、エポキシシラン、老化防止剤を表2に示した配合
で用い、高粘度用混合ミキサーで均一に分散させてウレ
タン樹脂組成物を得た。
【0053】
【表2】
【0054】表2中の各成分は以下に示すとおりであ
る。 脂肪酸エステル処理炭酸カルシウム:丸尾カルシウム社
製、シーレッツ200 重質炭酸カルシウム:丸尾カルシウム社製、スーパー#
1500 アクリレートオリゴマー:東亞合成社製、UP1000 ビニルシラン:ビニルトリメトキシシラン、日本ユニカ
ー社製、A171 エポキシシラン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、日本ユニカー社製、A187 老化防止剤:チバスペシャリティ社製、チヌビンB75
【0055】比較例1、2 得られたアクリルウレタンプレポリマーA7およびA1
0をそれぞれ単独で用いたことを除いては、実施例と同
様にしてウレタン樹脂組成物を得た。
【0056】得られたウレタン樹脂組成物について、以
下に示す方法で硬化性および耐候性を評価した。 (1)硬化性試験 得られたウレタン樹脂組成物を23℃で50%相対湿度
の条件で硬化させ、JIS A5758に準拠して、タ
ックフリータイムを測定した。24時間以内にタックフ
リーになるものを○、48時間以内にタックフリーにな
るものを△、48時間でタックフリーにならないものを
×として表2に示した。 (2)耐候性試験 モルタルを被着体として、得られたウレタン樹脂組成物
を塗布面積5cm×10cmで塗布し、3日間放置して
硬化させ、試験片を作製した。この試験片を、メタルハ
ライドウェザーメータ(条件:63℃、50%RH、光
エネルギー75mW/cm2 、シャワー120秒/2時
間後)による処理を行ない、300時間経過後および8
00時間経過後に硬化物表面の状態を観察し、ひび割れ
の有無によって耐候性を評価した。ひび割れがあったも
のを×、ひび割れがなかったものを○として表2に示し
た。
【0057】表2より明らかなように、本発明のアクリ
ルウレタンプレポリマーA2〜A5を単独で用いた例
(実施例1〜4)、およびアクリルウレタンプレポリマ
ーA7およびA8を混合して用いた例(実施例5〜7)
は、硬化性と耐候性が共に優れている。水酸基含有アク
リル重合体(A)の割合[(A)/{(A)+
(B)}]が少ないアクリルウレタンプレポリマーA1
を用いた例(実施例8)では、耐候性試験において80
0時間経過後にひび割れが生じる。逆に、(A)/
{(A)+(B)}が多過ぎると、耐候性は高いが硬化
速度がやや遅くなる(実施例9)。また、全ポリイソシ
アネート中の芳香族ポリイソシアネートの割合が少ない
アクリルウレタンプレポリマーA9を用いた例(実施例
10)や、水酸基含有アクリル重合体(A)を単独で用
いたアクリルウレタンプレポリマーA8の割合が少ない
例(実施例11)では、800時間経過後にひび割れが
生じ耐候性が低下する。しかし、これらは従来のウレタ
ン樹脂組成物に比べて耐候性が明らかに向上しており、
実用上問題なく使用できる範囲である。他方、本発明の
アクリル重合体(A)に代えて汎用アクリレートを用い
た例(比較例1)や、アクリル重合体(A)を含まない
例(比較例2)では、300時間経過後に表面にひび割
れが生じ、所望の耐候性が得られない。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明に従えば、耐候性
に優れかつ硬化速度と貯蔵安定性のバランスが高い一液
湿気硬化性ウレタン樹脂組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 和憲 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 帯刀 隆信 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 Fターム(参考) 4J034 BA07 BA08 CA04 CB03 DB04 DC02 DC50 DF01 DF16 DF20 DF21 DF22 DG03 DG04 DG05 DG23 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC35 HC52 HC61 HC63 HC64 HC65 HC67 HC71 HC73 JA41 JA42 KA01 KD12 MA01 MA02 MA03 MA04 MA12 MA17 QB12 RA07 RA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温高圧下、連鎖移動剤を用いずに重合さ
    せてなる水酸基含有アクリル重合体(A)、(A)以外
    のポリオール(B)およびポリイソシアネートから得ら
    れるアクリルウレタンプレポリマーを含むことを特徴と
    する一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記水酸基含有アクリル重合体(A)と前
    記ポリオール(B)との合計量に対する前記水酸基含有
    アクリル重合体(A)の重量比が、10重量%〜95重
    量%であることを特徴とする請求項1に記載の一液湿気
    硬化性ウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記ポリイソシアネートのうち、脂肪族ポ
    リイソシアネートおよび/または脂環式ポリイソシアネ
    ートが20重量%以上含まれることを特徴とする請求項
    1または2に記載の一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】前記アクリル重合体が、連続的に(a)溶
    融樹脂混合物を含有する連続混合反応域に、(i)少な
    くとも1種のアクリル単量体と、(ii)重合開始剤と前
    記アクリル単量体のモル比が約0.0005:1〜0.
    06:1となる量の重合開始剤と、(iii )アクリル単
    量体重量基準で約0〜25%の反応溶媒とを供給し、前
    記溶融樹脂混合物は未反応アクリル単量体とアクリル重
    合体製品からなるものであり、(b)(i)前記反応域
    内の上記供給アクリル単量体の滞留時間を少なくとも約
    1分とし、そして(ii)前記反応域内での反応混合物を
    予め定めた量に維持するよう上記反応域通過流量を充分
    に維持し、(c)溶融樹脂混合物を加工が容易で、均一
    な、濃縮重合体製品に加速転化するのに充分な反応温度
    に昇温維持する工程からなることを特徴とする分子量分
    布が狭く、発色団含有量が低い、高固形分で低分子量の
    アクリル重合体製品を高収率で製造する連続塊状重合法
    により得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の一液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
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