JP2002226250A - 断熱材組成物 - Google Patents
断熱材組成物Info
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Abstract
ともに、ウレタンフォームのもつ欠点の少なくとも1つ
が改善された新規な材料を提供する。 【解決手段】セメント100重量部、発泡有機樹脂粉粒
体40重量部以上、有機バインダー1〜50重量部を含
有することを特徴とする断熱材組成物に係る。
Description
る部位に適用可能な断熱材組成物に関する。
け塗工によって断熱層を形成させるための材料として
は、ウレタンフォーム、フェノールフォーム。セルロー
スファイバー、ロックウール等が用いられている。この
中でも、以下の特徴を有する点でウレタンフォームが頻
繁に用いられている。
l/m・hr・℃であり、断熱性に優れている。第二
に、形状が複雑な部位にも適用でき、シームレスな仕上
がりが得られる。第三に、比較的低コストで施工するこ
とができる。
のような欠点があり、これらを改善する必要がある。
ォームに着火した場合は、瞬時に燃え広がる現象(いわ
ゆる爆燃)が生じるおそれがある。爆燃が発生すれば、
消火が困難な状態になり、深刻な事態を招く。
れは、ウレタンフォームの気泡内のフロン化合物(発泡
剤として使用されるもの)が経時的に空気に置換された
り、気泡内で結露が発生することによる。
物が有害性物質(溶剤、フロン化合物等)を含むため、
吹き付け施工時に周辺環境を汚染するおそれがある。
液タイプの原料が使用されるため、専用の吹付機器(先
端混合型の吹付機器)が必要とされる。
み管理が困難である。ウレタンフォームは、吹き付け時
に混合された2種の液剤が被塗物に被着した後に両者が
反応して発泡することによって形成される。このため、
被着量、発泡度合等によって厚みにバラツキが生じやす
くなる。
フォームの代替品として、断熱材としてセメントに発泡
スチロール片を混合した組成物が提案されている(特開
昭59−30755号、特開昭63−11586号公
報、特開2000−16882号公報等)。
熱伝導率が0.05kcal/m・hr・℃を超えるも
のであり、断熱性が不十分である。この点において、ウ
レタンフォームの代替品として用いるには、さらなる改
善が必要とされる。
ォームに匹敵する断熱性を有するとともに、ウレタンフ
ォームのもつ欠点の少なくとも1つが改善された新規な
材料を提供することにある。
技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
特定組成をもつ材料が上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
に係るものである。
粉粒体40重量部以上、有機バインダー(水溶性高分子
を除く。)1〜50重量部を含有することを特徴とする
断熱材組成物。
ト100重量部に対して50〜70重量部である上記項
1記載の断熱材組成物。
08g/cm3以下である上記項1又は2に記載の断熱
材組成物。
粉粒体である上記項1〜3のいずれかに記載の断熱材組
成物。
4のいずれかに記載の断熱材組成物。
度(20℃)が8000mPa・s以上である上記項5
記載の断熱材組成物。
用断熱材組成物。
材組成物によって形成された断熱層。 9.熱伝導率が
0.045kcal/m・hr・℃以下である上記項8
記載の断熱層。
上記項8又は9に記載の断熱層。
ト100重量部、発泡有機樹脂粉粒体40重量部以上、
有機バインダー(水溶性高分子を除く。)1〜50重量
部を含有することを特徴とする。
は市販品を使用できる。例えば、普通ポルトランドセメ
ント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランド
セメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポル
トランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポル
トランドセメントのほか、アルミナセメント、超速硬セ
メント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカ
セメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、キ
ーンスセメント等が挙げられる。これらは1種又は2種
以上で使用することができる。これらの中でも、ボルト
ランドセメントが好ましい。より具体的には、普通ポル
トランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強
ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、
耐硫酸塩ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセ
メントの少なくとも1種が好ましい。
気孔を有するものであれば良い。発泡有機樹脂粉粒体
は、好ましくはかさ密度が0.08g/cm3以下、よ
り好ましくは0.03g/cm3以下とする。
脂の種類は特に制限されない。例えば、発泡スチロー
ル、発泡フェノール、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロ
ピレン、発泡ポリ塩化ビニル等の公知の発泡有機樹脂を
採用することができる。これらは1種又は2種以上で使
用することができる。これらの中でも、特に発泡スチロ
ールが好ましい。
泡有機樹脂の種類等に応じて適宜設定することができ
る。通常は平均粒径1〜5mm程度とすれば良い。上記
粉粒体としては、発泡有機樹脂を粉砕したものも好適に
用いることができる。例えば、発泡スチロールを破砕す
ることにより得られる粉粒体も使用することができる。
発泡スチロール等の廃棄物を破砕したものも使用するこ
とができ、この場合には廃棄物の有効利用にも貢献でき
る。
100重量部に対して通常40重量部以上、好ましくは
50重量部以上、より好ましくは50〜70重量部とす
る。上記含有量が40重量部未満の場合には、所望の断
熱性等が得られなくなるおそれがある。
は、公知の樹脂類、ゴム類等を含むもの用いることがで
きる。例えば、樹脂類としてはアクリル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、プロピオン酸ビニル、ベオバ、アクリル酢酸ビ
ニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、
エポキシ樹脂等が挙げられる。ゴム類としては、例えば
クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等が挙げ
られる。これらは1種又は2種以上で使用することがで
きる。これらの中でも、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、アクリル酢酸ビニル樹脂等が好ましい。
使用でき、例えば粉末状、エマルション等の状態で用い
ることができる。このような形態はバインダーは公知の
もの又は市販品を使用することができる。
0重量部に対して通常1〜50重量部程度、好ましくは
2〜30重量部とする。上記含有量が1重量部未満の場
合には、十分な強度が得られなくなる。50重量部を超
える場合は、所望の断熱性等が得られなくなるおそれが
ある。
針状粒子からなる無機化合物粉末を含んでいても良い。
かかる粉末を含有させることにより、いっそう高い強度
等を付与することができる。上記粉末としては、例えば
針状炭酸カルシウムを好適に用いることができる。上記
粉末の含有量は限定的ではないが、セメント100重量
部に対して通常1〜20重量部程度とすれば良い。
土鉱物粉粒体の少なくとも1種を含有させても良い。こ
れらの含有によって、特に本発明組成物の均一化を促進
することができる。例えば、本発明組成物をポンプ圧送
する場合には、ポンプ圧送の効率をより高めることがで
きる。また、施工後の乾燥性を改善することも可能であ
る。従って、本発明組成物では、吹き付けにより施工す
る場合には、水溶性高分子を含むことが望ましい。
アルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアルキレン
オキサイド、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、ア
ルギン酸及びその誘導体、ゼラチン、カゼイン及びアル
ブメンならびにこれらの誘導体、セルロース誘導体等が
挙げられる。水溶性高分子は、高粘度品がより好まし
く、具体的にはその水溶性高分子の1%水溶液の粘度
(B型粘度計を用いて20℃で測定した値を示す。以下
同じ。)が通常8000mPa・s以上、好ましくは1
0000mPa・s以上、より好ましくは12000m
Pa・s以上となるような水溶性高分子を使用すること
が好ましい。
ン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、タルク、ウン
モ、モンモリロン石、バーミキュル石、リョクデイ石、
カオリン、パリゴルスカイト等が挙げられる。これらは
1種又は2種以上で使用することができる。これらの中
でも、セルロース誘導体、モンモリロン石等を好適に用
いることができる。
とも1種の含有量は、最終製品の用途等に応じて適宜設
定すれば良いが、通常はセメント100重量部に対して
1〜30重量部程度、好ましくは2〜15重量部とすれ
ば良い。
ニーダー等によって均一に混合することによって製造す
ることができる。この場合、必要に応じて水を配合する
ことができる。水は、セメント100重量部に対して通
常100〜1500重量部程度となるようにすれば良
い。
妨げない範囲内で公知の添加剤が配合されていても良
い。例えば、界面活性剤、骨材、難燃剤、減水剤、消泡
剤、造膜助剤等を使用することができる。
れる部位に好適に用いることができる。上記のような部
位としては、例えば建築構造物の壁面、屋根(室内側)
等に適用することができる。これらの部位に、吹き付
け、塗付等の公知の施工方法によって本発明組成物を被
着させ、被着層を乾燥すれば良い。これによって断熱層
を形成することができる。特に、本発明組成物は、吹付
用として好適に用いることができる。吹き付けにより施
工する場合は、例えばスネーク式圧送ポンプ等で本発明
組成物をポンプ圧送し、吹き付けガンを通じて本発明組
成物を各部位に被着させれば良い。
の熱伝導率が通常0.05kcal/m・hr・℃未
満、好ましくは0.045kcal/m・hr・℃以
下、より好ましくは0.040kcal/m・hr・℃
以下である。このような熱伝導率を達成できる本発明断
熱層は、特に、ウレタンフォームに匹敵する断熱性を発
揮することができる。
よって適宜設定すれば良いが、通常は10〜50mm程
度とすれば良い。
適宜設定できるが、通常は0.3g/cm3以下、好ま
しくは0.2g/cm3以下、より好ましくは0.1g
/cm 3以下することが望ましい。断熱層の比重は、例
えば発泡有機樹脂粉粒体の粒径、含有量等によって制御
することができる。
をはじめとするウレタンフォームの長所を実質的に維持
できるとともに、ウレタンフォームが有していた欠点の
少なくとも1つ、好ましくは全てを解消することが可能
となる。すなわち、下記の効果(1)〜(5)の少なく
とも1つ、好ましくは全てを達成することができる。 (1)着火による爆燃を起こさないような難燃性を発揮
することができる。 (2)経時的な断熱性能の低下を回避することができ
る。 (3)有害性物質の排出を低減ないしは防止できる結
果、周辺環境の改善が可能となる。 (4)ウレタンフォームの形成で必要とされた先端混合
型の吹付機器が不要であり、一般の吹付機器を用いるこ
とができる。特に、水溶性高分子を配合する場合には、
ポンプ圧送をより効率的に行うことができ、いっそう効
果的に吹き付け施工を実施することができる。 (5)厚み管理が比較的容易となる。
徴を一層明確にする。但し、本発明の範囲は、実施例の
範囲に限定されるものではない。
発熱性試験については次に示す方法によってそれぞれ測
定を行った。 (1)熱伝導率 熱伝導率計「Kemthrm QTM−D3」(京都電
子工業製)を用いて測定した。 (2)発熱性試験 コーンカロリーメーター「CONE2A」(アトラス
製)を用いて実施した。なお、試験時の外部発熱強度は
50kW/m2とした。発熱性の評価は、最高発熱温度
が200kW/m2を超えないものを「○」、最高発熱
温度が200kW/m2以上のものを「×」とした。 (3)溶接火玉試験 試験体を水平に置き、試験体表面から高さ250mmの
位置で、溶接機(BP交流アーク溶接機)を用いて1分
間連続して溶接を行った。この評価は、試験体が爆燃を
起こさないものを「○」、試験体が爆燃したものを
「×」とした。
一に混合し、断熱材組成物を調製した。
粒径約3mm、かさ密度0.02g/cm3) 有機バインダー:酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重
合エマルション(固形分約50重量%) 水溶性高分子:メチルセルロース(1%水溶液の粘度が
15000mPa・s) 骨材:シラスバルーン(平均粒径200μm)
板(厚さ10mm))に吹き付け、乾燥することにより
断熱層(厚さ20mm)を得た。これを基材ごと切り出
して100mm×100mm×30mmのサンプルを試
験体とした。得られた試験体の断熱層のかさ密度及び熱
伝導率を測定した。その結果を表2に示す。なお、表2
には、ウレタンフォームの物性を比較例3として示す。
ラスバルーンを比較的多く含んでいるにもかかわらず、
熱伝導率が0.05kcal/m・hr・℃を超えてい
ることがわかる。これに対し、本発明組成物による断熱
層は0.05kcal/m・hr・℃よりも低い値であ
り、比較例よりも優れた断熱性を発揮できることがわか
る。また、本発明組成物の熱伝導率は、ウレタンフォー
ムである比較例3のそれに匹敵しており、ウレタンフォ
ームの代替品として各分野での応用が期待される。
Claims (8)
- 【請求項1】セメント100重量部、発泡有機樹脂粉粒
体40重量部以上、有機バインダー(水溶性高分子を除
く。)1〜50重量部を含有することを特徴とする断熱
材組成物。 - 【請求項2】発泡有機樹脂粉粒体の含有量がセメント1
00重量部に対して50〜70重量部である請求項1記
載の断熱材組成物。 - 【請求項3】発泡有機樹脂粉粒体のかさ密度が0.08
g/cm3以下である請求項1又は2に記載の断熱材組
成物。 - 【請求項4】発泡有機樹脂粉粒体が発泡スチロール粉粒
体である請求項1〜3のいずれかに記載の断熱材組成
物。 - 【請求項5】さらに水溶性高分子を含む請求項1〜4の
いずれかに記載の断熱材組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の断熱材組
成物によって形成された断熱層。 - 【請求項7】熱伝導率が0.045kcal/m・hr
・℃以下である請求項6記載の断熱層。 - 【請求項8】比重が0.3g/cm3以下である請求項
6又は7に記載の断熱層。
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---|---|---|---|
JP2001021543A JP3837630B2 (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | 断熱材組成物 |
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Publications (2)
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JP3837630B2 JP3837630B2 (ja) | 2006-10-25 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3837630B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005320843A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-11-17 | Sk Kaken Co Ltd | 断熱構造体及びその施工方法 |
JP2008291644A (ja) * | 2008-08-12 | 2008-12-04 | Ohbayashi Corp | 断熱構造 |
JP2012131657A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Kikusui Chemical Industries Co Ltd | 軽量モルタル |
-
2001
- 2001-01-30 JP JP2001021543A patent/JP3837630B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008291644A (ja) * | 2008-08-12 | 2008-12-04 | Ohbayashi Corp | 断熱構造 |
JP2012131657A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Kikusui Chemical Industries Co Ltd | 軽量モルタル |
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JP3837630B2 (ja) | 2006-10-25 |
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