JP3738987B2 - 軽量不燃断熱材層 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は土木、建築分野において、断熱性を付与すべき部位に、形成する軽量不燃断熱材層に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来より一般の断熱材はその断熱効果を発揮させるため、断熱材内部にできるだけ多くの気泡構造を形成することが要求される。特に現場で吹付け施工を行う断熱材料の場合、このような内部気泡構造の形成は、ウレタンフォームや一部の発泡モルタルのように、断熱材の形成時における発泡反応による方法、または、パーライトやバーミキュライト等の無機軽量粉粒体を混入した軽量モルタルのように、気泡構造を有する軽量粉粒体をセメント等の水硬性母体形成物質に混合、施工する方法で形成されていた。
【0003】
しかしながら、発泡反応を利用する場合は、その反応の安定性が施工環境の影響で大きく左右されるという難点があり、一方、軽量粉粒体を大量に母体形成物質と混合する方法の場合は、一般にこれら軽量粉粒体はそれ自身強度が小さいため、混合中の力によって破砕してしまう場合があったり、或いはポンプ圧送して吹付け施工する時にはその時かかるポンプ圧力やホース移送中でのずり応力、吹付け圧力等によって軽量粉粒体がつぶれて、結果として最終製品のかさ比重が上昇し、断熱性の低下と比重の上昇を招いてしまう原因になっていた。このような傾向は、断熱材の軽量化をより高めようとして軽量粉粒体を増量するほどに顕著に表れる。
【0004】
これに対して、比較的弾力性に富み破損しにくい発泡ポリスチレン等の有機系発泡軽量粉粒体や、有機系超微粒中空発泡体、或いは無機系では強度上から比較的かさ比重の大きい中空体を使用したり、更には母体形成物質に合成樹脂やその分散体を加え断熱材全体の強度を高めたりする方法が行われてきた。
【0005】
一方、断熱材にはこうした軽量性の要求の他に、防火防災上から不燃性能の付与も大きく望まれている。断熱材の施工を行う建築、土木現場においては、断熱材の施工時に他の工事を同時並行的に行うのが常であり、断熱材施工途中や施工後に、金属の溶接等の原因により火花が生じる場合もあり得る。このような場合に断熱材が可燃性であると火災事故につながることになる。また、自己消火性の断熱材のように、火災の発生には至らなくとも、一次的に着火したり、温度上昇により有害ガスを発生するものも使用されているのが現状である。このような可燃性、もしくは自己消火性の断熱材は、その組成中に有機可燃性成分を比較的多量含有している場合が多く、このような有機可燃性成分を削減することが火災や有害ガスの発生を防止することにつながる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軽量断熱性の保持の目的として導入される前述のような発泡ポリスチレン破砕粒等の有機系発泡軽量粉粒体や、断熱材全体の強度を向上させるために使用する合成樹脂やその分散体は可燃材料であり、防火防災上からは極力削減すべきものであるが、これらを削減することは施工時における軽量断熱性の確保の問題を解決できないことになる。したがって、本発明が解決しようとする課題の第一は、このような有機可燃性成分を極力削減することで、不燃性を保持する無機質系の軽量断熱材形成材料を得ることである。
さらに、建築、土木現場においては、断熱材形成材料を現場においてポンプ圧送することが常であるが、軽量粉粒体を多量に含有する断熱材形成材料の場合には、圧送時の圧力によって前述同様に軽量粉粒体が破砕する現象が生じると、圧送ホース先端のノズルから被塗布面に吹付けられた材料は、非常に粘度の低い状態となり垂れを生じてしまう為、一回で確保できる施工塗布厚みが限定されてしまうという問題がある。したがって、本発明が解決しようとする課題の第二は、水硬性母体形成物質にかさ比重の小さい無機質軽量粉粒体を多量に混合するタイプの断熱材形成材料でありながら、ポンプ圧送、吹付けしても含有している軽量粉粒体が破砕し難く、吹付け時の材料の粘度変化が少なく、垂れにくい厚吹き可能な軽量断熱層を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような問題点を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、有機可燃性成分を削減するために、軽量粉粒体に無機発泡軽量体を使用し、さらに特定の成分を組み合わせることによって、混合時もポンプ圧送時にも該無機軽量発泡体が破砕されることなく、また水の分離による粘度低下の問題を解決できることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、以下の特徴を有するものである。
▲1▼.1.水硬性セメントおよび/または石膏100重量部、
2.かさ比重0.05〜0.15、平均粒径50〜1000μmの無機軽量骨材20〜200重量部、
3.メチルセルロースとエチルヒドロキシエチルセルロースが、20:80〜80:20の比率で配合された粘性調整剤0.5〜7重量部、
4.パルプ 2〜20重量部、
5.合成樹脂エマルションを固形分換算で2〜20重量部、を含有する組成物に、
さらに水を加えて混練、続いてポンプ圧送し、断熱性を付与する部位に吹付け、乾燥することにより形成され、かさ比重が0.15〜0.35であることを特徴とする軽量不燃断熱材層。
▲2▼.1.水硬性セメントおよび/または石膏100重量部、
2.かさ比重0.05〜0.15、平均粒径50〜1000μmの無機軽量骨材20〜200重量部、
3.メチルセルロースとエチルヒドロキシエチルセルロースが、20:80〜80:20の比率で配合された粘性調整剤0.5〜7重量部、
4.パルプ 2〜20重量部、
5.合成樹脂エマルションを固形分換算で2〜20重量部、を含有する組成物に、
さらに水を加えて、先端角度30°、重量150gの円錐形粘度計が、40〜70mm沈下する粘度の混練物に調整し、ポンプ圧送し、断熱性を付与する部位に吹付け、乾燥することにより形成され、かさ比重が0.15〜0.35であることを特徴とする軽量不燃断熱材層。
▲3▼.無機軽量骨材が、シラスバルーンであることを特徴とする▲1▼.または▲2▼.に記載の軽量不燃断熱材層。
【0009】
本発明に用いられる水硬性セメントおよび/または石膏としては、ポルトランドセメント、アルミナセメント、石灰混合セメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、メーソンリーセメント、高硫酸塩スラグセメント、石膏等水和反応によって硬化する材料が挙げられる。
【0010】
本発明に用いられる無機軽量骨材としては、かさ比重は0.05〜0.15の発泡パーライト、シラスバルーン、アルミノシリケート発泡体等であり、高軽量化、高断熱化という本発明の目的からは、0.05〜0.10がより好ましい。これら軽量骨材の平均粒径は50〜1000μmである。かさ比重が0.05より小さいと吹付けた材料が垂れやすく厚付けが困難である。また、形成された断熱材層にクラックが生じやすくなる。0.15より大きいと取り扱い時の潰れに対しては強いが、混軽量化を図ることが困難となり、高断熱材料の形成という本発明からは外れることになる。この無機軽量骨材は、セメント100重量部に対して、20〜200重量部、好ましくは軽量化、強度等の目的から50〜150重量部である。20重量部より少ないと断熱効果、軽量効果ともに不充分なものになってしまう。また、200重量部より多いと形成される断熱材の強度が極端に弱いものとなってしまう。
【0011】
粘性調整剤としてのメチルセルロースとエチルヒドロキシエチルセルロースは、一般に使用されているものであれば特に限定はされないが、両者の重量比率は20:80〜80:20でなければならない。この範囲を超えてメチルセルロースが多くなると、前記無機軽量骨材が破砕し、この範囲を超えてエチルヒドロキシエチルセルロースが多くなると、ポンプ圧送時に粘度の低下を生じたり、形成された断熱材全体の強度が低下することになる。これら両者からなる粘性調整剤は、セメント100重量部に対して、0.5〜7重量部、好ましくは1〜5重量部である。このとき0.5重量部より少ないと、混練時に無機軽量粉粒体が潰れやすくなり、また、ポンプ圧送時に水分離が生じ易く、適切なポンプ圧送が不可能になるし、7重量部より多いと、混練材料の粘稠性が強くなり、圧送性が阻害される傾向がでてくる。また、これらが有機可燃性成分ゆえ、形成された断熱材の不燃性を損なうことになる。
【0012】
本発明に用いられるパルプは、植物原料を機械的または化学的に処理してそのセルロース繊維を取り出したものであり、通常その原料として木材が最も多く使われているが、特に出発原料の種類にこだわるものではない。また再生パルプや、古紙を再生したものや混入したものでも採用できる。また水に分散された状態のものや乾燥されたもの何れの使い分けることができるが、例えば粉体状としてドライミックスして使う場合には、予め乾燥されたもので且つその繊維長は3mm程度以下が均一に他の粉粒体とドライ分散させる意味で好ましく、特に目開き1mmのメッシュをパスしたものが好ましい。また水分散されたパルプや湿ったパルプを使用する場合は、それを混練水と一緒に分散することで使うことができる。その点では先程の繊維長に限定されるものではない。パルプは、セメント100重量部に対して、2〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。2重量部より少ないとポンプ圧送時に材料が潰れてかさ比重が高くなり、また吹付けた場合に粘度の低下が大きく垂れ易くなり、一定の厚みを吹付けるのが困難となる。また20重量部より多いとそれらの問題が解消される反面、形成された断熱材の不燃性を確保することができない。
【0013】
本発明に用いられる合成樹脂エマルションとしては、アクリル酸エステル系、バーサチック酸エステル系、スチレン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、SBR系等の水分散タイプや粉末タイプが使用可能である。特に粉体一材にして、現場で水と混合する形態の方が現場での作業効率が良いことから、再乳化型粉末タイプが好ましい。合成樹脂エマルションは、セメント100重量部に対して、固形分換算で2〜20重量部、好ましくは4〜15重量部である。2重量部より少ないと形成される断熱材の基材への密着性が不充分となり、20重量部より多いと形成された断熱材の不燃性を阻害することになる。
【0014】
実際の断熱材の施工の際には、以上の各成分にさらに水を配合して一旦混練した後、その混練物をポンプで圧送して隙間に充填したり、先端に吹付けノズルをセットして圧縮空気と共に塗布対象部位に吹付けるものである。水の配合比率は、上記各成分の比率によって変動するが、望ましくは混練された物が、先端角度30°、重量150gの円錐形粘度計を用いて、水平に均した混練物表面に先端を合わせそのまま自然落下させた時にその沈降距離が40〜70mmになるような粘度になっていれば良い。このような混練物をポンプ圧送し、断熱性を付与する部位に吹付け乾燥養生させると、かさ比重で0.15〜0.35、熱伝導率が0.10kcal/mhr℃以下の軽量で且つ優れた断熱材層を形成することができる。さらに、こうして形成された軽量断熱材層は、例えば吹付け材の防火性能を評価する基準として基材同等不燃に規定された試験方法に準じて、表面加熱試験を行った場合に、5mm厚みで試験体排気温度、及び発煙係数が不燃性を満たしており、防火性能を損なうことのないことが確認できた。
【0015】
【作用】
本発明の組成物において、無機の軽量粉粒体を多量に含みながら、混練、ポンプ圧送が可能で且つ粘性及び潰れによるかさ比重の変化を最小限に抑えられるという効果は、メチルセルロースとエチルヒドロキシエチルセルロースの組み合わせから生じる特定の粘性、および、パルプの持つ保水性とパルプの繊維独特の形状による絡みつき等の作用によるものと思われる。また、そのような作用の結果、無機軽量粉粒体を従来にく大量に配合することが可能となり、セメントとあいまって有機可燃性成分を含みながらも、不燃性という防火性能を保持しつつ尚かつ吹付け施工後でも軽量性を維持することで高断熱性能を付与することができたものと思われる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)ポルトランドセメント10kgに対して、かさ比重0.13、平均粒径850μmの発泡パーライトを15kg(容積115リットル)、2%溶解粘度15000mPa・sのメチルセルロース粉末を0.15kg、2%溶解粘度13000mPa・sのエチルヒドロキシエチルセルロース粉末を0.08kg、繊維長3mm以下にされた古紙再生パルプ繊維1.5kgをV型ブレンダーに投入して5分間混合してほぼ均一の混合軽量粉体を得た。この粉体をパン型モルタルミキサーに入れ、これにスチレンブタジエン樹脂エマルション(固形分濃度45%)0.6kg(固形分換算で0.27kg)と水35.0kgを投入しながら3分間混練したところ、円錐粘度60mmの軽量な混練物が得られた。この材料について、その一部を取り、建築塗装用のカップ式手吹きガン(チップ口径10mm、エア圧力490kPa)で垂直壁面に吹付け、さらに吹付けられた材料を採取して、その比重を測定したところ0.69であった。一方、上記のミキサー混練物をスネーク式圧送ポンプのホッパーに投入、内径25mmφ、長さ30mのホースで圧送して、先端でエアを混合して壁面に吹付けたところ35mmの厚みの吹付けが可能であった。また、その圧送吹付けされた材料を採取して、その比重を測定したところ、0.72の値を示し、ポンプ圧送しない材料と比較しても殆ど同レベルの比重のものが施工されていることを確認した。また、こうして壁面に吹付けられた混練材を28日間乾燥養生した後、形成された断熱材層を切り取り、50℃の乾燥機で48時間放置後の乾燥比重を測定したところ0.34であった。また、25℃におけるその熱伝導率を測定したところ、0.079kcal/mhr ℃であった。また、同混練物から形成された断熱層の防火性能を確認するために、220×220×10mmのパーライト板に、同混練物を乾燥膜厚で5mmの厚みになるように吹付け、28日間乾燥養生して試験板を作製した。この試験板を使用し、JISA 1321「建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法 3.表面試験」に従って加熱試験を行った。その結果、10分間の加熱の間に、排気温度曲線は標準温度曲線を超えることがなく、単位面積あたりの発煙係数は30以下となり、加熱終了後30秒以上残炎がなかった。すなわち基材同等不燃の性能が確認された。
【0017】
(試験方法)
・混練物の円錐粘度測定配合例に基づき、合成樹脂エマルション及び水以外を、V型ブレンダーに投入して5分間混合してほぼ均一の混合軽量粉体を得、この粉体をパン型モルタルミキサーに入れ、これに合成樹脂エマルションと水を投入しながら3分間混練した混練物について、先端角度30°、重量150gの円錐形粘度計を用いて、水平に均した混練物表面に先端を合わせそのまま自然落下させた時にその沈降距離をmm単位にて測定した。
【0018】
・吹付け混練物の比重(カップ式手吹きガン吹付け後)
カップ式手吹きガンで、壁面に吹付けられた材料を採取してその比重を測定した。
・吹付け混練物の比重(ポンプ圧送吹付け後)
混練物をスネーク式圧送ポンプのホッパーに投入、内径25mmφ、長さ30mのホースで圧送して、先端でエアを混合して壁面に吹付けた後、壁面に吹付けられた材料を採取してその比重を測定した。
・吹付け可能厚み混練物を前述のスネーク式ポンプ(チップ口径10mm、エア圧力490kPa)で圧送して垂直壁面に連続的に吹付け、混練物にタレが生じない範囲での吹付け厚みを測定した。
・乾燥比重ポンプ圧送吹付け後、壁面に吹付けられた混練材を28日間乾燥養生した後、形成された断熱材層を切り取り、50℃の乾燥機で48時間放置後の乾燥比重を測定した。
【0019】
・熱伝導率25℃におけるその熱伝導率を測定した。(非定常熱線法京都電子工業株式会社製QTM−D3使用)
【0020】
・防火性能試験混練物から形成された断熱層の防火性能を確認するために、220×220×10mmのパーライト板に、同混練物を乾燥膜厚で5mmの厚みになるように吹付け、28日間乾燥養生して試験板を作製した。この試験板を使用し、JISA 1321「建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法 3.表面試験」に従って加熱試験を行った。この際、10分間の加熱の間に、排気温度曲線が標準温度曲線を超えることがなく、単位面積あたりの発煙係数が30以下となり、加熱終了後30秒以上残炎がないという基材同等不燃の性能を満たす場合に○、それ以外は×とした。但し、壁面に形成された断熱材層の乾燥比重が、0.35より大きい場合は防火性能試験は実施しなかった。
【0021】
(実施例2〜実施例6)実施例1と同様に、それぞれ表2に示した配合に基づいて混練物を製造し、上記試験を行った。結果を表4に示した。結果から明らかなように、これらの実施例で製造された混練物は、吹付け厚みが20mm以上と厚吹きが可能であり、ポンプ圧送吹付け後も、ポンプ圧送しない材料と比較して、殆ど同レベルの比重のものが施工されていることを確認した。また、乾燥比重は何れも、0.35以下という無機系軽量断熱材としては非常に小さい値、すなわち非常に軽量な断熱層が形成された。またそれら混練物から形成される断熱材層は何れも、基材同等不燃の性能を有するものであった。
【0022】
(比較例1)実施例1と同様に、それぞれ表3に示した配合に基づいて混練物を製造し、上記試験を行った。結果を表5に示した。パルプの配合が無いため、ポンプ圧送吹付け後の比重が、ポンプ圧送しない材料と比較して極端に大きくなり、その結果として熱伝導率が大きくなってしまった。また、吹付け可能厚みも7mmにとどまった。
【0023】
(比較例2)実施例1と同様に、それぞれ表3に示した配合に基づいて混練物を製造し、上記試験を行った。結果を表5に示した。エチルヒドロキシエチルセルロースの配合が無いため、混練物の製造時において、混練物の比重が大きくなるため、ポンプ圧送しなかった材料およびポンプ圧送した材料共に比重が極端に大きくなり、その結果として熱伝導率が大きくなってしまった。また、吹付け可能厚みも10mmにとどまった。
【0024】
(比較例3)実施例1と同様に、それぞれ表3に示した配合に基づいて混練物を製造し、上記試験を行った。結果を表5に示した。製造された混練物は非常に軽量であったが、気泡を多量に含んだフォーム状を呈し、ポンプで圧送することは不可能であった。
【0025】
(比較例4)実施例1と同様に、それぞれ表3に示した配合に基づいて混練物を製造し、上記試験を行った。結果を表5に示した。かさ比重の大きなパーライトを使用したため、形成された断熱層の乾燥比重が大きくなってしまい、熱伝導率が大きくなってしまった。また、吹付け可能厚みも6mmにとどまった。
【0026】
(比較例5)実施例1と同様に、それぞれ表3に示した配合に基づいて混練物を製造し、上記試験を行った。結果を表5に示した。合成樹脂エマルションを本発明の規定する以上に配合したため、吹付け可能厚みは30mmとなったが、防火性能は基材同等不燃の基準を満たさなかった。
【0027】
【表1】
Figure 0003738987
【0028】
【表2】
Figure 0003738987
【0029】
【表3】
Figure 0003738987
【0030】
【表4】
Figure 0003738987
【0031】
【表5】
Figure 0003738987
【0032】
【発明の効果】
本発明の効果は、本発明組成物中の有機可燃性成分を極力削減しているので、不燃性を満足する性能の断熱層を形成することができる点である。さらに、建築土木現場において、本発明組成物に加水してモルタルミキサーで混練し、ポンプ圧送しても、圧送時の圧力によって軽量粉粒体が破砕することがなく、圧送ホース先端のノズルから被塗布面に吹付けられた材料は、数十mmという厚吹きをしても垂れを生じることがない。その結果、かさ比重0.15〜0.35の非常に軽量かつ、非常に断熱性の優れた軽量不燃断熱層を形成することができる点である。

Claims (3)

  1. 1.水硬性セメントおよび/または石膏100重量部、
    2.かさ比重0.05〜0.15、平均粒径50〜1000μmの無機軽量骨材20〜200重量部、
    3.メチルセルロースとエチルヒドロキシエチルセルロースが、20:80〜80:20の比率で配合された粘性調整剤0.5〜7重量部、
    4.パルプ 2〜20重量部、
    5.合成樹脂エマルションを固形分換算で2〜20重量部、を含有する組成物に、
    さらに水を加えて混練、続いてポンプ圧送し、断熱性を付与する部位に吹付け、乾燥することにより形成され、かさ比重が0.15〜0.35であることを特徴とする軽量不燃断熱材層。
  2. 1.水硬性セメントおよび/または石膏100重量部、
    2.かさ比重0.05〜0.15、平均粒径50〜1000μmの無機軽量骨材20〜200重量部、
    3.メチルセルロースとエチルヒドロキシエチルセルロースが、20:80〜80:20の比率で配合された粘性調整剤0.5〜7重量部、
    4.パルプ 2〜20重量部、
    5.合成樹脂エマルションを固形分換算で2〜20重量部、を含有する組成物に、
    さらに水を加えて、先端角度30°、重量150gの円錐形粘度計が、40〜70mm沈下する粘度の混練物に調整し、ポンプ圧送し、断熱性を付与する部位に吹付け、乾燥することにより形成され、かさ比重が0.15〜0.35であることを特徴とする軽量不燃断熱材層。
  3. 無機軽量骨材が、シラスバルーンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽量不燃断熱材層。
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