JP7232658B2 - ロックウール組成物 - Google Patents

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本発明は、ロックウール組成物、並びにロックウール組成物からなる断熱材、吸音材及び耐火被覆材に関する。
構造物の部材に耐火性、防火性、吸音性又は断熱性等を付与する目的で、ロックウール等の繊維、及びセメントペースト等の結合材からなるロックウール吹付け材等の吹付け材が吹付けられている。この吹付け材の代表的なものであるロックウール吹付け材は、ロックウール、セメント及び水からなり、耐火性、施工性等の点で優れていることから広く使用されている(例えば特許文献1参照)。セメントは安価で優れた無機質結合材であるが、原料の石灰岩を高温で分解し更に二酸化珪素原料、酸化アルミニウム原料、酸化鉄原料等と高温で反応させ製造するため、製造時に温室効果ガスの代表である二酸化炭素を多く発生させてしまう。このため、セメントを主成分としない無機質結合材を用いた吹付け材及びそのための無機質結合材が望まれる。
特定組成の岩綿繊維(ロックウール)の結合材として、リンケイ酸塩、アルカリケイ酸塩(例えば、水ガラス)、ジオポリマー類、コロイドシリカ又はコロイドアルミナを用いることができることの開示がされている(例えば特許文献2参照)。
ところで、結合材を繊維に噴射し合流させ吹付け材として吹付け材層を形成するときに、結合材を加圧した空気とともに噴射させる技術がある(例えば特許文献3参照)。
特開2002-348978号公報 特表2012-532830号公報 実公昭55-054755号公報
しかしながら、特許文献2記載の珪酸アルカリをロックウールの結合材として、ロックウール吹付け材の半乾式工法による吹付工法に汎用的に用いられている装置を用いて、結合材の噴射に圧縮空気を用いずに吹付け材層(ロックウール組成物)を製造しようと試みたところ、断熱性能等が不充分となる場合や形状を保持できない場合があることが判明した。
従って、本発明の課題は、断熱性能に優れ且つ形状を保持できる、セメントを主成分とせずにセメント以外の無機質結合材を用いた結合材とロックウールとを主成分とするロックウール組成物、断熱材、吸音材及び耐火被覆材を提供することにある。
そこで本発明者は、セメント以外の無機質結合材として珪酸アルカリに加えてセメント及び珪酸アルカリ以外のSiO2含有無機質粉末を配合する無機質結合材を、ロックウールとともに吹付け、ロックウール組成物層(吹付け材層)を形成し種々検討したところ、ロックウールの質量に対する無機質結合材の固形分の質量の割合を特定の範囲にすれば、断熱性能に優れ且つ形状を保持できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔5〕を提供するものである。
〔1〕(A)珪酸アルカリ、セメント及び珪酸アルカリ以外のSiO2含有無機粉末、並びに水を含有する無機質結合材と、(B)ロックウールとを含有し、ロックウールの質量(MRW)に対する無機質結合材の固形分の質量(MGP)の割合が、0.05~4.0であるロックウール組成物。
〔2〕前記無機質結合材中の水の含有率が20質量%以上である〔1〕記載のロックウール組成物。
〔3〕〔1〕又は〔2〕記載のロックウール組成物からなる断熱材。
〔4〕〔1〕又は〔2〕記載のロックウール組成物からなる耐火被覆材。
〔5〕〔1〕又は〔2〕記載のロックウール組成物からなる吸音材。
本発明によれば、断熱性能に優れ且つ形状を保持できる、セメントを主成分とせずにセメント以外の無機質結合材を用いた結合材とロックウールとを主成分とするロックウール組成物、並びに、断熱材、吸音材及び耐火被覆材が提供できる。
本発明のロックウール組成物は、(A)珪酸アルカリ、セメント及び珪酸アルカリ以外のSiO含有無機質粉末、並びに水を含有する無機質結合材と、(B)ロックウールとを含有し、ロックウールの質量(MRW)に対する無機質結合材の固形分の質量(MGP)の割合(MGP/MRW)が0.05~4.0であることを特徴とする。
GP/MRWが0.05未満であると、形成したロックウール組成物層の形状を保持できない。また、MGP/MRWが4.0を超えると、形成したロックウール組成物層の熱伝導率が大きくなり、断熱性能が不十分となる。形成したロックウール組成物層の形状を保持する性能が優れ、且つ形成したロックウール組成物層の熱伝導率が小さいことから、MGP/MRWを0.08~3.5とすることが好ましく、0.1~3.1とすることがより好ましく、0.1~3.0とすることが最も好ましい。
本発明において、ロックウール(B)とは、溶融炉で溶融された岩石や高炉スラグ等を主体とする材料が、急冷されながら、繊維化された素材(鉱物繊維)である。例えば、高炉スラグを主体とする材料から製造されたスラグウールなども含まれる。本発明に用いるロックウールとしては、吹付けロックウールで用いるロックウール粒状綿のように塊状(粒状)のものが、形成したロックウール組成物層の熱伝導率が小さく、且つ形成したロックウール組成物層の形状を保持する性能が優れることから好ましい。
本発明の無機質結合材(A)に用いる珪酸アルカリとしては、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、水ガラス等の珪酸ナトリウム又は珪酸ナトリウム水溶液、珪酸リチウム又は珪酸リチウム水溶液、珪酸カリウム又は珪酸カリウム水溶液、或いはこれらの2種以上の混合物が好ましい。
無機質結合材(A)中の珪酸アルカリ含有率は、結合材としての機能を発揮する観点、及び施工(特に吹付け施工)、ロックウール組成物層の成形に適した無機質結合材の可使時間を得るという観点から、1質量%以上45質量%以下であるのが好ましい。ここで、珪酸アルカリの含有量は、水溶液を用いたとして珪酸アルカリ自体の量である。また、珪酸アルカリの含有率は無機質結合材の硬化性の観点から2質量%以上が好ましく、5質量%以上が好ましい。また、流動性を保持できる時間を長くすることができるという観点から40質量%以下が好ましく、38質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
本発明に用いるセメント及び珪酸アルカリ以外のSiO2含有無機質粉末(以下、「SiO2含有無機質粉末」ということがある。)とは、セメント及び珪酸アルカリ以外で主な化学組成としてSiO2を含有する無機質粉末のことをいい、例えば、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、メタカオリン、シリカフューム、火山灰、火成岩粉末、火成岩焼成物の粉末、下水汚泥スラグ焼成物の粉末、都市ごみ溶融スラグの粉末等が好ましい例として挙げられる。SiO2含有無機質粉末としては、ブレーン比表面積が2000cm2/g以上のものが結合材の硬化が早いことから好ましく、より好ましくは2500cm2/g以上のものを用いる。また、本発明に用いるSiO2含有無機質粉末のブレーン比表面積の上限値としては、吹付け工法によるロックウール組成物層(吹付け材層)を形成するときに発生する粉塵を少なくできることから12000cm2/g以下が好ましく、より好ましくは10000cm2/g以下とする。
これらのSiO2含有無機質粉末の無機質結合材(A)中の含有率は、結合材としての機能を発揮する観点、及び施工(特に吹付け施工)、ロックウール組成物層の成形に適した無機質結合材の可使時間を得るという観点から1質量%以上60質量%以下であるのが好ましい。また、SiO2含有無機質粉末の含有率は、無機質結合材の硬化性の観点から2質量%以上が好ましく、5質量%以上が好ましい。また、コンシステンシーの観点から55質量%以下が好ましく、53質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。
本発明に用いる無機質結合材(A)には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ又はその水溶液を添加してもよい。
本発明における無機質結合材の固形分の質量(MGP)を求めるに当たり、珪酸アルカリの固形分は、当該珪酸アルカリ中の珪素(Si)及びアルカリ金属(M)がそれぞれSiO2及びM2Oであるものとして、それ以外は水分であるものとして計算する。
本発明に用いる無機質結合材中の含有率(CW)は、下記式(1)のように本発明の無機質結合材中の水の質量(MW)を無機質結合材の質量(MB)で除した値をパーセント表示で表したものであるが、このときの無機質結合材に含有する水の質量(MW)には、大気中の水分の影響でSiO2含有無機質粉末に含まれる水の質量等のように無視できる程小さい場合はこれを考慮しなくともよい。また、珪酸アルカリ等を水溶液として使用した場合の水の量は、この水の含有量に含める。
(数1)
(質量%)=M÷M×100 ・・・・ (1)
本発明に用いる無機質結合材中の水の含有率(CW)が20質量%以上であると、半乾式工法による吹付けロックウールで使用している吹付け装置を用いて当該結合材を噴射し、ロックウールと合流させ均質な吹付け材層(ロックウール組成物層)を形成することができることから好ましい。また、本発明に用いる無機質結合材中の水の含有率(CW)が35質量%以上であると、結合材の噴射に圧縮空気を用いなくとも、半乾式工法による吹付けロックウールで使用している吹付け装置を用いて当該結合材を噴射し、ロックウール等の繊維と合流させ均質な吹付け材層を形成することができることから更に好ましい。ここで、均質とは、吹付けに用いるロックウールが吹付けロックウールで用いるロックウール粒状綿のように塊状(粒状)の場合は、繊維塊の表面に結合材がほぼ均等に付き一部が繊維塊の内部に浸透し、繊維塊と繊維塊の間に結合材が存在する状態をいう。
本発明に用いる無機質結合材中の水の含有率(CW)が40質量%以上であると、結合材の噴射に圧縮空気を用いなくとも噴射された結合材が霧状となるため、より均質な吹付け材層(ロックウール組成物層)を形成することができることからより好ましい。また、水の含有率(CW)が47質量%超、特に60質量%以上であると吹付け施工時(ロックウール組成物層の形成)に発生する粉塵の量が少ないことから好ましい。また、本発明に用いる無機質結合材中の水の含有率(CW)の上限値は98質量%である。つまり、水の含有率(CW)は98質量%以下が好ましい。98質量%を超えると、壁面や天井面に形成した吹付け材層(ロックウール組成物層)が硬化、乾燥後に、形状を維持できない虞がある。吹付け材層(ロックウール組成物層)の硬化、乾燥後における形状維持の点から、本発明に用いる無機質結合材中の水の含有率(C)は96質量%以下がより好ましく、95質量%以下が最も好ましい。
本発明に用いる無機質結合材(A)は、珪酸アルカリと、セメント及び珪酸アルカリ以外のSiO含有無機質粉末と、水とを主成分として含有する無機質結合材であるが、これらの他に、他の無機質成分、有機質成分を含有してもよい。この他の無機質成分として、SiO含有無機質粉末の質量に対し10質量%以下含有させてもよく、この場合のセメントは主にSiO含有無機質粉末の刺激剤として作用する。原材料の製造により発生する二酸化炭素の発生量が少ないことから、本発明の繊維吹付け用結合材におけるセメントの含有割合をSiO含有無機質粉末の質量に対し5質量%以下とすることがより好ましく、2質量%以下とすることが更に好ましい。
本発明のロックウール組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記の成分以外のもの、例えば炭酸ナトリウム,硫酸ナトリウム等のアルカリ金属塩を含む各種のセメント用・モルタル用又はコンクリート用混和材料のうち上記以外のもの、その他の成分(添加剤)が含まれていてもよい。
本発明のロックウール組成物は、ロックウール吹付工法における乾式工法、半乾式工法又は湿式工法と同様な吹付工法で製造することが好ましい。半乾式工法のロックウール吹付工法と同様の工法で製造する場合は、半乾式工法のロックウール吹付工法におけるセメントペーストの代わりに上記の無機質結合材を用いる。また、ロックウール吹付工法における乾式工法と同様の工法で製造する場合は、乾式工法のロックウール吹付工法におけるセメントとロックウールが乾式混合されたロックウール組成物の代わりに、水又は珪酸アルカリ水溶液以外の材料の乾式混合物を用い、水を乾式工法のロックウール吹付工法と同様に用いるか、水の代わりに珪酸アルカリ水溶液を用いる。このとき用いる水又は珪酸アルカリ水溶液に、本発明の効果を損なわない範囲で、他の材料が分散又は溶解していてもよい。また、ロックウール吹付工法における湿式工法と同様の工法で製造する場合は、本発明のロックウール組成物をミキサで湿式混合することで製造し、その混練物をロックウール吹付工法における湿式工法と同様に吹付ける又は一般のモルタルと同様に用いる。
本発明のロックウール組成物は、ロックウールとセメントペーストとを主成分とするロックウール組成物(吹付けロックウール)の代替物として用いることができる。即ち、耐火被覆材、吸音性被覆材(吸音材)又は断熱性被覆材(断熱材、保温材)として用いることができる。また、本発明のロックウール組成物は、可燃性の材料が含まれていないことから、可燃性材料の含有量を抑える又は可燃性材料を含有させないことで、不燃性被覆材とすることができる。
本発明の断熱材は、上記のロックウール組成物からなる。また、本発明の耐火被覆材は、上記のロックウール組成物からなる。
本発明の吸音材は、上記のロックウール組成物からなる。上記のロックウール組成物は、ロックウールに空気が多く含まれているため、吸音性能に優れる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
珪酸アルカリ、セメント及び珪酸アルカリ以外のSiO2含有無機質粉末及び水を用い、表1に示す配合割合で無機質結合材を作製した。用いた材料を以下に示した。表1中の「%」は「質量%」を意味する。
(使用材料)
(1)珪酸アルカリ1:2号水ガラス(SiO2;31.41質量%,Na2O;12.29質量%,H2O;56.30質量%),記号;WG1
(1)珪酸アルカリ2:3号水ガラス(SiO2;28.93質量%,Na2O;9.34質量%,H2O;61.73質量%),記号;WG2
(2)SiO2含有無機質粉末1:高炉スラグ粉末(高炉スラグ微粉末4000,ブレーン比表面積;4130cm2/g),記号;PW1
(3)SiO2含有無機質粉末2:フライアッシュ(JIS規格II種適合品,ブレーン比表面積3730cm2/g),記号;PW2
(4)水:佐倉市上水
Figure 0007232658000001
作製した無機質結合材をロックウールと、ロックウール吹付け材の半乾式工法による吹付工法に汎用的に用いられている装置であるセンターガンと呼ばれる特許文献3の第1図及び第2図に示されるような吹付けガン(ノズル)(但し、空気用パイプはない。)により、主材料吐出パイプ(繊維吐出パイプ)の中心付近に配設されている液体用パイプ(結合材用パイプ)より、圧縮空気を用いずに作製した無機質結合材を噴射し、結合材の噴射状況を評価した。次の項目について評価試験を行った。その結果、噴射された結合材が何れも霧状となり、「優良」の評価であった。また、吹付け試験において使用した繊維は、次の繊維を使用した。
(1)ロックウール:ロックウール粒状綿(太平洋マテリアル社製),記号;FB1
(評価試験)
(1)噴射試験
ロックウール吹付け材の半乾式工法による吹付工法に汎用的に用いられている装置であるセンターガンと呼ばれる特許文献3の第1図及び第2図に示されるような吹付けガン(ノズル)(但し、空気用パイプはない。)により、主材料吐出パイプ(繊維吐出パイプ)の中心付近に配設されている液体用パイプ(結合材用パイプ)より、圧縮空気を用いずに作製した繊維吹付け用結合材を噴射し、ブロワーにより粒状のロックウールをセンターガンの主材料吐出パイプに圧送し当該主材料吐出パイプの先端より噴射し、合流混合させてロックウール組成物を製造した。
製造したロックウール組成物の性能評価を行い、その結果を表2に示した。
(2)絶乾嵩密度測定
噴射試験と同じ装置を用い、ブロワーにより粒状の繊維をセンターガンの主材料吐出パイプに圧送し当該主材料吐出パイプの先端より噴射し、作製した繊維吹付け用結合材をセンターガンの液体用パイプより噴射することで、繊維と繊維吹付け用結合材とを合流混合させ吹付け材とした上で、鉛直に立てた合板に吹付けた後、合板に吹付けた吹付け材の厚み(Xa(cm))は厚みゲージにより求め、内径80mmのロックウール専用切抜き器を用いてコアを採取した。
次式(2)によりコアの体積(V)を算出した。
(数2)
V (cm) = 4×4×π×Xa(cm) ・・・・・(2)
次式(3)により、切抜いたコアを乾燥機に入れて恒量にしたときの質量w(g)を用いて吹付け材の絶乾嵩密度(ρ)を算出した。
(数3)
ρ (g/cm) =w(g)÷V (cm) ・・・・・(3)
(3)形状保持性
絶乾かさ密度測定で示した繊維と繊維吹付け用結合材とを合流混合させた吹付け材を200mm×200mm×30mmの型枠に吹付けて鏝で押えて成形し、恒量になるまで養生した後、型枠から脱型し、送風機を用いて吹付け材に対して垂直方向の外圧を10分間与えた。
風速10m/sの送風後に吹付け材の外形を確認し、外形に変形のない場合を形状保持性能「優良」(記号:◎)、風速10m/sの送風では吹付け材に変形が認められるが風速5m/sの送風では吹付け材に変形が認められない場合を形状保持性能「良」(記号:○)、風速5m/sの送風において吹付け材に変形が認められた場合を「やや良」(記号:△)と評価した。
(4)熱伝導率(断熱性の評価)
吹付け材の熱伝導率の測定方法はJIS A 1412-2に準拠して平板熱流計法に従い、測定条件を測定温度20.0℃、吹付け材の温度差を20.0℃とした。吹付け材の熱伝導率の値が、0.052(W/mK)以下である場合を断熱材としての性能が「優良」(記号:◎)とし、0.052(W/mK)より大きく0.065(W/mK)以下である場合を断熱材としての性能が「良好」(記号:○)とし、0.065(W/mK)より大きく0.1(W/mK)以下である場合を断熱材としての性能が「やや良」(建築用断熱材としては性能が不足するがけい酸カルシウム板(ボード)や石膏ボード等と同程度以下の熱伝導率の値)(記号:△)とし、0.1(W/mK)より大きい場合を断熱材としての性能が「不良」(記号:×)とした。
(5)耐火性能(耐火被覆材としての評価)
250mm×250mm×34mmの型枠に250mm×250mm×9mmの鋼板を設置した(内寸:250mm×250mm×25mm)。この型枠に吹付け材を充填し、温度20±2℃、相対湿度60±5%の室内で養生して恒量にした後に脱型することで鋼板と吹付け材が一体化した試験体を作製した。この鋼板と吹付け材が一体化した試験体の結合材が露出した250mm×250mmの面を加熱面として、試験体裏面の鋼板中央部に熱電対を設置し、加熱面を除くすべての面を断熱材で覆い、加熱温度をJIS A 1304に定める加熱曲線に準拠して1時間加熱を行った。1時間加熱後に、鋼板中央部の温度を測定した。また、ロックウール吹付け材の半乾式工法を用いて、同様な試験体を作製し、同様な加熱試験を行ったところ鋼材中央部の温度は310℃であった。この温度を耐火被覆材としての性能の基準値とし、基準値との温度差が20℃未満である(鋼板中央部の温度が330℃未満である)場合を耐火被覆材としての性能が「優良」(記号:◎)とし、基準値との温度差が20℃以上40℃未満である(鋼板中央部の温度が330℃以上、350℃未満である)場合(を耐火被覆材としての性能が「良好」(記号:○)とし、基準値との温度差が40℃以上90℃未満である(鋼板中央部の温度が350℃以上400℃未満である)場合を耐火被覆材としての性能が「やや良」(記号:△)とした。
Figure 0007232658000002
表2の結果から、MGP/MRWが0.05~4.0の、珪酸アルカリ、セメント及び珪酸アルカリ以外のSiO2含有無機粉体、並びに水を含有する無機質結合材と、(B)ロックウールとを含有するロックウール組成物を用いて吹付けを行うと、形状保持性能及び断熱性能に優れ、断熱材及び耐火被覆材として良好な性能を示した。特に、MGP/MRWが0.08~3.1の、珪酸アルカリ、セメント及び珪酸アルカリ以外のSiO2含有無機粉体、並びに水を含有する無機質結合材と、(B)ロックウールとを含有するロックウール組成物を用いて吹付けを行うと、建築用断熱材としても良好な性能を示した。

Claims (5)

  1. (A)珪酸アルカリ、セメント及び珪酸アルカリ以外のSiO2含有無機粉末、並びに水を含有する無機質結合材と、(B)ロックウールとを含有し、ロックウールの質量(MRW)に対する無機質結合材中の固形分の質量(MGP)の割合が0.05~4.0の吹付け材層であるロックウール組成物。
  2. 前記無機質結合材中の水の含有率が60質量%以上98質量%以下である請求項1記載のロックウール組成物。
  3. 請求項1又は2記載のロックウール組成物からなる断熱材。
  4. 請求項1又は2記載のロックウール組成物からなる耐火被覆材。
  5. 請求項1又は2記載のロックウール組成物からなる吸音材。
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