JP2003261366A - ロックウール、ロックウール成形体およびこれらの製造方法 - Google Patents

ロックウール、ロックウール成形体およびこれらの製造方法

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JP2003261366A JP2002065408A JP2002065408A JP2003261366A JP 2003261366 A JP2003261366 A JP 2003261366A JP 2002065408 A JP2002065408 A JP 2002065408A JP 2002065408 A JP2002065408 A JP 2002065408A JP 2003261366 A JP2003261366 A JP 2003261366A
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furnace slag
crystallization
rockwool
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Katsunori Takahashi
克則 高橋
Masato Takagi
正人 高木
Naoto Yamada
直人 山田
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JFE Rockfiber Corp
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C13/00Fibre or filament compositions
    • C03C13/06Mineral fibres, e.g. slag wool, mineral wool, rock wool

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性の低下を招くことなく、また特別な製
造装置を用いなくとも熱負荷がかかったときにも劣化の
ない耐火性能に優れたロックウール、その成形体、なら
びにこれらの有利な製造方法を提案する。 【解決手段】 高炉スラグを主原料とする溶融体を、高
速回転する回転体表面へ流下させ、ガスを吹き付けて飛
散させることにより得られる繊維からなるロックウール
において、前記繊維表面に、酸化鉄、高炉スラグ微粉末お
よび酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか一種
以上の結晶化促進材を付着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火性に優れたロ
ックウールとその成形体ならびにこれらの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ロックウールは、産業副生物である高炉
スラグを主成分とし、これを成分調整して得た無機繊維
であり、グラスウールに比べて耐熱性に優れた点に特徴
をもつ材料である。このロックウールは、主原料である
高炉スラグを電気炉やキューポラなどで溶解し、さらに
成分調整用の副原料を加えてなる溶融状態のスラグを図
1に示すような1以上の複数個の組合せからなる回転冷
却体1a〜1d(ホイール)の胴周面上に注ぎ、その胴周面
上にあるスラグ溶融体に対し、軸方向の背後から周方向
に配設させたノズルを介して圧縮空気を吹き付けること
により、軸方向に向けて直線状に飛散させながら糸状
(繊維)に引き出すことによって製造されている。
【0003】そして、このようにして得られた繊維をボ
ードやフェルト状に成形するには、前記繊維に保形用バ
インダーを加え、さらに回転冷却体の背後からの圧縮空
気によって軸方向の前方に送り出したその先に、集綿用
のコンベアを設置しておいて薄い層状に集め、これを積
層し、次いで所定の形の成形体としている。
【0004】このようにして製造されたボード類等の主
な用途の1つとしては、住宅やマンションなどの断熱・
吸音部材がある。この用途において求められているボー
ドの特性としては、高い断熱性と吸音性がある。ただ
し、近年では、その他に高い耐火性をも要求されるケー
スが多い。しかも、工場や倉庫、店舗などの耐火性能が
要求される建築物では、ロックウールの通常の耐火性だ
けでは不十分であり、他の耐火材料と組み合わせて使用
されるのが普通である。従ってもし、このロックウール
が今以上に高い耐火性をもてば、施工性や構造などが大
幅に改良でき、用途が拡大する可能性がある。
【0005】ところで、ロックウールは、グラスウール
などに比べると高い耐火性能があり、鉄骨の耐火被覆材
の原料などとしても有効である。しかしながら、このロ
ックウールは基本的には、使用可能温度が600℃以下
とされており、800℃を超える環境下では、軟化と大
きな収縮が起こってしまう。したがって、使用環境が前
記温度以上になる場合には、高価なセラミック繊維を用
いたり、他のボード製品などと組み合わせて使用するこ
とが一般的である。
【0006】ロックウールが抱えているこのような問題
を解決するため、従来、ロックウールの耐火性および耐
熱性を改善する方法について検討を重ねてきた。その考
え方の基本は、再加熱の際に、繊維を結晶化させて形状
の維持を図るというものである。
【0007】ガラスに代表されるような非晶質材料は、
高温条件に曝されると、粘度の低下を招いて変形が生じ
る。そのため、非晶質材料を繊維とした場合には、融着
や収縮が生じ、元の形状を保持することができなくなっ
てしまう。それ故に、かかる非晶質材料を元の形状に安
定して維持させる方法としては、結晶化させることが有
効であると考えられる。この方法は、板ガラスなどの分
野では既に結晶化ガラスなどとして利用されている公知
の手法であり、結晶化することによって、非晶質部、つ
まり粘性の高い液相部の相対的な含有量が減ることによ
り、収縮や変形を抑制できるというものである。この手
法を非晶質繊維で実現する方法としては、主に溶融状態
のスラグの組成を変える方法、あるいは繊維化したあと
の繊維表面に、何らかの処理を施す方法の2つの方法が
ある。
【0008】例えば、溶融状態のスラグ組成を変える方
法としては、特開平10-324542号公報では、P2O5を添加
する方法、特開平9-202645号公報では、FeOを添加する
方法を、それぞれ開示している。通常のロックウール
は、再加熱されると非晶質部分が再流動、融着し、繊維
の形状が保持できなくなり、大きく収縮して耐火層とし
て作用できなくなる。この点、上記各公報に開示の技術
を用いれば、非晶質である繊維を低温域において結晶化
し、その形を保持することができる。この方法は、極め
て有効であり、壁材などに用いた場合にも高い耐火性を
有することが確認されている。
【0009】しかしながら、上記従来技術は、溶融組成
を変更する方法であることから、その前後で生産される
ロックウールの特性が、汎用品と高耐火品の間の中途半
端なものとなってしまい、場合によっては廃棄せざるを
えないこと、また、組成の切り替えにともない生産効率
が低下という問題点があった。また、成分によっては、
スラグを溶解しておく溶融炉の耐火物を早期に損傷する
場合があり、これも問題点の1つとなっていた。
【0010】さらに、高炉スラグを主原料として製造さ
れたロックウールは、美しい白色の繊維であるが、例え
ばスラグに酸化鉄を添加した場合には、緑青色に変色し
てしまう。これは、製品の連続性を著しく損なう上、後
から他のロックウールを混合したような場合に色調が変
わる、といった使用上の問題点もあった。
【0011】これに対し、もう1つの方法である繊維化
した後に表面処理する方法については、製造された綿を
後から処理することができるので、一般的なロックウー
ルが使用でき、生産効率などの面において有利である。
こうした技術の中で、特開昭54-82491号公報では、ロッ
クウールの表面を溶液状態のリン化合物で被覆する技術
が、特開平6-107443号公報では、カルシウム塩を主材と
し、鉄塩、カリ塩およびアンモニウム塩のうちの1以上
を助剤とした水溶液とセメントとの混合液から固形分を
除去して得られる水溶液を塗布する技術が、また特開平
9−255375号公報では、水溶性ホウ素化合物および水溶
性リン化合物を表面に固定した繊維が開示されている。
【0012】これらの方法は、繊維の表面部を核として
結晶化を促進することによって耐火性を改善するという
ものである。しかしながら、これらの方法は、前述のよ
うに一般的なロックウールを用いることができるという
大きなメリットがあるものの、リン化合物系では、効果
が比較的小さいことや、取り扱いに注意が必要になるこ
と、カルシウム塩系とセメント系溶液の場合には、前処理
が複雑になったり、アルカリ性が強くなりすぎて繊維が
劣化してしまうおそれがある、というような問題点があ
るため、実際にはあまり普及していないのが実情であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】スラグ組成を変える方
法、ならびに表面処理を行なうという上記各従来技術
は、上述したように解決すべき多くの課題が残されてい
ることがわかった。そこで、本発明の目的は、生産性の
低下を招くことなく、また特別な製造装置を用いなくと
も熱負荷がかかったときにも劣化のない耐火性能に優れ
たロックウール、その成形体、ならびにこれらの有利な
製造方法を提案することにある。
【0014】
【発明を解決するための手段】上掲の目的の実現に向け
て本発明者らは、繊維の結晶化を促進しつつ、かつ、従
来技術のもつ上記課題を改善するために鋭意検討した。
その結果、繊維の表面の少なくとも一部にある種の結晶
が析出していれば、繊維径が10μm以下のロックウール
では、繊維全体の結晶化が速やかに進むことがわかっ
た。そこで、発明者らは、そうした結晶化を誘引するた
めの核となる材料について、種々の検討を行なった結
果、下記の要旨構成に係る本発明を開発するに至った。
【0015】本発明は、高炉スラグを主原料とする溶融
体を、高速回転する回転体表面へ流下させ、ガスを吹き
付けて飛散させることにより得られる繊維からなるロッ
クウールにおいて、前記繊維の表面に、酸化鉄、高炉スラ
グ微粉末および酸化マグネシウムのうちから選ばれるい
ずれか一種以上の結晶化促進材が付着したものからなる
ことを特徴とするロックウールを提案する。
【0016】また、本発明は、繊維の表面に、酸化鉄、高
炉スラグ微粉末および酸化マグネシウムのうちから選ば
れるいずれか一種以上の結晶化促進材が付着したロック
ウールを積層し、ボード状あるいはフェルト状に成形し
たものからなることを特徴とするロックウール成形体を
提案する。
【0017】さらに、本発明は、高炉スラグを主原料と
する溶融体を、高速回転する回転冷却体表面へ流下させ
ると共にガスを吹き付けて線状に引き出すことにより、
繊維状にするロックウールの製造方法において、回転冷
却体の表面から引き出される繊維に対し、酸化鉄、高炉
スラグ微粉末および酸化マグネシウムのうちから選ばれ
るいずれか一種以上の結晶化促進材を供給して付着させ
ることを特徴とするロックウールの製造方法を提案す
る。
【0018】さらに、本発明は、高炉スラグを主原料と
する溶融体を、高速回転する回転冷却体表面へ流下させ
ると共にガスを吹き付けて線状に引き出すことにより繊
維とし、この繊維を積層してボード状もしくはフェルト
状に成形してロックウール成形体とする方法において、
回転冷却体の表面から引き出される前記繊維に対し、酸
化鉄、高炉スラグ微粉末および酸化マグネシウムのうち
から選ばれるいずれか一種以上の結晶化促進材を供給し
て付着させ、次いでその繊維を積層して所望の形状に成
形することを特徴とするロックウール成形体の製造方法
を提案する。
【0019】
【発明の実施の形態】上述したように、ロックウール繊
維の表面を結晶化させると、形態を安定に維持できるこ
とは知られていたが、実際にこれを実現する現実的な方
法や経済的な方法については、具体的に提案されていな
いのが現状である。
【0020】発明者らは、ガラス状物質の結晶化の現象
についての研究の結果、再加熱によりガラス表面から結
晶化が進むことを確認した。さらに、ガラスの組成の全
体を変える必要はなく、ガラス表面の少なくとも一部
を、特定の結晶化促進材を使って結晶化させれば、それ
が周囲に波及して結晶化が進むことを知見した。即ち、
繊維表面に、結晶化の核となる物質がないと、ほとんど
結晶化がおこらないのに対し、繊維(ガラス)表面に結
晶化の核となる材料が少なくとも一部にまぶされた状態
で付着していれば、結晶化は一気に進みうることを確認
した。
【0021】発明者らは、こうした結晶化を誘引する核
となる物質について、どのようなものが適しているのか
についての検討も行なった。例えば、リン化合物系の溶液
を結晶化促進材として利用する方法なども検討したので
ある。
【0022】こうした検討の中で、発明者らは、上記の
ような溶液タイプのものに拘泥する必要がないことに気
付いた。それは、繊維というのは比表面積が大きいた
め、何れも均質溶液を散布あるいは塗布して完全に被覆
する必要はなく、たとえば、所望の結晶化促進材が繊維
表面に部分的に付着していれば、それを核にしてその周
りに波及し、結晶化が促進されることがわかった。言い
換えると、特定の材料を粉体のまま、あるいは水などに
溶解させずに、また単に、混ぜてスラリー化したもの
を、繊維表面にまぶすように付着させるだけでも、十分
に必要な作用効果(結晶化)を発現させることができる
ことを見出したのである。なお、空気中で加熱したとき
に、上記の結晶化促進材となり得る水溶性化合物を溶解
した溶液でも、当然、結晶化効果を発現させることがで
きる。
【0023】ただし、この方法により繊維に高耐火性を
付与するためには、結晶化が極めて進み易い材料を用い
る必要がある。なお、結晶化がある程度進むような結晶
化促進材であれば、部分的には結晶化が起こる。しか
し、このような材料の場合、加熱による結晶化よりも早
くに変形などが起こってしまい、耐火性を発現できない
こともあり得る。そこで、一般的なロックウール、つま
り高CaOガラス組成を有するロックウールに対し、どの
ような材料が結晶化に適するかについて検討を行なっ
た。
【0024】その結果、通常のロックウールでは、初め
にゲーレナイト(gehlenite)Ca2Al 2SiO7が結晶化する
が、これが析出すると、CaO分が優先的に析出してしま
い、残留層が一般的なガラスの主成分であるSiO2リッチ
な組成となり、結晶化が進みづらくなり、このことが通
常のロックウールにおいて高耐火性を示さない理由とな
っている。
【0025】一方、前記ゲーレナイトの析出後、これに
続いて結晶化するアンジト(Angite)Ca(Fe,Mg)Si2O
6は、結晶化する際にSiO2をより多く消耗するため残留
層のSiO2が減り、そのために結晶化が進みやすくなるこ
とがわかった。
【0026】このような観点から、発明者らは、2つの
考えに至った。その第1は、ゲーレナイト(Ca2Al2Si
O7)を積極的に析出させるという考え方である。つま
り、高炉スラグの場合、ゲーレナイト(Ca2Al2SiO7)が
主成分であることを考えると、どうしても残留層がSiO2
リッチになるが、これを避けるため、添加物としてCaO
リッチな原料を使用することが望ましい。そのために、
繊維に付着させる結晶化促進材として本発明では、CaO
リッチな高炉スラグ微粉末を用いることにした。そもそ
も、高炉スラグ微粉末は、ロックウールの原料である高
炉スラグと同じ組成であり、CaOが40wt%程度とSiO2より
も高いのが特徴である。しかも、この高炉スラグ微粉末
は、基本的にガラス質であり、親和性にも優れている。
【0027】高炉スラグ微粉末以外のCaOリッチな原料
としては、消石灰(Ca(OH)2)や生石灰(CaO)、セメン
ト(CaO≧60%)などがあるが、これらは、空気中におく
と強いアルカリ性を示す一方、ロックウール繊維は、ア
ルカリ侵食に対してあまり強いとはいえないため、長期
的な劣化が起こる可能性が高い。この点、高炉スラグ微
粉末は、僅かにアルカリを呈するものの、繊維を劣化さ
せるレベルではなく有効な結晶化促進材料と判断され
る。
【0028】第2の方法は、アンジト(Ca(Fe,Mg)Si
2O6)を積極的に析出させるという考え方である。この
場合、もともとロックウール繊維中には、CaOやSiO2
十分に含まれていることから、その他の材料であるFeO
やMgOを結晶化促進材として添加することが有効にな
る。とくに、FeOについては、上述したように、特開平9
-202645号公報において、スラグ組成中に添加する方法
が開示されている。しかしながら、この技術は、スラグ
の中にFeOを溶解する方法であり、これではスラグその
ものが着色されてしまい、一般のロックウールとの著し
い色調の違いが生じてしまう。そのため、従来から使っ
ている部材に適用しようとすると、色合いが異なってし
まい、製品品質上問題が生じる。なお、酸化鉄(FeO)が
スラグ溶融炉の耐火物を大きく損傷することは、鉄鋼用
耐火物の分野でよく知られているが、スラグ中にFeOを
含む場合も、これと同じ現象が起こり、生産効率の著し
い低下を招いてあまり好ましくない。
【0029】これに対し、本発明では、このFeOを繊維
の表面に単に付着させるだけである。即ち、結晶化の誘
導方法が前記従来技術とは本質的に異なっており、本発
明の方法を用いれば、上述したような問題を生じること
なく、経済性の観点からも有益である。
【0030】また、結晶化促進材として本発明では、Mg
Oを用いることができる。このMgOは、繊維中にも5wt%前
後含有しているが、上述したとおり、結晶化を促進させ
る作用があるため、その含有量を増加させる必要があ
る。その方法としては、従来のようにスラグ中に多量Mg
Oを溶解させる方法もあるが、この方法だとスラグ中のS
iO2が相対的に低下し、スラグの繊維化自体が起こりづ
らくなって製品の歩留まりが大幅に低下してしまう。
【0031】この点、本発明のように、単に繊維表面に
このMgOを付着させる方法では、MgOが極めてリッチな状
態となり、その部位の結晶化を効果的に促進させること
ができる。さらに、この結晶は、析出がおこれば、上述
したように、SiO2を多く消費するため、もう1つの相であ
るゲーレナイト(Ca2Al2SiO7)の結晶化をも促進し、最
終的に全体の結晶化を著しく促進させることができる。
【0032】なお、繊維の表面に付着させる結晶化促進
材としては、FeO、高炉スラグ微粉末およびMgOの他、Fe
2O3、FeCO3およびMgCO3など、大気中で加熱することでF
eOやMgOを生成するような物質でもよい。
【0033】また、この結晶化促進材の添加量は、ロッ
クウール繊維に対し、1〜15wt%とすることが好ましく、
より好ましくは3〜10wt%とする。
【0034】表1は、各種の結晶化促進材を繊維表面に
付着させ、900℃で30分間保持した後の繊維のサイズを
測定した結果である。なお、繊維サイズは、添加前のサ
イズを1として表わしたものである。いずれにしても、
結晶化促進材を付着または塗布しない場合と比較する
と、本発明のロックウール繊維の方の収縮が小さく、い
わゆる結晶化促進材の添加が、繊維の結晶化に有効に働
いていることがわかった。
【0035】
【表1】
【0036】このようにして、繊維表面に所定の結晶化
促進材を付着あるいは塗布することによって結晶化を促
進させると、高い耐火性を有するロックウールを得るこ
とができる。このようなロックウールの用途としては、ビ
ルや店舗など耐火性、断熱性および吸音性が併せて要求
されるような部位などである。また、高速道路裏面の吸音
板としても利用することができる他、さらに住宅の屋根
や壁に入れる断熱材や、綿の状態で吹き込んで施工する
ブローイングの材料としても用いることができる。
【0037】次に、本発明に係るロックウール成形体
は、上述した結晶化処理されたロックウール繊維を、図
示しない集綿機と配綿機とを使ってシート状とし、これ
を積層してボード状もしくはフェルト状に成形すること
で得られる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。ロックウールは、溶滓鍋中の溶融高炉スラグ
に、珪砂や珪酸カルシウムなどの成分調整材を加えて成
分調整し、次いでその溶融スラグを電気炉に投入して溶
解し、これを図1に示す装置を使って多数の単繊維と
し、この単繊維を集綿用コンベアに供給して集綿して配
綿機にて積層したのち、成形して100mmのボード状とし
た。このボードの両面に石膏ボードを配置した上で、JIS
A1304で規定される耐火試験に供した。実施例および比
較例について、ロックウール繊維に添加した結晶化促進
材の添加条件を表2に示した。また、耐火試験の結果を
図2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】図2に示すように、比較例では、40分程度
で基準温度を越えているのに対し、実施例1〜3では、
いずれも60分後でも低温に保持されていることがわか
る。また、試験後の状態を観察してみると、実施例の場
合には、繊維の形態が保持され、大きさもほとんど変わっ
ていなかったが、比較例の場合には、繊維が溶けて融着し
てしまい、大きさも60%程度にまで収縮してしまってい
た。これは、前面からの輻射熱を抑制できず、温度が上
昇してしまったことによるものと推定される。このよう
に、本発明の実施例においては、高い耐火性を呈する材料
を簡便に製造できることが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
高い耐火性をもつロックウールが、簡便にかつ色の変化、
生産性の低下などの課題なしに製造することが可能とな
った。これによって比較的安価なロックウールを耐火用
部材として利用することが可能となり、適用範囲を広げ
ることも可能となった。その結果として、都市火災類焼
の抑制に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロックウール製造装置の一例を示す模式図で
ある。
【図2】 本発明に係るロックウールの耐火試験結果で
ある。
【符号の説明】
1a〜1d:ロックウール製造装置の回転冷却体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 山田 直人 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川鉄ロックファイバー株式会社内 Fターム(参考) 4G062 AA18 BB20 CC09 DA01 DA02 DA10 DB01 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 ED02 EE01 EE02 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GB02 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH10 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM01 NN40 QQ06 QQ08 4L037 CS37 CS38 FA02 FA05 PA31 PF07 UA07 4L047 AA04 AA06 CA02 CA05 CB05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉スラグを主原料とする溶融体を、高
    速回転する回転体表面へ流下させ、ガスを吹き付けて飛
    散させることにより得られる繊維からなるロックウール
    において、 前記繊維の表面に、酸化鉄、高炉スラグ微粉末および酸化
    マグネシウムのうちから選ばれるいずれか一種以上の結
    晶化促進材が付着したものからなることを特徴とするロ
    ックウール。
  2. 【請求項2】 繊維の表面に、酸化鉄、高炉スラグ微粉末
    および酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか一
    種以上の結晶化促進材が付着したロックウールを積層
    し、ボード状あるいはフェルト状に成形したものからな
    ることを特徴とするロックウール成形体。
  3. 【請求項3】 高炉スラグを主原料とする溶融体を、高
    速回転する回転冷却体表面へ流下させると共にガスを吹
    き付けて線状に引き出すことにより、繊維状にするロッ
    クウールの製造方法において、回転冷却体の表面から引
    き出される繊維に対し、酸化鉄、高炉スラグ微粉末およ
    び酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか一種以
    上の結晶化促進材を供給して付着させることを特徴とす
    るロックウールの製造方法。
  4. 【請求項4】 高炉スラグを主原料とする溶融体を、高
    速回転する回転冷却体表面へ流下させると共にガスを吹
    き付けて線状に引き出すことにより繊維とし、この繊維
    を積層してボード状もしくはフェルト状に成形してロッ
    クウール成形体とする方法において、回転冷却体の表面
    から引き出される前記繊維に対し、酸化鉄、高炉スラグ
    微粉末および酸化マグネシウムのうちから選ばれるいず
    れか一種以上の結晶化促進材を供給して付着させ、次い
    でその繊維を積層して所望の形状に成形することを特徴
    とするロックウール成形体の製造方法。
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