JP2002225317A - 印刷物のメタメリズムの改善 - Google Patents

印刷物のメタメリズムの改善

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JP2002225317A
JP2002225317A JP2001025263A JP2001025263A JP2002225317A JP 2002225317 A JP2002225317 A JP 2002225317A JP 2001025263 A JP2001025263 A JP 2001025263A JP 2001025263 A JP2001025263 A JP 2001025263A JP 2002225317 A JP2002225317 A JP 2002225317A
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inks
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佳文 荒井
Yukimitsu Fujimori
幸光 藤森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー印刷物のメタメリズムを改善する。 【解決手段】 シアンとマゼンタとイエローの3種類の
1次色インクC,M,Yの混合で得られる特定の3次色
と等価な色を有するとともに、その特定の3次色の分光
反射率特性よりも平坦な分光反射率特性を有するメタメ
リズム改善用インクSを準備する。そして、カラー画像
内の少なくとも1つの色を、メタメリズム改善用インク
Sと、3種類の1次色インクC,M,Yの少なくとも1
つとを用いて再現し、これによって、再現される色Gの
分光反射率特性を、3種類の1次色インクC,M,Yの
混合で再現される場合よりも平坦にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数種類のイン
クを用いたカラー印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの出力装置として、
カラーインクジェットプリンタが広く普及している。通
常は、カラーインクとして、シアンC、マゼンタM、イ
エローYの3種類の1次色インクが使用される。これら
の3種類の1次色インクを混合することによって、カラ
ー画像の任意の色を再現することができる。
【0003】図12(A)〜(D)は、3種類の1次色
インクCMYの分光反射率特性と、これらを混合して得
られた合成色Grの分光反射率特性の一例を示す説明図
である。この例では、合成色Grはグレーである。3種
類の1次色インクの分光反射率特性Rfは、かなり偏っ
た分布を有している。従って、これらを混合して得られ
る合成色Grの分光反射率特性Rfも平坦ではなく、か
なり大きな凹凸を有している。
【0004】3種類の1次色インクを混合して得られる
合成色Grと、ブラックインクで再現されるグレー色と
は、分光分布(分光反射率分布)が互いに異なっている
が、肉眼で見たときに同じ色に見える。良く知られてい
るように、分光特性が互いに異なる2つの色が同じ色に
見える現象は、「メタメリズム」と呼ばれている。
【0005】ところで、合成色Grの実際の見え方は、
照明光のスペクトルに依存する。例えば、白熱電球と蛍
光灯とはスペクトルがかなり異なるので、同じ合成色G
rを白熱電球下で見たときと蛍光灯下で見たときとで
は、わずかに異なる色に見える。この現象は、合成色G
rの分光分布にかなり大きな凹凸があることに起因して
いる。しかし、合成色Grの見え方が照明光源に依存す
ることはあまり好ましくなく、異なる照明光源の下でも
なるべく同じ色に見えるようにすること(以下、「メタ
メリズムの改善」と呼ぶ)が望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】印刷画像のメタメリズ
ムの改善は、3つの1次色インクの分光特性をより平坦
にすることによってある程度達成される。しかし、イン
ク用の色材の種類が限られているので、実現可能な色再
現範囲をあまり制限せずに、3種類の1次色インクの分
光特性を変更することはかなり困難である。このため、
従来から、カラー印刷物のメタメリズムを改善する技術
が望まれていた。
【0007】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、カラー印刷物の
メタメリズムを改善することができる技術を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、複数種類のインクを印刷媒体上に吐出することによ
ってカラー画像の印刷を行う方法であって、(a)シア
ンとマゼンタとイエローの3種類の1次色インクを準備
する工程と、(b)前記3種類の1次色インクの混合で
得られる特定の3次色と等価な色を有するとともに、前
記特定の3次色の分光反射率特性よりも平坦な分光反射
率特性を有するメタメリズム改善用インクを準備する工
程と、(c)前記カラー画像内の少なくとも1つの色
を、前記メタメリズム改善用インクと、前記3種類の1
次色インクの少なくとも1つとを用いて再現し、これに
よって、前記少なくとも1つの色の分光反射率特性を、
前記3種類の1次色インクの混合で再現される場合より
も平坦にする工程と、を備える。
【0009】この印刷方法では、メタメリズム改善用イ
ンクを用いて、再現される色の分光反射率特性をより平
坦にしているので、顔色インクを用いたカラー印刷物の
メタメリズムを改善することができる。
【0010】前記3種類の1次色インクと前記メタメリ
ズム改善用インクとが、いずれも顔料インクであること
が好ましい。顔料は、染料に比べて色材の種類が少ない
ので、3つの1次色インクCMYの分光特性をより平坦
にするような色材を選択することによってメタメリズム
を改善することが困難な場合が多い。従って、1次色イ
ンクとメタメリズム改善用インクがいずれも顔料インク
の場合の方が、メタメリズム改善の効果がより顕著であ
る。
【0011】なお、前記工程(c)は、前記少なくとも
1つの色を前記3種類の1次色インクの混合で再現する
ものと仮定するときの前記3種類の1次色インクのイン
ク使用量の少なくとも一部を、前記メタメリズム改善用
インクで置き換える工程を含み、この際、前記少なくと
も1つの色の明度が特定の範囲内にあるときには、前記
メタメリズム改善用インクのインク量として、前記少な
くとも1つの色を再現するために使用可能な前記メタメ
リズム改善用インクの最大可能使用量の約50%以上を
採用するようにしても良い。
【0012】このように、メタメリズム改善用インクの
最大可能使用量の約50%以上を採用するようにすれ
ば、メタメリズムの改善効果が十分に得られる。
【0013】なお、前記明度の特定の範囲は、約20%
〜約80%の範囲であるとしてもよい。
【0014】明度が約20%未満の範囲では、画像が暗
いので、照明光源の違いに起因する色変わりが目立ちに
くい。また、明度が約80%を超える範囲では、画像が
明るいので、印刷用紙の白色の影響が大きく、やはり照
明光源の違いに起因する色変わりが目立ちにくい。従っ
て、明度が約20%〜約80%の範囲において、メタメ
リズム改善用インクの最大可能使用量の約50%以上を
使用すれば、メタメリズムの改善効果が顕著である。
【0015】前記メタメリズム改善用インクは、ブラッ
クインク用の色材と、他の色の色材とを含むようにして
もよい。
【0016】ブラックインク用の色材は、分光反射率分
布が比較的平坦なので、メタメリズム改善の効果が大き
い。
【0017】なお、本発明の具体的な形態としては、印
刷装置および印刷方法、これらの装置または方法の機能
を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピ
ュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
な記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波
内に具現化されたデータ信号等の種々の態様を取りう
る。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の構成: B.メタメリズム改善用インクを用いた色再現例: C.変形例:
【0019】A.装置の構成:図1は、本発明の一実施
例として印刷システムの構成を示すブロック図である。
この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュー
タ90と、印刷部としてのカラープリンタ20と、を備
えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90と
は、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
【0020】コンピュータ90では、所定のオペレーテ
ィングシステムの下で、アプリケーションプログラム9
5が動作している。オペレーティングシステムには、ビ
デオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれ
ており、アプリケーションプログラム95からは、これ
らのドライバを介して、プリンタ20に転送するための
印刷データPDが出力されることになる。画像のレタッ
チなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理
対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオド
ライバ91を介してCRT21に画像を表示している。
【0021】アプリケーションプログラム95が印刷命
令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ9
6が、画像データをアプリケーションプログラム95か
ら受け取り、これをプリンタ20に供給する印刷データ
PDに変換する。図1に示した例では、プリンタドライ
バ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変
換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、
ラスタライザ100と、色変換テーブルLUTと、が備
えられている。
【0022】解像度変換モジュール97は、アプリケー
ションプログラム95が扱っているカラー画像データの
解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、プリンタド
ライバ96が扱うことができる解像度(印刷解像度)に
変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像
データは、まだRGBの3色からなる画像情報である。
色変換モジュール98は、色変換テーブルLUTを参照
しつつ、各画素ごとに、RGB画像データを、プリンタ
20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換
する。
【0023】色変換された多階調データは、例えば25
6階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール
99は、インクドットを分散して形成することにより、
プリンタ20でこの階調値を表現するためのハーフトー
ン処理を実行する。ハーフトーン処理された画像データ
は、ラスタライザ100によりプリンタ20に転送すべ
きデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDと
して出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時
のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り
量を示すデータと、を含んでいる。
【0024】なお、プリンタドライバ96は、印刷デー
タPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相
当する。プリンタドライバ96の機能を実現するための
プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に
記録された形態で供給される。このような記録媒体とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能
な種々の媒体を利用できる。
【0025】図2は、プリンタ20の概略構成図であ
る。プリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用
紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリ
ッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26
の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構
と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット6
0(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインク
の吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、
これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印
刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号の
やり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路
40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続
されている。
【0026】印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、
紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ロー
ラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図
示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査
送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリ
ッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッ
ジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設する
プーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位
置センサ39とを備えている。
【0027】図3は、制御回路40を中心としたプリン
タ20の構成を示すブロック図である。制御回路40
は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)
43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶
したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算
術論理演算回路として構成されている。この制御回路4
0は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専
用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路
50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してイン
クを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ2
2およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回
路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラ
レルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56
を介してコンピュータ90から供給される印刷データP
Dを受け取ることができる。プリンタ20は、この印刷
データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44
は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメ
モリとして機能する。
【0028】印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド2
8を有しており、また、インクカートリッジを搭載可能
である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品
としてプリンタ20に着脱される。すなわち、印刷ヘッ
ド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット
60を交換することになる。
【0029】図4は、印刷ヘッド28の下面におけるノ
ズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面に
は、ブラックインクKを吐出するためのノズル群と、シ
アンインクCを吐出するためのノズル群と、マゼンタイ
ンクMを吐出するためのノズル群と、イエローインクY
を吐出するためのノズル群と、メタメリズム改善用イン
クSを吐出するためのノズル群とが形成されている。こ
れらの5種類のインクC,M,Y,K,Sは、すべて顔
料インクである。
【0030】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ20は、紙送りモータ22により用紙Pを搬送し
つつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往
復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を駆動し
て、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成し
て用紙P上に多色多階調の画像を形成する。
【0031】B.メタメリズム改善用インクを用いた色
再現例:図5(A)〜(E)は、ブラック以外の4種類
の顔料インクC,M,Y,Sと、これらを混合して得ら
れる合成色Gの分光分布(分光反射率特性)をそれぞれ
示す説明図である。メタメリズム改善用インクSは、色
材として、ブラック顔料をブラックインクKの50%分
含むとともに、イエロー顔料をイエローインクYの20
%分含む混合物である。図5(E)に示す合成色Gは、
図12(D)に示した3種類の1次色顔料インクC,
M,Yの混合で得られる合成色Grと等価な色であり、
この例ではグレーである。
【0032】図6は、メタメリズム改善用インクSの色
と等価な色を、3種類の1次色顔料インクC,M,Yの
混合で再現するときのインク量を示している。メタメリ
ズム改善用インクSは、シアンインクCを50%と、マ
ゼンタインクMを50%と、イエローインクを70%混
合して得られる3次色と等価な色を有している。
【0033】なお、この明細書において、各インクのイ
ンク量のパーセントは、1画素に吐出可能な最大インク
量を100%としたときのインク量を意味しており、こ
れは各インクごとに定義される。例えば、1画素に3種
類の1次色インクC,M,Yをそれぞれの最大インク量
ずつ吐出するときには、これらの各インクの使用量はそ
れぞれ100%となる。
【0034】図7(A),(B)は、メタメリズム改善
用インクSの分光反射率特性と、その等価色の分光反射
率特性とを比較して示す説明図である。この等価色は、
3種類の1次色顔料インクC,M,Yの混合で得られる
ものである。この図から理解できるように、メタメリズ
ム改善用インクSは、その等価色の分光反射率特性より
も平坦な分光反射率特性を有している。ここで、「分光
反射率特性がより平坦」とは、標準偏差や分散がより小
さいことを意味する。
【0035】図5(E)と図12(D)とを比較すれば
理解できるように、メタメリズム改善用インクSを用い
て合成色Gを再現すると、3つの1次色顔料インクC,
M,Yを用いてこれと等価な合成色Grを再現した場合
に比べて、その分光反射率特性がより平坦になる。従っ
て、メタメリズム改善用インクSを用いて再現される合
成色Gは、異なる照明光源の下における色の見え方がよ
り安定している(すなわち、メタメリズムが改善されて
いる)。
【0036】なお、図5の例では、ブラックインクKを
用いずに合成色Gを再現していたが、ブラックインクK
を用いるようにしてもよい。これは、以下に説明する他
の例でも同様である。
【0037】図8(A)〜(C)は、メタメリズム改善
用インクSを用いた第1の色再現例を示す説明図であ
る。図8(A)では、3種類の1次色顔料インクC,
M,Yをそれぞれ100%使用して3次色を再現してい
る。この3次色はグレー(より具体的にはブラック)で
あり、図5(E)に示した合成色Gと等価な色である。
【0038】図8(B)では、この3次色と等価な色
を、メタメリズム改善用インクSを用いて再現してい
る。このときの各インクのインク量は、シアンインクC
が50%、マゼンタインクMが50%、イエローインク
Yが30%、メタメリズム改善用インクSが100%で
ある。
【0039】図8(B)の例におけるメタメリズム改善
用インクSの置換率は100%である。ここで、「メタ
メリズム改善用インクSの置換率」とは、メタメリズム
改善用インクSの最大可能使用量に対する実際の使用量
の割合を意味している。図8(B)の例では、メタメリ
ズム改善用インクSを100%使用しているので、置換
率は100%となる。このときの3つの1次色顔料イン
クC,M,Yのインク量は、メタメリズム改善用インク
Sの等価インク量(図6)に基づいて決定される。
【0040】図8(C)は、メタメリズム改善用インク
Sの置換率を50%としたときの色再現例を示してい
る。このとき、3つの1次色顔料インクC,M,Yのイ
ンク量は、図8(B)に比べて増加している。
【0041】図9(A)〜(C)は、メタメリズム改善
用インクSを用いた第2の色再現例を示す説明図であ
る。図9(A)では、3種類の1次色顔料インクC,
M,Yを60%、40%、28%使用して3次色を再現
している。
【0042】図9(B)では、この3次色と等価な色を
メタメリズム改善用インクSを用いて再現しており、各
インクのインク量は、シアンインクCが40%、マゼン
タインクMが20%、イエローインクYが0%、メタメ
リズム改善用インクSが40%である。この例における
メタメリズム改善用インクSの置換率は100%であ
る。この例から理解できるように、メタメリズム改善用
インクSの使用によって3種類の1次色顔料インクのい
ずれかのインク量が0%になったときにも、メタメリズ
ム改善用インクSの置換率は100%となる。図9
(C)は、メタメリズム改善用インクSの置換率を50
%としたときの色再現例を示している。
【0043】図10(A),(B)は、メタメリズム改
善用インクSを用いた第3の色再現例を示す説明図であ
る。図10(A)では、3種類の1次色顔料インクC,
M,Yの他に、淡シアンインクLCと淡マゼンタインク
LMも使用している。この例では、淡シアンインクLC
と淡マゼンタインクLMは、シアンインクCとマゼンタ
インクMの1/4の濃度をそれぞれ有するものと仮定し
ている。なお、通常のシアンインクCとマゼンタインク
Mは、濃シアンインクCおよび濃マゼンタインクMとも
呼ぶ。図10(A)の例では、各インクの使用量は、濃
シアンインクCが10%、淡マゼンタインクLCが40
%、濃マゼンタインクMが5%、淡マゼンタインクLM
が30%、イエローインクYが14%である。濃シアン
インクCと淡シアンインクLCとで表されるシアンの濃
度は、30%である。また、濃マゼンタインクMと淡マ
ゼンタインクLMとで表されるマゼンタの濃度は20%
である。
【0044】図10(B)では、図10(A)で再現さ
れる3次色と等価な色をメタメリズム改善用インクSを
用いて再現している。各インクのインク量は、濃シアン
インクCが5%、淡マゼンタインクLCが20%、濃マ
ゼンタインクMが0%、淡マゼンタインクLMが10
%、イエローインクYが0%、メタメリズム改善用イン
クSが20%である。この例におけるメタメリズム改善
用インクSの置換率は100%である。図10(B)
は、メタメリズム改善用インクSの置換率を50%とし
たときの色再現例を示している。なお、図10(B)に
おいて、濃シアンインクCのインク量を0%とし、淡シ
アンインクLCのインク量を40%に保つようにしても
よい。
【0045】図10(A),(B)の例からも理解でき
るように、3種類の1次色顔料インクとしては、いくつ
かの淡インクを用いることも可能である。また、同じ色
相の濃インクと淡インクのインク量のバランスには、あ
る程度の任意性がある。
【0046】メタメリズム改善用インクSの置換率は、
ある程度任意に設定することが可能である。一般に、メ
タメリズム改善用インクSの置換率が低くなると、その
合成色の分光反射率特性の平坦度が低下する傾向にあ
る。メタメリズムの改善の点からは、メタメリズム改善
用インクSの置換率は、約50%以上(約50%〜10
0%)の範囲の値に設定することが好ましい。置換率を
約50%よりも小さくすると、メタメリズムの改善効果
も小さくなるからである。
【0047】なお、メタメリズム改善用インクSを使用
するか否かを、印刷対象の画像の明度に依存して決定す
るようにしてもよい。図11は、メタメリズム改善用イ
ンクSの置換率Rsと、印刷対象画像の明度との関係の
一例を示すグラフである。この例では、明度が約20%
以下の範囲と約80%以上の範囲では、メタメリズム改
善用インクSを使用せず、その置換率Rsは0%であ
る。また、明度が約20%〜約80%の範囲では、メタ
メリズム改善用インクSの置換率Rsは約50%以上に
設定されている。この理由は、明度が約20%〜約80
%の範囲において、メタメリズム改善用インクSの置換
率を約50以上に設定すれば、メタメリズムの改善効果
が大きいからである。明度が約20%未満の範囲では、
画像が暗いので、照明光源の違いに起因する色変わりが
目立ち難い。また、明度が約80%を超える範囲では、
画像が明るいので、印刷用紙の白色の影響が大きく、や
はり照明光源の違いに起因する色変わりが目立ち難い。
【0048】図11の例のように、印刷対象画像の明度
が約20%〜約80%の範囲において、メタメリズム改
善用インクSの置換率を約50以上に設定すれば、メタ
メリズムを顕著に改善することが可能である。但し、メ
タメリズム改善用インクSの置換率を約50%以上に設
定する明度の範囲は、約20%〜約80%の範囲に限ら
ず、他の範囲に設定することも可能である。
【0049】上述したような種々の色再現例を実現する
ための各インクのインク量は、プリンタドライバ96
(図1)が利用する色変換テーブルLUT内に予め設定
されている。すなわち、任意の色を再現するときの各イ
ンクのインク量は、予め決定されて色変換テーブルLU
T内に格納されている。そして、色変換モジュール98
がこの色変換テーブルを用いてRGBデータをインク色
データに変換することによって、上述したような種々の
色再現が行われる。
【0050】C.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0051】C1.変形例1:上記実施例では、顔料イ
ンクを用いた場合について説明したが、本発明は、染料
インクを用いた場合にも適用可能である。但し、顔料
は、染料に比べて色材の種類が少ないので、3つの1次
色インクCMYの分光特性をより平坦にするような色材
を選択することによってメタメリズムを改善することが
困難な場合が多い。従って、本発明は、顔料インクに適
用した場合の方が、メタメリズム改善の効果がより顕著
である。
【0052】C2.変形例2:メタメリズム改善用イン
クとしては、一般に、3種類の1次色インクの混合で得
られる特定の3次色と等価な色を有するとともに、その
特定の3次色の分光反射率特性よりも平坦な分光反射率
特性を有する任意のインクを採用することが可能であ
る。但し、メタメリズム改善用インクSが、ブラックイ
ンク用の色材と、他の色の少なくとも1種類の色材とを
含むようにすれば、メタメリズムの改善効果が比較的大
きい。この「他の色の色材」としては、3種類の1次色
インク用のものに限らず、特別な色(例えば緑色)の色
材を使用することも可能である。
【0053】C3.変形例3:この発明はドラムスキャ
ンプリンタにも適用可能である。この発明は、いわゆる
インクジェットプリンタのみでなく、一般に、印刷ヘッ
ドからインクを吐出することによってカラー画像を印刷
する印刷装置に適用することができる。このような印刷
装置としては、例えばファクシミリ装置や、コピー装置
などがある。
【0054】C4.変形例4:上記実施例において、ハ
ードウェアによって実現されていた構成の一部をソフト
ウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウ
ェアによって実現されていた構成の一部をハードウェア
に置き換えるようにしてもよい。例えば、プリンタドラ
イバ96(図1)の機能の一部を、プリンタ20内の制
御回路40(図3)が実行するようにすることも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として印刷システムの構成を
示すブロック図。
【図2】プリンタの構成を示す説明図。
【図3】プリンタ20における制御回路40の構成を示
すブロック図。
【図4】印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示
す説明図。
【図5】4種類の顔料インクC,M,Y,Sと、これら
を混合して得られる合成色Gの分光分布を示す説明図。
【図6】メタメリズム改善用インクSの色を、3種類の
一次色顔料インクC,M,Yの混合で再現するときのイ
ンク量を示す説明図。
【図7】メタメリズム改善用インクSと、3種類の1次
色顔料インクC,M,Yの混合で得られる等価色の分光
反射率特性を比較して示す説明図。
【図8】メタメリズム改善用インクSを用いた第1の色
再現例を示す説明図。
【図9】メタメリズム改善用インクSを用いた第2の色
再現例を示す説明図。
【図10】メタメリズム改善用インクSを用いた第3の
色再現例を示す説明図。
【図11】メタメリズム改善用インクSの置換率Rs
と、印刷対象画像の明度との関係の一例を示すグラフ。
【図12】1次色インクCMYとその合成色Grの分光
分布の一例を示す説明図。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…CRT 22…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印刷ヘッド 30…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置センサ 40…制御回路 41…CPU 43…PROM 44…RAM 50…I/F専用回路 52…ヘッド駆動回路 54…モータ駆動回路 56…コネクタ 60…印刷ヘッドユニット 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…解像度変換モジュール 98…色変換モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…ラスタライザ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類のインクを印刷媒体上に吐出す
    ることによってカラー画像の印刷を行う方法であって、
    (a)シアンとマゼンタとイエローの3種類の1次色イ
    ンクを準備する工程と、(b)前記3種類の1次色イン
    クの混合で得られる特定の3次色と等価な色を有すると
    ともに、前記特定の3次色の分光反射率特性よりも平坦
    な分光反射率特性を有するメタメリズム改善用インクを
    準備する工程と、(c)前記カラー画像内の少なくとも
    1つの色を、前記メタメリズム改善用インクと、前記3
    種類の1次色インクの少なくとも1つとを用いて再現
    し、これによって、前記少なくとも1つの色の分光反射
    率特性を、前記3種類の1次色インクの混合で再現され
    る場合よりも平坦にする工程と、を備える印刷方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷方法であって、 前記3種類の1次色インクと前記メタメリズム改善用イ
    ンクとは、いずれも顔料インクである、印刷方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の印刷方法であっ
    て、 前記工程(c)は、 前記少なくとも1つの色を前記3種類の1次色インクの
    混合で再現するものと仮定するときの前記3種類の1次
    色インクのインク使用量の少なくとも一部を、前記メタ
    メリズム改善用インクで置き換える工程を含み、 この際、前記少なくとも1つの色の明度が特定の範囲内
    にあるときには、前記メタメリズム改善用インクのイン
    ク量として、前記少なくとも1つの色を再現するために
    使用可能な前記メタメリズム改善用インクの最大可能使
    用量の約50%以上を採用する、印刷方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の印刷方法であって、 前記明度の特定の範囲は、約20%〜約80%の範囲で
    ある、印刷方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の印
    刷方法であって、 前記メタメリズム改善用インクは、ブラックインク用の
    色材と、他の色の色材とを含む、印刷方法。
  6. 【請求項6】 印刷ヘッドから複数種類のインクを印刷
    媒体上に吐出することによってカラー画像の印刷を行う
    印刷装置であって、 シアンとマゼンタとイエローの3種類の1次色インク
    と、前記3種類の1次色インクの混合で得られる特定の
    3次色と等価な色を有するとともに前記特定の3次色の
    分光反射率特性よりも平坦な分光反射率特性を有するメ
    タメリズム改善用インクと、を含む複数種類のインクを
    吐出するための複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、 前記印刷ヘッドを駆動することによってインクを吐出さ
    せるヘッド駆動部と、を備え、 前記ヘッド駆動部は、前記カラー画像内の少なくとも1
    つの色を、前記メタメリズム改善用インクと、前記3種
    類の1次色インクの少なくとも1つとを用いて再現し、
    これによって、前記少なくとも1つの色の分光反射率特
    性を、前記3種類の1次色インクの混合で再現される場
    合よりも平坦にする、印刷装置。
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