JP2002225252A - 記録物の表面処理方法、これを用いた記録物および表面処理装置 - Google Patents

記録物の表面処理方法、これを用いた記録物および表面処理装置

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JP2002225252A
JP2002225252A JP2001026376A JP2001026376A JP2002225252A JP 2002225252 A JP2002225252 A JP 2002225252A JP 2001026376 A JP2001026376 A JP 2001026376A JP 2001026376 A JP2001026376 A JP 2001026376A JP 2002225252 A JP2002225252 A JP 2002225252A
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Hiroyuki Onishi
弘幸 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質を維持しつつ、光沢性を優れたものに
でき、染料インクによる画像に対しては耐ガス性を優れ
たものにでき、顔料インクによる画像に対しては、耐擦
性を優れたものにできる記録物の表面処理方法、前記表
面処理方法を用いて表面処理された記録物、および、前
記記録物を得ることのできる表面処理装置を提供する。 【解決手段】 記録媒体に画像が記録された記録物を表
面処理する記録物の表面処理方法およびこれを用いて表
面処理された記録物であって、記録物の画像面に対して
第一の表面処理液により表面処理する第一工程と、次い
で前記画像面に対して第二の表面処理液により表面処理
する第二工程とにより表面処理することを特徴とする。
また、表面処理装置は、第一の表面処理液を記録物に対
して処理する第一処理部と、第二の表面処理液を記録物
に対して処理する第二処理部とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体に画像が
記録された記録物の表面処理方法およびこれを用いた記
録物、並びに前記記録物の表面処理方法を行うための表
面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方法等により
記録媒体に記録される画像、特にカラー画像について
は、銀塩写真並みの高画質が求められるようになってき
ており、また、得られた印字画像の耐候性についても劣
化が少ないことが求められている。
【0003】しかしながら、微細な空隙を設けた記録媒
体へ染料インクにより記録がなされた画像、特にカラー
画像は劣化し易いという問題がある。具体的には、染料
インクにより画像記録がなされた記録物は、O3,S
x,NOx及びH2S等を含む大気中のガス(特に、O3
ガス)の影響によって経時劣化しやすいことが知られて
いる。一方、顔料インクにより記録がなされた記録物
は、擦れにより画像が劣化したり、光沢性が染料インク
による画像よりも劣るという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況にお
いて、染料インクを使用して得られた画像においては、
特に、ガスに対する耐性(本明細書では、耐ガス性とい
う)を向上させるために、顔料インクを使用して得られ
た画像においては、特に耐擦性や光沢性を向上させるた
めに、インクの組成や、記録媒体におけるインク受容層
の組成に対して、広く検討がなされている。しかしなが
ら、染料インクを使用して得られた記録物であって、高
画質を維持しつつ、耐ガス性(特に、O3ガスに対する
耐性)と光沢性とに優れたもの、および、顔料インクを
使用して得られた記録物であって、高画質を維持しつ
つ、耐擦性と光沢性とに優れたものは、いまだ得られて
いないのが実状である。
【0005】従って、本発明の目的は、染料インクによ
って画像記録された記録物に対して、高画質を維持しつ
つ、耐ガス性と光沢性とを優れたものにできる記録物の
表面処理方法、染料インクによって画像記録されるとと
もに、高画質を維持しつつ、耐ガス性と光沢性とに優れ
た記録物、並びに、前記記録物を得ることのできる表面
処理装置を提供することにある。また、本発明の目的
は、顔料インクによって画像記録された記録物に対し
て、高画質を維持しつつ、耐擦性と光沢性とを優れたも
のにできる記録物の表面処理方法、顔料インクによって
画像記録されるとともに、高画質を維持しつつ、耐擦性
と光沢性とに優れた記録物、並びに、前記記録物を得る
ことのできる表面処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、記録媒体
に画像が記録された記録物に対して特定の処理を施すこ
とにより、驚くべきことに、染料インクによる画像にお
いては、高画質を維持しつつ、耐ガス性と光沢性とを優
れたものにできることを見出し、一方、顔料インクによ
る画像においては、高画質を維持しつつ、耐擦性と光沢
性とを優れたものにできることを見出し、本発明に至っ
た。すなわち、本発明の技術的構成およびその作用効果
は、以下の通りである。
【0007】請求項1に係る表面処理方法は、記録媒体
に画像が記録された記録物を表面処理する記録物の表面
処理方法であって、前記記録物の画像面に対して第一の
表面処理液により表面処理する第一工程と、次いで前記
画像面に対して第二の表面処理液により表面処理する第
二工程とにより表面処理することを特徴としている。こ
のような構成によれば、第一の表面処理液を、記録物に
画像面から浸透可能な液体とすることによって、記録物
中の空隙内に存在する空気を第一の表面処理液により置
換できるので、O3ガス等のガスが画像に到達しにく
く、画像の耐ガス性を優れたものにすることができる。
また、第二の表面処理液を、記録物の表面上に塗工可能
な液体とすることによって、ガスが画像にさらに到達し
にくくなるので、画像の耐ガス性を優れたものにするこ
とができるとともに、前述したように第一の表面処理液
によって記録物中の空隙内がほぼ満たされているので、
記録物中の空隙内に存在する空気が記録物の画像面上に
気泡として出現する虞れが低減されており、第二の表面
処理液を記録物に均一に塗工することができる。これに
より、記録物の光沢性を優れたものとすることができ
る。また、特に、顔料インクによる画像においては、顔
料粒子が、第二の表面処理液によって被覆されるので、
光沢性に優れるとともに、耐擦性も良好となる。以上に
より、染料インクによって画像記録された記録物に対し
て、高画質を維持しつつ、耐ガス性と光沢性とを優れた
ものにできる記録物の表面処理方法とすることができ
る。また、顔料インクによって画像記録された記録物に
対して、高画質を維持しつつ、耐擦性と光沢性とを優れ
たものにできる記録物の表面処理方法とすることができ
る。
【0008】請求項2に係る表面処理方法は、前記第一
の表面処理液が、少なくとも水とカチオン性化合物とか
ら構成されることを特徴としている。このような構成に
よれば、特に、染料インクによる画像が滲むことなく、
第一工程を行うことができる。
【0009】請求項3に係る表面処理方法は、前記記録
媒体が、基材に多孔質のインク受容層が設けられた記録
媒体であって、前記画像が前記インク受容層に記録され
たことを特徴としている。このような構成によれば、イ
ンク受容層が多孔質であることによって、画像を形成す
るインク滴が素早くインク受容層中に吸収されるので、
インク滴が記録媒体上で混ざりあう虞れが少なく、特
に、高画質を得ることができる。また、第一の表面処理
液によって記録物中の孔内をほぼ満たすことができるの
で、前記した請求項1に係る表面処理方法が発現する作
用と同様、ガスが画像に到達しにくく、また第二の表面
処理液を記録物に均一に塗工することができ、光沢性は
優れたものとなる。
【0010】請求項4に係る表面処理方法は、前記イン
ク受容層の空隙率が30%以上であることを特徴として
いる。このような構成によれば、画像を形成するインク
が極めて素早くインク受容層中に吸収されるので、染料
インクによって画像記録された記録物に対しては、特
に、高画質と耐ガス性と光沢性とを高次元で両立させる
ことができ、一方、顔料インクによって画像記録された
記録物に対しては、特に、高画質と耐擦性と光沢性とを
高次元で両立させることができる。
【0011】請求項5に係る記録物の表面処理方法は、
前記基材が、樹脂被覆紙であることを特徴としている。
このような構成によれば、第一の表面処理液が基材に染
み込むことによって記録媒体がカール、コックリングを
引き起こすのを確実に回避できる。
【0012】請求項6に係る記録物の表面処理方法は、
前記記録物の画像が水系インクにより記録されたことを
特徴としている。このような構成によれば、安全性且つ
発色性に優れた記録物を得ることができる。
【0013】請求項7に係る記録物は、本発明に係る記
録物の表面処理方法により表面処理されるので、染料イ
ンクによって画像記録されるとともに、高画質を維持し
つつ、耐ガス性と光沢性とに優れた記録物、および、顔
料インクによって画像記録されるとともに、高画質を維
持しつつ、耐擦性と光沢性とに優れた記録物とすること
ができる。
【0014】請求項8に係る表面処理装置は、本発明に
係る記録物の表面処理方法を行うための表面処理装置で
あって、前記第一工程で使用する第一の表面処理液を記
録物に対して吐出する第一処理部と、前記第二工程で使
用する第二の表面処理液を記録物に対して吐出する第二
処理部とを備えてなる。このような構成によれば、染料
インクによって画像記録されるとともに、高画質を維持
しつつ、耐ガス性と光沢性とに優れた記録物を得ること
のできる表面処理装置、および、顔料インクによって画
像記録されるとともに、高画質を維持しつつ、耐擦性と
光沢性とに優れた記録物を得ることのできる表面処理装
置とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る記録物の表面
処理方法について詳細に説明する。本発明に係る記録物
の表面処理方法は、記録媒体に画像が記録された記録物
を表面処理する記録物の表面処理方法であって、前記記
録物の画像面に対して第一の表面処理液により表面処理
する第一工程と、次いで前記画像面に対して第二の表面
処理液により表面処理する第二工程とにより表面処理す
ることを特徴としている。
【0016】[第一の表面処理液]先ず、本発明に係る
記録物の表面処理方法に使用される第一の表面処理液に
ついて説明する。第一の表面処理液としては、少なくと
も水とカチオン性化合物とから構成される表面処理液を
好適に例示できる。水は、特に限定されず、水道水、蒸
留水、純水等いずれも使用可能である。また、カチオン
性化合物としては、1級〜3級アミンあるいは4級アン
モニウム塩基を有する低分子化合物、それらの基を有す
るオリゴマー、またはそれらの基を有するポリマーが挙
げられる。具体的には、ジアリルジメチルアンモニウム
クロライドポリマー,ジアリルジメチルアンモニウムク
ロライド−二酸化イオウコポリマー,ジアリルジメチル
アンモニウムクロライド−アクリルアミドコポリマーな
どのジアリルメチルアンモニウム塩ポリマー、ジアリル
アミン塩酸塩−二酸化イオウコポリマー、ジアリルメチ
ルアミン塩酸塩コポリマー、ポリアリルアミン、ポリエ
チレンイミン、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩
化合物、(メタ)アクリル酸アルキルアンモニウム塩ポ
リマー、(メタ)アクリルアミドアルキルアンモニウム
塩ポリマー、4級アンモニウム塩を含むアイオネン、ポ
リアルキレンアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮
合物等を挙げることができる。これらのカチオン性化合
物の含有量は、カチオン性化合物と水との全重量に対し
て0.01重量%〜10重量%が好ましい。
【0017】[第二の表面処理液]次に、本発明に係る
記録物の表面処理方法に使用される第二の表面処理液に
ついて説明する。第二の表面処理液としては、シリコー
ンオイル、流動パラフィン、有機溶媒および樹脂成分、
並びに前記樹脂成分を前記有機溶媒に溶解して得られる
処理液を好適に例示できる。前記有機溶媒としては、オ
リーブオイル,綿実油,大豆油,ナタネ油,トウモロコ
シ油,ヒマワリ油等の植物油やミネラルスピリット等の
脂肪族炭化水素系溶剤を好適に挙げることができる。前
記樹脂成分の種類としては、従来公知の樹脂をいずれも
挙げることができ、例えば、エチルセルロース,ヒドロ
キシエチルセルロース,エチルヒドロキシエチルセルロ
ース,ヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロー
ス,酢酸セルロース,酪酸セルロース,ニトロセルロー
ス,セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポ
リビニルアルコール,ポリ酢酸ビニル,ポリビニルブラ
チール,ポリビニルアセタール,ポリビニルアセトアセ
タール,ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ
アクリルアミド,ポリアクリロニトリル等のアクリル酸
の重合体やメタクリル酸の重合体及びこれらの誘導体等
のアクリル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロ
ゲン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他の
ビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、UV硬化性
樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、変性エポキシ
樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。第二の表面処
理液は、必要に応じて、水や、前記例示した有機溶媒以
外の有機溶媒を第二の表面処理液の溶媒として含有して
もよい。第二の表面処理液の全重量に対する樹脂成分の
含有量は、0.01重量%〜10重量%であることが好
ましい。
【0018】さらに、第二の表面処理液は、前記例示し
た樹脂の他、硫黄化合物、窒素化合物およびフッ素化合
物等を含有してもよい。
【0019】[記録物の表面処理]次に、本発明に係る
記録物の表面処理方法について説明する。本発明におい
ては、前述したように、記録物の画像面に対して第一の
表面処理液により表面処理する第一工程と、次いで前記
画像面に対して第二の表面処理液により表面処理する第
二工程とにより表面処理する。表面処理の形態として
は、特に制限されるものではないが、例えば、スプレー
缶等から噴霧するスプレー処理、アトマイザーやきり吹
き等による吹き付け処理、スポンジ,はけ,筆等で塗る
塗工処理、浸せき処理、及びインクジェット記録用ヘッ
ドからの吐出によるインクジェット記録用ヘッドによる
処理等が好ましく挙げられる。
【0020】また、第一工程は、第一の表面処理液で湿
らせたガーゼや綿等によって、インク受容層の画像形成
領域を拭くことによって行われてもよい。なお、第一工
程の後には、引き続いて行われる第二工程の前に、必要
に応じて、インク受容層表面上の第一の表面処理液を拭
き取ることができる。
【0021】第二工程においては、第二の表面処理液を
記録物上のオーバーコート層を形成するための塗工液と
して用いることもできる。この場合、記録物の表面上に
第二の表面処理剤を塗工し、乾燥してオーバーコート層
とすることができる。第二の表面処理剤は、記録物の表
面上に、坪量が好ましくは0.01〜30g/m2、更
に好ましくは0.1〜10g/m2となるように表面処
理され、これにより、記録物の耐ガス性、耐擦性および
光沢性を一層向上させることができる。
【0022】本発明に係る記録物の表面処理方法に好適
に使用できる記録媒体は、特に制限されないが、速乾性
および耐水性に優れ、高画質な画像が得られる記録媒体
として知られている、基材上に多孔質のインク受容層
(マイクロポーラス型/空隙型インク受容層ともいう)
が設けられたインクジェット用記録媒体であることが好
ましい。この場合、画像面は、記録媒体のインク受容層
側の面となる。
【0023】前記記録媒体に用いられる基材としては、
インクジェット用記録媒体に通常用いられるものを特に
制限なく使用でき、例えば、耐熱性、寸法安定性、剛性
などを備えた合成樹脂により形成されたものが用いら
れ、具体的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、セルローストリアセテート、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリイミドな
どから形成されたシート(フィルムを含む)を挙げるこ
とができる。あるいは、これらの高分子化合物で片面あ
るいは両面をラミネートした樹脂被覆紙が好ましい。こ
の樹脂被覆紙は、表面処理液が基材を通って裏面まで染
み込むことを防止する効果を有する。写真調の受像シー
トを調整する際は、上記の合成樹脂に酸化チタンなどの
顔料を練り込んで、白色遮蔽性を付与したシートを使用
してもよい。また、用途に応じて、普通紙、再生紙、合
成紙、コート紙などのシートを基材として使用すること
もできる。また、必要に応じて、接着性を向上させるた
めに、プライマー層を設けたものでもよく、また、コロ
ナ放電加工などの表面処理を施したものでもよい。
【0024】インク受容層は、顔料とバインダー成分と
を適当な溶媒に溶解または分散させて調製した塗工液
を、基材の上に塗布した後、乾燥することによって好適
に形成される。インク受容層に用いられる顔料として
は、インクジェット記録媒体に通常用いられるものを特
に制限なく使用でき、例えば、シリカ(感式法、湿式
法、気相法による合成シリカ、コロイダルシリカ、アモ
ルファスシリカ)、アルミナ(無水アルミナ、アルミナ
水和物、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム)、軽質炭酸カルシウム、重炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、タルク、硫
酸バリウム、ルチル、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、ゼオライト、ハロイサイト、炭酸マグネ
シウム、水酸化マグネシウムなどのセラミックス微粒
子、コロイド粒子を、特殊な方法で塗布したものが挙げ
られる。特に、シリカ、アルミナ、あるいはこれらの混
合を使用することにより、容易にインク受容層に適切な
空隙率を有する空隙を形成することができる。
【0025】さらに、インク受容層として、前述のもの
に代えて、例えば、有機カチオン性ポリマーが結合した
無機微粒子を含有する空隙を設けた層(特開平11−5
8942号公報参照)や、無機微粒子と水溶性樹脂と特
定の架橋剤とを用いて恒率乾燥速度を示す間に該水溶性
樹脂を架橋させて、硬化させることにより得られる層
(特開平11−115308号公報参照)などを用いる
こともできる。
【0026】有機カチオン性ポリマーの例としては、二
級アミン、三級アミン、四級アンモニウム塩としてポリ
エチレンイミン塩、ジメチルアミンエピハロヒドリン縮
合体、ポリビニルアミン塩、ポリアリルアミン塩、ポリ
ジメチルアミノエチルメタクリレート四級塩、ポリジア
リルジメチルアンモニウム塩、ジアリルアミンアクリル
アミド共重合体塩、ポリスチレンの四級アンモニウム塩
等が挙げられる。その他、特開平10−81064号公
報、同10−100397号公報、同10−11942
0号公報、同10−119423号公報、同10−11
9424号公報、同10−175365号公報、同10
−193776号公報、同10−203006号公報、
同10−217601号公報、同11−20300号公
報、同11−20306号公報、同7−276789号
公報、同8−174992号公報などに記載のインク受
容層に変更することも可能である。
【0027】インク受容層に用いられるバインダー成分
としては、インクジェット記録媒体に通常用いられるも
のを特に制限なく使用でき、例えば、ポリビニルアルコ
ール、酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、
エーテル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、
ゼラチン、大豆蛋白、カルボキシル変性ポリビニルアル
コール、シリル変性ポリビニルアルコール、水溶性アク
リル系重合体等の水溶性樹脂、無水マレイン酸樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合体、メチルメチクリレート−
ブダジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテック
ス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの
重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラ
テックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル
基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテッ
クス,メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の
水性接着剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキド樹脂等の
合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使用される。
【0028】インク受容層における顔料とバインダー成
分との配合割合が、顔料:バインダー成分=10:1〜
1:1の範囲内にあるときに、インク受容層におけるイ
ンクの吸収性が好適に確保される。インク受容層がイン
クを吸収する目的あるいは顔料自身の空孔にインクを吸
収させる目的からインク受容層に空隙が形成されている
場合に、本発明に係る表面処理方法が適用されることに
より、染料インクによる画像は、高画質を維持しつつ、
耐ガス性および光沢性が著しく改善され、一方、顔料イ
ンクによる画像は、高画質を維持しつつ、耐擦性および
光沢性が著しく改善される。JAPAN TAPPI
No.48−85を用いて測定したインク受容層の空隙
率が、30%以上である場合に、本発明に係る記録物の
表面処理方法による改善効果が著しい。インク受容層
は、通常、前記基材の片面に形成するが、所望により両
面に形成してもよい。
【0029】記録物の画像を形成するためのインクとし
ては、公知のものを制限なく使用できるが、安全性且つ
発色性に優れた記録物を得るために、水系インクを使用
するのが好ましく、市販のインクジェット用水性インク
を好適に使用できる。インクジェット記録装置も、公知
のものを制限なく使用できる。
【0030】以上、本発明に係る記録物の表面処理方法
について詳述したが、このような方法によれば、前記例
示した第一の表面処理液によって、記録物中の空隙内に
存在する空気を第一の表面処理液で置換できるので、O
3ガス等のガスが画像に到達しにくく、画像の耐ガス性
を優れたものにすることができる。また、前記例示した
第二の表面処理液によって、さらに、ガスが画像に到達
しにくくなるので、画像の耐ガス性を優れたものにする
ことができるとともに、前述したように第一の表面処理
液によって記録物中の空隙内がほぼ満たされているの
で、記録物中の空隙内に存在する空気が記録物の画像面
上に気泡として出現する虞れが低減されており、第二の
表面処理液を記録物に均一に塗工することができる。こ
れにより、記録物の光沢性を優れたものとすることがで
きる。また、特に、顔料インクによる画像においては、
顔料粒子が、第二の表面処理液に被覆されるので、光沢
性に優れるとともに、耐擦性も良好となる。
【0031】以上により、本発明によれば、染料インク
によって画像記録された記録物に対して、高画質を維持
しつつ、耐ガス性と光沢性とを優れたものにできる記録
物の表面処理方法とすることができる。また、本発明に
よれば、顔料インクによって画像記録された記録物に対
して、高画質を維持しつつ、耐擦性と光沢性とを優れた
ものにできる記録物の表面処理方法とすることができ
る。
【0032】[表面処理装置]次に、本発明に係る記録
物の表面処理方法を行うための表面処理装置の実施形態
について図1および図2を参照しながら説明する。図1
の概略図に示すように、本発明の第一実施形態に係る表
面処理装置1は略直方体形状であり、長手方向の両端面
には、記録物の給紙を許容する大きさの給紙口2と、記
録物の排紙を許容する大きさの排紙口3とがそれぞれ設
けられている。給紙口2と排紙口3との間には、給紙口
2から排紙口3に向かう方向、すなわち、紙送り方向P
に、第一処理部4と、第一の表面処理液を拭き取るため
の第一拭き取り部5と、第二処理部6と、第二の表面処
理液を拭き取るための第二拭き取り部7と、紙送り部8
とが、順番に設けられている。第一処理部4、第一拭き
取り部5、第二処理部6および第二拭き取り部7は、長
尺形状となっており、これらの部材の長手方向が、紙送
り方向Pに対してほぼ垂直となるように、配置されてい
る。
【0033】表面処理装置1には、第一処理部4に導通
するとともに、補充口を有する第一の表面処理液貯蔵部
(図示せず)と、第二処理部6に導通するとともに、補
充口を有する第二の表面処理液貯蔵部(図示せず)とが
設けられており、ユーザーが、適宜、第一の表面処理液
と第二の表面処理液とを、前記補充口から、第一の表面
処理液貯蔵部と第二の表面処理液貯蔵部とにそれぞれ補
充できるように構成されている。
【0034】また、紙送り部8は、一対の長尺形状ロー
ラであるとともに、ローラの長手方向が紙送り方向Pに
対してほぼ垂直となるように設けられている。このよう
な構成により、このローラが回転することによって、記
録物1を紙送り方向Pへ移動させることができる。
【0035】さらに、表面処理装置1は、第一処理部4
と、第一拭き取り部5と、第二処理部6と、第二拭き取
り部7と、紙送り部8とを駆動する駆動手段(図示せ
ず)を備えている。駆動手段としては、手動であっても
制御駆動であってもいずれでもよい。
【0036】記録物10の画像面10Aと第一処理部4
とが対向するように、記録物10の先端を給紙口2に差
し込んで、前記駆動手段を駆動させることによって、第
一処理部4から、第一の表面処理液が所望に吐出される
とともに、紙送り部8が所望に駆動する。これにより、
記録物10の画像面10Aに第一の表面処理液が吐出さ
れながら(第一工程)、記録物10が紙送り方向Pへ移
動する。次いで、前記駆動手段によって第一拭き取り部
5が所望に駆動させられることにより、画像面10Aが
擦られて、画像面10A上に吐出された余剰の第一の表
面処理液が除かれる。
【0037】引き続き、前記駆動手段によって、第一工
程が行われた画像面10Aには、第二処理部6から、第
二の表面処理液が所望に吐出され(第二工程)、第二拭
き取り部7が所望に駆動させられることにより、画像面
10Aが擦られて、画像面10A上に吐出された余剰の
第二の表面処理液が除かれる。これによって、記録物の
耐ガス性、耐擦性および光沢性を向上すべく、記録物1
0上の第二の表面処理液の坪量を調整できる。第二の表
面処理液の吐出、拭き取りを経た表面処理された記録物
は、紙送り部8の駆動によって、排紙口3から排紙され
る。
【0038】本発明の第2の実施形態に係る表面処理装
置11は、図2の(a)に示すように、本体11aが第
一の表面処理液貯蔵部12と第二の表面処理液貯蔵部1
3とを有した構成となっており、第一の表面処理液貯蔵
部12には第一処理部14が、第二の表面処理液貯蔵部
13には第二処理部15がそれぞれ設けられている。さ
らに、本体11aには、第一処理部14および第二処理
部15が設けられた面と同一の面に、第一拭き取り部1
8と第二拭き取り部19と第三拭き取り部20とが設け
られている。
【0039】図2の(a)のA−A断面図である図2の
(b)に示すように、第一処理部14は、第一ローラ1
4bが第一支軸14aによって回転可能に支持されたも
のである。すなわち、第一処理部14は、第一支軸14
aの両端部が第一軸受け部16(図2の(a)参照)を
介して本体11aに固定されることによって、第一ロー
ラ14bの一部が第一の表面処理液貯蔵部12の中に位
置するように構成されている。同様に、第二処理部15
は、第二ローラ15bが第二支軸15aによって回転可
能に支持されたものであり、第二支軸15aの両端部が
第二軸受け部17を介して本体11aに固定されること
によって、第二ローラ15bの一部が第二の表面処理液
貯蔵部13の中に位置するよう構成されている。第一ロ
ーラ14bおよび第二ローラ15bは、記録物10の例
えば幅長さに対応する長尺形状となっており、第一ロー
ラ14bと第二ローラ15bとの位置関係は、ほぼ平行
となっている。第一ローラ14bおよび第二ローラ15
bの材質は、それぞれ、第一の表面処理液および第二の
表面処理液に対して濡れ性が高い材質、あるいは、第一
の表面処理液および第二の表面処理液を吸収可能である
と共に、圧力を受けることにより排出可能な多孔質体な
どを挙げることができ、例えば、スポンジ部材、ウレタ
ンフォーム、プラスチック部材等を好適に挙げることが
できる。このような構成によって、両表面処理液貯蔵部
12,13の各表面処理液を各ローラ14b,15bに
よって記録物10の画像面10Aに塗布することができ
る。
【0040】第一拭き取り部18、第二拭き取り部1
9、第三拭き取り部20は、それぞれ、長尺状の第一基
部18b、第二基部19b、第三基部20bに、長尺状
の第一接触部18a、第二接触部19a、第三接触部2
0aが、互いに平行となるように設けられたものであ
り、第一基部18b、第二基部19bおよび第三基部2
0bは、第一ローラ14bおよび第二ローラ15bとほ
ぼ平行となるように本体11に固定されている。ここ
で、第一ローラ14bは、第一拭き取り部18と第二拭
き取り部19との間に位置するように設けられている。
また、第二ローラ15bは、第二拭き取り部19と第三
拭き取り部20との間に位置するように設けられてい
る。
【0041】後述するように、図2に示す矢印Q方向へ
の移動の場合、主として、第一接触部18aは、記録物
10上のゴミ・ほこりを除去するためのものであり、第
二接触部19aは、第一工程後の記録物10上に存在す
る余剰の第一の表面処理液を拭き取るためのものであ
り、さらに、第三接触部20aは、第二工程後の記録物
10上に存在する余剰の第二の表面処理液を拭き取るた
めのものである。また、第一接触部18a、第二接触部
19a、第三接触部20aは、それぞれの取り替えを行
うべく、第一基部18b、第二基部19b、第三基部2
0bに対して着脱できるように構成されていてもよい。
【0042】第一の表面処理液貯蔵部12には、第一処
理部14とは反対の方向に第一補充口21が設けられて
おり、第一補充口21は、着脱可能な第一キャップ23
によって封止されている。同様に、第二の表面処理液貯
蔵部13にも、第二処理部15とは反対の方向に第二補
充口22が設けられており、第二補充口22は、着脱可
能な第二キャップ24によって封止されている。
【0043】以上、表面処理装置11について説明した
が、第一の表面処理液を第一補充口21から第一の表面
処理液貯蔵部12に、第二の表面処理液を第二補充口2
2から第一の表面処理液貯蔵部12にそれぞれ注入した
後、表面処理装置11を記録物10の画像面10Aに対
して密着させ、次いで表面処理装置11を画像面10A
の一端から他端に向かって(矢印Qの方向に)動かすこ
とによって、記録物を表面処理することができる。
【0044】すなわち、表面処理装置11が移動するこ
とによって、画像面10Aは、先ず、第一拭き取り部1
8の第一接触部18aによって擦られ、ゴミやほこりが
除去される。次いで、第一の表面処理液貯蔵部12に貯
蔵された第一の表面処理液を吸収もしくは表面に保持し
た第一ローラー14が回転移動することによって、所定
量の第一の表面処理液が画像面10Aに付着する(第一
工程)。第一工程が行われた画像面10Aの領域は、引
き続き、第二拭き取り部19の第二接触部19aによっ
て擦られ、余剰の第一の表面処理液が拭き取られる。次
いで、第二の表面処理液貯蔵部13に貯蔵された第二の
表面処理液を吸収もしくは表面に保持した第二ローラー
15が回転移動することによって、所定量の第二の表面
処理液が画像面10Aに付着する(第二工程)。第二工
程が行われた画像面10Aの領域は、最後に第三拭き取
り部20の第三接触部20aによって擦られ、余剰の第
二の表面処理液が拭き取られる。
【0045】以上に詳述したように、例えば、上記構成
の第一の実施形態に係る表面処理装置1や第二の実施形
態に係る表面処理装置11を用いることにより、本発明
に係る記録物の表面処理方法を好適に実施でき、高画質
を維持しつつ、耐ガス性と耐擦性と光沢性とを高次元で
両立する記録物を好適に得ることができる。
【0046】本発明の実施の形態においては、第一の実
施形態では吐出形式の処理部を、第二の実施形態ではロ
ーラ形式の処理部を例示したが、本発明を達成できれ
ば、前記したような、他の処理形態を実現する処理部
(例えば、インクジェット記録用ヘッドなど)であって
も良い。
【0047】
【実施例】次に、実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】(実施例1)インクジェット記録媒体(セ
イコーエプソン株式会社製;PM写真用紙、JAPAN TAPP
I NO.48−85を用いて測定したインク受容層の空隙
率は約65%)に、市販のインクジェットプリンタ(セ
イコーエプソン株式会社製;PM−800C)と染料イ
ンクカートリッジ(セイコーエプソン株式会社製;IC
5CL06)とを使用してカラーパッチやポートレート
画像の評価対象となる記録物(光学濃度1.0のY(イ
エロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)のベタ印字)
を形成した。この記録物の表面を、99重量部の水と1
重量部のカチオン性化合物(住友化学工業株式会社製;
スミレーズレジン1001)とからなる第一の表面処理
液をスプレー処理することにより第一工程を行い、引き
続き、記録物の表面上の第一の表面処理液を吸水性を有
する高分子吸収体により軽く拭き取った。
【0049】上記第一工程を行った記録物に対して、9
0重量部のミネラルスピリットと10重量部のフェノー
ル樹脂(ショウノール:昭和高分子株式会社)とからな
る第二の表面処理液を、坪量が2g/m2となるように
スプレー処理することにより第二工程を行い、引き続き
乾燥することによって、実施例1の記録物を作製した。
【0050】(参考例1)第一の表面処理液を水のみに
代えた以外は、前記(実施例1)と同様に行うことによ
って、参考例1の記録物を作製した。
【0051】(比較例1)第一工程を省略した以外は、
前記(実施例1)と同様に行うことによって、比較例1
の記録物を作製した。
【0052】(実施例2)インクジェットプリンタをM
C−2000(セイコーエプソン株式会社製)に代え、
インクカートリッジを顔料インクカートリッジMC5C
L01(セイコーエプソン株式会社製)に代えた以外
は、(実施例1)と同様の操作によって、実施例2の記
録物を作成した。
【0053】(参考例2)第一の表面処理液を水のみに
代えた以外は、前記(実施例2)と同様に行うことによ
って、参考例2の記録物を作製した。
【0054】(比較例2)第一工程を省略した以外は、
前記(実施例2)と同様に行うことによって、比較例2
の記録物を作製した。
【0055】〔画質評価〕下記に示す評価基準により、
実施例、参考例および比較例の記録物を目視評価した。 A:鮮やかに画像が再現されている。 B:画像は再現されるが、くすんでいる。 C:インクの流れ出しが生じ、画像に滲みが発生した。
【0056】〔耐ガス性評価〕簡易型のオゾンガス(O
3)発生器を使用し、実施例、参考例および比較例の記
録物を、約5ppmのオゾンガス濃度で、10時間の暴
露試験を行った。次いで、分光光度計(グレタグマクベ
ス社製;GRETAG SPM50)を用いて、表面処
理された記録物の光学濃度を上記暴露の前後に測定する
ことにより、暴露試験後の光学濃度の残存率(%)を求
めて耐ガス性を、下記に示す評価基準により評価した。 A:光学濃度の残存率が90%を越える。 B:光学濃度の残存率が80%を越え、90%以下であ
る。 C:光学濃度の残存率が80%以下である。
【0057】〔耐擦性評価〕実施例、参考例および比較
例の記録物上に、500gの重りを載せて擦り、下記示
す評価基準により評価した。 A:傷がつかないもの B:わずかに傷がつくもの C:傷が多数つくもの
【0058】〔光沢性評価〕実施例、参考例および比較
例の記録物における表面処理面の75度鏡面光沢度を、
光沢度計を用いて測定し、下記に示す評価基準により評
価した。 A:75度鏡面光沢度が70以上である。 B:75度鏡面光沢度が70未満である。
【0059】上記方法に従って、染料インクによる実施
例1、参考例1および比較例1の記録物の画質、耐ガス
性および光沢性の評価の結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1の結果から明らかなように、実施例1
の記録物は、高画質を維持しつつ、また、染料インクに
よって記録されたにもかかわらず、耐ガス性と光沢性と
に優れたものであることが確認された。また、第一の表
面処理液を水のみすることによって得られた参考例1の
表面記録物の画像はくすんだものとなった。一方、第二
の表面処理液による表面処理は施されているものの、第
一の表面処理液による表面処理が行われていない比較例
1の表面記録物においては、画質において、満足した結
果を得ることはできなかった。
【0062】上記方法に従って、顔料インクによる実施
例2、参考例2および比較例2の記録物の画質、耐擦性
および光沢性の評価の結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】表2の結果から明らかなように、実施例2
の記録物は、高画質を維持しつつ、また、顔料インクに
よって記録されたにもかかわらず、耐擦性と光沢性とに
優れたものであることが確認された。また、第一の表面
処理液を水のみすることによって得られた参考例2の表
面記録物は画像がくすんだものとなった。一方、第二の
表面処理液による表面処理は施されているものの、第一
の表面処理液による表面処理が行われていない比較例2
の表面記録物においては、画質において、満足した結果
を得ることはできなかった。
【0065】
【発明の効果】請求項1に係る記録物の表面処理方法
は、記録媒体に画像が記録された記録物を表面処理する
記録物の表面処理方法であって、前記記録物の画像面に
対して第一の表面処理液により表面処理する第一工程
と、次いで前記画像面に対して第二の表面処理液により
表面処理する第二工程とにより表面処理する。このよう
な構成によれば、第一の表面処理液を、記録物に画像面
から浸透可能な液体とすることによって、画像の耐ガス
性を優れたものにすることができ、また第二の表面処理
液を、記録物の表面上に塗工可能な液体とすることによ
って、さらに画像の耐ガス性を優れたものにできるとと
もに、第二の表面処理液を記録物に均一に塗工すること
ができる。以上により、染料インクによって画像記録さ
れた記録物に対して、高画質を維持しつつ、耐ガス性と
光沢性とを優れたものにできる記録物の表面処理方法を
提供できる。また、顔料インクによって画像記録された
記録物に対して、高画質を維持しつつ、耐擦性と光沢性
とを優れたものにできる記録物の表面処理方法を提供で
きる。
【0066】請求項2に係る記録物の表面処理方法によ
れば、前記第一の表面処理液が、少なくとも水とカチオ
ン性化合物とから構成されることによって、特に、染料
インクによる画像が滲むことなく、第一工程を行うこと
ができるので、特に、高画質を維持できる表面処理方法
を提供できる。
【0067】請求項3に係る表面処理方法によれば、前
記記録媒体が、基材に多孔質のインク受容層が設けられ
た記録媒体であって、前記画像が前記インク受容層に記
録されるので、特に、高画像の記録物を得ることのでき
る表面処理方法を提供できる。
【0068】請求項4に係る表面処理方法によれば、前
記インク受容層の空隙率が30%以上であることを特徴
としているので、画像を形成するインクが極めて素早く
インク受容層中に吸収され、染料インクによって画像記
録された記録物に対しては、特に、高画質と耐ガス性と
光沢性とを高次元で両立できる表面処理方法を提供で
き、顔料インクによって画像記録された記録物に対して
は、特に、高画質と耐擦性と光沢性とを高次元で両立で
きる表面処理方法を提供できる。
【0069】請求項5に係る記録物の表面処理方法によ
れば、前記基材が、樹脂被覆紙であるので、第一の表面
処理液が基材を染み込みにくく、記録媒体がカール、コ
ックリングを引き起こすのを確実に回避できる表面処理
方法を提供できる。
【0070】請求項6に係る記録物の表面処理方法によ
れば、前記記録物の画像が水系インクにより記録された
ことを特徴としている。このような構成によれば、安全
性且つ発色性に優れた記録物を得ることのできる表面処
理方法を提供できる。
【0071】請求項7に係る表面処理された記録物によ
れば、本発明に係る記録物の表面処理方法により表面処
理されるので、染料インクによって画像記録されるとと
もに、高画質を維持しつつ、耐ガス性と光沢性とに優れ
た記録物、および、顔料インクによって画像記録される
とともに、高画質を維持しつつ、耐擦性と光沢性とに優
れた記録物を提供できる。
【0072】請求項8に係る表面処理装置は、本発明に
係る記録物の表面処理方法を行うための表面処理装置で
あって、前記第一工程で使用する第一の表面処理液を記
録物に対して吐出する第一吐出部と、前記第二工程で使
用する第二の表面処理液を記録物に対して吐出する第二
吐出部とを備えてなる。このような構成によれば、染料
インクによって画像記録されるとともに、高画質を維持
しつつ、耐ガス性と光沢性とに優れた記録物を得ること
のできる表面処理装置、および、顔料インクによって画
像記録されるとともに、高画質を維持しつつ、耐擦性と
光沢性とに優れた記録物を得ることのできる表面処理装
置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る表面処理装置の
概略図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に係る表面処理装置の
概略図である。
【符号の説明】
1,11 表面処理装置 4,14 第一処理部 6,15 第二処理部 10 記録物 10A 画像面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に画像が記録された記録物を表
    面処理する記録物の表面処理方法であって、前記記録物
    の画像面に対して第一の表面処理液により表面処理する
    第一工程と、次いで前記画像面に対して第二の表面処理
    液により表面処理する第二工程とにより表面処理するこ
    とを特徴とする記録物の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第一の表面処理液が、少なくとも水
    とカチオン性化合物とから構成されることを特徴とする
    請求項1に記載の記録物の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体が、基材に多孔質のインク
    受容層が設けられた記録媒体であって、前記画像が前記
    インク受容層に記録されたことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の記録物の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層の空隙率が30%以上
    であることを特徴とする請求項3に記載の記録物の表面
    処理方法。
  5. 【請求項5】 前記基材が、樹脂被覆紙であることを特
    徴とする請求項3または4に記載の記録物の表面処理方
    法。
  6. 【請求項6】 前記記録物の画像が水系インクにより記
    録されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の記録物の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の記録物
    の表面処理方法により表面処理された記録物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の記録物
    の表面処理方法を行うための表面処理装置であって、前
    記第一工程で使用する第一の表面処理液を記録物に対し
    て処理する第一処理部と、前記第二工程で使用する第二
    の表面処理液を記録物に対して処理する第二処理部とを
    備えてなる表面処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013018155A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Canon Inc 画像記録方法、及びセット
JP2013018219A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Ricoh Co Ltd 画像形成方法及び画像形成装置
JP2019038191A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 理想科学工業株式会社 加飾された多孔質材の製造方法

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