JP2002222662A - 鉛蓄電池 - Google Patents
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- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract
の発生に対し、正極極板群棚の溶接部の割れによる切断
を抑制し、使用寿命の優れた鉛蓄電池を実現する。 【解決手段】 Pb−Ca−Sn合金製の正極格子およ
びPb−Sn合金製の正極極板群棚の溶接部において、
正極極板群の棚部5の断面積が正極極板の耳部4の総断
面積に対して鋳造格子体においては0.6倍以上、エキ
スパンド格子においては1.1倍以上とする。
Description
の非常時バックアップ電源等に利用される鉛蓄電池に関
するものである。
従来よりPb−Ca−Sn合金が、正極極板群棚の溶接
部には純Pbが広く用いられていた。さらに近年、極板
群棚の溶接部にはPb−Sn合金が生産性の面から使用
されるようになってきている。そして、特に大電流放電
時における極板耳部の溶断を抑制させるために、正極極
板群棚の溶接部の断面積について過去より検討されてき
た。しかしながら、密閉型鉛蓄電池をトリクル使用した
時に、正極極板耳部が上方、すなわち正極極板群棚の溶
接部と直交する方向へ伸びることにより正極極板耳部群
棚の溶接部が割れることにより切断され、電池の容量が
低下して、電池の寿命が著しく減少することがあった。
化に対する技術として、セパレータの圧縮比率を増加す
ることによりセパレータの空隙部を減少させ、毛細管現
象により電解液の保持性を高めて内部抵抗の増加を抑制
する方法があるが、最終的に使用時の劣化モードは正極
格子の腐食によることが大きい。そして、一層の長寿命
化を実現するためには正極格子の断面積を大きくする必
要があった。しかし、長期間トリクル使用した場合、電
池内部の正極格子は腐食とともに大きく伸びる傾向にあ
り、さらに格子骨の断面積を大きくすれば腐食劣化や伸
びは遅延できるものの、最終的な格子骨の伸びは大きく
なる傾向があり、それにより正極極板群棚の溶接部が割
れることがあった。この場合、電池の容量が低下して、
電池の寿命が著しく減少することとなるため、本発明は
この課題を解決しようとするものである。
ために本発明の請求項1に記載の発明は、鋳造格子体を
備えた正極板と負極板とがセパレータを介して積層され
て正極板に連設された耳部が所定間隔をおいて配置さ
れ、これら耳部を集合溶接するPb−Sn合金製の棚部
を備えた鉛蓄電池において、前記棚部の極板積層方向の
断面積をyとし、前記耳部の総断面積をxとした時に、
y/x≧0.60としたことを特徴とする鉛蓄電池を示
すものである。
長手方向と同一方向にエキスパンドされたPb−Ca−
Sn合金からなるエキスパンド正極格子体を備えた正極
板と負極板とがセパレータを介して積層されて正極板に
連設された耳部が所定間隔をおいて配置され、これら耳
部を集合溶接するPb−Sn合金製の棚部を備えた鉛蓄
電池において、前記棚部の極板積層方向の断面積をyと
し、前記耳部の総断面積をxとした時に、y/x≧1.
10としたことを特徴とする鉛蓄電池を示すものであ
る。
求項2の構成を有する鉛蓄電池において正極格子体に用
いるPb−Ca−Sn合金は少なくとも0.8質量%以
上のSnを含有した鉛蓄電池を示すものである。
正極格子をPb−Ca−Sn合金とし、正極棚部はPb
−Sn合金から構成される。図1に示したように正極板
1と負極板2とがセパレータ3を介して積層されてい
る。正極板1は正極格子に活物質が充填されており、こ
の正極格子に耳部4が設けられている。正極板1、負極
板2およびセパレータ3とが積層された状態においては
耳部4が所定間隔をあけて重ね合わされた状態となって
いる。これら耳部4は棚部5で集合溶接されている。棚
部5は強度を考慮してPb−Sn合金が使用される。純
Pbを用いた場合には棚部の強度は弱く、極板の変形に
より容易に塑性変形するためである。強度を考慮した合
金としてPb−Sb合金がよく知られているが電池の減
液性能を低下させるために好ましくない。特に電解液が
制限された密閉式の鉛蓄電池においては電解液中の水分
が枯渇するために適当でない。
棚部の強度自体は向上するものの、ある応力以上をかけ
ると塑性変形せずに結晶面で破断する場合がある。特に
Pb−Sn合金においては耳部を集合溶接して棚部を形
成する工程で、棚部が冷却凝固される過程で冷却方向に
沿って結晶成長するので、棚部5の表面から内部に向か
って結晶粒界が成長している。棚部5と直交する方向に
耳部が形成されており、耳部に連設された正極板1の伸
びによりこの結晶粒界に沿って棚部5が容易に破断して
しまう。
b−Sn合金の正極棚部を備えた構成においてこの棚部
5の断面積(正極板面の断面)yを正極の耳部4の断面
積の総和xの0.60倍以上とすることにより、電池使
用中の正極格子の上方、すなわち正極の棚部と直交する
方向への伸びによる正極の棚部5の割れを抑制する。ま
た、正極格子がエキスパンド格子で構成される場合は特
にエキスパンド加工された方向に格子が伸びる。エキス
パンド加工された方向と格子耳部の長手方向とが一致す
る場合に格子の伸びが棚部の長手方向と直交する方向と
なるので棚部が破断する頻度は大きくなる。
合金であり、特にSn量を0.8質量%以上とした場合
にはエキスパンド格子の耐食性と強度は高く、電池寿命
は向上する。このようなエキスパンド格子は強度も高
く、腐食による伸び量は低下するものの、強度が高いた
め同一伸び量において棚部に及ぼす応力は大きくなる。
量%以上含有したPb−Ca−Sn合金のエキスパンド
格子を正極に用いる場合には鋳造格子とは異なり、前記
した比率(y/x)を1.10以上に構成することが必
要である。
試電池は12V15Ah(20HR)の密閉形鉛蓄電池
として試験を行った。0.60質量%、0.80質量%
および1.2質量%のSnと0.08質量%Caを含有
したPb−Ca−Sn合金を用いて鋳造方式により作製
した格子(A)と、この合金を帯状の鋳造スラブとした
後に圧延して圧延シートとし、エキスパンド加工を施し
たエキスパンド格子(B)を作製した。
合したペーストを充填して未化成極板を得た。この極板
の寸法は正極、負極とも高さが115mm、幅が58.
5mm、厚みはそれぞれ3.5mm、2.0mmであ
る。さらに、正極極板の耳部は格子(A)において幅8
mm、厚み2.9mm、格子(B)において幅8mm、
厚み1.5mmとした。
ガラス繊維をマット状にして厚み2.15mmのものを
用いて正極3枚と負極4枚とを積層して同極性極板の耳
部がそれぞれ対応する形で同じ側に位置するようにし
て、同極性を有する極板群棚部の溶接を行い極板群を構
成した。ここで正極棚部はPb−2.0質量%Sn合金
で形成した。
て厚みを変化させることにより、棚部5の断面積を変化
させた。極板群圧力がセパレータに20kg/dm2加
わった際の厚みt1に対して加圧状態での厚みt2におい
てt1/t2をセパレータ圧縮比率とした。この極板群を
用いて電池を構成し、常法により電解液を注液し、電槽
化成を行い電池とした。これらの電池の構成を表1に示
す。
命試験を実施した。
囲気温度は格子の腐食を加速させるとともに、UPSの
トランス近辺に設置されたことを想定した温度60℃で
2ヶ月間連続し、その後0.25CA放電にて容量を確
認した。この容量が初期の50%以下になった時点を寿
命終了時期とし前回の容量との直線関係より寿命結果回
数を判断した。また、試験を終了した電池に関しては分
解調査を行って正極の棚割れの有無を確認した。棚割れ
が発生しているものに関しては割れた部分の断面積の棚
断面積に対する比率を求めた。これらの結果を前記した
表1に示した。
総和xに対する棚部の断面積yの比率すなわちy/xは
正極格子体として鋳造格子を用いる場合には0.59以
上、エキスパンド格子体を用いる場合には1.10以上
とすれば棚割れを抑制するとともに、良好なトリクル寿
命を得ることがわかる。また良好な寿命を得ることがで
きるy/xの値は格子の製造方法により異なることがわ
かる。また、特にエキスパンド格子を用いた電池に関し
ては格子合金中のSnが0.8質量%を超えて多くする
と比較例の電池において棚割れの程度が悪化する。本発
明の構成によれば寿命を重視して格子合金中のSnを多
くした構成においても棚割れを抑制することができる。
よる正極格子の上方への伸びの発生に対し、正極極板群
棚の溶接部の割れによる切断を抑制し、信頼性の高い電
池容量を長期間維持できる鉛蓄電池を提供できるもので
ある。
部側断面図 (b)同要部斜視図
Claims (3)
- 【請求項1】 鋳造格子体を備えた正極板と負極板とが
セパレータを介して積層されて正極板に連設された耳部
が所定間隔をおいて配置され、これら耳部を集合溶接す
るPb−Sn合金製の棚部を備えた鉛蓄電池において、
前記棚部の極板積層方向の断面積をyとし、前記耳部の
総断面積をxとした時に、y/x≧0.60としたこと
を特徴とする鉛蓄電池。 - 【請求項2】 耳部の長手方向と同一方向にエキスパン
ドされたPb−Ca−Sn合金からなるエキスパンド正
極格子体を備えた正極板と負極板とがセパレータを介し
て積層されて正極板に連設された耳部が所定間隔をおい
て配置され、これら耳部を集合溶接するPb−Sn合金
製の棚部を備えた鉛蓄電池において、前記棚部の極板積
層方向の断面積をyとし、前記耳部の総断面積をxとし
た時に、y/x≧1.10としたことを特徴とする鉛蓄
電池。 - 【請求項3】 前記Pb−Ca−Sn合金は少なくとも
0.8質量%以上のSnを含有することを特徴とする請
求項2に記載の鉛蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018166A JP2002222662A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | 鉛蓄電池 |
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