JP5866510B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池におけるセル間接続として、セル室に収納された同一極性の極板の耳を接続する棚(ストラップ)に接続部品を形成し、隣り合うセル室に収納された異極性の棚に形成された接続部品どうしを接続する方法が知られている。
特許文献1には、この接続部品を、棚と概ね同一の高さに形成する構成が記載されている。これにより、接続部品を棚の直上に形成する構成と比べて、電槽の蓋と棚との距離を近づけることができ、限られた寸法の電槽内部に、より高い極板を収納することができる。
特開2001−266835号公報
近年、鉛蓄電池を軽量化する目的で、正極板の集電体である正極格子や、負極板の集電体である負極格子を、従来の鋳造方法で作製した格子(鋳造格子)から、エキスパンド工法で作製した格子(エキスパンド格子)へと切り替える動きが進んできている。
しかしながら、特許文献1に記載されたような、接続部品を棚と略同一の高さに形成する構成を採用した場合、正極格子を鋳造格子からエキスパンド格子に切り替えると、正極格子が負極性の接続部品に接触することによって、内部短絡が発生するという問題が生じた。この場合、鉛蓄電池を使用中に、突然、その機能を失うという不具合(以降、突然死と呼ぶ)を生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、その主な目的は、正極格子にエキスパンド格子を採用した鉛蓄電池において、正極格子が負極性の接続部品に接触することに起因する内部短絡の発生を抑制し、突然死が起こらない、信頼性の高い鉛蓄電池を提供することにある。
本発明に係る鉛蓄電池は、正極活物質と正極格子とからなる正極板と、負極活物質と負極格子とからなる負極板とを、セパレータを介して積層した複数の極板群と、複数の極板群をそれぞれ収納する複数のセル室を有する電槽と、各セル室に収納された極板群のうち、同一極性の極板の耳を連結する棚と、棚に接続され、隣り合うセル室に収納された極板群の異極性の棚どうしを接続する接続部品とを備え、正極格子は、上枠骨の下に網目状の格子骨が展開されたエキスパンド格子からなり、接続部品は、棚の側部から、上枠骨の長手方向と平行な方向に形成されており、正極格子において、格子骨と接する側の面の上枠骨の総面積をA、格子骨が上枠骨と接している面積の総和をBとしたときに、比B/Aが0.34以上、0.63以下であることを特徴とする。
ある好適な実施形態において、比B/Aが0.41以上、0.55以下である。
ある好適な実施形態において、正極格子の高さをC、正極格子における上枠骨の高さをDとしたときに、比D/Cが0.017以上、0.052以下である。
ある好適な実施形態において、負極格子は、上枠骨の下に網目状の格子骨が展開するエキスパンド格子であって、負極格子において、格子骨と接する側の面の上枠骨の総面積をA’、格子骨が上枠骨と接している面積の総和をB’としたときに、比B’/A’が0.34以上、0.63以下である。
本発明によれば、正極格子にエキスパンド格子を採用した鉛蓄電池において、正極格子が負極性の接続部品に接触することに起因する内部短絡の発生を抑制し、突然死が起こらない、信頼性の高い鉛蓄電池を提供することができる。
本発明の一実施形態における鉛蓄電池の構成を模式的に示した図である。 本発明の正極格子の要部を模式的に示した図である。 図2におけるα−α‘線に沿った断面図である。 内部短絡発生の要因を説明した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図1は、本発明の一実施形態における鉛蓄電池の構成を模式的に示した図である。また、図2は、正極格子の要部を模式的に示した図である。
極板群1は、正極活物質と正極格子8とからなる正極板1aと、負極活物質と負極格子とからなる負極板1bとを、セパレータ1cを介して積層して構成される。電槽2の内部は、中仕切板2bで区切られ、複数の極板群1をそれぞれ収納する複数のセル室2aを有している。
セル室2aに収納された極板群1において、複数の正極板1aの耳部は、棚(ストラップ)3aで接続されており、複数の負極板1bの耳部は、棚(ストラップ)3bで接続されている。棚3aおよび3bには、隣り合うセル室2aに収納された極板群1の異極性の棚どうしを接続する接続部品4a、4bが、それぞれ接続されている。
正極格子8は、図2に示すように、上枠骨8aの下に網目状の格子骨8bが展開されたエキスパンド格子からなる。そして、接続部品4a、4bは、それぞれ、棚3a、3bの側部から、上枠骨8aの長手方向と平行な方向に形成されている。
隣り合うセル室2aにおいて、正極性の棚3aと接続している接続部品4aと、負極性の棚3bと接続している接続部品4bとは、中仕切板2bを貫通して接続されており、これにより、複数のセル室2aに収容された各極板群1は、直列接続されている。
両端のセル室2aにおいて、各極板群1の異極性の棚3a及び3bは、それぞれ、極柱(図示せず)を介して、電槽2の蓋5に形成された端子6、6に接続されている。セル室2a毎に設けた液口(図示せず)から電解液が注入され、液口は液口栓7で封口されている。
図3は、図2におけるα−α‘線に沿った断面図で、格子骨8bと接する側の上枠骨8aの面を、矢印方向から見たものである。
本実施形態において、正極格子8は、格子骨8bと接する側の面の上枠骨8aの総面積をA、格子骨8bが上枠骨8aと接している接続箇所8cの面積の総和をBとしたときに、比B/Aが0.34以上、0.63以下、より好ましくは、比B/Aが0.41以上、0.55以下であることを特徴とする。
図1に示すように、接続部品4a、4bは、それぞれ、棚3a、3bの側部から、上枠骨8aの長手方向と平行な方向に形成されている。これにより、接続部品4a、4bを、棚3a、3bの直上に形成する構成と比べて、電槽の蓋5と棚3a、3bとの距離を近づけることができる。その結果、限られた寸法の電槽内部に、より高い極板を収納することができるため、鉛蓄電池の設計容量を大きくすることができる。
しかしながら、このようなセル間接続の構成を採用した場合、正極格子8を軽量化が可能なエキスパンド格子にした場合、図4に示すように、格子骨8bが伸びようとする応力によって、上枠骨8aが上方(棚3a、3bの方向)に押し上げられる。これにより、上方に押し上げられた正極格子8の上枠骨8aは、負極性の接続部品4bと接触することによって、内部短絡が発生する。
本実施形態のように、接続部品4a、4bを、棚3a、3bの側部から、上枠骨8aの長手方向と平行な方向に形成した場合、棚3a、3bと接続部品4a、4bとは、略同一の高さになる。そのため、棚3a、3aの真上に接続部品4a、4bを接続した構成と比べて、正極格子8の上枠骨8aは、負極性の接続部品4bと接触しやすくいなる。このような内部短絡に起因する鉛蓄電池の突然死は、鉛蓄電池の使用者、例えば、自動車のドライバーは、予見することができないため、突然死する前に、鉛蓄電池を交換するような対応を取ることができない。このような内部短絡に起因する突然死は、格子骨8bが伸びやすい高温下で鉛蓄電池を使用した場合に、より顕著になる。
発明者らは、このような内部短絡に起因する鉛蓄電池の突然死の発生を抑制するために、正極格子8の格子骨8bが上枠骨8aと接している面積に着目した。その結果、正極格子8において、格子骨8bが上枠骨8aに接する接続箇所8cの面積を最適化することによって、格子骨8bが上枠骨8aを上方(棚3a、3bの方向)に押し上げる応力を緩和することができることを見出した。具体的には、正極格子8において、格子骨8bと接する側の面の上枠骨8aの総面積をA、格子骨8bが上枠骨8aと接している接続箇所8cの面積の総和をBとしたときに、比B/Aを0.34以上にすることによって、上枠骨8aと格子骨8bとが一体の構造物に近づくことで、格子骨8bが上枠骨8aを棚3a、3bの方向に押し上げる応力を緩和できることを見出した。
ただし、この比B/Aが0.63を超えると、エキスパンド格子を作製する際に、格子骨8bの交点を中心にクラックが発生しやすくなり、その結果、腐食が過剰に進むことで、寿命特性が顕著に低下する問題が生じる。従って、この比B/Aは、0.34以上、0.63以下とすることが好ましい。
本実施形態において、正極格子8の高さをC、正極格子8における上枠骨8aの高さをDとしたときに、比D/Cが0.017以上、0.052以下であることが好ましい。比D/Cが0.017未満の場合、上枠骨8aが細いために、上枠骨8aが上方(棚3a、3bの方向)に押し上げられやすくなり、内部短絡に起因する突然死が発生するおそれがある。一方、比D/Cが0.052を超える場合、上枠骨8aが太いために、エキスパンド格子を作製する際に、格子骨8bの交点を中心にクラックが発生しやすくなり、その結果、腐食が少し進むことで寿命特性が低下するおそれがある。
以上、説明したように、本発明では、正極格子8にエキスパンド格子を採用した鉛蓄電池において、正極格子8の格子骨8bが上枠骨8aに接する接続箇所8cの面積を最適化することによって、正極格子8が負極性の接続部品4bに接触することに起因する内部短絡の発生を抑制することができる。
一方、負極格子にエキスパンド格子を採用した場合には、正極格子8にエキスパンド格子を採用した場合と異なり、腐食がほとんど起こらない。そのため、格子骨の体積が変化しないので、負極格子が正極性の接続部品4aに接触して、内部短絡が発生するおそれは非常に小さい。
ところで、負極格子にエキスパンド格子を採用した場合、鉛蓄電池の電圧特性の観点で、負極格子の格子骨が上枠骨に接する接続箇所の面積を最適化することが好ましい。すなわち、格子骨と接する側の面の上枠骨の総面積をA’、格子骨が上枠骨と接している面積の総和をB’としたときに(図3参照)、比B’/A’が0.34以上、0.63以下であることが好ましい。比B’/A’を0.34以上とすることで、格子骨と上枠骨との接触面積が十分になるので集電性が高まり、また、比B’/A’を0.63以下とすることで、エキスパンド格子を作製する際に格子骨8bの交点を中心にクラックが発生しにくくなり、ともに、鉛蓄電池の電圧特性を向上することができる。
本発明において、正極格子の組成は特に限定されないが、カルシウムとスズとを含む鉛合金、例えば、鉛−カルシウム−スズ合金であることが好ましい。ここで、カルシウムの含有量は、0.02〜0.10質量%の範囲が好ましく、スズの含有量は、1.0〜2.0質量%の範囲が好ましい。
また、本発明において、極板群を構成する正極板及び負極板の数は、特に制限されない。
以下、本発明の実施例を挙げて本発明の構成及び効果をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)鉛蓄電池の作製
本実施例で作製した鉛蓄電池は、JISD5301に規定するD26Lタイプの大きさで、図1に示した構成の鉛蓄電池である。
各セル室2aには、極板群1として、7枚の正極板1aと8枚の負極板1bとが収容され、負極板1bは、袋状のポリエチレン製のセパレータ1cに収容されている。セル室2aに収納された7枚の正極板1aの各耳は棚3aで接続され、8枚の負極板1bの各耳は棚3bで接続されている。棚3aには略同一の高さで接続部品4aが接続されており、棚3bには略同一の高さで接続部品4bが接続されている。隣り合うセル室2aに収納された接続部品4aと4bとは、中仕切板2bを貫通して接続されている。
本実施例では、正極格子8も負極格子も、エキスパンド格子を用いている。
正極板1aは、酸化鉛粉を硫酸と精製水とで混練してペーストを作製し、Pb−Ca−Sn合金からなる正極格子8にこれを充填して作製した。負極板1bは、酸化鉛粉に対し、有機添加剤等を添加して、硫酸と精製水とで混練してペーストを作成し、Pb−Ca−Sn合金からなる負極格子にこれを充填して作製した。
作製した正極板1a及び負極板1bを熟成乾燥した後、負極板1bをポリエチレンの袋状のセパレータ1cに収容し、正極板1aと交互に重ね、7枚の正極板1aと8枚の負極板1bとがセパレータ1cを介して積層された極板群1を作製した。この極板群1を、6つに仕切られたセル室2aにそれぞれ収容し、6つのセルを直接接続した。さらに、密度が1.28g/cm3の希硫酸からなる電解液を入れて化成を行い、鉛蓄電池を得た。
本実施例では、表1に示すように、格子骨8bが上枠骨8aと接している接続箇所8cの面積を変えた電池A−1〜A−7、及びB−1〜B−7を作製した。ここで、電池A−1〜A−7は、格子骨8bが上枠骨8aと接している接触本数が13本で、電池B−1〜B−7は、格子骨8bが上枠骨8aと接している接触本数が9本の正極格子8を用いた。そのため、電池A−1〜A−7の格子骨8bは、電池B−1〜B−7の格子骨8bよりも細くなっている。また、正極格子8の高さCは、115mm、上枠骨8aの総面積Aは、178.8mm2、上枠骨8aの高さDは、4.0mmとした。
また、表1には、格子骨8bが上枠骨8aと接している面積の総和(接触面積×接触本数)B、及び、上枠骨8aの総面積Aと格子骨8bの面積総和Bとの比B/Aも示している。
(2)寿命特性
作製した鉛蓄電池に対して、以下の方法で寿命特性を評価した。
化成直後の鉛蓄電池を、75℃の恒温室に置き、定電流放電(25A、120秒)と、定電圧充電(14.8V、600秒)を1サイクルとして、繰り返し充放電を行った。この充放電を、480サイクルごとに56時間放置した後、定格コールドクランキング電流(490A)で30秒間放電を行い、30秒目の電圧を求めた。この電圧が7.2V以下になった時点を寿命に達したと判断し、寿命に達するまでのサイクル数を測定した。
表1に示すように、正極格子8として、比較的細い格子骨8bを上枠骨8aに接続した電池A−1〜A−7において、比B/Aが0.27の電池A−1は、寿命に至ったサイクル数が非常に低かった。これは、格子骨8bが上枠骨8aに接する接続箇所8cの面積総和が小さいために、格子骨8bが上枠骨8aを上方(棚3a、3bの方向)に押し上げる応力を緩和することができず、上方に押し上げられた上枠骨8aが、負極性の接続部品4bと接触して、内部短絡を引き起こしたためと考えられる。
また、比B/Aが0.70の電池A−7も、寿命に至ったサイクル数が非常に低かった。これは、エキスパンド格子を作製する際に、格子骨8bの交点を中心にクラックが発生しやすくなり、その結果、腐食が過剰に進むことで、寿命特性が顕著に低下したためと考えられる。
一方、比B/Aが0.34〜0.63の電池A−2〜A−6では、電池A−1、A−7に比べて、寿命特性が格段に優れていた。
以上の結果から、正極格子8が負極性の接続部品4bに接触することに起因する内部短絡の発生を抑制する、正極格子8の最適な構成として、上枠骨8aの総面積Aと、格子骨8bが上枠骨8aと接している面積の総和Bとの比B/Aを、0.34以上、0.63以下にすることが好ましい。なお、表1に示すように、比B/Aを、0.41以上、0.55以下にすることによって、より寿命特性を向上させることができる。
また、表1に示すように、正極格子8として、比較的太い格子骨8bを上枠骨8aに接続した電池B−1〜B−7においても、電池A−1〜A−7とほぼ同様の結果が得られた。このことから、正極格子8が負極性の接続部品4bに接触することに起因する内部短絡の発生を抑制する効果は、格子骨8bの一本一本の太さに規制されず、格子骨8bが上枠骨8aと接している接続箇所8cの面積の総和Bに規制されることが分かる。
次に、表2に示すように、正極格子8の上枠骨8aの高さDを変えた電池C−1〜C−4を作製した。なお、このとき、上枠骨8aの総面積Aと、格子骨8bが上枠骨8aと接している面積の総和Bとの比B/Aは、電池A−4の条件(B/A=0.48)とした。
表2に示すように、正極格子8の高さCと、上枠骨8aの高さDとの比D/Cが0.013の電池C−1では、電池C−2〜C−3(0.017≦D/C≦0.052)に比べて、寿命に至ったサイクル数が、若干低下していた。これは、上枠骨8aが細いために、上枠骨8aが上方(棚3a、3bの方向)に押し上げられやすくなり、最終的に、正極格子8が負極性の接続部品4bに接触して内部短絡が発生することにより、寿命特性が低下したものと考えられる。また、比D/Cが0.057の電池C−4でも、電池C−2〜C−3に比べて、寿命に至ったサイクル数が、若干低下していた。これは、上枠骨8aが太いために、エキスパンド格子を作製する際に、格子骨8bの交点を中心にクラックが発生しやすくなり、その結果、腐食が少し進むことで寿命特性が低下したためと考えられる。
以上の結果から、正極格子8が負極性の接続部品4bに接触することに起因する内部短絡の発生を抑制する、正極格子8の最適な構成として、正極格子8の高さCと、正極格子8の上枠骨8aの高さDとの比D/Cを、0.017以上、0.052以下にすることが好ましい。
次に、表3に示すように、格子骨8bが上枠骨8aと接している接続箇所8cの面積を変えた電池A−1〜A−7、及びB−1〜B−7を作製した。ここで、正極格子8は、電池A−4と同じ条件で作製した。
(3)電圧特性
作製した鉛蓄電池に対して、以下の方法で電圧特性を評価した。
鉛蓄電池を、−15℃の恒温室に置き、300Aで30秒の放電を行い、30秒後の電圧を測定した。
表3に示すように、負極格子4の上枠骨の総面積A’と、格子骨が上枠骨と接している面積の総和B’との比B’/A’が、0.34以上、0.63以下の電池D−2〜D−3では、電圧特性が、電池D−1(比B’/A’=0.27)、電池D−4(比B’/A’=0.70)に比べて、電圧特性が優れていた。これは、比B’/A’を0.34以上とすることで、格子骨と上枠骨との接触面積が十分になるので集電性が高まり、また、比B’/A’を0.63以下とすることで、エキスパンド格子を作製する際に格子骨8bの交点を中心にクラックが発生しにくくなったためと考えられる。
表4は、接続部品4a、4bを、それぞれ、棚3a、3bの側部から、上枠骨8aの長手方向と平行な方向に形成した電池A−4と、接続部品4a、4bを、棚3a、3bの直上に形成した電池E−1との、寿命特性の比較を行った結果を示した表である。なお、電池E−1の正極格子8の構成は、接続部品4a、4bの構成以外、電池A−4と同じにした。
表4に示すように、電池E−1は、接続部品4a、4bが、棚3a、3bの直上に形成されているため、正極格子8が負極性の接続部品4bに接触することに起因する内部短絡の発生をなく、電池A−4と同じ寿命特性が得られた。しかしながら、電池E−1は、接続部品4a、4bが、棚3a、3bの直上に形成されているため、電池A−4に比べて、極板群の高さ、すなわち、正極格子8の高さCを10mm低くせざるを得なかったため、設計容量が6Ah低下(低下率として10%)し、高容量化には適さない。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。
本発明は、正極格子としてエキスパンド格子を用いた鉛蓄電池に有用である。
1 極板群
1a 正極板
1b 負極板
1c セパレータ
2 電槽
2a セル室
2b 中仕切板
3a、3b 棚
4a、4b 接続部品
5 蓋
6 端子
7 液口栓
8 正極格子
8a 上枠骨
8b 格子骨
8c 接続箇所

Claims (4)

  1. 正極活物質と正極格子とからなる正極板と、負極活物質と負極格子とからなる負極板とを、セパレータを介して積層した複数の極板群と、
    前記複数の極板群をそれぞれ収納する複数のセル室を有する電槽と、
    各セル室に収納された極板群のうち、同一極性の極板の耳を連結する棚と、
    前記棚に接続され、隣り合うセル室に収納された極板群の異極性の棚どうしを接続する接続部品と、
    を備えた鉛蓄電池であって、
    前記正極格子は、上枠骨の下に網目状の格子骨が展開されたエキスパンド格子からなり、
    前記接続部品は、前記棚の側部から、前記上枠骨の長手方向と平行な方向に形成されており、
    前記正極格子において、前記格子骨と接する側の面の前記上枠骨の総面積をA、前記格子骨が前記上枠骨と接している面積の総和をBとしたときに、比B/Aが0.34以上、0.63以下であることを特徴とする、鉛蓄電池。
  2. 比B/Aが0.41以上、0.55以下であることを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記正極格子の高さをC、前記正極格子の前記上枠骨の高さをDとしたときに、比D/Cが0.017以上、0.052以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記負極格子は、上枠骨の下に網目状の格子骨が展開するエキスパンド格子からなり、
    前記負極格子において、前記格子骨と接する側の面の前記上枠骨の総面積をA’、前記格子骨が前記上枠骨と接している面積の総和をB’としたときに、比B’/A’が0.34以上、0.63以下であることを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池。
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