JP2002222613A - 導電ペースト用銅粉および銅粉粒子ならびに導電ペースト - Google Patents

導電ペースト用銅粉および銅粉粒子ならびに導電ペースト

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JP2002222613A JP2000339440A JP2000339440A JP2002222613A JP 2002222613 A JP2002222613 A JP 2002222613A JP 2000339440 A JP2000339440 A JP 2000339440A JP 2000339440 A JP2000339440 A JP 2000339440A JP 2002222613 A JP2002222613 A JP 2002222613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電ペーストに適した低い粘性の確保できる
銅粉を提供する。 【解決手段】 水酸化銅を水に懸濁させた懸濁液に還元
剤を添加して亜酸化銅に一次還元し、この亜酸化銅を水
に懸濁させた懸濁液に還元剤を添加して金属銅に二次還
元する湿式還元法で製造された銅粉に、粒子同士を機械
的に衝突させる表面平滑化処理が施された平均粒径が0.
1〜10μmの導電ペースト用銅粉。SF=(Rlr−100)×
da×Rms×Ra×Ry×Rz×108(右辺の変数は表面粗
さパラメータ)で定義される表面指数SFの平均値SF
mが1以下である導電ペースト用銅粉。ダイマー酸をグ
リシジルエステル化したエポキシ当量が446g/eqで且つ2
5℃粘度が730cpsのエポキシ樹脂8重量%に、対象銅粉92
重量%を混練し、この混練物の粘度をB型粘度計を用い
て10rpmで測定したとき、300Pa・sec以下の粘度を示す
上記の導電ペースト用銅粉。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い充填率でも低
粘性の導電ペーストが得られる銅粉、およびそれに適し
た銅粉粒子、ならびに上記銅粉を用いた導電ペーストに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、絶縁基板上に導電ペーストを
スクリーン印刷して厚膜回路基板を作製する場合、該導
電ペーストとしては銀系ペーストが主に使用されてきた
が、銅ペーストも使用される傾向にある。銅ペーストは
銀系ペーストに比べて次のような利点があるからであ
る。
【0003】 (1) マイグレーションが起き難いのでショートし難い。 (2) 耐半田性に優れるので信頼性が高い。 (3) 低コスト化が可能である。
【0004】このような利点をもつ銅ペーストは、粒径
が0.1〜10μm程度の銅粉をビヒクル(樹脂)中に分散さ
せることによって得られる。
【0005】銅粉の製造法としては、機械的粉砕法、溶
融銅を噴霧するアトマイズ法、陰極への電解析出法、蒸
発蒸着法、湿式還元法等が知られている。これらはそれ
ぞれ得失があるが、湿式還元法はペースト用に適する粒
径の微細粉を比較的容易に得ることができるので、導電
ペースト用銅粉を製造する場合の主流となっており、例
えば特開平4−116109号公報,特開平2−197012号公報お
よび特開昭62−99406号公報には湿式還元法による銅粉
の製造法が記載されている。
【0006】湿式還元法による銅粉の製法は、水中で析
出させた水酸化銅を亜酸化銅に一次還元し、次いでこの
亜酸化銅を金属銅に二次還元することを要旨とするもの
であり、一次還元剤としてはブドウ糖、二次還元剤とし
て抱水ヒドラジン等が使用される。そのさい、水酸化銅
の析出工程、一次還元工程および二次還元工程の条件設
定により、得られる銅粉の粒径や粒子形状を制御するこ
とができ、導電ペースト用に適する粒径のものを安定し
て製造できる利点がある。本発明者らは先に特開2000−
144217号公報において、一次還元工程と二次還元工程の
間で、酸素含有ガス吹込みによる酸化処理を行う方法を
提案した。この酸化処理により粒径の揃った銅粉を得る
ことができ、一層、粒径制御と粒子形状制御が精密化で
きるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】湿式還元法では導電ペ
ーストに適した粒径の銅粉が製造できるとしても、その
銅粉は、適正な粘性をもつ導電ペーストを得ようとする
場合には問題があった。導電ペーストの粘性は、使用す
る樹脂自身の粘性、銅粉の充填率(フィラー値)および
銅粉の粒度分布等が関与するが、湿式還元法による銅粉
では、導電ペーストの粘性が高くなる傾向がある。すな
わち、湿式還元法による銅粉では、粒径が適正に制御で
きても、それだけでは導電ペーストの粘性を低下させる
ことには限界があることがわかった。
【0008】そこで、本発明はこのような問題を解決
し、湿式還元法による銅粉を用いた場合でも、導電ペー
ストにとって必要な低い粘性を確保できる銅粉を得るこ
とを目的とするものである。
【0009】また、導電ペーストの粘性を低下させるこ
とのできる最適な銅粉が得られたとしても、そのような
銅粉の形態を定量的に特定することは従来容易ではなか
った。これは、銅粉粒子は顕微鏡レベルの微小なもので
あるため、その個々の形状を定量的に把握するのが極め
て難しいことに原因がある。
【0010】最近では画像処理技術および電子顕微鏡技
術の発達により、電子顕微鏡内に置かれた試料表面の反
射電子情報を三次元的に解析して、ミクロ的な表面凹凸
のプロファイルを作成することが可能になっている。し
かし、そのような手法で銅粉粒子表面の凹凸プロファイ
ルを得たとしても、そのプロファイルから得られる表面
粗さの各種パラメータと、その銅粉を用いた導電ペース
トの粘性との間の相関関係を見出すことは容易ではな
く、「良好な銅粉」と「良好でない銅粉」を有意差をも
って判別し得る指標は未だ見出されていないのが現状で
ある。このため、原料としての銅粉を樹脂と混ぜる前に
精度良く選別することは困難であり、結局、混練後の導
電ペースト(完成品)において品質を確認する必要があ
るという、品質管理上の不便を伴っていた。
【0011】したがって本発明は、導電ペースト用銅粉
としての適性を原料段階で定量的に評価し得る指標を確
立して、銅粉粒子の形状をミクロ的に特定し、品質管理
上の問題を解消することをも目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべく
本発明者らは鋭意研究を重ねたところ、湿式還元法で得
られた銅粉に対して銅粉同士を機械的に衝突させる処理
を施し、粒径や粒度分布および比表面積はそれほど変化
させないで、粒子表面を平滑化させると、導電ペースト
の粘性を著しく低下させることができることを見い出し
た。すなわち、粒子表面に存在する凸凹や角張った部分
を、粒径や粒度分布を実質上変化させないで、粒子同士
の衝突により滑らかにするのであり、この処理は、粒子
を機械的に流動化させることができる装置を用いて行う
ことができる。
【0013】したがって本発明は、湿式還元法で製造さ
れた銅粉に、粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化
処理が施された導電ペースト用銅粉を提供するものであ
る。本発明の銅粉は平均粒径が0.1〜10μmであり、ま
た、ダイマー酸をグリシジルエステル化したエポキシ当
量が446で且つ25℃での粘度0.73Pa・secのエポキシ樹脂
8重量%に、本発明の銅粉92重量%を混練し、この混練
物の粘度をB型粘度計を用いて10rpmで測定したとき、3
00Pa・sec以下の粘度を示す。
【0014】また、本発明者らは銅粉粒子のミクロ的な
表面形状に着目し、導電ペースト用銅粉としての適性を
原料の粉末段階で精度良く評価する手法について種々検
討を重ねてきた。その結果、JIS B 0601(1994)および
JIS B 0660(1998)に規定される表面粗さの概念を銅粉
粒子のミクロ的な表面凹凸について適用し、かつ、JIS
B 0660(1998)に規定される表面粗さの各種パラメータ
のうち特定のものを用いて、ある関係式によって整理し
たとき、銅粉粒子の表面形状と導電ペーストの粘性とを
結び付ける相関関係を見出したのである。
【0015】すなわち、低い粘性を呈するペーストを得
るのに適した銅粉粒子は、下記(1)式で定義される表面
指数SFが1以下である導電ペースト用銅粉粒子として
特定される。 SF=(Rlr−100)×da×Rms×Ra×Ry×Rz×108 ・・・(1) ここで、(1)式右辺の各変数は以下に定義される表面粗
さパラメータであり、粒子表面の粗さ曲線から求まるも
のである。粗さ曲線はJIS B 0660(1998)の番号1018に規
定されている。 Rlr:JIS B 0660(1998)の番号3008に規定される「粗
さ曲線の展開長さ率lr」の値に100を乗じて%表示した
値 da:JIS B 0660(1998)の番号4003に規定される「粗
さ曲線の算術平均傾斜Δa」の値 Rms:JIS B 0660(1998)の番号2011に規定される「粗
さ曲線の二乗平均平方根粗さRq」の値 Ra:JIS B 0660(1998)の番号2010に規定される「粗
さ曲線の算術平均粗さRa」の値 Ry:JIS B 0660(1998)の番号2006に規定される「粗
さ曲線の最大高さRy」の値 Rz:JIS B 0660(1998)の番号2007に規定される「粗
さ曲線の十点平均粗さRz」の値
【0016】またこの場合、粒子表面の平均的な凹凸形
態をできるだけ精度良く表すための粗さ曲線の取り方と
して、以下の手法を提供する。すなわち、粒子の顕微鏡
観察像の中に、該粒子の輪郭をはみ出さないように粒子
投影面積の25%以上の投影面積を有する矩形領域を設定
し、その矩形領域中に5本以上の平行な測定直線を両端
の2本が矩形領域長辺境界に一致するように等間隔にn
本設定し、各測定直線に沿って粒子表面の粗さ曲線をn
本測定し、これらn本の粗さ曲線をつなぎ合わせて連続
曲線としたものを新たに粒子表面の粗さ曲線とし、この
新たな粗さ曲線に基づいてSF値を定める手法を提供す
る。また、その粒子表面の粗さ曲線は、走査型電子顕微
鏡(SEM)の電子ビーム軸のまわりに設置された複数の
反射電子検出器によって検出された反射電子情報に基づ
いて粒子表面の凹凸状態を三次元的に測定することによ
って求めたものを使用することができる。
【0017】上記の表面指数SFは、粉末を構成する1
つの粒子の形状を特定したものであり、上記規定を満た
す銅粉粒子は粘性の低い導電ペーストを構成する上で極
めて望ましいものであるが、実際にペーストの製造現場
で使用されるのは個々の粒子の集合である「銅粉」であ
るから、銅粉としての適性を評価することも品質管理上
重要である。そこで、本発明では、粉末を構成する個々
の粒子の前記(1)式で定義される表面指数SFの平均値
SFm(以下、SFmを「平均表面指数」という)が1以
下である導電ペースト用銅粉を提供する。
【0018】またその際、同じ方法で製造された粒子か
らなる銅粉であれば、平均表面指数SFmを求める上
で、必ずしも多数の粒子について表面指数SFを定める
必要はなく、少数の粒子について以下のようにしてSF
値を定めることで十分精度良く銅粉の適性を判断できる
ことを、本発明者らは統計的に確認することができた。
すなわち、SFm値は、同じ方法で製造された粉末粒子
の中から任意に選んだ6個の粒子についてのSF値のう
ち、最大値と最小値を除いた4点を算術平均することに
よって定めたものを提供する。ここで、同じ方法で製造
された粉末粒子とは、粒子の形成過程およびその後に受
けた処理過程が共通する粉末粒子であり、例えば原料の
銅から同一ロットで製造された粉末を構成する粒子はこ
れに該当する。また、別ロットで製造された粉末であっ
ても、製造条件・処理条件が同じである限り、それらを
混合した粉末を構成する粒子もこれに該当する。
【0019】以上のような銅粉はそのまま樹脂に混練し
て導電ペーストとしても良いし、あるいは上記銅粉と他
の種類の銅粉を混合したのち、その混合銅粉を樹脂に混
練して導電ペーストとしても良い。そこで本発明では、
上記銅粉、あるいは上記銅粉と他の種類の銅粉を混合し
た混合銅粉であって、ダイマー酸をグリシジルエステル
化したエポキシ当量が446g/eqで且つ25℃粘度が730cps
のエポキシ樹脂8重量%に、上記銅粉あるいは上記混合
銅粉92重量%を混練し、この混練物の粘度をB型粘度計
を用いて10rpmで測定したとき、300Pa・sec以下の粘度
を示す導電ペースト用銅粉を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】前述のように、水酸化銅を水に懸
濁させた懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅に一次還元
し、この亜酸化銅を水に懸濁させた懸濁液に還元剤を添
加して金属銅に二次還元するいわゆる湿式還元法で製造
される銅粉は、粒径や粒子形状も導電ペースト用として
適したものが得られる。例えば、平均粒径が0.1〜10μm
好ましくは3〜10μm更に好ましくは4〜8μmで、比表面
積(BET法で測定して)が0.1〜10m2/g 好ましくは0.
1〜1.0m2/g のものが安定して得られる。しかし、その
粒子はたとえ球状に近い形状を有していても、実際には
平らな結晶面が多面的に露出した多面体形状を有してお
り、このために結晶面の辺では角張りがあり、全体とし
ては粒子表面は凸凹した状態となっている。このような
角張りのある表面状態は、アトマイズ粉のように溶融処
理されたものとは基本的に相違している。
【0021】そして、このような角張り(凹凸)がある
ことが、導電ペーストの粘性を下げるのに支障となるこ
とがわかった。すなわち湿式還元法で得られた銅粉が、
導電ペーストの粘性を下げることのできない理由はここ
にある。本発明者らは、該銅粉に対して粒径や比表面積
等は変化させないで、該角張り部分を滑らかな曲面にす
ると、導電ペーストの粘性を著しく下げることができる
ことを見出した。すなわち、樹脂に分散させる前に、粒
子同士を機械的に衝突させるような前処理を行ない、角
張り部分を減らして滑らかな曲面をもつ粒子としてか
ら、樹脂に分散させると、処理前のものに比べて著しく
粘性を低下させることができることがわかった。
【0022】この処理は粉体の流動化によって行うこと
ができ、この流動化は機械的に粉体を流動化させる装
置、例えば筒型高速攪拌機(流動ミキサー)によるのが
便利である。すなわち、各粒子に運動量を与え、その運
動する粒子同士を互いに衝突させることにより、粒子表
面の角張り部分を平滑化する処法によれば、粒径と比表
面積は殆んど変化させずに、各粒子の表面を滑らかにす
ることができる。筒型高速攪拌機は、筒状の密閉容器
(軸を垂直方向にした円筒型容器)の内部下方に設けた
回転羽根によって粉体に遠心力と浮揚力を与えることが
でき、これにより容器内を粉体が流動するので、この流
動の間に表面が平滑化される。
【0023】湿式還元法の最終段階では、液中で生成し
た金属銅の微粉を液から分離し、分離された固形分から
水分が除去されるが、この乾燥処理された状態ではいわ
ゆるケーキ状となっているので、これを解砕機で解砕処
理し、粒子同士をばらばらに単離することが必要であ
る。解砕機では付着している粒子に衝撃を付与して互い
に解離させるが、この解砕処理では粒子表面の凹凸が除
去されて表面が平滑になることはあまり期待できない。
このため、銅粉ケーキを解砕して得た銅粉ままでは、樹
脂に分散させたときに高い粘性を示すようになる。例え
ば、後記の実施例に示すように、ダイマー酸をグリシジ
ルエステル化したエポキシ当量が446g/eqで且つ25℃粘
度が0.73Pa・secのエポキシ樹脂8重量%に対し、この解
砕した銅粉92重量%を混練し、B型粘度計を用いてこの
混練物の粘度を10rpmで測定した場合、通常は400Pa・se
c以上の粘度を示すようになり、300Pa・sec以下、場合
によっては200Pa・sec以下と言った低粘度は到底望めな
い。
【0024】これに対し、前記のように粒子同士を機械
的に衝突させて表面平滑化処理を施した銅粉の場合に
は、同じ湿式還元法で得られたものであるにしても、前
記同様ダイマー酸をグリシジルエステル化したエポキシ
当量が446g/eqで且つ25℃粘度が0.73Pa・secのエポキシ
樹脂8重量%に対し、この表面平滑化処理した銅粉92重
量%を混練し、B型粘度計を用いてこの混練物の粘度を
10rpmで測定した場合、通常は300Pa・sec以下、さらに
は250Pa・sec以下、場合によってはさらに200Pa・sec以
下と言った低粘性を示すことがわかった。
【0025】また、湿式還元法で製造された銅粉に、無
機物または有機物を被覆したうえ、粒子同士を機械的に
衝突させる表面平滑化処理を施した場合にも、同様に低
粘性を示すことがわかった。導電ペースト用銅粉におい
ては、導電率をさらに向上させるために銀等の金属で銅
粉表面を被覆したり、表面酸化を防止するためにカルボ
ン酸例えばステアリン酸等の有機化合物で被覆すること
も有利であり、このような被覆処理は、湿式還元法によ
る銅粉の製造の場合にはその最終的な段階で行うことが
できる。そして、この被覆処理を施した銅粉に対して、
前記同様に粒子同士を機械的に衝突させて表面平滑化処
理を行なった場合には、被覆された部分を損傷すること
なく表面を平滑化することができ、したがって、被覆し
たことによる特性を具備したまま、低粘性の導電ペース
トが得られることがわかった。
【0026】次に、導電ペーストに適した銅粉を粒子の
表面形態から特定する手法について説明する。先述のよ
うに、本発明ではJIS B 0601(1994)およびJIS B 0660
(1998)に規定される表面粗さの概念を銅粉粒子のミク
ロ的な表面凹凸について適用する。すなわち、JISで定
義される粗さ曲線と同様の概念で「粒子表面の粗さ曲
線」を定める。その際、理想的には、粒子表面のきるだ
け広い面積について数多くの粗さ曲線を測定し、各種パ
ラメータの算出にはそれら全ての粗さ曲線を考慮するの
が、正確さを期す上で望ましいと考えられる。しかし、
現実には粉末サンプルを電子顕微鏡で観察し、その視野
中で粗さ曲線を測定する必要があることから、1つの粒
子の表面全体にわたって粗さ曲線を測定することは困難
であり、どうしても粒子表面の一部からの情報によって
その粒子の形態を代表的に表す手法を確立しなければ不
便である。そこで本発明者らは鋭意研究した結果、例え
ば以下のような手法で「粒子表面の粗さ曲線」を定める
ことによって、導電ペースト用原料としての適否を十分
な有意差をもって評価し得ることを見出した。
【0027】すなわち、粒子の顕微鏡観察像の中に、該
粒子の輪郭をはみ出さないように粒子投影面積の25%以
上の投影面積を有する矩形領域を設定し、その矩形領域
中に5本以上の平行な測定直線を両端の2本が矩形領域
長辺境界に一致するように等間隔にn本設定し、各測定
直線に沿って粒子表面の粗さ曲線をn本測定し、これら
n本の粗さ曲線をつなぎ合わせて連続曲線としたものを
新たに粒子表面の粗さ曲線とする。そして、この新たな
粗さ曲線を用いて後述のSF値を求めるのである。
【0028】ここで、粒子の顕微鏡観察像とは、粉末サ
ンプルを一方向から見た画像(例えば後述の図3〜8に
示す電子顕微鏡SEM像)の中に見られる1つの粒子の像
である。ただし、他の粒子に隠れて粒子の輪郭が十分に
把握できない粒子は測定対象としない。そして、粒子の
像の中に矩形領域を設定するのであるが、その際、矩形
領域はその境界(辺および頂点)が当該粒子の輪郭をは
み出さないように、かつ、矩形領域の投影面積が粒子投
影面積(すなわち粒子の輪郭に囲まれた部分の投影面
積)の25%以上の面積率を有するように設定する。当該
面積率が25%未満だと、粒子の局所的な凹凸形態を強く
反映した粗さ曲線が得られる恐れがあり好ましくない。
【0029】矩形領域の中に設定する測定直線は、矩形
領域全体の情報をなるべく均等に拾うように配置するの
が理想的であるため、平行な複数本の直線を、両端の2
本が矩形領域長辺境界に一致するように設けるのが良
い。測定直線の本数は5本以上とすることが好ましく、
より精度を上げるためには10本以上とすることがより好
ましい。ただし、あまり本数を増やしても、それに見合
ったSF値の精度向上効果は得られなくなるため、20本
程度が最も良いと考えられる。図1に、粉末粒子の顕微
鏡観察像の中に設ける矩形領域と測定直線の例を模式的
に示す。矩形領域は長さaの長辺境界と同bの短辺境界
に囲まれ、その投影面積はa×bで表される。粒子の投
影面積は、粒子の輪郭を表す線で囲まれた部分の面積で
ある。この図は測定直線を5本設けた場合の例であり、
5本のうち両端の2本は矩形領域の長辺境界と一致して
いる。
【0030】このようにして設けた各測定直線に沿っ
て、粒子表面の凹凸形状を表す粗さ曲線を測定する。具
体的測定方法として、例えば、走査型電子顕微鏡(SE
M)の電子ビーム軸のまわりに複数の反射電子検出器を
設置した三次元形状解析装置を用いる手法が好適に利用
できる。これによると、検出された反射電子情報に基づ
いて測定直線に沿ったミクロ的な表面凹凸状態を精度良
く測定することができる。
【0031】なお、粗さ曲線はJIS B 0660(1998)の番
号1018に規定されているとおり「測定断面曲線から、所
定の波長より長い表面うねり成分を位相補償形高域フィ
ルタで除去した曲線」であるため、実際には、断面曲線
(断面の切り口に現れる輪郭)の測定データを処理して
得られるものである。図2には、断面曲線と粗さ曲線の
関係を概念的に示したJIS B 0601(1994)の図1(a)を
参考のために示しておく。上記の三次元形状解析装置を
はじめ最近のデジタル式粗さ測定装置には、断面曲線か
ら粗さ曲線を自動的に導くソフトウエアが組み込まれて
おり、粗さ曲線の測定が容易になっている。
【0032】各測定直線に沿って測定された粗さ曲線を
すべてつなぎ合わせることによって、矩形領域全体の凹
凸形態を反映した1本の連続曲線が得られる。したがっ
て、この連続曲線を新たに粒子表面の粗さ曲線とし、こ
の新たな粗さ曲線に基づいて後述のSF値を求めること
で、粒子表面の凹凸形態をより精度良く評価することが
できるのである。
【0033】SF値は、銅粉粒子表面の粗さ曲線から得
られる表面粗さパラメータによって、その銅粉粒子の導
電ペーストに対する適性を評価する指標であり、本発明
者らはこれを「表面指数」と呼ぶこととした。表面粗さ
パラメータは、JIS B 0660(1998)に各種のものが規定
されているが、本発明者らは、これらのうち特定の6種
類のパラメータを用いて前記(1)式により表面指数SF
を導出した。このSFの値によって、導電ペーストの粘
性を小さくする上で効果的な銅粉粒子を、ミクロ的な表
面形状により定量的に特定することができることを見出
したのである。種々検討の結果、表面指数SFが1以下
である銅粉粒子は、導電ペースト用の原料として非常に
適していることがわかった。
【0034】前記(1)式右辺の各パラメータ、すなわ
ち、Rlr,da,Rms,Ra,Ry,Rzは、前述のように
JIS B 0660(1998)の規定に従って粒子表面の粗さ曲線
から求めることができる。最近の表面粗さ測定装置に
は、粗さ曲線のデータを解析して各表面粗さパラメータ
を算出するソフトウエアが組み込まれているものが多
い。本発明でも、そのようなソフトウエアを利用すると
便利である。
【0035】また、粗さ曲線から不要な高周波成分を除
去するために、いわゆるフィルター処理を行い、粗さ曲
線をスムージングしてもよい。本発明者らの検討によれ
ば、例えば、1本の粗さ曲線あたり640点の高さデータ
を採取する測定条件の場合、n本の粗さ曲線をつなぎ合
わせて得た新たな粗さ曲線は640×n点の高さデータで
構成されるが、各点の値を、隣接する片側60点(両側12
0点)の値の加重平均を差し引くことにより平均化する
スムージング手法を用いることが望ましい。重み付けの
方式は、中央で1、60番目の端点で0とし、その間をリニ
アに変化させる三角形方式とする。このように片側60点
(両側120点)の値の加重平均を差し引くフィルター処
理を、ここでは「W60処理」と呼ぶ。W60処理の場合、
640×n点の全高さデータのうち両端各60点はフィルタ
ー処理から外れることになるので、各パラメータの算出
は両端各60点を除いた部分のデータを用いて行われる。
【0036】以上説明した表面指数SFは、個々の粒子
についての表面性状を特定する指標であり、SF値が1
以下である銅粉粒子は粘性の低い導電ペーストを構成す
る上で極めて望ましいものである。次に、粒子の集合で
ある「粉末」としての適性を評価する平均表面指数SF
mについて説明する。
【0037】前述のように平均表面指数SFmは、粉末
を構成する個々の粒子についての上記表面指数SFの平
均値を意味する。平均表面指数SFmが1以下である銅
粉は、樹脂に混練して導電ペーストとしたとき、低粘性
の優れた特性をもたらす。つまり、粒子の集合である粉
末として見たとき、表面指数SFが1を超えるような粒
子が含まれていたとしても、平均表面指数SFmが1以
下である粉末は導電ペースト用銅粉として高い性能を呈
するのである。
【0038】また、同じ方法で製造された粒子からなる
銅粉であれば、平均表面指数SFmを求める上で、必ず
しも多数の粒子について表面指数SFを求める必要はな
く、少数の粒子について求めたSF値を平均することで
十分精度良く銅粉の適性を判断できる。同じ方法で製造
された粒子は表面凹凸形態の特徴が共通しているため、
統計的に少数の粒子の表面指数SFによって粉末全体の
平均的表面指数を精度良く推定することができるのであ
る。発明者らの詳細な検討の結果、同じ方法で製造され
た粒子からなる銅粉の場合、粉末粒子の中から任意に選
んだ6個の粒子についてのSF値を求め、その6点のS
F値のうち最大値と最小値を除いた4点を算術平均した
ものを平均表面指数SFmとすることによって、導電ペ
ーストに非常に適した銅粉と適さない銅粉を十分な有意
差をもって判別することが可能であった。またこの手法
は実際の操業現場においてサンプリングした銅粉を容易
に評価することができるため、品質管理上、非常に有効
な手法であると言える。
【0039】SFm値が1以下である銅粉は、そのまま
樹脂に混練して導電ペーストとしても良いし、また、S
Fm値が1以下の銅粉と他の種類の銅粉を混合したの
ち、これを樹脂に混練して導電ペーストとしても良い。
他の種類の銅粉として、例えば、平均粒径のより小さい
銅粉が挙げられる。SFm値1以下の銅粉に平均粒径が
より小さい銅粉を混ぜると、各粒子の空隙が埋められる
ことにより導電ペーストの導電性が向上し、好ましい。
また、特段の処理を施していないSFm値が1を超える
安価な銅粉を混合することにより、SFm値1以下の銅
粉使用量が減り、コスト低減を図ることも可能である。
しかし、いずれにしても、樹脂と混練される銅粉は、導
電ペーストの粘性を十分低く維持できるような性質の銅
粉でなくてはならない。そのような銅粉として本発明で
は、ダイマー酸をグリシジルエステル化したエポキシ当
量が446g/eqで且つ25℃粘度が730cpsのエポキシ樹脂8重
量%に、SFm値が1以下である銅粉92重量%、あるい
はSFm値が1以下である銅粉と他の種類の銅粉を混合
した混合銅粉92重量%を混練し、この混練物の粘度をB
型粘度計を用いて10rpmで測定したとき、300Pa・sec以
下の粘度を示すものを規定している。
【0040】
【実施例】〔実施例1〕硫酸銅水溶液と苛性ソーダ水溶
液を、銅1モルに対し苛性ソーダ1.25モルの当量比で混
合し、水酸化銅が析出した懸濁液を得る。この懸濁液に
ブドウ糖液を当量以上添加し、添加後30分間で液の温度
を70℃まで昇温したあと、15分間保持し水酸化銅を亜酸
化銅に一次還元する。ここまでの処理操作は全て窒素雰
囲気下で行う。この液中に空気をバブリングさせて酸化
処理したあと、窒素雰囲気中で2日間静置後に上澄液を
除去して沈殿をほぼ全量採取し、この沈殿物に純水を追
加し、得られた懸濁液に抱水ヒドラジンを当量以上添加
して金属銅にまで二次還元する。反応終了後の懸濁液を
固液分離し、固形分を120℃の窒素雰囲気中で乾燥し、
銅粉ケーキを得る。
【0041】以上の湿式還元法による銅粉の製法におい
て、空気バブリングの酸化処理の時間だけを変えて、
A,BおよびCの3種類の銅粉ケーキを得た。得られた
各ケーキをいずれも二分し、一方は解砕機に装入し、窒
素雰囲気中で解砕処理して銅粉A1,B1およびC1を
得た。他方は、筒型高速攪拌機に装入し、窒素雰囲気中
で流動化処理して銅粉A2,B2およびC2を得た。
【0042】解砕処理に用いた解砕機は、スイングする
ハンマーを内装した衝撃式粉砕機であり、凝集乾燥した
銅粉ケーキを湿式還元法の最終工程で得られた微細粒子
に解砕するが、粒子表面を平滑化する機能は殆んど有し
ない。流動化処理に用いた筒型高速攪拌機は、軸を垂直
にした円筒容器の底部に2枚の回転羽根をもつミキサー
であり、該羽根の回転により遠心力を付与された粉体は
上方向に流動し、この流動の間に粒子同士が衝突を繰り
返すことにより、粒子表面の凹凸が平滑化される。
【0043】銅粉ケーキAを解砕処理した銅粉A1と、
流動化処理した銅粉A2の電子顕微鏡SEM像(aは2000
倍、bは5000倍)を図3,図4に示した。同じく銅粉ケ
ーキBおよびCを解砕処理した銅粉B1およびC1と、
流動化処理した銅粉B2およびC2の電子顕微鏡SEM像
(aは2000倍、bは5000倍)を図5,図6および図7,
図8に示した。また、これらのSEM像から各銅粉の平均
粒径を調査すると共に、BET法による比表面積、かさ密
度およびTAP密度を測定し、それらの結果を表1に示し
た。
【0044】また、各銅粉8重量%をエポキシ樹脂92重
量%に振動型ミキサーで混練し、得られたペーストの粘
度を測定した。エポキシ樹脂としては、ダイマー酸をグ
リシジルエステル化したエポキシ当量が446g/eqで且つ2
5℃粘度が0.730Pa・secのエポキシ樹脂を使用し、混練
条件も各銅粉について一定とし、 各ペーストの粘度は
B型粘度計を用いて回転速度10rpm のもとで25℃で測定
した。その結果も表1に併記した。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から、流動化処理した銅粉A
2,B2およびC2は、流動化処理しない銅粉A1,B
1およびC1に比べて、平均粒径、比表面積、かさ密度
およびTAP密度はそれほど変わらないが、樹脂と混練し
たときのペーストの粘度は著しく低下していることがわ
かる。粒径や比表面積がそれほど変化しないのにペース
トの粘度が低下したのは、図3と図4,図5と図6およ
び図7と図8の比較から明らかなように、流動化処理し
たものは粒子表面の角張りが除去されて滑らかな曲面と
なったからであると見てよい。
【0047】〔実施例2〕図3〜図8に示した6種類の
銅粉(A1,A2,B1,B2,C1,C2)につい
て、それぞれ任意に選んだ6個の粒子の表面指数SFを
求め、6点のSF値のうち最大値および最小値を除いた
4点の値を算術平均することによって平均表面指数SF
mを求めた。
【0048】粒子の表面指数SFを求めるための前記
(1)式右辺の表面粗さパラメータは、走査型電子顕微鏡
((株)日立製作所製、S-4700)の電子ビーム軸のまわり
に設置された4個の反射電子検出器によって検出された
反射電子情報に基づいて試料の表面凹凸状態を三次元的
に測定する、三次元形状解析装置((株)日立製作所製、
RD-500W)を用いて求めた。その際、粒子の顕微鏡観察
像の中に、該粒子の輪郭をはみ出さないように粒子投影
面積の約35〜45%の投影面積を有する矩形領域を設定
し、その矩形領域中に20本の平行な測定直線を両端の2
本が矩形領域長辺境界に一致するように等間隔に設定
し、各測定直線に沿って粒子表面の粗さ曲線を20本測定
し、これら20本の粗さ曲線をつなぎ合わせて連続曲線と
したものを新たに粒子表面の粗さ曲線とし、この新たな
粗さ曲線に基づいて、表面粗さパラメータを算出した。
上記の新たな粗さ曲線を定める際には、前述のW60処理
によりスムージングした。矩形領域を設定してから表面
粗さパラメータを算出するまでの上記一連の処理は、予
めプログラミングされたソフトウエアを用いてコンピュ
ータにより自動的に行った。
【0049】測定条件は、使用した走査型電子顕微鏡お
よび三次元形状解析装置において、以下のように設定し
た。 測定モード: Analysis Raster Rotation: −40deg 加速電圧: 3kV Emission Current: 20μA W.D.: 12mm 対物絞り: 2 Cond Lens 1: 5 GW Pre-amp: 1st stage;Normal,2nd stage;Norm
al 試料コーティング: ターゲット;PtPa,15mA×300〜4
00sec 測定倍率: ×30000 プロファイルライン数: 20本 smooth width: W60
【0050】図9および図10には、例として、それぞ
れ銅粉A1(比較例)および銅粉A2(発明例)の1つ
の粒子について、ある測定直線に沿って測定された1本
の断面曲線を示してある。図の横軸は測定直線上の距
離、縦軸は表面(断面に現れる輪郭)の高さを表してい
る。前述のように、このような断面曲線から所定の波長
より長い表面うねり成分を位相補償形高域フィルタで除
去することによって、粒子表面の粗さ曲線に変換するの
である。図11および図12には、それぞれ銅粉A1お
よび銅粉A2の上記粒子について、設定された矩形領域
中で測定された20本の粗さ曲線の例を示してある。図の
横軸方向が測定直線の方向に一致している。これら20本
の粗さ曲線はコンピュータの内部処理においてつなぎ合
わされ、表面粗さパラメータの算出に供される。
【0051】表2および表3には、例として、それぞれ
銅粉A1(比較例)および銅粉A2(発明例)の各6個
の粒子について、算出された表面粗さパラメータの値を
示してある。各粒子ごとに6種類の表面粗さパラメータ
の値を前記(1)式に代入することによって表面指数SF
を求め、次に、6粒子のSF値のうち最大値と最小値を
除いた4点の平均値を算出し、これを銅粉の平均表面指
数SFmとした。表4には、各試料について、このよう
にして求めた平均表面指数SFmと、表1に示したペー
ストの粘度を記載した。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】表4からわかるように、平均表面指数SF
mが1以下である発明例の銅粉A2,B2,C2を用いた
導電ペーストは、いずれも300Pa・sec以下の十分に低い
粘度を呈しており、優れた性能を有するものであった。
これに対し、平均表面指数SFmが高い比較例の銅粉A
1,B1,C1を用いた導電ペーストでは、十分低い粘
度を得ることができず、性能は劣っていた。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
高い充填率で樹脂に混練しても粘度の低いペーストにす
ることができる銅粉を湿式還元法で製造することがで
き、その結果、高品質の銅ペーストを安定して得ること
ができる。また、粘度の低いペーストを得るのに適した
銅粉粒子の形態を、粒子の表面形状の点から定量的に特
定することが可能になった。同時に、粒子の集合である
「銅粉」としての適性も定量的に把握することができ
た。このため、従来、ある銅粉が導電ペーストに適する
ものであるかどうかは、基本的にできあがったペースト
の特性を調査するまで判らなかったものが、樹脂に混練
する前の原料段階の銅粉において、その適性を判定する
ことが可能となった。したがって、本発明は、銅粉およ
び導電ペーストの品質管理を容易にし、高品質の導電ペ
ーストの普及に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉末粒子の顕微鏡観察像の中に設ける矩形領域
と測定直線の例を示す模式図。
【図2】断面曲線と粗さ曲線の関係を概念的に示したJI
S B 0601(1994)の図1(a)の抜粋である。
【図3】銅粉ケーキAを解砕処理して得た銅粉A1の電
子顕微鏡SEM像であり、図3の(a)は2000倍、(b)は5000
倍のものである。
【図4】銅粉ケーキAを流動化処理して得た銅粉A2の
電子顕微鏡SEM像であり、図4の(a)は2000倍、(b)は500
0倍のものである。
【図5】銅粉ケーキBを解砕処理して得た銅粉B1の電
子顕微鏡SEM像であり、図5の(a)は2000倍、(b)は5000
倍のものである。
【図6】銅粉ケーキBを流動化処理して得た銅粉B2の
電子顕微鏡SEM像であり、図6の(a)は2000倍、(b)は500
0倍のものである。
【図7】銅粉ケーキCを解砕処理して得た銅粉C1の電
子顕微鏡SEM像であり、図7の(a)は2000倍、(b)は5000
倍のものである。
【図8】銅粉ケーキCを流動化処理して得た銅粉C2の
電子顕微鏡SEM像であり、図8の(a)は2000倍、(b)は500
0倍のものである。
【図9】銅粉A1(比較例)の1つの粒子について、あ
る測定直線に沿って測定された1本の断面曲線を示す図
である。
【図10】銅粉A2(発明例)の1つの粒子について、
ある測定直線に沿って測定された1本の断面曲線を示す
図である。
【図11】銅粉A1(比較例)の1つの粒子について、
設定された矩形領域中で測定された20本の粗さ曲線を示
す図である。
【図12】銅粉A2(発明例)の1つの粒子について、
設定された矩形領域中で測定された20本の粗さ曲線を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22F 1/02 B22F 1/02 D 9/04 9/04 Z 9/24 9/24 B H01B 1/22 H01B 1/22 A (72)発明者 三好 宏昌 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 高田 賢臣 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4K017 AA02 BA05 CA09 DA01 EA13 EJ01 4K018 AA03 BA02 BB10 BC08 BC28 BC29 KA33 5G301 DA06 DD01 DE03 5G307 AA08

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式還元法で製造された銅粉に、粒子同
    士を機械的に衝突させる表面平滑化処理が施された導電
    ペースト用銅粉。
  2. 【請求項2】 平均粒径が0.1〜10μmである請求項1に
    記載の導電ペースト用銅粉。
  3. 【請求項3】 湿式還元法は、水酸化銅を水に懸濁させ
    た懸濁液に還元剤を添加して亜酸化銅に一次還元し、こ
    の亜酸化銅を水に懸濁させた懸濁液に還元剤を添加して
    金属銅に二次還元する方法である請求項1または2に記
    載の導電ペースト用銅粉。
  4. 【請求項4】 一次還元処理と二次還元処理の間に酸化
    処理を有する請求項3に記載の導電ペースト用銅粉。
  5. 【請求項5】 湿式還元法で製造された銅粉に、無機物
    または有機物を被覆したうえ、粒子同士を機械的に衝突
    させる表面平滑化処理を施した導電ペースト用銅粉。
  6. 【請求項6】 ダイマー酸をグリシジルエステル化した
    エポキシ当量が446g/eqで且つ25℃粘度が0.73Pa・secの
    エポキシ樹脂8重量%に、対象銅粉92重量%を混練し、
    この混練物の粘度をB型粘度計を用いて10rpmで測定し
    たとき、300Pa・sec以下の粘度を示す導電ペースト用銅
    粉。
  7. 【請求項7】 下記(1)式で定義される表面指数SFが
    1以下である導電ペースト用銅粉粒子。 SF=(Rlr−100)×da×Rms×Ra×Ry×Rz×108 ・・・(1) ここで、(1)式右辺の各変数は以下に定義される表面粗
    さパラメータであり、粒子表面の粗さ曲線から求まるも
    のである。粗さ曲線はJIS B 0660(1998)の番号1018に規
    定されている。 Rlr:JIS B 0660(1998)の番号3008に規定される「粗
    さ曲線の展開長さ率lr」の値に100を乗じて%表示した
    値 da:JIS B 0660(1998)の番号4003に規定される「粗
    さ曲線の算術平均傾斜Δa」の値 Rms:JIS B 0660(1998)の番号2011に規定される「粗
    さ曲線の二乗平均平方根粗さRq」の値 Ra:JIS B 0660(1998)の番号2010に規定される「粗
    さ曲線の算術平均粗さRa」の値 Ry:JIS B 0660(1998)の番号2006に規定される「粗
    さ曲線の最大高さRy」の値 Rz:JIS B 0660(1998)の番号2007に規定される「粗
    さ曲線の十点平均粗さRz」の値
  8. 【請求項8】 粒子の顕微鏡観察像の中に、該粒子の輪
    郭をはみ出さないように粒子投影面積の25%以上の投影
    面積を有する矩形領域を設定し、その矩形領域中に5本
    以上の平行な測定直線を両端の2本が矩形領域長辺境界
    に一致するように等間隔にn本設定し、各測定直線に沿
    って粒子表面の粗さ曲線をn本測定し、これらn本の粗
    さ曲線をつなぎ合わせて連続曲線としたものを新たに粒
    子表面の粗さ曲線とし、この新たな粗さ曲線に基づいて
    SF値を求めたとき、SF値が1以下である請求項7に
    記載の導電ペースト用銅粉粒子。
  9. 【請求項9】 粒子表面の粗さ曲線は、走査型電子顕微
    鏡(SEM)の電子ビーム軸のまわりに設置された複数の
    反射電子検出器によって検出された反射電子情報に基づ
    いて粒子表面の凹凸状態を三次元的に測定することによ
    って求めたものである、請求項7または8に記載の粒
    子。
  10. 【請求項10】 粉末を構成する個々の粒子の下記(1)
    式で定義される表面指数SFの平均値SFmが1以下で
    ある導電ペースト用銅粉。 SF=(Rlr−100)×da×Rms×Ra×Ry×Rz×108 ・・・(1) ここで、(1)式右辺の各変数は以下に定義される表面粗
    さパラメータであり、粒子表面の粗さ曲線から求まるも
    のである。粗さ曲線はJIS B 0660(1998)の番号1018に規
    定されている。 Rlr:JIS B 0660(1998)の番号3008に規定される「粗
    さ曲線の展開長さ率lr」の値に100を乗じて%表示した
    値 da:JIS B 0660(1998)の番号4003に規定される「粗
    さ曲線の算術平均傾斜Δa」の値 Rms:JIS B 0660(1998)の番号2011に規定される「粗
    さ曲線の二乗平均平方根粗さRq」の値 Ra:JIS B 0660(1998)の番号2010に規定される「粗
    さ曲線の算術平均粗さRa」の値 Ry:JIS B 0660(1998)の番号2006に規定される「粗
    さ曲線の最大高さRy」の値 Rz:JIS B 0660(1998)の番号2007に規定される「粗
    さ曲線の十点平均粗さRz」の値
  11. 【請求項11】 粒子の顕微鏡観察像の中に、該粒子の
    輪郭をはみ出さないように粒子投影面積の25%以上の投
    影面積を有する矩形領域を設定し、その矩形領域中に5
    本以上の平行な測定直線を両端の2本が矩形領域長辺境
    界に一致するように等間隔にn本設定し、各測定直線に
    沿って粒子表面の粗さ曲線をn本測定し、これらn本の
    粗さ曲線をつなぎ合わせて連続曲線としたものを新たに
    粒子表面の粗さ曲線とし、この新たな粗さ曲線に基づい
    て求めたSF値の平均値SFmが1以下である、請求項
    10に記載の導電ペースト用銅粉。
  12. 【請求項12】 粒子表面の粗さ曲線は、走査型電子顕
    微鏡(SEM)の電子ビーム軸のまわりに設置された複数
    の反射電子検出器によって検出された反射電子情報に基
    づいて粒子表面の凹凸状態を三次元的に測定することに
    よって求めたものである、請求項10または11に記載
    の導電ペースト用銅粉。
  13. 【請求項13】 SFm値は、同じ方法で製造された粉
    末粒子の中から任意に選んだ6個の粒子についてのSF
    値のうち、最大値と最小値を除いた4点を算術平均する
    ことによって定めたものである、請求項10〜12に記
    載の導電ペースト用銅粉。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13に記載の銅粉であっ
    て、ダイマー酸をグリシジルエステル化したエポキシ当
    量が446g/eqで且つ25℃粘度が730cpsのエポキシ樹脂8重
    量%に、上記銅粉92重量%を混練し、この混練物の粘度
    をB型粘度計を用いて10rpmで測定したとき、300Pa・se
    c以下の粘度を示す導電ペースト用銅粉。
  15. 【請求項15】 請求項10〜13に記載の銅粉と他の
    種類の銅粉を混合した混合銅粉であって、ダイマー酸を
    グリシジルエステル化したエポキシ当量が446g/eqで且
    つ25℃粘度が730cpsのエポキシ樹脂8重量%に、上記混
    合銅粉92重量%を混練し、この混練物の粘度をB型粘度
    計を用いて10rpmで測定したとき、300Pa・sec以下の粘
    度を示す導電ペースト用混合銅粉。
  16. 【請求項16】 請求項10〜15に記載の銅粉に樹脂
    を混練した導電ペースト。
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