JP2002221785A - 平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版用原版

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JP2002221785A
JP2002221785A JP2001018889A JP2001018889A JP2002221785A JP 2002221785 A JP2002221785 A JP 2002221785A JP 2001018889 A JP2001018889 A JP 2001018889A JP 2001018889 A JP2001018889 A JP 2001018889A JP 2002221785 A JP2002221785 A JP 2002221785A
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Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
Koichi Kawamura
浩一 川村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性層の膜強度が低下することなく、高い
親水性を有し、特に印刷汚れ性が改善され、厳しい印刷
条件においても、汚れが生じない印刷物が得られる、ボ
ジ型またはネガ型の平版印刷版用基板を提供する。 【解決手段】 支持体上に、親水性ポリマーが化学的に
表面に結合した固体粒子を含有する親水性層を有するこ
とを特徴とする平版印刷版用基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な親水性層を有
する平版印刷版用基板に関し、特に、平版印刷版用原版
として用いたときに、膜強度が低下することなく、高い
親水性を有することができる平版印刷版用基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、平版印刷版に用いる親水性基板又
は親水性層としては、陽極酸化されたアルミ基板、若し
くはさらに親水性を上げるためにこの陽極酸化されたア
ルミ基板をシリケート、ポリビニルホスホン酸(特開平
7−1853号)、ポリビニル安息香酸などの下塗り剤
で処理された基板又は親水性層が用いられてきた。これ
らアルミ支持体を用いた親水化基板若しくは親水性層に
関する研究が盛んに行われている。また、特開昭59−
101651号には、感光層の下塗り層としてスルホン
酸基を有するポリマーを使用する技術が記載されてい
る。
【0003】一方、アルミニウムの様な金属支持体を用
いずPET(ポリエチレンフタレート)、セルロースア
セテートなどのフレキシブルな支持体を用いたときの親
水性層に関しては、特開平8−292558号に記載の
親水性ポリマーと疎水性ポリマーとからなる膨潤親水
層、EP0709228号に記載のマイクロポーラスな
親水性架橋シリケート表面を有するPET支持体、特開
平8−272087号、及び特開平8−507727号
に記載の親水性ポリマーを含有し加水分解されたテトラ
アルキルオルソシリケートで硬化された親水性層、等の
技術が知られている。
【0004】これらの親水性層を設けることによって、
印刷開始時に汚れの生じ難い良好な印刷物が得られる平
版印刷版を与えたが、より実用的な観点からさらなる親
水性層の親水性がより高く、より厳しい印刷条件におい
ても、親水性層が支持体から剥離しなく、汚れの生じな
い印刷物が得られる平版印刷版用原版が望まれていた。
すなわち、従来から親水性層の親水性を上げるためには
親水層中の保水量を高めれば良いことが分かっている。
しかし、従来の親水性層では保水量を高めようとする
と、膜の膨潤性が大きくなり膜の構造が弱くなり膜強度
が低下する、もしくは支持体と親水性層との密着性が悪
くなることが問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、前記従来における諸問題を解決することであり、す
なわち、親水性層の膜強度が低下することなく、高い親
水性を有し、特に印刷汚れ性が改善され、厳しい印刷条
件においても、汚れが生じない印刷物が得られる、ボジ
型またはネガ型の平版印刷版用基板を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、親水性ポリマーで表
面修飾された固体粒子を含有する親水性層を支持体上に
設けることにより、膜強度の低下することなく高い親水
性を有する平版印刷版用基板が得られることを見出し、
本発明を完成するに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)支持体上に、親水性ポリマーが化学的に表面に結
合した固体粒子を含有する親水性層を有することを特徴
とする平版印刷版用基板。 (2)支持体と親水性層との間に下塗り層を有すること
を特徴とする上記(1)記載の平版印刷版用基板。
【0008】本発明者らは上記のように非常に高い親水
性を発現する技術として、支持体上に、親水性ポリマー
が化学的に表面結合した固体粒子を含有する親水性層を
設けることにより、上記問題を解決した。すなわち、支
持体上に固体粒子が密に分散し、凹凸表面を形成すると
同時に、粒子表面には親水性ポリマーが修飾されている
ので、水が入り込みやすく、保水量が飛躍的に向上し、
優れた親水性が得られる。また、これらの親水性層中の
親水性ポリマーは架橋されていないので、水で膨潤しに
くく、膜強度が低下することなく、優れた親水性を有す
ることができる。このようにして、従来の技術ではトレ
ードオフの関係にあった保水性と密着性の関係を解決す
ることにより本発明の効果が発揮されたものと考えられ
る。
【0009】この基板上に、感光性または感熱性の画像
形成層を設けることができる。この画像形成層は、ポジ
作用感応性組成物またはネガ作用感応性組成物を含有す
る。
【0010】また、本発明の平版印刷版用基板は、上記
支持体と親水性層との間に下塗り層を設けることが好ま
しい。これにより、支持体と親水性層との密着性を向上
することができる。さらに本発明の平版印刷版用基板は
支持体表面(固体表面)が粗面化されていることが好ま
しい。固体表面に凹凸を付与することにより、非画像部
領域の親水性が高く、疎水性/親水性のディスクリミネ
ーションの程度が増強され、印刷時の汚れ性が更に向上
する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。
【0012】〔平版印刷版用基板〕まず、本発明の平版
印刷版用基板の特徴である、支持体上に設けられる親水
性層について説明する。本発明の親水層は、親水性ポリ
マーが化学的に表面に結合した固体粒子を含有する。本
明細書では、固体粒子の表面に親水性ポリマーが化学的
に結合することを、表面修飾とも言う。
【0013】親水性ポリマーが結合する固体粒子として
は、無機粒子が好ましく、例えば酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、酸化鉄、ジルコニアなどの金属酸化物;無水ケイ
酸、含水ケイ酸カルシウム及び含水ケイ酸アルミニウム
などの、それ自体は可視域に吸収を持たないケイ素含有
酸化物(ホワイトカーボンとも呼ばれる);クレー、タ
ルク、カオリン、ふっ石などの粘土鉱物粒子等が使用で
きる。無機粒子の平均粒径は10μm以下であることが
好ましく、より好ましくは5nm〜5μm、更に好まし
くは10nm〜5μmである。この範囲内において、以
下に述べる光架橋性粒子の製造段階において、安定に製
造することが可能であるとともに、支持体との良好な接
着性が保て、また、表面付近の粒子も良好に保持され
る。
【0014】親水性と膜強度、更に親水性ポリマーによ
る表面修飾の容易性の観点から、上記無機粒子のうち特
にケイ素含有酸化物が好ましい。具体的には、日産化学
工業(株)製スノーテックスZL(粒径70〜100n
mシリカ40%コロイド水溶液)、富士シリシア化学
(株)製サイリシア350(粒径3.5μm)、日本ア
エロジル(株)製AEROSIL130(粒径160n
mシリカ)、日本アエロジル(株)製AEROSIL2
00(粒径16nmシリカ)、水澤化学工業(株)製ミ
ズカシルP−527U(粒径60nmシリカ)等が挙げ
られる。
【0015】本発明では、上記固体粒子表面に、親水性
ポリマーが化学的に結合している。用いる親水性ポリマ
ー及び固体粒子との結合状態は特に限定されない。下記
(イ)で示すような形態が一般的であるが、本発明で
は、下記(ロ)で示すような親水性ポリマー鎖の末端が
固体粒子表面に直接的に化学結合したグラフト型形態が
好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】グラフト型形態(ロ)の場合には、親水性
ポリマーはグラフト的に固体粒子表面に結合しており、
水を大きく吸収し保水性を高めることができ、この結
果、高い親水性を示す。更に、親水性ポリマーを表面修
飾するに際して固体粒子上に存在する反応性基Y(例え
ばOH基)が、粒子表面に残存するので、架橋剤を添加
して固体粒子同士を相互に架橋させることができ、これ
により、親水性層は、優れた高い膜強度を維持したまま
高い親水性を示すことができる。
【0018】用いることができる親水性ポリマーは、特
に限定されない。親水性ポリマーが有する親水性官能基
としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸
基、ホスホン酸基、アミノ基、及びその塩、アミド基、
水酸基、エーテル基、ポリオキシエチレン基などを挙げ
ることができる。
【0019】親水性ポリマーによる表面修飾は、従来か
ら公知の方法を適宜応用することによって製造すること
ができる。例えば、ポリマー主鎖末端にシランカップリ
ング基を有する親水牲ポリマーを用いてゾルゲル反応に
よりシリカ粒子表面に親水性ポリマーを容易に導入する
ことができる。ポリマー主鎖末端にシランカップリング
基を有する親水性ポリマーとしては、下記一般式(I)
で表されるポリマーが挙げられる。
【0020】
【化2】
【0021】式(I)中、R1、R2、R3及びR4はそれ
ぞれ水素原子または炭素数8以下の炭化水素基を表し、
kは0、1又は2を表し、nは1〜8の整数を表す。Y
は−NHCOCH3、−CONH2、−CON(C
3)2、−COCH3、−OCH3、−OH、−CO2M又
は−CONHC(CH3)2SO3Mを表し、Mは水素原
子、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びオニウムから
なる群から選択されるいずれかを表す。具体例としては
以下の親水性ポリマーを挙げることができる。
【0022】
【化3】
【0023】親水性ポリマーにより表面修飾する他の方
法としては、シリカ表面を重合開始能を有するシランカ
ップリング剤で処理し、その後、親水性モノマーをグラ
フト重合反応させる方法が挙げられ、これにより親水性
ポリマーにより修飾された表面修飾粒子を得ることがで
きる。
【0024】用いることができる親水性モノマーとして
は、以下のモノマーを挙げることができる。例えば、
(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩及びア
ミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)
アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルア
ミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、
3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩及
びアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金
属塩及びアミン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリ
レート、3−スルホプロピレン(メタ)アクリレートも
しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ポリオキシエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはそ
のアルカリ金属塩及びアミン塩、アシッドホスホオキシ
ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩等
の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基
もしくはそれらの塩、2−トリメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートもしくはそのハロゲン化水素酸塩等
の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基
もしくはそれらの塩、等を使用することができる。
【0025】上記の表面修飾する方法について、具体的
には、鈴木昇、湯沢信子、遠藤敦、宇津木弘「色材」5
7, 429(1984)、吉岡博、池野正行「表面」21、33(198
3)、字津木弘「表面」16, 525,(1978)、K. Tanaka, et
al., Bull.Chem. Soc. Jpn., 53, 1242 (1980)、M.L. H
air, W. Hertl. J. Phys. Chem. 77、1965 (1973)、Ya.
Davydov et Al., Chromatographia, 14, 13 (1981)、K.
Unger et al., ColloidPolym. Sci, 252, 317 (1974)、
R. Burwell, O. Lea1, J.Chem. Soc. Chem. Commun., 3
42 (1974)、W. Stoeber, Kolloid-Z 149, 39(1956)、K.
Yoshinaga, et.al., Polym. Adv. Technol, 3,91(199
2)、N. Tsubokawa, et al., Polym. J. 21、475(198
9)、Franz.Pat.1368765DAS 1163784等の総説及びそれに
引例の文献、特許等の記載の方法に従って合成すること
ができる。
【0026】また、用いることができる架橋剤として
は、下記一般式(II)で表される加水分解重合性化合物
を挙げることができる。
【0027】
【化4】
【0028】式(II)中、R5およびR6は同一であって
も異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基を表
し、XはSi、Al、TiまたはZrを表し、mは0〜
2の整数を表す。R5またはR6がアルキル基を表す場合
の炭素数は好ましくは1から4である。またアルキル基
またはアリール基は置換基を有してもよい。尚、この化
合物は低分子化合物であり、分子量1000以下である
ことが好ましい。
【0029】加水分解重合性化合物中にアルミニウムを
含むものとしては、例えば、トリメトキシアルミネー
ト、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシアルミ
ネート、テトラエトキシアルミネート等を挙げることが
できる。チタンを含むものとしては、例えば、トリメト
キシチタネート、テトラメトキシチタネート、トリエト
キシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプ
ロポキシチタネート、クロロトリメトキシチタネート、
クロロトリエトキシチタネート、エチルトリメトキシチ
タネート、メチルトリエトキシチタネート、エチルトリ
エトキシチタネート、ジエチルジエトキシチタネート、
フェニルトリメトキシチタネート、フェニルトリエトキ
シチタネート等を挙げることができる。ジルコニウムを
含むものとしては、例えば、前記チタンを含むものに対
応するジルコネートを挙げることができる。
【0030】加水分解重合性化合物中にケイ素を含むも
のとしては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキ
シシラン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポ
キシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン等を挙げることができる。これらの内
特に好ましいものとしては、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、シフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシラン等を挙げることができる。
【0031】本発明の表面修飾粒子と一般式(II)で表
される化合物は、一種のみ使用しても2種以上を併用し
てもよい。また、一般式(II)の化合物は、部分的に加
水分解後、脱水縮合していてもよい。基板に塗布する前
の画像形成材料の溶液の状態における保存安定性を高め
るために、一般式(II)で表される加水分解重合性有機
金属化合物が部分加水分解重合した無機重合体の活性金
属水酸基、例えば、シラノール基(Si−OH)を保護
することが有効である。シラノール基の保護は、t−ブ
タノール、i−プロピルアルコール等の高級アルコール
でシラノール基をエーテル化(Si−OR)することに
より達成することができる(ここでRは、単に何らかの
基であることを意味し、特定の基を表すものではな
い)。具体的には、シリカ微粒子が分散した無機相に前
記高級アルコールを添加することにより実施することが
できる。このとき無機相の性質により、例えば、無機相
を加熱して脱離した水を留去する等の手段により無機相
を脱水することにより保存安定性をさらに向上させるこ
とができる。該加水分解重合の触媒となりうる酸、また
は塩基、例えば塩酸、アンモニア等が無機相中に存在す
る場合には、これらの濃度を下げることも一般的に有効
である。これらは、無機相を酸、または塩基により中和
することにより容易に実施することかできる。
【0032】本発明において、表面修飾粒子が一般式
(II)で表される架橋剤によって架橋された表面修飾粒
子と架橋剤の複合体は平版印刷版用基板の親水層全固形
分に対し2〜90重量%、好ましくは5〜80重量%、
特に好ましくは10〜50重量%の量で親水層中に含有
させる。粒子の含有量が2重量%を下回ると保水性が不
十分となり、地汚れが生じやすくなる。50重量%を上
回ると親水層の強度が低下して耐刷性が低下し、また、
支持体と親水層との接着性が低下する。
【0033】〔表面修飾粒子−架橋剤複合体形成法〕本
発明における表面修飾粒子−架橋剤からなる有機無機複
合体は、加水分解重合して調製され、その方法は公知の
いかなる方法でもよく、例えば、「ゾル−ゲル法の科
学」(アグネ承風社)記載の方法を用いることができ
る。好ましい例として、本発明の表面修飾粒子と架橋剤
(例えば一般式(II)の化合物)が分散されたアルコー
ル溶液、好ましくはメタノールまたはエタノール溶液に
触媒として酸(リン酸、塩酸、硫酸、酢酸)特に好まし
くはリン酸、塩酸、または、アルカリ(アンモニア水)
を添加して、出発溶液を調製する。次に、0〜100°
C、好ましくは10〜80°Cで還流下で5分〜6時間
特に好ましくは10分〜2時間攪拌し、加水分解重合さ
せて表面修飾粒子−架橋剤からなる有機無機複合体を形
成させることができる。
【0034】本発明の親水層は、通常上記各成分を溶媒
に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより製造
することができる。ここで使用する溶媒としては特に限
定されるものではなく、例えば、エチレンジクロライ
ド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、
2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プ
ロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳
酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−
ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができ
る。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。
溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、
好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に
得られる支持体上の塗布量(固形分)は、一般的に0.
5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法として
は、種々の方法を用いることができるが、例えば、バー
コーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、
ロール塗布等を挙げることができる。
【0035】本発明の親水性層の膜厚は、好ましくは
0.001g/m2〜10g/m2、より好ましくは0.01g/
m2〜5g/ m2である。この範囲内において、本発明の親
水性の効果が良好に発揮し得るとともに、支持体との密
着性も良好であり、十分な耐刷性が得られる。
【0036】本発明に使用される支持体としては、特に
制限はないが、寸度的に安定な板状物であり、例えば、
紙、プラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)
がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラ
ミネート若しくは蒸着された、紙若しくはプラスチック
フィルム等が挙げられる。本発明の支持体としては、ポ
リエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、そ
の中でも、前記支持体表面を兼ねることができるポリエ
ステルフィルムが特に好ましい。
【0037】本発明に使用される好適なアルミニウム板
は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、
微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムが
ラミネート若しくは蒸着されたプラスチックフィルムで
もよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ
素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、
ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元
素の含有量は高々10重量%以下である。本発明におい
て特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムである
が、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難
であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。こ
のように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組
成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材
のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発
明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1m
m〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4
mm、特に好ましくは0.2mm〜0.8mmである。
【0038】本発明では、前記のように支持体表面が粗
面化されていることが好ましい。本発明で用いられる支
持体表面(固体表面)の凹凸について説明する。
【0039】(表面凹凸の規定)2次元粗さパラメータ
の中心線平均粗さRaが0.1〜1μm、最大高さRy
が1〜10μm、十点平均粗さRzが1〜10μm、凹
凸の平均間隔Smが5〜80μm、局部山頂の平均間隔
Sが5〜80μm、最大高さRtが1〜10μm、中心
線山高さRpが1〜10μm、中心線谷深さRvが1〜1
0μmである。上記2次元粗さパラメータは以下の定義
に基づくものである。
【0040】〔中心線平均粗さRa〕粗さ曲線から中心
線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り
の中心線と粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した
値。 〔最大高さRY〕粗さ曲線からその平均線の方向に基準
長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線
の間隔を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。
【0041】〔十点平均粗さ〕粗さ曲線からその平均値
の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平
均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5
番目までの山頂の標高(YP)の絶対値の平均値と、最
も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対
値の平均値との和をマイクロメートル(μm)で表した
値。
【0042】〔凹凸の平均間隔Sm〕粗さ曲線からその
平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部
分において一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応
する平均線の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平
均値をミリメートル(mm)で表した値。 〔局部山頂の平均間隔S〕粗さ曲線からその平均線の方
向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において
隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、こ
の多数の局部山頂の間隔の算術平均値をミリメートル
(mm)で表した値。
【0043】〔最大高さRt〕粗さ曲線から基準長さだ
け抜き取った部分の中心線に平行な2直線で抜き取り部
分を挟んだときの2直線の間隔の値。 〔中心線高さRP〕粗さ曲線からその中心線方向に測定
長さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平行で
最高の山頂を通る直線との間隔の値。 〔中心線谷深さRV〕粗さ曲線からその中心線方向に測
定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線
に平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。
【0044】(凹凸作成法の種類)固体表面に粗面を設
けるためには、様々な手段を採用することができる。例
えば、固体表面の表面をサンドブラスト加工やブラシ加
工などで機械的にこすり、表面を削って凹部を形成し、
粗面を設けることができる。また、機械的エンボス加工
でも凹凸を設けることができる。さらに、グラビア印刷
などで表面に凸部を形成して粗面を設けてもよい。固体
微粒子(マット剤)を含有する層を、塗布あるいは印刷
のような手段で固体表面の表面に形成して粗面を設けて
もよい。固体微粒子は、高分子フィルムを作成する段階
で高分子フィルム中に含有させ(内添し)、高分子フィ
ルム表面に凹凸を形成することもできる。さらに、溶剤
処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処
理、X線照射処理等を用いて粗面を形成することもでき
る。以上の手段を組み合わせて実施してもよい。サンド
ブラスト加工もしくは樹脂の印刷により粗面を形成する
手段もしくは固体微粒子を添加して凹凸を形成する手段
が、特に好ましく実施できる。
【0045】(固体微粒子法)上記固体微粒子として
は、金属微粒子、金属酸化物微粒子、有機または無機の
高分子または低分子微粒子などの様々な種類の物質を利
用できる。微粒子の具体例としては、銅粉、スズ粉、鉄
粉、酸化亜鉛粉、酸化珪素粉、酸化チタン粉、酸化アル
ミニウム粉、二硫化モリブデン粉、炭酸カルシウム粉、
クレー、マイカ、コーンスターチ、窒化ホウ素、シリコ
ーン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒
子、アクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリ
ロニトリル共重合体樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛および
ベヘン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子の平
均粒子径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1
μm以上であることがさらに好ましい。微粒子をシート
表面に付着させる、あるいは微粒子含有層をシート表面
に設ける場合、微粒子の平均粒子径は粗面の凹凸の大き
さとほぼ対応する。微粒子をシート中に内添する場合、
粗面の凹凸の大きさは微粒子の平均粒子径とシートの厚
さにより決定される。従って、後者の場合は最適な凹凸
の大きさを得るため、シートと微粒子の組み合わせによ
り実験的に最適な粒子径を決定する必要がある。
【0046】支持体表面に固体微粒子を固定して凹凸を
形成する方法の具体例としては、フィルム形成の前に固
体微粒子を添加しフィルムを形成する方法、固体微粒子
をバインダーに分散させた液を塗布乾燥させる方法、フ
ィルム形成後に微小粒子を機械的圧力でフィルム中に押
し込む方法、フィルム形成後に固体微粒子を電着する方
法等が挙げられる。フィルム形成の前に固体微粒子を添
加しフィルムを形成する方法の具体的な方法としては次
のような例を挙げることができる。固体微粒子として顔
料を配合したPETマスターバッチを溶融押出し後、冷
却ドラム上に成膜し、次いで縦方向・横方向の順に延伸
し、最後に熱処理することにより、凹凸のあるPETフ
ィルムが得られる。顔料には酸化チタン、アルミナ、シ
リカのうち、1種または2種以上を配合したものを用い
ることができる。フィルムの中心線平均表面粗さは配合
する顔料の粒径と配合量で調整できる。例えば、顔料の
粒径が1〜10μm程度のものを0.5〜5重量%程度
配合することにより調整でき、顔料の粒径が大きい程、
配合量が多い程中心線平均表面粗さは増大する。目的の
凹凸表面を得るためには、顔料の粒径を決定し、配合量
を調整する必要がある。
【0047】(サンドブラスト法)サンドブラストとは
細かい粒度の研削材を高分子フィルム表面に高速投射す
ることによりフィルム表面に凹凸をつける方法である。
サンドブラスト処理は公知の方法でよく、例えばカーボ
ランダム(炭化珪素粉)、金属粒子等を圧搾空気と共に
フィルム表面に強力に吹き付け、その後水洗乾燥を経て
目的を達成することができる。サンドブラスト処理によ
るフィルムの中心線平均表面粗さの制御は、吹き付ける
粒子の粒径、処理量(面積当たりの処理頻度)により行
うことができ、粒子の粒径が大きくなる程、処理量が多
くなる程、フィルム表面の中心線平均表面粗さは大きく
なる。さらに詳しくは、サンドブラスト処理は、研削材
を圧縮空気でフィルム表面に吹き付けることにより表面
処理を行うものであり、それによって形成される凹凸
は、サンドブラスト処理の条件により調整される。
【0048】処理条件としてはサンドブラスト吹き出し
ノズルから研削材を吹き出してフィルムに吹き付けるの
であるが、研削材の吹き出し量(ブラスト量)、サンド
ブラスト吹き出しノズルとフィルムとの角度及び間隔
(ブラスト角度、ブラスト距離)を調整する必要があ
る。そして、エアチャンバーから送り出す圧縮空気によ
ってホッパー内の研削材をサンドブラスト吹き出しノズ
ルから吹き出させてフィルム表面に吹き付けることによ
り、適正化した処理条件でサンドブラスト処理をするの
である。これらの方法は具体的にはたとえば、特開平8-
34866号公報、特開平11-90827号公報、特開平11-254590
号公報どに公知の方法として記載されている。ここで、
かかるサンドブラスト処理における処理条件は、処理後
に研削材や被研削物がフィルム表面に残らず、また、フ
ィルムの強度が低下しないような条件にする必要がある
が、かかる処理条件は経験的に適宜設定することができ
る。
【0049】具体的には、研削材としてはけい砂その他
の研削材が用いられるが、特には粒径が0.05〜10
mm、更には0.1〜1mmのけい砂を用いることが好まし
い。また、ブラスト距離は100〜300mmとするのが
好ましく、ブラスト角度は45〜90度、更には45〜
60度とするのが好ましい。また、ブラスト量は1〜1
0kg/min とすることが好ましい。サンドブラスト処理
により、ポリイミドフィルム表面に該研削材や被研削物
が残らないようにし、更に研削深さを制御するためであ
る。なお、研削深さは0.01〜0.1μmにとどめる
ことが好ましく、それによりフィルムの強度が低下しな
いようにすることができる。
【0050】本発明では、更に上記支持体と親水性層と
の間に、下塗り層を設けることが好ましい。本発明にお
いて好ましい下塗層は、親水性結合剤及びシリカを含有
する下塗層である。
【0051】下塗層中の親水性結合剤として、通常蛋白
質、好ましくはゼラチンを使用できる。しかしながら、
ゼラチンは一部又は全面的に合成、半合成又は天然重合
体で置換できる。ゼラチンに対する合成代替物には、例
えばポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール、
ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、及びそれらの誘
導体、特にそれらの共重合体がある。ゼラチンに対する
天然代替物には、例えば他の蛋白質例えばゼイン、アル
ブミン及びカゼイン、セルロース、サッカライド、澱粉
及びアルギネートがある。一般にゼラチンに対する半合
成代替物には、変性天然生成物、例えばゼラチンをアル
キル化剤又はアシル化剤で変換することにより、又はゼ
ラチンに重合性単量体をグラフトすることによって得ら
れるゼラチン誘導体、及びセルロース誘導体例えばヒド
ロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、フタロイルセルロース及びセルロースサルフェート
がある。
【0052】前記下塗層中の好ましいシリカは、アニオ
ン系の二酸化ケイ素である。コロイドシリカは好ましく
は少なくとも100m2/gの表面積、更に好ましくは
少なくとも300m2/gの表面積を有する。
【0053】コロイドシリカの表面積は、J. Amer. Che
m. Soc. 60巻(1938年)の309〜312頁にS.
Brunauer , P. H. Emmett 及びE. Teller によって発
表されたBET値法により測定する。
【0054】シリカ分散液は、他の物質例えばアルミニ
ウム塩、安定剤、殺菌剤等も含有できる。
【0055】かかる種類のシリカは、KIESELSOL 100,
KIESELSOL 300 及びKIESELSOL500(KIESELSOL はドイツ
国レファークゼンの Farbenfabriken Bayer AGの登録商
標であり、数字はm2/gでの表面積を表す)の名で市
販されている。
【0056】下塗層中でのシリカに対する親水性結合剤
の重量比は、1未満であるのが好ましい。下限はそれ程
重要ではないが、少なくとも0.2であるのが好まし
い。シリカに対する親水性結合剤の重量比は0.25〜
0.5であるのが更に好ましい。
【0057】前記下塗層の被覆量は、200mg/m2
より大であることが好ましく、また750mg/m2
満であることが好ましい。更に好ましくは250mg/
2〜500mg/m2である。
【0058】前述した下塗層組成物の被覆は、所望によ
って界面活性剤の存在下に、水性コロイド分散液から行
うのが好ましい。
【0059】〔画像形成層の説明〕 (感光性層若しくは感熱性層)本発明において、親水性
層上に設けられる画像形成層(感光性層若しくは感熱性
層)は、ポジ作用感応性組成物又はネガ作用感応性組成
物を含有してなる。
【0060】(ポジ作用感応性組成物)本発明におい
て、ポジ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公
知のポジ作用感応性組成物[(a)〜(b)]を用いる
ことが好適である。
【0061】(a)ナフトキノンジアジドとノボラック
樹脂とを含有してなる従来から用いられているコンベン
ショナルポジ作用感光性組成物。 (b)酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性化合物と
酸発生剤との組み合わせを含有してなる化学増幅型ポジ
作用感光性組成物。
【0062】上記(a)及び(b)は、いずれも当分野
においてはよく知られたものであるが、以下に示すポジ
作用感応性組成物((c)〜(e))と組み合わせて用
いることがさらに好適である。
【0063】(c)特開平10−282672号に記載
の現像処理不要な平版印刷版を作製することが出来る、
スルホン酸エステルポリマーと赤外線吸収剤とを含有し
してなるレーザー感応性ポジ組成物。 (d)EP652483号、特開平6−502260号
に記載の現像処理不要な平版印刷版を作製することが出
来る、カルボン酸エステルポリマーと、酸発生剤若しく
は赤外線吸収剤とを含有してなるレーザー感応性ポジ組
成物。 (e)特開平11−095421号に記載のアルカリ可
溶性化合物、及び熱分解性でありかつ分解しない状態で
はアルカリ可溶性化合物の溶解性を実質的に低下させる
物質を含有してなるレーザー感応性ポジ組成物。 (f)アルカリ現像溶出型ポジ平版印刷版を作製するこ
とができる、赤外線吸収剤、ノボラック樹脂、及び溶解
抑止剤を含有してなるアルカリ現像溶出ポジ型組成物。
【0064】上記(a)〜(f)で示したポジ作用感応
性組成物で用いられる化合物を以下に説明する。「酸発
生剤」ポジ作用感応性組成物において使用される酸発生
剤は、熱若しくは光により酸を発生する化合物であり、
一般的には、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重
合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、マイクロ
レジスト等に使用されている公知の光により酸を発生す
る化合物及びそれらの混合物等を挙げることができ、こ
れらを適宜選択して使用することができる。
【0065】例えば、S.I.Schlesinger, Photogr. Sci.
Eng., 18,387(1974) 、T.S.Bal etal., Polymer, 21,4
23(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,
069,055号、同4,069,056号、特開平3
−140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Ne
cker et al., Macromolecules, 17,2468(1984)、C.S.We
n et al., Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478,
Tokyo, Oct(1988) 、米国特許第4,069,055
号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム
塩、J.V.Crivello et al.,Macromolecules, 10(6),1307
(1977) 、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1988) 、
欧州特許第104,143号、米国特許第339,04
9号、同第410,201号、特開平2−150,84
8号、特開平2−296,514号等に記載のヨードニ
ウム塩、J.V.Crivello et al., Polymer J. 17, 73(198
5)、J.V.Crivello et al., J.Org. Chem., 43,3055(197
8)、W.R.Watt et al., J.Polymer Sci., Polymer Chem.
Ed., 22, 1789(1984)、J.V.Crivello et al., Polymer
Bull., 14,279(1985)、J.V.Crivelloet al., Macromol
ecules, 14(5), 1141(1981)、J.V.Crivello et al., J.
Polymer Sci., PolymerChem. Ed., 17,2877(1979) 、欧
州特許第370,693号、米国特許第3,902,1
14号、欧州特許第233,567号、同297,44
3号、同297,442号、米国特許第4,933,3
77号、同410,201号、同339,049号、同
4,760,013号、同4,734,444号、同
2,833,827号、独国特許第2,904,626
号、同3,604,580号、同3,604,581号
等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al., Mac
romolecules, 10(6), 1307(1977)、J.V.Crivello et a
l., J.Polymer Sci., PolymerChem. Ed., 17,1047(197
9) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al., Teh,P
roc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, Oct(198
8) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、
【0066】米国特許第3,905,815号、特公昭
46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭
55−32070号、特開昭60−239736号、特
開昭61−169835号、特開昭61−169837
号、特開昭62−58241号、特開昭62−2124
01号、特開昭63−70243号、特開昭63−29
8339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et
al., J.Rad. Curing, 13(4),26(1986) 、T.P.Gill et
al., Inorg. Chem., 19,3007(1980)、D.Astruc,Acc. Ch
em. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2−16144
5号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase
et al., J.Polymer Sci., 25,753(1987)、E.Reichman
et al., J.Polymer Sci., Poliymer Chem. Ed., 23,1(1
985) 、Q.Q.Zhu et al., J.Photochem., 36, 85, 39, 3
17(1987) 、B.Amit et al., Tetrahedron Lett., (24)2
205(1973)、D.H.R.Barton et al., J.Chem. Soc., 3571
(1965) 、P.M.Collins et al., J.Chem. Soc., Perkin
I,1695(1975) 、M. Rudinstein et al., Tetrahedron L
ett.,(17), 1445(1975)、J.W.Walker et al., J. Am. C
hem. Soc., 110,7170(1988)、S.C.Busman et al., J. I
maging Technol., 11(4),(1985) 、H.M.Houlihan et a
l., Macromolecules, 21,2001(1988)、P.M.Collins et
al., J.Chem. Soc., Chem. Commun., 532(1972)、S.Hay
ase et al., Macromolecules, 18,1799(1985), E.Reich
manis etal., J.Electrochem. Soc., Solid State Sci.
Technol., 130(6) 、F.M.Houlihan et al., Macromole
cules, 21,2001(1988)、欧州特許第0290,750
号、同046,083号、同156,535号、同27
1,851号、同0,388,343号、米国特許第
3,901,710号、同4,181,531号、特開
昭60−198538号、特開昭53−133022号
等に記載の0-ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生
剤、TUNOOKA et al., Polymer Preprints Japan, 35
(8)、G.Berner et al., J.Rad. Curing, 13(4) 、W.J.M
ijs et al., Coating Technol., 55(697), 45(1983), A
kzo、H.Adachi et al., Polymer Preprints, Japan, 37
(3)、欧州特許第0199,672号、同84515
号、同199,672号、同044,115号、同01
01,122号、米国特許第4,618,554号、同
4,371,605号、同4,431,774号、特開
昭64−18143号、特開平2−245756号、特
開平3−140109号等に記載のイミノスルホネート
等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合
物、特開昭61−166544号等に記載のジスルホン
化合物を挙げることができる。
【0067】また、酸発生剤をポリマーの主鎖又は側鎖
に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al., J.
Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S.P.Pappas et a
l., J.Imaging Sci., 30(5), 218(1986) 、S. Kondo et
al., Makromol. Chem. RapidCommun., 9,625(1988) 、
Y.Yamada et al., Makromol, Chem. 152, 153,163(197
2) 、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer
Chem. Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,
137号、独国特許第3914407号、特開昭63−
26653号、特開昭55−164824号、特開昭6
2−69263号、特開昭63−14603号、特開昭
63−163452号、特開昭62−153853号、
特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いる
ことができる。さらに、V.N.R.Pillai, Synthesis,
(1),1(1980)、A. Abad et al., Tetrahedron Lett., (4
7)4555(1971) 、D.H.R.Barton et al., J.Chem. Soc.,
(C), 329(1970) 、米国特許第3,779,778号、
欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発
生する化合物も使用することができる。
【0068】本発明において、酸発生剤の添加量は、感
光性層若しくは感熱性層の全固形分に対し、通常0.0
01〜40重量%程度であり、0.01〜20重量%が
好ましく、0.1〜5重量%がさらに好ましい。
【0069】「アルカリ可溶性化合物」ポジ作用感応性
組成物において使用されるアルカリ可溶性化合物は、ポ
ジ型に適用される場合には、溶解抑止剤との共存下によ
りアルカリ可溶性が低下し、溶解抑止剤の分解により、
アルカリ可溶性が回復するアルカリ可溶性化合物であ
る。
【0070】ポジ作用感応性組成物において使用される
アルカリ可溶性化合物としては、ノボラック樹脂、ポリ
ヒドロキシスチレン、アクリル樹脂等を挙げることがで
きる。本発明で使用されるノボラック樹脂は、フェノー
ル類とアルデヒド類を、酸性条件下で縮合させて得られ
る樹脂である。好ましいノボラック樹脂としては、例え
ば、フェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラ
ック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得ら
れるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒ
ドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホル
ムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフ
ェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹
脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから
得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(o
−、m−、p−又はm−/p−、m−/o−、o−/p
−混合のいずれでもよい)の混合物とホルムアルデヒド
から得られるノボラック樹脂等が挙げられる。これらの
ノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜200,
000で、数平均分子量が400〜60,000のもの
が好ましい。
【0071】ポジ作用感応性組成物において使用される
ノボラック樹脂以外のアルカリ可溶性化合物としては、
例えばポリヒドロキシスチレン類、ヒドロキシスチレン
−N−置換マレイミド共重合体、ヒドロキシスチレン−
無水マレイン酸共重合体、アルカリ可溶性基を有するア
クリル系ポリマー、アルカリ可溶性基を有するウレタン
型ポリマー等が挙げられる。ここでアルカリ可溶性基と
してはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン
酸基、ホスホン酸基、イミド基等が挙げられる。
【0072】また、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポ
リ−m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン
−N−置換マレイミド共重合体、p−ヒドロキシスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体等のヒドロキシスチレン系
ポリマーを用いる場合には重量平均分子量が2,000
〜500,000、さらに、4,000〜300,00
0のものが好ましい。
【0073】アルカリ可溶性基を有するアクリル系ポリ
マーの例としては、メタクリル酸−ベンジルメタクリレ
ート共重合体、ポリ(ヒドロキシフェニルメタクリルア
ミド)、ポリ(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシエ
チルアクリレート)、ポリ(2、4−ジヒドロキシフェ
ニルカルボニルオキシエチルアクリレート)や、特願平
8−211731明細書に記載のポリマー等が挙げられ
る。これらのアクリル系ポリマーは重量平均分子量が
2,000〜500,000、好ましくは4,000〜
300,000のものが好ましい。
【0074】アルカリ可溶性基を有するウレタン型ポリ
マーの例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート
とヘキサメチレンジイソシアネート、テトラエチレング
リコール、2、2一ビス(ヒドロキシメチル)プロピオ
ン酸を反応させて得られる樹脂等が挙げられる。これら
のアルカリ可溶性ポリマーのうち、ヒドロキシスチレン
系ポリマー及びアルカリ可溶性基を有するアクリル系共
重合体は現像性の点で好ましい。
【0075】本発明において、アルカリ可溶性化合物
は、酸分解性基で保護されていてもよく、該酸分解性基
としては、エステル基、カーバメイト基等が挙げられ
る。
【0076】本発明において、これらのアルカリ可溶性
化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形
分中、10〜90重量%程度であり、20〜85重量%
が好ましく、30〜80重量%がさらに好ましい。アル
カリ可溶性化合物の含有量が10重量%未満であると感
光性層若しくは感熱性層の耐久性が悪化し、また、90
重量%を越えると感度、耐久性の両面で好ましくない。
また、これらのアルカリ可溶性化合物は、1種類のみで
使用してもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて
使用してもよい。
【0077】「溶解阻止剤」ポジ作用感応性組成物にお
いて使用される溶解阻止剤とは、酸の作用により分解し
アルカリ可溶性となる化合物である。該溶解阻止剤とし
ては、t−ブチルエステル、t−ブチルカーバーメー
ト、アルコキシエチルエステル、等のレジスト分野で用
いられている化学増幅系の酸分解性基で保護されたカル
ボン酸、フェノール化合物等が挙げられる。
【0078】本発明において、溶解阻止剤の含有量は、
感光性層若しくは感熱性層の全固形分中、5〜90重量
%程度であり、10〜80重量%が好ましい。
【0079】好適なキノンジアジド化合物類としては、
o−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発
明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくと
も1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分
解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造
の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジ
アジドは熱分解によりアルカリ可溶性化合物の溶解抑制
能を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可
溶性の物質に変化することの両方の効果により、感材系
の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジア
ジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト
−センシティブ・システムズ」(John Wiley & Sons.In
c. )第339〜352頁に記載の化合物が使用できる
が、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳
香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのス
ルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。
また、特公昭43−28403号公報に記載されている
ようなベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸
クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−
5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹
脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び
同第3,188,210号等に記載されているベンゾキ
ノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又は
ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸
クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエ
ステルも好適に使用される。
【0080】さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジ
ド−4−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹
脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド
−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン
樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の
有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特
許関連の文献に報告があり知られている。例えば、特開
昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開
昭48−63803号、特開昭48−96575号、特
開昭49−38701号、特開昭48−13354号、
特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、
特公昭49−17481号、米国特許第2,797,2
13号、同第3,454,400号、同第3,544,
323号、同第3,573,917号、同第3,67
4,495号、同第3,785,825号、英国特許第
1,227,602号、同第1,251,345号、同
第1,267,005号、同第1,329,888号、
同第1,330,932号、ドイツ特許第854,89
0号等に記載されているものを挙げることができる。
【0081】本発明において、o−キノンジアジド化合
物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分
中、1〜50重量%程度であり5〜30重量%が好まし
く、10〜30重量%がさらに好ましい。これらの化合
物は単独で使用することができるが、数種の混合物とし
て使用してもよい。o−キノンジアジド化合物の含有量
が1重量%未満であると画像の記録性が悪化し、一方、
50重量%を超えると画像部の耐久性が劣化したり感度
が低下したりする。
【0082】本発明において、o−キノンジアジド化合
物以外の上記化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱
性層の全固形分中、1〜50重量%程度であり、5〜3
0重量%が好ましく、10〜30重量%が好ましい。
【0083】(ネガ作用感応性組成物)本発明におい
て、ネガ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公
知のネガ作用感応性組成物((g)〜(h))を用いる
ことができる。
【0084】(g)光架橋性基を有するポリマー、アジ
ド化合物を含有してなるネガ作用感応性組成物。 (h)特開昭59−101651号に記載のジアゾ化合
物を含有してなるネガ作用感応性組成物。 (i)US262276号、特開平2−63054号に
記載の光重合開始剤、付加重合性不飽和化合物を含有し
てなる光重合性ネガ作用感応性組成物。 (h)特開平11−095421号記載のアルカリ可溶
性化合物、酸発生剤、酸架橋性化合物を含有してなるネ
ガ作用感応性組成物。
【0085】上記(g)〜(h)で示したネガ作用感応
性組成物で用いられる化合物を以下に説明する。
【0086】「光架橋性基を有するポリマー」ネガ作用
感応性組成物において使用される光架橋性基を有するポ
リマーは、水性アルカリ現像液に対して親和性を持つ光
架橋性基を有するポリマーが好ましく、例えば、US5
064747号に記載び分子の主鎖又は側鎖に−CH=
CH−CO−のような光架橋性基を有するポリマー;特
公昭54−15711号に記載の桂皮酸基とカルボキシ
ル基を有する共重合体;特開昭60−165646号に
記載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を
有するポリエステル樹脂;特開昭60−203630号
に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール性水
酸基を有するポリエステル樹脂;特公昭57−4285
8号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナトリウム
イミノジスルホニル基を有するポリエテル樹脂;特開昭
59−208552号に記載の側鎖にアジド基とカルボ
キシル基を有する重合体等が使用できる。本発明におい
て、光架橋性基を有するポリマーの含有量は、感光性層
若しくは感熱性層の全固形分中、5〜100重量%程度
であり、10〜95重量%が好ましく、20〜90重量
%が好ましい。
【0087】「アジド化合物」ネガ作用感応性組成物に
おいて使用されるアジド化合物としては、2,6−ビス
(4−アジドベンザール)−4−メチルシクロヘキサノ
ン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフィド等が挙げ
られる。本発明において、アジド化合物の含有量は、感
光性層若しくは感熱性層の全固形分中、5〜95重量%
程度であり、10〜90重量%が好ましく、20〜80
重量%がさらに好ましい。
【0088】「アルカリ可溶性化合物」ネガ作用感応性
組成物において使用されるアルカリ可溶性化合物は、前
記ポジ作用感応性組成物に用いられるアルカリ可溶性化
合物と同様である。
【0089】「ジアゾ化合物」ネガ作用感応性組成物に
おいて使用されるジアゾ樹脂としては、例えばジアゾジ
アリールアミンと活性カルボニル化合物との縮合物の塩
に代表されるジアゾ樹脂があり、感光性、水不溶性で有
機溶剤可溶性のものが好ましい。特に好適なジアゾ樹脂
としては、例えば4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジ
アゾ−3−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’
−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−3’−メチル
ジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェ
ニルアミン4−ジアゾ−3−メチル−4’−エトキシジ
フェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニル
アミン等とホルムアルデヒド、バラホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4,4’−ビス
−メトキシメチルジフェニルエーテル等との縮合物の有
機酸塩または無機酸塩である。この際の有機酸として
は、例えばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ト
ルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレンス
ルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、1−ナフト
ール−5−スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン
酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等が挙げ
られ、無機酸としては、ヘキサフルオロリン酸、テトラ
フルオロホウ酸、チオシアン酸等が挙げられる。
【0090】更に、特開昭54−30121号公報に記
載の主鎖がポリエステル基であるジアゾ樹脂;特開昭6
1−273538号公報に記載の無水カルボン酸残基を
有する重合体と、ヒドロキシル基を有するジアゾ化合物
を反応してなるジアゾ樹脂;ポリイソシアネート化合物
とヒドロキシル基を有するジアゾ化合物を反応してなる
ジアゾ樹脂等も使用しうる。
【0091】本発明において、ジアゾ樹脂の含有量は、
感光性層若しくは感熱性層全固形分に対して、0〜40
重量%程度が好ましい。また必要に応じて、2種以上の
ジアゾ樹脂を併用してもよい。
【0092】「光重合開始剤及び付加重合性不飽和化合
物」ネガ作用感応性組成物において使用される付加重合
性不飽和化合物及び光重合開始剤としては、米国特許第
2,760,863号、同第3,060,023号、特
開昭62−121448号等に記載の2個またはそれ以
上の末端エチレン基を有する付加重合性不飽和化合物及
び光重合開始剤が挙げられる。
【0093】本発明において、付加重合性不飽和化合物
の含有量は、感光性層若しくは感熱性層全固形分に対し
て、5〜95重量%程度であり、5〜80重量%が好ま
しい。また、光重合開始剤の含有量は、感光性層若しく
は感熱性層全固形分に対して、1〜80重量%程度であ
り、5〜50重量%が好ましい。
【0094】「酸発生剤」ネガ作用感応性組成物におい
て使用される酸発生剤は、前記ポジ作用感応性組成物で
用いられる酸発生剤と同様である。
【0095】「酸架橋性化合物」ネガ作用感応性組成物
において使用される酸架橋性化合物とは、酸の存在下で
架橋する化合物を指し、例えば、ヒドロキシメチル基、
アセトキシメチル基、若しくはアルコキシメチル基でポ
リ置換されている芳香族化合物及び複素環化合物が挙げ
られるが、その中でも好ましい例として、フェノール類
とアルデヒド類を塩基性条件下で縮合させた化合物が挙
げられる。前記の化合物のうち好ましいものとしては、
例えば、フェノールとホルムアルデヒドを前記のように
塩基性条件下で縮合させた化合物、同様にして、m−ク
レゾールとホルムアルデヒドから得られる化合物、ビス
フェノールAとホルムアルデヒドから得られる化合物、
4,4’−ビスフェノールとホルムアルデヒドから得ら
れる化合物、その他、GB第2,082,339号にレ
ゾール樹脂として開示された化合物等が挙げられる。こ
れらの酸架橋性化合物は、重量平均分子量が500〜1
00,000で数平均分子量が200〜50,000の
ものが好ましい。
【0096】他の好ましい例としては、EP−A第0,
212,482号に開示されているアルコキシメチル又
はオキシラニルメチル基で置換された芳香族化合物、E
P−A第0,133,216号、DE−A第3,63
4,671号、DE第3,711,264号に開示され
た単量体及びオリゴマーメラミン−ホルムアルデヒド縮
合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第
0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化合
物等がある。さらに他の好ましい例は、例えば、少なく
とも2個の遊離N−ヒドロキシメチル、N−アルコキシ
メチル又はN−アシルオキシメチル基を有するメラミン
−ホルムアルデヒド誘導体である。このなかでは、N−
アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。また、低分子
量又はオリゴマーシラノールは、ケイ素含有架橋剤とし
て使用できる。これらの例は、ジメチル−及びジフェニ
ル−シランジオール、並びに既に予備縮合され且つこれ
らの単位を含有するオリゴマーであり、例えば、EP−
A第0,377,155号に開示されたものを使用でき
る。
【0097】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明の範囲はこれらによって限定されるもので
はない。 〔表面修飾粒子の合成例1〕下記の操作によって末端に
シランカップリング基を有する親水性ポリマーでシリカ
粒子表面を修飾された表面修飾粒子(S−1)を合成し
た。
【0098】(末端にシランカップリング基を有する親
水性ポリマー(P−1)の合成)三口フラスコにアクリ
ルアミド25g、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン3.5g、ジメチルホルムアミド51.3gを入
れて窒素気流下、65℃まで加熱し、2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.25g添加
し、反応を開始した。6時間撹拌した後、室温まで戻し
て酢酸エチル1.5L中に投入したところ固体が析出し
た。その後、ろ過を行い、十分酢酸エチルで洗浄し、乾
燥を行った(収量21g)。GPC(ポリスチレン標
準)により5000の重量平均分子量を有するポリマー
であることが分かった。
【0099】(表面修飾シリカ粒子(S−1)の合成)
高速撹拌機にシリカ微粒子(富士シリシア化学(株)
製、サイリシア350)10g、上記末端にシランカッ
プリング基を有する親水性ポリマー8g、ベンゾオキサ
シレピンジメチルエステル1g、25%アンモニア水溶
液5g、トルエン200mlを入れ18000rpmに
て1時間撹拌して混合した。この混合液を撹拌機、冷却
管、脱水用トラップを備えたフラスコに入れ、トルエン
還流温度の下で2時間加熱撹拌を行った。撹拌したの
ち、フラスコ内容物を遠心分離機に入れて7000rp
mにて30分間の分離操作を行い、トルエン溶液と沈積
物とに分離した。超音波分離機を用いてこの沈積物を水
400ml中に分散し、分散後、再び遠心分離機により
分離操作を行うことによって沈積物を洗浄した。このア
セトン洗浄の操作をさらに2回繰り返した後、得られた
沈積物を自然乾燥して白色粉末(S−1)14.4gを
得た。TG−DTA(セイコー電子工業(株)製)を用
いて有機物の熱重量減少を測定したところ12.5%の
重量減少が見られた。
【0100】〔表面修飾粒子の合成例2〕下記の操作に
よって末端にシランカップリング基を有する親水性ポリ
マーでシリカ粒子表面を修飾された表面修飾粒子(S−
2)を合成した。
【0101】(末端にシランカップリング基を有する親
水性ポリマー(P−2)の合成)三口フラスコに2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸25g、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.2g、
メタノール52.4gを入れて窒素気流下、60℃まで
加熱し、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.2
5g添加し、反応を開始した。6時間撹拌した後、室温
まで戻してアセトン1.5L中に投入したところ固体が
析出した。その後、ろ過を行い、十分アセトンで洗浄
し、乾燥を行った(収量19g)。GPC(ポリスチレ
ン標準)により3500の重量平均分子量を有するポリ
マーであることが分かった。
【0102】(表面修飾シリカ粒子(S−2)の合成)
末端にシランカップリング基を有する親水性ポリマー
(P−2)を用いた以外は上記表面修飾粒子の合成例1
と同様の方法で表面修飾粒子(S−2)を合成した。収
量13.2gでTG−DTA(セイコー電子工業(株)
製)による熱重量減少量は10.5%であることが分か
った。
【0103】〔表面修飾粒子の合成例3〕下記の操作に
よって末端にシランカップリング基を有する親水性ポリ
マーでシリカ粒子表面を修飾された表面修飾粒子(S−
3)を合成した。
【0104】(末端にシランカップリング基を有する親
水性ポリマー(P−3)の合成)三口フラスコにN−ビ
ニルアセトアミド50g、3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン5.8g、ジメチルアセトアミド11
1.5gを入れて窒素気流下、65℃まで加熱し、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.5g添加し、反応を開始した。6時間撹拌した後、
室温まで戻して酢酸エチル2.0L中に投入したところ
固体が析出した。その後、ろ過を行い、十分アセトンで
洗浄し、乾燥を行った(収量42g)。GPC(ポリス
チレン標準)により6000の重量平均分子量を有する
ポリマーであることが分かった。
【0105】(表面修飾シリカ粒子(S−3)の合成)
三口フラスコにコロイダルシリカ水溶液(日産化学
(株)製、スノーテックスZL)50g、末端にシラン
カップリング基を有する親水性ポリマー(P−3)6g
を入れてpH7.5に調製した後、70℃、4h撹拌し
た。その後、室温まで冷却、アセトン500mL中に投
入したところ固体が析出、取り出しを行い、乾燥を行っ
た。乾燥後、水に再分散し遠心分離機により分離操作を
行うことによりシリカ粒子を沈降させ上澄み液を除去、
これを2回繰り返して精製を行った。精製後の表面修飾
シリカ粒子(S−3)の収量は15gであった。TG−
DTA(セイコー電子工業(株)製)を用いて有機物の
熱重量減少を測定したところ19.5%の重量減少が見
られた。
【0106】〔表面修飾粒子の合成例4〕下記の操作に
よって末端にシランカップリング基を有する親水性ポリ
マーでシリカ粒子表面を修飾された表面修飾粒子(S−
4)を合成した。
【0107】(末端にシランカップリング基をする親水
性ポリマー(P−4)の合成)三口フラスコにアクリル
酸50g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
6.8g、ジメチルアセトアミド114gを入れて窒素
気流下、65℃まで加熱し、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)0.5g添加し、反応を
開始した。6時間撹拌した後、室温まで戻して酢酸エチ
ル2.0L中に投入したところ固体が析出した。その
後、ろ過を行い、十分アセトンで洗浄し、乾燥を行った
(収量45g)。GPC(ポリスチレン標準)により1
500の重量平均分子量を有するポリマーであることが
分かった。
【0108】(表面修飾シリカ粒子(S−4)の合成)
末端にシランカップリング基を有する親水性ポリマー
(P−4)を用いた以外は表面修飾粒子の合成例3と同
様の方法で表面修飾シリカ粒子(S−4)の合成を行っ
た。収量12.5gでTG−DTA(セイコ−電子工業
(株)製)による熱重量減少量は18.6%であること
が分かった。
【0109】〔表面修飾粒子の合成例5〕下記の操作に
よって、シリカ粒子表面にグラフト的に親水性ポリマー
が導入された表面修飾粒子(S−5)を合成した。
【0110】三口フラスコにシリカ微粒子(日本アエロ
ジル(株)製、Aerosil200)6g、3−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン4g、トルエン19
6mlを入れて窒素気流下、トルエンreflux温度
で12時間反応させた。反応後、室温まで戻しメタノー
ル1L中に投入して24時間放置し、その後沈殿物をろ
過して乾繰を行った(収量5.2g)。
【0111】次に三口フラスコに得られたシリカ4g、
4.7mol/Lアクリルアミド水溶液72ml、1m
ol/Lの硝酸水溶液で調製した0.2mol/L硝酸
二アンモニウムセリウム(IV)硝酸水溶液8mLを入れ
て窒素気流下、30℃で1h反応させた。反応後、アセ
トン1L中に投入したところ固体が析出、取り出しを行
い、乾燥を行った。乾燥後、水に再分散し遠心分離機に
より分離操作を行うことによりシリカ粒子を沈降させ上
澄み液を除去、これを2回繰り返して精製を行った。精
製後の表面修飾シリカ粒子(S−5)の収量は3.5g
であった。TG−DTA(セイコー電子工業(株)製)
を用いて有機物の熱重量減少を測定したところ20.5
%の重量減少が見られた。
【0112】〔表面修飾粒子の合成例6〕下記の操作に
よって、シリカ粒子表面にグラフト的に親水性ポリマー
が導入された表面修飾粒子(S−6)を合成した。
【0113】アクリルアミド水溶液の代わりに2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸水溶液を用
いた以外は合成例5と同様の方法でシリカ粒子表面にグ
ラフト的に親水性ポリマーが導入された表面修飾粒子S
−6を合成した。収量3.1gでTG−DTA(セイコ
ー電子工業(株)製)による熱重量減少量は19.3%
であることが分かった。
【0114】実施例1(ポジ型感光性平版印刷版用原
版) 〔親水性層の作成〕上記表面修飾粒子(S−1)1gに
メタノール3gを加えガラスビーズを用いてペイントシ
ェイカーで30分振とうさせることにより表面修飾粒子
(S−1)のメタノール分散物を行た。この分散物にテ
トラエトキシシラン0.3g、リン酸/水(1/1重量
比)0.06gを添加し、室温で20分間撹拌し、加水
分解させて均一分散液を得た。
【0115】得られた分散液を、親水性接着剤層で被覆
した厚さ250μm(360g/m 2)を有するポリエ
チレンテレフタレートフィルム支持体上に、ロットバー
#10を用いて塗布を行い、100℃、10分乾燥して
親水性層を得た。得られた親水性層の接触角(空中水
滴、協和界面化学(株)製、CA−Z)を測定したとこ
ろ、10°であった。このようにして作成した親水性層
上にポジの感光層として以下の画像形成層を塗布し、ポ
ジ型感光性平版印刷版用原版を作製し、露光、現像及び
印刷性評価を行った。
【0116】〔画像形成層処方〕 (アルカリ可溶性ポリマー・ナフトキノン−1,2−ジ
アジド系(コンベンショナルポジ系))ナフトキノン−
1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドとピロガロ
ール−アセトン樹脂とのエステル化合物0.9g、ビク
トリアピュアブルーBOH、0.05g、クレゾールと
ホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂(メタ:
パラ=6:4、重量平均分子量1800)2.0g、メ
チルエチルケトン20g、メチルアルコール7gからな
る組成物を前記の親水層に塗布したものを実施例1のポ
ジ型平版印刷版用原版とした。得られた実施例1のポジ
型平版印刷版用原版を富士フイルム社製ステップガイド
を通してPSライトで露光した後、富士フイルム社製現
像液DP−4(1:8)を仕込んだ自動現像機を通して
処理した。ついでハイデルKOR−D印刷機で印刷し
た。非画像部に汚れのない良好な印刷物が5,000枚
得られた。
【0117】実施例2〜5 親水性ポリマーで修飾された粒子として下記の表1に示
す各表面修飾粒子を使用した以外は、実施例1と同様の
操作を行い、感光性平版印刷版用原版を作製し、露光、
現像及び印刷性を評価した。詳価結果を表1に示す。
【0118】
【表1】
【0119】実施例6 ネガ型感熱性平版印刷版用原版 支持体及び親水性層は実施例1と同様のものを使用し
た。但し、画像形成層である感熱層は下記処方の組成物
を塗布し、ネガ型感光性平版印刷版用原版を作製し、露
光、現像及び印刷性を評価した。
【0120】〔架橋剤Aの合成〕1−〔α−メチル−α
−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン2
0gを水酸化カリウム水溶液(10%)100mlに溶
解させた。この反応液にホルマリン(37%)60ml
を室温で撹拌しながら1時間かけて滴下した。反応液を
室温にてさらに6時間撹拌した後、硫酸水溶液中に投入
し、晶析させた。得られたペースト状沈殿をよく水洗し
た後、メタノール30mlを用いて再結晶することによ
り、白色粉末を得た(収量20g)。
【0121】得られた化合物は、NMRにより1−〔α
−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−
4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕ベンゼンのヘキサメチロール化合物であることが分
かった。逆相HPLC(カラム:Shimpac CL
C−ODS(島津製作所製)、溶媒:メタノール/水=
60/40→90/10)によるヘキサメチロール化合
物の純度は92%であった。このヘキサメチロール化合
物20gをメタノール1000mlに加温溶解させ、濃
硫酸1mlを加え12時間加熱還流した。反応液を冷却
後、炭酸カリウム2gを加え、さらに撹拌後、濃縮し、
酢酸エチル300mlを加え、水洗、乾燥後、溶媒を留
去し、白色固体を得た(収量22g)。得られた化合物
は1−(α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)
エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕ベンゼンのヘキサメトキシメチル化合物で
あることが分かった。逆相HPLC(カラム:Shim
pac CLC−ODS(島津製作所製)、溶媒:メタ
ノール/水=60/40→90/10)によるヘキサメ
トキシメチル化合物の純度は90%であった。
【0122】〔画像形成層処方〕IRG22(IR染
料、日本化薬製)0.1g、上記架橋剤A0.21g、
フェノールホルムアルデヒドノボラック(重量平均分子
量12000)2.1g、ジフェニルヨードニウム−
9,10−ジメトキシアントラセンスルホネート0.0
2g、メガファックF−176(大日本インキ化学工業
(株))製フッ素系界面活性剤)0.06g、メチルエ
チルケトン15g、2−メトキシ−1−プロパノール1
2gからなる組成物を前記実施例と同様の支持体に塗布
したものを実施例6のネガ型感熱性平版印刷版用原版と
した。
【0123】得られた実施例6のネガ型平版印刷版を、
ヒートモードレーザとしての半導体レーザ(波長825
nm、ビーム系:1/e2=6μm)を用い、線速度8
m/secで版面出力110mWに調節し、露光した。
露光後110℃で1分間加熱処理した後、富土写真フイ
ルム(株)製現像液、DP−4(1:8)、リンス液F
R−3(1:7)を仕込んだ自動現像機を通して処理し
た。次いで富士写真フイルム(株)製ガムGU−7
(1:1)で版面を処理し、ハイデルKOR−D機で印
刷した。非画像部に汚れのない印刷物が6000枚得ら
れた。次にこの実施例6のネガ型平版印刷版を45℃、
相対湿度75%で保存し、同様の処理をしたが、同様に
非画像都の汚れのない良好な印刷物が得られた。この際
得られた印刷枚数は5000枚であった。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の、支持体
上に、親水性ポリマーが化学的に表面結合した固体粒子
を含有する親水性層と直接化学的に結合し、かつ親水性
官能基を有する高分子化合物からなる親水性層を設けて
なる平版印刷版用基板を用いることにより、その上に適
宜感応層を順に設けることにより、膜強度が低下するこ
となく優れた親水性を得ることができ、特に印刷汚れ性
が著しく改善され、厳しい印刷条件においても、汚れが
生じない印刷物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA12 AA13 AD01 AD03 DA36 FA17 2H096 AA06 BA01 BA09 CA05 CA20 GA08 2H114 AA04 AA14 AA22 AA24 AA28 BA01 BA10 DA15 DA56 DA75 EA01 EA02 EA05 GA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、親水性ポリマーが化学的に
    表面に結合した固体粒子を含有する親水性層を有するこ
    とを特徴とする平版印刷版用基板。
  2. 【請求項2】 支持体と親水性層との間に下塗り層を有
    することを特徴とする請求項1記載の平版印刷版用基
    板。
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EP20020001119 EP1226976B1 (en) 2001-01-24 2002-01-24 Hydrophilic polymer having silane coupling group terminal and lithographic printing plate base
US10/053,617 US7001673B2 (en) 2001-01-24 2002-01-24 Hydrophilic polymer having silane coupling group terminal and lithographic printing plate base
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6607866B1 (en) * 1999-09-29 2003-08-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lithographic printing plate support and lithographic printing plate precursor using the same

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