JP2003127561A - 平版印刷版用支持体 - Google Patents

平版印刷版用支持体

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JP2003127561A
JP2003127561A JP2001323874A JP2001323874A JP2003127561A JP 2003127561 A JP2003127561 A JP 2003127561A JP 2001323874 A JP2001323874 A JP 2001323874A JP 2001323874 A JP2001323874 A JP 2001323874A JP 2003127561 A JP2003127561 A JP 2003127561A
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JP
Japan
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hydrophilic
group
acid
polymer
printing plate
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Application number
JP2001323874A
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English (en)
Inventor
Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
Koichi Kawamura
浩一 川村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性が高く、また、その持続性に優れた親
水性表面を備えることで、特に印刷汚れ性が改善され、
厳しい印刷条件においても、高画質の印刷物が多数枚得
られる平版印刷版用支持体を提供する。 【解決手段】 基材表面に、親水性グラフト鎖を有し、
且つ、Si、Ti、Zr、Alから選択される金属アル
コキシドの加水分解、縮重合により形成された架橋構造
を有する親水表面を有する平版印刷版用支持体であっ
て、該親水性表面が、親水性の官能基を有するマクロマ
ーとシランカップリング基を有する構造単位との共重合
体である親水性グラフトポリマーを含有することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用支持体
に関するものであり、高度に親水化された表面を有し、
優れた画質の画像形成が可能な平版印刷版用支持体に関
する。 【0002】 【従来の技術】平版印刷は、インキを受容する親油性領
域と、インキを受容せず湿し水を受容する撥インク領域
(親水性領域)を有する版材を利用する印刷方法であ
り、現在では広く感光性の平版印刷版原版(PS版)が
用いられている。PS版は、アルミニウム板などの支持
体の上に、感光層を設けたものが実用化され広く用いら
れている。このようなPS版は、画像露光および現像に
より非画像部の感光層を除去し、基板表面の親水性と画
像部の感光層の親油性を利用して印刷が行われている。
このような版材では、非画像部の汚れ防止のため、基板
表面には高い親水性が要求される。 【0003】従来、平版印刷版に用いる親水性基板又は
親水性層としては、陽極酸化されたアルミニウム基板、
若しくはさらに親水性を上げるためにこの陽極酸化され
たアルミニウム基板をシリケート処理することが一般的
に行なわれている。さらに、これらアルミニウム支持体
を用いた親水化基板若しくは親水性層に関する研究が盛
んに行われており、例えば、特開平7−1853号公報
には、ポリビニルホスホン酸で下塗り剤で処理された基
板が、また、特開昭59−101651号公報には、感
光層の下塗り層としてスルホン酸基を有するポリマーを
使用する技術がそれぞれ記載されており、その他にも、
ポリビニル安息香酸などを下塗り剤として用いる技術も
提案されている。 【0004】一方、アルミニウムの様な金属支持体を用
いずPET(ポリエチレンフタレート)、セルロースア
セテートなどのフレキシブルな支持体を用いたときの親
水性層に関しては、特開平8−292558号公報に記
載の親水性ポリマーと疎水性ポリマーとからなる膨潤親
水層、EP0709228号に記載のマイクロポーラス
な親水性架橋シリケート表面を有するPET支持体、特
開平8−272087号、同8−507727号の各公
報に記載の親水性ポリマーを含有し加水分解されたテト
ラアルキルオルソシリケートで硬化された親水性層等
の、種々の技術が提案されている。 【0005】これらの親水性層は、従来のものより親水
性が向上し、印刷開始時には汚れの生じない印刷物が得
られる平版印刷版を与えたが、印刷を繰り返すうちに剥
離したり、親水性が経時的に低下したりする問題があ
り、より厳しい印刷条件においても、親水性層が支持体
から剥離したり、表面の親水性が低下することなく、多
数枚の汚れの生じない印刷物が得られる平版印刷版用支
持体が望まれていた。また、実用的な観点から、さらな
る親水性の向上も要求されるのが現状である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の諸問題を解
決すべくなされた本発明の目的は、親水性が高く、ま
た、その持続性に優れた親水性表面を備えることで、特
に印刷汚れ性が改善され、厳しい印刷条件においても、
高画質の印刷物が多数枚得られる平版印刷版用支持体を
提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、親水性グラフトポリマーの特性に着眼し研究を進め
た結果、本発明者らは、親水性ポリマーとシランカップ
リング基とを導入してなる親水性グラフトポリマーと、
金属アルコキシドを加水分解、縮重合することにより形
成された架橋構造とを備えた表面層により上記目的を達
成し得ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発
明の表面平版印刷版用支持体は、基材表面に、親水性グ
ラフト鎖を有し、且つ、Si、Ti、Zr、Alから選
択される金属アルコキシドの加水分解、縮重合により形
成された架橋構造を有する親水性表面を有する平版印刷
版用支持体であって、該親水性表面が、親水性の官能基
を有するマクロマーとシランカップリング基を有する構
造単位との共重合体である親水性グラフトポリマーを含
有することを特徴とする。 【0008】本発明の作用は明確ではないが、親水性グ
ラフト鎖を有し、且つ、Si、Ti、Zr、Alから選
択される金属アルコキシドの加水分解、縮重合により形
成された架橋構造を有する親水性表面は、グラフト鎖の
状態で導入された親水性の官能基が表面にフリーの状態
で偏在するとともに、金属アルコキシドの加水分解、縮
重合により、高密度の架橋構造を有する有機無機複合体
皮膜が形成されているため、高い親水性を有する高強度
の皮膜となる。具体的には、親水性ポリマーとして、親
水性の官能基を有するマクロマーとシランカップリング
基を有する構造単位との共重合体である親水性グラフト
ポリマーを用いて、それを適当な溶媒に溶解させ、攪拌
することで、系中で加水分解・重縮合が進行し、ゾル状
の親水性塗布液組成物が得られ、それを基材上に塗布
し、乾燥することにより基材上に親水性の官能基が表面
にフリーの状態で偏在し、且つ、側鎖に位置する複数の
シランカップリング基同士が反応して形成される緻密な
架橋構造を有する有機無機複合体皮膜が形成される。さ
らに、この親水性塗布液中に、加水分解性化合物を添加
することで、系中における加水分解・重縮合において、
ひとつの親水性グラフトポリマーの構造内に、側鎖とし
て複数存在するシランカップリング基と加水分解性化合
物中の重合性の官能基によって、架橋を形成する反応サ
イトが増加し、より高密度で強固な架橋構造を有する有
機無機複合体皮膜が形成されるため、得られる親水性層
の塗膜はさらに高強度となり、優れた耐磨耗性が発現
し、高い表面親水性を長期間保持し得るため、厳しい印
刷条件においても、非画像部に汚れのない優れた画質の
印刷物が多数枚得られる平版印刷版を製造できる支持体
となるものと考えられる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明の表面平版印刷版用支持体は、適切な基
材上に、親水性グラフト鎖を有し、且つ、Si、Ti、
Zr、Alから選択される金属アルコキシドの加水分
解、縮重合により形成された架橋構造を有する親水性表
面(親水性層)を備えるものであるが、このような架橋
構造を有する親水性層は、金属アルコキシド構造と、親
水性グラフト鎖を形成しうる親水性の官能基を有する化
合物とを用いて、適宜、形成することができる。金属ア
ルコキシドのなかでも、反応性、入手の容易性からSi
のアルコキシドが好ましく、具体的には、シランカップ
リング剤に用いる化合物を好適に使用することができ
る。前記したような金属アルコキシドの加水分解、縮重
合により形成された架橋構造を、本発明では以下、適
宜、ゾルゲル架橋構造と称する。 【0010】まず、親水性グラフト鎖について説明す
る。本発明に係る架橋構造を有する親水表面は、一般的
にグラフト重合体の合成法として公知の方法を用いて親
水性グラフトポリマーを作成し、それを以下に詳述する
ゾルゲル架橋構造の形成工程を利用して、架橋すること
で作成することができる。具体的にはグラフト重合体の
合成は“グラフト重合とその応用”井手文雄著、昭和5
2年発行、高分子刊行会、および“新高分子実験学2、
高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出版(株)1
995、に記載されている。 【0011】グラフト重合体(本発明においては、親水
性グラフトポリマー)の合成は基本的に1.幹高分子か
ら枝モノマーを重合させる、2.幹高分子に枝高分子を
結合させる、3.幹高分子に枝高分子を共重合させる
(マクロマー法)の3つの方法に分けられる。これらの
3つの方法のうち、いずれも使用して本発明の親水性表
面を作成することができるが、特に製造適性、膜構造の
制御という観点からは「3.マクロマー法」が優れてい
る。 【0012】マクロマーを使用したグラフトポリマーの
合成は前記の“新高分子実験学2、高分子の合成・反
応”高分子学会編、共立出版(株)1995に記載され
ている。また山下雄他著“マクロモノマーの化学と工
業”アイピーシー、1989にも詳しく記載されてい
る。具体的にはアクリル酸、アクリルアミド、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニ
ルアセトアミドなど、上記の有機架橋親水層として具体
的に記載した下記親水性モノマー使用して文献記載の方
法に従い親水性マクロマーを合成することができる。 【0013】(親水性モノマー)親水性グラフトポリマ
ー鎖を形成するのに有用な親水性モノマーとは、アンモ
ニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有するモノマー
もしくはスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホ
スホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離し
うる酸性基を有するモノマーが挙げられるが、その他に
も、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、ア
ルコキシ基、シアノ基、などの非イオン性の基を有する
親水性モノマーを用いることもできる。本発明におい
て、特に有用な親水性モノマーの具体例としては、次の
モノマーを挙げることが出来る。例えば、(メタ)アク
リル酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イ
タコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン酸
塩、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3
−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およ
びアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金
属塩およびアミン塩、ビニルスチレンスルホン酸もしく
はそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチ
レン(メタ)アクリレート、3−スルホプロピレン(メ
タ)アクリレートもしくはそのアルカリ金属塩およびア
ミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ア
シッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、アリルアミンもしくはそのハロ
ゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、
リン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、2−トリメチル
アミノエチル(メタ)アクリレートもしくはそのハロゲ
ン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リ
ン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、などを使用するこ
とができる。また2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール
(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)ア
クリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセ
トアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸
塩、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートなども有用である。 【0014】(親水性マクロマー)本発明で使用される
親水性マクロマーのうち特に有用なものは、アクリル
酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有のモノマー
から誘導されるマクロマー、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、ビニルスチレンスルホン
酸、およびその塩のモノマーから誘導されるスルホン酸
系マクロマー、アクリルアミド、メタクリルアミドなど
のアミド系マクロマー、N−ビニルアセトアミド、N−
ビニルホルムアミドなどのN−ビニルカルボン酸アミド
モノマーから誘導されるアミド系マクロマー、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、グリセロールモノメタクリレートなどの水酸基含有
モノマーから誘導されるマクロマー、メトキシエチルア
クリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレ
ート、ポリエチレングリコールアクリレートなどのアル
コキシ基もしくはエチレンオキシド基含有モノマーから
誘導されるマクロマーである。またポリエチレングリコ
ール鎖もしくはポリプロピレングリコール鎖を有するモ
ノマーも本発明のマクロマーとして有用に使用すること
ができる。これらのマクロマーのうち有用な分子量は4
00〜10万の範囲、好ましい範囲は1000〜5万、
特に好ましい範囲は1500〜2万の範囲である。分子
量が400以下では効果を発揮できず、また10万以上
では主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性が悪くな
る。 【0015】また、本発明の親水性グラフトポリマーは
側鎖にシランカップリング基を有することが必要であ
り、このため、シランカップリング基を有する構造単位
を前記親水性マクロマーを共重合させてグラフトポリマ
ーを得ることが好ましい。シランカップリング基を有す
る構造単位としては、側鎖或いは末端にシランカップリ
ング基を有する親水性モノマー、マクロマー等が挙げら
れる。ここで導入可能なシランカップリング基として
は、下記一般式(I)に示すような官能基を例示するこ
とができる。 【0016】 【化1】 【0017】上記一般式(I)において、R1、及び、
2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数8以下の炭
化水素基を表す。炭化水素基としては、アルキル基、ア
リール基などが挙げられ、炭素数8以下の直鎖、分岐又
は環状のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、
イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘ
キシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル
基、シクロペンチル基等が挙げられる。R1、及びR
2は、効果及び入手容易性の観点から、好ましくは水素
原子、メチル基又はエチル基である。 【0018】本発明に係る親水性グラフトポリマーに
は、前記した2つの構造単位、即ち、親水性の官能基を
有するマクロマーとシランカップリング基を有する構造
単位の他、さらに他の親水性モノマーを共重合させるこ
とができる。ここで共重合可能な親水性モノマーとして
は、先に親水性マクロマーの形成に有用なものとして例
示した親水性モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸も
しくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸
もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン酸塩、アリル
アミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプ
ロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン
塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およ
びアミン塩、ビニルスチレンスルホン酸もしくはそのア
ルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチレン(メ
タ)アクリレート、3−スルホプロピレン(メタ)アク
リレートもしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸も
しくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、アシッドホ
スホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水
素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、
アミノ基もしくはそれらの塩、2−トリメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレートもしくはそのハロゲン化水素
酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、ア
ミノ基もしくはそれらの塩、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノ
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール
(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−
ビニルアセトアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲ
ン化水素酸塩、ポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。 【0019】これらの親水性マクロマーを合成後、本発
明に係る親水性グラフト鎖が導入された架橋親水層を作
成する一つの方法としては、上記の親水性マクロマーと
シランカップリング基を有する他の構造単位とを共重合
させ、グラフト共重合ポリマーを合成し、その後、合成
したグラフト共重合ポリマーを塗布し、加水分解して、
支持体上に塗布し、乾燥時の熱により架橋させ作成する
方法が挙げられる。この場合、架橋剤を導入することが
好ましく、架橋剤の導入によって、より高強度な親水層
を作成することができる。 【0020】ここで得られる親水性の官能基を有するマ
クローとシランカップリング基を有する構造単位との共
重合体である親水性グラフトポリマーは新規な高分子化
合物であり、運動性に優れた親水性グラフト鎖と、ゾル
ゲル架橋層と相互作用する反応サイトであるシランカッ
プリング基を分子内に複数有するため、本発明にかかる
親水性部材の形成に有用である。 【0021】前記のような、親水性の官能基とシランカ
ップリング基とを有する親水性グラフト鎖とゾルゲル架
橋構造とを備える親水性層は、例えば、前記したような
親水性の官能基を有するマクローとシランカップリング
基を有する構造単位との共重合体である親水性グラフト
ポリマー(以下、適宜、特定親水性ポリマーと称す
る)、好ましくは、さらに、下記一般式(II)で表され
る加水分解性化合物を含有する親水性塗布液組成物を調
製し、それを塗布、乾燥して製膜することにより容易に
形成し得る。 【0022】 【化2】 【0023】式(II)中、R6及びR7はそれぞれ独立に
アルキル基又はアリール基を表し、XはSi、Al、T
i又はZrを表し、mは0〜2の整数を表す。ここで用
いられる前記一般式(II)で表される加水分解性化合物
(以下、適宜、単に、加水分解性化合物と称する)は、
その構造中に重合性の官能基を有し、架橋剤としての機
能を果たす加水分解重合性化合物であり、前記特定親水
性ポリマーと縮重合することで、架橋構造を有する強固
な皮膜を形成する。前記一般式(II)中、R6は水素原
子、アルキル基又はアリール基を表し、R7はアルキル
基又はアリール基を表し、XはSi、Al、Ti又はZ
rを表し、mは0〜2の整数を表す。R6及びR7がアル
キル基を表す場合の炭素数は好ましくは1から4であ
る。アルキル基又はアリール基は置換基を有していても
よく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アミ
ノ基、メルカプト基などが挙げられる。なお、この化合
物は低分子化合物であり、分子量1000以下であるこ
とが好ましい。 【0024】以下に、一般式(II)で表される加水分解
性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定され
るものではない。XがSiの場合、即ち、加水分解性化
合物中にケイ素を含むものとしては、例えば、トリメト
キシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジエチルジエトキシシラン、γ−クロロプリ
ピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリプロポキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げるこ
とができる。これらのうち特に好ましいものとしては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチル
トルイメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げること
ができる。 【0025】また、XがAlである場合、即ち、加水分
解性化合物中にアルミニウムを含むものとしては、例え
ば、トリメトキシアルミネート、トリエトキシアルミネ
ート、トリプロポキシアルミネート、テトラエトキシア
ルミネート等を挙げることができる。XがTiである場
合、即ち、チタンを含むものとしては、例えば、トリメ
トキシチタネート、テトラメトキシチタネート、トリエ
トキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラ
プロポキシチタネート、クロロトリメトキシチタネー
ト、クロロトリエトキシチタネート、エチルトリメトキ
シチタネート、メチルトリエトキシチタネート、エチル
トリエトキシチタネート、ジエチルジエトキシチタネー
ト、フェニルトリメトキシチタネート、フェニルトリエ
トキシチタネート等を挙げることができる。XがZrで
ある場合、即ち、ジルコニウムを含むものとしては、例
えば、前記チタンを含むものとして例示した化合物に対
応するジルコネートを挙げることができる。 【0026】〔親水性塗布液の調製〕前記特定親水性ポ
リマーを含む親水性塗布液組成物を調製するにあたって
は、特定親水性ポリマーの含有量は固形分換算で、10
重量%以上、50重量%未満とすることが好ましい。含
有量が50重量%以上になると膜強度が低下する傾向が
あり、また、10重量%未満であると、皮膜特性が低下
し、膜にクラックが入るなどの可能性が高くなり、いず
れも好ましくない。 【0027】また、好ましい態様である親水性塗布液組
成物の調製に加水分解性化合物を添加する場合、加水分
解性化合物の添加量は、特定親水性ポリマー中のシラン
カップリング基に対して、加水分解性化合物中の重合性
基が5mol%以上、さらに10mol%以上となる量
であることが好ましい。架橋剤添加量の上限は親水性ポ
リマーと十分架橋できる範囲内であれば特に制限はない
が、大過剰に添加した場合、架橋に関与しない架橋剤に
より、作製した平版印刷版用支持体の表面がべたついた
り、積層される画像形成層との密着性が低下するなどの
問題を生じる可能性がある。 【0028】シランカップリング基を側鎖に導入してな
る親水性ポリマー、好ましくは、さらに加水分解性化合
物(架橋剤)とを溶媒に溶解し、よく攪拌することで、
これらの成分が加水分解し、重縮合することにより製造
される有機無機複合体ゾル液が本発明に係る親水性塗布
液となり、これによって、高い親水性と高い膜強度を有
する表面親水性層が形成される。有機無機複合体ゾル液
の調製において、加水分解及び重縮合反応を促進するた
めに、酸性触媒または塩基性触媒を併用することが好ま
しく、実用上好ましい反応効率を得ようとする場合、触
媒は必須である。 【0029】触媒としては、酸、あるいは塩基性化合物
をそのまま用いるか、あるいは水またはアルコールなど
の溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触
媒、塩基性触媒と称する)を用いる。溶媒に溶解させる
際の濃度については特に限定はなく、用いる酸、或いは
塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて
適宜選択すればよいが、濃度が高い場合は加水分解、重
縮合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の高い塩基
性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場合
があるため、塩基性触媒を用いる場合、その濃度は水溶
液での濃度換算で1N以下であることが望ましい。 【0030】酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に
限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場
合には乾燥後に塗膜中にほとんど残留しないような元素
から構成される触媒がよい。具体的には、酸性触媒とし
ては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫
酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢
酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式
のRを他元素または置換基によって置換した置換カルボ
ン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸などが挙げ
られ、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモ
ニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類な
どが挙げられる。 【0031】親水性塗布液の調製は、加水分解性化合物
及びシランカップリング基を側鎖に導入してなる特定親
水性ポリマーをエタノールなどの溶媒に溶解後、上記触
媒を加え、攪拌することで実施できる。反応温度は室温
〜80℃であり、反応時間、即ち攪拌を継続する時間は
1〜72時間の範囲であることが好ましく、この攪拌に
より両成分の加水分解・重縮合を進行させて、有機無機
複合体ゾル液を得ることができる。 【0032】前記特定親水性ポリマー及び、好ましくは
加水分解性化合物を含有する親水性塗布液組成物を調製
する際に用いる溶媒としては、これらを均一に、溶解、
分散し得るものであれば特に制限はないが、例えば、メ
タノール、エタノール、水等の水系溶媒が好ましい。 【0033】以上述べたように、本発明に係る親水性層
を形成するための有機無機複合体ゾル液(親水性塗布液
組成物)の調製はゾルゲル法を利用している。ゾルゲル
法については、作花済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)
アグネ承風社(刊)(1988年〕、平島硯「最新ゾル
−ゲル法による機能性薄膜作成技術」総合技術センター
(刊)(1992年)等の成書等に詳細に記述され、そ
れらに記載の方法を本発明に係る親水性塗布液組成物の
調製に適用することができる。 【0034】本発明に係る親水性塗布液組成物には、本
発明の効果を損なわない限りにおいて、種々の添加剤を
目的に応じて使用することができる。例えば、塗布液の
均一性を向上させるため界面活性剤などを添加すること
ができる。 【0035】本発明の表面平版印刷版用支持体は、前記
親水性塗布液組成物を、適切な基材上に塗布し、加熱、
乾燥して表面親水性層を形成することで得ることができ
る。親水性層形成のための加熱温度と加熱時間は、ゾル
液中の溶媒が除去され、強固な皮膜が形成できる温度と
時間であれば特に制限はないが、製造適性などの点から
加熱温度は200℃以下であることが好ましく、架橋時
間は1時間以内が好ましい。 【0036】本発明における優れた親水性とは、水との
接触角に換算して10゜以下の水濡れ性を呈する状態を
いう。PCT/JP96/00733号に示したよう
に、部材表面が水との接触角に換算して10゜以下の状
態であれば、水が個々の水滴を形成せずに一様な水膜に
なる傾向が顕著になる。接触角の測定方法は、公知の方
法が適用でき、例えば、協和界面科学(株)製、CA−
Zなどの市販の装置を用いて接触角(空中水滴)を測定
する方法などを適用することができる。この方法で、拡
張濡れが観察されれば、本発明の好ましい親水性が達成
されていると判断することができる。 【0037】〔画像形成層〕本発明の平版印刷版用支持
体上に画像形成層を形成することで、平版印刷版原版を
得ることができる。本発明の平版印刷版用支持体に適用
し得る画像形成層としては、特に制限はなく、従来のP
S版、およびフォトレジストの分野で公知のポジ型又は
ネガ型の感光性画像形成層を適宜、使用することができ
る。 【0038】(画像形成層)本発明の平版印刷版用支持
体に適用し得る画像形成層としては、特に制限はなく、
従来のPS版、およびフォトレジストの分野で公知のポ
ジ型又はネガ型の感光性画像形成層を適宜、使用するこ
とができる。本発明において、親水性表面上に設けられ
る画像形成層(感光性層若しくは感熱性層)は、ポジ作
用感応性組成物又はネガ作用感応性組成物を含有してな
る。 【0039】(ポジ作用感応性組成物)本発明に用い得
るポジ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公知
のポジ作用感応性組成物[(a)〜(d)]が好適なも
のとして挙げられる。 (a)ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂とを含有
してなる従来から用いられているコンベンショナルポジ
作用感光性組成物。 (b)水不溶性かつアルカリ可溶性の高分子化合物およ
び光熱変換剤を含み,光または熱の作用によりアルカリ
性水溶液に対する溶解性が増大するレーザー感応性ポジ
組成物。 (c)熱分解性スルホン酸エステルポリマーもしくは酸
分解性カルボン酸エステルポリマーと赤外線吸収剤とを
含有してなるレーザー感応性ポジ組成物。 (d)酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性化合物と
酸発生剤とを含有してなる化学増幅型ポジ作用感光性組
成物。 【0040】上記(a)〜(d)で示したポジ作用感応
性組成物で用いられる化合物を以下に説明する。 (a)ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂とを含有
してなる従来から用いられているコンベンショナルポジ
作用感光性組成物に好適なキノンジアジド化合物類とし
ては、o−キノンジアジド化合物を挙げることができ
る。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、
少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物
で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種
々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−
キノンジアジドは熱分解によりアルカリ可溶性化合物の
溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジド自身がア
ルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果によ
り、感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−
キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー
著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley
& Sons.Inc. )第339〜352頁に記載の化合物が
使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物
あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジ
アジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好
適である。また、特公昭43−28403号公報に記載
されているようなベンゾキノン−(1,2)−ジアジド
スルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−
ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−
アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,1
20号及び同第3,188,210号等に記載されてい
るベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロ
ライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−
スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド
樹脂とのエステルも好適に使用される。 【0041】さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジ
ド−4−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹
脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド
−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン
樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の
有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特
許関連の文献に報告があり知られている。例えば、特開
昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開
昭48−63803号、特開昭48−96575号、特
開昭49−38701号、特開昭48−13354号、
特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、
特公昭49−17481号、米国特許第2,797,2
13号、同第3,454,400号、同第3,544,
323号、同第3,573,917号、同第3,67
4,495号、同第3,785,825号、英国特許第
1,227,602号、同第1,251,345号、同
第1,267,005号、同第1,329,888号、
同第1,330,932号、ドイツ特許第854,89
0号等に記載されているものを挙げることができる。 【0042】本発明において、o−キノンジアジド化合
物の含有量は、画像形成層の全固形分中、1〜50重量
%程度であり5〜30重量%が好ましく、10〜30重
量%がさらに好ましい。これらの化合物は単独で使用す
ることができるが、数種の混合物として使用してもよ
い。o−キノンジアジド化合物の含有量が1重量%未満
であると画像の記録性が悪化し、一方、50重量%を超
えると画像部の耐久性が劣化したり感度が低下したりす
る。 【0043】前記(a)の態様に用いられるノボラック
樹脂、および(b)水不溶性かつアルカリ可溶性の高分
子化合物および光熱変換剤を含み,光または熱の作用に
よりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大するレーザ
ー感応性ポジ組成物に用いられる水に不溶であり、且
つ、アルカリ可溶性化合物について説明する。本発明に
おいて、画像形成層を形成する主たる成分である、水に
不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶な高分子化合
物とは、高分子化合物の主鎖又は側鎖に、以下のような
酸基構造を有するものを指す。フェノール性水酸基(−
Ar−OH)、カルボン酸基(−CO3H)、スルホン
酸基(−SO3H)、リン酸基(−OPO3H)、スルホ
ンアミド基(−SO2NH−R)、置換スルホンアミド
系酸基(活性イミド基)(−SO2NHCOR、−SO2
NHSO2R、−CONHSO2R)。ここで、Arは置
換基を有していてもよい2価のアリール基を表し、Rは
置換基を有していてもよい炭化水素基を有する。なかで
も、好ましい酸基として、(a−1)フェノール性水酸
基、(a−2)スルホンアミド基、(a−3)活性イミ
ド基が挙げられ、特に(a−1)フェノール性水酸基を
有するアルカリ水溶液可溶性樹脂(以下、「フェノール
性水酸基を有する樹脂」という。)が最も好ましく用い
ることができる。 【0044】(a−1)フェノール性水酸基を有する高
分子化合物としては、例えば、フェノールとホルムアル
デヒドとの縮重合体(以下、「フェノールホルムアルデ
ヒド樹脂」という。)、m−クレゾールとホルムアルデ
ヒドとの縮重合体(以下、「m−クレゾールホルムアル
デヒド樹脂」という。)、p−クレゾールとホルムアル
デヒドとの縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホル
ムアルデヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾール
(m−、p−、またはm−/p−混合のいずれでもよ
い)とホルムアルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹
脂、および、ピロガロールとアセトンとの縮重合体を挙
げることができる。あるいは、フェノール基を側鎖に有
するモノマーを共重合させた共重合体を用いることもで
きる。用いるフェノール基を有するモノマーとしては、
フェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、また
はヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的には、N
−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−
(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒ
ドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒド
ロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロ
キシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェ
ニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレー
ト、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロ
キシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニル
メタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレー
ト、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフ
ェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシ
フェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキ
シフェニル)エチルメタクリレート、2−(N'−(4
−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルアクリレー
ト、2−(N'−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイ
ド)エチルメタクリレート等を好適に使用することがで
きる。 【0045】高分子の重量平均分子量は5.0×102
〜2.0×105で、数平均分子量が2.0×102
1.0×105のものが、画像形成性の点で好ましい。
また、これらの樹脂を単独で用いるのみならず、2種類
以上を組み合わせて使用してもよい。組み合わせる場合
には、米国特許第4123279号明細書に記載されて
いるような、t−ブチルフェノールとホルムアルデヒド
との縮重合体や、オクチルフェノールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体のような、炭素数3〜8のアルキル基を
置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの
縮重合体を併用してもよい。 【0046】更に、米国特許第4123279号明細書
に記載されているように、t−ブチルフェノールホルム
アルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド
樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基とし
て有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併
用してもよい。かかるフェノール性水酸基を有する樹脂
は、1種類あるいは2種類以上を組み合わせて使用して
もよい。 【0047】(a−2)スルホンアミド基を有するアル
カリ水可溶性高分子化合物の場合、この高分子化合物を
構成する主たるモノマーである(a−2)スルホンアミ
ド基を有するモノマーとしては、1分子中に、窒素原子
上に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホンアミ
ド基と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有す
る低分子化合物からなるモノマーが挙げられる。その中
でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキシ基
と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基または置
換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好まし
い。具体的には、m−アミノスルホニルフェニルメタク
リレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタ
クリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)
アクリルアミド等を好適に使用することができる。 【0048】(a−3)活性イミド基を有するアルカリ
水可溶性高分子化合物の場合、活性イミド基を分子内に
有するものであり、この高分子化合物を構成する主たる
モノマーであるこのような化合物としては、具体的に
は、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミ
ド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等
を好適に使用することができる。 【0049】本発明において、これらのノボラック樹脂
を含むアルカリ可溶性化合物の含有量は、画像形成層の
全固形分中、10〜90重量%程度であり、20〜85
重量%が好ましく、30〜80重量%がさらに好まし
い。アルカリ可溶性化合物の含有量が10重量%未満で
あると画像形成層の耐久性が悪化し、また、90重量%
を越えると感度、耐久性の両面で好ましくない。また、
これらのアルカリ可溶性化合物は、1種類のみで使用し
てもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用し
てもよい。 【0050】(b)などの画像形成層に用いられる光熱
変換物質について説明する。平版印刷版用原版をIRレ
ーザーなどで画像記録する場合には、該光エネルギーを
熱エネルギーに変換するための光熱変換物質を含有する
ことが好ましい。光熱変換物質は、必ずしも画像形成層
に含まれていなくてもよく、平版印刷版原版のどこかに
含有させておくことにより同様の効果が得られればよ
い。該光熱変換物質を含有させておく部分としては、例
えば、親水性表面、画像形成層、もしくは支持体の親水
性表面と画像形成層との間に別の層を設け、そこに添加
してもよい。 【0051】ここで使用し得る光熱変換物質としては、
紫外線、可視光線、赤外線、白色光線等の光を吸収して
熱に変換し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カー
ボンブラック、カーボングラファイト、顔料、フタロシ
アニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸
化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム等が挙げられ
る。特に、好ましいのは、波長760nmから1200
nmの赤外線を有効に吸収する染料、顔料または金属で
ある。 【0052】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ま
しい染料としては、例えば、特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,
875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。 【0053】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ
(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別
の染料の例として、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特
に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げ
られる。 【0054】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。 【0055】これらの染料又は顔料は、光熱変換物質含
有層全固形分の0.01〜50重量%、好ましくは0.
1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜1
0重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量
%の割合で使用することができる。顔料又は染料の添加
量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また
50重量%を越えると光熱変換物質含有層の膜強度が弱
くなる。 【0056】また、前記(c)熱分解性スルホン酸エス
テルポリマーもしくは酸分解性カルボン酸エステルポリ
マーと赤外線吸収剤とを含有してなるレーザー感応性ポ
ジ組成物に仕様し得る熱分解性スルホン酸エステルポリ
マーもしくは酸分解性カルボン酸エステルポリマーとし
ては、特開平10−282672号,EP652483
号、特開平6−502260号に記載のスルホン酸エス
テルポリマー,およびカルボン酸エステルポリマーを使
用することができる。具体的なポリマーとしては、ポリ
スチレンスルホン酸シクロヘキシルエステル、ポリスチ
レンスルホン酸イソプロピルエステル、ポリスチレンス
ルホン酸1-メトキシ-2ープロピルエステル、などの2
級スルホン酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸t-ブ
チルエステル、ポリメタクリル酸テトラヒドロピラニル
エステルなど酸分解性基で保護されたアクリル酸エステ
ルなどを挙げることができる。また、赤外線吸収剤とし
ては、先に光熱変換物質として挙げた化合物中、赤外線
領域に吸収を有するものを本態様でも使用することがで
きる。 【0057】前記(d)酸分解性基で保護されたアルカ
リ可溶性化合物と酸発生剤とを含有してなる化学増幅型
ポジ作用感光性組成物における、酸分解性基で保護され
たアルカリ可溶性化合物とは、酸の作用により分解して
アルカリ可溶性となる化合物を指す。酸分解性基として
は、t−ブチルエステル、t−ブチルカーバーメート、
アルコキシエチルエステルなど良く知られた保護基を使
用することができる。また、酸発生剤とは、熱若しくは
光により酸を発生する化合物であり、一般的には、光カ
チオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色
素類の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用
されている公知の光により酸を発生する化合物及びそれ
らの混合物等を挙げることができ、これらを適宜選択し
て使用することができる。たとえばジアゾニウム塩など
のオニウム塩、ハロゲン化物、スルホン酸エステルなど
を挙げることができる.本発明において、酸発生剤の添
加量は、画像形成層の全固形分に対し、通常0.001
〜40重量%程度であり、0.01〜20重量%が好ま
しく、0.1〜5重量%がさらに好ましい。 【0058】(ネガ作用感応性組成物)本発明におい
て、ネガ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公
知のネガ作用感応性組成物((e)〜(h))を用いる
ことができる。 (e)光架橋性基を有するポリマー、アジド化合物を含
有してなるネガ作用感応性組成物。 (f)ジアゾ化合物を含有してなるネガ作用感応性組成
物。 (g)光もしくは熱重合開始剤、付加重合性不飽和化合
物,アルカリ可溶性高分子化合物を含有してなる光もし
くは熱重合性ネガ作用感応性組成物。 (h)アルカリ可溶性高分子化合物、酸発生剤、酸架橋
性化合物を含有してなるネガ作用感応性組成物。 【0059】上記(e)〜(h)で示したネガ作用感応
性組成物で用いられる化合物を以下に説明する。 (e)光架橋性基を有するポリマー、アジド化合物を含
有してなるネガ作用感応性組成物に用いられる光架橋性
基を有するポリマーは、水性アルカリ現像液に対して親
和性を持つ光架橋性基を有するポリマーが好ましく、例
えば、US5064747号に記載び分子の主鎖又は側
鎖に−CH=CH−CO−のような光架橋性基を有する
ポリマー;特公昭54−15711号に記載の桂皮酸基
とカルボキシル基を有する共重合体;特開昭60−16
5646号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂;特開昭60−2
03630号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフ
ェノール性水酸基を有するポリエステル樹脂;特公昭5
7−42858号に記載のフェニレンジアクリル酸残基
とナトリウムイミノジスルホニル基を有するポリエテル
樹脂;特開昭59−208552号に記載の側鎖にアジ
ド基とカルボキシル基を有する重合体等が使用できる。
本発明において、光架橋性基を有するポリマーの含有量
は、画像形成層の全固形分中、5〜100重量%程度で
あり、10〜95重量%が好ましく、20〜90重量%
が好ましい。 【0060】また、(e)の態様に用いられるアジド化
合物としては、2,6−ビス(4−アジドベンザール)
−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジ
フェニルスルフィド等が挙げられる。本発明において、
アジド化合物の含有量は、画像形成層の全固形分中、5
〜95重量%程度であり、10〜90重量%が好まし
く、20〜80重量%がさらに好ましい。 【0061】(f)ジアゾ化合物を含有してなるネガ作
用感応性組成物に用いられるジアゾ化合物としては、例
えばジアゾジアリールアミンと活性カルボニル化合物と
の縮合物の塩に代表されるジアゾ樹脂が挙げられ、感光
性、水不溶性で、且つ、有機溶剤可溶性のものが好まし
い。特に好適なジアゾ樹脂としては、例えば4−ジアゾ
ジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフェニル
アミン、4−ジアゾ−4’−メチルジフェニルアミン、
4−ジアゾ−3’−メチルジフェニルアミン、4−ジア
ゾ−4’−メトキシジフェニルアミン4−ジアゾ−3−
メチル−4’−エトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ
−3−メトキシジフェニルアミン等とホルムアルデヒ
ド、バラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズ
アルデヒド、4,4’−ビス−メトキシメチルジフェニ
ルエーテル等との縮合物の有機酸塩または無機酸塩であ
る。この際の有機酸としては、例えばメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレ
ンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、プロピルナフタ
レンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2
−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスル
ホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
−5−スルホン酸等が挙げられ、無機酸としては、ヘキ
サフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、チオシアン
酸等が挙げられる。 【0062】更に、特開昭54−30121号公報に記
載の主鎖がポリエステル基であるジアゾ樹脂;特開昭6
1−273538号公報に記載の無水カルボン酸残基を
有する重合体と、ヒドロキシル基を有するジアゾ化合物
を反応してなるジアゾ樹脂;ポリイソシアネート化合物
とヒドロキシル基を有するジアゾ化合物を反応してなる
ジアゾ樹脂等も使用しうる。本発明において、ジアゾ樹
脂の含有量は、画像形成層全固形分に対して、0〜40
重量%程度が好ましい。また必要に応じて、2種以上の
ジアゾ樹脂を併用してもよい。 (g)光もしくは熱重合開始剤、付加重合性不飽和化合
物,アルカリ可溶性高分子化合物を含有してなる光もし
くは熱重合性ネガ作用感応性組成物に用いられる光もし
くは熱重合開始剤及び付加重合性不飽和化合物として
は、付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合物が
挙げられ、分子内に末端エチレン性不飽和結合を少なく
とも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任
意に選択することができる。このような化合物として
は、例えばモノマー、プレポリマー(2量体、3量体等
を含むオリゴマー類)、それらの混合物並びに、このよ
うな不飽和結合を有する構造単位を含む低分子量共重合
体などの化学的形態をもつものが挙げられる。モノマー
およびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸
(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族
多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸
と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。 【0063】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。 【0064】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレ
ート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。 【0065】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリ
エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトール
ジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さ
らに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることが
できる。 【0066】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている、1分子中に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビ
ニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合
性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げら
れる。 【0067】 CH2=C(R3)COOCH2CH(R4)OH (A) (ただし、R3およびR4はHあるいはCH3を示す。) 【0068】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号に記載されているようなウレタンアク
リレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−
43191号、特公昭52−30490号各公報に記載
されているようなポリエステルアクリレート類、エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアク
リレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート
を挙げることができる。さらに日本接着協会誌vol.
20、No.7、300〜308ページ(1984年)
に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されて
いるものも使用することができる。付加重合性不飽和化
合物の含有量は、画像形成層全固形分に対して、5〜9
5重量%程度であり、5〜80重量%が好ましい。 【0069】本発明に係る画像形成層に含有される光
(熱)重合開始剤としては、使用する光源の波長によ
り、特許、文献等で公知である種々の光(熱)開始剤、
あるいは2種以上の開始剤の併用系(開始系)を適宜選
択して使用することができる。 【0070】400nm以上の可視光線、Arレーザ
ー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレー
ザーを光源とする場合にも、種々の光開始系が提案され
ており、例えば、米国特許第2,850,445号に記
載のある種の光還元性染料、例えばローズベンガル、エ
オシン、エリスロシンなど、あるいは、染料と開始剤と
の組み合わせによる系、例えば、染料とアミンの複合開
始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビ
イミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公
昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾー
ルとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特
公昭47−2528号、特開昭54−155292
号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系
(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロ
シアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3
−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−11268
1号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、
スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−1402
03号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−15
04号、特開昭59−140203号、特開昭59−1
89340号、特開昭62−174203号、特公昭6
2−1641号、米国特許第4766055号)、染料
と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−258903
号、特開平2−63054号など)、染料とボレート化
合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−
150242号、特開昭64−13140号、特開昭6
4−13141号、特開昭64−13142号、特開昭
64−13143号、特開昭64−13144号、特開
昭64−17048号、特開平1−229003号、特
開平1−298348号、特開平1−138204号な
ど)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系
(特開平2−179643号、特開平2−244050
号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭
63−221110号)、チタノセンとキサンテン色素
さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能
なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4
−221958号、特開平4−219756号)、チタ
ノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−29
5061号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する色
素の系(特開平8−334897号)等を挙げることが
できる。 【0071】また特に露光合源として赤外線レーザーを
用いる場合には開始剤として光熱変換剤とラジカル発生
剤との組み合わせが使用される.この際のラジカル発生
剤として好ましい化合物はオニウム塩が挙げられ,具体
的にはヨードニウム塩,ジアゾニウム塩,スルホニウム
塩である。これらの重合開始剤の使用量は、エチレン性
不飽和化合物100重量部に対し、0.05〜100重
量部、好ましくは0.1〜70重量部、更に好ましくは
0.2〜50重量部の範囲で用いることができる。 【0072】光重合開始剤の含有量は、画像形成層全固
形分に対して、1〜80重量%程度であり、5〜50重
量%が好ましい。 【0073】(h)アルカリ可溶性高分子化合物、酸発
生剤、酸架橋性化合物を含有してなるネガ作用感応性組
成物に用いられる酸架橋性化合物とは、酸の存在下で架
橋する化合物を指し、例えば、ヒドロキシメチル基、ア
セトキシメチル基、若しくはアルコキシメチル基でポリ
置換されている芳香族化合物及び複素環化合物が挙げら
れるが、その中でも好ましい例として、フェノール類と
アルデヒド類を塩基性条件下で縮合させた化合物が挙げ
られる。前記の化合物のうち好ましいものとしては、例
えば、フェノールとホルムアルデヒドを前記のように塩
基性条件下で縮合させた化合物、同様にして、m−クレ
ゾールとホルムアルデヒドから得られる化合物、ビスフ
ェノールAとホルムアルデヒドから得られる化合物、
4,4’−ビスフェノールとホルムアルデヒドから得ら
れる化合物、その他、GB第2,082,339号にレ
ゾール樹脂として開示された化合物等が挙げられる。こ
れらの酸架橋性化合物は、重量平均分子量が500〜1
00,000で数平均分子量が200〜50,000の
ものが好ましい。 【0074】他の好ましい例としては、EP−A第0,
212,482号に開示されているアルコキシメチル又
はオキシラニルメチル基で置換された芳香族化合物、E
P−A第0,133,216号、DE−A第3,63
4,671号、DE第3,711,264号に開示され
た単量体及びオリゴマーメラミン−ホルムアルデヒド縮
合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第
0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化合
物等がある。さらに他の好ましい例は、例えば、少なく
とも2個の遊離N−ヒドロキシメチル、N−アルコキシ
メチル又はN−アシルオキシメチル基を有するメラミン
−ホルムアルデヒド誘導体である。このなかでは、N−
アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。また、低分子
量又はオリゴマーシラノールは、ケイ素含有架橋剤とし
て使用できる。これらの例は、ジメチル−及びジフェニ
ル−シランジオール、並びに既に予備縮合され且つこれ
らの単位を含有するオリゴマーであり、例えば、EP−
A第0,377,155号に開示されたものを使用でき
る。 【0075】(h)の態様において使用される光熱変換
剤は、前記ポジ作用感応性組成物で挙げた光熱変換物質
と同様であり、酸発生剤もまた、前記ポジ作用感応性組
成物で用いられる酸発生剤と同様である。 【0076】(h)の態様において使用されるアルカリ
可溶性高分子化合物は、前記ポジ作用感応性組成物にお
いて挙げたアルカリ可溶性高分子化合物と同様であり、
その他にも、以下に挙げる高分子化合物を使用すること
ができる。側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例
えば特開昭59−44615号、特公昭54−3432
7号、特公昭58−12577号、特公昭54−259
57号、特開昭54−92723号、特開昭59−53
836号、特開昭59−71048号に記載されている
もの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共
重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マ
レイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体
等がある。また同様に、側鎖にカルボン酸基を有する酸
性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付
加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用で
ある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレー
ト/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重
合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)ア
クリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の
付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。こ
の他に水溶性有機高分子として、ポリピニルピロリドン
やポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮
膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン
とエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
また特公平7−120040号、特公平7−12004
1号、特公平7−120042号、特公平8−1242
4号、特開昭63−287944号、特開昭63−28
7947号、特開平1−271741号、特開平11−
352691号に記載のポリウレタン樹脂も本発明の用
途には有用である。これら高分子重合体は側鎖にラジカ
ル反応性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上
させることができる。付加重合反応し得る官能基として
エチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、
又光照射によりラジカルになり得る官能基としては、メ
ルカプト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構
造、オニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル
基、イミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る
官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アリル
基、スチリル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ま
しいが、又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐
酸基、カルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド
基、ウレイレン基、スルフォン酸基、アンモニオ基から
選ばれる官能基も有用である。 【0077】画像形成層の現像性を維持するため、層形
成に用いられる高分子重合体は適当な分子量、酸価を有
することが好ましい。一般的には、重量平均分子量が5
000から30万で、酸価0.2〜5.0meq/gの
高分子重合体を使用することが好ましい。これらの有機
高分子重合体は全組成中に任意な量を混和させることが
できる。しかし90重量%を超える場合には、形成され
る画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましく
は10〜90%、より好ましくは30〜80%である。
また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と有機高分子
重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好
ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更
に好ましくは3/7〜7/3である。 【0078】〔その他の成分〕本発明に係る画像形成層
には、種々の平版印刷版の特性を得るため、必要に応じ
て上記以外に種々の化合物を添加してもよい。 【0079】本発明の支持体を用いた平版印刷原版の画
像形成層には、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像
の着色剤として使用することができる。具体的にはオイ
ルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイル
ピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーB
OS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オ
イルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オ
リエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブル
ー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチ
ルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレッ
ト、ローダミンB(CI145170B)、マラカイト
グリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI5
2015)など、あるいは特開昭62−293247号
公報に記載されている染料を挙げることができる。これ
らの染料は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつ
きやすいので、添加する方が好ましい。尚、添加量は、
画像形成層の全固形分に対し、0.01〜10重量%の
割合である。 【0080】また、本発明に係る画像形成層には、現像
条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−
251740号公報や特開平3−208514号公報に
記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59
−121044号公報、特開平4−13149号公報に
記載されているような両性界面活性剤を添加することが
できる。非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビ
タントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、
ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリ
ド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙
げられる。両性活性剤の具体例としては、アルキルジ
(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチル
グリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN
−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名
アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。上
記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の平版印刷原
版の画像形成層に占める割合は、0.05〜15重量%
が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。 【0081】更に本発明に係る画像形成層には必要に応
じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられ
る。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコー
ル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジへキシル、フタル酸ジオクチル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオ
クチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸又はメタアクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用
いられる。 【0082】これら以外にも、前述のオニウム塩やハロ
アルキル置換されたs−トリアジン、及びエポキシ化合
物、ビニルエーテル類、さらには特願平7−18120
号に記載のヒドロキシメチル基を持つフェノール化合
物、アルコキシメチル基を有するフェノール化合物等を
添加してもよい。 【0083】本発明において、画像形成層は、通常前記
各成分を溶媒に溶かして、前記親水性層或いは支持体の
親水性表面上に塗布することにより形成される。ここで
使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキ
シエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセ
テート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラ
クトン、トルエン、水等をあげることができるがこれに
限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは
混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む
全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%であ
る。また塗布、乾燥後に得られる親水性層上の塗布量
(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷原版に
ついていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好まし
い。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大に
なるが、画像記録膜の皮膜特性は低下する。塗布する方
法としては、種々の方法を用いることができるが、例え
ば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カー
テン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード
塗布、ロール塗布等を挙げることができる。 【0084】本発明における平版印刷原版の画像形成層
には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開
昭62−170950号公報に記載されているようなフ
ッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添
加量は、画像形成層の全固形分中、0.01〜1重量%
さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。 【0085】(支持体基板)本発明の支持体は、平版印
刷版原版に使用されるため、寸度的に安定な板状物を基
材とする必要があり、親水性表面を形成することから、
必要な強度、耐久性、可撓性などの特性を有するものを
選択することが好ましい。例えば、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)
がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラ
ミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチッ
クフィルム等が含まれる。本発明の支持体としては、ポ
リエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、そ
の中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニ
ウム板は特に好ましい。 【0086】好適なアルミニウム板は、純アルミニウム
板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む
合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは
蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウ
ム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。本発明において特に好適なアル
ミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なア
ルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに
異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適
用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるもの
ではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を
適宜に利用することができる。本発明で用いられるアル
ミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.3mmである。 【0087】基材として使用するアルミニウム板には必
要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの表面処理を
行なっても良い。このような表面処理について簡単に説
明する。アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望に
より、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性
剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理
が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種
々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化す
る方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化
学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械
的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラス
ト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることが
できる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は
硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。ま
た、特開昭54−63902号公報に開示されているよ
うに両者を組み合わせた方法も利用することができる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じて
アルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望に
より表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処
理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いら
れる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の
電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚
酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それ
らの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められ
る。 【0088】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であ
ったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、
印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚
れ」が生じ易くなる。 【0089】他の好ましい態様であるポリエステルフィ
ルム等のプラスチックフィルムを用いる場合には、親水
性表面の形成性、或いは、その上に設けられる記録層と
の密着性の観点から、親水性表面が形成される面が粗面
化されたものを用いることが好ましい。以下に、本発明
で用いられる支持体表面(固体表面)の好ましい表面性
状の例について説明する。本発明に用いられる支持体機
材の好ましい粗面化の状態としては、2次元粗さパラメ
ータの中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1μm、最大
高さ(Ry)が1〜10μm、十点平均粗さ(Rz)が
1〜10μm、凹凸の平均間隔(Sm)が5〜80μ
m、局部山頂の平均間隔(S)が5〜80μm、最大高
さ(Rt)が1〜10μm、中心線山高さ(Rp)が1
〜10μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜10μmの範
囲が挙げられ、これらのひとつ以上の条件を満たすもの
が好ましく、全てを満たすことがより好ましい。 【0090】上記2次元粗さパラメータは以下の定義に
基づくものである。 〔中心線平均粗さ(Ra)〕粗さ曲線から中心線の方向
に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線
と粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値。 〔最大高さ(Ry)〕粗さ曲線からその平均線の方向に
基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷
底線の間隔を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。 〔十点平均粗さ(Rz)〕粗さ曲線からその平均値の方
向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線
から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目
までの山頂の標高(YP)の絶対値の平均値と、最も低
い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の
平均値との和をマイクロメートル(μm)で表した値。 〔凹凸の平均間隔(Sm)〕粗さ曲線からその平均線の
方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分におい
て一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均
線の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をマ
イクロメートル(μm)で表した値。 【0091】〔局部山頂の平均間隔(S)〕粗さ曲線か
らその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き
取り部分において隣り合う局部山頂間に対応する平均線
の長さを求め、この多数の局部山頂の間隔の算術平均値
をマイクロメートル(μm)で表した値。 〔最大高さ(Rt)〕粗さ曲線から基準長さだけ抜き取
った部分の中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟ん
だときの2直線の間隔の値。 〔中心線山高さ(Rp)〕粗さ曲線からその中心線方向
に測定長さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に
平行で最高の山頂を通る直線との間隔の値。 〔中心線谷深さ(Rv)〕粗さ曲線からその中心線方向
に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中
心線に平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。 【0092】このようにして得られた平版印刷版原版
は、常法により、像様露光、現像され、平版印刷版とな
る。本発明の平版印刷版用支持体は、優れた親水性表面
を有し、長時間にわたり高い親水性を維持しうるため、
所望の画像形成層を設けて平版印刷版原版とした場合、
画像形成層の構成に係わらず、非画像部に汚れのない優
れた印刷物が多数枚得られる。 【0093】 【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明の範囲はこれらによって限定されるもので
はない。 〔実施例1〕 〔合成例1:親水性グラフトポリマー(1)の合成〕ア
クリルアミド30g、3−メルカプトプロピオン酸3.
8gをエタノール70gに溶解後、窒素雰囲気下60℃
に昇温し、熱重合性開始剤2,2−アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)300mgを加えて6時間反応し
た。反応後白色沈殿を濾過し、メタノールで十分洗浄し
て、末端カルボン酸プレポリマーを30.8g得た(酸
化0.787meq/g、重量平均分子量1.29×1
3)。得られたプレポリマー20gをジメチルスルホ
キシド62gに溶解し、グリシジルメタクリレート6.
71g、N,N−ジメチルドデシルアミン(触媒)50
4mg、ハイドロキノン(重合禁止剤)62.4mgを
加え、ポリマーを沈殿させ、よく洗浄して末端メタクリ
レートアクリルアミドマクロモノマーを23.4g得
た。(重量平均分子量:1400)。1H−NMR(D2
O)6.12,5.70ppmメタクリロイル基オレフ
ィンピークと、酸価(0.057meq/g)の減少か
ら、末端に重合性基が導入できたことを確認した。 【0094】上記マクロモノマー15g、ジメチルスル
ホキシド53.4gの入ったフラスコに、3−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン1.05g、2,2
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)161
mgをジメチルスルホキシド53.4gに溶解した水溶
液を窒素雰囲気下65℃で2時間かけて滴下した。滴下
終了後、引き続き6時間加熱を続けた。反応溶液をアセ
トンに加えポリマーを沈殿させよく洗浄して、親水性グ
ラフトポリマー(1)14.8gを得た(重量平均分子
量1.30×105)。 【0095】(支持体の作製)厚さ0.3mmのアルミ
ニウム版(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄し
て脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミ
ストン−水懸濁液とを用い、その表面を砂目立てした
後、水でよく洗浄した。この板を45℃の25重量%水
酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングし、
水洗後、さらに2重量%硝酸に20秒間浸漬して水洗し
た。この時、砂目立て表面のエッチング量は約3g/m
2であった。次に、この板を7重量%硫酸を電解液とし
て電流密度15A/dm2で、陽極酸化皮膜の厚さが
2.4g/m2になるように、直流陽極酸化皮膜を設け
た後、水洗乾燥して支持体を得た。 【0096】(親水性層の形成)以下の成分を均一に混
合し、20℃で2時間撹拌して加水分解を行い、ゾル状
の親水性塗布液組成物1を得た。 (親水性塗布液組成物1) ・親水性グラフトポリマー(1)(上記合成例1で得られたもの) 0.21g ・テトラメトキシシラン〔架橋成分〕 0.62g ・エタノール 4.70g ・水 4.70g ・硝酸水溶液(1N) 0.10g 【0097】その後上記アルミニウム支持体上に乾燥後
の塗布量が2g/m2となるように塗布し、100℃、
10分加熱乾燥させて有機無機複合体からなる親水性層
を形成し、親水性部剤を得た。得られた平版印刷版用支
持体1の親水性層表面の接触角(空中水滴)を協和界面
科学(株)製、CA−Zを用いて測定したところ、8.
9°であり、優れた親水性を有することが確認された。 【0098】〔画像形成層の形成〕下記の画像形成層塗
布液1をロットバー#15を使用して、前記親水性層の
上に乾燥後の塗布量が、1.0g/m2になるように塗
布し、80℃で2分乾燥してポジ画像形成層を形成し、
実施例1の平版印刷版用原版を得た。 (ポジ型画像形成層塗布液1:スルホン酸エステル系) ・ポリスチレンスルホン酸1−メトキシ−2−プロピルエステル 0.40g ・赤外線吸収性染料I〔下記構造式〕 0.05g ・メチルエチルケトン 4.00g 【0099】 【化3】 【0100】〔平版印刷版原版の評価〕得られたポジ型
平版印刷原版に対して水冷式40W赤外線半導体レーザ
ーを搭載したクレオ社製トレンドセッター3244VF
Sにて、面ドラム回転数100rpm、版面エネルギー
300mJ/m2、解像度2400dpiの条件で画像
露光を行った。光した版を現像処理することなく印刷機
(ハイデルベルグ社製SOR−M)に装着し、そのまま
印刷を開始した。湿し水としてIF201(2.5
%)、IF202(0.75%)(富士写真フイルム
(株)製)を、インキとしてGEOS−G墨(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)を用いた。印刷工程の初期にお
いて非画像部に残存した画像形成層は除去され、高画質
の印刷物が得られた。その後も連続的に印刷を継続した
ところ、本発明の平版印刷版原版は、7,000枚印刷
しても非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られ、優
れた親水性が維持され、また、耐刷性も優れることが分
かった。 【0101】〔実施例2:ネガ型感熱性平版印刷版原
版〕 〔画像形成層の形成〕実施例1で用いたのと同様の支持
体を用い、親水性層上に下記画像形成層塗布液2をロッ
トバー#15を使用して乾燥後の塗布量が1.0g/m
2になるように塗布し、80℃で2分乾燥してネガ型画
像形成層を形成し、実施例2の平版印刷版原版を得た。 (画像形成層塗布液2:ネガ型画像形成塗布液) ・p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/2−ヒドロキシエチル メタクリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/ メタクリル酸=10/20/25/35/10(重量比)の組成 を有する共重合体(重量平均分子量60,000) 5.0g ・下記化学式(I)で表されるジアゾ化合物 (重量平均分子量16,500) 0.5g ・ビクトリアピュアブルーBOH 0.1g ・セルロースエチルエーテル 0.2g ・トリクレジルフォスフェート 0.5g ・メチルセロソルブ 95ml ・水 5ml 【0102】 【化4】【0103】得られたネガ型平版印刷版原版を富士フイ
ルム社製ステップガイドを通して、ジェットプリンター
2000((株)オーク製作所製)にて50秒間露光し
た後、下記現像液−1で現像した。ついでハイデルSO
R−M印刷機で印刷したことろ、印刷工程の初期におい
て非画像部に残存した画像形成層は除去され、高画質の
印刷物が得られた。その後も連続的に印刷を継続したと
ころ、本発明の平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版
により非画像部に汚れのない良好な印刷物が6,000
枚得られ、本発明の支持体を用いた平版印刷版は耐刷性
に優れ、非画像部の高い親水性が維持されていることが
確認された。 【0104】 (現像液−1) ・ベンジルアルコール 30ml ・炭酸ソーダ 5g ・亜硫酸ソーダ 5g ・ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 10g ・水 1L 【0105】〔実施例3:ポジ型平版印刷版原版〕膜厚
188μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(A4100、東洋紡(株)社製)を用い、表面を
コロナ処理したものを支持体とした他は、実施例1と同
様の親水性塗布液組成物1を用いて親水性層を設け、平
版印刷版用支持体2を得た。得られた平版印刷版用支持
体1の親水性層表面の接触角(空中水滴)を協和界面科
学(株)製、CA−Zを用いて測定したところ、9.0
°であり、優れた親水性を有することが確認された。 【0106】上記親水性層上に、下記ポジ型画像形成層
塗布液3をロットバー#15を使用して乾燥後の塗布量
が1.0g/m2となるように塗布し、80℃で2分乾
燥してポジ型画像形成層を形成し、実施例3の平版印刷
版原版を得た。 【0107】 (画像形成層塗布液:スルホン酸エステル系) ・ポリスチレンスルホン酸シクロヘキシルエステル 0.40g ・赤外線吸収性染料I 0.05g ・メチルエチルケトン 4.00g 【0108】〔平版印刷版原版の評価〕得られたポジ型
平版印刷版原版に対して水冷式40W赤外線半導体レー
ザーを搭載したクレオ社製トレンドセッター3244V
FSにて外面ドラム回転数100rpm、版面エネルギ
ー300mJ/m2、解像度2400dpiの条件で画
像露光を行った。露光した版を現像処理することなく印
刷機(ハイデルベルク社製SOR−M)に装着し、その
まま印刷を開始した。湿し水としてIF201(2.5
%)、IF202(0.75%)(富士写真フイルム
(株)製)を、インキとしてGEOS−G墨(大日本イ
ンキ化学工業(株)製)を用いた。印刷工程の初期にお
いて非画像部に残存した画像形成層は除去され、高画質
の印刷物が得られた。その後も連続的に印刷を継続した
ところ、本発明の平版印刷版用支持体を用いた平版印刷
版は、6,000枚印刷しても非画像部に汚れのない良
好な印刷物が得られ、支持体基材にPETフィルムを用
いた場合でも、アルミニウム基材を用いた場合と同様
に、優れた親水性が維持され、また、耐刷性も優れるこ
とが分かった。 【0109】〔実施例4〕 〔合成例2:親水性グラフトポリマー(2)の合成〕合
成例1で得られたマクロモノマー7.5g、ジメチルス
ルホキシド18.1gの入ったフラスコに、メタクリル
アミド0.51g、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン1.05g、2,2−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)90.6mgをジメチルスル
ホキシド18.1gに溶解した溶液を窒素雰囲気下65
℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、引き続き6時
間加熱を続けた。反応溶液をアセトンに加えポリマーを
沈殿させよく洗浄して、親水性グラフトポリマー(2)
8.9gを得た(重量平均分子量1.01×105)。
1−NMR(D2O):6.12、5.70ppmメタ
クリロイル基オレフィンピークの消失と、0.80pp
mメトキシシリル基隣接プロトンピークの出現から親水
性グラフトポリマー(2)が得られたことを確認した。 【0110】実施例1で用いた親水性塗布液組成物1に
おいて、親水性グラフトポリマー(1)に代えて上記合
成例2で得られた親水性グラフトポリマー(2)を用い
た他は実施例1と同様にして平版印刷版用支持体3を得
た。得られた平版印刷版用支持体3の親水性層表面の接
触角(空中水滴)を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、8.5°であり、優れた親水性を有することが確認
された。 【0111】上記平版印刷版用支持体3上に、実施例1
と同様にしてポジ型画像形成層を形成し、実施例4の平
版印刷版原版を得た。得られたポジ型平版印刷版原版に
対して、実施例1と同様の方法で、画像露光を行い、印
刷評価を行なった。印刷工程の初期において非画像部に
残存した画像形成層は除去され、高画質の印刷物が得ら
れた。その後も連続的に印刷を継続したところ、本発明
の平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版は、7,00
0枚印刷しても非画像部に汚れのない良好な印刷物が得
られ、優れた親水性が維持され、また、耐刷性も優れる
ことが分かった。 【0112】〔実施例5〕 〔合成例3:親水性グラフトポリマー(3)の合成〕合
成例1で得られたマクロモノマー7.5g、ジメチルス
ルホキシド18.1gの入ったフラスコに、N−ビニル
アセトアミド0.51g、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン1.05g、2,2−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)90.6mgをジ
メチルスルホキシド18.1gに溶解した溶液を窒素雰
囲気下65℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、引
き続き6時間加熱を続けた。反応溶液をアセトンに加え
ポリマーを沈殿させよく洗浄して、親水性グラフトポリ
マー(3)8.9gを得た(重量平均分子量1.01×
105)。H1−NMR(D2O):6.12、5.70
ppmメタクリロイル基オレフィンピークの消失と、
0.80ppmメトキシシリル基隣接プロトンピークの
出現から親水性グラフトポリマー(3)が得られたこと
を確認した。 【0113】実施例1で用いた親水性塗布液組成物1に
おいて、親水性グラフトポリマー(1)に代えて上記合
成例3で得られた親水性グラフトポリマー(3)を用い
た他は実施例1と同様にして平版印刷版用支持体4を得
た。得られた平版印刷版用支持体4の親水性層表面の接
触角(空中水滴)を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、9.5°であり、優れた親水性を有することが確認
された。 【0114】上記平版印刷版用支持体4上に、実施例1
と同様にしてポジ型画像形成層を形成し、実施例5の平
版印刷版原版を得た。得られたポジ型平版印刷版原版に
対して、実施例1と同様の方法で、画像露光を行い、印
刷評価を行なった。印刷工程の初期において非画像部に
残存した画像形成層は除去され、高画質の印刷物が得ら
れた。その後も連続的に印刷を継続したところ、本発明
の平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版は、7,00
0枚印刷しても非画像部に汚れのない良好な印刷物が得
られ、優れた親水性が維持され、また、耐刷性も優れる
ことが分かった。 【0115】 【発明の効果】本発明によれば、親水性が高く、また、
その持続性に優れた親水性表面を備えることで、特に印
刷汚れ性が改善され、厳しい印刷条件においても、高画
質の印刷物が多数枚得られる平版印刷版用支持体を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AD01 AD03 DA20 DA21 DA36 2H096 AA06 BA01 BA09 CA03 CA05 2H114 AA04 AA22 AA23 AA27 BA02 BA10 DA39 DA41 EA01 EA03 EA04 EA08 GA01

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基材表面に、親水性グラフト鎖を有し、
    且つ、Si、Ti、Zr、Alから選択される金属アル
    コキシドの加水分解、縮重合により形成された架橋構造
    を有する親水性表面を有する平版印刷版用支持体であっ
    て、該親水性表面が、親水性の官能基を有するマクロマ
    ーとシランカップリング基を有する構造単位との共重合
    体である親水性グラフトポリマーを含有することを特徴
    とする平版印刷版用支持体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281629A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版の作製方法

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