JP2002221442A - 車両重量推定装置 - Google Patents

車両重量推定装置

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JP2002221442A JP2001016202A JP2001016202A JP2002221442A JP 2002221442 A JP2002221442 A JP 2002221442A JP 2001016202 A JP2001016202 A JP 2001016202A JP 2001016202 A JP2001016202 A JP 2001016202A JP 2002221442 A JP2002221442 A JP 2002221442A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両重量を精度良く推定すること。 【解決手段】 車両の加速度を検出する加速度検出手段
と、前記車両の駆動力を推定する駆動力推定手段と、前
記検出された加速度と前記推定された駆動力とに基づい
て前記車両の重量を推定する車両重量推定手段とを備え
た車両重量推定装置において、前記車両が降坂路を走行
しているか否かを前記エンジンの発生トルクを増大させ
る指示がなされた時点と前記車両の速度が所定速度より
も大きくなる時点との関係に基づいて判定する降坂路走
行判定手段と、前記車両が降坂路を走行していると判定
された場合に前記車両重量推定手段による車両重量の推
定を無効とする推定無効手段とを備えた。これにより、
降坂時のように、推定精度の良好でない駆動力を用いた
車両重量の推定が行われないので、同車両重量の推定精
度が良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
段の決定などに利用される車両の重量(車重)を推定す
る車両重量推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両用自動変速機の変速制御
装置は、車速とエンジンのスロットル開度(アクセルペ
ダル操作量)とに基づいて達成すべき変速段を決定する
ようになっている。また、搭乗者の人数や積載量等によ
り変動する車両の重量を同車両の加速度及び同車両に加
わる駆動力等を基にして推定するとともに、同推定され
た車両重量を前記変速段の決定等に使用し、降坂路走行
時にエンジンブレーキを有効に発揮させたり、登坂路走
行時の加速性能を向上する変速制御装置も知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術においては、車両に加わる駆動力を用いて車両重量
を推定する条件が十分に検討されていないため、車両重
量の推定精度が良好でないという問題があった。
【0004】
【発明の概要】本発明は、上記課題に対処すべくなされ
たものであって、その特徴は、原動機の発生トルクを流
体式トルクコンバータを介して駆動輪に伝達する車両の
加速度を検出する加速度検出手段と、前記車両の駆動力
を推定する駆動力推定手段と、前記検出された加速度と
前記推定された駆動力とに基づいて前記車両の重量を推
定する車両重量推定手段とを備えた車両重量推定装置に
おいて、前記車両が降坂路を走行しているか否かを判定
する降坂路走行判定手段と、前記車両が降坂路を走行し
ていると判定された場合に前記車両重量推定手段による
車両重量の推定を無効とする推定無効手段とを備えたこ
とにある。
【0005】上記車両重量推定装置は、加速度検出手段
により車両の加速度を検出するとともに、駆動力推定手
段により車両の駆動力を推定し、車両重量推定手段によ
り前記検出された加速度と前記推定された駆動力とに基
づいて車両の重量を推定する。また、降坂路走行判定手
段により車両が降坂路を走行していると判定された場合
には、推定無効手段が前記車両重量推定手段による車両
重量の推定を無効とする。
【0006】降坂路走行時においては、車両の駆動力が
小さく、十分な精度をもって同駆動力を推定することが
困難であるから、降坂路走行時に推定された車両重量は
精度が良好でない場合がある。そこで、降坂路走行時に
推定される車両重量を無効とすることで、車両重量の推
定精度を向上することができる。なお、推定される車両
重量を無効とすることは、車両重量の推定自体を停止す
ること、または車両重量の推定を行うがその結果を最終
的な車両重量としては採用しないことの何れであっても
よい。
【0007】この場合において、前記降坂路走行判定手
段は、前記原動機に対して同原動機の発生トルクを増大
させる指示がなされた時点と、前記車両の速度が所定速
度よりも大きくなる時点との関係に基づいて前記車両が
降坂路を走行しているか否かを判定するように構成され
ることが好適である。
【0008】平坦路及び登坂路の発進時においては、原
動機の発生トルクを増大させる指示(例えば、エンジン
のスロットル開度を増大させること)があった後に車速
が所定速度に到達する。他方、降坂路の発進時において
は、原動機の発生トルクを増大させる指示がなされる前
に車速が所定速度に到達する。従って、上記のように構
成することで、車両が降坂路を走行しているか否かを容
易に判定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両重量推定
装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、この車両重量推定装置を含む変速制御装置を車
両に搭載した例を概略的に示している。この車両は、原
動機としてのエンジン10と、ロックアップクラッチ付
流体式トルクコンバータ20と、2乃至3組の遊星歯車
ユニットなどから構成された有段(ここでは、前進4
段、後進1段)の自動変速機30と、トルクコンバータ
20及び自動変速機30に供給される油圧を制御するた
めの油圧制御回路40と、油圧制御回路40に制御指示
信号を与える電気制御装置50とを含んでいて、図示し
ないアクセルペダルの操作により増減されるエンジン1
0の発生トルクを、ロックアップ付トルクコンバータ2
0、自動変速機30、及び図示しない差動歯車装置(デ
ィファレンシャルギヤ)などを介して駆動輪へ伝達する
ようになっている。
【0010】ロックアップ付トルクコンバータ20は、
エンジン10が発生する動力を流体(作動油)を介して
自動変速機30に伝達する流体式伝達機構21と、この
流体式伝達機構21に対して並列に連結されたロックア
ップクラッチ機構22とからなっている。流体式伝達機
構21は、図示を省略したエンジン10のクランク軸と
一体的に回転するトルクコンバータ入力軸12に連結さ
れたポンプ羽根車21aと、同ポンプ羽根車21aが発
生する作動油の流れにより回転されるとともに自動変速
機30の入力軸31に連結されたタービン羽根車21b
と、図示を省略したステータ羽根車とを含んでいる。ロ
ックアップクラッチ機構22は、ロックアップクラッチ
を含んで構成されていて、接続された油圧制御回路40
による作動油の給排により、トルクコンバータ入力軸1
2と自動変速機30の入力軸31とを同ロックアップク
ラッチにより機械的に結合してこれらを一体的に回転さ
せる係合状態と、前記ロックアップクラッチによる機械
的な結合を解除してエンジン10の発生トルクを自動変
速機30に伝達しない非係合状態とを達成し得るように
なっている。
【0011】自動変速機30は、前記入力軸31と、図
示を省略した車両の駆動輪に差動歯車装置などを介して
連結された出力軸32とを備えていて、接続された油圧
制御回路40による作動油の給排により作動される複数
の油圧式摩擦係合装置の組合わせに応じ、複数の前進変
速段(前進ギヤ段)および後進ギヤ段のうちの1つを選
択的に成立させ、選択されたギヤ段を介して入力軸31
と出力軸32とを一体的に回転させる周知の有段式遊星
歯車装置として構成されている。この自動変速機30
は、1速及び2速を除く変速段(3速,4速)において
駆動輪側からエンジン10を駆動する逆駆動状態(エン
ジンブレーキ状態)が達成されるようになっている。一
方、1速及び2速においては、図示しないワンウエイク
ラッチの作動により前記逆駆動状態が達成されない状態
と、図示しない摩擦係合部材を係合させて前記ワンウエ
イクラッチの機能を非作動とすることで前記逆駆動状態
が達成される状態とに制御され得るようになっている。
【0012】油圧制御回路40は、電気制御装置50か
らの信号によりON−OFF駆動される複数の電磁弁
(図示省略)を含んでいて、前記電磁弁の作動の組み合
わせに基づいてロックアップクラッチ機構22及び自動
変速機30に対する作動油の給排を行うようになってい
る。
【0013】電気制御装置50は、何れも図示を省略し
たCPU、メモリ(ROM,RAM)、及びインタフェ
ースなどから成るマイクロコンピュータであって、スロ
ットル開度センサ61、エンジン回転速度センサ62、
タービン回転速度センサ63、出力軸回転速度センサ6
4、及びブレーキスイッチ65と接続されていて、これ
らのセンサ及びスイッチが発生する信号を入力するよう
になっている。
【0014】スロットル開度センサ61は、エンジン1
0の吸気通路に設けられ図示しないアクセルペダルの操
作に応じて開閉されるスロットルバルブ11の開度を検
出し、同スロットル開度thを表す信号を発生するよう
になっている。エンジン回転速度センサ62は、エンジ
ン10の回転速度を検出し、同エンジン回転速度neを
表す信号を発生するようになっている。タービン回転速
度センサ63は、自動変速機の入力軸31の回転速度を
検出し、同タービン回転速度ntを表す信号を発生する
ようになっている。出力軸回転速度センサ64は、自動
変速機の出力軸32の回転速度を検出し、同出力軸回転
速度(即ち、車速に比例する値)nоを表す信号を発生
するようになっている。ブレーキスイッチ65は、サー
ビスブレーキ用のブレーキペダル70の操作・非操作に
応じて、ハイレベル(「1」)信号及びローレベル信号
(「0」)にそれぞれ変化するブレーキ作動信号stopを
出力するようになっている。
【0015】次に、上記自動変速機の変速制御について
説明する。電気制御装置50は、出力軸回転速度(車
速)nоとスロットル開度thとで構成される図2
(A)に示した変速マップをメモリ内に記憶しており、
検出された出力軸回転速度(車速)nоと検出されたス
ロットル開度thにより定まる点が同変速マップに示さ
れた変速線を横切るとき、同変速線に従う変速を行うよ
うに油圧制御回路40の電磁バルブを制御する。
【0016】同様に、電気制御装置50は、出力軸回転
速度nоとスロットル開度thとで構成される図3に示
したロックアップクラッチ作動マップをメモリ内に記憶
しており、検出された出力軸回転速度nоと検出された
スロットル開度thとが前記ロックアップクラッチ作動
マップのロックアップ領域にあるとき、油圧制御回路4
0の電磁バルブを制御してロックアップクラッチ機構2
2を係合状態とする。
【0017】更に、電気制御装置50は、搭乗人数や荷
物の実積載量に応じて変化する車両重量mを推定してい
て、同車両重量mが所定値m0以上のとき、上記変速マ
ップを図2(A)に示したものから図2(B)に示した
ものに切換えて達成される低速段領域を拡大するととも
に、1速及び2速におけるワンウエイクラッチを非作動
としてエンジンブレーキ効果を発揮させる。なお、この
変速制御は、電気制御装置50のマイクロコンピュータ
が変速制御プログラムを実行することにより達成され
る。
【0018】次に、上記のように構成された電気制御装
置50が実行する車両重量mの推定原理について説明す
る。車両の運動方程式は、車両質量をm、加速度をdv、
車両に働く力のうち道路勾配による力を除いた力をF
(以下、実質駆動力Fと云う。)、道路勾配をΘ、重力
加速度をgとすれば、数1に示した通りとなる。
【0019】
【数1】m・dv=F−m・g・sinΘ
【0020】上記数1の左辺における車両の加速度dv
は、車速の微分値であるあから、車速に対応する出力軸
回転速度nоを微分(時間微分)することで算出され得
る。なお、車両の加速度dvは、車両に搭載された加速度
センサの出力から求めることもできる。
【0021】上記数1の右辺における実質駆動力Fは、
エンジン10の発生するトルクに基いてトルクコンバー
タ20を介して得られる駆動力F0から走行抵抗RLを
差し引くことで求められる。
【0022】上記車両の駆動力F0は、ロックアップク
ラッチが係合状態にある場合、エンジン10のスロット
ル開度th(又は、アクセル操作量、吸入空気量等で表
されるエンジン負荷)とエンジン回転速度neとからエ
ンジン10の出力トルクT0を推定し、この出力トルクT0
に自動変速機30が達成している変速段のギヤ比k1、同
変速段のギヤ効率k2、及び及び差動歯車機構のギヤ効率
k3などの定数を乗じることで求めることができる。この
場合、エンジン10が静的状態(定常状態)で運転され
ていれば、スロットル開度thとエンジン回転速度ne
とから同エンジン10の出力トルクT0をある程度の精度
をもって求めることができる。しかしながら、車両の発
進時においてエンジン10は過渡的状態で運転されるこ
とが殆どであるから、エンジン10の出力トルクT0を精
度良く求めることは一般に困難である。
【0023】一方、ロックアップクラッチが非係合状態
にある場合、即ち、流体式伝達機構21にてトルク伝達
を行っている場合、エンジン10の出力トルクT0に応じ
たトルクコンバータの出力トルクTは下記数2に基づき
求めることができる。下記数2は過渡的な運転状態にあ
っても成立するので、同数2を用いることによりエンジ
ン10の運転時におけるトルクコンバータ20の出力ト
ルクTを精度良く求めることができる。なお、下記数2
において、λは流体式伝達機構21のトルク増幅率であ
り、Cpは同流体式伝達機構21の容量係数である。
【0024】
【数2】T=λ・Cp・ne2
【0025】従って、上記駆動力F0は、下記数3によ
り求めることができる。この数3において、定数kは、
自動変速機30が達成している変速段のギヤ比k1、同変
速段のギヤ効率k2、及び差動歯車機構のギヤ効率k3、及
び補正係数k4の積である。
【0026】
【数3】F0=k・λ・Cp・ne2
【0027】一方、上記走行抵抗RLは、ころがり抵抗
などの摩擦抵抗R1と空気抵抗R2の和である。ころが
り抵抗などの摩擦抵抗R1は車両に固有の一定値である
から、予め測定により求めておくことができる。空気抵
抗R2は、車速の2乗に略比例して変化する値である
が、ある車両について車速と空気抵抗R2との関係を予
め測定により求めておくとともに実際の車速を検出する
ように構成すれば、実際の空気抵抗R2を求めることが
できる。以上から、車速(本例では、出力軸回転速度n
о)を検出することにより、走行抵抗RL(=R1+R
2)を求めることができる。従って、実質駆動力Fは、
下記数4により求めることができる。
【0028】
【数4】F=k・λ・Cp・ne2−RL
【0029】ところで、上記数1によれば、車両重量m
は道路勾配Θを求めなければ求めることができない。一
方、上記数1は異なる時刻t1,t2においても成立するか
ら、下記数5及び数6を得ることができる。ここでF(t
1)、dv(t1)、及びΘ(t1)は、ぞれぞれ第1の時点の時
刻t1における実質駆動力F、加速度dv、道路勾配Θであ
り、F(t2)、dv(t2)、及びΘ(t2)は、ぞれぞれ第2の時
点の時刻t2における実質駆動力F、加速度dv、道路勾配
Θである。
【0030】
【数5】m・dv(t1)=F(t1)−m・g・sinΘ(t1)
【0031】
【数6】m・dv(t2)=F(t2)−m・g・sinΘ(t2)
【0032】また、一般に時刻t1と時刻t2との時間差が
小さければ、道路勾配Θ(t1)と道路勾配Θ(t2)は等しい
と仮定することができる。この仮定と上記数5及び数6
とから下記数7が得られる。
【0033】
【数7】m=(F(t2)−F(t1))/(dv(t2)-dv(t1))
【0034】更に、本装置においては、後述するように
マイクロコンピュータにより、所定時間tsの経過毎に
実質駆動力F(t)及び加速度dv(t)を求めるとともに、連
続するn個(本例においては、n=10個)の実質駆動
力F(t)及び加速度dv(t)の平均値(実際には平均値に対
応した積分値)を求めることで、実質駆動力F(t)及び加
速度dv(t)の精度を向上するようになっている。即ち、
実質駆動力F(t1)、加速度dv(t1)、実質駆動力F(t2)、及
び加速度dv(t2)は、下記数8〜数11により求められ
る。
【0035】
【数8】F(t1)={F(t1)+ F(t1-ts)+F(t1-2・ts)+…+F(t
1-8・ts)+F(t1-9・ts)}/10
【0036】
【数9】dv(t1)={dv(t1)+dv(t1-ts)+dv(t1-2・ts)+…+
dv(t1-8・ts)+dv(t1-9・ts)}/10
【0037】
【数10】F(t2)={F(t2)+ F(t2-ts)+F(t2-2・ts)+…+F
(t2-8・ts)+F(t2-9・ts)}/10
【0038】
【数11】dv(t2)={dv(t2)+dv(t2-ts)+dv(t2-2・ts)+
…+dv(t2-8・ts)+dv(t2-9・ts)}/10
【0039】次に、電気制御装置50が上記原理に基づ
いて行う車両重量mの推定に係る実際の作動について、
図4〜図8を参照しながら説明する。なお、図4〜図6
及び図8は、電気制御装置50のマイクロコンピュータ
が実行するプログラムを機能ブロック図で表したもので
あり、これらのプログラムはROM内に記憶されてい
る。また、図4〜図6及び図8において、ne,nt,
nо,th,及びstopは、上述の各センサ及びスイッチ
61〜65により得られる変数であり、siftは上述の変
速制御プログラムの実行によりマイクロコンピュータが
認識している自動変速機30の実際の変速指令値であ
る。
【0040】マイクロコンピュータは、図4に示したよ
うに、上記数4に基づいて実質駆動力Fを推定するため
の駆動力推定プログラム100と、上記数7〜数11に
基づいて車両重量mを推定する二点差分による車両重量
推定プログラム200と、降坂路判定プログラム(降坂
路判定手段)300とを実行するようになっている。ま
た、マイクロコンピュータは、ゲート(推定無効手段)
400の機能を実行することにより、降坂路判定プログ
ラム300の判定結果に基づき、二点差分による車両重
量推定プログラム200の実行により推定した車両重量
mを降坂路走行時には無効とし、平坦路走行時又は登坂
路走行時において推定された推定車両重量mのみを正規
の車両重量mとして上記変速制御プログラムに出力する
ようになっている。以下、各プログラムについて順に説
明する。
【0041】(駆動力推定プログラム)マイクロコンピ
ュータは図5に詳細に示した上記駆動力推定プログラム
100を所定時間ts(ここでは、20msec)の経過毎
に実行し、駆動力Fを推定するようになっている。具体
的に述べると、マイクロコンピュータはブロック110
にてエンジン回転速度neの逆数1/neを求め、ブロ
ック120にてタービン回転速度ntとの積を求めるこ
とにより速度比e(=nt/ne)を求める。
【0042】次いで、マイクロコンピュータはブロック
130にて、速度比eと積値λ・Cpとの関係を示すマ
ップ(ルックアップテーブル、以下「λ・Cpマップ」
と云う。)と上記ブロック120により求めた実際の速
度比eとから実際の積値λ・Cp(e)を算出する。上
記ブロック130にて用いるλ・Cpマップは、予め実
験に基づいて作成され、電気制御装置50のROMに記
憶されている。なお、このλ・Cpマップは、自動変速
機30の変速段を1速に固定しておき、積載量を変更す
ることにより車両重量を種々の値に変化させた車両を平
坦路及び登坂路(即ち、降坂路を除く)にて走行させ、
実際の速度比eに対する実際のλ・Cpを測定すること
で作成する。実際の積値λ・Cpは、エンジン10の実
際の出力トルクT0(トルクセンサにより計測)及び実際
のエンジン回転速度ne(エンジン回転速度センサから
計測)と、上記数2とに基づいて求める。
【0043】次に、マイクロコンピュータはブロック1
40にて上記ブロック130にて求めた積値λ・Cpと
エンジン回転速度neの2乗ne2との積(λ・Cp・n
2)を求め、上記数3にしたがってブロック150にて
前記積値(λ・Cp・ne2)を定数k´倍して上記駆動
力F0を求める。この定数k´は、1速のギヤ比k1´
と、同1速のギヤ効率k2´と、上記差動歯車装置のギ
ヤ効率k3の積に、所定の定数k4´を乗じた値であ
る。
【0044】一方、マイクロコンピュータはブロック1
60にて、自動変速機30の出力軸回転速度noと走行
抵抗RLとの関係を記憶したマップ(ルックアップテー
ブル、以下「走行抵抗マップ」と云う。)と、実際の出
力軸回転速度noとから実際の走行抵抗RLを求める。
なお、上記走行抵抗マップも、予め実験に基づいて作成
され、電気制御装置50のROMに記憶されている。そ
して、マイクロコンピュータは、上記数4に従い、ブロ
ック170にて上記駆動力F0(=k´・λ・Cp・n
2)から上記走行抵抗RLを減じ、これにより推定駆動
力F(推定された実質駆動力F)を求め、以下に説明す
る二点差分による車両重量推定プログラム200におい
て使用する。
【0045】(二点差分による車両重量推定プログラ
ム)マイクロコンピュータは図6に詳細に示した上記二
点差分による車両重量推定プログラム200を上記所定
時間tsの経過毎に実行し、車両重量mを推定するよう
になっている。具体的に述べると、マイクロコンピュー
タはブロック205にて出力軸回転速度noが所定車速
spd0(例えば、0.1km/h)に相当する値より大き
いか否かを判定し、出力軸回転速度noが所定車速spd0
より大きい場合には値「1」を、小さい場合には値
「0」を出力する。同時にマイクロコンピュータはブロ
ック210にてスロットル開度thが所定スロットル開
度th0(例えば、1%)より大きいか否かを判定し、ス
ロットル開度thが所定スロットル開度th0より大きい
場合には値「1」を、小さい場合には値「0」を出力す
る。
【0046】次いで、マイクロコンピュータはブロック
215にて上記ブロック205と上記ブロック210の
出力の論理積を求める。具体的には、出力軸回転速度n
oが所定車速spd0より大きく、且つ、スロットル開度t
hが所定スロットル開度th0より大きいか否かを判定
し、「Yes」と判定される場合、即ち、車両が発進状
態にあると判定した場合にのみ値「1」をブロック22
0に出力する。即ち、上記ブロック205,210,2
15は、車両が発進したか否かを検出する発進検出手段
を構成している。次いで、マイクロコンピュータは、ブ
ロック220にて前記ブロック215の出力を論理反転
し、ブロック225に出力する。この結果、ブロック2
25の入力信号は、車両の発進が検出されるまでは値
「1」であり、同発進が検出されたときに値「1」から
値「0」へと変化する。
【0047】マイクロコンピュータは、続くブロック2
25にて同ブロック225の入力信号を第1所定時間
(例えば、500msec)遅延し、同遅延した信号を第1
駆動力積分ブロック230の積分許可信号(イネーブル
信号)、及び第1加速度積分ブロック240の積分許可
信号(イネーブル信号)として出力する。
【0048】一方、マイクロコンピュータは、第1駆動
力積分ブロック230にて、上記駆動力推定プログラム
100の実行により所定時間tsの経過毎に更新される
推定駆動力Fの値の過去10個分の合計を求める。即
ち、F1(-n)をn回前の駆動力推定プログラム100の実
行により求められた推定駆動力F1とすると、第1駆動力
積分ブロック230により求められる積分値ΣF1は、下
記数12にて与えられる。
【0049】
【数12】ΣF1=F1(0)+F1(-1)+F1(-2)+・・・+F1
(-8)+F1(-9)
【0050】この第1駆動力積分ブロック230は、前
記遅延ブロック225から与えられる積分許可信号が値
「1」であるときのみ上記数12の演算を行い、同積分
許可信号が値「1」から値「0」に変化した時点でその
ときの積分値ΣF1を保持する。この結果、第1駆動力積
分ブロック230は、車両発進後約320msecから50
0msec内において算出された推定駆動力Fの積分値(総
和)ΣF1を出力することになる。この期間は図7におけ
る時刻t1´〜t1に相当している。
【0051】また、マイクロコンピュータは、ブロック
235にて前記所定時間tsの経過毎に現在の出力軸回
転速度nоと同所定時間ts前の出力軸回転速度nоol
dとの差分を求めることにより、同出力軸回転速度nо
の時間微分値を求め、これに定数を乗じることで車両の
加速度dvを演算する。また、マイクロコンピュータは第
1加速度積分ブロック240にて、前記所定時間tsの
経過毎に更新される加速度dvの値の過去10個分の合計
を求める。即ち、dv1(-n)をn・ts前に演算された加
速度dvとすると、第1加速度積分ブロック240により
求められる積分値Σdv1は、下記数13にて与えられ
る。
【0052】
【数13】Σdv1=dv1(0)+dv1(-1)+dv1(-2)+・
・・+dv1(-8)+dv1(-9)
【0053】この第1加速度積分ブロック240は、上
記第1駆動力積分ブロック230と同様に、前記遅延ブ
ロック225から与えられる積分許可信号が値「1」で
あるときのみ上記数13の演算を行い、同積分許可信号
が値「1」から値「0」に変化した時点でそのときの積
分値Σdv1を保持する。この結果、第1加速度積分ブロ
ック240は、車両発進後約320msec(時刻t1´)か
ら500msec(時刻t1)内において算出された加速度dv
の積分値Σdv1を出力する。
【0054】このように、車両が発進されると、マイク
ロコンピュータは、図7に示した時刻t1´〜t1間(第1
の時点である時刻t1を含む第1所定期間)の推定駆動力
F及び加速度dvの総和を求め(即ち、積分して)、第1
駆動力積分値ΣF1及び第1加速度積分値Σdv1を求め
る。
【0055】同時に、マイクロコンピュータはブロック
250にて自動変速機30の変速段が1速であるか否か
を判定していて、変速段が1速であるときブロック25
0から値「1」を、1速でないとき値「0」を出力す
る。また、マイクロコンピュータはブロック255にて
現在の推定駆動力Fと上記所定時間ts前の推定駆動力
Foldとの差を求めることにより、推定駆動力Fの時間
微分値(dF/dt)を求め、続くブロック260にて同推定
駆動力Fの時間微分値(dF/dt)が0より大きいか否かを
判定し、同時間微分値(dF/dt)が0より大きい場合に同
ブロック260から値「1」を、0より小さい場合に値
「0」を出力する。このブロック260は、図示を省略
したが、上記ブロック215と接続されていて、同ブロ
ック215の出力に基づいて、発進後において1回のみ
値「1」から値「0」への変化が許容されるようになっ
ている。即ち、ブロック260は、車両の発進後におい
て推定駆動力が最初に最大値となったことを検出する最
大値発生検出手段を構成している。
【0056】そして、マイクロコンピュータは、ブロッ
ク265にて前記ブロック250と前記ブロック260
の出力の論理積を求める。車両発進直後においては、車
両の変速段は1速であり、且つ通常は実際の車両の駆動
力も時間経過とともに増大するから、前記ブロック25
0と前記ブロック260の出力はともに値「1」であ
る。従って、マイクロコンピュータはブロック265か
ら値「1」を出力する。
【0057】その後、アクセルペダルの踏込みが戻され
る等の理由によりエンジン10の発生トルクが減少する
と、推定駆動力Fの時間微分値(dF/dt)は0より小さく
なる(負となる)。従って、ブロック260から出力さ
れる値は値「1」から値「0」へと変化し、これにより
ブロック265から出力される値も値「1」から値
「0」へと変化する。即ち、ブロック265の出力は、
推定駆動力Fが発進後において初めて最大値となったと
きに、値「1」から「0」へと変化する。
【0058】一方、マイクロコンピュータは、第2駆動
力積分ブロック270にて、上記第1駆動力積分ブロッ
ク230と同様に、前記所定時間tsの経過毎に更新さ
れる推定駆動力Fの値の過去10個分の合計を求める。
即ち、F2(-n)をn回前の駆動力推定プログラム100の
実行により求められた推定駆動力F2とすると、第2駆動
力積分ブロック270により求められる積分値ΣF2は、
下記数14にて与えられる。
【0059】
【数14】ΣF2=F2(0)+F2(-1)+F2(-2)+・・・+F2
(-8)+F2(-9)
【0060】この第2駆動力積分ブロック270は、前
記ブロック265から与えられる積分許可信号が値
「1」であるときのみ上記数14の演算を行い、同積分
許可信号が値「1」から値「0」に変化した時点でその
ときの積分値ΣF2を保持する。前述したように、ブロッ
ク265の出力は、推定駆動力Fが発進後において初め
て最大値となったときに、値「1」から「0」へと変化
する。この結果、第2駆動力積分ブロック270は、推
定駆動力Fが最大値となった図7に示す時刻t2から約1
80msec前の時刻t2´までの期間において算出された推
定駆動力Fの積分値(総和)ΣF2を出力することにな
る。
【0061】また、マイクロコンピュータは、第2加速
度積分ブロック275にて、前記所定時間tsの経過毎
に更新される加速度dvの値の過去10個分の合計を求め
る。即ち、dv2(-n)をn・ts前に演算された加速度dv
とすると、第2加速度積分ブロック275により求めら
れる積分値Σdv2は、下記数15にて与えられる。
【0062】
【数15】Σdv2=dv2(0)+dv2(-1)+dv2(-2)+・
・・+dv2(-8)+dv2(-9)
【0063】この第2加速度積分ブロック275は、上
記第2駆動力積分ブロック270と同様に、前記ブロッ
ク265から与えられる積分許可信号が値「1」である
ときのみ上記数15の演算を行い、同積分許可信号が値
「1」から値「0」に変化した時点でそのときの積分値
Σdv2を保持する。この結果、第2加速度積分ブロック
275は、上記の時刻t2´〜t2までにおいて算出された
加速度の積分値(総和)Σdv2を出力する。
【0064】このように、車両の発進後において推定駆
動力Fが最大値となると、マイクロコンピュータは、図
7に示した時刻t2´〜t2間(第2の時点である時刻t2を
含む第2所定期間)の推定駆動力F及び加速度dvを積分
して、それぞれ第2駆動力積分値ΣF2び第2加速度積分
値Σdv2を求める。
【0065】マイクロコンピュータは、ブロック280
にて、上記ブロック270によって演算された第2駆動
力積分値ΣF2から上記ブロック230によって演算され
た第1駆動力積分値ΣF1を減算し、その結果(ΣF2−Σ
F1)をブロック290に出力する。同様に、マイクロコ
ンピュータは、ブロック285にて、上記ブロック27
5によって演算された第2加速度積分値Σdv2から上記
ブロック240によって演算された第1加速度積分値Σ
dv1を減算し、その結果(Σdv2−Σdv1)をブロック
290に出力する。
【0066】上記ブロック290は、上記ブロック26
5から入力されてくる信号が値「1」から値「0」へと
変化したとき、即ち、発進後において推定駆動力Fが最
大値となったとき、上記ブロック280により求められ
た差(ΣF2−ΣF1)を上記ブロック285により求めら
れた差(Σdv2−Σdv1)で除した結果を出力する。こ
の結果、上記数7、上記数8〜数11、及び上記数12
〜数15により明らかなように、車両重量推定値mが求
められ、ブロック290から出力される。
【0067】なお、車両の発進後において、ブロック2
60にて推定駆動力Fの最大値が検出される前に自動変
速機30の変速が発生し、変速段が1速でなくなった場
合には、その時点でブロック250、従ってブロック2
65の出力が値「1」から値「0」へと変化するから、
この変化が生じた時点から約180msec前までの間の推
定駆動力Fと加速度dvがブロック270及びブロック2
75にてそれぞれ積分され、上記と同様にして車両重量
mが推定される。
【0068】(降坂路判定プログラム)更に、マイクロ
コンピュータは図8に詳細に示した上記降坂路判定プロ
グラム300を上記所定時間tsの経過毎に実行してい
る。具体的に説明すると、マイクロコンピュータはブロ
ック310にてタービン回転速度ntが所定値(250
rpm)より大きいか否かを判定し、大きい場合に値
「1」を、小さい場合には値「0」を出力する。同時
に、マイクロコンピュータはブロック320にてスロッ
トル開度thが「0」より大きいか否かを判定し、
「0」より大きい場合には値「1」を、小さい場合には
値「0」を出力する。
【0069】次いで、マイクロコンピュータは、ブロッ
ク330にてこれらのブロック310,320の出力の
排他的論理和(2入力のうち、何れかの入力値が「1」
で他が「0」の場合に出力が「1」となり、その他の場
合には出力が「0」となる)を求め、ブロック340に
出力する。
【0070】車両が平坦路又は登坂路において発進する
場合には、スロットル開度thが増大してブロック32
0の出力が値「1」となった後に、タービン回転速度n
t(出力軸回転速度nо(車速)に応じた値)が増大し
てブロック310の出力が値「1」に変化する。従っ
て、ブロック330はスロットル開度thが「0」より
大きくなったときから車速がタービン回転速度250rp
mに相当する値に増大するまで値「1」を出力すること
になる。他方、車両が降坂路において発進する場合に
は、スロットル開度thが0より大きくなる前に車速が
タービン回転速度250rpmに相当する値より大きくな
る。従って、この場合、ブロック330は、車速がター
ビン回転速度250rpmに相当する値に増大してから、
スロットル開度thが「0」より大きくなるまで値
「1」を出力する。
【0071】また、マイクロコンピュータはブロック3
50にて、上記ブロック320の出力から上記ブロック
310の出力を減じ、その結果をブロック340に出力
する。従って、ブロック350の出力は、スロットル開
度thの立上り(エンジン10のスロットル開度thの
増大)がタービン回転速度nt(車速に応じた値)の立
上りに先行して行われる場合(登坂路、平坦路走行時)
には「+1」となり、タービン回転速度の立上りntが
スロットル開度thの立上りに先行して行われる場合は
「−1」となり(降坂路走行時)、タービン回転速度n
tの立上りとスロットル開度thの立上りとが同時に行
われる場合は「0」となる。このように、本実施形態
は、エンジン10のスロットル開度thの増大がなされ
た時点と、車速に応じた値が所定値(タービン回転速度
250rpmに相当する値)より大きくなる時点との関係
に基いて車両が降坂路を走行しているか否かを判定して
いる。
【0072】同時に、マイクロコンピュータはブロック
360にて出力軸回転速度nоが「0」より大きいか否
かを判定し、出力軸回転速度noが「0」より大きい場
合には値「1」を、小さい場合には値「0」をブロック
340に出力する。また、マイクロコンピュータはブロ
ック370にてブレーキ作動信号stopの値が「0」か否
かを判定し、同ブレーキ作動信号stopの値が「0」の場
合(即ち、ブレーキペダル70が操作されていない場
合)に値「1」を、同ブレーキ作動信号stopの値が
「1」の場合に値「0」をブロック340に出力する。
【0073】マイクロコンピュータは、ブロック340
にて、上記ブロック330、360及びブロック370
の出力が総て値「1」の場合にのみ、上記ブロック35
0の出力をブロック380に出力する。この結果、ブロ
ック340の出力は、車両が平坦路又は登坂路にある場
合には、ブレーキペダル70が非操作状態(ブロック3
70参照)で、車速が「0」より大きく(ブロック36
0参照)、スロットル開度thが「0」より大きくなっ
たときから車速がタービン回転速度250rpmに相当す
る値に増大するまで(ブロック310〜330参照)値
「1」となる。他方、ブロック340の出力は、車両が
降坂路にある場合には、ブレーキペダル70が非操作状
態(ブロック370参照)で、車速が「0」より大きく
(ブロック360参照)、車速がタービン回転速度25
0rpmに相当する値より大きくなったときからスロット
ル開度thが「0」より大きくなるまで(ブロック31
0〜330参照)値「−1」となる。また、ブロック3
40の出力は、上記以外の場合に、値「0」となる。
【0074】そして、マイクロコンピュータは、ブロッ
ク380にて上記ブロック340の出力を積分する。従
って、車両が平坦路又は登坂路にて発進した場合には、
同ブロック380の出力値Σは「0」より大きい値とな
り、車両が降坂路にて発進した場合には「0」より小さ
くなる。次いで、マイクロコンピュータはブロック39
0にて、上記ブロックの出力値Σが「0」より大きいか
否かを判定し、出力値Σが「0」より大きいとき許可信
号fαを値「1」として出力し、出力値Σが「0」以下
のとき許可信号fαを値「0」として出力する。
【0075】このブロック390の出力、即ち許可信号
fαは図4に示したゲート400に入力される。ゲート
400は、上記二点差分による車両重量推定プログラム
200の実行により推定した車両重量mを、前記許可信
号fαの値が「1」のとき有効として出力し、同許可信
号fαの値が「0」のとき無効として出力しない。この
結果、平坦路走行時又は登坂路走行時において推定され
た推定車両重量mのみが正規の車両重量mとして上述の
変速制御プログラムにおいて使用されることになる。
【0076】以上、説明したように、本実施形態におい
ては、車両重量mを推定するために必要な駆動力F0
を、λCpマップから求めることとした。これにより、
車両の駆動力F0を、速度比eに対するトルク増幅率λ
及び容量係数Cpを個別にマップ化して記憶し、これら
のマップから個々に得られるトルク増幅率λ及び容量係
数Cpの積値から求める場合に比べて、一層精度良く、
しかもメモリの容量を増大することなく推定することが
でき、その結果、車両重量mの推定精度が向上する。更
に、λCpマップは、車両重量mの推定精度が低下する
降坂路走行時を除いたデータにより作成されるととも
に、降坂路判定プログラム300及びゲート400によ
り、降坂路走行時に推定された車両重量mは無効として
いるので、この点においても車両重量mの推定精度が向
上する。降坂路走行時は車両重量mの推定に使用する駆
動力F0が小さく、同駆動力F0の精度が良くないから
である。
【0077】また、本実施形態においては、車両発進直
後の所定期間(図7に示した時刻t1´〜t1間)に求めら
れた推定駆動力F及び加速度dvの平均値(実際の計算上
は積分値に相当する総和)と、車両発進後に初めて車両
の推定駆動力Fが最大値となった時点から過去に遡る所
定期間(図7に示した時刻t2´〜t2)に求められた推定
駆動力F及び加速度dvの平均値(実際の計算上は積分値
に相当する総和)とに基づいて、車両重量mを推定して
いるから、同推定駆動力F及び同加速度dvの精度を高め
ることができ、その結果、車両重量mの推定精度が向上
する。特に、出力軸回転速度nоには、車両の駆動力伝
達系に生じる捩り振動に基づくサスペンション、プロペ
ラシャフト、エンジン10等に発生する固有振動が重畳
するから、出力軸回転速度nоを時間微分することで加
速度dvを求める上記実施形態においては、加速度dv(即
ち、車両重量m)の推定精度を大きく向上することがで
きる。
【0078】以上,本発明の一実施形態に基づいて本発
明を説明したが、本発明は同実施形態に限定されること
はなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用す
ることができる。例えば、上記実施形態においては、数
9(数13)と数11(数15)とに基づいて、出力軸
回転速度nоを微分した加速度dvの積分値Σdv1,Σdv
2を求めるようにしていたが、これらは、下記数16、
数17に示したように、時刻t1´,t1,t2´,t2における
車速(出力軸回転速度nо)であるv(t1´),v(t1),v(t2
´),v(t2)から求めるように構成することもできる。
【0079】
【数16】
【0080】
【数17】
【0081】これによれば、出力軸回転速度nоの微分
値を計算する必要がないので、制御を簡素化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による車両重量推定装置を含む変速制
御装置を車両に搭載した場合のシステム構成図である。
【図2】 (A)及び(B)は、図1に示した電気制御
装置が変速制御に使用する変速線図である。
【図3】 図1に示した電気制御装置がロックアップ機
構の制御に使用するマップである。
【図4】 図1に示した電気制御装置のマイクロコンピ
ュータが実行するプログラムを機能ブロックで表した図
である。
【図5】 図4に示した駆動力推定プログラムの詳細を
機能ブロックで表した図である。
【図6】 図4に示した二点差分による車両重量推定プ
ログラムの詳細を機能ブロックで表した図である。
【図7】 車両発進後における推定駆動力とスロットル
開度の変化を示すタイムチャートである。
【図8】 図4に示した降坂路判定プログラムの詳細を
機能ブロックで表した図である。
【符号の説明】
10…エンジン、11…スロットルバルブ、12…トル
クコンバータ入力軸、20…トルクコンバータ、21…
流体式伝達機構、21a…ポンプ羽根車、21b…ター
ビン羽根車、22…ロックアップクラッチ機構、30…
自動変速機、31…入力軸、32…出力軸、40…油圧
制御回路、50…電気制御装置、61…スロットル開度
センサ、62…エンジン回転速度センサ、63…タービ
ン回転速度センサ、64…出力軸回転速度センサ、65
…ブレーキスイッチ。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 浩明 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 早川 喜三郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大澤 正敬 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3G093 AA05 DA01 DB01 DB05 DB15 DB21 EA09 FA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機の発生トルクを流体式トルクコンバ
    ータを介して駆動輪に伝達する車両の加速度を検出する
    加速度検出手段と、 前記車両の駆動力を推定する駆動力推定手段と、 前記検出された加速度と前記推定された駆動力とに基づ
    いて前記車両の重量を推定する車両重量推定手段とを備
    えた車両重量推定装置において、 前記車両が降坂路を走行しているか否かを判定する降坂
    路走行判定手段と、 前記車両が降坂路を走行していると判定された場合に前
    記車両重量推定手段による車両重量の推定を無効とする
    推定無効手段とを備えたことを特徴とする車両重量推定
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両重量推定装置におい
    て、 前記降坂路走行判定手段は、前記原動機に対して同原動
    機の発生トルクを増大させる指示がなされた時点と、前
    記車両の速度が所定速度よりも大きくなる時点との関係
    に基づいて前記車両が降坂路を走行しているか否かを判
    定するように構成されたことを特徴とする車両重量推定
    装置。
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