JP4883941B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に、ニュートラル制御を実行する自動変速機の制御装置に関する。
一般的に、自動変速機を有した車両には運転者により操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(たとえば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定され、このように設定された変速ポジション内(通常は、前進走行ポジション内)において自動変速制御が行なわれる。
このような自動変速機を有した車両において、前進走行ポジションが設定されて車両が停止している状態では、動力源、たとえば、アイドリング回転するエンジンからの動力が変速機に伝達され、これが駆動輪に伝達されるため、いわゆるクリープ現象が発生する。クリープ現象は、車両を停止保持したいときには不要な現象であり、車両のブレーキを作動させてクリープ力を抑えるようになっている。すなわち、エンジンからのクリープ力をブレーキにより抑えるようになっており、その分エンジンの燃費が低下するという問題がある。
このようなことから、前進走行ポジションにおいて、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキが作動されるとともにアクセルがほぼ全閉となって車両が停止している状態では、前進走行ポジションのまま変速機をニュートラルに近いニュートラル状態として、燃費の向上を図ることが提案されている。すなわち、ニュートラル状態として、クリープ力の発生を防止している。そして、車両の状態の所定の条件が成立すると(たとえば、ブレーキペダルが解除側に操作されると)、ニュートラル状態から復帰して車両がスムーズに発進できるようになる。
たとえば、特開平11−230327号公報(特許文献1)は、運転者の発進の要求レベルに応じて、ニュートラル制御から脱する際の発進クラッチの係合速度をコントロールし、運転者の発進操作に対する追従性の向上を図る車両の駆動制御装置を開示する。この駆動制御装置は、自動変速機のシフトレンジが走行レンジとされているときであっても、所定の条件が成立したときに、自動変速機をニュートラル状態にするニュートラル制御を実行し、所定の条件が不成立になったときに、ニュートラル制御から脱する。駆動制御装置は、ニュートラル制御中にブレーキの作動状態を検出するブレーキ作動状態検出手段と、アクセルの踏み込み開度を検出するアクセル開度検出手段と、ブレーキ作動状態検出手段の信号及びアクセル開度検出手段の信号に基づき、ブレーキの作動が解除されたときに発進クラッチの油圧を立ち上げるとともに、アクセルペダルの操作量が大きいほど油圧の立ち上げ速度を大きくするクラッチ油圧制御手段とを備える。
特許文献1に開示された駆動制御装置によると、アクセルの踏み込み量に応じて、発進クラッチの係合速度に変化を持たせるようにしている。したがって、アクセルの踏み込み量が小さいときは、ゆっくりと発進クラッチを係合させることができ、アクセルの踏み込み量が大きくなるほど、速く発進クラッチを係合させることができ、運転者の要求に追従した制御を行なうことができる。
特開平11−230327号公報
しかしながら、車両が路面の勾配が急な登坂路にて停車している場合に、ニュートラル制御を実施しようとすると、車両が発進する際に、自重により車両が後退する可能性がある。すなわち、車両が登板路にて停車中に、自動変速機のニュートラル制御が実行されると、車両は制動装置の制動力だけで車両の後退が防止される状態となる。そのため、運転者が車両を発進させようと、ブレーキペダルを解除側に操作したとき、ブレーキペダルの解除とともにニュートラル制御から復帰しても、自動変速機がニュートラル状態からエンジンの動力を伝達する状態に移行するときに遅れが生じる場合がある。したがって、クリープ現象の発生による車両の前進方向の駆動力が発現する前に自重により後退する可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、登坂路における車両の発進時に適切なタイミングでニュートラル制御から復帰させて、車両をスムーズに発進させる自動変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機の制御装置は、車両発進時に係合されて動力源からの動力を駆動輪に伝達する係合要素を有する自動変速機の制御装置である。この制御装置は、シフトポジションが前進走行ポジションであり、車両の状態が予め定められた条件を満足した場合に、係合要素を半係合または解放させるニュートラル制御を実行する。この制御装置は、車両の制動装置の作動量を検知する検知手段と、ニュートラル制御が実行されているときに、検知された作動量が増加すると、ニュートラル制御から復帰するように係合要素を制御する制御手段を含む。制御手段は、検知された作動量が、車両が停止した状態における作動量から予め定められた量以上増加すると、ニュートラル制御から復帰するように係合要素を制御する。
第1の発明によると、制御手段は、ニュートラル制御が実行されているときに、検知された制動装置の作動量(たとえば、ブレーキマスタシリンダの油圧あるいはブレーキペダルの操作量)が増加すると、ニュートラル制御から復帰するように係合要素を制御する。運転者は、車両が停止しているとき、制動装置の制動力が維持するように操作ペダル(すなわち、ブレーキペダル)を踏み込んだ状態を保持する。運転者は、車両を発進させようとするときには、ブレーキペダルを踏込んでいた足をアクセルペダルに移動させる。このとき、ブレーキペダルの踏込み量に変動が発生する。すなわち、運転者は、保持していた足をそのまま解除側に移動させて踏込み量を減少させたり、あるいは、一旦ブレーキペダルを踏込み側に踏込んだ後に、解除側に踏込み量を減少させたりする。したがって、車両が停止しているときに、運転者がブレーキペダルを保持していた位置から踏込み側にさらに踏込み量を増加させるような場合には、運転者がブレーキペダルからアクセルペダルに足を移動させようとしている可能性が高い。すなわち、運転者が車両を発進させようとしている可能性が高い。したがって、制動装置の作動量が増加すると、ニュートラル制御から復帰するように係合要素を制御することにより、車両を発進させる前の早期の段階でニュートラル制御から復帰させることができる。その結果、たとえば、車両が勾配の急な登坂路に停車している場合においても、車両が発進する際にはニュートラル制御から早期に復帰して、車両の駆動輪にクリープ現象に起因する駆動力を発生させることができる。そのため、車両が後退することなくスムーズに車両を発進させることができる。したがって、登坂路における車両の発進時に適切なタイミングでニュートラル制御から復帰させて、車両をスムーズに発進させる自動変速機の制御装置を提供することができる。
さらに、車両が停止しているときに、運転者がブレーキペダルを保持していた位置から踏込み側にさらに踏込み量を増加させるような踏込み量の変動が生じた場合には、運転者がブレーキペダルからアクセルペダルに足を移動させようとしている可能性が高い。すなわち、運転者が車両を発進させようとしている可能性が高い。したがって、検知された制動装置の作動量が、車両が停止した状態における作動量から予め定められた量以上増加すると、ニュートラル制御から復帰するように係合要素を制御することにより、車両を発進させる前の早期の段階でニュートラル制御から復帰させることができる。その結果、たとえば、車両が勾配の急な登坂路に停車している場合においても、車両が発進する際にはニュートラル制御から早期に復帰して、車両の駆動輪にクリープ現象に起因する駆動力を発生させることができる。そのため、後退することなくスムーズに車両を発進させることができる。
の発明に係る自動変速機の制御装置は、第1の発明の構成に加えて、車両が停止している路面の勾配を検知するための手段をさらに含む。制御手段は、検知された路面の勾配が予め定められた勾配以上の登坂路であるときに、制動装置の作動量が増加すると、ニュートラル制御から復帰するように係合要素を制御する。
の発明によると、制御手段は、路面が予め定められた以上の登坂路であると検知されるときに、制動装置の作動量が増加すると、ニュートラル制御から復帰するように係合要素を制御する。特に、車両が勾配の急な登坂路に停車している場合において、制動装置の作動量の増加により車両の発進を検知して、ニュートラル制御から早期に復帰させることができる。そのため、制動装置による制動力が解除されるときに、車両の駆動輪にクリープ現象に起因する駆動力を発生させることができる。したがって、後退することなくスムーズに車両を発進させることができる。
の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、検知手段は、制動装置のブレーキマスタシリンダの油圧に基づいて、作動量を検知する。
の発明によると、ブレーキマスタシリンダの油圧を検知することにより、制動装置の作動量を検知することができる。
の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、車両には、運転者が制動装置を操作する操作ペダルが設けられる。検知手段は、操作ペダルの操作量に基づいて、作動量を検知する。
の発明によると、操作ペダルの操作量を検知することにより、制動装置の作動量を検知することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御装置を搭載する車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1000により実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、遊星歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。なお、本発明は、遊星歯車式変速機構を有する自動変速機に限定されるものではなく、たとえばベルト式無段変速機などの無段変速機であってもよい。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、遊星歯車式変速機構300と、ECU1000とから構成される。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサ400により検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250を有し、トルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200と遊星歯車式変速機構300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ410により検知される。遊星歯車式変速機構300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサ420により検知される。
また、エンジン100には、冷却水温センサ(図示せず)が設けられる。冷却水温センサは、エンジン100の内部に設けられた冷却水通路を流通する冷却水の温度を検知する。
図2に自動変速機の作動表を示す。図2に示す作動表によると、係合要素であるクラッチ要素(図中のC1〜C4)や、ブレーキ要素(B1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(F0〜F3)が、どのギヤ段の場合に係合および解放されるかを示している。車両の発進時に使用される1速時には、クラッチ要素(C1)、ワンウェイクラッチ要素(F0、F3)が係合する。これらのクラッチ要素の中で、特に、クラッチ要素C1を入力クラッチ310という。この入力クラッチ310は、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれ、図2の作動表に示すように、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション以外の、車両が前進するための変速段を構成する際に係合状態で使用される。
これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、自動変速機を制御するECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020とを含む。
ECT_ECU1020には、タービン回転数センサ410からタービン回転数NTを表わす信号が、出力軸回転数センサ420から出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサ400にて検知されたエンジン回転数NEを表わす信号と、スロットルポジションセンサにて検知されたスロットル開度を表わす信号と、冷却水温センサにて検知された冷却水温を表わす信号とが入力される。
これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および遊星歯車式変速機構300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および遊星歯車式変速機構300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
さらに、ECT_ECU1020には、ブレーキランプが消灯状態から点灯状態になるとオフ状態からオン状態に切り換わる信号を出力する(すなわちブレーキランプの点灯状態/消灯状態に連動した)ブレーキランプスイッチ1040が接続されている。ブレーキランプスイッチ1040により、ブレーキの作動、非作動を検知できる。
また、ECT_ECU1020には、車両の重力加速度を含む加速度を検知するGセンサ1030が接続されている。Gセンサ1030は、車両の前後方向あるいは左右方向の加速度を検知する。Gセンサ1030は、車両の加速度を表わす信号をECT_ECU1020に出力する。また、ECT_ECU1020には、制動装置のブレーキマスタシリンダ(図示せず)の油圧(以下、ブレーキマスタ圧と記載する)Pbkを検知するブレーキマスタ圧センサ1050が接続されている。
さらに、ECT_ECU1020には、運転者が制動装置を操作する操作ペダルであるブレーキペダル1080の操作量を検知するブレーキストロークセンサ1060が接続されている。また、ECT_ECU1020には、車輪(図示せず)の回転数を検知する車輪速センサ1070が接続されている。なお、ECT_ECU1020は、入力された車輪の回転数に基づいて車速Vを算出する。
ここで、制動装置は、ブレーキペダル1080と、真空倍力装置(図示せず)と、ブレーキマスタシリンダ(図示せず)と、油圧回路(図示せず)と、各車輪に設けられるディスクブレーキ(あるいは、ドラムブレーキ)(図示せず)とから構成される。ブレーキペダル1080は、真空倍力装置を介して、ブレーキマスタシリンダの一方端に連結される。また、ブレーキマスタシリンダの他方端は、油圧回路を介してディスクブレーキに接続される。ディスクブレーキは、ブレーキキャリパ(図示せず)と、ブレーキキャリパ内に設けられるホイルシリンダと、ホイルシリンダにより狭持されるブレーキディスクとから構成される。
ブレーキペダル1080が踏込まれると、真空倍力装置によりブレーキペダル1080からの力が倍力されてブレーキマスタシリンダに入力される。ブレーキマスタシリンダにおいては、ブレーキペダルからの入力に応じて、内部のピストンが摺動して、油圧回路の油圧を上昇させる。油圧回路の油圧が上昇すると、ホイルシリンダがブレーキディスクを狭持する力が上昇して、車輪の回転を制限する。これにより、車両に制動力が発生する。
以上のような車両のパワートレーンにおいて、ECT_ECU1020は、シフトポジションが前進走行(D)ポジションであって、車両の状態が予め定められた条件(アクセルオフかつブレーキオンかつブレーキマスタ圧が所定値以上かつ車速が所定車速以下)を満足して停止状態にあると判定すると、入力クラッチ310を所定のスリップ状態(半係合状態)または解放状態に制御するニュートラル制御を実行する。
さらに、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御を実行しているときに、制動装置の作動量の増加を検知すると、ニュートラル制御から復帰するように入力クラッチ310を制御する。具体的には、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御を実行しているときに、ブレーキマスタ圧センサ1050により検知されるブレーキマスタ圧Pbkが車両の停止状態に対応する油圧から予め定められた量以上の増加を検知すると、ニュートラル制御から復帰するように入力クラッチ310を制御する。
以下、図3を参照して、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECU1020において、車両が停止してニュートラル制御を開始してから終了するまでに実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECT_ECU1020は、シフトポジションが(D)ポジションであって、かつ、変速段が1速であるか否かを判断する。なお、自動変速機が無段変速機である場合には、変速比が車両の発進時に対応する低速側の変速比であるか否かを判断すればよい。シフトポジションが(D)ポジションであって、かつ、変速段が1速であると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECT_ECU1020は、自動変速機から受信したAT油温信号に基づくAT油温が予め定められた設定範囲内であって、かつ、エンジンECU1010から入力されたエンジン100の冷却水温が予め定められた設定範囲内であるか否かを判断する。AT油温および冷却水温の予め定められた設定範囲は、それぞれ自動変速機およびエンジン100の正常であると判断できる温度範囲であれば特に限定されるものではない。AT油温が予め定められた設定範囲内であって、かつ、冷却水温が予め定められた設定範囲内であると(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S102にてNO)、この処理は終了する。
S104にて、ECT_ECU1020は、エンジンECU1010から入力されたエンジン100のエンジン回転数NEが予め定められた設定回転数以下であるか否かを判断する。予め定められた設定回転数は、たとえば、アイドリング時の回転数であるが、特に限定されるものではない。エンジン回転数NEが予め定められた設定回転数以下であると(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでないと(S104にてNO)、この処理は終了する。
S106にて、ECT_ECU1020は、前提条件が成立するか否かを判断する。「前提条件」とは、アクセルがオフされているという条件と、車速が所定車速以下のほぼゼロであるという条件と、ブレーキがオンされているという条件とを含む。
ECT_ECU1020は、たとえば、エンジン100のスロットル開度がアイドリング時に対応する予め定められた開度以下のほぼ全閉状態であると、アクセルがオフされていると判断する。スロットル開度は、たとえば、電子スロットルバルブに設けられるスロットルポジションセンサ(図示せず)により検知される。なお、ECT_ECU1020は、エンジン回転数が予め定められた回転数以下、あるいは、アクセルペダルの操作量が予め定められた操作量以下であると、アクセルがオフされていると判断するようにしてもよい。
ECT_ECU1020は、車輪速センサ1070から入力された車輪の回転数を表わす信号に基づいて、車速が所定車速以下であるか否かを判断する。ECT_ECU1020は、ブレーキランプスイッチ1040から入力されたブレーキランプスイッチ信号に基づいて、ブレーキがオンされているか否かを判断する。なお、ECT_ECU1020は、ブレーキストロークセンサ1060から入力されたブレーキペダルのストローク量が予め定められた量以上であると、ブレーキがオンされていると判断するようにしてもよいし、ブレーキマスタ圧センサから入力されたブレーキマスタ圧Pbkが予め定められた圧力以上であると、ブレーキがオンされていると判断するようにしてもよい。前記条件が成立すると(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでないと(S106にてNO)、この処理は終了する。
S108にて、ECT_ECU1020は、車両が停止している路面の勾配が予め定められた設定範囲内であるか否かを判断する。すなわち、ECT_ECU1020は、停車中におけるGセンサ1030から入力された車両の重力加速度に基づいて、車両の傾きを検知する。ECT_ECU1020は、検知された車両の傾きより車両が停止している路面の勾配を検知する。路面の勾配が予め定められた設定範囲内であると(S108にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでないと(S108にてNO)、この処理は終了する。
S110にて、ECT_ECU1020は、ブレーキマスタ圧Pbkが設定値以上であるか否かを判断する。ECT_ECU1020は、ブレーキマスタ圧センサ1050から入力されたブレーキマスタ圧Pbkが設定値以上であるか否かを判断する。
「設定値」は、ニュートラル制御を開始するときのブレーキマスタ圧であって、本実施の形態においては、Gセンサ1030により検知された路面の勾配に応じて設定される値である。たとえば、ECT_ECU1020のメモリには、図4に示すように縦軸をブレーキマスタ圧(KPa)とし、横軸を路面勾配(%)としてニュートラル制御を開始するときのブレーキマスタ圧Pbkのしきい値と路面勾配との関係(実線)を示すマップが記憶される。
本実施の形態においては、路面の勾配が急になるほど(勾配がプラス側(上り坂側)あるいはマイナス側(下り坂側)に大きくなるほど)ニュートラル制御を開始するときのブレーキマスタ圧Pbkのしきい値が大きくなるように実施領域を設定する。したがって、本実施の形態において、ニュートラル制御の実施領域は、勾配がほぼ変化しない路面においてのみニュートラル制御を実施する場合の実施領域(斜線部)よりも拡大することにより、ニュートラル制御を実施する頻度が増加するため、燃費を向上させることができる。また、マップには、ニュートラル制御から復帰するときのブレーキマスタ圧Pbkのしきい値と路面の勾配との関係(破線)をさらに記憶しておくようにしてもよい。ニュートラル制御から復帰するときのしきい値を、ニュートラル制御を開始するときのしきい値よりも小さく設定しておくことにより、しきい値付近でブレーキマスタ圧が変動するような場合にニュートラル制御が実行したり復帰したりを繰返す現象を防止することができる。ブレーキマスタ圧Pbkが設定値以上であると(S110にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、この処理は終了する。
S112にて、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御を実行する。このとき、ECT_ECU1020は、入力クラッチ310(クラッチ要素C1)をスリップ状態または解放状態としてエンジン100からのトルクを自動変速機に伝わらないようにする。
S114にて、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御の終了条件が成立するか否かを判断する。「終了条件」は、たとえば、車両が停止しているときに、運転者が保持するブレーキペダルの位置に対応するブレーキマスタ圧(以下、安定ブレーキマスタ圧と記載する)がP(1)であったときに、ブレーキマスタ圧がP(1)から踏込み側に予め定められた量ΔP(1)以上増加する、または、解放側に予め定められた量ΔP(2)以上減少するという条件である。なお、安定ブレーキマスタ圧P(1)は、たとえば、予め定められた値であってもよいし、車両が停止してから運転者によるブレーキペダル1080の操作量の変化量が予め定められた量以下のほぼ変化していないときのブレーキマスタ圧Pbkの平均値、最大値あるいは最小値であってもよく、特に限定される値ではない。
ECT_ECU1020は、車両の停止時の安定ブレーキマスタ圧がP(1)であることを検知した後に、P(1)からΔP(1)以上増加したことを検知すると終了条件が成立したと判断する。あるいは、ECT_ECU1020は、車両の停止時の安定ブレーキマスタ圧がP(1)であることを検知した後に、P(1)からΔP(2)以上減少したことを検知すると終了条件が成立したと判断する。
なお、本実施の形態においては、車両の停止時の安定ブレーキマスタ圧P(1)を基準として、予め定められた量(ΔP(1)あるいはΔP(2))の変化が検知されたときに、ニュートラル制御から復帰するように判断するようにしたが、ブレーキマスタ圧の変化率ΔPbkに基づいて、ニュートラル制御から復帰するようにしてもよい。
すなわち、ECT_ECU1020は、車両の停止中の、踏込み側あるいは解放側に予め定められたブレーキマスタ圧の変化率ΔPbkに応じて、ニュートラル制御から復帰するようにしてもよい。たとえば、図5に示すように、縦軸をブレーキマスタ圧の変化率(KPa/sec)とし、横軸を路面勾配(%)として、ブレーキマスタ圧の変化率のしきい値と路面勾配との関係を示すマップを記憶しておくようにしてもよい。本実施の形態においては、マップには、たとえば、踏込み側にΔPbk(1)よりも大きくなると、ニュートラル制御から復帰するニュートラル制御復帰領域(1)が設定される。また、本実施の形態においては、たとえば、路面の勾配が急になるほど(勾配がプラス側(上り坂側)あるいはマイナス側(下り坂側)に大きくなるほど)ニュートラル制御から復帰するときのブレーキマスタ圧の変化率のしきい値が小さくなるようにニュートラル制御復帰領域(2)が設定される。なお、図5のマップに示したニュートラル制御復帰領域(1)および(2)は、一例として示した復帰領域であって、特にこれに限定されるものではない。このとき、ECT_ECU1020は、車両の停止時の安定ブレーキマスタ圧がP(1)であることを検知した後に、ΔPbk(1)以上の変化率で踏込み側に増加したことを検知すると終了条件が成立したと判断する。あるいは、ECT_ECU1020は、車両の停止時の安定ブレーキマスタ圧がP(1)であることを検知した後に、マップから参照した路面の勾配に対応した変化率以上の変化率で解放側に減少したことを検知すると終了条件が成立したと判断する。
S116にて、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御を終了する。このとき、ECT_ECU1020は、入力クラッチ310(クラッチ要素C1)を係合状態とする。したがって、自動変速機から駆動輪に対してクリープ現象による駆動力が伝達される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECU1020が車両が登坂路にて停車して、ニュートラル制御を実行し、ブレーキマスタ圧の変化に応じてニュートラル制御から復帰するときの動作について図6を参照して説明する。
車両が登坂路を走行しているときに、運転者により、ブレーキペダル1080が踏込まれると、ブレーキペダル1080の踏込み量の上昇に応じて、ブレーキマスタ圧Pbkが上昇する。ブレーキマスタ圧Pbkが上昇すると、ホイルシリンダがブレーキディスクを狭持する力が増加する。そのため、車輪の回転が抑制されて、車両は減速を開始する。図6(B)に示すように、時間T(0)において、車速がほぼゼロの車両の停止前あるいは停止時に、運転者が車両の停止が維持できる程度の踏込み量になるようにブレーキペダル1080を戻すと、図6(C)に示すように、時間T(1)において、ブレーキマスタ圧PbkはP(1)まで低下する。
車両が停止したときに、シフトポジションが(D)ポジションであって、変速段が1速に戻されて(S100にてYES)、AT油温およびエンジン100の冷却水温が予め定められた設定範囲内であって(S102にてYES)、さらに、エンジン回転数が予め定められた設定回転数以下であると(S104にてYES)、前提条件が成立するか否かが判断される(S106)。アクセルペダルが踏込まれておらず、ブレーキペダル1080が踏込まれ、車速がほぼゼロであると前提条件が成立したと判断され(S106にてYES)、さらに、検知された路面の勾配が予め定められた設定範囲内であって(S108にてYES)、ブレーキマスタ圧Pbkが検知された路面の勾配に対応するしきい値以上であると(S110にてYES)、図6(A)に示すように、時間T(2)において、ニュートラル制御が実行される(S112)。
図6(C)の時間T(3)以降の破線に示すように、運転者が車両を発進させようと、停止時に保持していたブレーキペダル1080を踏込んだ後、足をアクセルペダルに移動させるときに、時間T(4)において、ブレーキマスタ圧PbkがP(1)からΔP(1)以上増加すると(S114にてYES)、図6(A)の破線に示すように、ニュートラル制御から復帰する。
一方、図6(C)の時間T(3)以降の実線に示すように、運転者が車両を発進させようと、ブレーキペダル1080を踏込んでいた足をそのまま解放側に移動させるときに、時間T(5)において、ブレーキマスタ圧PbkがP(1)からΔP(2)以下に減少すると(S114にてYES)、図6(A)の実線に示すように、ニュートラル制御から復帰する。
また、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECU1020は、車両が停止する際には、路面の勾配に応じて、車両が停止する前のより早期の段階でニュートラル制御を実施する。
以下、図7を参照して、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECU1020が、車両の停止する際にニュートラル制御を実施するプログラムの制御構造について説明する。なお、ECT_ECU1020は、図7のフローチャートに基づくプログラムを、図3を用いて説明したフローチャートに基づくプログラムと並行して行なうようにしてもよい。
S200にて、ECT_ECU1020は、前提条件(1)が成立するか否かを判断する。前提条件(1)は、ブレーキがオンであるという条件と、アクセルがオフされているという条件と、車両が減速状態であるという条件とを含む。ECT_ECU1020は、たとえば、車輪速センサ1070から入力された車輪の回転数に基づいて算出される車速V(n)と前回算出された車速V(n−1)との差がゼロよりも小さいと車両が減速状態であると判断する。前提条件(1)が成立すると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、この処理は終了する。
S202にて、ECT_ECU1020は、前提条件(2)が成立するか否かを判断する。前提条件(2)は、車速Vが予め定められた車速Vaよりも小さいという条件である。車速Vaは、特に限定されるものではなく、実験的に設定される値である。
S204にて、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御の実施条件が成立するか否かを判断する。「ニュートラル制御の実施条件」は、減速度条件と、ブレーキマスタ圧条件と、車速条件とを含む。
「減速度条件」とは、たとえば、検知された車速Vに基づく減速度aが予め定められた減速度a(1)より小さいという条件である。「ブレーキマスタ圧条件」とは、検知されたブレーキマスタ圧Pbkが予め定められたブレーキマスタ圧Pbk(0)よりも大きいという条件である。「車速条件」とは、検知された車速Vが予め定められた車速Vbよりも小さいという条件である。ECT_ECU1020は、これら3つの条件が成立すると、ニュートラル制御の実施条件が成立したと判断する。なお、Pbk(0)は、少なくともクリープ現象による駆動力よりも大きい制動力が発現するブレーキマスタ圧であれば特に限定されるものではない。
あるいは、車速とブレーキマスタ圧とに基づく条件、車速と減速度とに基づく条件および減速度とブレーキマスタ圧とに基づく条件のうちの少なくとも1つが成立すると、あるいは全ての条件が成立すると、ニュートラル制御の実施条件が成立したと判断するようにしてもよい。
車速とブレーキマスタ圧とに基づく条件とは、たとえば、図8(A)に示すようなマップが予め記憶され、検知された車速Vとブレーキマスタ圧Pbkとに基づくマップ上の位置と、基準線(実線)との位置関係に基づく条件である。図8(A)に示すマップは、横軸を車速とし、縦軸をブレーキマスタ圧とする。この基準線は、たとえば、実験的に設定される車速Vとブレーキマスタ圧Pbkとの関係を示す。基準線は車速とブレーキマスタ圧との関数式により表わすようにしてもよい。ECT_ECU1020は、たとえば、検知された車速VがVbよりも小さく、検知されたブレーキマスタ圧PbkがPbk(0)よりも大きく、さらに、検知された車速Vとブレーキマスタ圧Pbkとに基づく位置が基準線よりも上側であれば、車速に対してブレーキマスタ圧が高いため、車両が停止直前であるとして、車速とブレーキマスタ圧とに基づく条件が成立したと判断する。
「車速と減速度とに基づく条件」とは、たとえば、図8(B)に示すようなマップが予め記憶され、検知された車速と減速度とに基づくマップ上の位置と、基準線(実線)との位置関係に基づく条件である。図8(B)に示すマップは、横軸を車速とし、縦軸を減速度とする。この基準線は、たとえば、実験的に設定される車速Vと減速度aとの関係を示す。基準線は車速と減速度との関数式により表わすようにしてもよい。ECT_ECU1020は、たとえば、検知された車速VがVbよりも小さく、検知された減速度がaよりも小さく、さらに、検知された車速Bと減速度aとに基づく位置が基準線よりも上側であれば、車速に対して減速度が高いため、車両が停止直前であるとして、車速と減速度とに基づく条件が成立したと判断する。
「減速度とブレーキマスタ圧とに基づく条件」とは、たとえば、図8(C)に示すようなマップが予め記憶され、検知された減速度aとブレーキマスタ圧Pbkとに基づくマップ上の位置と、基準線(実線)との位置関係に基づく条件である。図8(C)に示すマップは、横軸を減速度とし、縦軸をブレーキマスタ圧とする。この基準線は、たとえば、実験的に設定される減速度aとブレーキマスタ圧Pbkとの関係を示す。基準線は減速度とブレーキマスタ圧との関数式により表わすようにしてもよい。ECT_ECU1020は、たとえば、検知された減速度がa(1)よりも小さく、検知されたブレーキマスタ圧PbkがPbk(0)よりも大きく、さらに、検知された減速度aとブレーキマスタ圧Pbkとに基づく位置が基準線よりも下側であれば、ブレーキマスタ圧に対して減速度が高いため、車両が停止直前であるとして、減速度とブレーキマスタ圧とに基づく条件が成立したと判断する。
なお、図8(A)〜(C)に示す3つの2次元マップに代えて、たとえば、ブレーキマスタ圧と車速と減速度との関係および車両の停止前のニュートラル制御の実施条件に対応する実施領域を有する3次元マップ記憶しておき、ECT_ECU1020が検知された車速Vと減速度aとブレーキマスタ圧Pbkとに基づく3次元マップ上の位置が実施領域内であると、ニュートラル制御の実施条件が成立したと判断するようにしてもよい。ニュートラル制御の実施条件が成立すると(S204にてYES)、処理はS206に移される。もしそうでないと(S204にてNO)、この処理は終了する。
S206にて、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御を実行する。このとき、ECT_ECU1020は、入力クラッチ310(クラッチ要素C1)をスリップ状態または解放状態としてエンジン100からのトルクを自動変速機に伝わらないようにする。
S208にて、ECT_ECU1020は、車両が完全に停止しているか否かを判断する。車両が完全に停止していると(S208にてYES)、処理はS210に移される。もしそうでないと(S208にてNO)、処理はS214に移される。
S210にて、ECT_ECU1020は、車両の勾配が予め定められた範囲内であるか否かを判断する。なお、「予め定められた範囲」は、特に限定されるものではなく、ニュートラル制御を実施するのに適切な範囲が設定される。車両の勾配が予め定められた範囲内であると(S210にてYES)、処理はS212に移される。もしそうでないと(S210にてNO)、処理はS214に移される。
S212にて、ECT_ECU1020は、ブレーキマスタ圧Pbkが予め定められた圧力Pbk(2)よりも大きいか否かを判断する。予め定められた圧力Pbk(2)は、ニュートラル制御から復帰するときのブレーキマスタ圧であって特に限定されるものではない。ブレーキマスタ圧Pbkが予め定められた圧力Pbk(2)よりも大きいと(S212にてYES)、処理はS206に戻される。もしそうでないと(S212にてNO)、処理はS214に移される。
S214にて、ECT_ECU1020は、ニュートラル制御を終了する。このとき、ECT_ECU1020は、入力クラッチ310(クラッチ要素C1)を係合状態とする。したがって、自動変速機から駆動輪に対してクリープ現象による駆動力が伝達される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECU1020が車両が停止する前にニュートラル制御を実行する動作について図9を参照して説明する。
車両の走行中に、運転者により、ブレーキペダル1080が踏込まれると、ブレーキペダル1080の踏込み量の上昇に応じて、ブレーキマスタ圧Pbkが上昇する。ブレーキマスタ圧Pbkが上昇すると、ホイルシリンダがブレーキディスクを狭持する力が増加する。そのため、車輪の回転が抑制されて、車両は減速を開始する。このとき、アクセルペダルが解放され、ブレーキペダル1080が踏込まれ(S200にてYES)、車速がVaよりも小さくなったときに(S202にてYES)、ニュートラル制御の実施条件が成立しているか否かが判断される(S204)。検知された車速VがVbより小さく、かつ、ブレーキマスタ圧PbkがPbk(0)よりも小さく、かつ、減速度aがa(1)よりも小さいと、あるいは、図8(A)〜(B)に示したマップにおいて、検知された車速V、ブレーキマスタ圧Pbkおよび減速度aが実施領域内であると(S204にてYES)、時間T(7)において、ニュートラル制御が実行される(S206)。
時間T(8)において、車両が停止して(S208にてYES)、Gセンサ1030により検知された路面の勾配が予め定められた範囲内であって(S210にてYES)、ブレーキマスタシリンダ圧PbkがPbk(2)よりも大きいと(S212にてYES)、ニュートラル制御が継続される(S206)。
そして、車両が動き始めたり(S208にてNO)、路面の勾配が予め定められた範囲内でなかったり(S210にてNO)、ブレーキマスタシリンダ圧PbkがPbk(2)よりも小さかったりすると(S212にてNO)、時間T(10)において、ニュートラル制御から復帰する(S214)。
以上のようにして、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置によると、運転者は、車両を発進させようとするときには、ブレーキペダルを踏込んでいた足をアクセルペダルに移動させる。このとき、ブレーキペダルの踏込み量に変動が発生する。すなわち、運転者は、保持していた足をそのまま解除側に移動させて踏込み量を減少させたり、あるいは、一旦ブレーキペダルを踏込み側に踏込んだ後に、解除側に踏込み量を減少させたりする。したがって、車両が停止しているときに、運転者がブレーキペダルを保持していた位置から踏込み側にさらに踏込み量を増加させるような場合には、運転者がブレーキペダルからアクセルペダルに足を移動させようとしている可能性が高い。すなわち、運転者が車両を発進させようとしている可能性が高い。したがって、ブレーキマスタ圧が増加すると、ニュートラル制御から復帰するように入力クラッチを制御することにより、車両を発進させる前の早期の段階でニュートラル制御から復帰させることができる。その結果、たとえば、車両が勾配の急な登坂路に停車している場合においても、車両が発進する際にはニュートラル制御から早期に復帰して、車両の駆動輪にクリープ現象に起因する駆動力を発生させることができる。そのため、車両が後退することなくスムーズに車両を発進させることができる。したがって、登坂路における車両の発進時に適切なタイミングでニュートラル制御から復帰させて、車両をスムーズに発進させる自動変速機の制御装置を提供することができる。
また、路面の勾配が急な登坂路において、運転者が意図的にブレーキペダルを踏込み側に踏込み量を増加させる場合においても、ニュートラル制御から早期に復帰させることができるため、運転者の発進の意志に応じて車両をスムーズに発進させることができる。
以上の説明においては、ブレーキマスタ圧センサにより検知されたブレーキマスタ圧が踏込み側に増加すると、あるいは、ブレーキマスタ圧の変化率が踏込み側に増加すると、ニュートラル制御から復帰するようにしたが、制動装置の作動量が検知できれば特にブレーキマスタ圧に限定されるものではない。すなわち、ブレーキペダルのペダルストロークセンサにより検知されたブレーキペダルの操作量が車両の停車時に保持される位置から踏込み側に増加すると、あるいは、ブレーキペダルの操作量の変化率が踏込み側に増加すると、ニュートラル制御から復帰するようにしてもよい。
また、ニュートラル制御が実行されているときにおいて、Gセンサにより検知された路面の勾配が予め定められた勾配以上の登坂路であると、ブレーキマスタ圧が踏込み側に増加したときに、ニュートラル制御から復帰するようにしてもよい。このようにしても、登板路において、車両をスムーズに発進させることができる。
さらに、車両の停止前の早期の段階にニュートラル制御を実行することにより、たとえば、路面の勾配が急な登坂路において停止する場合においても、車両が停止する前にニュートラル制御が実行されるようになるため、ニュートラル制御の実行領域を拡大することができる。そのため、燃費の向上が図れる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る自動変速機の制御ブロック図である。 図1に示す自動変速機の作動表である。 本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 路面の勾配とニュートラル制御を実施するブレーキマスタ圧のしきい値との関係を示す図である。 路面の勾配とニュートラル制御を実施するブレーキマスタ圧の変化率のしきい値との関係を示す図である。 本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUの動作を示すタイミングチャート(その1)である。 本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 車速と減速度とブレーキマスタ圧との関係を示す図である。 本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUの動作を示すタイミングチャート(その2)である。
符号の説明
100 エンジン、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、300 遊星歯車式変速機構、310 入力クラッチ、400 エンジン回転数センサ、410 タービン回転数センサ、420 出力軸回転数センサ、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、1030 Gセンサ、1040 ブレーキランプスイッチ、1050 ブレーキマスタ圧センサ、1060 ブレーキストロークセンサ、1070 車輪速センサ、1080 ブレーキペダル。

Claims (4)

  1. 車両発進時に係合されて動力源からの動力を駆動輪に伝達する係合要素を有する自動変速機の制御装置であり、シフトポジションが前進走行ポジションであり、車両の状態が予め定められた条件を満足した場合に、前記係合要素を半係合または解放させるニュートラル制御を実行する制御装置において、
    前記車両の制動装置の作動量を検知する検知手段と、
    前記ニュートラル制御が実行されているときに、前記検知された作動量が増加すると、前記ニュートラル制御から復帰するように前記係合要素を制御する制御手段とを含み、
    前記制御手段は、前記検知された作動量が、前記車両が停止した状態における作動量から予め定められた量以上増加すると、前記ニュートラル制御から復帰するように前記係合要素を制御する、自動変速機の制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記車両が停止している路面の勾配を検知する手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記検知された路面の勾配が予め定められた勾配以上の登坂路であるときに、前記制動装置の作動量が増加すると、前記ニュートラル制御から復帰するように前記係合要素を制御する、請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記検知手段は、前記制動装置のブレーキマスタシリンダの油圧に基づいて、前記作動量を検知する、請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記車両には、運転者が前記制動装置を操作する操作ペダルが設けられ、
    前記検知手段は、前記操作ペダルの操作量に基づいて、前記作動量を検知する、請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置。
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