JP2002221192A - ターボファン - Google Patents

ターボファン

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JP2002221192A
JP2002221192A JP2001018588A JP2001018588A JP2002221192A JP 2002221192 A JP2002221192 A JP 2002221192A JP 2001018588 A JP2001018588 A JP 2001018588A JP 2001018588 A JP2001018588 A JP 2001018588A JP 2002221192 A JP2002221192 A JP 2002221192A
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毅睦 三島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低速回転(低回転数)で使用しても翼通過周波
数音、2倍周波数音、3倍周波数音の周波数を高くかつ
小さくし、低速回転、すなわち低風量の送風音でもマス
キングして聴感上、翼通過周波数音が強く特徴的に聞こ
えにくくすることができる。 【解決手段】回転方向に対し後向きに湾曲傾斜している
複数の後向き翼を備えたターボファンにおいて、上記後
向き翼の枚数を、EckertまたはPfleider
erの翼枚数算出式により求めた翼枚数Z1の2倍以上
に設定してなることを特徴とするターボファン。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心ファンの一例
である複数の後向き翼を備えたターボファンに係り、特
に、これら翼がノーズを通過する際に発生する翼通過周
波数音の低減を図ったターボファンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のターボファンの翼枚数
は、少な過ぎると気流が翼面に沿わずに剥離を起こして
送風効率の低下と剥離騒音を発生させる一方、多過ぎる
と摩擦損失が増加して送風効率の低下と乱流騒音の発生
を引き起こすとされ、従来より翼枚数の最適値を与える
式が幾つか提案されている。
【0003】
【外1】
【0004】Eckertの式は以下の通りである。
【0005】
【数3】
【0006】また、Pfleidererの式は以下の
通りである。
【0007】
【数4】
【0008】したがって、これらの数式によると、最適
な翼枚数Z1,Z2はファン内径D1,ファン外径D
2,翼車流路の翼入口角β1,翼出口角β2の4つの要
素でおおよそ決まる。そして求まる翼枚数は、同じ遠心
ファンではあるが前向き翼を備えたシロッコファン(多
翼ファン)に比べてかなり少なく、十数枚以下となるこ
とが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ターボファ
ンを回転させると、翼がファンケースのノーズを通過す
る際に、これらの間で圧力干渉が発生するために、後向
き翼の翼枚数と単位時間あたりの回転数(N[rpm]
/60)によって周波数(f[Hz]=Z×N/60)
の決まる翼通過周波数音が発生し、しばしば2倍周波数
音や3倍周波数音、それ以上の倍数音が発生する。しか
しながら、通常ターボファンは先に述べたように翼枚数
が少ない分、高速回転で使用されるため基本翼通過周波
数が高くなり、また高速回転すなわち高風量ゆえの送風
音では、それら翼通過周波数音をカバーできなくなる。
このとき、これらの周波数音は極めて高いピーク値をも
ち、しばしばターボファンのオーバオール騒音値(騒音
積分値)との差が小さいため、耳障りな音として強く特
徴的に聞こえてしまう。このような耳障りな音が顕著に
なると、このターボファンを空気調和機等の家庭用機器
に組み込む場合には商品性を大きく損うという課題があ
った。
【0010】図6は上記数式により求められた最適翼枚
数Z1の後向き翼を有する従来のターボファン1を具備
した送風機の一部切欠概略平面図である。このターボフ
ァン1はファンケーシング2内に収容され、ファンケー
シング2は空気吸込口2aと吹出口2bとノーズ2cと
を具備している。
【0011】ターボファン1は円板状の主板3上に、図
中矢印で示す回転方向に対して後向きに湾曲傾斜した複
数の後向き翼4,4,…を、周方向に所定の間隔を置い
て立設し、主板3の中心部には図示しないモータの回転
軸を固定するためのボス部を設けており、主板3をこの
モータにより回転駆動するようになっている。
【0012】そして、ターボファン1は、例えばファン
内径D1が60mm、ファン外径D2が135mm、翼
車流路5の翼入口角β1が60°、同翼出口角β2が4
0°のときに、後向き翼4の枚数を上記Eckertの
翼枚数算出式(1)より求め、この式より推奨される翼
枚数Z1として13〜17枚に設定している。そこで、
このターボファン1は、例えば翼枚数Z1を13枚に設
定したときには、ターボファン1の回転数が4000r
pmならば、基本翼通過周波数音1fが867Hz、2
倍周波数音の2fが1733Hz、3倍周波数音の2f
が2600Hzとなり、これら周波数音は、図7の騒音
の周波数分析(FFT)結果に示すように、いずれも際
立って高い周波数音となっている。このとき基本翼通過
周波数音1fと送風機のオーバオール騒音との騒音差が
約5dB、2倍周波数音2fが約7dB、3倍周波数音
3fが約18dBとなり、特に差が10dBよりも小さ
い基本翼通過周波数音とその2倍周波数音は、際立って
特徴的な音として聴感されてしまうという課題がある。
【0013】そこで本発明はこのような事情を考慮して
なされたもので、その目的は低速回転(低回転数)で使
用しても基本翼通過周波数音、2倍周波数音、3倍周波
数音の周波数を高くかつ小さくし、低速回転、すなわち
低風量の送風音でもマスキングして聴感上、翼通過周波
数音が強く特徴的に聞こえにくくすることができるター
ボファンを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明
は、回転方向に対し後向きに湾曲傾斜した複数の後向き
翼を備えたターボファンにおいて、上記後向き翼の枚数
を、下記(1)式により求めた翼枚数Z1の2倍以上に
設定してなることを特徴とするターボファンである。
【0015】
【数5】
【0016】この発明によれば、後向き翼の枚数を、E
ckertの数式である(1)式により求めた枚数の2
倍以上に設定しているので、このターボファンを低回転
数(低速回転)で使用した場合でも基本翼通過周波数音
と、2倍周波数音や3倍周波数音等の倍数音周波数を高
くかつ小さくし、低回転数すなわち低風量の送風音でも
マスキングできるので、聴感上、翼通過周波数音が強く
特徴的には聞こえにくくすることができる。
【0017】請求項2に係る発明は、回転方向に対し後
向きに湾曲傾斜した複数の後向き翼を備えたターボファ
ンにおいて、上記後向き翼の枚数を、下記(2)式によ
り求めた翼枚数Z2の2倍以上に設定してなることを特
徴とするターボファンにある。
【0018】
【数6】
【0019】この発明によれば、後向き翼の枚数を、P
fleidererの数式である(2)式により求めた
枚数の2倍以上に設定しているので、このターボファン
を低回転数(低速回転)で使用した場合でも基本翼通過
周波数音と、2倍周波数音や3倍周波数音等の倍数音周
波数を高くかつ小さくし、低回転数すなわち低風量の送
風音でもマスキングできるので、聴感上、翼通過周波数
音が強く特徴的には聞こえにくくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜
図5に基づいて説明する。なお、図1,図2中同一また
は相当部分には同一符号を付している。
【0021】図1はファンケーシングとターボファンと
を具備した送風機の一部切欠概略平面図、図2は図1の
II−II線に沿う断面図である。これらの図に示すよ
うにターボファン11は渦巻状のファンケーシング12
内に回転自在に収容され、ファンケーシング12はその
一面(図2では上面)の中央部に、ほぼ円形の空気吸込
口12aを形成すると共に、その開口端縁部を内方へ折
曲してベルマウスに形成する一方、渦巻端部に空気吹出
口12bを形成し、その近傍にノーズ12cを形成して
いる。
【0022】ターボファン11は円板状の主板13の一
面(図2では上面)上に、図1で示すターボファン11
の回転方向に対して後向きに湾曲傾斜する複数の後向き
翼14,14,…を周方向に所定の間隔を置いて立設
し、各後向き翼14の内端縁を空気吸込口12aのベル
マウス状開口先端縁にほぼ一致させている。ターボファ
ン11は主板13の周方向で隣り合う後向き翼14,1
4同士の間隙を、空気を通す翼車流路14aに形成し、
この翼車流路14aの空気吸込口12a側端部を翼入口
14bに、その反対側は翼出口14cに形成している。
【0023】また、主板13のほぼ中心部にはファンモ
ータ15の回転軸15aを固定するボス等の固定部を設
けており、ファンモータ15によりターボファン11を
例えば図1中矢印で示す方向へ回転させることにより図
中矢印に示すように空気吸込口12aから空気を吸込
み、周方向で隣り合う各後向き翼14同士間の翼車流路
14aを翼入口14bから翼出口14cへ通して空気吹
出口12bから外部へ吹き出すようになっている。ま
た、このターボファン11の回転により各後向き翼14
がノーズ12cを通過する際に、この後向き翼14とノ
ーズ12cとの間に圧力干渉が発生するために上述した
翼通過周波数音が発生し、その基本周波数音とその倍数
の周波数音が発生する。
【0024】そして、図1に示すようにこのターボファ
ン11のファン内径D1が60mm、ファン外径D2が
135mm、各後向き翼14の翼入口14b側端部とそ
の接線とがなす角度である翼入口角β1が60°、各後
向き翼14の翼出口14c側端部とその接線とがなす角
度である翼出口角β2が40°であるときに後向き翼1
4の枚数を31枚に設定している。すなわち、上記後向
き翼14の枚数は、上記Eckertの翼枚数算出式
(1)により推奨翼枚数Z1を求め、さらに、その推奨
翼枚数Z1の2倍の26〜34枚のうちの31枚に設定
している。
【0025】図3はこの後向き翼14の枚数が31枚の
ターボファン11の低速回転時の翼通過周波数音の周波
数分析(FFT)結果を示すグラフである。この図3に
示すように、基本翼通過周波数音fが2067Hz、2
倍周波数音2fが4133Hz、3倍周波数音3fが6
200Hzであるが、2倍周波数音2fが大きく減衰し
てピークすら消滅している。また、2067Hzの基本
翼通過周波数音と送風機のオーバオール騒音(騒音積分
値)との騒音差が約12dBであり、送風機全体騒音よ
りも十分に低いので、この基本翼通過周波数音が送風機
全体騒音に紛れてマスキングされる。このために、この
基本翼通過周波数音として送風機全体騒音から際立って
特徴的な音として聞こえることが殆どなくなった。
【0026】また、上記後向き翼14の枚数は、31枚
に限定されるものではなく、上記Eckeret式の推
奨翼枚数Z1の2倍以上の例えば41枚でもよい。この
場合は図4で示すように基本翼通過周波数の2733H
zの音と送風機のオーバオール騒音との騒音差が約16
dBで十分に大きいので、基本翼通過周波数音が聴感上
殆ど気にならないレベルまで低下する。
【0027】さらに、上記後向き翼14の枚数は、上記
Pfleidererの翼枚数算出式により求めた推奨
枚数の2倍以上でもよい。例えばターボファン11の上
記ファン内径D1が135mm、ファン外径D2が60
mm、翼車流路14aの翼入口角β1が60°、翼出口
角β2が40°であるときに、上記Pfleidere
rの翼枚数算出式(2)により求められる推奨翼枚数は
10〜16枚である。そこで、これをさらに2倍の20
〜32枚以上に選定してもよく、この場合も聴感上問題
となる翼通過周波数音を低減することができる。
【0028】図5は上記ターボファン11の後向き翼1
4の翼枚数と翼通過周波数音の騒音レベルとの相対関係
を示すグラフであり、後向き翼14の翼枚数を増して行
くと、翼通過周波数音のピーク騒音値が減衰していく傾
向にあることが図6に示されている。さらにこの翼枚数
を漸次増やしていく過程で、まず3倍周波数音3fが減
衰し、次に2倍周波数音2fが減衰していくことが示さ
れている。つまり後向き翼14の翼枚数を増やす効果と
は、周波数音が高周波数側へシフトしていきながら3倍
周波数音3f、2倍周波数音2fが聞こえなくなった上
で、なおかつ基本翼通過周波数1fも小さくなって行
き、結果としてこれら周波数音が低回転数すなわち低風
量の送風音で紛れて聞こえなくなる点にある。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ターボフ
ァンの後向き翼の枚数を、EckertまたはPfle
idererの翼枚数算出式で求めた枚数の2倍以上に
設定したので、このターボファンを低速回転で使用する
場合でも基本翼通過周波数音と、2倍周波数音や3倍周
波数音等の倍数音周波数を高くかつ小さくし、低回転数
すなわち低風量の送風音でもマスキングできるので、聴
感上、翼通過周波数音が強く特徴的には聞こえにくくす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るターボファンを具備
した送風機の一部切欠概略平面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1で示す翼枚数が31枚のターボファンが4
000rpmで回転したときの周波数分析(FFT)結
果を示すグラフ。
【図4】翼枚数が41枚のターボファンが400rpm
で回転したときのFFT結果を示すグラフ。
【図5】翼枚数と翼通過周波数音の騒音レベルとの相対
関係を示すグラフ。
【図6】従来のターボファンを具備した送風機の一部切
欠概略平面図。
【図7】図6で示す従来のターボファンの4000rp
mで回転したときのFFT結果を示すグラフ。
【符号の説明】
11 ターボファン 12 ファンケーシング 12a 空気吸込口 12b 空気吹出口 12c ノーズ 13 主板 14 後向き翼 14a 翼車流路 15 ファンモータ 15a ファンモータの回転軸 D1 ファン内径 D2 ファン外径 β1 翼入口角 β2 翼出口角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転方向に対し後向きに湾曲傾斜した複
    数の後向き翼を備えたターボファンにおいて、 上記後向き翼の枚数を、下記(1)式により求めた翼枚
    数Z1の2倍以上に設定してなることを特徴とするター
    ボファン。 【数1】
  2. 【請求項2】 回転方向に対し後向きに湾曲傾斜した複
    数の後向き翼を備えたターボファンにおいて、 上記後向き翼の枚数を、下記(2)式により求めた翼枚
    数Z2の2倍以上に設定してなることを特徴とするター
    ボファン。 【数2】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100439718C (zh) * 2005-06-02 2008-12-03 本田技研工业株式会社 用于气冷式内燃机的多叶式风扇
JP2013019288A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Oriental Motor Co Ltd 遠心型羽根車
KR20190020619A (ko) 2017-08-21 2019-03-04 린나이코리아 주식회사 원심식 팬

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KR20190020619A (ko) 2017-08-21 2019-03-04 린나이코리아 주식회사 원심식 팬
US10626882B2 (en) 2017-08-21 2020-04-21 Rinnai Corporation Centrifugal fan

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