JP2002221014A - 内燃機関及びその制御システム - Google Patents
内燃機関及びその制御システムInfo
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Abstract
性能悪化等のトレードオフを招かないエンジン構成を提
供する。 【解決手段】 駆動軸6に回転可能かつ揺動可能に装着
された揺動カム12の揺動によって、吸気弁及び排気
弁、あるいはその一方をリフトする内燃機関のバルブ制
御システムにおいて、揺動カム12の揺動中心Qに対し
て、揺動カムによってリフトされる機関吸気弁及び排気
弁、あるいはその一方のバルブステム4の中心線が、燃
焼室中心を通る軸線R側に位置する。
Description
制御システムに関する。
の容積であるシリンダ容積と、ピストンが上死点にある
ときの燃焼室側の容積である隙間容積と、の比は圧縮比
εと呼ばれている。一方、作動ガス容積の最大値である
有効シリンダ容積と作動ガス容積の最小値である有効隙
間容積と、の比は有効圧縮比ε′と呼ばれ、両者は熱力
学的取り扱い上では区別されている。
り、圧縮比εを可変制御する複リンク式ピストンストロ
ーク可変機構が、本出願人により、本願に先行して出願
されている。
採用されたいわゆる可変圧縮比エンジンにおいては、圧
縮比εは、基本的に従来の固定圧縮比エンジンより概略
高い側で使うことになる。
と組み合わせて比出力の向上を図る考え方があるが、こ
の場合は図14に示すように、過給時では圧縮比εを固
定圧縮比エンジンの固定圧縮比よりも相対的に減少させ
る。
ンストロークによって決定される圧縮比ε大きくした場
合、図14に示すように、上死点位置での燃焼室のS/
V比(燃焼室表面積/燃焼室体積)が増大するため、燃
焼時の冷却損失が大きくなるという問題がある。
大きく、かつ有効圧縮比ε′が高くない場合には、燃焼
室での火炎伝播が遅くなり、圧縮比εを機関運転条件に
応じて制御することで得られる燃費性能向上の効果が減
殺される傾向が生じるという問題がある。
は、図15に示すように、吸排気弁のバルブ挟角を減少
させると減少するが、バルブ挟角を小さくすると、これ
までのエンジンでは、吸排気弁の弁径も小さくなり、高
速での吸気量が減少して出力が低下する他に、吸排気弁
を駆動するカムシャフト間の距離が小さくなるため、通
常のようなスプロケットによるチェーンレイアウトが難
しくなるなど、トレードオフの発生が避けられないとい
う問題がある。
のS/V比を増大させずに、かつ出力性能悪化等のトレ
ードオフを招かないエンジン構成を提供することを目的
とする。
の発明は、駆動軸に回転可能かつ揺動可能に装着された
揺動カムの揺動によって、吸気弁及び排気弁、あるいは
その一方をリフトする内燃機関のバルブ制御システムに
おいて、前記揺動カムの揺動中心に対して、前記揺動カ
ムによってリフトされる機関吸気弁及び排気弁、あるい
はその一方のバルブステムの中心線が、機関燃焼室中心
を通る軸線側に位置することを特徴としている。これに
よって、駆動軸及び揺動カムのレイアウトを変更するこ
となくバルブ挟角を小さくでき、相対的に上死点位置で
のS/V比が小さくなる。
の発明において、前記揺動カムは、前記吸気弁及び排気
弁、あるいはその一方のリフト・作動角を同時にかつ連
続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構の
構成部材であることを特徴としている。これはいわゆる
可変動弁機構に適用したものであり、請求項1と同様に
上死点位置でのS/V比が小さくなる。
の発明において、前記リフト・作動角可変機構は、前記
駆動軸により回転駆動される偏心カムと、この偏心カム
の外周に相対回転可能に嵌合したリンクアームと、前記
駆動軸と平行に設けられ、かつ偏心カム部を備えた回動
可能な制御軸と、この制御軸の偏心カム部に回転可能に
装着され、かつ前記リンクアームにより揺動されるロッ
カアームと、前記駆動軸に回転可能に支持されるととも
に、前記ロッカアームにリンクを介して連結され、該ロ
ッカアームに伴って揺動することにより吸気弁及び排気
弁、あるいはその一方のバルブリフタを押圧する前記揺
動カムと、を備えており、前記制御軸の偏心カム部の回
動位置を変化させることにより吸気弁のリフト・作動角
が同時に増減変化するように構成されていることを特徴
としている。
3に記載の発明において、ピストン上死点位置を変化さ
せるピストンストローク可変機構と、内燃機関の回転数
及び負荷を検出する手段とを有し、内燃機関の回転数及
び負荷に応じて、前記ピストンストローク可変機構と前
記リフト・作動角可変機構とを制御することを特徴とし
ている。ピストン上死点位置を変化させることで、圧縮
比εを可変制御可能となる。
の発明において、内燃機関の負荷が小さい状態において
は、内燃機関の圧縮比εが高くなるよう前記ピストンス
トローク可変機構を制御すると共に、前記吸気弁の閉時
期を下死点から遠ざけることによって、内燃機関の有効
圧縮比ε′を低下させていることを特徴としている。圧
縮比εを高くすることで良好な燃焼を維持しつつ、有効
圧縮比ε′を下げることでポンプ損失の低減が可能にな
ると共に、圧縮比εの増加によるS/V比の増加が抑制
される。
5に記載の発明において、前記ピストンストローク可変
機構は、ピストンのピストンピンに一端が連結されるア
ッパーリンクと、このアッパーリンクとクランクシャフ
トのクランクピンとに連結されるロアーリンクと、クラ
ンクシャフトに対して略平行に延びるコントロールシャ
フトと、一端が前記コントロールシャフトに揺動可能に
連結されると共に、他端が前記ロアーリンクに連結さ
れ、前記コントロールシャフトに対する揺動中心が、前
記コントロールシャフトの回転中心に対して偏心した制
御リンクと、を有し、前記コントロールシャフトを回動
させることによって、ピストン上死点位置を変化させる
ことを特徴としている。
いずれかに記載の発明において、前記ピストンストロー
ク可変機構により、前記ピストンのクランク回転に関す
るストローク特性を、略単振動としたことを特徴として
いる。ピストンストローク可変機構は、アッパーリン
ク、ロアーリンク及び制御リンクを有する複リンク式の
機構であるためピストンのクランク回転に関するストロ
ーク特性を、略単振動にすることが可能となる。
いずれかに記載の発明において、内燃機関の回転数が高
い状態においては、前記吸気弁及び前記排気弁あるいは
その一方のリフト・作動角を拡大制御することを特徴と
している。バルブ挟角が小さくなると、吸排気弁の弁径
は相対的に減少するが、内燃機関の負荷が大きいときに
は、弁径の減少量に応じてリフト・作動角を拡大するこ
とで、出力の低下を補うことができる。
いずれかに記載の発明において、前記内燃機関の負荷の
検出手段として、吸入負圧、吸入空気量、スロットル開
度もしくは燃料噴射量のいずれかを用いていることを特
徴としている。
のいずれかに記載の発明において、前記バルブリフタの
中心に対して、前記揺動カムの揺動中心を燃焼室中心を
通る上記軸線に関して外側に配置し、かつ前記吸気弁及
び排気弁、あるいはその一方が最大リフトされたとき
に、前記バルブリフタに対する前記揺動カムの接触位置
が、燃焼室中心を通る前記軸線から最も遠ざかるように
前記バルブリフタを駆動させることを特徴としている。
0のいずれかに記載の発明において、前記吸気弁のリフ
ト中心角の位相を遅進させる位相可変機構を有している
ことを特徴としている。
レイアウトを変更することなく吸排気弁のバルブ挟角を
小さくすることができる。また、吸排気弁のバルブ挟角
を小さくすることで、圧縮比εを高くすることによって
増加する上死点位置でのS/V比を相対的に小さくで
き、冷却損失が低減することができる。
ローク可変機構により圧縮比εを運転条件に応じて可変
制御する場合においても、圧縮比εを高くすることによ
って増加する上死点位置でのS/V比を相対的に小さい
くすることができ、出力性能を悪化させることなく冷却
損失を低減することができる。
良好な燃焼を維持しつつ、有効圧縮比ε′を下げること
でポンプ損失の低減が可能になると共に、圧縮比εの増
加による上死点位置でのS/V比の増加が抑制される。
すなわち、出力性能を悪化させることなく冷却損失を低
減することができる。
することができる。
きい条件では、バルブ挟角を小さくすることで減少した
吸気弁の弁径に応じてリフト・作動角を拡大すること
で、出力の低下を補うことができる。
気弁のバルブ挟角の設定範囲を大きくすることができ
る。
基づいて詳細に説明する。
の構成を示す構成説明図であり、この可変動弁機構は、
吸気弁4のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角
可変機構1と、そのリフトの中心角の位相(図示せぬク
ランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させ
る位相可変機構2と、が組み合わされて構成されてい
る。
示しており、図1および図2に基づいて、このリフト・
作動角可変機構1を説明する。
ッド3に図示せぬバルブガイドを介して摺動自在に設け
られた吸気弁と、シリンダヘッド3上部のカムブラケッ
ト5に回転自在に支持された中空状の駆動軸6と、この
駆動軸6に、圧入等により固定された偏心カム7と、駆
動軸6の上方位置に同じカムブラケット5に回転自在に
支持されるとともに駆動軸6と平行に配置された制御軸
8と、この制御軸8の偏心カム部9に揺動自在に支持さ
れたロッカアーム10と、各吸気弁の上端部、すなわち
バルブステム4の上端部に配置されたバルブリフタ11
に当接する揺動カム12と、を備えている。偏心カム7
とロッカアーム10とはリンクアーム13によって連係
されており、ロッカアーム10と揺動カム12とは、リ
ンク部材14によって連係されている。
チェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクラ
ンクシャフトによって駆動されるものである。
面の中心が駆動軸6の軸心から所定量だけオフセットし
ているとともに、この外周面に、リンクアーム13の環
状部13aが回転可能に嵌合している。
部9によって支持されており、その一端部に、リンクア
ーム13の延長部13bが連係しているとともに、他端
部に、リンク部材14の上端部が連係している。偏心カ
ム部9は、制御軸8の軸心から偏心しており、従って、
制御軸8の角度位置に応じてロッカアーム10の揺動中
心は変化する。
て回転自在に支持されており、側方へ延びたカムノーズ
部12aに、リンク部材14の下端部が連係している。
この揺動カム12の下面には、駆動軸6と同心状の円弧
をなす基円面15aと、該基円面15aから端部12a
へと所定の曲線を描いて延びるカム面15bと、が形成
されており、これらの基円面15aならびにカム面15
bが、揺動カム12の揺動位置に応じてバルブリフタ1
1の上面に当接するようになっている。
区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム
12が揺動してカム面15bがバルブリフタ11に接触
すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベー
スサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区
間が設けられている。
わち駆動軸6の軸心Qに対して、吸気弁のバルブステム
4中心軸の延長線Lが、図2における右側、すなわち燃
焼室中心を通る軸線R(詳細は後述、図2中には図示せ
ず)側に位置するよう構成されている。
設けられたリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ1
6によって所定回転角度範囲内で回転するように構成さ
れている。このリフト・作動角制御用油圧アクチュエー
タ16への油圧供給は、エンジンコントロールユニット
17からの制御信号に基づき、第1油圧制御部18によ
って制御されている。尚、アクチュエータ16は、この
アクチュエータ16の駆動電源がOFFの条件におい
て、吸気弁を小リフト・小作動角側に付勢するよう構成
されている。
明すると、駆動軸6が回転すると、偏心カム7のカム作
用によってリンクアーム13が上下動し、これに伴って
ロッカアーム10が揺動する。このロッカアーム10の
揺動は、リンク部材14を介して揺動カム12へ伝達さ
れ、該揺動カム12が揺動する。この揺動カム12のカ
ム作用によって、バルブリフタ11が押圧され、吸気弁
がリフトする。
ュエータ16を介して制御軸8の角度が変化すると、ロ
ッカアーム10の初期位置が変化し、ひいては揺動カム
12の初期揺動位置が変化する。
いるとすると、ロッカアーム10は全体として上方へ位
置し、揺動カム12のカムノーズ部12aが相対的に上
方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム12
の初期位置は、そのカム面15bがバルブリフタ11か
ら離れる方向に傾く。従って、駆動軸6の回転に伴って
揺動カム12が揺動した際に、基円面15aが長くバル
ブリフタ11に接触し続け、カム面15bがバルブリフ
タ11に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体
として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角
度範囲つまり作動角も縮小する。
いるとすると、ロッカアーム10は全体として下方へ位
置し、揺動カム12の端部12aが相対的に下方へ押し
下げられた状態となる。つまり、揺動カム12の初期位
置は、そのカム面15bがバルブリフタ11に近付く方
向に傾く。従って、駆動軸6の回転に伴って揺動カム1
2が揺動した際に、バルブリフタ11と接触する部位が
基円面15aからカム面15bへと直ちに移行する。従
って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動
角も拡大する。
るので、これに伴って、バルブリフト特性は、図3に示
すように、連続的に変化する。つまり、リフトならびに
作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させること
ができる。特に、このものでは、リフト・作動角の大小
変化に伴い、吸気弁の開時期と閉時期とがほぼ対称に変
化する。
に、駆動軸6の前端部に設けられたスプロケット19
と、このスプロケット19と駆動軸6とを、所定の角度
範囲内において相対的に回転させる位相制御用油圧アク
チュエータ20と、から構成されている。スプロケット
19は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミン
グベルトを介して、クランクシャフトに連動している。
位相制御用油圧アクチュエータ20への油圧供給は、エ
ンジンコントロールユニット17からの制御信号に基づ
き、第2油圧制御部21によって制御されている。この
位相制御用油圧アクチュエータ20への油圧制御によっ
て、スプロケット19と駆動軸6とが相対的に回転し、
図4に示すように、リフト中心角が遅進する。つまり、
リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしく
は遅角する。また、この変化も、連続的に得ることがで
きる。位相可変機構2としては、油圧式のものに限られ
ず、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の
構成が可能である。
相可変機構2の制御としては、実際のリフト・作動角あ
るいは位相を検出するセンサを設けて、クローズドルー
プ制御するようにしても良く、あるいは運転条件に応じ
て単にオープンループ制御するようにしても良い。
れた複リンク式ピストンストローク可変機構24を示し
ている。
各気筒のピストン25にピストンピン26を介して一端
が連結されたアッパーリンク27と、このアッパーリン
ク27の他端にアッパーリンクピン28を介して揺動可
能に連結されると共に、クランクシャフト29のクラン
クピン30に連結されるロアーリンク31と、クランク
シャフト29と略平行に延びるコントロールシャフト3
2と、一端がコントロールシャフト32に揺動可能に連
結されると共に、他端が制御リンクピン33を介してロ
アーリンク31に揺動可能に連結される制御リンク34
と、を有している。
ク34の一端に設けられたベアリング(図示せず)に回
転可能に支持されるピンジャーナル(図示せず)が、ク
ランクシャフト29の軸方向に間欠的に形成されてい
る。
ントロールシャフト32の回転中心P2に対して所定量
偏心しており、この回転中心P1を揺動支点として、制
御リンク34がコントロールシャフト32に対して揺動
する。
すると、制御リンク34の揺動支点P1の位置が変化
し、これに伴って、ピストン上死点位置が変化する。す
なわち、ピストン上死点位置での燃焼室側の容積とピス
トン下死点位置での燃焼室側の容積の比によって定義さ
れる内燃機関の圧縮比εを増減させることができる。
ム35及びウォームホイール36を介して接続されたア
クチュエータ37を駆動源として回転駆動され、このア
クチュエータ37は、エンジンコントロールユニット1
7により機関運転状態に応じて駆動制御される。
としては、実際のピストンストロークを検出するセンサ
を設けて、クローズドループ制御するようにしても良
く、あるいは運転条件に応じて単にオープンループ制御
するようにしても良い。
体構成を示す説明図であって、上述した図1に示す内燃
機関の吸気弁側可変動弁機構と上述した図5の示すピス
トンストローク可変機構とを組み合わせたものである。
るノック検出手段としてのノックセンサであり、このノ
ックセンサ38の検出値はコントロールユニット17に
入力される。また、ピストンストローク可変機構のコン
トロールシャフト32の駆動源であるアクチュエータ3
7は、コントロールユニット17からの指令に基づいて
駆動制御される。
ンサによって内燃機関の回転数を、スロットル弁の開度
によって内燃機関の負荷を、それぞれ検出し、これらの
各検出値は、エンジンコントロールユニット17へ入力
される。そして、39は、エンジンコントロールユニッ
ト17からの指令に基づいて、点火時期を調整する点火
時期調整手段である点火進角装置である。
スロットル弁の開度ではなく、吸入負圧、吸入空気量も
しくは燃料噴射量のいずれかを用いることも可能であ
る。
可変機構2及びピストンストローク可変機構とが組み合
わされた内燃機関において、ピストンストロークによる
燃焼室の容積変化のみで決まる圧縮比εの制御特性を示
している。
応じて最適制御される図8に示すような吸気弁閉時期
(IVC)によって決まることになる。
条件、(図8を参照)では、吸気弁のリフト・作動
角は比較的小さく、IVCも下死点より相当早く閉じる
特性となる。これにより、大幅なポンプ損失の低減が図
れるが、圧縮比εが従来機関並だと有効圧縮比ε′が低
下して燃焼が悪化するため、図7に示すように、このよ
うな低負荷領域では圧縮比εを高めている。
は、吸気充填効率を高める必要から、IVCが下死点に
近づく方向に制御するため、有効圧縮比ε′を低下させ
ることが、ノッキングの発生を事前に防止する上からも
必要となる。
量を確保するため、有効圧縮比ε′も高くなる。そのた
めピストンストロークによって決定される圧縮比εを低
下させ、全開の低速条件(図8を参照)では、従来機
関並に近づけることが必要となる。全開の高速条件
(図8を参照)では、ノッキングの発生要因となる過酸
化物等の化学反応が進行する前に燃焼が終わるため、ピ
ストンストロークによって決定される圧縮比εは低速条
件のときよりも高くすることができる。これにより、膨
張比も高くなるため、排気温度が低下し、排気系に配置
された触媒の劣化を緩和できるメリットもある。
る吸気弁のリフト・作動角、中心角Φ及びピストンスト
ロークによって決定される圧縮比εは、予め用意された
制御マップに基づいて制御され、通常のスロットル開
度、もしくはアクセル開度による点火進角制御も合わせ
て行われる。
述した本願発明のリフト・作動角可変機構1とは異な
り、揺動カム12′の揺動中心Q′(駆動軸の軸心)
が、バルブステム4′中心線の延長線L′上に位置して
いる。これは、従来のカム機構と同じ配置になってい
る。
接するカムはフル回転するため、バルブリフタの中心線
上にカム軸の中心があるのが最も合理的であるが、バル
ブリフタに当接するカムが揺動カム方式の場合、カムは
フル回転しないため、バルブリフタと組み合わせて使用
する場合ある程度自由度が得られる。
あって、バルブステム4中心線の傾きを立て、バルブ挟
角を小さくした場合のレイアウトである。
心を通る軸線R側、すなわち図10における左側に配置
されているが、揺動カム11の配置はそのままである。
ム12の揺動中心Qがバルブリフタ11の中心よりも外
側(図10における右側)に配置されており、吸気弁が
最大リフトした時に、バルブリフタ11に対する揺動カ
ム12の接触位置が上記軸線Rから最も遠ざかるよう
に、バルブリフタ11は駆動される。換言すれば、揺動
カム12は、カムノーズ部12aが上記軸線R側(図1
0における左側)を向いた姿勢で、バルブリフタ11を
駆動する構成となっている。
軸線R側に向いていれば、このようなバルブリフタ11
との位置関係の変更に問題はなく、むしろ揺動カム12
とバルブリフタ11との接点が、バルブリフタ11中心
付近になるため、バルブリフタ11に作用するモーメン
トが軽減するという効果がある。
バルブ挟角を変えられるメリットが揺動カム12とバル
ブリフタ11との組み合わせにおいて得ることができ
る。
うにバルブ挟角を変えるには、大きな設計変更となる。
例えば、カムシャフトの位置が変わるので、エンジンフ
ロント側の駆動レイアウトは全面変更となる。また、ス
プロケット間の距離が近い場合は、他の駆動方式に移行
しなければならない。カムシャフトの配置変更に伴うシ
リンダヘッド上面のレイアウトも全面変更となり、全く
新規のシリンダヘッドとなる。
合、シリンダヘッド内部のポート形状及びウォータジャ
ケット形状などの鋳型変更と、バルブリフタ及びバルブ
ステムの加工変更、バルブ及びバルブシートなどの部品
変更だけで済むため、多くのバリエーションの設定も可
能である。
る。揺動カム12のカムノーズ部12aを対向させるよ
うに配置することで、吸排気弁の挟角θの許容範囲を大
きくとることができ、吸排気弁のバルブ挟角を小さくす
ることが可能となる。
した場合の比出力の向上効果を示す。吸気の平均流速が
増大しないようにバルブ挟角を小さくすることにより吸
気弁の弁径が減少した分、高速時、すなわち内燃機関の
回転数が高い時の吸気弁のリフト・作動角を拡大するこ
とができれば、出力の低下を補うことができる。これ
は、吸気弁のリフト・作動角を連続的に拡大,縮小制御
可能なリフト・作動角可変機構を備えたエンジンに適用
した場合の大きな利点メリットである。
変機構24で得られるピストンストローク特性を示して
いる。従来からある一般的な単リンク式のクランク機構
に比べ、アッパーリンク、ロアーリンク及び制御リンク
を備えた複リンク式のピストンストローク可変機構24
では単振動に近いピストンストローク特性を得ることが
可能となる。
ク特性の場合、2次振動が低減できるため振動特性を大
幅に改良することができる。
なるために冷却損失の点では不利ではあるが、燃焼室内
の混合気は燃えやすく、そして、ピストンがすぐに下が
り、すぐトルク変換される訳ではないので静粛性が向上
する。
の特性変化を示す特性図。
化を示す特性図。
可変機構を示す説明図。
説明図。
る圧縮比εのエンジン運転条件に対応した制御特性を示
す特性線図。
時期の変化を示す説明図。
配設された内燃機関の上部の断面図。
フタ中心の延長線上の外側に駆動軸の軸線が配設された
内燃機関の上部の断面図。
を吸気弁と排気弁に適用した場合を示す、内燃機関の上
部の断面図。
係を示す特性線図。
ク特性と複リンク式ピストンストローク可変機構のピス
トンストローク特性とを比較した特性線図。
位置でのS/V比の関係を示す特性線図。
V比の関係を示す特性線図。
Claims (11)
- 【請求項1】 駆動軸に回転可能かつ揺動可能に装着さ
れた揺動カムの揺動によって、吸気弁及び排気弁、ある
いはその一方をリフトする内燃機関において、前記揺動
カムの揺動中心に対して、前記揺動カムによってリフト
される機関吸気弁及び排気弁、あるいはその一方のバル
ブステムの中心線が、機関燃焼室中心を通る軸線側に位
置することを特徴とする内燃機関。 - 【請求項2】 前記揺動カムは、前記吸気弁及び排気
弁、あるいはその一方のリフト・作動角を同時にかつ連
続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構の
構成部材であることを特徴とする請求項1に記載の内燃
機関。 - 【請求項3】 前記リフト・作動角可変機構は、前記駆
動軸により回転駆動される偏心カムと、この偏心カムの
外周に相対回転可能に嵌合したリンクアームと、前記駆
動軸と平行に設けられ、かつ偏心カム部を備えた回動可
能な制御軸と、この制御軸の偏心カム部に回転可能に装
着され、かつ前記リンクアームにより揺動されるロッカ
アームと、前記駆動軸に回転可能に支持されるととも
に、前記ロッカアームにリンクを介して連結され、該ロ
ッカアームに伴って揺動することにより吸気弁及び排気
弁、あるいはその一方のバルブリフタを押圧する前記揺
動カムと、を備えており、前記制御軸の偏心カム部の回
動位置を変化させることにより吸気弁のリフト・作動角
が同時に増減変化するように構成されていることを特徴
とする請求項2に記載の内燃機関。 - 【請求項4】 ピストン上死点位置を変化させるピスト
ンストローク可変機構と、内燃機関の回転数及び負荷を
検出する手段とを有し、内燃機関の回転数及び負荷に応
じて、前記ピストンストローク可変機構と前記リフト・
作動角可変機構とを制御することを特徴とする請求項2
または3に記載の内燃機関の制御システム。 - 【請求項5】 内燃機関の負荷が小さい状態において
は、内燃機関の圧縮比εが高くなるよう前記ピストンス
トローク可変機構を制御すると共に、前記吸気弁の閉時
期を下死点から遠ざけることによって、内燃機関の有効
圧縮比ε′を低下させていることを特徴とする請求項4
に記載の内燃機関の制御システム。 - 【請求項6】 前記ピストンストローク可変機構は、ピ
ストンのピストンピンに一端が連結されるアッパーリン
クと、このアッパーリンクとクランクシャフトのクラン
クピンとに連結されるロアーリンクと、クランクシャフ
トに対して略平行に延びるコントロールシャフトと、一
端が前記コントロールシャフトに揺動可能に連結される
と共に、他端が前記ロアーリンクに連結され、前記コン
トロールシャフトに対する揺動中心が、前記コントロー
ルシャフトの回転中心に対して偏心した制御リンクと、
を有し、前記コントロールシャフトを回動させることに
よって、ピストン上死点位置を変化させることを特徴と
する請求項4または5に記載の内燃機関の制御システ
ム。 - 【請求項7】 前記ピストンストローク可変機構によ
り、前記ピストンのクランク回転に関するストローク特
性を、略単振動としたことを特徴とする請求項4〜6の
いずれかに記載の内燃機関。 - 【請求項8】 内燃機関の回転数が高い状態において
は、前記吸気弁及び前記排気弁、あるいはその一方のリ
フト・作動角を拡大制御することを特徴とする請求項4
〜7のいずれかに記載の内燃機関の制御システム。 - 【請求項9】 前記内燃機関の負荷の検出手段として、
吸入負圧、吸入空気量、スロットル開度もしくは燃料噴
射量のいずれかを用いていることを特徴とする請求項4
〜8のいずれかに記載の内燃機関の制御システム。 - 【請求項10】 前記バルブリフタの中心に対して、前
記揺動カムの揺動中心を燃焼室中心を通る上記軸線に関
して外側に配置し、かつ前記吸気弁及び排気弁、あるい
はその一方が最大リフトされたときに、前記バルブリフ
タに対する前記揺動カムの接触位置が、燃焼室中心を通
る前記軸線から最も遠ざかるように前記バルブリフタを
駆動させることを特徴とする請求項3〜9のいずれかに
記載の内燃機関。 - 【請求項11】 前記吸気弁のリフト中心角の位相を遅
進させる位相可変機構を有していることを特徴とする請
求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関。
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