JP2008111398A - サイクル可変ストロークエンジン - Google Patents

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信一 竹村
Shunichi Aoyama
俊一 青山
Masayuki Tomita
全幸 富田
Takanobu Sugiyama
孝伸 杉山
Susumu Ishizaki
晋 石崎
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Abstract

【課題】筒内残留ガスの低減に好適なサイクル可変ストロークエンジンを提供する。
【解決手段】往復動するピストン22によりクランク軸9を回転させ、1サイクル中のピストン22の排気上死点位置(TDC)と圧縮上死点位置(TDC)とで異なるピストンストローク特性とするサイクル可変ストローク機構を備えるとともに、吸気弁61のリフト・作動角を同時にかつ連続的に変更制御可能な可変動弁機構を備え、サイクル可変ストローク機構により排気上死点(排気TDC)時の燃焼室容積を圧縮上死点(圧縮TDC)時の容積より大きく設定したときに、可変動弁機構により吸気弁61の閉時期を吸気下死点より進角させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、1サイクル中のピストンの排気上死点位置(TDC)と圧縮上死点位置(TDC)とが異なるピストンストローク特性を持つサイクル可変ストロークエンジンに関し、特に、筒内残留ガスの低減に好適なサイクル可変ストロークエンジンに関するものである。
従来から機関圧縮比を変更可能とするために、排気上死点におけるピストン位置と圧縮上死点におけるピストン位置とを異ならせるサイクル可変ストロークエンジンが提案されている(特許文献1参照)。
これは、ピストンのピストンピンに連結するアッパーリンクと、クランク軸のクランクピンに連結するロアリンクとを互いに連結すると共に、ロアリンクにこれらアッパーリンクおよびロアリンクの自由度を規制するコントロールリンクの一端を連結し、このコントロールリンクの他端を、回転シャフトの偏心軸部に揺動中心まわりに回転可能に外嵌し、この回転シャフトの回転角速度を、クランク軸の回転角速度の1/2に設定して構成している。これにより、排気上死点におけるピストン位置を、圧縮上死点におけるピストン位置よりも低く設定して、排気上死点近傍でのピストンと吸排気弁の干渉を回避しつつ、高圧縮比化を図るようにしている。
特開2003−13764号公報
しかしながら、上記従来例では、排気上死点におけるピストン位置を、圧縮上死点におけるピストン位置よりも低く設定していることにより、筒内残留ガス増大によるポンプロス低減、および、高膨張比によって燃費を改善することができるものの、筒内残留ガスが多いため、アイドル・低負荷時、特に冷機時は燃焼が不安定になりやすい。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、筒内残留ガスの低減に好適なサイクル可変ストロークエンジンを提供することを目的とする。
本発明は、往復動するピストンによりクランク軸を回転させ、1サイクル中のピストンの排気上死点位置(TDC)と圧縮上死点位置(TDC)とで異なるピストンストローク特性とするサイクル可変ストローク機構を備えるとともに、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に拡大・縮小制御可能な可変動弁機構を備え、サイクル可変ストローク機構により排気上死点(排気TDC)時の燃焼室容積を圧縮上死点(圧縮TDC)時の容積より大きく設定したときに、可変動弁機構により吸気弁の閉時期を吸気下死点より進角させるようにした。
したがって、本発明では、サイクル可変ストローク機構により排気上死点(排気TDC)時の燃焼室容積を圧縮上死点(圧縮TDC)時の容積より大きく設定したときに、可変動弁機構により吸気弁の閉時期を吸気下死点より進角させるようにしたため、有効圧縮比が低い運転条件であっても、残留ガス低減が可能であり、燃焼改善により、燃費、排気が良好となる。
以下、本発明のサイクル可変ストロークエンジンを一実施形態に基づいて説明する。図1及び図2は、この発明に係るサイクル可変ストロークエンジンを構成するサイクル可変ストローク機構を示している。
図1、2において、機関本体の一部を構成するシリンダブロック20には複数のシリンダ21が気筒列に沿って形成され、各シリンダ21内にはピストン22が昇降可能に配設されている。各ピストン22のピストンピン1は、複数のリンク、具体的にはアッパーリンク3及びロアリンク4により、クランク軸9のクランクピン2に機械的に連携されている。アッパーリンク3の一端はピストンピン1に回転可能に連結され、ロアリンク4はクランクピン2に回転可能に連結され、アッパーリンク3の他端とロアリンク4とは第1連結ピン24を介して互いに回転可能に連結されている。クランク軸9にはカウンターウエイト9aが設けられている。
前記ロアリンク4には、第2連結ピン25を介してコントロールリンク5の一端5aが回転可能に連結され、このコントロールリンク5の他端5bは、シリンダブロック20に設けた揺動中心5c回りに揺動可能に支持されている。ロアリンク4に連結するクランクピン2、第1連結ピン24、及び第2連結ピン25の連結位置は、同一直線上ではなく、略三角形状をなすように配置されている。
前記シリンダブロック20に対するコントロールリンク5の揺動中心5cは、クランク軸9の回転に連動して回転する回転シャフト6により、その支持位置が変更されるよう構成している。即ち、回転シャフト6は、気筒列方向に延在し、複数のジャーナル部8で軸受ブラケット26を介してシリンダブロック20側に回転可能に支持されている。この回転シャフト6には、回転シャフト6自身の回転中心6aであるジャーナル部8の軸心に対して偏心する円筒形又は円柱形の偏心軸部(偏心部)7が各気筒毎に固定又は一体形成されており、各偏心軸部7の外周面に、コントロールリンク5の他端5bが回転可能に外嵌している。即ち、コントロールリンク5の他端5bが偏心軸部7に回転可能に支持されており、この偏心軸部7の軸心が、機関本体に対するコントロールリンク5の揺動中心5cとなる。
また、クランク軸9の一端に固定される駆動プーリ12Aと、回転シャフト6の一端に固定される従動プーリ12Bと、両プーリ12A,12Bに架け渡されるプーリベルト13と、により、クランク軸9から回転シャフト6へ回転動力を伝達する回転動力伝達機構を構成している。前記従動プーリ12Bの半径は駆動プーリ12Aの半径の2倍に設定して、クランク軸9に対する回転シャフト6の回転速度が1/2となるようにしている。クランク軸9から回転シャフト6へ伝達される回転運動の減速比が2分の1に設定されているため、機関の1回のサイクル中に回転シャフト6が1回転することになる。
従って、クランク軸9に連動して回転シャフト6が回転すると、各サイクル単位で、偏心軸部7を介してコントロールリンク5の揺動中心5cの支持位置が移動するため、1サイクル中の2回のピストン往復運動のピストンストローク特性が互いに異なるものとできる。つまり、排気−吸気行程と圧縮−膨張行程とでピストンストローク特性が互いに異なるものとできる。
図3はピストン22の上昇時(圧縮および排気)における上死点前90°の時点におけるピストンピン1およびサイクル可変ストローク機構のレイアウト(A)と、ピストン22の上死点からの下降時(膨張および吸気)における上死点後90°の時点のピストンピン1およびサイクル可変ストローク機構のレイアウト(B)とを示すものである。複リンクエンジンでは、コントロールリンク5とピストン22の運動軸心の設定により、アッパーリンク3の揺動角は、回転方向で変化する。クランク軸9は上死点から回転シャフト6が配置されている方向に回転させるものとする。本実施形態では、ピストン上昇時は冷却損失低減のため、圧縮時および排気時におけるピストン速度を大とするように、上死点前90°時のアッパーリンク3の揺動角を、上死点後90°時のアッパーリンク3の揺動角より大きくなるように構成している。このため、圧縮行程時の冷却損失を低減することが可能となる。
図4はクランク軸9を上死点から回転シャフト6が配置されている方向に回転させ、且つ偏心軸部7を介してコントロールリンク5の揺動中心5cの支持位置を、排気上死点を含む排気−吸気行程の間で回転シャフト6の回転中心6aより下降した位置とし、圧縮上死点を含む圧縮−膨張行程の間で回転シャフト6の回転中心6aより上昇した位置となるよう回転シャフト6を回転させた場合におけるピストンストローク特性を示している。細い破線で示す特性は、排気上死点と圧縮上死点との高さが同一に設定された従来のエンジンにおけるピストンストローク特性である。
前記コントロールリンク5の揺動中心5cは、排気−吸気行程の間の排気上死点において最も下降した位置、即ち、ロアリンク4を介在させてピストン位置を上昇させ、また、圧縮−膨張行程の間の圧縮上死点において最も上昇した位置、即ち、ロアリンク4を介在させてピストン位置を下降させて、排気上死点におけるピストン高さ位置を圧縮上死点におけるピストン高さ位置より高くなるようにしている。
また、排気上死点におけるピストン位置が上昇されたことに伴い排気上死点におけるクランク角度位置がわずかに前進されている。これがため、排気上死点から吸気下死点までのクランク角度(θ1)は、吸気下死点から圧縮上死点までのクランク角度(θ2)より相対的に大きくなっている。
図5は図4に示すピストンストローク特性のサイクル可変ストローク機構により得られたピストン速度特性を示すものである。この特性によれば、排気時最大ピストン速度(点)からピストン速度ゼロ(排気上死点)となるクランク角度(θ3)は、圧縮時最大ピストン速度(点)からピストン速度ゼロ(圧縮上死点)となるクランク角度(θ4)より大きくなっている。
前記排気上死点(排気TDC)高さが圧縮上死点(圧縮TDC)高さより高く設定していることにより、筒内残留ガスが低減され、吸気下死点以降の圧縮行程が開始される時点に吸気弁が閉弁するような有効圧縮比が低い条件であっても燃焼を安定させることができる。
また、排気上死点(排気TDC)〜吸気下死点(吸気BDC)のクランク角度が、吸気下死点(吸気BDC)〜圧縮上死点(圧縮TDC)のクランク角度より大きい角度であるため、圧縮行程に要する時間をそれだけ短縮でき、冷却損失を低減させることができ、燃焼改善により、燃費性能を向上できるとともにそれだけ排気が良好となる。
図1、2に戻り、従動ギア10Bから回転シャフト6への回転動力伝達経路には、クランク軸9の回転位相に対する回転シャフト6の回転位相を変更する回転位相変更機構11が設けられている。この回転位相変更機構11は、例えばクランク軸9の回転位相に対するカムシャフトの位相を変更するヘリカルギアやベーンを用いた周知のバルブタイミング調整機構(VTC)の構造を応用することができ、油圧又は電磁ソレノイド等により駆動される。回転位相変更機構11は、図示しないエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて作動され、回転シャフト6のクランク軸9に対する位相をエンジンの運転状態に応じて可変制御される。
この回転位相変更機構11により、機関運転状態に応じてクランク軸9の回転位相に対する回転シャフト6の回転位相を変更することにより、偏心軸部7を介してコントロールリンク5の揺動中心5cの支持位置を変化させ、リンク3,4の姿勢を変化させて、機関圧縮比を変更することができる。
次に、本実施形態のサイクル可変ストロークエンジンに適用する、吸気弁閉時期を可変とする可変動弁機構について、その構成説明図である、図6に基づいて説明する。内燃機関の吸気弁側可変動弁機構は、吸気弁のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構51と、そのリフトの中心角の位相(図示しないクランク軸に対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構71と、を組合せて構成している。
前記リフト・作動角可変機構51について、先ず説明する。なお、このリフト・作動角可変機構51は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開平11−107725号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。リフト・作動角可変機構51は、シリンダヘッド上部のカムブラケット(図示せず)に回転自在に支持された駆動軸52と、この駆動軸52に、圧入等により固定された偏心カム53と、上記駆動軸52の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸52と平行に配置された制御軸62と、この制御軸62の偏心カム部68に揺動自在に支持されたロッカアーム56と、各吸気弁61の上端部に配置されたタペット60に当接する揺動カム59と、を備える。
前記偏心カム53とロッカアーム56とはリンクアーム54によって連係され、ロッカアーム56と揺動カム59とはリンク部材58によって連係されている。前記駆動軸52は、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランク軸によって駆動される。前記偏心カム53は、駆動軸52の軸心から所定量だけオフセットした点を中心とした円形外周面を有し、この外周面には、リンクアーム54の環状部が回転可能に嵌合している。
前記ロッカアーム56は、略中央部が上記偏心カム部68によって揺動可能に支持され、その一端部に、連結ピン55を介して前記リンクアーム54のアーム部が連係しているとともに、他端部に、連結ピン57を介して上記リンク部材58の上端部が連係している。前記偏心カム部68は、制御軸62の軸心から偏心しており、制御軸62の角度位置に応じてロッカアーム56の揺動中心は変化する。
前記揺動カム59は、駆動軸52の外周に嵌合して回転自在に支持され、側方へ延びた端部に、連結ピン67を介して前記リンク部材58の下端部が連係している。この揺動カム59の下面には、駆動軸52と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成され、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム59の揺動位置に応じてタペット60の上面に当接するようになっている。即ち、前記基円面はベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム59が揺動してカム面がタペット60に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のラップ区間が設けられている。
前記制御軸62は、一端部に設けられたリフト・作動角制御用アクチュエータ63によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用アクチュエータ63は、例えばウォームギア65を介して制御軸62を駆動するサーボモータ等からなり、エンジンコントロールユニット69からの制御信号によって制御される。制御軸62の回転角度は、制御軸センサ64によって検出される。
以上のように構成されたリフト・作動角可変機構51は、駆動軸52が回転すると、偏心カム53のカム作用によってリンクアーム4を上下動させ、これに伴ってロッカアーム56が揺動する。このロッカアーム56の揺動は、リンク部材58を介して揺動カム59へ伝達され、該揺動カム59を揺動させる。この揺動カム59のカム作用によって、タペット60が押圧され、吸気弁61をリフトさせるよう作用する。
前記リフト・作動角制御用アクチュエータ63を介して制御軸62の角度を変化させると、ロッカアーム56の初期位置が変化し、揺動カム59の初期揺動位置が変化する。例えば偏心カム部68が図の上方へ位置しているとすると、ロッカアーム56は全体として上方へ位置し、揺動カム59の連結ピン67側の端部が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム59の初期位置は、そのカム面がタペット60から離れる方向に傾く。従って、駆動軸52の回転に伴って揺動カム59が揺動した際に、基円面が長くタペット60に接触し続け、カム面がタペット60に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部68が図の下方へ位置しているとすると、ロッカアーム56は全体として下方へ位置し、揺動カム59の連結ピン67側の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム59の初期位置は、そのカム面がタペット60に近付く方向に傾く。従って、駆動軸52の回転に伴って揺動カム59が揺動した際に、タペット60と接触する部位が基円面からカム面へと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
前記偏心カム部68の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大、縮小させることができる。各部のレイアウトによるが、例えば、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁61の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。
前記位相可変機構71は、前記駆動軸52の前端部に設けられたスプロケット72と、このスプロケット72と上記駆動軸52とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ73と、から構成されている。前記スプロケット72は、図示しないタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランク軸に連動している。前記位相制御用アクチュエータ73は、例えば油圧式、電磁式などの回転型アクチュエータからなり、エンジンコントロールユニット69からの制御信号によって制御されている。この位相制御用アクチュエータ73の作用によって、スプロケット72と駆動軸52とが相対的に回転し、バルブリフトにおけるリフト中心角が遅進する。
つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。この位相可変機構71の制御状態は、駆動軸52の回転位置に応答する駆動軸センサ66によって検出される。なお、リフト・作動角可変機構51ならびに位相可変機構71の制御は、エンジン運転条件と合わせ、ECUにより最適に制御される。以上に示す可変動弁機構を吸気弁側に備えた本実施形態のサイクル可変ストロークエンジンは、スロットル弁に依存せずに、吸気弁61の可変制御によって吸気量を制御することもできる。
次に、図7に基づいて、代表的な運転条件における吸気弁61のバルブリフト特性の制御について説明する。図6は、運転領域の中で、主にリフト量に着目して吸気量の制御が行われるバルブリフト制御域と、主にバルブタイミングに着目して吸気量の制御が行われるバルブタイミング制御域と、を示している。上記バルブリフト制御域は、アイドルを含む極低負荷域に相当する。
本実施形態のサイクル可変ストロークエンジンは、排気上死点(排気TDC)高さが圧縮上死点(圧縮TDC)高さより高く設定しているため、筒内残留ガスを低減でき、それによるノック限界を拡大でき、燃焼が改善され、出力が向上する等、燃費・出力の両立を図ることができる。
アイドル等の極低負荷域においては、吸気弁61のリフト量を極小リフトとする。これは特に、リフト中心角の位相が吸気量に影響しない程度にまで小さなリフト量となる。そして、位相可変機構71によるリフト中心角の位相は、進角した位置とし、これにより、閉時期を下死点より早め位置とする。
このように極小リフトとすることによって、吸気流が吸気弁61の間隙においてチョークした状態となり、極低負荷域で必要な微小流量が安定的に得られる。そして、閉時期が下死点より早め位置となり、有効圧縮比が低い運転条件であっても、排気上死点(排気TDC)高さが圧縮上死点(圧縮TDC)高さより高く設定していることにより、残留ガスが低減されているため、極小リフトによるガス流動の向上と相俟って、比較的良好な燃焼を確保できる。
前記吸気弁61の閉時期は、図4において、吸気行程中のIVC位置として示している。この場合に、排気上死点から吸気弁閉時期(IVC)までのクランク角度(θ5)は、吸気弁閉時のピストン位置から圧縮行程時における圧縮上死点までのクランク角度(θ6)よりも大きくなっている。これは、圧縮行程における冷却損失に晒されている時間が短く、冷却損失が低減されることであり、それにより燃焼が改善され、燃費が向上するとともに排気が良好となる。
アイドル等の極低負荷域よりも負荷の大きな低負荷領域(補機負荷が加わっているアイドル状態を含む)においては、吸気弁61のリフト・作動角を大きくし、かつリフト中心角は進角した位置とする。このときには、上述したように、バルブタイミングをも考慮して吸気量制御が行われることになり、吸気弁閉時期を早めることで、吸気量が比較的少量に制御される。この結果、リフト・作動角はある程度大きなものとなり、吸気弁61によるポンピングロスが低減する。
なお、アイドル等の極低負荷域における極小リフトでは、前述したように、位相を変更しても吸気量は殆ど変化しないので、極低負荷域から低負荷域へと移行する場合には、位相変更よりも優先して、リフト・作動角を拡大する必要がある。空調用コンプレッサ等の補機の負荷が加わった場合も同様である。
さらに負荷が増加し、燃焼が安定してくる中負荷域では、吸気弁61のリフト・作動角をさらに拡大しつつ、リフト中心角の位相を進角させる。リフト中心角の位相は、中負荷域のある点で、最も進角した状態となる。これにより、内部EGRが利用され、一層のポンピングロス低減が図れる。
また、最大負荷時には、さらにリフト・作動角を拡大し、かつ最適なバルブタイミングとなるように位相可変機構71を制御する。なお、図示するように、機関回転数によっても最適なバルブリフト特性は異なるものとなる。なお、前記燃焼状態は燃料霧化、圧縮行程温度による影響が大きいので、機関温度を検知することが簡便である。
なお、上記実施形態において、吸気弁閉時期を可変とする可変動弁機構として、吸気弁61のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構51と、そのリフトの中心角の位相(図示しないクランク軸に対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構71と、が組み合わされたものについて説明したが、図8に示すように、吸気弁および排気弁を、電気信号によって開閉する電磁式の構成とするものであってもよい。
なお、この可変動弁機構は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開2001−173470号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。この吸気弁61および排気弁の電磁駆動装置(可変動弁装置)は、弁体80の弁軸81にプレート状の可動子82を取付け、この可動子82をスプリング83,84により中立位置に付勢している。そして、この可動子82の下側に開弁用電磁コイル85を配置し、上側に閉弁用電磁コイル86を配置している。
そして、開弁させる際は、上側の閉弁用電磁コイル86への通電を停止した後、下側の開弁用電磁コイル85に通電して、可動子82を下側へ吸着することにより、弁体80をリフトさせて開弁させる。逆に、閉弁させる際は、下側の開弁用電磁コイル85への通電を停止した後、上側の閉弁用電磁コイル86に通電して、可動子82を上側へ吸着することにより、弁体80をシート部に着座させて閉弁させる。このような構成の可変動弁機構により、低中負荷領域において、吸気弁61の閉時期あるいはリフト量の可変制御によって吸気量を負荷に応じて制御することもできる。
また、上記実施形態において、サイクル可変ストロークエンジンの回転シャフト6の駆動機構として、クランク軸9からの回転動力を1/2回転とする回転動力伝達機構を介して回転シャフト6へ伝達するものについて説明したが、図示はしないが、クランク軸9とは独立した駆動用アクチュエータにより回転シャフト6をクランク軸回転数の1/2回転数で回転させるようにとてもよい。この場合には、また、クランク軸9の回転と一義的に連動させるのではなく、サイクル内において自由なモードで上死点位置および下死点位置と、そのクランク角度位置を調整することができる。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)往復動するピストン22によりクランク軸9を回転させ、1サイクル中のピストン22の排気上死点位置(TDC)と圧縮上死点位置(TDC)とで異なるピストンストローク特性とするサイクル可変ストローク機構を備えるとともに、吸気弁61のリフト・作動角を同時にかつ連続的に変更制御可能な可変動弁機構を備え、サイクル可変ストローク機構により排気上死点(排気TDC)時の燃焼室容積を圧縮上死点(圧縮TDC)時の容積より大きく設定したときに、可変動弁機構により吸気弁61の閉時期を吸気下死点より進角させるようにした。このため、有効圧縮比が低い運転条件であっても、残留ガス低減が可能であり、燃焼改善により、燃費、排気が良好となる。
(イ)排気上死点から吸気弁閉時期までのクランク角度は、圧縮時における吸気弁閉時期のピストン位置から圧縮上死点までのクランク角度より大きくされていることにより、残留ガス低減と同時に、圧縮行程時の冷却損失の低減が可能となり、燃焼が改善され、燃費、排気が良好となる。
(ウ)排気上死点から吸気下死点までのクランク角度は、吸気下死点から圧縮上死点までのクランク角度より大きくされていることにより、残留ガス低減と同時に、圧縮クランク角度を減少でき、冷却損失低減が可能となり、燃焼改善により、燃費、排気が良好となる。
(エ)排気行程時における最大ピストン速度となるクランク位置からピストン速度ゼロとなる排気上死点のクランク位置までのクランク角度は、圧縮行程時における最大ピストン速度となるクランク位置からピストン速度ゼロとなる圧縮上死点のクランク位置までのクランク角度より大きくされていることにより、残留ガス低減と同時に、圧縮クランク角度減少でき、冷却損失低減が可能となり、燃焼改善により、燃費、排気が良好となる。特に、吸気弁閉時期が早いエンジンでは、冷却損失の低減効果大であり、燃費、排気が良好となる。
(オ)サイクル可変ストローク機構は、ピストン22のピストンピン1とクランク軸9のクランクピン2とを複数のリンク3、4で連携した複リンク式のピストン−クランク装置を備え、前記複数のリンク3、4の自由度を規制するコントロールリンク5は、その一端が上記複数のリンク3、4の一つに回転可能に連結されるとともに、コントロールリンク5の他端が揺動中心5Cまわりに揺動可能に支持され、クランク軸9の回転に対して1/2の回転速度で同期回転されることにより、簡素なリンク構成で、排気上死点におけるピストン位置が、圧縮上死点におけるピストン位置よりも高くするエンジンシステムを構築できる。
(カ)クランク軸9のクランクピン2が上死点位置に接近するクランク角度90度手前の時点におけるアッパーリンク3の揺動角が、前記上死点を通過後クランク角度90度前方の時点におけるアッパーリンク3の揺動角より大きくなる回転方向にクランク軸9が回転されることにより、上記した(ア)、(イ)の効果を達成できる。
(キ)コントロールリンク5の揺動中心5Cは、クランク軸9と直交する面内において、クランク軸9を挟んでピストン22の中心とは反対側に配置され、クランク軸9はピストン22の上死点位置からクランクピン2を前記揺動中心5C側へ回転させる方向に回転されることにより、上記した(ア)、(イ)の効果を達成できる。
本発明の一実施形態を示すサイクル可変ストロークエンジンの断面図。 同じくサイクル可変ストローク機構の概略構成図。 サイクル可変ストローク機構の上死点前クランク角度90度(A)および上死点後クランク角度90度(B)での作動状態を示す概念図。 本実施形態のサイクル可変ストロークエンジンのピストンストローク特性を示す特性図。 本実施形態のサイクル可変ストロークエンジンのピストン速度特性を示す特性図。 可変動弁機構を示す斜視図。 バルブリフト制御域とバルブタイミング制御域とを示す特性図。 可変動弁機構の別の実施例を示す概略図。
符号の説明
1 ピストンピン
2 クランクピン
3 アッパーリンク
4 ロアリンク
5 コントロールリンク
5C 揺動中心
6 回転シャフト
7 偏心軸部
9 クランク軸
11 回転位相変更機構
51 リフト・作動角可変機構
52…駆動軸
53…偏心カム
56…ロッカアーム
58…リンク部材
59…揺動カム
61…吸気弁
62…制御軸
69…エンジンコントロールユニット
71…位相可変機構

Claims (7)

  1. 往復動するピストンによりクランク軸を回転させ、1サイクル中のピストンの排気上死点位置(TDC)と圧縮上死点位置(TDC)とで異なるピストンストローク特性とするサイクル可変ストローク機構を備えるとともに、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に変更制御可能な可変動弁機構を備え、
    前記サイクル可変ストローク機構により排気上死点(排気TDC)時の燃焼室容積を圧縮上死点(圧縮TDC)時の容積より大きく設定したときに、可変動弁機構により吸気弁の閉時期を吸気下死点より進角させることを特徴とするサイクル可変ストロークエンジン。
  2. 前記排気上死点から吸気弁閉時期までのクランク角度は、圧縮時における吸気弁閉時期のピストン位置から圧縮上死点までのクランク角度より大きくされていることを特徴とする請求項1に記載のサイクル可変ストロークエンジン。
  3. 前記排気上死点から吸気下死点までのクランク角度は、吸気下死点から圧縮上死点までのクランク角度より大きくされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサイクル可変ストロークエンジン。
  4. 前記排気行程時における最大ピストン速度となるクランク位置からピストン速度ゼロとなる排気上死点のクランク位置までのクランク角度は、圧縮行程時における最大ピストン速度となるクランク位置からピストン速度ゼロとなる圧縮上死点のクランク位置までのクランク角度より大きくされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のサイクル可変ストロークエンジン。
  5. 前記サイクル可変ストローク機構は、ピストンのピストンピンとクランク軸のクランクピンとを複数のリンクで連携した複リンク式のピストン−クランク装置を備え、
    上記複数のリンクの自由度を規制するコントロールリンクは、その一端が上記複数のリンクの一つに回転可能に連結されるとともに、コントロールリンクの他端が揺動中心回りに揺動可能に支持され、クランク軸の回転に対して1/2の回転速度で同期回転されることにより、排気上死点におけるピストン位置が、圧縮上死点におけるピストン位置よりも高くすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のサイクル可変ストロークエンジン。
  6. 前記クランク軸のクランクピンが上死点位置に接近するクランク角度90度手前の時点におけるアッパーリンクの揺動角が、前記上死点を通過後クランク角度90度前方の時点におけるアッパーリンクの揺動角より大きくなる回転方向にクランク軸が回転されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のサイクル可変ストロークエンジン。
  7. 前記コントロールリンクの揺動中心は、クランク軸と直交する面内において、クランク軸を挟んでピストンの中心とは反対側に配置され、クランク軸はピストンの上死点位置からクランクピンを前記揺動中心側へ回転させる方向に回転されることを特徴とする請求項5に記載のサイクル可変ストロークエンジン。
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