JP2002220741A - 複合繊維、中空繊維および該複合繊維を用いた中空繊維の製造方法 - Google Patents

複合繊維、中空繊維および該複合繊維を用いた中空繊維の製造方法

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JP2002220741A JP2001073227A JP2001073227A JP2002220741A JP 2002220741 A JP2002220741 A JP 2002220741A JP 2001073227 A JP2001073227 A JP 2001073227A JP 2001073227 A JP2001073227 A JP 2001073227A JP 2002220741 A JP2002220741 A JP 2002220741A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性を示さない重合体から構成され、軽量
性、ドライ感、ふくらみ感等に優れた多孔中空部を有す
る中空繊維と該繊維を含む繊維構造物を提供する。 【解決手段】 平衡水分率が2%以下である熱可塑性重
合体を海成分とし、水溶性熱可塑性ポリビニルアルコー
ル系重合体を島成分とする海島型複合繊維を含む繊維構
造物を水で処理し、該複合繊維から水溶性熱可塑性ポリ
ビニルアルコール系重合体を溶解除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合繊維及びそれ
を含む繊維構造物ならびに、該複合繊維から得られる中
空繊維及びそれを含む繊維構造物に関する。詳細には軽
量性に優れ、かつドライ感、ふくらみ感のある良好な風
合を有する中空繊維、特に、多孔状の中空繊維とその繊
維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミド等の合成繊維
は、その優れた物理的および化学的特性によって、衣料
用のみならず産業用にも広く使用されており、工業的に
重要な価値を有している。しかしながら、これらの合成
繊維は、その単糸繊度に単一な分布を有し、また単糸繊
度が大きいことやその横断面形状が単純であることによ
り、絹、綿、麻等の天然繊維に比較して風合や光沢が単
調である。また上記の合成繊維は冷たくて、ぬめり感の
ある触感を有し品位の低いものであった。そこで合成繊
維の上記のような欠点を改良するために、合成繊維の横
断面形状を異形化したり、繊維を中空化することが広く
行われている。通常、異形紡糸ノズルまたは中空紡糸ノ
ズルを用いて製造される異形断面繊維や中空繊維は、紡
出後、固化するまでの間に溶融状態にある樹脂の表面張
力や紡糸時の引き取り張力等によって異形断面が崩れた
り、中空部が潰れやすいという課題があり、特に多孔中
空形状を発現させようとすると、紡出直後は繊維に多孔
状の中空構造が付与されても、多孔状中空部が潰れて消
滅したり、該中空部の割合が減少し易く、かかる手法で
多孔状の中空部を有する繊維を得ることは実質的に不可
能であった。一方、特開平7−316977号公報に
は、アルカリ易分解性ポリマーを島成分とし、海成分と
してはポリアミドやエチレンビニルアルコール系共重合
体等の吸水率が3%以上の耐アルカリ性ポリマーを用い
て複合繊維とした後、該易分解性ポリマーを熱アルカリ
水溶液処理することにより分解除去して多孔中空繊維と
する技術が提案されている。しかしながら、これらの問
題点としては、アルカリ分解生成物の排水処理の繁雑さ
が有り、環境面からも大きな課題を残している。しか
も、かかる手法では、アルカリ水溶液が複合繊維の海成
分を浸透して島成分を抽出することが必要であるため、
海成分としては吸水性を有する重合体を使用しなければ
ならないという重合体の種類の制限があり、さらに、ア
ルカリに弱いポリ乳酸やポリエステルも海成分に使用す
ることが困難であり、かかる手法により海成分がポリ乳
酸やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートを主たる骨格とするポリエステルなどからなる
多孔中空繊維を製造することは実質的に不可能であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の従来技術の課題を解決し、吸水性を殆ど示さない、所
謂疎水性重合体から構成される多孔中空部を有し、軽量
性、ドライ感、ふくらみ感等に優れた中空繊維やそれを
含む繊維構造物を提供することである。また、かかる中
空繊維を排水処理や環境面での問題を起こすことなく製
造するための複合繊維を提供することであり、さらに、
かかる複合繊維を用いた中空繊維の製造方法を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、平
衡水分率が2%以下である熱可塑性重合体を海成分と
し、水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系重合体を島
成分とする複合繊維であり、また、平衡水分率が2%以
下である熱可塑性重合体からなる中空繊維であり、さら
に、上記の複合繊維を水で処理し、該複合繊維から水溶
性熱可塑性ポリビニルアルコール系重合体を溶解除去す
ることを特徴とする中空繊維の製造方法である。さらに
また、本発明は、上記の複合繊維を含む繊維構造物を水
で処理し、該複合繊維から水溶性熱可塑性ポリビニルア
ルコール系重合体を溶解除去することを特徴とする繊維
構造物の処理方法であり、かかる処理により得られる中
空繊維を含む繊維構造物である。
【0005】なお、本発明でいう繊維構造物とは、本発
明の複合繊維又は中空繊維の単独で構成されたマルチフ
ィラメント糸、紡績糸、織編物、不織布、紙、人工皮
革、詰物材はもちろんのこと、天然繊維、半合成繊維、
他の合成繊維との混織糸や混紡糸、合撚糸、交絡糸や捲
縮糸等の加工糸、交織物、交編物、繊維積層体、並びに
これらから構成される衣類、リビング資材、産業資材、
メディカル用品等の各種最終製品をも包含するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の複合繊維においては、海
成分が平衡水分率が2%以下の熱可塑性重合体で構成さ
れ、島成分が水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系重
合体で構成されていることが重要であり、かかる条件を
満たしていれば、複合繊維の海島の形態は特に制限され
るものではない。島数は複合繊維の断面において1個以
上存在していればよいが、高い中空率の中空繊維や中空
部の数が例えば、10個以上、さらには30個以上、特に50
個以上という多孔中空の中空繊維を得る場合に本発明の
本領が発揮される。島数の上限値は特に制限されない
が、島数が多くなるにつれて繊維化が困難になること
や、繊維物性が低下する傾向にあるので、ある程度の繊
維強度が要求される用途には使用しにくく、従って、用
途に応じて好ましくは1500個以下、より好ましく
は、1000個以下、さらに好ましくは600個以下と
することが望まれる。また、個々の島成分の形状は何ら
限定されず、円形でも楕円形でもその他の異形形状でも
よい。さらに島成分は、繊維軸方向に連続していても不
連続に形成されていてもよい。本発明の複合繊維の代表
例をその横断面図により示すと、例えば、図1〜図6の
ようなものを挙げることができる。図1の複合繊維は、
繊維断面中央の水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系
重合体からなる大きな島成分2が平衡水分率2%以下の
熱可塑性重合体からなる海成分1に包囲された形態のも
のであり、図2の複合繊維は、水溶性熱可塑性ポリビニ
ルアルコール系重合体からなる小さな島成分2が平衡水
分率2%以下の熱可塑性重合体からなる海成分1に包囲
された形態のものであり、第3図は、第2図においてさ
らに小さな多数の島成分2の形態が円形でない不定形な
形状となっているものである。また図4〜図6は、繊維
断面形状が三角断面になるものである。
【0007】本発明において、島成分と海成分の複合比
率は特に限定されないが、最終的に得られる中空繊維の
中空部の数と中空率をどの程度に設定するかに応じて適
宜複合比率を変更することができる。しかしながら、島
成分の比率が小さすぎると、中空繊維としての軽量化等
の効果が十分に発揮されず、一方、中空部の比率が大き
すぎると実用性のある繊維物性を持つ中空繊維とするこ
とが困難となるので、好ましくは島:海=2:98〜6
5:35、さらには5:95〜60:40とすることが
好ましい。また、複合繊維の断面形態は特に制限され
ず、図1〜図3に示した円形断面の他に例えば、偏平
形、楕円形、三角形(図4,5,6)〜八角形等の角形、
T字形、3〜8葉形等の多葉形等の任意の形状とするこ
とができる。更に、本発明の複合繊維には、蛍光増白
剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を必要に
応じて含有することができる。
【0008】次に、本発明の複合繊維の島成分に使用さ
れる水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系重合体(以
下、単にPVAと略称することもある)について説明す
る。本発明で使用されるPVAとは、ポリビニルアルコ
ールのホモポリマーは勿論のこと、例えば、共重合、末
端変性、および後反応により官能基を導入した変性ポリ
ビニルアルコールも包含するものである。
【0009】本発明に用いられるPVAの粘度平均重合
度(以下、単に重合度と略記する)は200〜500が
好ましく、230〜470がより好ましく、250〜4
50が特に好ましい。重合度が200未満の場合には紡
糸時に十分な曳糸性が得られず、繊維化しにくい場合が
ある。重合度が500を越えると溶融粘度が高すぎて、
紡糸ノズルから重合体を吐出することができない場合が
ある。また重合度500以下のいわゆる低重合度のPV
Aを用いることにより、水溶液で複合繊維を溶解すると
きに溶解速度が速くなるばかりでなく複合繊維が溶解す
る時の収縮を小さくすることができる。
【0010】PVAの重合度(P)は、JIS−K67
26に準じて測定される。すなわち、PVAを再鹸化
し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度
[η](dl/g)から次式により求められるものである。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62) 重合度が上記範囲にある時、本発明の目的がより好適に
達せられる。
【0011】本発明に用いられるPVAは、鹸化度が9
0〜99.99モル%であることが好ましい。より好ま
しくは93〜99.98モル%、さらに94〜99.9
7モル%が好ましく、96〜99.96モル%が特に好
ましい。鹸化度が90モル%未満の場合には、PVAの
熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって満足な溶融紡糸
ができない場合があり、また後述する共重合モノマーの
種類によってPVAの水溶性が低下する場合がある。一
方、鹸化度が99.99モル%よりも大きいPVAは溶
解性が低下しやすく又安定に製造することができず、安
定した繊維化が困難となる。
【0012】さらに本発明で使用される好ましいPVA
は、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表
示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜
99.9モル%で、融点が160℃〜230℃で、かつ
PVA100質量部に対してアルカリ金属イオンがナト
リウムイオン換算で0.0003〜1質量部含有されて
いることが好ましい。
【0013】本発明において、ポリビニルアルコールの
トライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基と
は、PVAのd6−DMSO溶液での500MHz プ
ロトンNMR(JEOL GX−500)装置、65℃
測定による水酸基プロトンのトライアッドのタクティシ
ティを反映するピーク(I)を意味する。ピーク(I)
はPVAの水酸基のトライアッド表示のアイソタクティ
シティ連鎖(4.54ppm)、ヘテロタクティシティ
連鎖(4.36ppm)およびシンジオタクティシティ
連鎖(4.13ppm)の和で表されて、全てのビニル
アルコールユニットにおける水酸基のピーク(II)はケ
ミカルシフト4.05ppm〜4.70ppmの領域に
現れることから、本発明のビニルアルコールユニットに
対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸
基のモル分率は、100×(I)/(II)で表されるも
のである。
【0014】PVAのトライアッド表示による水酸基3
連鎖の中心水酸基の含有量が70モル%未満である場合
には、重合体の結晶性が低下し、繊維強度が低くなると
同時に、溶融紡糸時に繊維が膠着して巻取り後に巻き出
しできない場合がある。また本発明で目的とする水溶性
の熱可塑性繊維が得られない場合がある。PVAのトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量
が99.9モル%より大の場合には、重合体の融点が高
いため溶融紡糸温度を高くする必要があり、その結果、
溶融紡糸時の重合体の熱安定性が悪く、分解、ゲル化、
重合体着色が起こりやすい。
【0015】また、本発明のPVAがエチレン変性のP
VAである場合、下記式を満足することで本発明の効果
は更に高くなるものである。 -1.5×Et+100≧モル分率≧-Et+85 ここで、モル分率(単位:モル%)はビニルアルコールユ
ニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の
中心水酸基のモル分率を表し、Etはビニルアルコール系
重合体が含有するエチレン含量(単位:モル%)を表す。
【0016】従って、本発明に用いられるPVAのトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量
は72〜99モル%がより好ましく、74〜97モル%
がさらに好ましく、76〜95モル%が特に好ましい。
【0017】本発明に於いて用いられるポリビニルアル
コールの水酸基3連鎖の中心水酸基の量を制御すること
で、PVAの水溶性、吸湿性など水に関わる諸物性、強
度、伸度、弾性率など繊維に関わる諸物性、融点、溶融
粘度など溶融紡糸性に関わる諸物性をコントロールでき
る。これはトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心
水酸基は結晶性に富み、PVAの特長を発現させるため
と思われる。
【0018】本発明に用いられるPVAの融点(Tm)
は160〜230℃であることが好ましく、170〜2
27℃がより好ましく、175〜224℃がさらに好ま
しく、180〜220℃が特に好ましい。融点が160
℃未満の場合にはPVAの結晶性が低下し、複合繊維の
繊維強度が低くなると同時に、該複合繊維の熱安定性が
悪くなり、繊維化できない場合がある。一方、融点が2
30℃を越えると溶融紡糸温度が高くなり、紡糸温度と
PVAの分解温度が近づくためにPVAと他の熱可塑性
重合体とからなる複合繊維を安定に製造することができ
ない場合がある。なお、PVAの融点は、DSCを用い
て窒素中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後、
室温まで冷却し、再度昇温速度10℃/分で250℃ま
で昇温した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピー
クトップの温度を意味する。
【0019】本発明に用いられるPVAは、ビニルエス
テル系重合体のビニルエステル単位を鹸化することによ
り得られる。ビニルエステル単位を形成するためのビニ
ル化合物単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸
ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティック酸ビニ
ル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得る点からは
酢酸ビニルが好ましい。
【0020】また本発明で使用されるPVAは、ホモポ
リマーであっても共重合単位を導入した変成PVAであ
ってもよいが、溶融紡糸性、水溶性、繊維物性の観点か
らは、共重合単位を導入した変性ポリビニルアルコール
を用いることが好ましい。共重合単量体の種類として
は、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ
ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、アクリル
酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル
等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその
塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメ
タクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のアクリル
アミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル
アミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル類、エチレングリコールビニルエーテル、1,3
−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジ
オールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエ
ーテル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテ
ル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等
のアリルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量
体、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル類、酢
酸イソプロペニル、3−ブテン−1−オール、4−ペン
テン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オ
クテン−1−オール、9−デセン−1−オール、3−メ
チル−3−ブテン−1−オール等のヒドロキシ基含有の
α−オレフィン類、フマール酸、マレイン酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット
酸または無水イタコン酸等に由来するカルボキシル基を
有する単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を
有する単量体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニ
ロキシメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルア
ミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ア
クリルアミドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミ
ン等に由来するカチオン基を有する単量体が挙げられ
る。これらの単量体の含有量は、通常20モル%以下で
ある。
【0021】これらの単量体の中でも、入手のしやすさ
などから、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリコー
ルビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒ
ドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテー
ト、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、
ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシ
アルキレン基を有する単量体、3−ブテン−1−オー
ル、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オ
ール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オ
ール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒドロ
キシ基含有のα−オレフィン類に由来する単量体が好ま
しい。
【0022】特に、共重合性、溶融紡糸性および繊維の
水溶性の観点からエチレン、プロピレン、1−ブテン、
イソブテンの炭素数4以下のα−オレフィン類、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピル
ビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類がより好まし
い。炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビ
ニルエーテル類に由来する単位は、PVA中に0.1〜
20モル%存在していることが好ましく、より好ましく
は1〜20モル%、さらに4〜15モル%が好ましく、
6〜13モル%が特に好ましい。さらに、α−オレフィ
ンがエチレンである場合において、繊維物性が高くなる
ことから、特にエチレン単位が4〜15モル%、より好
ましくは6〜13モル%導入された変性PVAを使用す
ることが好ましい。
【0023】本発明で使用されるPVAは、塊状重合
法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の
方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコ
ールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が
通常採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるア
ルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げら
れる。共重合に使用される開始剤としては、α,α'-ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、
nープロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始
剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げら
れる。重合温度については特に制限はないが、0℃〜1
50℃の範囲が適当である。
【0024】本発明で使用されるPVAにおけるアルカ
リ金属イオンの含有割合は、PVA100質量部に対し
てナトリウムイオン換算で0.0003〜1質量部であ
ることが好ましく、0.0003〜0.8質量部がより
好ましく、0.0005〜0.6質量部がさらに好まし
く、0.0005〜0.5質量部が特に好ましい。アル
カリ金属イオンの含有割合が0.0003質量部未満の
場合には、十分な水溶性を示さず未溶解物が残る場合が
ある。またアルカリ金属イオンの含有量が1質量部より
多い場合には溶融紡糸時の分解及びゲル化が著しく繊維
化することができない場合がある。アルカリ金属イオン
としては、カリウムイオン、ナトリウムイオン等があげ
られる。
【0025】本発明において、特定量のアルカリ金属イ
オンをPVA中に含有させる方法は特に制限されず、P
VAを重合した後にアルカリ金属イオン含有の化合物を
添加する方法、ビニルエステルの重合体を溶媒中におい
て鹸化するに際し、鹸化触媒としてアルカリイオンを含
有するアルカリ性物質を使用することによりPVA中に
アルカリ金属イオンを配合し、鹸化して得られたPVA
を洗浄液で洗浄することにより、PVA中に含まれるア
ルカリ金属イオン含有量を制御する方法などが挙げられ
るが後者のほうが好ましい。なお、アルカリ金属イオン
の含有量は、原子吸光法で求めることができる。
【0026】鹸化触媒として使用するアルカリ性物質と
しては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムがあげ
られる。鹸化触媒に使用するアルカリ性物質のモル比
は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好ま
しく、0.005〜0.05が特に好ましい。鹸化触媒
は、鹸化反応の初期に一括添加しても良いし、鹸化反応
の途中で追加添加しても良い。鹸化反応の溶媒として
は、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、
ジメチルホルムアミドなどがあげられる。これらの溶媒
の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.001〜
1質量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率
を0.003〜0.9質量%に制御したメタノールがよ
り好ましく、含水率を0.005〜0.8質量%に制御
したメタノールが特に好ましい。洗浄液としては、メタ
ノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサ
ン、水などがあげられ、これらの中でもメタノール、酢
酸メチル、水の単独もしくは混合液がより好ましい。洗
浄液の量としてはアルカリ金属イオンの含有割合を満足
するように設定されるが、通常、PVA100質量部に
対して、300〜10000質量部が好ましく、500
〜5000質量部がより好ましい。洗浄温度としては、
5〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。
洗浄時間としては20分間〜10時間が好ましく、1時
間〜6時間がより好ましい。
【0027】また、本発明においては、上述のようなP
VAを用いたとしても、PVAは一般的に汎用性の熱可
塑性樹脂に比較して高温での溶融流動性に劣るため、必
要に応じて、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コールおよびそのオリゴマー、ブチレングリコール及び
そのオリゴマー、ポリグリセリン誘導体やグリセリン等
にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアル
キレンオキサイドが付加したグリセリン誘導体、ソルビ
トールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等
のアルキレンオキサイドが付加した誘導体、ペンタエリ
スリトール等の多価アルコール及びその誘導体、PO/
EOランダム共重合物等の可塑剤を1〜30質量%、好
ましくは2〜20質量%の割合でPVAに配合すること
曳糸性向上の点から好ましい。そして、繊維化工程で熱
分解が起こりにくく、良好な可塑化性、紡糸性を得るた
めには、ソルビトールのアルキレンオキサイド付加物、
ポリグリセリンアルキルモノカルボン酸エステル、PO
/EOランダム共重合物などの可塑剤を1〜30質量
%、好ましくは2〜20質量%配合することが好まし
く、特にソルビトールのエチレンオキサイドを1〜30
モル付加した化合物が好ましい。
【0028】本発明の複合繊維の海成分を構成する熱可
塑性重合体は、平衡水分率が2%以下であれば特に制限
されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
メチルペンテン等のポリオレフィン系重合体やポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレ
フタレート等のポリエステル、ポリ乳酸、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポ
リメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリウレタン、ポリブタジエン、水添ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、芳香
族ビニルモノマーとジエン系モノマーとからの共重合
体、又はその水添物等を挙げることができる。また、こ
れらの重合体は、平衡水分率が本発明の規定を満たす範
囲内であれば共重合等で変性されていてもよい。特に、
ポリエステル系においては、イソフタル酸、5−ソジウ
ムスルホイソフタル酸、セバチン酸、アジピン酸等で共
重合することが島成分PVAの除去の容易性から好ましい
方向である。さらに海成分を構成する熱可塑性重合体に
は添加剤が含有されていても差し支えない。なお、本発
明における平衡水分率は、JIS L1015−1992の
7.3「平衡水分率」の測定法に準拠して求められる値で
あり、測定の際の水分平衡は、温度20℃±2℃、湿度6
5%RH±2%RHの条件下でのものである。
【0029】本発明の複合繊維は、上記のようなPVA
を島成分とし、平衡水分率が2%以下の熱可塑性重合体
を海成分とした断面形態を形成することができる紡糸技
術であれば特に限定されず、熱溶融時に島成分のPVAと
反応、ゲル化しないポリマーの組み合わせの系において
は、例えば、混合紡糸による方法が可能であり、島成分
となるPVAと海成分となる熱可塑性重合体とを、1つ
の押し出し機で溶融混練し、引き続き同一の紡糸ノズル
から吐出させて巻取り、繊維化することができる。また
複合紡糸による方法では、PVAと熱可塑性重合体とを
それぞれ別の押し出し機で溶融混練し、引き続き、PV
Aが島成分となり、熱可塑性重合体が海成分となるよう
にして海島型複合紡糸ノズルから吐出させて巻き取り、
繊維化することができる。
【0030】繊維化条件は、重合体の組合せ、複合断面
形態に応じて設定する必要があるが、主に、以下のよう
な点に留意して繊維化条件を決めることが望ましい。 (1)一般的にPVAは高温時での溶融流動性に劣り、ま
た滞留部の存在で自己架橋し、ゲル化し易いポリマーで
あるので、極力ポリマーの押出しゾーン及びジェットパ
ック(複合紡糸部品の集合体)内部のポリマー流動部で滞
留部が生じにくくすることが重要である。 (2)紡糸口金温度は、複合繊維を構成する重合体のうち
高い融点を持つ重合体の融点をMpとするときMp〜Mp+80
℃が好ましく、せん断速度(γ)1,000〜25,000sec-1
ドラフトV10〜500で紡糸することが好ましい。 (3)複合する重合体の組み合わせから見た場合、紡糸時
おける口金温度とノズル通過時のせん断速度で測定した
ときの溶融粘度が近接した重合体を組合せて複合紡糸す
ることが紡糸安定性の面から好ましい。
【0031】本発明におけるPVAの融点Tmとは、示
差走査熱量計(DSC:例えばMettler社TA3000)で観
察される主吸熱ピークのピーク温度である。せん断速度
(γ)は、ノズル半径をr(cm)、単孔あたりの重合
体吐出量をQ(cm3/sec)とするときγ=4Q/πr3で計
算される。またドラフトVは、引取速度をA(m/分)とす
るときV=5A・πr2/3Qで計算される。
【0032】本発明の複合繊維を製造するに際して、紡
糸口金温度がPVAの融点Tmより低い温度では該PV
Aが溶融しないために紡糸できない。またTm+80℃を
越えるとPVAが熱分解あるいは自己架橋によるゲル化
が発生しやすくなるために紡糸性が低下する。また、せ
ん断速度は1,000sec-1よりも低いと断糸しやすく、25,0
00sec-1より高いとノズルの背圧が高くなり紡糸性が悪
くなる。ドラフトは10より低いと繊度むらが大きくなり
安定に紡糸しにくくなり、ドラフトが500より高くな
ると断糸しやすくなる。
【0033】紡糸ノズルから吐出された糸条は延伸せず
にそのまま高速で巻き取るか必要に応じて延伸される。
延伸は破断伸度(HDmax)×0.55〜0.9倍の延伸倍率でガラ
ス転移点(Tg)以上の温度で延伸される。延伸倍率がHD
max×0.55未満では十分な強度を有する複合繊維が安定
して得られず、HDmax×0.9を越えると断糸しやすくな
る。延伸は紡糸ノズルから吐出された後に一旦巻き取っ
てから延伸する場合と、延伸に引き続いて施される場合
があるが、本発明においてはいずれでもよい。延伸は通
常熱延伸され、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいず
れを用いて行ってもよい。延伸工程において、延伸倍率
の絶対値が大きいほど、毛羽発生、断糸しやすくなるた
め高速紡糸〜低延伸倍率による繊維化条件あるいは公知
の高速紡糸・巻取りのみによる手法が好ましい。
【0034】延伸温度は、複合の組み合わせポリマーに
応じて適宜設定されるが、本発明に用いるポリビニルア
ルコールは結晶化速度が速いため未延伸糸の結晶化がか
なり進み、Tg前後では結晶部分の可塑変形が生じにく
い。このため、例えば、PETとの複合においては熱ロ
ーラー延伸などの接触加熱延伸をする場合でも比較的高
い温度(70〜100℃程度)を目安に延伸する。ま
た、加熱炉、加熱チューブなどの非接触タイプのヒータ
ーを使用して加熱延伸する場合は、さらに高温で150
〜200℃程度の温度条件とすることが好ましい。
【0035】但し、本発明においては繊維化条件とし
て、紡糸口金温度がTm〜Tm+80℃で、せん断速度
(γ)1,000〜25,000sec-1、ドラフト
(V)10〜500で紡糸することが重要である。
【0036】また、本発明における複合繊維断面形状は
特に限定されず、紡糸ノズルの形状により真円状にも中
空にも異型断面にもできる。繊維化や製織化での工程通
過性の点から真円が好ましい。
【0037】本発明の複合繊維は、製造条件によって島
成分であるPVAの水溶解時の複合繊維の収縮挙動を制
御することが可能であり、PVA溶解時に該複合繊維が
収縮しないか又は収縮量を小さく抑えようとする場合に
は、該複合繊維に熱処理を施しておくことが望ましい。
この熱処理は、延伸を伴う繊維化工程においては、延伸
と同時に行ってもよいし、延伸と別個に行う熱処理であ
ってもよい。熱処理温度を高くすると島成分PVAを溶
解して得られる中空繊維の最大収縮率を低くすることが
可能であるが、逆に島成分PVAの水中溶解温度が高く
なる傾向にあるので、該複合繊維の加工工程における最
大収縮率とのバランスを見ながら熱処理条件を設定する
ことが望ましく、大凡は島成分PVAのガラス転移点〜
(Tm−10)℃の範囲内で条件設定することが好まし
い。
【0038】処理温度がTgより低い場合には十分に結
晶化した複合繊維が得られず、例えば、布帛にして熱セ
ットして用いる場合の収縮が大きくなり、布帛の風合い
が硬化するため好ましくない。また処理温度が(Tm−
10)℃を越える場合には繊維間の膠着が生じ好ましく
ない。
【0039】熱処理は延伸後の複合繊維に収縮を加えて
行ってもよい。複合繊維に収縮を加えると水中でのPV
A溶解までの複合繊維の収縮率が小さくなる。加える収
縮は0.01〜5%好ましく、0.1〜0.5%がより
好ましく、1〜4%が特に好ましい。加える収縮が0.
01%以下の場合にはPVA溶解時の複合繊維の最大収
縮率を小さくする効果が実質的に得られず、加える収縮
が5%を超える場合には収縮処理中に複合繊維がたるん
で安定に収縮を加えることができない。
【0040】本発明において、PVAが「水溶性」であ
るということは、溶解するまでの時間の長短にかかわら
ず40℃以上の温度で溶解することを意味する。そし
て、PVAの種類や複合繊維の製造条件を変更すること
により、本発明ではPVA島成分の溶解温度が30℃〜
100℃となる複合繊維を得ることができるが、実用性
及び水溶性のすべての特性のバランスをとるためには、
40℃以上の溶解温度を有するPVA島成分からなる複
合繊維とすることが好ましい。
【0041】溶解処理温度はPVAの溶解温度や複合繊
維の海成分を構成する熱可塑性重合体のWet状態での
ガラス転移点に応じて適宜調整すればよいが、もちろん
処理温度は高い程処理時間が短くなる。熱水を用いて溶
解する場合、海成分となる熱可塑性重合体のガラス転移
点が70℃以上であれば、100℃以上の高温高圧下で
の熱水処理が最も好ましい。なお、水溶液には通常は軟
水が用いられるがアルカリ水溶液、酸性水溶液であって
もよいし、界面活性剤等を含んだものであってもよい。
【0042】本発明の複合繊維を熱水処理してPVA成
分を溶解除去するに当っては、ノニオン系界面活性剤、
アニオン系界面活性剤等を成分とする精練剤、その他の
添加剤等を含んで行ってもよい。また、上記の熱水処理
によるPVAの溶解除去は、複合繊維単独に対して行な
ってもよいし、該複合繊維を含む繊維構造体を構成させ
た後に熱水処理を施してもよい。熱水処理時の温度およ
び処理時間は、複合繊維の繊度、複合繊維における島成
分の割合、島成分の分布状態、海成分の熱可塑性重合体
の比率、種類、繊維構造物の形態等の種々の要件により
適宜調節できる。熱水処理温度としては60℃以上、好
ましくは80℃以上がよい。熱水処理の方法としては、
熱水液中に複合繊維、繊維構造物を浸漬する方法、或い
はそれらに熱水液をパッド、スプレー等の方式で施す方
法等を挙げることができる。
【0043】本発明においてPVAは、上記のような熱
水処理により複合繊維から水溶液として除去されるが、
かかるPVAは生分解性を有しており、活性汚泥処理あ
るいは土壌に埋めておくと分解されて水と二酸化炭素に
なる。また溶解除去された該PVAは水溶液の状態で活
性汚泥で連続処理すると2日〜1ヶ月でほぼ完全に分解
される。生分解性の点から該繊維の鹸化度は90〜9
9.99モル%が好ましく、92〜99.98モル%が
より好ましく、93〜99.97モル%が特に好まし
い。また該繊維の1,2−グリコール結合含有量は1.
0〜3.0モル%が好ましく、1.2〜2.5モル%が
より好ましく、1.3〜1.9モル%が特に好ましい。
PVAの1,2−グリコール結合量が1.0モル%未満
の場合には、PVAの生分解性が悪くなるばかりでな
く、溶融粘度が高すぎて該複合繊維の紡糸性が悪くなる
場合がある。PVAの1,2−グリコール結合含有量が
3.0モル%以上の場合にはPVAの熱安定性が悪くな
り紡糸性が低下する場合がある。
【0044】本発明においては、熱水処理によって複合
繊維中のPVAが選択的に除去されて、1個または複数
個の中空部を有する平衡水分率2%以下の熱可塑性重合
体からなる中空繊維が製造されるものであるが、本発明
の最大の特徴は、殆ど水に膨潤しないと考えられてい
る、基本骨格の85モル%以上がポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートであるポリエステ
ルやポリプロピレン等の熱可塑性重合体からなる海成分
に完全に包囲されているPVA島成分が熱水処理により
奇麗に溶解除去されて中空繊維が形成されることであ
る。複合繊維がステープル繊維など切断面を持っている
場合は、繊維の端面からPVAが抜けていくことが考え
られるが、本発明においては、実質的に切断面のない長
繊維の状態であってもPVAが奇麗に溶解除去されるも
のであり、かかる事実は従来の常識を覆すものといって
も過言ではない。特に、多孔中空構造を有するポリエス
テル繊維やポリプロピレン繊維は、発泡剤を含有させた
り、極めて特殊な方法によっても得られにくかったもの
であるが、本発明の複合繊維を用いることで極めて合理
的、かつ実用的に製造することが可能となるものであ
る。また、島成分のPVAは吸湿性、保湿性に優れるた
め、この特性を応用し、目的(用途)によってPVAを一
部溶解除去し、空隙を形成せしめると同時に島成分のP
VAを残すことも可能である。
【0045】本発明の中空繊維における中空部の面積割
合(中空率)は2%以上であることが好ましく、2%よ
りも低いと軽量性、ふくらみ感等のが十分に発現しない
場合がある。従って、中空部の面積割合を5%以上にす
るのが好ましい。中空部の面積割合が大き過ぎると繊維
強度が不足してくるので、好ましくは70%以下、より
好ましくは50%以下の面積割合であることが望まれ
る。
【0046】このようにして得られる本発明の中空繊維
は、軽量性、柔軟性、不透明性、ふくらみ感のある風合
等から特にタフタ、デシン、ジョーゼット、ちりめん、
加工糸、ツイルなどの織物、または天竺、スムース、ト
リコットなどの編物にするのに適している。さらに、衣
料用途に限らず、不織布用途、メディカル用途や衛生材
料、詰め物材として各種リビング資材にも使用可能であ
るし、繊維積層体として自動車等の内装材、消音材、防
振材として利用可能であり、さらに抄紙することもでき
る。
【0047】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお
実施例中の部及び%はことわりのない限り質量に関する
ものである。
【0048】[PVAの分析方法]PVAの分析方法は
特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。変
性量は変性ポリビニルエステルあるいは変性PVAを用
いて500MHzプロトンNMR(JEOL GX−5
00)装置による測定から求めた。アルカリ金属イオン
の含有量は原子吸光法で求めた。
【0049】1,2-グリコール結合含有量は先に記載した
方法で測定した。本発明のPVAのトライアッド表示に
よる3連鎖の水酸基量の割合は以下の測定により求め
た。PVAを鹸化度99.5モル%以上に鹸化後、十分
にメタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日
間したPVAを用いて、d6−DMSOに溶解した後、
500MHz プロトンNMR(JEOL GX−50
0)装置により65℃測定を行った。PVA中のビニル
アルコールユニットの水酸基由来のピークはケミカルシ
フト4.05ppmから4.70ppmの領域に現れ、
この積分値をビニルアルコールユニット量(II)とす
る。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中
心水酸基はそれぞれアイソタクティシティ連鎖の場合
4.5ppm、ヘテロタクティシティ連鎖の場合4.3
6ppmおよびシンジオタクティシティ連鎖の場合は
4.13ppmに現れる。この3者の積分値の和をトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基量(I)
とする。本発明のPVAのビニルアルコールユニットに
対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸
基のモル分率は、100×(I)/(II)で表され
る。
【0050】[融点]PVAの融点は、DSC(メトラ
ー社、TA3000)を用いて、窒素中、昇温速度10
℃/分で250℃まで昇温後室温まで冷却し、再度、昇
温速度10℃/分で250℃まで昇温した場合のPVA
の融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度で表し
た。
【0051】[熱水中でのPVAの除去率]本発明の複
合繊維について、該複合繊維を構成するPVAの熱水中
での溶解温度をTα(℃)とする時、(Tα+40)℃の
熱水で40分間処理、水洗5分、乾燥後の質量減少率を
PVAの除去率とした。なお、Tαは、たとえば、当該
PVA単独からなる繊維に2.2mg/デシテックスの
荷重を掛け、水中に吊るし、水温を上げていき切断する
時の温度として求めることができる。
【0052】[中空部面積率の測定]中空繊維の糸の横
断面をSEM写真撮影し、その横断面における多孔状の
中空部面積および中空繊維全体部面積から算出した
【0053】[風合評価(軽量感、風合い)]織物につい
てパネラー10名で実施し、下記の基準で評価した。 ◎:9名以上が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に優れ
ていると判定 ○:7〜8名が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に優れ
ていると判定 △:5〜6名が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に優れ
ていると判定 ×:6名以上が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に劣っ
ていると判定
【0054】[エチレン変性PVAの製造]攪拌機、窒
素導入口、エチレン導入口および開始剤添加口を備えた
100L加圧反応槽に酢酸ビニル29.0kgおよびメ
タノール31.0kgを仕込み、60℃に昇温した後3
0分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。次い
で反応槽圧力が5.9kg/cm2(5.8×105Pa)となる
ようにエチレンを導入仕込みした。開始剤として2,
2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)(AMV)をメタノールに溶解した濃度
2.8g/L溶液を調整し、窒素ガスによるバブリング
を行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃に調
整した後、上記の開始剤溶液170mlを注入し重合を
開始した。重合中はエチレンを導入して反応槽圧力を
5.9kg/cm2(5.8×105Pa)に、重合温度を60℃
に維持し、上記の開始剤溶液を用いて610ml/hr
でAMVを連続添加して重合を実施した。10時間後に
重合率が70%となったところで冷却して重合を停止し
た。反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバ
ブリングして脱エチレンを完全に行った。ついで減圧下
に未反応酢酸ビニルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルの
メタノール溶液とした。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が50%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液200g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、46.5g(ポリ酢酸ビ
ニル中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(MR)
0.10)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノー
ル溶液)を添加して鹸化を行った。アルカリ添加後約2
分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、60℃で
1時間放置して鹸化を進行させた後、酢酸メチル100
0gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノール
フタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別し
て得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを
加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回
繰り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中
70℃で2日間放置して乾燥PVAを得た。得られたエ
チレン変性PVAの鹸化度は98.4モル%であった。
また該変性PVAを灰化させた後、酸に溶解したものを
用いて原子吸光光度計により測定したナトリウムの含有
量は、変性PVA100質量部に対して0.01質量部
であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除
去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をn−
ヘキサンに沈殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行
った後、80℃で3日間減圧乾燥を行って精製ポリ酢酸
ビニルを得た。該ポリ酢酸ビニルをDMSO−d6に溶
解し、500MHzプロトンNMR(JEOL GX−
500)を用いて80℃で測定したところ、エチレンの
含有量は8.4モル%であった。上記のポリ酢酸ビニル
のメタノール溶液をアルカリモル比0.5で鹸化した
後、粉砕したものを60℃で5時間放置して鹸化を進行
させた後、メタノールソックスレーを3日間実施し、次
いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製されたエチレ
ン変性PVAを得た。該PVAの平均重合度を常法のJ
IS K6726に準じて測定したところ330であつ
た。該精製PVAの1,2−グリコール結合量および水
酸基3連鎖の水酸基の含有量を500MHzプロトンN
MR(JEOL GX−500)装置による測定から前
述のとおり求めたところ、それぞれ1.50モル%およ
び83%であつた。さらに該精製された変性PVAの5
%水溶液を調整し厚み10ミクロンのキャスト製フィル
ムを作成した。該フイルムを80℃で1日間減圧乾燥を
行った後に、DSC(メトラー社、TA3000)を用
いて、前述の方法によりPVAの融点を測定したところ
208℃であった。
【0055】実施例1 上記で得られた変性PVAを島成分として、酸化チタン
0.045質量%含有イソフタル酸6モル%変性ポリエ
チレンテレフタレート(〔η〕=0.68、平衡水分率
0.4%、以下IPA6coPETと略称する)を海成
分として用い、PVAのゾーン最高温度230℃、PV
Aの溶融滞留が極力生じない複合紡糸部品を用い、紡糸
温度260℃、紡糸速度1800m/分で紡出した後、
この未延伸糸を83℃の熱ローラ及び140℃の熱プレ
ートに接触させ、延伸倍率2.3倍で延伸することによ
り、表1に示すような繊維断面及び複合比率を有する8
3dtex/24fの複合繊維を得た。
【0056】次いで該複合繊維を経糸及び緯糸として用
いて平織物を作成した。その生機密度は95本/25.
4mm、緯糸86本/25.4mmであった。該生機織物を
炭酸ナトリウムを2g/リットルの割合で含む水溶液中に8
0℃で30分間浸漬して糊抜きした後、170℃で約40秒間プ
レセットを行なった。次にイントールMTコンク(アニオ
ン活性剤、明成化学社製)1g/リットルを含む水溶液に
て浴比50:1、温度120℃、時間40分間の熱水処理を行な
った。十分に水洗して表1に示すPVAの除去率及び中空
面積率を有する平織物を得た。軽量感を含む織物の評価
結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】上記表1の結果から、本発明の規定する多
孔状の中空繊維からなる織物は軽量感が極めて良好で、
ソフトでふくらみのある優れた風合いを有するものであ
った。
【0059】実施例2〜5 実施例2は、複合比率を変更し、実施例3〜5は繊維断
面、島数等を変更し、表1に示す条件で実施すること以
外は実施例1と同様にして繊維化、織物の作成、評価を
行なった。いずれの布帛も軽量感にすぐれ、ソフトでふ
くらみ感のある優れた風合いを有するものであった。
【0060】実施例6〜9 表1に示すように島成分の変性種、変性量を変更するこ
と以外は実施例1と同様にして繊維化、織物の作成、評
価を行なった。いずれの布帛も軽量感にすぐれ、ソフト
でふくらみ感のある優れた風合いを有するものであっ
た。
【0061】実施例10〜17 表1に示す如く海成分ポリマーの種類、繊維断面、島
数、複合比率等を変更すること以外は実施例1と同様に
して繊維化、織物の作成、評価を行なった。いずれの布
帛も軽量感にすぐれ、ソフトでふくらみ感のある優れた
風合いを有するものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合繊維の断面形状の一例を示す繊
維断面図
【図2】 本発明の複合繊維の断面形状の一例を示す繊
維断面図
【図3】 本発明の複合繊維の断面形状の一例を示す繊
維断面図
【図4】 本発明の複合繊維の断面形状の一例を示す繊
維断面図
【図5】 本発明の複合繊維の断面形状の一例を示す繊
維断面図
【図6】 本発明の複合繊維の断面形状の一例を示す繊
維断面図
【符号の説明】
1:海成分 2:島成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02G 3/02 D02G 3/02 4L041 D03D 15/00 D03D 15/00 B 4L047 D04B 1/16 D04B 1/16 4L048 21/00 21/00 B D04H 1/42 D04H 1/42 X D06M 11/05 D06N 3/00 DAA D06N 3/00 DAA D06M 101:20 // D06M 101:20 101:32 101:32 7/02 A 5/08 (72)発明者 井上 一郎 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 河本 正夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 平川 清司 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4F055 AA01 BA11 EA04 EA07 EA14 EA17 EA22 EA24 4L002 AA05 AA07 AB00 AB05 DA03 EA00 4L031 AA14 AA18 AB05 AB06 AB10 AB11 AB32 AB33 AB34 AB36 BA08 CA07 4L035 DD03 EE04 4L036 MA04 MA05 MA19 MA20 MA37 PA31 UA25 4L041 AA07 AA08 AA10 BA02 BA04 BA05 BA16 BA17 BA21 BA32 BA37 BD07 BD08 BD10 BD11 BD15 CA06 CA12 CA36 CA38 CA55 DD01 DD11 EE08 4L047 AA14 AA16 AA21 AA27 AB03 AB09 CC03 CC07 DA00 4L048 AA15 AA18 AA21 AA37 AA39 AB01 AB07 CA10 CA13 DA01 DA13 DA24

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平衡水分率が2%以下である熱可塑性重
    合体を海成分とし、水溶性熱可塑性ポリビニルアルコー
    ル系重合体を島成分とする複合繊維。
  2. 【請求項2】 水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール
    が、炭素数4以下のα−オレフィン単位および/または
    ビニルエーテル単位を0.1〜20モル%含有する変性
    ポリビニルアルコールである請求項1に記載の複合繊
    維。
  3. 【請求項3】 α−オレフィン単位として4〜15モル
    %のエチレン単位及び/又はプロピレン単位を含有する
    請求項2に記載の複合繊維。
  4. 【請求項4】 熱可塑性重合体が平衡水分率2%以下の
    ポリオレフィン又はポリエステルである請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の複合繊維。
  5. 【請求項5】 ポリエステルがポリ乳酸である請求項4
    に記載の複合繊維。
  6. 【請求項6】 平衡水分率が2%以下である熱可塑性重
    合体からなる中空繊維。
  7. 【請求項7】 熱可塑性重合体が平衡水分率2%以下の
    ポリオレフィン又はポリエステルである請求項6に記載
    の中空繊維。
  8. 【請求項8】 ポリエステルがポリ乳酸である請求項7
    に記載の中空繊維。
  9. 【請求項9】 中空部の数が1個以上で、中空率が2%
    以上65%以下である請求項6〜8のいずれか1項に記
    載の中空繊維。
  10. 【請求項10】 中空部の数が10個以上である請求項
    9に記載の中空繊維。
  11. 【請求項11】 長繊維である請求項6〜10のいずれ
    か1項に記載の中空繊維。
  12. 【請求項12】 請求項6〜11のいずれか1項に記載
    の中空繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    複合繊維を水で処理し、該複合繊維から水溶性熱可塑性
    ポリビニルアルコール系重合体を溶解除去することを特
    徴とする中空繊維の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    複合繊維を含む繊維構造物を水で処理し、該複合繊維か
    ら水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系重合体を溶解
    除去することを特徴とする繊維構造物の処理方法。
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