JP2011252250A - 人工皮革用基材、その製造方法、および人工皮革 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三次元絡合不織布と、三次元絡合不織布に含浸された高分子弾性体とを含む人工皮革用基材であって、三次元絡合不織布は、繊度0.5〜5dtexのポリオレフィン中空フィラメントからなり、ポリオレフィン中空フィラメントの横断面は、総中空率25〜50%の範囲内で、1個あたりの中空率が1〜5%である中空部を5〜50個有し、高分子弾性体の含有割合は、三次元絡合不織布と高分子弾性体との合計量に対して15〜50質量%の範囲であり、横断面の外周の0〜30%の範囲が高分子弾性体と接着している人工皮革用基材。
【選択図】図1
Description
図1は、本実施形態の人工皮革10の模式縦断面図である。人工皮革10は、繊度0.5〜5dtexのポリオレフィン中空フィラメント1aからなる三次元絡合不織布1と、三次元絡合不織布1に含浸付与された高分子弾性体2と、を含む人工皮革用基材3と、人工皮革用基材3の表面に形成された樹脂表皮層4とを有する。高分子弾性体2の含有割合は、三次元絡合不織布1と高分子弾性体2との合計量に対して15〜50質量%の範囲である。
ポリオレフィン中空フィラメント1aを形成するポリオレフィン系樹脂は、特に限定されないが、具体的には、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、溶融紡糸の安定性に優れ、また、機械的特性や耐坐屈性にとくに優れている点からポリプロピレン系樹脂が好ましい。
また、三次元絡合不織布1の目付けは、100〜1000g/m2、さらには200〜600g/m2であることが得られる人工皮革用基材の均一性と軽量性の点から好ましい。
図1及び図2に示すように、高分子弾性体2は、三次元絡合不織布1の内部に存在する空隙に付与されている。高分子弾性体2の含有割合は、三次元絡合不織布1と高分子弾性体2との合計量に対して15〜50質量%である。そして、ポリオレフィン中空フィラメント1aの横断面の外周の0〜30%の範囲が高分子弾性体2と接着している、すなわち、外周の70〜100%が高分子弾性体2と接着していない。
なお、ポリオレフィン中空フィラメント1aの横断面の外周に接着している高分子弾性体の割合は、人工皮革10の厚み方向の断面を電子顕微鏡で観察し、観察視野においてポリオレフィン中空フィラメントの軸方向に対して垂直な横断面を、例えば50個選択し、各横断面の外周長及び外周に各横断面において外周に高分子弾性体が接着している部分の長さをそれぞれ測定し、各断面毎に、外周の全長に対して、高分子弾性体が接着している部分の長さの割合を算出することにより得られる。
本実施形態の人工皮革用基材3の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂を海成分とし、ポリオレフィン系樹脂と化学的または物理的性質の異なる選択的に抽出除去可能なポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を島成分とする、繊度0.5〜5dtexの海島型複合フィラメントを製造する工程(工程1)と、海島型複合フィラメントからなるスパンボンドシートを製造する工程(工程2)と、2枚以上のスパンボンドシートを重ねた重ね合せ体をニードルパンチング処理することにより絡合ウェブを形成する工程(工程3)と、絡合ウェブを加熱プレスする工程(工程4)と、加熱プレスされた絡合ウェブに高分子弾性体の水性樹脂液を含浸させた後、高分子弾性体を凝固させる工程(工程5)と、工程5の後、海島型複合フィラメントからポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を溶解除去することによりポリオレフィン中空フィラメントからなる三次元絡合不織布を形成する工程(工程6)と、を備え、海島型複合フィラメント中のポリオレフィン系樹脂以外の樹脂の割合が25〜60質量%の範囲内であり、水性樹脂液の含浸量は、ポリオレフィン中空フィラメントと高分子弾性体との合計量に対して高分子弾性体が15〜50質量%になる量である、方法である。
海島型複合フィラメントからなるスパンボンドシートは、所謂、スパンボンド法を用いて形成される。具体的には、海成分を形成するためのポリオレフィン系樹脂と、島成分を形成するためのポリオレフィン系樹脂と化学的または物理的性質の異なる選択的に抽出除去可能なポリオレフィン系樹脂以外の樹脂とを溶融複合紡糸することにより紡糸ノズル孔から海島型複合繊維ストランドを得る。引き続いて、得られた海島型複合繊維ストランドを冷却装置で冷却した後、エアジェットノズルのような吸引装置を用いることにより、例えば、1000〜6000m/分の引取り速度に相当する速度で高速気流により延伸して細化させることにより海島型複合フィラメントを得る。そして、海島型複合フィラメントを開繊させながら移動式ネットなどの捕集面上に堆積させることによりスパンボンドシートが形成される。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、1〜200g/分、さらには5〜100g/分であることが好ましい。なお、MFRは、JIS−K6921−2付属書に準拠して230℃、荷重21.1Nで測定した値である。
P=([η]103/8.29)(1/0.62)
また、海成分が形成する中空構造の隔壁の厚さとしては、0.5〜5μm程度であることが好ましい。このような範囲である場合には、島成分の抽出除去処理が容易である点から好ましい。
さらに、海島型複合フィラメント中のポリオレフィン系樹脂以外の樹脂の割合は、25〜60質量%、さらには30〜55質量%、の範囲内であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂の割合が高すぎる場合には、形成される中空部の割合が高くなりすぎる傾向があり、低すぎる場合には、形成される中空部の割合が低くなりすぎる傾向がある。
また、海島型複合フィラメントを形成する島部分の繊度は、0.5〜5dtex、さらには2〜5dtexの範囲であることが、得られる中空繊維の中空構造の安定性の点から好ましい。
また、スパンボンドシートの目付量は、20〜50g/m2の範囲であることが生産性に優れる点から好ましい。
工程3は、上述のようにして得られたスパンボンドシートを複数枚重ね合わせた後、ニードルパンチングによる絡合処理を施すことにより、厚み方向に繊維同士が絡合された絡合ウェブを得る工程である。
重ね合わせるスパンボンドシートの枚数はとくに限定されないが、例えば4枚以上、さらには、8枚以上であることが好ましい。
ニードルパンチングで用いるフェルト針の種類は特に限定されない。厚さ方向への繊維の交絡を充分に高めるためには、細いフェルト針や、1バーブ針のようなバーブが少ないフェルト針を用いることが好ましい。また、海島型複合フィラメントの切断を抑制する点からは、3バーブ、6バーブ、9バーブ等のフェルト針を用いることが好ましい。
また、ニードルパンチングで用いるフェルト針の単位面積辺りの本数もとくに限定されないが、200〜2500本/cm2の範囲が好ましい。
このようにして得られる絡合ウェブの目付けとしては100〜3000g/m2、さらには200〜1000g/m2の範囲であることが好ましい。
得られた絡合ウェブは、加熱プレスにより表面が平滑化されるとともに、その厚みが調整される。加熱により、ポリオレフィン系樹脂を溶融または軟化させて、繊維同士を圧着させる。
プレス前の絡合ウェブの厚みに対する、プレス後の絡合ウェブの厚みの減少率としては、5〜30%、さらには、10〜25%であることが好ましい。
本工程においては、はじめに、高分子弾性体の水性樹脂液を、プレス後の絡合ウェブに含浸させる。絡合ウェブを形成する海島型複合フィラメントの表面には撥水性の高いポリオレフィン系樹脂が存在する。従って、このような絡合ウェブに高分子弾性体の水性樹脂液を含浸させた場合、高分子弾性体の水性樹脂液は海島型複合フィラメントの表面に接触しにくくなる。そして、このような絡合ウェブに含浸させた高分子弾性体の水性樹脂液を乾燥凝固させた場合には、海島型複合フィラメントの外周の0〜30%の範囲でのみ高分子弾性体が接着したような構造を容易に形成することができる。
[ポリオレフィン中空フィラメントの横断面の総中空率、及び、中空部1個あたりの中空率の測定]
得られた人工皮革用基材の厚み方向のポリオレフィン中空フィラメントの断面20個を走査型電子顕微鏡で1000倍〜2000倍程度に拡大して撮影した。なお、20個は、できるだけ平均化されるように、偏りのないように選択した。
そして、選択した画像中に観察される20個のポリオレフィン中空フィラメントの軸方向に対して垂直な横断面のそれぞれに対して、外周輪郭内の面積(全断面面積:S1)、その横断面に含まれる全ての中空部の断面積の合計(合計中空面積:S2)、及び各横断面に含まれる中空部の1個あたりの面積(1個当たり中空面積:S3)を求めた。そして、ポリオレフィン中空フィラメントの各横断面の総中空率、及び中空部1個あたりの中空率を以下の式(1)及び式(2)により算出した。
・総中空率(%)=S2/S1×100・・・(1)
・中空部1個あたりの中空率(%)=S3/S1×100・・・(2)
そして、20個のポリオレフィン中空フィラメントの断面における、総中空率及び中空部1個あたりの中空率を平均した。
なお、S1〜S3の各面積の測定は画像処理装置によって行ったが、画像写真から各部分を切り取ることにより測定される写真用紙の重量に基づいて算出してもよい。
得られた人工皮革用基材の厚み方向の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて500倍から1000倍程度で観察した。そして、ポリオレフィン中空フィラメントの軸方向に対して垂直な横断面が1〜10個存在する観察視野の画像を複数枚撮影した。
そして、得られた各画像から、合計50個の横断面を、できるだけ平均化されるように、偏りのないように選択した。そして、各横断面の外周長及び各断面において高分子弾性体に接着している外周の部分の長さをそれぞれ測定し、各断面毎に、外周の全長に対して、高分子弾性体が接着している外周の部分の長さの割合を算出した。そして、50箇所の横断面の外周の全長に対する高分子弾性体が接着している部分の長さの割合の値の算術平均を算出した。
得られた人工皮革用基材の単位面積あたりの質量(g/cm2)をその厚さ(cm)で除した値を見掛け密度(g/cm3)とした。結果は、任意の10箇所について測定した見掛け密度の算術平均値である。なお、厚さは、JISL1096に準じて240gf/cm2の荷重下で測定した。
長さ15cm、巾2.5cm、厚さ5mmのポリウレタン製ゴム板の表面をサンドペーパーで軽く削った後、その表面に二液架橋タイプのポリウレタン接着剤を一端から幅10cm程度の範囲に均一に塗布した。一方、長さ25cm、巾2.5cmに切り出した人工皮革用基材の試験片の表面にも同様の接着剤を一端から幅10cm程度の範囲に均一に塗布した。そして、ポリウレタン製ゴム板及び人工皮革用基材の試験片の、それぞれの接着剤を塗布した端部同士を貼り合わせ、2〜4kg/cm2程度の圧力でプレスした後、25℃で1昼夜放置した。
そして、ポリウレタン製ゴム板及び人工皮革用基材の試験片のそれぞれの接着剤を塗布していない側の一端を、引張試験機のチャックに挟み、引張速度10cm/分で剥離強力試験を行った。なお、初期のチャック間距離は50mmであった。
引張試験において、引張時間−剥離強力曲線の立ち上がりの傾きを超えた剥離強力がほぼ一定したときの値を剥離強力とした。1種類の人工皮革用基材について、n=3で測定を行い、その剥離強力の算術平均値を求めた。
得られた人工皮革用基材を長さ10cm×巾4cmに切り出して試験片を作成した。そして、得られた試験片の短辺の中央(巾方向両端から2cmの箇所)に短辺と直角(長さ方向に平行)に5cmの切れ込みをいれ、各舌片を剥離強力測定方法と同様の引張試験機のチャックに挟んだ。そして引張速度10cm/分で引張ったときの引裂応力を測定した。測定により得られたチャートから読み取った引裂応力の最大値を引裂強力とした。1種類の人工皮革用基材について、n=3で測定を行い、その剥離強力の算術平均値を求めた。
200×200mmの正方形に切断した試料を上端と下端を合わせるように谷折りしたときに発生する折り曲げ形状を目視により観察した。そして、以下の基準により判定した。
良好:牛皮革を折りこんだときと同様の、表面に緻密且つ均質な折れシワが発生した。
不良:折りこんだ表面にダンボールを折り込んだような荒い折れシワが発生した。
得られた人工皮革用基材から20cm×20cmの試験片を切り出した。そして試験片を手のひらに入れてつかんだときの触感により判定した。
海成分としてポリプロピレン、島成分として水溶性熱可塑性PVAを含み、海成分/島成分の質量比60/40である島数12島の海島型複合繊維ストランドを240℃で溶融複合紡糸用口金から吐出した。なお、ポリプロピレンとしてはプライムポリマー社製プライムポリプロY−2005GP(融点162℃、JIS K7210のM法で測定したMFR:20)、水溶性熱可塑性PVAとしてはクラレ社製エクセバールCP−4104MI(融点209℃、JIS K7210のM法で測定したMFR:80)を用いた。
そして、口金から吐出された樹脂ストランドを、口金直下に設置したエアジェット吸引装置により延伸して細化しながら冷却することにより平均繊度2.5dtexの海島型複合フィラメントを紡糸した。なおエアジェット吸引装置の吸引力は、単位時間辺りの吐出量と、得られる長繊維の繊度の比率から間接的に求められる紡糸速度が3000m/minとなるように調整された。そして、海島型複合フィラメントをエアジェット吸引装置の直下に設置した移動式ネット上に連続的に捕集し、表面温度50℃の金属ロールを用いて線圧25kg/cmでプレスすることにより目付け30g/m2のスパンボンドシートを得た。
このようにして得られた人工皮革用基材を前述の方法により評価した。結果を表1に示す。
実施例1の海島型複合フィラメントの紡糸条件において、海島型複合繊維ストランドの島数、海成分/島成分の質量比、フィラメントの繊度を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基材を得た。このようにして得られた人工皮革用基材を評価した。結果を表1に示す。
実施例1の人工皮革用基材の製造おいて、水系ポリウレタンエマルジョンの固形分濃度を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基材を得た。このようにして得られた人工皮革用基材を評価した。結果を表1に示す。
実施例1の人工皮革用基材の製造おいて、水系ポリウレタンエマルジョンを用いる代わりに、水系アクリルエマルジョン(日華化学社製カセゾールARS−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基材を得た。このようにして得られた人工皮革用基材を評価した。結果を表1に示す。
実施例1の海島型複合フィラメントの紡糸条件において、海島型複合繊維ストランドの島数を表1に示すよう1島に変更した以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基材を得た。このようにして得られた人工皮革用基材を評価した。結果を表1に示す。
実施例1の人工皮革用基材の製造おいて、水系ポリウレタンエマルジョンの固形分濃度を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基材を得た。このようにして得られた人工皮革用基材を評価した。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、口金から吐出された海島型複合繊維ストランドを3000m/minで巻き取った。そして、得られた繊維をクリンプ及びカットすることにより、2.5dtex、カット長さ51mmのステープルを得た。そして、得られたステープルをカードを用いて絡合させることにより、目付け30g/m2の絡合シートを得た。そして、目付け30g/m2のスパンボンドシートを用いる代わりに、得られた目付け30g/m2の絡合シートを用いた以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基材を得た。このようにして得られた人工皮革用基材を評価した。結果を表1に示す。
海成分としてポリプロピレンを用いる代わりに、ナイロン6(宇部興産社製UBEナイロン1015B)を用い、145℃の金属ロールでプレスする代わりに180℃の金属ロールでプレスした以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基材を得た。このようにして得られた人工皮革用基材を評価した。結果を表1に示す。
一方、比較例1の人工皮革用基材は、中空率が35%の中空部を1個だけ有するものである。このような中空構造によれば、見掛け密度が0.31g/cm3であり、軽量性に乏しかった。また、耐坐屈性試験においては、屈曲時に粗く深い皺が発生し、屈曲を解消した後にも皺が残っていた。
また、比較例2の人工皮革用基材は、風合いソフトであるが、加工中に基材の表面に発生した皺が残る品位の低いものであり、屈曲時に粗く深い皺が発生し、屈曲を解消した後にも皺が残るものであった。
また、比較例3の人工皮革用基材は、ポリオレフィン中空繊維のステープルからなる三次元絡合不織布を含む。このようなステープルからなる三次元絡合不織布を用いた場合には、剥離強力や引裂強力が著しく低くなるために、スポーツシューズ用の人工皮革等に要求される耐久性を有しないと思われる。
また、比較例4の人工皮革用基材は、ナイロン6からなる中空フィラメントからなる三次元絡合不織布を含む。このようなナイロン6からなる中空フィラメントからなる三次元絡合不織布を含む人工皮革用基材においては、中空フィラメントの表面にポリウレタンが多く接着しており、中空フィラメントの表面には、空隙が少なかった。それにより、風合いは極めて硬かった。また、耐坐屈性試験においては、屈曲時に粗く深い折れ皺が発生し、屈曲を解消した後にも皺が残っていた。
Claims (7)
- 三次元絡合不織布と前記三次元絡合不織布に含浸された高分子弾性体とを含む人工皮革用基材であって、
前記三次元絡合不織布は、繊度0.5〜5dtexのポリオレフィン中空フィラメントからなり、
前記ポリオレフィン中空フィラメントの横断面は、総中空率25〜50%の範囲内で、1個あたりの中空率が1〜5%である中空部を5〜50個有し、
前記高分子弾性体の含有割合は、前記三次元絡合不織布と前記高分子弾性体との合計量に対して15〜50質量%の範囲であり、
前記横断面の外周において、前記高分子弾性体と接着している部分の割合が0〜30%の範囲であることを特徴とする人工皮革用基材。 - 見かけ密度が0.20〜0.25g/cm3の範囲である請求項1に記載の人工皮革用基材。
- 前記高分子弾性体がポリウレタンである請求項1または2に記載の人工皮革用基材。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の人工皮革用基材と、その表面に形成された樹脂表皮層を含む人工皮革。
- ポリオレフィン系樹脂を海成分とし、ポリオレフィン系樹脂と化学的または物理的性質の異なる選択的に抽出除去可能なポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を島成分とする、繊度0.5〜5dtexの海島型複合フィラメントを製造する工程(工程1)と、前記海島型複合フィラメントからなるスパンボンドシートを製造する工程(工程2)と、2枚以上の前記スパンボンドシートを重ねた重ね合せ体をニードルパンチング処理することにより絡合ウェブを形成する工程(工程3)と、前記絡合ウェブを加熱プレスする工程(工程4)と、加熱プレスされた前記絡合ウェブに高分子弾性体の水性樹脂液を含浸させた後、高分子弾性体を凝固させる工程(工程5)と、前記工程5の後、前記海島型複合フィラメントから前記ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を溶解除去することによりポリオレフィン中空フィラメントからなる三次元絡合不織布を形成する工程(工程6)と、を備え、
前記海島型複合フィラメント中の前記ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂の割合が25〜60質量%の範囲内であり、
前記水性樹脂液の含浸量は、前記ポリオレフィン中空フィラメントと前記高分子弾性体との合計量に対して前記高分子弾性体が15〜50質量%になる量である、ことを特徴とする人工皮革用基材の製造方法。 - 前記水性樹脂液が水系ポリウレタンエマルジョンである請求項5に記載の人工皮革用基材の製造方法。
- 前記ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂が、平均重合度200〜500、ケン化度90〜99.99モル%、及び融点160〜230℃の水溶性熱可塑性ポリビニルアルコールである請求項5または6に記載の人工皮革用基材の製造方法。
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