JP2003073970A - 中空繊維及び繊維構造物 - Google Patents

中空繊維及び繊維構造物

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JP2003073970A
JP2003073970A JP2001262520A JP2001262520A JP2003073970A JP 2003073970 A JP2003073970 A JP 2003073970A JP 2001262520 A JP2001262520 A JP 2001262520A JP 2001262520 A JP2001262520 A JP 2001262520A JP 2003073970 A JP2003073970 A JP 2003073970A
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pva
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hollow fiber
mass
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Hitoshi Nakatsuka
均 中塚
Nobuhiro Koga
宣広 古賀
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Masao Kawamoto
正夫 河本
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量性、保温性、ドライ感、ふくらみ感等に
優れさらに、吸湿性を有する中空繊維と該繊維を含む繊
維構造物を提供する。 【解決手段】 平衡水分率が2%以下である熱可塑性重
合体を海成分とし、水溶性熱可塑性ポリビニルアルコー
ル系重合体を島成分とする海島型複合繊維を水で処理し
て中空繊維を形成するに当たり、水溶性熱可塑性ポリビ
ニルアルコール系重合体を繊維の中空部に特定量残存さ
せ、下記に示す吸湿率が2%以上の中空繊維を得る。 吸湿率={(Y−X)/X} ×100 X:60℃で7時間減圧絶乾後の繊維質量 Y:20℃、65%RHの環境下で1時間放置後の繊維
質量

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空繊維及びそれ
を含む繊維構造物に関する。詳細には吸湿性、軽量性、
保温性に優れ、かつドライ感、ふくらみ感のある良好な
風合を有する中空繊維、特に、多孔状の中空繊維とその
繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミド等の合成繊維
は、その優れた物理的および化学的特性によって、衣料
用のみならず産業用にも広く使用されており、工業的に
重要な価値を有している。しかしながら、これらの合成
繊維は、単一な単糸繊度分布を有し、また単糸繊度が大
きいことやその横断面形状が単純であることにより、
絹、綿、麻等の天然繊維に比較して風合や光沢が単調
で、さらに、冷たくて、ぬめり感のある触感を有し品位
の低いものであった。また上記の合成繊維は、吸湿、吸
水性が低いため肌着、シーツ、タオル等の吸湿、吸水性
が要求される分野への進出は限定されているのが実状で
あった。そこで合成繊維の上記のような欠点を改良する
ために、合成繊維の横断面形状を異形化したり、繊維を
中空化したり、さらに、親水性後加工剤で後処理する方
法や、繊維表面を多孔質化して吸湿性を付与することが
広く行われている。
【0003】通常、異形紡糸ノズルまたは中空紡糸ノズ
ルを用いて製造される異形断面繊維や中空繊維は、紡出
後、固化するまでの間に溶融状態にある樹脂の表面張力
や紡糸時の引き取り張力等によって異形断面が崩れた
り、中空部が潰れやすいという課題があり、特に多孔中
空形状を発現させようとすると、紡出直後は繊維に多孔
状の中空構造が付与されても、多孔状中空部が潰れて消
滅したり、該中空部の割合が減少し易く、かかる手法で
多孔状の中空部を有する繊維を得ることは実質的に不可
能であった。
【0004】一方、特開平7−316977号公報に
は、アルカリ易分解性ポリマーを島成分とし、海成分と
してはポリアミドやエチレンビニルアルコール系共重合
体等の吸水率が3%以上の耐アルカリ性ポリマーを用い
て複合繊維とした後、該易分解性ポリマーを熱アルカリ
水溶液処理することにより分解除去して多孔中空繊維と
する技術が提案されている。しかしながら、これらの問
題点としては、アルカリ分解生成物の排水処理の繁雑さ
が有り、環境面からも大きな課題を残している。しか
も、かかる手法では、アルカリ水溶液が複合繊維の海成
分を浸透して島成分を抽出することが必要であるため、
海成分としては吸水性を有する重合体を使用しなければ
ならないという重合体の種類の制限があり、さらに、ア
ルカリに弱いポリ乳酸やポリエステルも海成分に使用す
ることが困難であり、かかる手法により海成分がポリ乳
酸やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートを主たる骨格とするポリエステルなどからなる
多孔中空繊維を製造することは実質的に不可能であっ
た。
【0005】また、合成繊維の最大の欠点である吸湿、
吸水性の改善については、親水性後加工剤で後処理する
方法や、繊維表面を多孔質化して吸湿性を付与する方法
があるが、いずれも吸湿・吸水性能的に不十分であり、
かつ洗濯の繰返しにより付与された性能が低下するとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の従来技術の課題を解決し、軽量性、保温性、ドライ
感、ふくらみ感等に優れさらに、吸湿性を有する中空繊
維と該繊維を含む繊維構造物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、平
衡水分率が2%以下である熱可塑性重合体からなる中空
繊維であって、中空部に水溶性熱可塑性ポリビニルアル
コール系重合体(以下、単にPVAと略称することもあ
る)が繊維の1質量%以上30質量%以下の割合で存在
し、下記に示す繊維の吸湿率が2%以上であることを特
徴とする中空繊維であり、また、該中空繊維を含む繊維
構造物である。 吸湿率={(Y−X)/X}×100 X:60℃で7時間減圧絶乾後の繊維質量 Y:20℃、65%RHの環境下で1時間放置後の繊維
質量
【0008】なお、本発明でいう繊維構造物とは、本発
明の中空繊維の単独で構成されたマルチフィラメント
糸、紡績糸、織編物、不織布、紙、人工皮革、詰物材は
もちろんのこと、天然繊維、半合成繊維、他の合成繊維
との混織糸や混紡糸、合撚糸、交絡糸や捲縮糸等の加工
糸、交織物、交編物、繊維積層体、並びにこれらから構
成される衣類、リビング資材、産業資材、メディカル用
品等の各種最終製品をも包含するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の中空繊維は、平衡水分率
が2%以下の熱可塑性重合体で構成されており、中空部
に水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系重合体が繊維
の1質量%以上30質量%以下の割合で存在することが
重要である。本発明の繊維は、全体としては平衡水分率
の低い熱可塑性重合体から構成されているにもかかわら
ず、中空部に特定量のPVAを存在させることによって、
繊維に吸湿性、保湿性を付与しつつ、保温性、軽量性を
も同時に満たすことが最大の特徴である。中空部に存在
させるPVAは繊維全体の1質量%以上30質量%以下
とすることが重要であり、PVAが繊維全体の1質量%
未満では吸湿性、保湿性が得られず、30質量%を越え
ると軽量性、保温性の効果を打ち消してしまうために好
ましくない。したがって、より好ましい範囲は2質量%
〜25質量%である。
【0010】また、本発明の中空繊維は、60℃で約7
時間減圧絶乾後の繊維質量(X)と20℃×65RH%
の雰囲気中で1時間放置した後の質量(Y)とから下記
式により求めた吸湿率が2%以上の中空繊維であり、よ
り好ましくは5%以上である。 吸湿率={(Y−X)/X}×100 吸湿率が2%未満では、吸湿性が不十分で発汗着用時の
吸湿増加に対して追従する吸湿能力がないため着用感を
悪化させることから不都合である。一方、吸湿率の上限
は特に限定されるものではないが、着用感の観点から1
0%以下であることが好ましい。
【0011】また、本発明の中空繊維における中空部の
面積割合(中空率)は2%以上、好ましくは5%以上で
あり、65%以下であることが好ましい。中空率が2%
よりも低いと軽量性、ふくらみ感等が十分に発現しない
場合がある。一方、中空率が大き過ぎると繊維強度が不
足してくるので、65%以下でなければならず、好まし
くは50%以下であることが望まれる。なお、中空率
は、中空繊維の糸の横断面をSEM写真撮影し、その横
断面における多孔状の中空部面積および中空繊維全体部
面積から算出することができる。
【0012】本発明の中空繊維を構成する平衡水分率が
2%以下の熱可塑性重合体は、基本的に繊維形成性を有
するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレ
フィン系重合体やポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリ乳酸、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレ
ート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、
ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、水添ポリイソプレン、芳香族ビニルモノマーとジエ
ン系モノマーとからの共重合体、又はその水添物等を挙
げることができる。また、これらの重合体は、平衡水分
率が本発明の規定を満たす範囲内であれば共重合等で変
性されていてもよい。特に、本発明の中空繊維を効率的
に製造するためには、イソフタル酸、5−ソジウムスル
ホイソフタル酸、セバチン酸、アジピン酸等で共重合し
たポリエステルが好ましい。さらにこれら熱可塑性重合
体には添加剤が含有されていても差し支えない。
【0013】本発明の中空繊維は、たとえば、水溶性熱
可塑性ポリビニルアルコール系重合体からなる島成分
と、平衡水分率が2%以下の熱可塑性重合体からなる海
成分とからなる海島型複合繊維から、島成分である水溶
性熱可塑性ポリビニルアルコール系重合体を溶解除去
し、その溶解除去量を制御することによって製造するこ
とができる。この製造法によれば、複合繊維の島の数が
中空繊維の中空部の数に相当し、本発明において島(中
空部)は複合繊維(中空繊維)の断面において1個以上、
好ましくは10個以上存在するものである。島数の上限
値は特に制限されないが、島数が多くなるにつれて繊維
化が困難になることや、繊維物性が低下する傾向にある
ので、ある程度の繊維強度が要求される用途には使用し
にくく、従って、用途に応じて好ましくは1500個以
下、より好ましくは、1000個以下、さらに好ましく
は600個以下とすることが望まれる。また、個々の島
成分の形状は何ら限定されず、真円形でも楕円形でもそ
の他の異形形状でもよい。さらに島成分は、繊維軸方向
に連続していても不連続に形成されていてもよい。
【0014】本発明の中空繊維を形成するための複合繊
維の代表例をその横断面図により示すと、例えば、図1
〜図6のようなものを挙げることができる。図1の複合
繊維は、繊維断面中央の水溶性熱可塑性ポリビニルアル
コール系重合体からなる大きな島(芯)成分2が平衡水分
率2%以下の熱可塑性重合体からなる海成分1に包囲さ
れた形態のものであり、図2の複合繊維は、水溶性熱可
塑性ポリビニルアルコール系重合体からなる小さな島
(芯)成分2が平衡水分率2%以下の熱可塑性重合体から
なる海成分1に包囲された形態のものであり、第3図
は、第2図においてさらに小さな多数の島(芯)成分2の
形態が円形でない不定形な形状となっているものであ
る。また図4〜図6は、繊維断面形状が三角断面になる
ものである。
【0015】複合繊維における島成分と海成分との複合
比率は特に限定されず、最終的に得られる中空繊維の中
空部の数と中空率、島成分の残分をどの程度に設定する
かに応じて適宜複合比率を変更することができる。しか
しながら、島成分の比率が小さすぎると、中空繊維とし
ての軽量化、保温性等の効果と、吸湿性が十分に発揮さ
れず、一方、中空部の比率が大きすぎると実用性のある
繊維物性を持つ中空繊維とすることが困難となるので、
好ましくは島:海=5:95〜65:35、さらには1
0:90〜60:40とすることが好ましい。
【0016】また、中空繊維の断面形態は特に制限され
ず、図1〜図3に示した円形断面の他に例えば、偏平
形、楕円形、三角形(図4,5,6)〜八角形等の角形、
T字形、3〜8葉形等の多葉形等の任意の形状とするこ
とができる。更に、本発明の複合繊維には、蛍光増白
剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を必要に
応じて含有することができる。
【0017】次に、本発明の中空繊維の中空部に存在す
る水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系重合体(PV
A)について説明する。本発明で使用されるPVAと
は、ポリビニルアルコールのホモポリマーは勿論のこ
と、例えば、共重合、末端変性、および後反応により官
能基を導入した変性ポリビニルアルコールも包含するも
のである。
【0018】本発明に用いられるPVAの粘度平均重合
度(以下、単に重合度と略記する)は200〜500が
好ましく、230〜470がより好ましく、250〜4
50が特に好ましい。重合度が200未満の場合には紡
糸時に十分な曳糸性が得られず、繊維化しにくい場合が
ある。重合度が500を越えると溶融粘度が高すぎて、
紡糸ノズルから重合体を吐出することができない場合が
ある。また重合度500以下のいわゆる低重合度のPV
Aを用いることにより、水溶液で複合繊維を溶解すると
きに溶解速度が速くなるばかりでなく複合繊維が溶解す
る時の収縮を小さくすることができる。
【0019】PVAの重合度(P)は、JIS−K67
26に準じて測定される。すなわち、PVAを再鹸化
し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度
[η](dl/g)から次式により求められるものである。 P=([η]×10/8.29)(1/0.62) 重合度が上記範囲にある時、本発明の目的がより好適に
達せられる。
【0020】本発明に用いられるPVAは、鹸化度が9
0〜99.99モル%であることが好ましい。より好ま
しくは93〜99.98モル%、さらに94〜99.9
7モル%が好ましく、96〜99.96モル%が特に好
ましい。鹸化度が90モル%未満の場合には、PVAの
熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって満足な溶融紡糸
ができない場合があり、また後述する共重合モノマーの
種類によってPVAの水溶性が低下する場合がある。一
方、鹸化度が99.99モル%よりも大きいPVAは溶
解性が低下しやすく又安定に製造することができず、安
定した繊維化が困難となる。
【0021】さらに本発明で使用される好ましいPVA
は、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表
示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜
99.9モル%で、融点が160℃〜230℃で、かつ
PVA100質量部に対してアルカリ金属イオンがナト
リウムイオン換算で0.0003〜1質量部含有されて
いることが好ましい。
【0022】本発明において、ポリビニルアルコールの
トライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基と
は、PVAのd6−DMSO溶液での500MHz プ
ロトンNMR(JEOL GX−500)装置、65℃
測定による水酸基プロトンのトライアッドのタクティシ
ティを反映するピーク(I)を意味する。ピーク(I)
はPVAの水酸基のトライアッド表示のアイソタクティ
シティ連鎖(4.54ppm)、ヘテロタクティシティ
連鎖(4.36ppm)およびシンジオタクティシティ
連鎖(4.13ppm)の和で表されて、全てのビニル
アルコールユニットにおける水酸基のピーク(II)はケ
ミカルシフト4.05ppm〜4.70ppmの領域に
現れることから、本発明のビニルアルコールユニットに
対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸
基のモル分率は、100×(I)/(II)で表されるも
のである。
【0023】PVAのトライアッド表示による水酸基3
連鎖の中心水酸基の含有量が70モル%未満である場合
には、重合体の結晶性が低下し、繊維強度が低くなると
同時に、溶融紡糸時に繊維が膠着して巻取り後に巻き出
しできない場合がある。また本発明で目的とする水溶性
の熱可塑性繊維が得られない場合がある。PVAのトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量
が99.9モル%より大の場合には、重合体の融点が高
いため溶融紡糸温度を高くする必要があり、その結果、
溶融紡糸時の重合体の熱安定性が悪く、分解、ゲル化、
重合体着色が起こりやすい。
【0024】また、本発明のPVAがエチレン変性のP
VAである場合、下記式を満足することで本発明の効果
は更に高くなるものである。 -1.5×Et+100≧モル分率≧-Et+85 ここで、モル分率(単位:モル%)はビニルアルコールユ
ニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の
中心水酸基のモル分率を表し、Etはビニルアルコール系
重合体が含有するエチレン含量(単位:モル%)を表す。
【0025】従って、本発明に用いられるPVAのトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量
は72〜99モル%がより好ましく、74〜97モル%
がさらに好ましく、76〜95モル%が特に好ましい。
【0026】本発明に於いて用いられるポリビニルアル
コールの水酸基3連鎖の中心水酸基の量を制御すること
で、PVAの水溶性、吸湿性など水に関わる諸物性、強
度、伸度、弾性率など繊維に関わる諸物性、融点、溶融
粘度など溶融紡糸性に関わる諸物性をコントロールでき
る。これはトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心
水酸基は結晶性に富み、PVAの特長を発現させるため
と思われる。
【0027】本発明に用いられるPVAの融点(Tm)
は160〜230℃であることが好ましく、170〜2
27℃がより好ましく、175〜224℃がさらに好ま
しく、180〜220℃が特に好ましい。融点が160
℃未満の場合にはPVAの結晶性が低下し、中空繊維の
繊維強度が低くなると同時に、該中空繊維を形成する複
合繊維の熱安定性が悪くなり、繊維化できない場合があ
る。一方、融点が230℃を越えると溶融紡糸温度が高
くなり、紡糸温度とPVAの分解温度が近づくためにP
VAと他の熱可塑性重合体とからなる複合繊維を安定に
製造することができない場合がある。なお、PVAの融
点は、DSCを用いて窒素中、昇温速度10℃/分で2
50℃まで昇温後、室温まで冷却し、再度昇温速度10
℃/分で250℃まで昇温した場合のPVAの融点を示
す吸熱ピークのピークトップの温度を意味する。
【0028】本発明に用いられるPVAは、ビニルエス
テル系重合体のビニルエステル単位を鹸化することによ
り得られる。ビニルエステル単位を形成するためのビニ
ル化合物単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸
ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティック酸ビニ
ル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得る点からは
酢酸ビニルが好ましい。
【0029】また本発明で使用されるPVAは、ホモポ
リマーであっても共重合単位を導入した変成PVAであ
ってもよいが、溶融紡糸性、水溶性、繊維物性の観点か
らは、共重合単位を導入した変性ポリビニルアルコール
を用いることが好ましい。共重合単量体の種類として
は、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ
ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、アクリル
酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル
等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその
塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメ
タクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のアクリル
アミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル
アミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル類、エチレングリコールビニルエーテル、1,3
−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジ
オールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエ
ーテル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテ
ル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等
のアリルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量
体、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル類、酢
酸イソプロペニル、3−ブテン−1−オール、4−ペン
テン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オ
クテン−1−オール、9−デセン−1−オール、3−メ
チル−3−ブテン−1−オール等のヒドロキシ基含有の
α−オレフィン類、フマール酸、マレイン酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット
酸または無水イタコン酸等に由来するカルボキシル基を
有する単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を
有する単量体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニ
ロキシメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルア
ミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ア
クリルアミドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミ
ン等に由来するカチオン基を有する単量体が挙げられ
る。これらの単量体の含有量は、通常20モル%以下で
ある。
【0030】これらの単量体の中でも、入手のしやすさ
などから、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリコー
ルビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒ
ドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテー
ト、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、
ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシ
アルキレン基を有する単量体、3−ブテン−1−オー
ル、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オ
ール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オ
ール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒドロ
キシ基含有のα−オレフィン類に由来する単量体が好ま
しい。
【0031】特に、共重合性、溶融紡糸性および繊維の
水溶性の観点からエチレン、プロピレン、1−ブテン、
イソブテンの炭素数4以下のα−オレフィン類、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピル
ビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類がより好まし
い。炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビ
ニルエーテル類に由来する単位は、PVA中に0.1〜
20モル%存在していることが好ましく、より好ましく
は1〜20モル%、さらに4〜15モル%が好ましく、
6〜13モル%が特に好ましい。さらに、α−オレフィ
ンがエチレンである場合において、繊維物性が高くなる
ことから、特にエチレン単位が4〜15モル%、より好
ましくは6〜13モル%導入された変性PVAを使用す
ることが好ましい。
【0032】本発明で使用されるPVAは、塊状重合
法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の
方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコ
ールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が
通常採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるア
ルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げら
れる。共重合に使用される開始剤としては、α,α'-ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、
nープロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始
剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げら
れる。重合温度については特に制限はないが、0℃〜1
50℃の範囲が適当である。
【0033】本発明で使用されるPVAにおけるアルカ
リ金属イオンの含有割合は、PVA100質量部に対し
てナトリウムイオン換算で0.0003〜1質量部であ
ることが好ましく、0.0003〜0.8質量部がより
好ましく、0.0005〜0.6質量部がさらに好まし
く、0.0005〜0.5質量部が特に好ましい。アル
カリ金属イオンの含有割合が0.0003質量部未満の
場合には、十分な水溶性を示さず未溶解物が残る場合が
ある。またアルカリ金属イオンの含有量が1質量部より
多い場合には溶融紡糸時の分解及びゲル化が著しく繊維
化することができない場合がある。アルカリ金属イオン
としては、カリウムイオン、ナトリウムイオン等があげ
られる。
【0034】本発明において、特定量のアルカリ金属イ
オンをPVA中に含有させる方法は特に制限されず、P
VAを重合した後にアルカリ金属イオン含有の化合物を
添加する方法、ビニルエステルの重合体を溶媒中におい
て鹸化するに際し、鹸化触媒としてアルカリイオンを含
有するアルカリ性物質を使用することによりPVA中に
アルカリ金属イオンを配合し、鹸化して得られたPVA
を洗浄液で洗浄することにより、PVA中に含まれるア
ルカリ金属イオン含有量を制御する方法などが挙げられ
るが後者のほうが好ましい。なお、アルカリ金属イオン
の含有量は、原子吸光法で求めることができる。
【0035】鹸化触媒として使用するアルカリ性物質と
しては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムがあげ
られる。鹸化触媒に使用するアルカリ性物質のモル比
は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好ま
しく、0.005〜0.05が特に好ましい。鹸化触媒
は、鹸化反応の初期に一括添加しても良いし、鹸化反応
の途中で追加添加しても良い。鹸化反応の溶媒として
は、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、
ジメチルホルムアミドなどがあげられる。これらの溶媒
の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.001〜
1質量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率
を0.003〜0.9質量%に制御したメタノールがよ
り好ましく、含水率を0.005〜0.8質量%に制御
したメタノールが特に好ましい。洗浄液としては、メタ
ノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサ
ン、水などがあげられ、これらの中でもメタノール、酢
酸メチル、水の単独もしくは混合液がより好ましい。洗
浄液の量としてはアルカリ金属イオンの含有割合を満足
するように設定されるが、通常、PVA100質量部に
対して、300〜10000質量部が好ましく、500
〜5000質量部がより好ましい。洗浄温度としては、
5〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。
洗浄時間としては20分間〜10時間が好ましく、1時
間〜6時間がより好ましい。
【0036】また、本発明においては、上述のようなP
VAを用いたとしても、PVAは一般的に汎用性の熱可
塑性樹脂に比較して高温での溶融流動性に劣るため、必
要に応じて、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コールおよびそのオリゴマー、ブチレングリコール及び
そのオリゴマー、ポリグリセリン誘導体やグリセリン等
にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアル
キレンオキサイドが付加したグリセリン誘導体、ソルビ
トールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等
のアルキレンオキサイドが付加した誘導体、ペンタエリ
スリトール等の多価アルコール及びその誘導体、PO/
EOランダム共重合物等の可塑剤を1〜30質量%、好
ましくは2〜20質量%の割合でPVAに配合すること
曳糸性向上の点から好ましい。そして、繊維化工程で熱
分解が起こりにくく、良好な可塑化性、紡糸性を得るた
めには、ソルビトールのアルキレンオキサイド付加物、
ポリグリセリンアルキルモノカルボン酸エステル、PO
/EOランダム共重合物などの可塑剤を1〜30質量
%、好ましくは2〜20質量%配合することが好まし
く、特にソルビトールのエチレンオキサイドを1〜30
モル付加した化合物が好ましい。
【0037】本発明の中空繊維の原料となる複合繊維の
製造方法は、上記のようなPVAを島成分とし、平衡水
分率が2%以下の熱可塑性重合体を海成分とした断面形
態を形成することができる紡糸技術であれば特に限定さ
れず、熱溶融時に島成分のPVAと反応、ゲル化しないポ
リマーの組み合わせの系においては、例えば、混合紡糸
による方法が可能であり、島成分となるPVAと海成分
となる熱可塑性重合体とを、1つの押し出し機で溶融混
練し、引き続き同一の紡糸ノズルから吐出させて巻取
り、繊維化することができる。また複合紡糸による方法
では、PVAと熱可塑性重合体とをそれぞれ別の押し出
し機で溶融混練し、引き続き、PVAが島成分となり、
熱可塑性重合体が海成分となるようにして芯鞘型複合紡
糸ノズルから吐出させて巻き取り、繊維化することがで
きる。
【0038】繊維化条件は、重合体の組合せ、複合断面
形態に応じて設定する必要があるが、主に、以下のよう
な点に留意して繊維化条件を決めることが望ましい。 (1)一般的にPVAは高温時での溶融流動性に劣り、ま
た滞留部の存在で自己架橋し、ゲル化し易いポリマーで
あるので、極力ポリマーの押出しゾーン及びジェットパ
ック(複合紡糸部品の集合体)内部のポリマー流動部で滞
留部が生じにくくすることが重要である。 (2)紡糸口金温度は、複合繊維を構成する重合体のうち
高い融点を持つ重合体の融点をMpとするときMp〜Mp+80
℃が好ましく、せん断速度(γ)1,000〜25,000sec-1
ドラフトV10〜500で紡糸することが好ましい。 (3)複合する重合体の組み合わせから見た場合、紡糸時
おける口金温度とノズル通過時のせん断速度で測定した
ときの溶融粘度が近接した重合体を組合せて複合紡糸す
ることが紡糸安定性の面から好ましい。
【0039】本発明におけるPVAの融点Tmとは、示
差走査熱量計(DSC:例えばMettler社TA3000)で観
察される主吸熱ピークのピーク温度である。せん断速度
(γ)は、ノズル半径をr(cm)、単孔あたりの重合
体吐出量をQ(cm3/sec)とするときγ=4Q/πrで計
算される。またドラフトVは、引取速度をA(m/分)とす
るときV=5A・πr/3Qで計算される。
【0040】複合繊維を製造するに際して、紡糸口金温
度がPVAの融点Tmより低い温度では該PVAが溶融
しないために紡糸できない。またTm+80℃を越えると
PVAが熱分解あるいは自己架橋によるゲル化が発生し
やすくなるために紡糸性が低下する。また、せん断速度
は1,000sec-1よりも低いと断糸しやすく、25,000sec- 1
より高いとノズルの背圧が高くなり紡糸性が悪くなる。
ドラフトは10より低いと繊度むらが大きくなり安定に紡
糸しにくくなり、ドラフトが500より高くなると断糸
しやすくなる。
【0041】紡糸ノズルから吐出された糸条は延伸せず
にそのまま高速で巻き取るか必要に応じて延伸される。
延伸は破断伸度(HDmax)×0.55〜0.9倍の延伸倍率でガラ
ス転移点(Tg)以上の温度で延伸される。延伸倍率がHD
max×0.55未満では十分な強度を有する複合繊維が安定
して得られず、HDmax×0.9を越えると断糸しやすくな
る。延伸は紡糸ノズルから吐出された後に一旦巻き取っ
てから延伸する場合と、延伸に引き続いて施される場合
があるが、本発明においてはいずれでもよい。延伸は通
常熱延伸され、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいず
れを用いて行ってもよい。延伸工程において、延伸倍率
の絶対値が大きいほど、毛羽発生、断糸しやすくなるた
め高速紡糸〜低延伸倍率による繊維化条件あるいは公知
の高速紡糸・巻取りのみによる手法が好ましい。
【0042】延伸温度は、複合の組み合わせポリマーに
応じて適宜設定されるが、本発明に用いるポリビニルア
ルコールは結晶化速度が速いため未延伸糸の結晶化がか
なり進み、Tg前後では結晶部分の可塑変形が生じにく
い。このため、例えば、PETとの複合においては熱ロ
ーラー延伸などの接触加熱延伸をする場合でも比較的高
い温度(70〜100℃程度)を目安に延伸する。ま
た、加熱炉、加熱チューブなどの非接触タイプのヒータ
ーを使用して加熱延伸する場合は、さらに高温で150
〜200℃程度の温度条件とすることが好ましい。
【0043】但し、本発明においては繊維化条件とし
て、紡糸口金温度がTm〜Tm+80℃で、せん断速度
(γ)1,000〜25,000sec−1、ドラフト
(V)10〜500で紡糸することが重要である。
【0044】また、本発明の中空繊維を形成するための
複合繊維断面形状は特に限定されず、紡糸ノズルの形状
により真円状にも中空にも異型断面にもできる。繊維化
や製織化での工程通過性の点から真円が好ましい。
【0045】本発明の中空繊維を形成するための複合繊
維は、製造条件によって島成分であるPVAの水溶解時
の複合繊維の収縮挙動を制御することが可能であり、P
VA溶解時に該複合繊維が収縮しないか又は収縮量を小
さく抑えようとする場合には、該複合繊維に熱処理を施
しておくことが望ましい。この熱処理は、延伸を伴う繊
維化工程においては、延伸と同時に行ってもよいし、延
伸と別個に行う熱処理であってもよい。熱処理温度を高
くすると島成分PVAを溶解して得られる中空繊維の最
大収縮率を低くすることが可能であるが、逆に島成分P
VAの水中溶解温度が高くなる傾向にあるので、該複合
繊維の加工工程における最大収縮率とのバランスを見な
がら熱処理条件を設定することが望ましく、大凡は島成
分PVAのガラス転移点〜(Tm−10)℃の範囲内で
条件設定することが好ましい。
【0046】処理温度がTgより低い場合には十分に結
晶化した複合繊維が得られず、例えば、布帛にして熱セ
ットして用いる場合の収縮が大きくなり、布帛の風合い
が硬化するため好ましくない。また処理温度が(Tm−
10)℃を越える場合には繊維間の膠着が生じ好ましく
ない。
【0047】熱処理は延伸後の複合繊維に収縮を加えて
行ってもよい。複合繊維に収縮を加えると水中でのPV
A溶解までの複合繊維の収縮率が小さくなる。加える収
縮は0.01〜5%好ましく、0.1〜0.5%がより
好ましく、1〜4%が特に好ましい。加える収縮が0.
01%以下の場合にはPVA溶解時の複合繊維の最大収
縮率を小さくする効果が実質的に得られず、加える収縮
が5%を超える場合には収縮処理中に複合繊維がたるん
で安定に収縮を加えることができない。
【0048】本発明において、PVAが「水溶性」であ
るということは、溶解するまでの時間の長短にかかわら
ず40℃以上の温度で溶解することを意味する。そし
て、PVAの種類や複合繊維の製造条件を変更すること
により、本発明ではPVA島成分の溶解温度が30℃〜
100℃となる複合繊維を得ることができるが、実用性
及び水溶性、溶解制御性のすべての特性のバランスをと
るためには、40℃以上の溶解温度を有するPVA島成
分、さらに好ましくは50℃以上の溶解温度を有するP
VA島成分からなる複合繊維とすることが好ましい。
【0049】溶解処理温度はPVAの溶解温度や複合繊
維の海成分を構成する熱可塑性重合体のwet状態での
ガラス転移点に応じて適宜調整すればよいが、もちろん
処理温度は高い程処理時間が短くなる。熱水を用いて溶
解する場合、海成分となる熱可塑性重合体のガラス転移
点が70℃以上であれば、100℃以上の高温高圧下で
の熱水処理が最も好ましい。なお、水溶液には通常は軟
水が用いられるがアルカリ水溶液、酸性水溶液であって
もよいし、界面活性剤等を含んだものであってもよい。
【0050】本発明の複合繊維を熱水処理してPVA成
分を溶解除去するに当っては、ノニオン系界面活性剤、
アニオン系界面活性剤等を成分とする精練剤、その他の
添加剤等を含んで行ってもよい。また、上記の熱水処理
によるPVAの溶解除去は、複合繊維単独に対して行な
ってもよいし、該複合繊維を含む繊維構造体を構成させ
た後に熱水処理を施してもよい。熱水処理時の温度およ
び処理時間は、複合繊維の繊度、複合繊維における島成
分の割合、島成分の分布状態、海成分の熱可塑性重合体
の比率、種類、繊維構造物の形態等の種々の要件により
適宜調節できる。熱水処理温度としては60℃以上、好
ましくは80℃以上がよい。熱水処理の方法としては、
熱水液中に複合繊維、繊維構造物を浸漬する方法、或い
はそれらに熱水液をパッド、スプレー等の方式で施す方
法等を挙げることができる。
【0051】本発明においてPVAは、上記のような熱
水処理により複合繊維から水溶液として除去されるが、
かかるPVAは生分解性を有しており、活性汚泥処理あ
るいは土壌に埋めておくと分解されて水と二酸化炭素に
なる。また溶解除去された該PVAは水溶液の状態で活
性汚泥で連続処理すると2日〜1ヶ月でほぼ完全に分解
される。生分解性の点から該繊維の鹸化度は90〜9
9.99モル%が好ましく、92〜99.98モル%が
より好ましく、93〜99.97モル%が特に好まし
い。また該繊維の1,2−グリコール結合含有量は1.
0〜3.0モル%が好ましく、1.2〜2.5モル%が
より好ましく、1.3〜1.9モル%が特に好ましい。
PVAの1,2−グリコール結合量が1.0モル%未満
の場合には、PVAの生分解性が悪くなるばかりでな
く、溶融粘度が高すぎて該複合繊維の紡糸性が悪くなる
場合がある。PVAの1,2−グリコール結合含有量が
3.0モル%以上の場合にはPVAの熱安定性が悪くな
り紡糸性が低下する場合がある。
【0052】本発明においては、熱水処理によって複合
繊維中のPVA一部が残存する状態で、1個または複数
個の中空部を有する平衡水分率2%以下の熱可塑性重合
体からなる中空繊維が製造されるものであるが、本発明
の特徴は、殆ど水に膨潤しないと考えられている、基本
骨格の85モル%以上がポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートであるポリエステルやポリ
プロピレン等の熱可塑性重合体からなる海成分に完全に
包囲されているにもかかわらず、PVA島成分が熱水処
理により溶解除去されて中空繊維が形成されることであ
る。複合繊維がステープル繊維など切断面を持っている
場合は、繊維の端面からPVAが抜けていくことが考え
られるが、本発明においては、実質的に切断面のない長
繊維の状態であってもPVAが溶解除去されるものであ
り、かかる事実は従来の常識を覆すものといっても過言
ではない。
【0053】特に、多孔中空構造を有するポリエステル
繊維やポリプロピレン繊維は、発泡剤を含有させたり、
極めて特殊な方法によっても得られにくかったものであ
るが、本発明の複合繊維を用いることで極めて合理的、
かつ実用的に製造することが可能となるものである。
【0054】このようにして得られる本発明の中空繊維
は、吸湿性、軽量性、柔軟性、不透明性、ふくらみ感の
ある風合等から特にタフタ、デシン、ジョーゼット、ち
りめん、加工糸、ツイルなどの織物、または天竺、スム
ース、トリコットなどの編物にするのに適している。さ
らに、衣料用途に限らず、不織布用途、メディカル用途
や衛生材料、詰め物材として各種リビング資材にも使用
可能であるし、繊維積層体として自動車等の内装材、消
音材、防振材として利用可能であり、さらに抄紙するこ
ともできる。
【0055】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお
実施例中の部及び%はことわりのない限り質量に関する
ものである。
【0056】[PVAの分析方法]PVAの分析方法は
特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。変
性量は変性ポリビニルエステルあるいは変性PVAを用
いて500MHzプロトンNMR(JEOL GX−5
00)装置による測定から求めた。アルカリ金属イオン
の含有量は原子吸光法で求めた。
【0057】1,2-グリコール結合含有量は先に記載した
方法で測定した。本発明のPVAのトライアッド表示に
よる3連鎖の水酸基量の割合は以下の測定により求め
た。PVAを鹸化度99.5モル%以上に鹸化後、十分
にメタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日
間したPVAを用いて、d6−DMSOに溶解した後、
500MHz プロトンNMR(JEOL GX−50
0)装置により65℃測定を行った。PVA中のビニル
アルコールユニットの水酸基由来のピークはケミカルシ
フト4.05ppmから4.70ppmの領域に現れ、
この積分値をビニルアルコールユニット量(II)とす
る。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中
心水酸基はそれぞれアイソタクティシティ連鎖の場合
4.5ppm、ヘテロタクティシティ連鎖の場合4.3
6ppmおよびシンジオクティシティ連鎖の場合は4.
13ppmに現れる。この3者の積分値の和をトライア
ッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基量(I)とす
る。本発明のPVAのビニルアルコールユニットに対す
るトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の
モル分率は、100×(I)/(II)で表される。
【0058】[融点]PVAの融点は、DSC(メトラ
ー社、TA3000)を用いて、窒素中、昇温速度10
℃/分で250℃まで昇温後室温まで冷却し、再度、昇
温速度10℃/分で250℃まで昇温した場合のPVA
の融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度で表し
た。
【0059】[繊維中のPVAの残率]本発明の中空繊
維を形成するための複合繊維について、該複合繊維を溶
剤(HFIP:ヘキサフロロイソフ゜ロヒ゜ルアルコール)で処理、水洗5
分、乾燥後の質量残存率をPVAの残存率として求め
た。残分はNMRにてPVAであることを確認する。
【0060】[吸湿率]60℃で約7時間減圧絶乾後の繊
維の質量(X)と、その繊維を亜硝酸ナトリウムの飽和水
溶液からなる雰囲気中(20℃×65RH)で1時間放
置した後の繊維質量(Y)とから下記式により吸湿率を求
めた。 吸湿率={(Y−X)/X}×100
【0061】[保温率]ASTMD−1518−57Tに
準じて作成された保温性試験機によって測定した値
(%)である。
【0062】[風合評価(軽量感、風合い)]織物につい
てパネラー10名で実施し、下記の基準で評価した。 ◎:9名以上が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に優れ
ていると判定 ○:7〜8名が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に優れ
ていると判定 △:5〜6名が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に優れ
ていると判定 ×:6名以上が軽量感、ソフト感、ふくらみ感共に劣っ
ていると判定
【0063】[エチレン変性PVAの製造]攪拌機、窒
素導入口、エチレン導入口および開始剤添加口を備えた
100L加圧反応槽に酢酸ビニル29.0kgおよびメ
タノール31.0kgを仕込み、60℃に昇温した後3
0分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。次い
で反応槽圧力が5.9kg/cm(5.8×105Pa)となる
ようにエチレンを導入仕込みした。開始剤として2,
2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)(AMV)をメタノールに溶解した濃度
2.8g/L溶液を調整し、窒素ガスによるバブリング
を行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃に調
整した後、上記の開始剤溶液170mlを注入し重合を
開始した。重合中はエチレンを導入して反応槽圧力を
5.9kg/cm(5.8×105Pa)に、重合温度を60℃
に維持し、上記の開始剤溶液を用いて610ml/hr
でAMVを連続添加して重合を実施した。10時間後に
重合率が70%となったところで冷却して重合を停止し
た。反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバ
ブリングして脱エチレンを完全に行った。ついで減圧下
に未反応酢酸ビニルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルの
メタノール溶液とした。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が50%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液200g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、46.5g(ポリ酢酸ビ
ニル中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(MR)
0.10)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノー
ル溶液)を添加して鹸化を行った。アルカリ添加後約2
分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、60℃で
1時間放置して鹸化を進行させた後、酢酸メチル100
0gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノール
フタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別し
て得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを
加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回
繰り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中
70℃で2日間放置して乾燥PVAを得た。得られたエ
チレン変性PVAの鹸化度は98.5モル%であった。
また該変性PVAを灰化させた後、酸に溶解したものを
用いて原子吸光光度計により測定したナトリウムの含有
量は、変性PVA100質量部に対して0.01質量部
であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除
去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をn−
ヘキサンに沈殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行
った後、80℃で3日間減圧乾燥を行って精製ポリ酢酸
ビニルを得た。該ポリ酢酸ビニルをDMSO−d6に溶
解し、500MHzプロトンNMR(JEOL GX−
500)を用いて80℃で測定したところ、エチレンの
含有量は8.4モル%であった。上記のポリ酢酸ビニル
のメタノール溶液をアルカリモル比0.5で鹸化した
後、粉砕したものを60℃で5時間放置して鹸化を進行
させた後、メタノールソックスレーを3日間実施し、次
いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製されたエチレ
ン変性PVAを得た。該PVAの平均重合度を常法のJ
IS K6726に準じて測定したところ330であつ
た。該精製PVAの1,2−グリコール結合量および水
酸基3連鎖の水酸基の含有量を500MHzプロトンN
MR(JEOL GX−500)装置による測定から前
述のとおり求めたところ、それぞれ1.50モル%およ
び83%であつた。さらに該精製された変性PVAの5
%水溶液を調整し厚み10ミクロンのキャスト製フィル
ムを作成した。該フイルムを80℃で1日間減圧乾燥を
行った後に、DSC(メトラー社、TA3000)を用
いて、前述の方法によりPVAの融点を測定したところ
208℃であった。
【0064】実施例1 上記で得られた変性PVAを島(芯)成分として、酸化チ
タン0.045質量%含有イソフタル酸6モル%変性ポ
リエチレンテレフタレート(〔η〕=0.68、以下I
PA6coPETと略称する)を海(鞘)成分として用
い、PVAのゾーン最高温度230℃、PVAの溶融滞
留が極力生じない複合紡糸部品を用い、紡糸温度260
℃、紡糸速度1800m/分で紡出した後、この未延伸
糸を83℃の熱ローラ及び140℃の熱プレートに接触
させ、延伸倍率2.3倍で延伸することにより、表1に
示すような繊維断面及び複合比率を有する83dtex/2
4fの複合繊維を得た。
【0065】次いで該複合繊維を経糸及び緯糸として用
いて平織物を作成した。その生機密度は95本/25.
4mm、緯糸86本/25.4mmであった。該生機織物を
炭酸ナトリウムを2g/リットルの割合で含む水溶液中に8
0℃で30分間浸漬して糊抜きした後、170℃で約40秒間プ
レセットを行なった。次にイントールMTコンク(アニオ
ン活性剤、明成化学社製)1g/リットルを含む水溶液に
て浴比50:1、温度100℃、時間20分間の熱水処理を行な
った。十分に水洗して表1に示すPVAの残率を有する平
織物を得た。保温率を測定した結果、および軽量感を含
む織物の評価結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】上記表1の結果から、本発明の規定する多
孔状の中空繊維からなる織物は軽量感が極めて良好で、
さらに吸湿性も良好で、ソフトでふくらみのある優れた
風合いを有するものであった。
【0068】実施例2〜5 実施例2は、複合比率、島成分の残率を変更し、実施例
3〜5は島数及び島成分の残率を変更し、表1に示す条
件で実施すること以外は実施例1と同様に実施した。い
ずれの布帛も軽量感にすぐれ、ソフトでふくらみ感のあ
る優れた風合いを有するものであった。
【0069】実施例6〜9 実施例1で用いた島成分PVAの代りに表1に示す変性
種、変性量に変更したPVAを用いたこと以外は実施例1
と同様に実施した。いずれの布帛も軽量感にすぐれ、ソ
フトでふくらみ感のある優れた風合いを有するものであ
った。
【0070】実施例10〜17 海成分ポリマーを表1に示す如く変更し、繊維断面、島
数、複合比率、島成分残率を表1に示す条件で実施した
こと以外は実施例1と同様に実施した。いずれの布帛も
軽量感にすぐれ、ソフトでふくらみ感のある優れた風合
いを有するものであった。
【0071】比較例1〜3 比較例1は海成分/島成分の複合比率を変更し、比較例
2及び3は島成分PVAのエチレン変性量を変更したこと
以外は実施例1と同様に実施した。比較例1は布帛の軽
量感、吸湿性に乏しく、風合いもふくらみ感もなく実施
例に比較して非常に劣るものであった。比較例2は繊維
単糸内部にゲル化物が見られ、また、断糸が多発し繊維
化工程性が不良であった。比較例3は島成分のPVAがほ
とんど溶解除去できず、また、布帛の軽量感、保温性、
風合いも劣るものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の中空繊維を形成するための複合繊維
の断面形状の一例を示す繊維断面図
【図2】 本発明の中空繊維を形成するための複合繊維
の断面形状の一例を示す繊維断面図
【図3】 本発明の中空繊維を形成するための複合繊維
の断面形状の一例を示す繊維断面図
【図4】 本発明の中空繊維を形成するための複合繊維
の断面形状の一例を示す繊維断面図
【図5】 本発明の中空繊維を形成するための複合繊維
の断面形状の一例を示す繊維断面図
【図6】 本発明の中空繊維を形成するための複合繊維
の断面形状の一例を示す繊維断面図
【符号の説明】
1:海成分 2:島成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河本 正夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4L031 AA14 AA18 AB10 AB32 AB33 AB34 AB36 BA08 CA07 DA08 4L036 MA04 MA05 MA16 MA19 MA39 PA01 PA03 PA26 UA01 4L041 AA07 BA02 BA05 BA16 BC02 CA05 CA36 CA38

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平衡水分率が2%以下である熱可塑性重
    合体からなる中空繊維であって、中空部に水溶性熱可塑
    性ポリビニルアルコール系重合体が繊維の1質量%以上
    30質量%以下の割合で存在し、下記に示す繊維の吸湿
    率が2%以上であることを特徴とする中空繊維。 吸湿率={(Y−X)/X} ×100 X:60℃で7時間減圧絶乾後の繊維質量 Y:20℃、65%RHの環境下で1時間放置後の繊維
    質量
  2. 【請求項2】 水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール
    が、炭素数4以下のα−オレフィン単位および/または
    ビニルエーテル単位を0.1〜20モル%含有する変性
    ポリビニルアルコールである請求項1に記載の中空繊
    維。
  3. 【請求項3】 α−オレフィン単位として4〜15モル
    %のエチレン単位及び/又はプロピレン単位を含有する
    請求項2に記載の中空繊維。
  4. 【請求項4】 熱可塑性重合体が平衡水分率2%以下の
    ポリオレフィン又はポリエステルである請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の中空繊維。
  5. 【請求項5】 ポリエステルがポリ乳酸である請求項4
    に記載の中空繊維。
  6. 【請求項6】 中空部の数が1個以上で、中空率が2%
    以上65%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の中空繊維。
  7. 【請求項7】 中空部の数が10個以上である請求項6
    に記載の中空繊維。
  8. 【請求項8】 長繊維である請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の中空繊維。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の中
    空繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物。
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