JP4030686B2 - ポリエステル特殊混繊糸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れたふくらみとソフトタッチ、さらに良好な張り腰を有すると共に発色性の良好な布帛を与えるポリエステル特殊混繊糸に関する。しかも、従来の後加工工程のでのアルカリ減量可能などの必要ない、公害の問題のない熱水処理のみにより、布帛を構成する繊維間に空隙が生じ、布帛に良好な風合を発現させることのできるポリエステル系特殊混繊糸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリエステルフィラメントを絹の風合に近づけるべく色々な工夫がなされている。ソフトでふくらみ感を付与する手法として収縮率の異なる複数の糸条を流体交絡混繊する手法はよく知られているが、これらは織物中で緯糸、経糸に拘束されて十分なふくらみ感を与えるまでに至っていない。さらにソフト感を生じさせるために複数糸条の一部を細デニール化する等の工夫がなされているが製糸技術上限界がある。また、ソフト感を与えるためにアルカリ減量加工により糸条を溶出して細くする方法が一般に知られ、有効な手段として使用されている。しかしながら、好適なソフト感を与えるためにアルカリ減量を施したものは、著しく張り腰感に欠け望ましい布帛が得られないという問題があった。そして、優れたふくらみ感とソフトタッチを持ったうえに更に良好な張り腰を併せ持った布帛を与えるポリエステル混繊糸はいまだ得られていないというのが現状である。また、アルカリ減量加工は、減量されたポリエステル残差の処理の問題やアルカリ廃液の処理の問題で公害が発生してくる懸念が指摘され、環境保護の面から問題点が顕在化してきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の混繊糸の欠点を改良し、優れたふくらみ感とソフトタッチを持ち、さらに良好な張り腰と優れた発色性を併せ持つ布帛を与えるポリエステル混繊糸を提供することである。また、従来のポリエステル繊維のアルカリ減量加工により風合を出す加工をすることなく、公害の発生することのない熱水処理のみで風合出しの性能を保持するポリエステル系混繊糸を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、少なくとも下記に示す2種のポリエステルフィラメント(A)、(B)と、炭素数4以下のαオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を0.1〜20モル%含有する変性ポリビニルアルコールからなる繊維であって、粘度平均重合度が200〜500、鹸化度が90〜99.99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜99.9モル%であり、融点が160℃〜230℃であるポリビニルアルコールからなり、かつアルカリ金属イオンがナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部含有されている水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール繊維(C)とを含む混繊糸であって、交絡部数が10個/m以上、フィラメント(A)と(B)との熱水収縮率差(ΔWSr)が3%以上であることを特徴とするポリエステル系特殊混繊糸である。
ポリエステルフィラメント(A):
WSr(A)≦7%
DSr(A)―WSr(A)≦5%
DPF(A)≦3.5dr
ポリエステルフィラメント(B):
WSr(B)≧8%
DSr(B)―WSr(B)≧2%
DPF(B)≧2dr
ただし、WSr(A)、WSr(B);フィラメント(A)及び(B)の熱水収縮率(%)
DSr(A)、DSr(B);フィラメント(A)及び(B)の乾熱収縮率(%)
DPF(A)、DPF(B);フィラメント(A)及び(B)の単繊維デニール
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の混繊糸に用いられるポリビニルアルコール繊維 ( C ) におけるポリビニルアルコール ( 以下、PVAと略記することがある ) とは、例えば、共重合、末端変性、および後反応により官能基を導入した変性ポリビニルアルコールも包含するものである。本発明に用いられるPVAの粘度平均重合度(以下、単に重合度と略記する)は200〜500であり、230〜470が好ましく、250〜450が特に好ましい。重合度が200未満の場合には紡糸時に十分な曳糸性が得られず、繊維化できない。重合度が500を越えると溶融粘度が高すぎて、紡糸ノズルからポリマーを吐出することができない。また、重合度500以下のいわゆる低重合度のPVAを用いることにより、本発明での重要な要素である水溶液で繊維を溶解するときに溶解速度が速くなるばかりでなく、繊維が溶解するときの収縮率を小さくすることができる。
【0006】
PVAの重合度(P)は、JIS−K6726に準じて測定される。すなわち、PVAを再鹸化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求められるものである。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
重合度が上記範囲にある時、本発明の目的がより好適に達せられる。
【0007】
PVAの鹸化度は90〜99.99モル%でなければならない。93〜99.98モル%が好ましく、94〜99.97モル%がより好ましく、96〜99.96モル%が特に好ましい。鹸化度が90モル%未満の場合には、PVAの熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって満足な溶融紡糸を行うことができないのみならず、後述する共重合モノマーの種類によってはPVAの水溶性が低下し、本発明の水溶性繊維を得ることができない場合がある。
一方、鹸化度が99.99モル%よりも大きいPVAは安定に製造することができず、安定した繊維化もできない。
【0008】
本発明において、トライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基とは、PVAのd6−DMSO溶液での500MHz プロトンNMR(JEOL GX−500)装置、65℃測定による水酸基プロトンのトライアッドのタクティシティを反映するピーク(I)を意味する。
ピーク(I)はPVAの水酸基のトライアッド表示のアイソタクティシティ連鎖(4.54ppm)、ヘテロタクティシティ連鎖(4.36ppm)およびシンジオタクティシティ連鎖(4.13ppm)の和で表わされ、全てのビニルアルコールユニットにおける水酸基のピーク(II)はケミカルシフト4.05ppm〜4.70ppmの領域に現れることから、本発明のビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率は、100×(I)/(II)で表されるものである。
【0009】
本発明においては、水酸基3連鎖の中心水酸基の量を制御することで、PVAの水溶性、吸湿性など水に関わる諸物性、強度、伸度、弾性率など繊維に関わる諸物性、融点、溶融粘度など溶融紡糸性に関わる諸物性をコントロールできる。これはトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基は結晶性に富み、PVAの特長を発現させるためと思われる。
【0010】
本発明においては、PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量は70〜99.9モル%であり、72〜99モル%が好ましく、74〜97モル%がより好ましく、75〜96モル%がさらに好ましく、76〜95モル%が特に好ましい。
PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量が70モル%未満である場合には、ポリマーの結晶性が低下し、繊維強度が低くなると同時に、溶融紡糸時に繊維が膠着して巻取り後に巻き出しできない場合がある。また本発明で目的とする水溶性の熱可塑性繊維が得られない場合がある。
PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量が99.9モル%より大の場合には、ポリマーの融点が高いため溶融紡糸温度を高くする必要があり、その結果、溶融紡糸時のポリマーの熱安定性が悪く、分解、ゲル化、ポリマーの着色が起こる。
【0011】
また、本発明で使用されるPVAがエチレン変性のPVAである場合、下記式を満足することで本発明の効果は更に高くなる。
−1.5×Et+100≧モル分率≧−Et+85
ここで、モル分率(モル%)はビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率を表し、Etはビニルアルコール系重合体が含有するエチレン含量(モル%)を表す。
【0012】
本発明に用いられるPVAの融点(Tm)は160〜230℃であり、170〜227℃が好ましく、175〜224℃がより好ましく、180〜220℃が特に好ましい。融点が160℃未満の場合にはPVAの結晶性が低下し繊維強度が低くなると同時に、PVAの熱安定性が悪くなり、繊維化できない場合がある。一方、融点が230℃を越えると溶融紡糸温度が高くなり紡糸温度とPVAの分解温度が近づくためにPVA繊維を安定に製造することができない。
【0013】
PVAの融点は、DSCを用いて、窒素中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後、室温まで冷却し、再度昇温速度10℃/分で250℃まで昇温した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度を意味する。
【0014】
本発明で使用されるPVAは、ビニルエステル系重合体のビニルエステル単位を鹸化することにより得られる。ビニルエステル単位を形成するためのビニル化合物単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティック酸ビニル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得る点からは酢酸ビニルが好ましい。
【0015】
ポリビニルアルコール繊維(C)を形成する重合体は、溶融紡糸性、水溶性、繊維物性の観点から、共重合単位を導入した変性ポリビニルアルコールを用いる必要がある。また該変性ポリビニルアルコールは、炭素数4以下のαオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を0.1〜20モル%含有する。共重合単量体の種類としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリコールビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量体、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル類、酢酸イソプロペニル、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィン類、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸または無水イタコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を有する単量体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミン等に由来するカチオン基を有する単量体が挙げられる。これらの単量体の含有量は20モル%以下が好ましい。
【0016】
これらの単量体の中でも、入手のしやすさなどから、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリコールビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシアルキレン基を有する単量体、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィン類に由来する単量体が好ましい。
【0017】
特に、共重合性、溶融紡糸性および繊維の水溶性の観点からエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンの炭素数4以下のα−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類がより好ましい。炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビニルエーテル類に由来する単位は、PVA中に0.1〜20モル%存在していることが必要であり、さらに4〜15モル%存在していることが好ましく、6〜13モル%存在していることが特に好ましい。さらに、α−オレフィンがエチレンである場合において、繊維物性が高くなることから、特にエチレン単位が4〜15モル%、より好ましくは6〜13モル%導入された変成PVAを使用することが好ましい。
【0018】
本発明で使用されるPVAは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が通常採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられる。共重合に使用される開始剤としては、α,α'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、nープロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合温度については特に制限はないが、0℃〜150℃の範囲が適当である。
【0019】
本発明で使用されるPVAにおけるアルカリ金属イオンの含有割合は、PVA100重量部に対してナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部であり、0.0003〜0.8重量部が好ましく、0.0005〜0.6重量部がより好ましく、0.0005〜0.5重量部が特に好ましい。アルカリ金属イオンの含有割合が0.0003重量部未満の場合には、得られた繊維が十分な水溶性を示さず未溶解物が残る場合がある。またアルカリ金属イオンの含有量が1重量部より多い場合には溶融紡糸時の分解及びゲル化が著しく繊維化することができない。
アルカリ金属イオンとしては、カリウムイオン、ナトリウムイオン等があげられる。
【0020】
本発明において、特定量のアルカリ金属イオンをPVA中に含有させる方法は特に制限されず、PVAを重合した後にアルカリ金属イオン含有の化合物を添加する方法、ビニルエステルの重合体を溶媒中において鹸化するに際し、鹸化触媒としてアルカリイオンを含有するアルカリ性物質を使用することによりPVA中にアルカリ金属イオンを配合し、鹸化して得られたPVAを洗浄液で洗浄することにより、PVA中に含まれるアルカリ金属イオン含有量を制御する方法などが挙げられるが後者のほうが好ましい。
なお、アルカリ金属イオンの含有量は、原子吸光法で求めることができる。
【0021】
鹸化触媒として使用するアルカリ性物質としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムがあげられる。鹸化触媒に使用するアルカリ性物質のモル比は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好ましく、0.005〜0.05が特に好ましい。鹸化触媒は、鹸化反応の初期に一括添加しても良いし、鹸化反応の途中で追加添加しても良い。
鹸化反応の溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジエチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどがあげられる。これらの溶媒の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.001〜1重量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率を0.003〜0.9重量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率を0.005〜0.8重量%に制御したメタノールが特に好ましい。洗浄液としては、メタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エステル、ヘキサン、水などがあげられ、これらの中でもメタノール、酢酸メチル、水の単独もしくは混合液がより好ましい。
洗浄液の量としてはアルカリ金属イオンの含有割合を満足するように設定されるが、通常、PVA100重量部に対して、300〜10000重量部が好ましく、500〜5000重量部がより好ましい。洗浄温度としては、5〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。洗浄時間としては20分間〜10時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
【0022】
また本発明の目的や効果を損なわない範囲で、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合反応時、またはその後の工程で添加することができる。特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0023】
また必要に応じて平均粒子径が0.01μm以上5μm以下の微粒子を0.05重量%以上10重量%以下、重合反応時、またはその後の工程で添加することができる。微粒子の種類は特に限定されず、たとえばシリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の不活性微粒子を添加することができ、これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。特に平均粒子径が0.02μm以上1μm以下の無機微粒子が好ましく、紡糸性、延伸性が向上する。
【0024】
本発明の混繊糸に使用されるポリビニルアルコール繊維の製造は、公知の溶融紡糸装置を用いることができる。すなわち、溶融押出機でPVAのペレットを溶融混練し、溶融したポリマー流を紡糸頭に導き、ギヤポンプで計量し、紡糸ノズルから吐出させた糸条を巻き取ることで得られる。
【0025】
本発明においては、以上説明したポリビニルアルコール繊維(C)をポリエステル系混繊糸の構成成分とすることが重要であって、繊維の形態は長繊維、短繊維のいずれも用いることが可能である。
【0026】
次に、本発明の混繊糸に用いられるポリエステルフィラメント(A)及び(B)としては、ポリエチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とし、これに必要に応じて少量の他の共重合単位を含有させたポリエステルを使用することができるが、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルとして、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルを用いる場合は、ポリエステル中における共重合単位の割合が20モル%以下であるのが好ましく、その際の他の共重合単位の例としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタリンジカルボン酸、5−アルカリ金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸:シュウ酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能性カルボン酸;またはそれらのエステル形成性成分に由来するカルボン酸単位:ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジオール、エチレングリコール、ヘキサンジール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなどから誘導される単位を挙げることができる。そして、ポリエステルは前記した共重合単位の1種又は2種以上を含んでいても差し支えない。
また、ポリエステル中には、酸化チタン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機粒子を単独あるいは2種以上含んでいても差し支えない。さらに、無機微粒子の他に、必要に応じて、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤及びその他の添加剤の1種または2種以上を含有していてもよい。
【0027】
本発明で使用されるポリエステルフィラメント(A)は、例えば、ポリエチレンテレフタレートポリマーを溶融紡糸し、5000m/分以上で直接巻き取って得ることができる。また、ポリエステルフィラメント(B)はポリエステルポリマーを溶融紡糸し、引き続いて延伸装置を介して延伸した後に巻き取る所謂スピンドロー糸でもよいし、未延伸糸を紡糸巻取り後、延撚機で延伸処理を行なった糸でもよい。
上記のような製法で得られるフィラメントの中から、例えば、溶融紡糸後5000m/分以上で直接巻き取った糸をフィラメント(A)とし、溶融紡糸後引き続いて延伸装置を介して延伸後巻き取った糸をフィラメント(B)とし、これらを前述したポリビニルアルコール繊維(C)とを組み合せることにより、本発明の混繊糸を得ることができる。
【0028】
本発明の混繊糸においては交絡部数が10個/m以上、好ましくは20個/m以上でなければならない。10個/m未満ではフィラメント(A)とフィラメント(B)とポリビニルアルコール繊維(C)とが製織等の取り扱い中に肌別れを起こしトラブルを生じたり、染色斑を引き起こすので好ましくない。また、フィラメント(A)の混繊糸中でのデニール構成比率は30〜70%、さらに好ましくは35〜60%が好ましい。フィラメント(A)がこの比率より大きいとソフト感は増すものの全体に張り腰感に欠ける布帛となり、一方、この比率より小さいと張り腰感はあるが全体に粗雑感が増大し、ソフト感に欠ける布帛ととなる。そして、本発明の混繊糸においては、フィラメント(A)とフィラメント(B)の熱水収縮率WSr(A)は7%以下でかつDSr(A)−WSr(A)≦5%である。WSr(A)が7%を超え、DSr(A)−WSr(A)が>5のときは、製織後の熱処理において収縮が入りすぎてふかついた風合となりやすく、好適なふくらみ感に欠けたものとなりやすい。また、フィラメント(B)の収縮率WSr(B)は8%以上で且つDSr(B)−WSr(B)≧2であることが重要である。WSr(B)が8%未満でDSr(B)−WSr(B)<2のときは、製織後の熱処理において十分な収縮が入らず、ふくらみ感、ソフト感に欠けたものとなりやすい。なお、本発明における熱水収縮率、乾熱収縮率及び交絡部数は以下の方法によって求められた値である。
熱水収縮率(WSr):
1/20g/drの張力下で10回巻の綛を取り、綛に1/20g/drの荷重をかけ収縮前の長さlを測定する。ついでその荷重を除き、ポリエステル筒編ネット中にこの綛を通して100℃熱水中で10分間浸漬後、表面の水分をぬぐいとりネット中の綛を取り出し風乾する。風乾後1/20g/drの荷重をかけ収縮後の長さl'を測定する。
熱水収縮率(WSr)={(l−l')/l}×100(%)
乾熱収縮率(DSr):
1/20g/drの張力下で10回巻の綛を取り、綛に1/20g/drの荷重をかけ収縮前の長さlを測定する。この綛を200℃恒温乾燥器内に吊るし10分間放置後取り出し1/20g/drの荷重をかけ収縮後の長さl'を測定する。
乾熱収縮率(DSr)={(l−l')/l}×100(%)
交絡部数:
0.1g/dr張力下における1m当たりの交絡部数であり、混繊糸中に針を突き刺し、ヤーン方向に移動する長さを計100ヶ所測定しその平均値(DL;単位mm)を求め1000/DL=交絡部数(個/m)で表す。
【0029】
本発明の混繊糸は、上記要件を満たしていればどのような製造方法により製造されたものであってもよい。具体的に製造例を挙げれば、図1に示すように、フィラメント(A)1とフィラメント(B)2とポリビニルアルコール繊維(C)3の各々をガイド4、ガイド5及びフィードローラ6を経て引き揃えて流体交絡ノズル7に供給して所定の交絡を行なわせ、交絡された混繊糸をコールドローラ8及びセンサー9を経てスピンドルワインダー10で巻き取ることによって製造することができる。
【0030】
本発明で使用されるPVAは生分解性を有しており、活性汚泥処理あるいは土壌に埋めておくと分解されて水と二酸化炭素になる。該PVAは水溶液の状態で活性汚泥で連続処理すると2日〜1ヶ月でほぼ完全に分解される。生分解性の点から該繊維の鹸化度は90〜99.99モル%が好ましく、92〜99.98モル%がより好ましく、93〜99.97モル%が特に好ましい。また該繊維の1,2−グリコール結合含有量は1.2〜2.0モル%が好ましく、1.25〜1.95モル%がより好ましく、1.3〜1.9モル%が特に好ましい。
PVAの1,2−グリコール結合量が1.2モル%未満の場合には、PVAの生分解性が悪くなるばかりでなく、溶融粘度が高すぎて紡糸性が悪くなる場合がある。PVAの1,2−グリコール結合含有量が2.0モル%以上の場合にはPVAの熱安定性が悪くなり紡糸性が低下する場合がある。
PVAの1,2−グリコール結合含有量はNMRのピークから求めることができる。鹸化度99.9モル以上に鹸化後、十分にメタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日間したPVAをDMSO−D6に溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料を500MHzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて80℃で測定する。
ビニルアルコール単位のメチン由来ピークは3.2〜4.0ppm(積分値A)、1,2−グリコール結合の1つのメチン由来のピークは3.25ppm(積分値B)に帰属され、次式で1,2−グリコール結合含有量を算出できる。ここでΔは変性量(モル%)を表す。
1,2-グリコール結合含有量(モル%)=100B/{100A/(100-Δ)}
【0031】
【実施例】
次に本発明を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%はことわりのない限り重量に関するものである。また、使用したPVAの分析は下記に示す方法にて行なった。
【0032】
[PVAの分析方法]
PVAの分析方法は特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。
変性量は変性ポリビニルエステルあるいは変性PVAを用いて500MHzプロトンNMR(JEOL GX−500)装置による測定から求めた。
アルカリ金属イオンの含有量は原子吸光法で求めた。
【0033】
PVAのトライアッド表示による3連鎖の水酸基量の割合は以下の方法で求めた。
PVAを鹸化度99.5モル%以上に鹸化後、十分にメタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日間したPVAを用いて、d6−DMSOに溶解した後、500MHzプロトンNMR(JEOL GX-500)装置により65℃測定を行った。PVA中のビニルアルコールユニットの水酸基由来のピークはケミカルシフト4.05ppmから4.70ppmの領域に現れ、この積分値をビニルアルコールユニット量(II)とする。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基はそれぞれアイソタクティシティ連鎖の場合4.54ppm、ヘテロタクティシティ連鎖の場合4.36ppmおよびシンジオタクティシティ連鎖の場合は4.13ppmに現れる。この3者の積分値の和をトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基量(I)とする。
本発明のPVAのビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率は、100×(I)/(II)で表される。
【0034】
[融点]
PVAの融点は、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、窒素中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後室温まで冷却し、再度、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度で表した。
【0035】
実施例1
[エチレン変性PVAの製造]
撹拌機、窒素導入口、エチレン導入口および開始剤添加口を備えた100L加圧反応槽に酢酸ビニル29.0kgおよびメタノール31.0kgを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力が5.9kg/cm2となるようにエチレンを導入仕込みした。開始剤として2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)をメタノールに溶解した濃度2.8g/L溶液を調整し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃に調整した後、上記の開始剤溶液170mlを注入し重合を開始した。重合中はエチレンを導入して反応槽圧力を5.9kg/cm2に、重合温度を60℃に維持し、上記の開始剤溶液を用いて610ml/hrでAMVを連続添加して重合を実施した。10時間後に重合率が70%となったところで冷却して重合を停止した。反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に行った。次いで減圧下に未反応酢酸ビニルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルのメタノール溶液とした。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が50%となるように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液200g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に、46.5g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(MR)0.10)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加して鹸化を行った。アルカリ添加後約2分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、60℃で1時間放置して鹸化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVAを得た。
【0036】
得られたエチレン変性PVAの鹸化度は98.4モル%であった。また該変性PVAを灰化させた後、酸に溶解したものを用いて原子吸光光度計により測定したナトリウムの含有量は、変性PVA100重量部に対して0.03重量部であった。
また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をn−ヘキサンに沈殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行った後、80℃で3日間減圧乾燥を行って精製ポリ酢酸ビニルを得た。該ポリ酢酸ビニルをDMSO−d6に溶解し、500MHzプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて80℃で測定したところ、エチレンの含有量は10モル%であった。上記のポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をアルカリモル比0.5で鹸化した後、粉砕したものを60℃で5時間放置して鹸化を進行させた後、メタノールソックスレーを3日間実施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製されたエチレン変性PVAを得た。該PVAの平均重合度を常法のJIS K6726に準じて測定したところ330であった。該精製PVAの1,2−グリコール結合量および水酸基3連鎖の水酸基の含有量を500MHzプロトンNMR(JEOL GX−500)装置による測定から前述のとおり求めたところ、それぞれ1.50モル%および83%であった。
さらに該精製された変性PVAの5%水溶液を調整し厚み10ミクロンのキャスト製フィルムを作成した。該フィルムを80℃で1日間減圧乾燥を行った後に、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、前述の方法によりPVAの融点を測定したところ206℃であった。
【0037】
上記で得られた変性PVAを溶融押し出し機を用いて240℃で溶融混練し、溶融したポリマー流を紡糸頭に導き、ギヤポンプで計量し、孔径0.25mm、ホール数24のノズルから吐出させ800m/分の速度で6時間巻き取った(せん断速度8,200sec-1、ドラフト52)。得られた紡糸原糸をホットローラー温度75℃、ホットプレート温度170℃で2.0倍(HDmax×0.7に相当)にローラープレート延伸し、50d/24f(単繊維繊度2デニール)の延伸糸を得た。得られたポリビニルアルコール繊維を混繊糸を構成する(C)成分として用いた。
ポリビニルアルコール繊維(C)のポリマー特性を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
ついで、シリカを3重量%含有する〔η〕0.65のポリエチレンテレフタレートポリマーを紡糸温度290℃、引取り速度6000m/分で巻き取り、WSr3.5%、DSr5.0%のY型異形断面75d/48fのフィラメントを得、これを混繊糸の(A)成分(糸条 No.1 )とした。また、シリカを3重量%含有する〔η〕0.65のポリエチレンテレフタレートポリマーを紡糸温度285℃で紡糸し引き続いて一対の熱ローラで延伸しながら5000m/分で巻き取り、WSr14%、DSr18%の丸断面75d/24fのフィラメントを得、これを混繊糸の(B)成分(糸条 No.2 )とした。
【0040】
上記の(A)、(B)及び(C)を用い、流体交絡処理を行ない、混繊糸を製造した。工程性は良好で問題なく製造可能であった。
得られた混繊糸を用い、経糸と緯糸として使い1/1の平織物を製織した。製織工程も特に問題なく実施できた。得られた平織物を精練リラックス処理の後、boil×60分間処理した結果、(C)成分を構成するポリビニルアルコール繊維が選択的に溶出し、優れたふくらみとソフトタッチ、さらに良好な張り腰を有する布帛が得られた。
混繊糸のヤーン構成、交絡部数、織物評価、総合評価の結果は表2に示すとおりである。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例2〜4
ポリビニルアルコール繊維(C)として表1に示す繊維を使用すること以外は実施例1と同様にして実施した。いずれも良好に混繊糸を得ることができた。また、該混繊糸を用いた織物の熱水処理後の布帛は良好な風合を有するものであった。
【0043】
比較例1〜5
ポリビニルアルコール繊維(C)として表1に示す繊維を使用すること以外は実施例1と同様にして実施した。
比較例1に示したPVAを用いると溶融粘度が高すぎるために紡糸パックからの十分にポリマーが吐出せず巻き取ることができなかった。比較例2のPVAを用いたものは、溶融粘度が低すぎて曳糸性がなく巻き取れなかった。比較例3ではPVAが熱分解・ゲル化して紡糸性が悪く巻き取れなかった。比較例4では紡糸温度250℃ではポリマーが十分に溶融せず粘度が高すぎで紡糸パックから十分にポリマーが吐出しないため紡糸温度を270℃にしたがこの温度ではPVAが熱分解するためか、紡糸性が悪く巻き取ることができなかった。比較例5ではPVAの結晶性が低下してるためか紡糸原糸が一部熱や吸湿で膠着して糸を解舒することができなかった。また膠着した原糸の水溶性を調べると原糸は膨潤して少しは溶解するが、継粉状になって完全には溶解しなかった。
いずれも満足のいく混繊糸を得ることができなかった。また、無理に作成した布帛も満足のゆく風合のものが得られなかった。
【0044】
実施例5,6、比較例6〜8
TiO2を0.5%含有する〔η〕0.63のポリエチレンテレフタレートを紡糸温度280℃、引取速度5500m/分で巻取り、WSr3.5%、DSr4.8%のY型異形断面35d/18fのポリエステルフィラメント(糸条 No.3 )を得た。また、TiO2を0.5%含有する〔η〕0.63のポリエチレンテレフタレートを紡糸温度290℃で紡糸し、引き続いて熱ローラーで延伸しながら4000m/分で巻取り、WSr14%、DSr21%の丸断面50d/18fのポリエステルフィラメント(糸条 No.4 )を得た。また、SiO2を1重量%含有する〔η〕0.65のポリエチレンテレフタレートを紡糸温度290℃、引取り速度1000m/分で巻き取った後、延撚機で3.3倍に延伸し、WSr4.0%、DSr12.0%のY型異形断面50d/36fのポリエステルフィラメント(糸条 No.5 )を得た。さらに、SiO2を1重量%含有する〔η〕0.65のポリエステルを紡糸温度290℃で紡糸し、引取り速度1000m/分で巻き取った後、延撚機で3.3倍に延伸し、WSr13%、DSr20%の丸断面50d/12fのポリエステルフィラメント(糸条 No.6 )を得た。ついで、ポリビニルアルコール繊維(C)はデニール構成を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして製造し、これらフィラメントを表2に示す組み合わせで流体絡合処理を行ない混繊糸を製造した。該混繊糸を用いた織物の熱水処理後の織物評価、総合評価を表2に示したが、本発明の混繊糸は良好な綜合評価が得られているのに対し、比較例では不良な評価結果しか得られなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、特定の物性を有するポリエステルフィラメント(A)とポリエステルフィラメント(B)と水溶性ポリビニルアルコール繊維(C)とを組み合せて混繊糸を製造することにより、従来のアルカリ減量加工を施す必要がなく、熱水処理により良好な風合を発現する布帛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混繊糸を製造するための装置の一例を示す概念図。
【符号の説明】
1:ポリエステルフィラメント(A)
2:ポリエステルフィラメント(B)
3:ポリビニルアルコール繊維(C)
4,5:ガイド
6:フィードローラ
7:流体交絡ノズル
8:コールドローラ
9:センサー
10:スピンドルワインダー
Claims (4)
- 少なくとも下記に示す2種のポリエステルフィラメント(A)、(B)と、炭素数4以下のαオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を0.1〜20モル%含有する変性ポリビニルアルコールからなる繊維であって、粘度平均重合度が200〜500、鹸化度が90〜99.99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が70〜99.9モル%であり、融点が160℃〜230℃であるポリビニルアルコールからなり、かつアルカリ金属イオンがナトリウムイオン換算で0.0003〜1重量部含有されている水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール繊維(C)とを含む混繊糸であって、交絡部数が10個/m以上、フィラメント(A)と(B)との熱水収縮率差(ΔWSr)が3%以上であることを特徴とするポリエステル系特殊混繊糸。
ポリエステルフィラメント(A):
WSr(A)≦7%
DSr(A)―WSr(A)≦5%
DPF(A)≦3.5dr
ポリエステルフィラメント(B):
WSr(B)≧8%
DSr(B)―WSr(B)≧2%
DPF(B)≧2dr
ただし、WSr(A)、WSr(B);フィラメント(A)及び(B)の熱水収縮率(%)
DSr(A)、DSr(B);フィラメント(A)及び(B)の乾熱収縮率(%)
DPF(A)、DPF(B);フィラメント(A)及び(B)の単繊維デニール - 水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール繊維(C)が、エチレン単位を4〜15モル%含有する変性ポリビニルアルコールからなる繊維である請求項1に記載の混繊糸。
- 請求項1または2のいずれか1項に記載の混繊糸を含む織編物。
- 請求項3に記載の織編物に熱水処理を施し、ポリビニルアルコール繊維(C)を溶解除去することを特徴とする織編物の処理方法。
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