JP4128580B2 - ポリビニルアルコール系複合繊維 - Google Patents
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Description
通常、異形紡糸ノズルまたは中空紡糸ノズルを用いて製造される異形断面繊維や中空繊維は、紡出後、固化するまでの間に溶融状態にある樹脂の表面張力や紡糸時の引き取り張力等によって異形断面が崩れたり、中空部が潰れやすいという課題があり、特に多孔中空形状を発現させようとすると、紡出直後は繊維に多孔状の中空構造が付与されても、多孔状中空部が潰れて消滅したり、該中空部の割合が減少し易く、かかる手法で多孔状の中空部を有する繊維を得ることは実質的に不可能であった。
そこで、特開平7−316977号公報には、アルカリ易分解性ポリマーを芯成分とし、鞘成分としてはポリアミドやエチレンビニルアルコール系共ポリマー等の吸水率が3%以上の耐アルカリ性ポリマーを用いて複合繊維とした後、該易分解性ポリマーを熱アルカリ水溶液処理することにより分解除去して多孔中空繊維とする技術が提案されている。しかしながら、これらの問題点としては、アルカリ分解生成物の排水処理の繁雑さがあり、環境面からも大きな課題を残している。
これらの発明は、従来、熱安定性が不良で溶融紡糸が極めて困難とされたポリビニルアルコール系ポリマーを、重合度、鹸化度、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率、1,2グリコール結合量および融点を所定範囲とし、さらに該ポリマーに含有されるアルカリ金属イオン量を所定範囲に限定することにより、ポリビニルアルコール系ポリマーで高速の溶融紡糸が可能であることを見出した画期的発明であるが、常温水には溶解し難く溶解時エネルギーが多く必要である。また、雨水などで自然に溶解させるという点においてはまだ課題を残していた。
また、本発明で得られる成形体は、内部に空隙を有するため、軽量性、断熱性、消音性、防振性に優れ、また、表面に凹凸を有するため、着色するとぎらつきがなく、また靴底などに用いると滑り防止性などに優れ、産業資材、リビング資材、日用品資材、メディカル資材などに使用することができる。
本発明で使用されるPVAには、ポリビニルアルコールのホモポリマーは勿論のこと、例えば、共重合、末端変性、および後反応により官能基を導入した変性ポリビニルアルコールも包含するものである。
特に、共重合性、溶融紡糸性および繊維の水溶性の観点からエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンの炭素数4以下のα−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドンなどのN−ビニルアミド類がより好ましい。炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビニルエーテル類および/またはN−ビニルアミド単位に由来する単位は、PVA中に0.1〜10モル%存在していることが好ましく、0.5〜9モル%であるとさらに好ましい。
さらに、α−オレフィンがエチレンである場合において、繊維物性が高くなることから、特にエチレン単位が1〜8モル%、より好ましくは2〜7モル%導入された変性PVAを使用することが好ましい。
また、重合度を低下させずに溶融粘度を低下させる減粘剤なども有効である。
さらに、必要に応じて平均粒子径が0.01μm以上5μm以下の微粒子を0.05重量%以上10重量%以下、重合反応時、またはその後の工程で添加することができる。微粒子の種類は特に限定されず、たとえばシリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の不活性微粒子を添加することができ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。特に平均粒子径が0.02μm以上1μm以下の無機微粒子が好ましい。
ビニルエステルは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の重合方法により重合してビニルエステル系ポリマーを得る。無溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が通常採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられる。重合に使用される開始剤としては、α、α'-アゾビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビス(2、4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合温度については特に制限はないが、0℃〜150℃の範囲が適当である。共重合成分を導入する場合は重合時ビニルエステルと共重合モノマーを混合し共重合する。共重合モノマーの添加法は一括添加でも、逐次添加でも目的に応じて選定することができる。
鹸化反応の溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどがあげられる。これらの溶媒の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.001〜1質量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率を0.003〜0.9質量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率を0.005〜0.8質量%に制御したメタノールが特に好ましい。洗浄液としては、メタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、水などがあげられ、これらの中でもメタノール主体がより好ましい。
洗浄液の量としてはアルカリ金属イオンの含有割合を満足するように設定されるが、通常、PVA100質量部に対して、300〜10000質量部が好ましく、500〜5000質量部がより好ましい。洗浄温度としては、5〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。洗浄時間としては20分間〜10時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
また、これらのポリマーは、融点が本発明の規定を満たすよう共重合等で変性されていてもよい。特に、ポリエステル系においては、イソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、セバチン酸、アジピン酸等で共重合することがPVAの溶解除去の容易性から好ましい方向である。さらに鞘成分を構成する熱可塑性ポリマーには、蛍光増白剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を必要に応じて含有させても差し支えない。
また、個々の芯成分の形状は何ら限定されず、円形、楕円形、三角形、十字形、その他の異形形状でもよい。さらに鞘成分は、不連続に形成されていてもよいが、繊維軸方向に連続し存在している方が好ましい。
本発明においては芯成分の連続性の点で後者の複合紡糸が好ましい。
(1)一般的にPVAは高温時での溶融流動性に劣り、また滞留部の存在で自己架橋し、ゲル化し易いポリマーであり、本発明に用いる低鹸化度のPVAにおいては特に熱安定性が悪く従来は溶融紡糸困難とされてきたポリマーであるので、ポリマーの押出しゾーン及びジェットパック(複合紡糸部品の集合体)内部のポリマー流動部で滞留部が生じにくくすることが重要で、最も高温となるノズルパック内の複合流形成時の滞留時間を15分以下とすることにより常温水溶性熱可塑性PVAを初めて複合溶融紡糸が可能となることを見出したことが本発明複合繊維を製造する上で極めて重要なポイントの1つである。
(2)紡糸口金温度は、複合繊維を構成するポリマーのうち高い融点を持つポリマーの融点をMpとするとき、Mp〜Mp+60℃が好ましく、せん断速度(γ)は1,000〜25,000sec−1、ドラフトV10〜500で紡糸することが好ましい。
(3)芯鞘複合する両ポリマーの重合度を選定する際、紡糸時おける口金温度とノズル通過時のせん断速度で測定したときの溶融粘度が近接したポリマーを選定して複合紡糸することが紡糸安定性の面から好ましい。
なお、せん断速度(γ)は、ノズル半径をr(cm)、単孔あたりのポリマー吐出量をQ(cm3/sec)とするときγ=4Q/πr3で計算される。またドラフトVは、引取速度をA(m/分)とするときV=5A・πr2/3Qで計算される。
延伸倍率がHDmax×0.55未満では十分な強度を有する複合繊維が安定して得られず、HDmax×0.9を越えると断糸しやすくなる。延伸は紡糸ノズルから吐出された後に一旦巻き取ってから延伸する場合と、延伸に引き続いて施される場合があるが、本発明においてはいずれでもよい。延伸は通常熱延伸され、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいずれを用いて行ってもよい。水溶性繊維でも鞘成分が水不溶性であれば、水浴でも延伸可能である。
延伸工程において、延伸倍率の絶対値が大きいほど、毛羽発生、断糸しやすくなるため高速紡糸〜低延伸倍率による繊維化条件あるいは公知の高速紡糸・巻取りのみによる手法が好ましい。
なお、本発明の繊維構造体及び成形体とは、衣類、リビング資材、産業資材、メディカル用品等の各種最終製品をも包含するものである。
また、処理水としては、通常は軟水が用いられるがアルカリ水溶液、酸性水溶液であってもよいし、界面活性剤等を含んだものであってもよい。特に、鞘成分のガラス転移温度を低下させる薬剤やPVAの溶解を促進させる薬剤を処理水中に加えると処理時間を短縮することができ好ましい場合がある。例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等を成分とする精練剤、その他の添加剤等を含んで行ってもよい。水処理の方法としては、水中に複合繊維、繊維構造体、繊維複合成形体を浸漬する方法、或いはそれらにパッド、スプレー等の方式で施す方法、さらに雨水などにより自然に溶解除去する方法などを挙げることができる。
また、上記の水処理によるPVAの溶解除去は、複合繊維単独に対して行なってもよいが、該複合繊維を含む繊維構造体や繊維複合成形体とした後に水処理を施してもよい。
また、芯成分のPVAは吸湿性、保湿性に優れるため、この特性を応用し、目的(用途)によってPVAを一部溶解除去し、空隙を形成せしめると同時に芯成分のPVAを残すことも可能である。
PVAの分析方法は特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。
PVAの融点は、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、窒素中、昇温速度10℃/分で一旦250℃まで昇温した後室温まで冷却し、再度、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度で表した。
JIS−K6726に従った。
JIS−K6726に従った。
変性ポリビニルエステルあるいは変性PVAを500MHz プロトンNMR(JEOL GX−500)装置による測定から求めた。
NMR法により求めた。すなわち、サンプルを鹸化度99.9モル%以上に鹸化後、十分にメタノールで洗浄し、減圧乾燥したPVAを重水素化されたジメチルスホキサイドに溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料を500MHzのプロトンNMRを用いて80℃で測定する。ビニルアルコール単位のメチン由来ピークは3.2〜4.0ppm(積分値A)、1,2グリコール結合の1つのメチン由来ピークは3.25ppm(積分値B)に帰属され、次式で算出した。ここでΔは変性量(モル%)を表す。
1,2グリコール結合量(モル%)=100B/{100A/(100−Δ)}
原子吸光法により求めた。
攪拌機、窒素導入口、エチレン導入口および開始剤添加口を備えた100L加圧反応槽に酢酸ビニル20.3kgおよびメタノール39.6kgを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽ゲージ圧力が0.22MPaとなるようにエチレンを導入仕込みした。開始剤として2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)をメタノールに溶解した濃度2.8g/L溶液を調整し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃に調整した後、上記の開始剤溶液45mlを注入し重合を開始した。重合中はエチレンを導入して反応槽ゲージ圧力を0.22MPaに、重合温度を60℃に維持し、上記の開始剤溶液を用いて142ml/hrでAMVを連続添加して重合を実施した。5時間後に重合率が50%となったところで、重合禁止剤としてソルビン酸0.03g含有メタノール10kgを加え、冷却して重合を停止した。反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に行った。ついで減圧下に未反応酢酸ビニルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルのメタノール溶液とした。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が35%となるように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液1429g(溶液中のポリ酢酸ビニル500g)に、11.2g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(MR)0.0048)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加して鹸化を行った。アルカリ添加後約22分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、60℃で1時間放置して鹸化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。洗浄後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃で16時間放置して乾燥PVAを得た。
得られたエチレン変性PVAの鹸化度は80.0モル%であった。また該変性PVAを灰化させた後、酸に溶解したものを用いて原子吸光光度計により測定したナトリウムの含有量は、変性PVA100質量部に対して0.25質量部であった。
また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をn−ヘキサンに沈殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行った後、80℃で3日間減圧乾燥を行って精製ポリ酢酸ビニルを得た。該ポリ酢酸ビニルをDMSO−d6に溶解し、500MHzプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて80℃で測定したところ、エチレンの含有量は5.0モル%であった。上記のポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をアルカリモル比0.5で鹸化した後、粉砕したものを60℃で5時間放置して鹸化を進行させた後、メタノールソックスレーを3日間実施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製されたエチレン変性PVAを得た。該PVAの平均重合度を常法のJIS K6726に準じて測定したところ300であつた。該精製PVAの1,2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR(JEOL GX−500)装置による測定から前述のとおり求めたところ1.50モル%であつた。
さらに該精製された変性PVAの5%水溶液を調整し厚み10ミクロンのキャスト製フィルムを作成した。該フイルムを80℃で1日間減圧乾燥を行った後に、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、前述の方法によりPVAの融点を測定したところ170℃であった。また、このPVAの粘度は、温度が190℃で、せん断速度が1000sec−1の条件で1600ポイズであった。
上記で得られた変性PVAを真空乾燥し、可塑剤としてソルビトール1モルに対してエチレンオキサイドを2モル付加した化合物と、滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミドと、熱安定剤として1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸とを、ポリマーに対し各々8質量%、0.1質量%、0.1質量%をプラストミルに加え、最高温度190℃で混錬し、ペレット化した。このようにして得た変性PVAペレットを芯成分として用いた。
一方、融点が128℃、温度が190℃でせん断速度が1000sec−1の条件での粘度が1700ポイズのポリエチレン鞘成分として用い、PVAゾーン最高温度190℃とし、PVAの滞留が極力生じない複合紡糸部品を使い、紡糸温度200℃、紡糸速度1000m/分で紡出した。このときPVAが190℃で滞留した時間は約10分であった。得られた未延伸糸を80℃の熱ローラーおよび120℃の熱プレートに接触させ、延伸倍率2.3倍で延伸することにより、表1に示す90dtex/8fの芯鞘複合繊維を得た。なお、該芯鞘複合繊維は丸断面であり,芯成分の形状も円形であった。
ついで,得られたシートを15℃の水に1時間浸漬したところシート表面にあった複合繊維のPVA組成物が溶解除去され、シート表面に大略25ミクロンの孔があいていることがわかった。さらに、シートを1夜浸漬処理した。このシートを切断して内部を観察したところ径が25ミクロン程度、長さが2.5mm程度の空隙が生成していることがわかった。このようにして得られたシートは本発明複合繊維を混練していないシートに比べ、湿潤時滑り防止性に優れ、軽量であった。
実施例2、3は鞘成分の熱可塑性ポリマーを変更した場合、実施例4は芯成分PVAの可塑剤、滑剤を添加しない場合、実施例5は芯成分PVAの融点と鹸化度および鞘成分の熱可塑性ポリマーを変更した場合、実施例6は芯成分PVAの変性量を変更した場合を示した。各々の実施例について基本的には実施例1と同様にして繊維化、評価を行なった。ただし、融点などにより紡糸条件は適正化を行った。結果を表1に示した。いずれも紡糸可能で、得られた複合繊維の芯成分の常温水溶性は良好であった。
芯成分の形状が十字形となる紡糸部品を用い、かつ表1に示すようにエチレン変性をしていないPVAホモポリマーを芯成分とすること以外は、基本的には実施例1と同様に複合紡糸を行った。表1に示すように得られた繊維の芯成分の常温水溶性は優れていた。
比較例1は、融点208℃、鹸化度98モル%のPVAを芯成分とした場合、比較例2は融点258℃のポリエチレンテレフタレートを鞘成分とした場合を示した。各々の比較例は基本的には実施例1と同様にして繊維化、評価を行なった。その結果、表1からわかるように、比較例1の鹸化度が98モル%と高鹸化度PVAでは常温水溶性が得られない。また、比較例2の鞘成分ポリマーの融点が258℃と高い場合は芯成分のPVAの熱劣化が大きく紡糸ができない。
Claims (11)
- 融点が200℃以下、鹸化度が60〜90モル%の常温水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系ポリマーを芯成分とし、融点が230℃以下の他の熱可塑性ポリマーを鞘成分とすることを特徴とする複合繊維。
- 常温水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系ポリマーが、炭素数4以下のα−オレフィン単位、ビニルエーテル単位およびN−ビニルアミド単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位を0.1〜10モル%含有する変性ポリビニルアルコールである請求項1に記載の複合繊維。
- α−オレフィン単位として1〜8モル%のエチレン単位および/またはプロピレン単位を含有する請求項2に記載の複合繊維。
- ポリビニルアルコール系ポリマーに可塑剤及び滑剤が添加されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合繊維。
- 可塑剤が、ソルビトール1モルに対してエチレンオキサイドを1〜30モル付加した化合物である請求項4に記載の複合繊維。
- 滑剤が脂肪酸誘導体または分子量500〜10000の低分子量ポレオレフィンである請求項4に記載の複合繊維。
- 熱可塑性ポリマーが融点230℃以下のポリオレフィンまたはポリエステルまたはポリアミドである請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合繊維。
- ポリオレフィンがポリエチレンまたはポリプロピレンである請求項7に記載の複合繊維。
- 前記芯成分と前記鞘成分との比率が70:30〜80:20の範囲である請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合繊維。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合繊維を少なくとも一部に含む繊維構造体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合繊維を含有するポリマー成形体。
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