JP2002220674A - プラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd装置

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JP2002220674A
JP2002220674A JP2001017359A JP2001017359A JP2002220674A JP 2002220674 A JP2002220674 A JP 2002220674A JP 2001017359 A JP2001017359 A JP 2001017359A JP 2001017359 A JP2001017359 A JP 2001017359A JP 2002220674 A JP2002220674 A JP 2002220674A
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明光 中上
Kiyotaka Ishibashi
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Kazuyuki Hayashi
和志 林
Toshihiro Kugimiya
敏洋 釘宮
Yasushi Goto
裕史 後藤
Yuzo Mori
勇藏 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転電極近傍での基材温度の向上を図れるプラ
ズマCVD装置を提供する。 【解決手段】原料ガスが供給される反応容器1の内部に
回転可能に設けられた円筒状をした回転電極10の近傍
を通るように基板5を移動させるとともに、回転電極1
0と基板5との間にプラズマを発生させて基板5に表面
処理を施すプラズマCVD装置であって、回転電極10
の外表層部に設けられた電極層13と、電極層13に渦
電流を発生させて電極層13を加熱する電磁誘導加熱手
段(電磁誘導コイル27、28並びに全て強磁性材質の
回転軸11、軸受け22、23、取付板25、26及び
支持部材24)とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば耐摩耗性、
耐腐食性、自潤滑性をもつハードコーティングをはじめ
光起電力素子や各種センサー等の機能性表面を製作する
ために用いられ、プラズマを利用して被処理基材表面に
成膜、加工、クリーニング等の処理を施すプラズマCV
D装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、工業的には反応容器内に平行平板
型電極を設置したプラズマCVD装置が一般的に用いら
れている。このプラズマCVD装置として、平行に設け
た一対の電極の一方に高周波電力または直流電力を印加
し、接地された他方の電極との間でプラズマを発生さ
せ、発生させたプラズマ内に反応ガスを供給し、プラズ
マにより反応ガスを分解することにより基板上に所望の
薄膜を得るものが提案されている(特公平3−6543
2)。
【0003】このプラズマCVD装置においては、プラ
ズマ空間に均一かつ効率よく反応ガスを供給することが
基板上に大面積かつ均一な薄膜を得るためには必要とな
る。一般に、平行平板方式では、一対の電極の間のガス
流れを均一にするために圧力を数百ミリトール程度以下
にしなければならず、この場合高エネルギー粒子の基材
表面への衝突を避けるため、良品質膜の作製においては
プラズマに大電力を投入して表面処理速度を早くするこ
とはできない。一方、反応ガス濃度を高くして高速成膜
を行う場合には、圧力の上昇とともに両電極間のギャッ
プも狭くなりプラズマ空間に対するガス供給が不均一に
なるため、均一な成膜は困難となる。このため、例えば
太陽電池として機能する、良好な膜質を有するアモルフ
ァスシリコン薄膜を得るためには、一般に成膜速度を
0.1〜0.3nm/秒程度と非常に遅くして薄膜を形
成する必要があり、結果としてスループットは低くとど
まってしまう。また、太陽電池として必要な積層構造を
達成するための製造装置として用いる場合には、設置場
所における製造装置の占有面積が大きくなり、結果とし
てアモルファスシリコン太陽電池の製造コスト増大を招
くことになる。
【0004】そこで、このような背景のもと、均一な薄
膜を高速かつ大面積で行う画期的な方式が提案された
(特開平9−104985)。
【0005】この方式は、図9に示すように、高速回転
する断面円形の回転電極100に電源103から高周波
電力(または直流電力)を印加することによってプラズ
マを発生させると共にそのプラズマ中に反応ガスを供給
して化学的に反応させ、ステージ104に保持された基
板101を白抜矢符方向に移動させてその基板101上
に薄膜102を形成する方式である。
【0006】この方式によるプラズマCVD装置の場合
には、回転電極100を利用することにより、高濃度の
ガスの供給と、それに伴う回転電極100の温度上昇を
防ぐことができる。また、均一な薄膜102を、高速で
かつ大面積で得ることができ、従来では不可能であった
1気圧以上でプラズマを発生させることが可能である。
更に、このような圧力下でのプラズマは平均自由行程が
小さく、電子温度が低いため、イオンなどによる損傷が
少なく、高品質な薄膜を高速(高生産性)で得ることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、太陽電池に
用いる薄膜の代表例は、現状、アモルファスSi薄膜で
ある。その光電変換効率は量産レベルで8%程度であ
り、バルク単結晶系の18%や、バルク多結晶系の14
%に比べて、かなり低い値である。このため、光電変換
効率の値を少しでも向上させる薄膜として、Si微結晶
薄膜が注目されている。
【0008】かかるSi微結晶薄膜は、従来の低圧の平
行平板型プラズマCVD装置において、基板温度を30
0℃以上の比較的高い温度に保ち、成膜速度を小さくす
るなどの成膜条件を調整することで、その成膜が実現さ
れている。
【0009】そこで、回転電極を用いる大気圧のプラズ
マCVD装置においても同様に、基板温度を適用すべ
く、図9に示すようにステージ104に抵抗体ヒータ1
05を埋め込み、そのヒータ105により基板101を
加熱して高温に保持することを試みたが、若干の結晶化
傾向はあるが顕著な向上は期待できない結果となった。
また、基板101の温度を実測すると、回転電極100
の近傍では著しく温度が低下していることが確認され
た。
【0010】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、回転電極近傍での基材温
度の向上を図れるプラズマCVD装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願出願人らは、回転電
極近傍で基材温度が何故低下するか検討を行った。即
ち、上述したように回転電極近傍で基材温度が低下する
現象は、回転電極を用いる大気圧のプラズマCVD装置
による場合には、原料ガスとしての希釈ガス、特に通常
使用される伝熱率の高いヘリウムガスが、従来の低圧の
プラズマCVD装置に比較して大気圧下で密度が濃い
分、回転電極の回転によって回転電極と基板との間隙
に、大量に供給及び排出され、そのヘリウム分子により
熱が失われることにより起こることが解析的に究明され
た。
【0012】そのため、プラズマ放電により実際に成膜
反応が生じている回転電極直下の雰囲気温度を高温に保
つためには、ステージのみならず、回転電極自体も加熱
・高温保持することが必要であることが実験的に確かめ
られた。
【0013】そこで、このような検討結果に基づき、回
転電極を用いる大気圧のプラズマCVD装置において、
回転電極を加熱して回転電極近傍での基板温度を高温に
保持する手法を種々検討した。
【0014】その手法として、真空容器内の金属電極を
加熱する常套手段として用いられ、発熱抵抗体(ヒー
タ)を電極に埋め込む第1手法と、図9に示したよう
に、回転電極100に近接させてヒータ110を設けた
り、或いは反応容器(図示せず)の内側または外側に赤
外ランプなどの高温熱源111を設け、熱輻射により加
熱する第2手法が考えられる。
【0015】しかしながら、第1手法を回転電極に適用
することは、回転電極が高速回転することなどの理由か
ら、埋め込まれたヒータに電力を供給することが容易で
はない故に困難である。一方、第2手法による場合に
は、熱輻射により加熱するので、非接触で回転電極を加
熱することが可能であるものの、高温熱源自体の表面、
熱輻射を透過させる光学窓内面、または乱反射熱輻射で
暖められる周囲部材など、加熱対象物である回転電極の
表面より高温部になる部分が、プラズマCVD装置で一
般に使用される原料ガスであるシランの雰囲気中に生じ
ることになり、そこでシラン分子の熱分解が生じてSi
微粒子が生成され、そのSi微粒子が反応容器内に舞い
上がって基材表面に付着し、膜質を劣化させるという問
題が招来される。
【0016】そこで、反応容器内に回転電極の表面以上
の温度を持つ部位を存在させないように、回転電極の表
面自体を発熱体として用い、これによりSi微粒子等の
発生を理論的に皆無とすることができる方式を検討し、
本発明に至った。
【0017】本発明のプラズマCVD装置は、原料ガス
が供給される反応容器の内部に回転可能に設けられた円
筒状をした回転電極の近傍を通るように被処理基材を移
動させるとともに、該回転電極と被処理基材との間にプ
ラズマを発生させて被処理基材に表面処理を施すプラズ
マCVD装置であって、該回転電極の外表層部に設けら
れた電極層と、該電極層に渦電流を発生させて該電極層
を加熱する電磁誘導加熱手段とを具備することを特徴と
する。
【0018】本発明装置にあっては、回転電極の外表層
部に設けられた電極層に電磁誘導加熱手段により渦電流
を発生させて電極層を加熱するので、回転電極自体が発
熱して回転電極近傍での基材温度を向上させ得る。ま
た、回転電極自体が発熱するため、反応容器内に回転電
極の表面以上の温度を持つ部位が存在せず、これにより
微粒子、例えばSi微粒子等の発生を理論的に皆無とす
ることができ、良膜質の成膜が可能となる。更に、電磁
誘導加熱手段にて加熱する方式である故に、クリーンな
成膜環境が得られる。
【0019】本発明のプラズマCVD装置において、前
記電磁誘導加熱手段は、回転電極の内側から径外方を通
って内側に戻る環状磁気回路と、該環状磁気回路の一部
を励磁する、交流電力が与えられる電磁誘導コイルとを
有する構成とすることができる。
【0020】この構成にあっては、環状磁気回路、電磁
誘導加熱手段及び電極層は、電磁誘導コイルを一次コイ
ル、回転電極の電極層をワンターンの二次コイルと見な
されるトランス構造として機能し、電磁誘導コイルによ
り環状磁気回路の一部が励磁されることにより、電極層
の周方向に渦電流が生じて電極層の全体が均一に発熱す
る。
【0021】本発明のプラズマCVD装置において、前
記電磁誘導コイルにより励磁される環状磁気回路部分
が、前記回転電極の軸心部に取付けられた回転軸である
構成とすることができる。
【0022】この構成にあっては、回転軸が環状磁気回
路の一部として機能する。このため、その回転軸の両端
部を回転可能に支持する軸受けを強磁性材料で構成し、
かつ両軸受けを保持する機能と両軸受けの間を電気的に
接続する機能とを有するヨークを備える構成とすること
で、回転軸−軸受け−ヨーク−軸受け−回転軸と相互に
電気的に繋がって環状磁気回路が構成されるので、回転
電極を有するプラズマCVD装置に本来的に備わる回転
軸及び軸受けを環状磁気回路に利用することが可能とな
り、コンパクトな構造となる。なお、ヨークは一体のも
のである必要はなく、強磁性材料からなる複数の部材が
相互に連結されたものであってもよい。また、両軸受け
とヨークとは別体のものである必要はなく、両者が一体
化されたものを使用することができる。特に、両軸受け
をヨークの内部に組み込んで一体化された場合には、両
軸受けは強磁性材料を用いる必要はない。
【0023】本発明のプラズマCVD装置において、前
記回転軸は、その両端のうちの少なくとも一方が回転電
極から突出し、その突出部分の外側を取り囲むように前
記電磁誘導コイルが同心状に配設されている構成とする
ことができる。
【0024】この構成にあっては、電磁誘導コイルが回
転電極の外側に位置するので、保守・点検を容易に行い
得る。
【0025】本発明のプラズマCVD装置において、前
記回転電極の軸心部に回転軸を有し、その回転軸の内部
に空洞が形成され、その空洞内に、前記電磁誘導コイル
にて外側が取り囲まれた、前記環状磁気回路の一部とし
て機能するコアが設けられている構成とすることができ
る。
【0026】この構成にあっては、コアの両端部が回転
軸の両端部を支持する一対の軸受けの近傍に位置するよ
うに設けておくことにより、電磁誘導コイルにて励磁さ
れたコアの一端部から出た磁束が、軸受け、ヨーク、軸
受けをこの順に経てコアの他端部に戻る環状磁気回路が
構成される。よって、電磁誘導コイルによりコアが励磁
されることにより、電極層の周方向に渦電流が生じて電
極層の全体が均一に発熱する。また、回転軸の内部に電
磁誘導コイルが内蔵されているので、よりコンパクトな
構造となる。
【0027】本発明のプラズマCVD装置において、前
記空洞が回転軸の片方の端面に開口を有すると共に、前
記反応容器の壁部を貫通する状態で前記開口を介して上
記空洞に挿入されている、端面が閉じた筒状体を備え、
該筒状体の内部に前記コアが挿入されている構成とする
ことができる。
【0028】この構成にあっては、電磁誘導コイルを原
料ガス雰囲気から隔離することができるので、保守性の
良い装置が実現される。
【0029】本発明のプラズマCVD装置において、前
記回転電極における前記電極層の内側部分が非導電性材
料からなる構成とすることができる。
【0030】この構成にあっては、電極層と回転軸との
間の回転電極部分が非導電性材料からなるので、回転軸
による電極層への励磁状態が邪魔され難くなり、良好な
発熱性が確保される。この場合において、上記の電極層
と回転軸との間の回転電極部分は、非導電性だけでな
く、非磁性の材料を用いるのが、より発熱性を向上させ
得る点で好ましい。
【0031】本発明のプラズマCVD装置において、前
記電磁誘導加熱手段が、前記回転電極の外側に該回転電
極に接近させて配置された、交流電力が印加される電磁
誘導コイルを有する構成とすることができる。
【0032】この構成にあっては、回転電極表面のうち
電磁誘導コイルに近接する部位にのみ渦電流が誘起され
て加熱される。瞬間的には回転電極表面の回転角方向に
温度差が生じるが、その温度差は回転電極の回転に伴う
被加熱部位の移動によって平均化される。
【0033】本発明のプラズマCVD装置において、前
記電極層が、強磁性材質の下層部と該下層部よりも低導
電性材質の上層部とを含む積層構造である構成とするこ
とができる。
【0034】この構成にあっては、下層部の強磁性金属
で電磁誘導コイルから発生した磁束を、電極層よりも深
い部分に通すようにでき、導電性の低い金属からなる上
層部における加熱温度の向上化が図れる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を具体
的に説明する。なお、以下の実施形態における成膜条件
としては、太陽電池の発電層(i層)に用いる微結晶薄
膜を成膜する場合を例に挙げる。
【0036】(第1実施形態)図1は第1実施形態に係
るプラズマCVD装置を模式的に示す正面図、図2はそ
のプラズマCVD装置の詳細を示す正面断面図、図3
(a)は図2の右側面図、図3(b)は電磁誘導コイル
を示す正面図である。
【0037】このプラズマCVD装置は、図1に示すよ
うに、原料ガス等が供給される反応容器1と、反応容器
1内に回転可能に設けられた円筒状をした回転電極10
と、回転電極10の軸心部に設けられた回転軸11と、
回転電極10の下方に白抜矢符方向(B方向)に移動可
能に設けられたステージ4とを有する。
【0038】反応容器1の内部には、従来の低圧のプラ
ズマCVD装置に比べて遙かに高い0.1気圧〜1気圧
以上でガス、例えばHeおよび希薄な原料シランを主体
とするガスが供給される。
【0039】回転電極10は、図1において反時計回り
のA方向に最高5000rpmで高速回転し、この回転
電極10には、電源2から回転軸11を介して、例えば
150MHzの高周波電力が供給される。
【0040】ステージ4は回転軸11の回転に伴って白
抜矢符方向(B方向)に移動できるように構成されてい
る。具体的には、図2及び図3に示すように、一対の高
さ調整装置21に2本の棒状リニアガイド20が掛け渡
され、これらリニアガイド20が内部を貫通する状態に
設けられたステージ4は、リニアガイド20に沿って水
平移動する。なお、リニアガイド20の下部には刻み溝
20aが刻設されていて、ステージ4にはその刻み溝2
0aに噛合する図示しない歯車が回転可能に設けられ、
その歯車の回転に伴い移動する。
【0041】また、このステージ4には、図1〜図3に
示すように、その上に保持される被処理基材、例えば基
板5を加熱する発熱抵抗体式ヒータ6および基板5の温
度を制御するための図示しない温度センサが基板5の直
下部分に設けられている。なお、ステージ4とヒータ6
との間には、断熱材料からなる断熱板6aが設けられて
いる。
【0042】上記回転電極10と基板5との隙間9の寸
法は、例えば1mm以下に設定されている。この隙間9
の調整は、前記高さ調整装置21にて行われる。ステー
ジ4および基板5は、接地電位に保たれており、このた
め上記隙間9において回転電極10との間に高周波放電
が起こってプラズマが発生し、そのプラズマ発生領域8
で原料シランが分解してSi膜7が基板5の表面に堆積
する。このとき、回転電極10の回転に伴ってステージ
4を白抜矢符方向に移動させることで、基板5は一定速
度でプラズマ発生領域8内を移動し、その基板5の上表
面全面にわたって成膜が遂行される。
【0043】上記回転電極10は、非磁性・非導電性の
断熱材、例えば機械加工可能なセラミックスからなる円
筒状をした回転体12と、その外表層部の全域に形成さ
れた熱伝導性の良い導電性の金属、例えばステンレス等
からなる電極層13とを有し、回転体12の内側には導
電材料からなる前記回転軸11がはめ込まれている。回
転軸11と電極層13との間には、上記非磁性・非導電
性の回転体12が存在し、回転軸11から電極層13へ
の導電を図るべく、回転体12を貫通する棒状の導電部
材14が設けられており、上述した回転軸11に、反応
容器1を貫通するように設けた電流導入子32を介して
前記電源2から供給された高周波電力は前記導電部材1
4を介して電極層13に与えられる。なお、導電部材1
4としては、回転軸11と電極層13との間における磁
気特性に悪影響をあまり及ぼさない状態で回転軸11と
電極層13との間を電気的に接続できれば、どのような
形態で設けても構わない。
【0044】上記回転体12としては、断面積の比較的
小さな複数のスポークからなる梁構造、または対称配置
の複数中空孔による肉抜き構造にすることが望ましい。
このような梁構造や肉抜き構造とした場合には、円周方
向への熱伝導性を向上させ得、径方向への断熱保温性を
向上させ得るので、電極層13における径方向および周
方向ともに均一な温度分布を確保することが可能にな
る。なお、電極層13の表面には、実際にはプラズマ放
電を安定させるために、絶縁性の誘電体セラミックスか
らなる薄膜15が塗布等により形成されているが、数百
ミクロンと十分に薄いため、熱伝導性に影響を与えるこ
とはない。
【0045】次に、回転電極10の加熱機構を、図4に
基づき説明する。本実施形態の加熱機構は、単なる電磁
誘導加熱ではなく、電磁誘導コイル27、28を一次コ
イル、回転電極10の電極層13をワンターンの二次コ
イルとみなしたトランス構造を形成することで、電極層
13の周方向に渦電流を生じせしめ、全体を均一に加熱
させる機構としている。
【0046】即ち、回転電極10の回転軸11自体、さ
らに、その両端に設けた軸受け22、23自体、および
その軸受け22、23の支持部材24及びその周辺部材
としての取付板25、26も強磁性材質としている。な
お、支持部材24は中央部に回転電極10の下部が入る
開口部24aが設けられ(図3参照)、開口部24aは
回転電極10の回転に支障がない大きさに形成されてい
る。取付板25、26は、それぞれ別体のもので、軸受
け22と支持部材24の間、軸受け23と支持部材24
の間に配され、支持部材24は両取付板25と26に掛
け渡されている。
【0047】これにより、図4に示すように、軸受け2
2、23と取付板25、26と支持部材24とがヨーク
として機能し、回転軸11−軸受け22−取付板25−
支持部材24−取付板26−軸受け23−回転軸11が
閉じた環状磁気回路が構成される。
【0048】この環状磁気回路の一部、図3に示す例で
は回転軸11における両端部のそれぞれの外側を取り囲
むように電磁誘導コイル27、28が略同心状に配置さ
れている。よって、これら電磁誘導コイル27と28、
環状磁気回路及び電極層13は、図4に示すように、電
磁誘導コイル27、28を一次コイル、電極層13をワ
ンターンの二次コイルとみなしたトランス構造を形成す
る。このため、電源36からの交流電力を電磁誘導コイ
ル27、28に付与することにより、電極層13にはそ
の周方向に渦電流が生じ、電極層13は全体が均一に発
熱する。
【0049】なお、図3中の30は反応容器1の外部に
設けた電動モータ、31は電動モータ30の回転駆動力
を回転軸11に伝達・非伝達状態にする磁気カップリン
グである。
【0050】したがって、第1実施形態による場合に
は、回転電極10の電極層13に電磁誘導コイル27、
28にて渦電流を発生させて電極層13を加熱するの
で、回転電極10自体が発熱して回転電極10近傍での
基材温度を向上させ得る。また、回転電極10自体が発
熱するため、反応容器1内に回転電極の表面以上の温度
を持つ部位が存在せず、これによりSi微粒子の発生を
理論的に皆無とすることができ、良膜質の成膜が可能と
なる。更に、電磁誘導コイル27、28にて加熱する方
式である故に、クリーンな成膜環境が得られる。
【0051】また、本実施形態においては、環状磁気回
路を介して電磁誘導コイル27、28を一次コイル、回
転電極10の電極層13をワンターンの二次コイルと見
なされるトランス構造が構成されるので、電磁誘導コイ
ル27、28により環状磁気回路の一部である回転軸1
1が励磁されることにより、電極層13の周方向に渦電
流が生じて電極層13の全体が均一に発熱する。また、
回転軸11−軸受け22−取付板25−支持部材24−
取付板26−軸受け23−回転軸11が閉じた環状磁気
回路が構成されるので、回転電極を有するプラズマCV
D装置に本来的に備える回転軸11及び軸受け22、2
3を環状磁気回路に利用することが可能となり、コンパ
クトな構造となる。また、電磁誘導コイル27、28が
回転電極10の外側に位置するので、保守・点検を容易
に行い得る。また、電極層13と回転軸11との間の回
転体12が、非磁性かつ非導電性の断熱材であるセラミ
ックスからなるので、回転軸11による電極層13への
励磁状態が邪魔され難くなり、良好な発熱性が確保され
る。
【0052】但し、上述した電磁誘導コイル27、28
は、図3(b)に示すように、コイルボビン27a、2
8aに、これを分断するスリット27b、28bを形成
しておくのが好ましい。このスリット27b、28bに
より、コイルボビン27a、28aまでが加熱されるの
を防止できるからである。
【0053】なお、上述した第1実施形態における環状
磁気回路として、回転軸11の他に、軸受け22、23
と取付板25、26と支持部材24とからなるヨークを
備えているが、本発明はこれに限らない。例えば、取付
板25、26と支持部材24とを一体化した、つまり図
5に示すように取付板25、26に相当する部分24
b、24cを両端部に有するヨーク構造24Aとしても
よく、或いは、図示は省略するが、その一体化されたヨ
ーク構造に軸受け22、23を組み込んだ構成としても
よい。後者の場合、軸受け22、23の外側のヨーク構
造部分に磁束が通るように構成すると、軸受け22、2
3自体は非導電性材質のものを使用しても構わない。
【0054】(第2実施形態)図6は、第2実施形態に
係るプラズマCVD装置を示す図である。
【0055】この第2実施形態は、よりコンパクトな構
造、かつ耐久性、保守性の良い装置の実現を図る場合で
ある。なお、回転電極及びステージなどの部分は、第1
実施形態と同様になっている。
【0056】本実施形態の回転軸40は、非磁性・非導
電性材料、例えばセラミックスからなり、一端側(図右
側)の端面が塞がった円筒状に形成されている。回転軸
40の内側の空洞40aには、反応容器1の壁部に設け
た貫通孔1aに基端側が支持され、先端側端面が塞がれ
た非磁性・非導電性材料、例えばセラミックスからなる
筒状体41のほぼ全長が挿入されている。
【0057】前記回転軸40は、電動モータ30からの
回転駆動力が磁気カップリング31を介して伝達されて
回転可能となっている。また、回転軸40は、前記支持
部材24に相当する、中央部に開口部48aを有する支
持部材48に取付けられた軸受け46、47に、その両
端部が回転可能に支持され、軸心位置を一定にして回転
可能となっており、回転電極10を回転させる。
【0058】一方、筒状体41は、その先端部(図の右
側端部)に設けたベアリング43が、回転軸40の内側
に設けた突起(円錐部)44を回転自在に受けるように
なっている。これにより回転軸40が回転しても筒状体
41は回転せず、筒状体41が回転しなくても回転軸4
0は回転できる。また、回転軸40は上述したように軸
心位置を一定にして回転するので、筒状体41と接触す
ることなく回転する。
【0059】前記筒状体41の内部には、内径を一定に
したほぼ円筒状の中央部45aが両端部45b、45c
よりも小径に形成された、ほぼ管状をしたコア45が挿
入されており、そのコア45の中央部45aには、その
外側を取り囲むように電磁誘導コイル50が設けられて
いる。コア45は、端部45bが軸受け46の近傍に位
置し、端部45cが軸受け47の近傍に位置するように
なっており、電磁誘導コイル50の長さは、回転電極1
0の長さよりも長い寸法に設定されている。
【0060】本実施形態での環状磁気回路は、上述した
ように回転軸40及び筒状体41が共に非磁性・非導電
性材料からなる故に磁気回路を構成せず、電磁誘導コイ
ル50によりコア45が励磁されて発生した磁束が、例
えばコア45の一端部(左側端部)から軸受け46、支
持部材48、軸受け47とこの順に経てコア45の他端
部(右側端部)に戻る環状磁気回路となる。
【0061】よって、電磁誘導コイル50、環状磁気回
路及び電極層13は、図7に示すように、電磁誘導コイ
ル50を一次コイル、電極層13をワンターンの二次コ
イルとみなしたトランス構造を形成する。このため、電
源36から交流電力を電磁誘導コイル50に付与する
と、電極層13にはその周方向に渦電流が生じ、電極層
13は全体が均一に発熱する。
【0062】なお、コア45には、加熱されるのを防ぐ
べく、ほぼ管状をしたコア45を周方向に分断するスリ
ット(図示せず)が形成されている。また、コア45の
他端部には、コア45の内部空洞45dと連通する空冷
用の管49が連結されており、管49に冷却用エアを供
給すると、前記スリット(図示せず)を通過したエアに
より電磁誘導コイル50等が冷却される。
【0063】したがって、この第2実施形態による場合
には、第1実施形態と同様の効果(但し、電磁誘導コイ
ルが回転電極の外側に位置することに伴う保守・点検の
容易性を除く)が得られることに加え、回転軸40の内
部に電磁誘導コイル50が設けられているので、よりコ
ンパクトな構造にできる。また、電磁誘導コイル50が
筒状体41の内部に設けられているので、電磁誘導コイ
ル50を原料ガス雰囲気から隔離でき、耐久性、保守性
の良い装置が実現される。
【0064】なお、上述した第2実施形態では回転軸4
0及び筒状体41は非磁性・非導電性材料を用いている
が、本発明はこれに限らない。例えば、回転軸40は、
円周方向に渦電流が流れないように、絶縁物を充填した
スリットを設ける場合には導電性材料を使用できる。ま
た、筒状体41も、同様の工夫をすることにより導電性
材料を使用できる。更に、回転軸40及び筒状体41の
材質は、必ずしも非磁性である必要はないものの、コア
45と軸受け46、47の間における磁束密度の低下の
抑制を考慮すると非磁性である方が好ましい。
【0065】(第1、第2実施形態における冷却機構)
第1および第2実施形態は、電気回路的にトランスとし
て扱えることから、発熱効率を簡単な式で表現できる。
ここで、回転電極10の電極層13および電磁誘導コイ
ルの消費電力を、それぞれPr,Pcとおく。同様に、
各々の電気抵抗率をρr、ρcとし、有効断面積をS
r,Scとし、平均直径をDr,Dcとすると、下記
(1)式の関係がある。
【0066】 Pr/Pc=(ρr/ρc)・(Dr/Dc)・(Sc/Sr)…(1) 電磁誘導コイルは当然銅を、電極層をステンレスとする
と、ρr=10×ρcと表せる。また、常識的な寸法と
して、Dr≧3×Dc、Sc≧3×Srとなるように設
計すると、Pr≧100×Pcとなり、投入電力の99
%以上が電極層13の発熱となることが解る。もっとも
1%以下とはいえ、投入電力の一部が電磁誘導コイルの
発熱に消費されるため、電磁誘導コイルを冷却する冷却
機構を備えるのが好ましく、特に第2実施形態では電磁
誘導コイル50が設けられたコア45の内部に冷却用エ
アを供給するようにしている。
【0067】(第3実施形態)第3実施形態は、最も簡
単な構造にすることができる場合である。
【0068】図8は、この第3実施形態に係るプラズマ
CVD装置の要部である回転軸近傍部分を模式的に示す
図である。
【0069】回転電極10の近傍に電磁誘導コイル60
を設置し、その電磁誘導コイル60に、例えば数kHz
以下の交流電力を付与することにより、その結果発生す
る交流磁束を回転電極10の電極層61に貫通させる構
成となっている。なお、電磁誘導コイル60及び電極層
61を除く部分は、第1実施形態と同様の構成としてい
る。
【0070】上記電極層61として、その全体を比較的
良導電性の強磁性金属(例えば純鉄)で構成することが
でき、電極層61に渦電流が誘起されて、回転電極10
が加熱される。上記電磁誘導コイル60における回転電
極10の軸長方向(紙面に垂直方向)の長さは、回転電
極10の軸長方向長さと同等またはそれよりも長く形成
しておくことが好ましい。
【0071】より電極層61で高い磁束密度を得るため
には、上記電極層61は、全体を比較的良導電性の強磁
性金属(例えば純鉄)で構成するよりも、強磁性金属
(例えば純鉄など)からなる下層部63と、非磁性であ
って、純鉄等からなる下層部63よりも導電性の低い金
属(例えばステンレスやアルミニウムなど)からなる上
層部62とを含む積層構造とすることが望ましい。その
理由は、電極層61の全体が比較的良導電性の強磁性金
属で構成されている場合には、電極層61の深部に磁束
が届かずに表面近傍を流れて加熱温度の向上を図れ難く
なる虞れがある。これに対して、積層構造にした場合に
は、図8に破線にて示すように、下層部63の強磁性金
属で電磁誘導コイル60から発生した磁束を、下層部6
3よりも深い部分に通すようにでき、導電性の低い金属
からなる上層部62における加熱温度の向上化が図れる
からである。但し、上層部62の材質は、必ずしも非磁
性である必要はないものの、加熱温度の向上性を考慮す
ると非磁性である方が好ましい。
【0072】但し、電磁誘導コイル60により加熱され
る際、電極層61の回転角方向に温度差が生じるが、回
転電極10の回転に伴う被加熱部位の移動、特に回転電
極10の高速回転に伴う高速移動によって平均化するこ
とができる。また、回転電極10の周方向での表面温度
が均一となったか否かを判定するためには、表面温度を
測定する非接触温度センサ、例えば放射温度計等を回転
電極10の表面を検出域として設置しておくことが好ま
しい。その温度センサの配置位置としては、回転電極1
0と基板5との間隙9よりも上流側であって、その間隙
9に接近する位置が、基板5の温度を管理する上で望ま
しい。
【0073】したがって、この第3実施形態による場合
には、回転電極10の電極層61に電磁誘導コイル60
にて渦電流を発生させて電極層61を加熱するので、回
転電極10自体が発熱して回転電極10近傍での基材温
度を向上させ得る。また、回転電極10自体が発熱する
ため、反応容器1内に回転電極の表面以上の温度を持つ
部位が存在せず、これによりSi微粒子の発生を理論的
に皆無とすることができ、良膜質の成膜が可能となる。
更に、電磁誘導コイル60にて加熱する方式である故
に、クリーンな成膜環境が得られる。
【0074】なお、上述した第1〜第3実施形態では太
陽電池の発電層(i層)に用いる微結晶薄膜を成膜する
場合を例に挙げているが、本発明はこれに限らず、他の
微結晶薄膜を成膜する場合にも適用できる。その場合に
は、成膜に相応しい成膜条件を設定することが望まし
い。
【0075】また、上述した実施形態では基板等の基材
表面に膜を成膜する場合を説明しているが、本発明はこ
れに限らず、基材表面を加工したり、或いはクリーニン
グすることなど、種々の処理が可能である。
【0076】また、上述した第1〜第3実施形態では回
転電極10の下方を、基板5が水平方向に移動する構成
としているが、本発明はこれに限らず、回転電極の任意
の位置に対して基板5が移動する構成としてもよいこと
は勿論である。
【0077】また、上述した第1〜第3実施形態では回
転電極の回転体として、梁構造または肉抜き構造を採用
し、かつセラミックスを素材として用いているが、本発
明はこれに限らない。例えば、回転電極の円周方向への
熱伝導性を向上させ得、径方向への断熱保温性を向上さ
せ得れば、どのような回転体構造としてもよく、またど
のような素材を使用してもよい。
【0078】また、上述した第1〜第3実施形態では電
源2から回転電極10に高周波電力を付与しているが、
本発明はこれに限らない。例えば、回転電極に直流電力
を付与してもよい。また、ステージ及び基材の電位は、
接地電位にする必要はない。
【0079】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る場合には、回転電極の外表層部に設けられた電極層に
電磁誘導加熱手段にて渦電流を発生させて電極層を加熱
するので、回転電極自体が発熱して回転電極近傍での基
材温度を向上させ得る。また、回転電極自体が発熱する
ため、反応容器内に回転電極の表面以上の温度を持つ部
位が存在せず、これにより微粒子の発生を理論的に皆無
とすることができ、良膜質の成膜が可能となる。更に、
電磁誘導加熱手段にて加熱する方式である故に、クリー
ンな成膜環境が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプラズマCVD装
置を模式的に示す正面図である。
【図2】図1のプラズマCVD装置の詳細を示す正面断
面図である。
【図3】(a)は図2の右側面図、(b)は電磁誘導コ
イルを示す正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るプラズマCVD装
置における加熱機構の等価回路図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るプラズマCVD装
置における他の環状磁気回路を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るプラズマCVD装
置を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るプラズマCVD装
置における加熱機構の等価回路図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るプラズマCVD装
置を示す図である。
【図9】従来の回転電極を用いる大気圧のプラズマCV
D装置の原理説明図であり、併せて常套的な非接触電極
加熱手段も示す図である。
【符号の説明】
1 反応容器 4 ステージ 5 基板 7 Si膜 10 回転電極 11、40 回転軸 12 回転体 13 電極層 22、23 軸受け(ヨーク) 24 支持部材(ヨーク) 25、26 取付板(ヨーク) 27、28、50、60 電磁誘導コイル 41 筒状体 61 電極層 62 上層部 63 下層部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中上 明光 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 石橋 清隆 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 林 和志 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 釘宮 敏洋 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 後藤 裕史 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 森 勇藏 大阪府交野市私市8丁目16番19号 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA63 AA65 BC04 CA02 CA03 CA24 CA25 CA47 EC21 ED04 ED09 FA12 FB02 FB04 FC11 FC15 4K030 AA06 AA16 BA29 BB04 GA04 JA09 KA16 KA22 KA30 LA16 5F045 AA08 AB03 AC01 BB14 CA13 EH04 EH08 EJ02 EJ10 EK02 EK07 EM02 EM10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスが供給される反応容器の内部に
    回転可能に設けられた円筒状をした回転電極の近傍を通
    るように被処理基材を移動させるとともに、該回転電極
    と被処理基材との間にプラズマを発生させて被処理基材
    に表面処理を施すプラズマCVD装置であって、 該回転電極の外表層部に設けられた電極層と、 該電極層に渦電流を発生させて該電極層を加熱する電磁
    誘導加熱手段とを具備することを特徴とするプラズマC
    VD装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプラズマCVD装置に
    おいて、 前記電磁誘導加熱手段は、回転電極の内側から径外方を
    通って内側に戻る環状磁気回路と、該環状磁気回路の一
    部を励磁する、交流電力が与えられる電磁誘導コイルと
    を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のプラズマCVD装置に
    おいて、 前記電磁誘導コイルにより励磁される環状磁気回路部分
    が、前記回転電極の軸心部に取付けられた回転軸である
    ことを特徴とするプラズマCVD装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のプラズマCVD装置に
    おいて、 前記回転軸は、その両端のうちの少なくとも一方が回転
    電極から突出し、その突出部分の外側を取り囲むように
    前記電磁誘導コイルが同心状に配設されていることを特
    徴とするプラズマCVD装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のプラズマCVD装置に
    おいて、 前記回転電極の軸心部に回転軸を有し、その回転軸の内
    部に空洞が形成され、その空洞内に、前記電磁誘導コイ
    ルにて外側が取り囲まれた、前記環状磁気回路の一部と
    して機能するコアが設けられていることを特徴とするプ
    ラズマCVD装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のプラズマCVD装置に
    おいて、 前記空洞が回転軸の片方の端面に開口を有すると共に、
    前記反応容器の壁部を貫通する状態で前記開口を介して
    上記空洞に挿入されている、端面が閉じた筒状体を備
    え、該筒状体の内部に前記コアが挿入されていることを
    特徴とするプラズマCVD装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のプラ
    ズマCVD装置において、 前記回転電極における前記電極層の内側部分が非導電性
    材料からなることを特徴とするプラズマCVD装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のプラズマCVD装置に
    おいて、 前記電磁誘導加熱手段が、前記回転電極の外側に該回転
    電極に接近させて配置された、交流電力が印加される電
    磁誘導コイルを有することを特徴とするプラズマCVD
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のプラズマCVD装置に
    おいて、 前記電極層が、強磁性材質の下層部と該下層部よりも低
    導電性材質の上層部とを含む積層構造であることを特徴
    とするプラズマCVD装置。
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