JP2008251857A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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忠義 川口
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Abstract

【課題】処理室内壁から発生する異物および汚染物質を低減することが可能となり、さらにプラズマ分布制御が可能なプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】処理室100内側に配置された試料台109上に載置された試料を、処理室100内に生成したプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置において、内壁部材116の内側に、導電性材料401が中に入った石英カバー141を設置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体製造プロセス等の微細加工に適用されるプラズマ処理装置に係り、特に、処理室壁面を起因とした異物量および汚染量が少なく、かつ処理室に生成するプロセスプラズマの分布制御が可能なプラズマ処理装置に関する。
シリコンウエハなどの被加工試料(以下ウエハと記述)を加工して半導体デバイスを製作する半導体製造装置として、プラズマCVD装置やプラズマエッチング装置などのプラズマ処理装置が広く使用されている。近年、デバイスの高集積化に伴い回路パターンは微細化の一途をたどっており、これらのプラズマ処理装置に要求される加工寸法は微細化し、エッチングの精度の要求値も高くなっている。
更に、半導体デバイスの構成材料の多様化に伴って、プラズマ処理プロセス(エッチングレシピ等)も複雑となり、多様なプロセスガスを使用している。エッチングプロセスの多様化と共に半導体製造装置に要求される項目として、半導体デバイスの生産性を向上することが必須であり、長期間にわたって安定的に半導体デバイスを生産することのできる装置、いわゆる長期量産安定化も重要な課題となっている。
例えば、プラズマエッチング処理装置ではフッ化物や塩化物、更には臭化物などの反応性ガスのプラズマを用いるために、処理室壁面が化学的及び物理的に侵食される。そのため、半導体デバイスを生産するウエハの処理枚数の増加に伴って、反応生成物が処理室内壁に付着し処理室内壁表面が変質することにより、壁から半導体デバイスにとって好ましくない異物や金属汚染物が放出されるため、長期的に安定したプラズマ処理が不可能となる場合がある。
例えば、プラズマエッチング処理装置ではフッ化物や塩化物、更には臭化物などの反応性ガスのプラズマを用いるために、処理室壁面が化学的及び物理的に侵食される。そのため、半導体デバイスを生産するウエハの処理枚数の増加に伴って、反応生成物が処理室内壁に付着し処理室内壁表面が変質することにより、壁から半導体デバイスにとって好ましくない異物や金属汚染物が放出されるため、長期的に安定したプラズマ処理が不可能となる場合がある。
また、近年では被処理試料への重金属等の不純物混入に対する低減要求が厳しくなっており、耐プラズマ材料として使用されているアルミナセラミックスに含まれるアルミニウム、アルミ材料の表面処理に使用する陽極酸化皮膜の主要元素であるアルミニウム、さらには処理室内壁材料の表面をセラミックス溶射する際に使用されるアルミナに含まれるアルミニウムを低減しなければならない。さらに、溶射に関してはアルミナに代わる材料としてイットリア等の希土類金属酸化物(例えばイットリア等)から放出される希土類金属や、これら表面処理材料中に含まれる微量金属(Fe、Mg等)の混入も無視できず、耐プラズマ部材起因の汚染量を低減することも必要になってきた。
このような耐プラズマ部材起因の汚染量の低減を図った例として、特許文献1には、プラズマ処理室内でプラズマに面する部材を、非晶質材である石英もしくはゲルマニウムの基材に導電性材料を含有させて形成した材料で構成し、プラズマの接触面がアースの機能を果たす接地電極として機能するようにしたものが開示されている。
また、近年では加工寸法が数10nmのデバイス加工が行われており、エッチングの精度の要求値も高くなっている。また、φ300mmウエハ大口径化により、エッチング技術の高精度化、大口径対応が求められている。その中でもゲート加工は、デバイスの動作速度や集積度を支配する重要因子であるので、その寸法加工精度が一番厳しく求められている。そのため、更なる微細化が進むに連れて、ウエハ面内のエッチングレートの均一性、およびCDの面内均一性が重要となる。
このような、プラズマ分布の制御性を向上させた例として、例えば、特許文献2には、プラズマを制御するために容量結合放電プラズマと高周波による電磁波放射によるプラズマの複合放電により、活性種を制御したプラズマ分布を制御したものが開示されている。
特開2006-196804号公報 特開平11-260596号公報
特許文献1に開示された従来技術においては、プラズマ処理装置の処理室は石英製のプレートと、石英もしくは耐プラズマ材料からなる処理室内壁およびエッチング等の処理を行うステージに囲まれている。エッチング処理室の内壁は、エッチング性能の経時変化等を抑制するため、耐プラズマ材料を使用することが多々ある。エッチング等の処理に使用するプロセスプラズマは、石英プレートに接して生成されるが、処理室内側壁部材の表面にも接触するため、処理室内壁が耐プラズマ材料で構成されている場合、壁面の材料を主成分とする汚染物質が処理室内に発生し、半導体デバイス等を生産するウエハ上に飛散する。耐プラズマ材料を表面起因の汚染を低減するためには、汚染が発生する部位を石英でカバーすることで、汚染物質抑えることが可能であると考えられる。
しかし実際は、処理室に生成するプラズマのエネルギー供給に高周波が用いられているため、石英中を高周波の電界が伝搬することにより、石英でカバーした部位にもプラズマが生成されることになる。これにより、石英のカバー付近の処理室内壁にもプラズマが広がるため、壁面の耐プラズマ材料起因の汚染量を低減するという目的を達成することは困難である。
また、石英もしくはゲルマニウムの基材に導電性材料を含有させることで、プラズマの接触面にアースの機能を持たせている。現在のところ半導体デバイスに対して汚染物質とならない導電性の材料はSiやCまたはこれらの混合物と考えられる。しかし、エッチング特性、異物、寿命、コストの面を考慮すると、これらの導電性の物質を用いてプラズマの接触面を構成することは必ずしも適切ではないと考えられる。
さらに、特許文献2に開示された従来技術においては、容量結合放電プラズマと高周波による電磁波放射によるプラズマの複合放電により活性種の発生を制御しているが、プラズマを発生させるために高周波を2系統使用するため、装置が複雑になり、電源が2系統必要であるため高価になる可能性がある。また、電磁波放射によって生成されるプラズマは磁界が弱い場合、処理室内に生成されるプラズマが不安定になる場合があるため、プラズマの安定性と分布制御を両立できないことがある。
これらの問題点を踏まえ、本発明の目的は、処理室内壁材料からの内壁材料起因の汚染発生を低減すると共に、処理室内に生成するプラズマの分布制御が可能な、プラズマ処理装置を提供することにある。
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。即ち、本発明のプラズマ処理装置は、真空容器内に配置された処理室と、該処理室内に配置され試料が載置される試料台と、前記処理室内にプラズマを形成するための電界を供給する電界供給手段と、前記処理室の天井面を構成すると共に前記電界を透過させる誘電体製の板部材と、前記処理室の全周にわたり側壁の一部を構成し前記プラズマに面すると共に、前記板部材からの電界が伝搬する誘導体製のカバー部材と、前記カバー部材の略全周にわたり内含されて配置された導電性の部材とを備えている。
本発明によれば、処理室内壁から発生する異物および汚染物質を低減することが可能となり、さらにプラズマ分布制御を容易に行なえるプラズマ処理装置を得ることができる。
本発明を実施するために最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施例になるプラズマ処理装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施例のプラズマ処理装置の概略を示す縦断面図である。図2は、図1のプラズマ処理室の拡大断面図である。
プラズマ処理装置100の真空処理室104の上には、放電室部が配置されている。この放電室部は、真空容器の蓋を構成する蓋部材101と、この蓋部材101の内側に配置されたアンテナ102と、このアンテナ102の側方と上方とに配置され放電室部を囲んで配置された磁場発生部103と、このアンテナ102の下方に配置された天井部材とを含んで構成されている。また、磁場発生部103上方にはアンテナ102が放出するアンテナ102が放出する200MHzから1GHzのVHF、UHF帯の電力を供給する電波源部105が配置されている。
処理室104に電力を供給するアンテナ102はSUS等の導電性部材で構成された蓋部材101の内側に配置されており、このアンテナ102と蓋部材101との間には、これらの間を絶縁するとともにアンテナ102から放出される電波を下方の天井部材側に伝導するために配置された誘電体106を有している。
更に、天井部材は、伝達されてきた電波を下方の処理室内側に伝導するため石英(SiO2)等の誘電体で構成された石英プレート107と、この石英プレート107の下方に配置されて供給された処理用のプロセスガスを処理室の内側に分散して導入するための複数の孔が形成されたシャワープレート108を有している。
シャワープレート108の下方であって試料台109の上方に形成された処理室104の上部空間は、供給されたプロセスガスにシャワープレート108を通って導入されたアンテナ102からの電波と磁場発生部103から供給された磁場との相互作用によるいわゆるECR(電子磁場共鳴)によってプラズマが形成される放電室110となっている。また、磁界の制御によりプラズマ分布を制御することが可能である。
一方、シャワープレート108の上側の空間は、プロセスガスが複数の孔から分散して放電室110に流入するよう設けられたバッファ室111となっている。このプロセスガスは、流量を調節する制御器114から供給されプロセスガスライン112及びプロセスガス遮断バルブ113を経て処理室へ供給される。
このようにして、シャワープレート108の複数の孔からプロセスガスを分散して放電室110に導入する。なお、シャワープレート108のこれらの孔は、試料台109上に試料が載置される位置に対向した位置を主にして配置されており、ガスをより均一となるように分散させるバッファ室111の働きとともに、放電室110におけるプラズマの密度を均一にすることを図っている。また、蓋部材101の下方で石英プレート107及びシャワープレート108の外周側には、下部リング115が配置されており、この下部リング115の内部にはバッファ室111にプロセスガスが通流するガスライン112と連通したガス通路が設けられている。
更に、シャワープレート108の下方には、真空容器の内側でプラズマに面して放電室110の空間を区画する放電室内側壁部材116が備えられている。この放電室の内側壁部材116はアルミニウムなどの導電材料で構成されており、その形状はフランジ部付の中空円筒状となっている。
この内側壁部材116の内側には、導電性の部材が中に入った石英(SiO2)や炭化ケイ素(SiC)等の誘電体カバー(以下石英カバー)141が設置してある。また、図2に示すように、この内側壁部材116の外周側にはこれを取り囲んでかつ微小ギャップを介して配置された電気的絶縁材料製の放電室外側壁部材117が備えられており、その外周側凹溝部にはヒータ119が巻き付けられて配置され、これにより外側壁部材117の温度を調節することでこれに接触した内側壁部材116の表面の温度を調節可能としている。また、この外側壁部材117は、その外周側の下面が導電材料製のプレート120及び放電室のベースプレート118等に接触して保持されている。
内側チャンバ121,122の内側に試料台109が配置されており、この試料台109のブロックの下方に下側の内側チャンバ122が配置されている。そして、この内側チャンバ122の中央側部分には開口部130が配置されている。この開口部130は内側チャンバ122の下方であって試料台109の下方に配置された排気バルブ131や排気ポンプ132を備えた排気手段と連通しており、試料台109の周囲を流れる内側チャンバ121内のガスが通流する部分である。
真空処理室104の排気手段である排気バルブ131は、その下方に配置された排気ポンプ132と内側チャンバ122の内側の空間との間を連通あるいは遮断することのできる板状のシャッターを複数備え、このシャッターを回転させて開口している排気通路面積を可変に調節して排気流量や速度を調節するシャッター式排気バルブである。このように、本実施例では、排気手段が試料台109の下方、特に直下方に配置されている。そして、内側チャンバ121内の試料台109の上方の空間内におけるプラズマや処理ガス、反応生成物は、試料台109の周囲とその下方の内側チャンバ122内の空間を介して排気バルブ131までの排気経路を流れる。
内側壁部材116は、外側壁部材117、ベースプレート118、あるいはプレート120を介して、アースに接地され、プラズマに対するアースとしての機能を有している。
試料台109のウエハ載置面は静電吸着電極201となっており、直流電源203から静電吸着用の電力が印加される。また、静電吸着電極201には、バイアス電源202からバイアス電力が印加される。
図2で明らかなように、内側壁部材116の上部は外側にフランジ部があり、かつその内周側は径大部(薄肉部)となっており、ここに(処理室104の内側側壁の略全周にわたり)リング状の導電性の部材401が中に埋設された石英カバー141が設置してある。内側壁部材116の下部は内周側が径小部(厚肉部)となっており、径小部の半径は石英カバー141の内周側の半径と同等かあるいはそれより若干大きい。内側壁部材116のフランジ部を除く外側部分は上下同一の外径を有している。
図2の例では、石英カバー141の上下に等間隔に3段のリング状の導電性の部材401が埋設されている。内側壁部材116のフランジ部及び石英カバー141の両上端面は、天井面を構成する誘電体製のシャワープレート108の下面に、ほぼ接する状態で、面している。なお、リング状の導電性の部材401の半径方向の幅は、この導電性の部材の内周端と内側壁部材116側壁部材の薄肉部の内周面との間の距離よりも大きい(この点については後で説明する)。
次に、本実施例のプラズマ処理装置100の動作について、説明する。
まず、処理の対象物である半導体ウエハWは、搬送ユニットから処理室104に搬入された後、試料台109の静電吸着電極201の上に載置・吸着される。ついで、半導体ウエハWのエッチング処理に必要なガス、たとえばハロゲン系ガスを含んだガスがプロセスガスライン112から供給され、所定の流量の混合比をもって処理室104内に供給される。同時に、処理室104内は、排気ポンプ132および排気バルブ131により、所定の処理圧力に調整され、電波源部105からの電力供給により、アンテナ102から電磁波が放射される。そして、磁場発生部103により処理室104の内部に形成される概略水平な磁場との相互作用により、処理室104内に効率良くプラズマPが生成されることにより、プロセスガスが解離されてイオンやラジカルが発生する。更に、静電吸着電極201のバイアス電源202からのバイアス電力により、イオンの半導体ウエハWへの入射エネルギーが制御される。これらのイオンやラジカルを利用して半導体ウエハWをエッチングすることで、所望のエッチング形状が得られる。
本実施例に示したプラズマ処理装置では、アンテナ102から放出された高周波電界によりシャワープレート108の直下でその外周付近の電界が強くなる。更に、磁場発生部103のコイル電流により生成される磁界204との共鳴によりプラズマPはより高密度になる。
ここで、プラズマPから内側壁部材116の削れ量を抑制するために石英等の誘電体製のカバー141を設置することで、汚染物質の発生を抑えることが可能である。しかし、石英は誘電体であるため高周波が石英内を伝搬することにより、石英等のカバー141の表面にも電界が生じる。これにより、石英表面上や石英カバー下側の内側壁部材116にもプラズマが生成される。
ここで、カバーが導電性の部材であればカバー内部に高周波が伝搬しないため、カバーからの電界によってプラズマは生成されない。しかし、現在のところ汚染物質とならない導電性の部材の材料はSiやCまたはこれらの混合物と考えられる。但し、これらの物質においては、エッチング特性、異物(半導体デバイスへの影響)、寿命、コストの面を考慮するとそのままカバー141に適用するのは難しい。
本実施例においては、汚染物質とならない材料である石英の内部に導電性の部材を入れる構造として、上記条件を満足する性能としている。
この点に関して、図3(図3A,図3B,図3C)により、本発明の実施例に係る電界分布シミュレーションを説明する。いずれも、電波源部から、450MHzのUHF帯周波数の電力を供給した場合の特性である。なお、図3において、内側壁部材116の高さ方向において、石英カバー141の無い下側の内側壁部材116のみの部分を「アース」と定義し、内側壁部材116の下端から上方向(換言すると天井面を構成する誘電体製のシャワープレート108側に近づく方向)の高さを「アース高さ」と定義する。換言すると、図3の左側の電界分布強度に対応する「アース高さ」は、図3の右側の内側壁部材の「アース」と表示された部分を、破線で示すように高さ方向に拡大したものである。
まず、図3Aは、高さの異なる1個の導電性の部材401が入った石英カバー141を用いた場合の、アース(内側壁部材116)表面の電界分布強度のシミュレーション結果を示す。
これによると、石英カバー141が導電性の部材401を含まない石英カバーのみの場合は、アース高さが大きくなるにつれて、電界強度がかなり強くなる。これに対し、石英カバー141内に高さ2mmの導電性の部材401を1個入れることで、「アース」すなわち石英カバー下側の内側壁部材116の表面の電界強度はかなり弱まる。更に、導電性の部材401の高さを、10mm、さらには20mmと高くすることにより、電界強度の低減効果はより大きくなる。このことから、導電性の部材の高さを変えることで石英カバーからの電界によってプラズマが生成されるのを抑制することができるのがわかる。ただし、1個の導電性の部材401の高さを高くすることは、電解強度の低減には有効であるが、石英カバーの加工が難しくなり、石英カバーの強度が低減する恐れがある。
上記問題点を対策したものが、図3Bである。この実施例では、同じ高さ3mmの導電性の部材401を0個(石英カバーのみ)、1個、3個、もしくは5個入れた各石英カバーを用いて、各々アース表面の電界強度分布をシミュレーションした結果である。これによると、導電性の部材401をより多く入れることで、石英カバー下側の内側壁部材表面の電界強度は弱まり上記と同様な結果となった。図3Bでは、導電性の部材401を5個入れた結果が最も効果的であった。
図3Bに示した5個の導電性の部材を入れた状態からさらに、これらの導電性の部材401を、上下に平行移動させた結果を、図3Cに示す。それによると、5個の導電性の部材を石英カバーの最も上側に入れた方が、下側に入れた場合に比べて、アースの電界強度分布が弱い結果となった。
以上をまとめると、内側壁部材の削れ低減や加工性、強度の観点から、導電性の部材401を石英カバー内に複数個入れること、しかも、石英カバーの上部に配置させることが効果的であるという結果が得られた。
本発明のプラズマ処理装置は、磁界により処理室に生成するプラズマの分布を制御可能としているが、磁界が弱い場合、プロセス条件によってはプラズマが不安定になる場合があるため、プラズマの安定性と分布制御が両立できない揚合がある。
そのため、石英カバー内に導電性の部材を入れることで、プラズマの分布を制御することが可能となり、安定した条件でプラズマ分布を調整することが可能となる。この点について、図4(図4A、図4B、図4C)で説明する。
図4Aは、導電性の部材の入らない石英カバー141を用いた場合の、処理室104におけるプラズマ分布のイメージ図を示す。この場合、石英は誘電体であるため石英内部に電界が伝搬するため石英カバーの表面上にもプラズマが生成され、ウエハ外周のエッチングレートが高くなる。
一方、図4Bは、導電性の部材401を石英カバー141の上部に5個入れた場合のプラズマ分布のイメージを示す。この場合、電界が導電性の部材で弱まるため石英カバー表面のプラズマはかなり弱まり、それによりウエハ外周のエッチングレートは、図4Aの場合と比べて大幅に低下する。
また、図4Cは、導電性の部材を石英カバー141の下部に5個入れた場合のプラズマ分布のイメージを示す。この場合、電界が導電性の部材で弱まるため石英カバー表面のプラズマは図4Aと図4Bの中間の状態になり、それによりウエハ外周のエッチングレートは、図4Aの場合と比べて低くなる。
なお、プラズマ処理装置において、導電性の部材の入らない石英カバーの場合には、石英カバー141とこれを支えるその背面(半径方向外側)の内側壁部材116の薄肉部との間の隙間G(図3A参照)がプラズマに影響を与えていた。そのため、石英カバーには高精度の寸法公差が必要であった。これに対し、本実施例になる導電性の部材401の入った石英カバーであれば、石英カバー141内を伝播する高周波に関しては、導電性の部材401がアースになる。このとき、リング状の導電性の部材401の半径方向の幅は例えば3mmあり、この幅はこの導電性の部材401の内周端と側壁部材116の薄肉部の内周面との間の距離(薄肉部の厚み(例えば2mm)+隙間G)よりも大きい。その結果、石英カバーとその半径方向外側のアースとの隙間Gを無視することが可能となる。これにより、石英カバーの寸法公差を高精度にしなくても、エッチング処理室に生成されるプラズマに与える影響を低減することができる。
次に、図5(図5A、図5B)で、導電性の部材401を入れた石英カバー141の、具体的な構成例及び製法について、説明する。
まず、図5Aに、内部に複数のリング状の導電性の部材401を入れたリング状の石英カバー141の斜視図を示す。石英カバー141の肉厚は7mmであり、高さは37mmである。石英カバー141には、高さ3mm×幅3mmのリング状の空洞部分(溝)が、高さ方向に5箇所設けてある。空洞部分の両側の石英カバー部分(側壁)の肉厚は夫々2mmである。この空洞部分には、導電性の部材401がリング状に入る構造となっている。
石英カバーに入れる導電性の部材の材料としては、Mo、W等の高融点金属や炭素を含んだ材料が適している。また、石英カバー141に空洞部分を形成する際、石英カバーの強度を確保するために、空洞部分の両側の側壁は夫々2.0±0.5mm程度の厚さが必要である。
なお、リング状の石英カバー141内に導電性の部材401を入れるには、一例として、次のような手順で行なう。例えば、5個の導電性の部材401を入れる場合、まず、リング状の石英カバー141の上側から、全周にわたって伸びる所定の深さのリング状の空洞部分(溝)を、レーザー加工などにより形成する。そして、この空洞部分内に1個目のリング状の導電性の部材401を入れる。次に、1個目の導電性の部材401の上側に、空洞部分の幅とほぼ等しく所定の高さを持つ石英リングを入れ、その上に、2個目のリング状の導電性の部材401を入れ、さらに、石英リング、3個目の導電性の部材401、石英リングと、順次交互に積み重ねることで、5個の導電性の部材入りの石英カバーが完成する。
なお、導電性の部材の形状に関して、導電性の部材を製作する上で、連続した一個のリング状の導電性の部材として製作することは、加工が難しくなり高価になる場合もある。
そのため、代案として、図5Bのように、円弧状の導電性の部材501を円周方向に複数個組み合わせることで、全体として1つのリング状の導電性の部材としても良い。この場合は、図5Bのように、円弧状の導電性の部材を段違いに配置することにより、高周波が伝搬し難い構造とすることができる。また、細い線を多数束ねることで、コイル状の導電性の部材構造とすることも考えられる。
なお、実施例1において、側壁部材116は内側チャンバ121よりも小径の部材として構成されているが、これらが同じ径の部材として構成されていても良いことは言うまでもない。
本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の概略の成を示す縦断面図である。 図1のプラズマ処理室の概略を示す拡大断面図である。 本発明の実施例に係る高さの異なる1個の導電性の部材が入った石英カバーを用いた場合の、アース(内側壁部材)表面の電界分布強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る個数の異なる導電性の部材が入った石英カバーを用いた場合の、アース表面の電界分布強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る導電性の部材が上下異なる高さの位置に入った石英カバーを用いた場合の、アース表面の電界分布強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 比較例として、導電性の部材の入らない石英カバー141を用いた場合の、処理室104におけるプラズマ分布のイメージ図である。 本発明の実施例に基づき、導電性の部材を石英カバーの上部に5個入れた場合のプラズマ分布のイメージ図である。 本発明の実施例に基づき、導電性の部材を石英カバーの下部に5個入れた場合のプラズマ分布のイメージ図である。 本発明の実施例に係る、リング状の導電性の部材の入った石英カバーの斜視図である。 本発明の変形例に係る、円弧状の導電性の部材の入った石英カバーの斜視図である。
符号の説明
100…プラズマ処理装置、101…蓋部材、102…アンテナ、103…磁揚発生部、104…処理室、105…電波源部、106…誘電体、107…石英プレート、108…シャワープレート、109…試料台、110…放電室、111…バッファ室、112…プロセスガスライン、113…プロセスガス遮断バルブ、114…制御器、115…下部リング、116…内側壁部材、117…外側壁部材、118…ベースプレート、121、122…内側チャンバ、131…排気バルブ、132…排気ポンプ、141…石英カバー、201…静電吸着電極、202…バイアス電源、203…磁界、401…導電性の部材、P…プラズマ、W…半導体ウエハ。

Claims (10)

  1. 真空容器内に配置された処理室と、
    該処理室内に配置され試料が載置される試料台と、
    前記処理室内にプラズマを形成するための電界を供給する電界供給手段と、
    前記処理室の天井面を構成すると共に前記電界を透過させる誘電体製の板部材と、
    前記処理室の全周にわたり側壁の一部を構成し前記プラズマに面すると共に、前記板部材からの電界が伝搬する誘導体製のカバー部材と、
    前記カバー部材の略全周にわたり内含されて配置された導電性の部材とを備えたプラズマ処理装置。
  2. 前記処理室の全周にわたり側壁の一部を構成し少なくともその一部が前記プラズマに面する導電性の側壁部材を有し、
    前記側壁部材は、上部が内周の径の大きい薄肉部、下部が内周の径の小さい厚保肉部として構成されており、
    前記薄肉部の内周側に前記カバー部材が保持されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記導電性の部材の半径方向の幅は、該導電性の部材の内周端と前記側壁部材の前記薄肉部の内周面との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記導電性の部材が、前記カバー部材内において、高さ方向に間隔をあけて複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  5. 真空容器内に配置された処理室と、
    前記処理室内にプラズマを形成するための電界を供給する電界供給手段と、
    前記処理室に磁場を形成する磁場発生部と、
    前記処理室の天井面を構成し前記電界を透過させる誘電体製の板部材と、
    前記処理室の全周にわたり側壁の一部を構成し少なくともその一部が前記プラズマに面すると共に、前記板部材からの電界が伝搬する位置に配置された誘導体製のカバー部材と、
    前記カバー部材の内部に配置された導電性の部材とを備え、
    前記カバー部材内における前記導電性の部材の高さ方向の位置もしくは個数により、前記処理室における前記プラズマの分布を制御し得るように構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 前記処理室の側壁の一部を構成し少なくともその一部が前記プラズマに面する導電性の側壁部材を有し、
    前記カバー部材が、前記誘電体製の板部材の直下にほぼ接する状態で前記導電性の側壁部材に保持されていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記導電性の部材がリング状であり、複数個の該導電性の部材を前記カバー部材内の上部に入れたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記導電性の部材が円弧状であり、複数個の該導電性の部材を前記カバー部材内に段違いに略リング状に配置したことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  9. 真空容器内に配置された処理室の下方に配置され試料が載せられる試料台と、
    前記試料台内の電極に高周波電力を供給する電源と、
    前記処理室の上方から処理室内にプラズマを形成するためのUHF又はVHF帯の周波数を有する電界を供給する電界供給手段と、
    前記処理室に磁場を形成する磁場発生部と、
    前記処理室の天井面を構成し、前記電界を透過させる誘電体製の板部材と、
    前記処理室の全周にわたり側壁の一部を構成し少なくともその一部が前記プラズマに面する導電性の側壁部材と、
    円筒形状を有し前記側壁部材に保持されて前記処理室の全周にわたり側壁の一部を構成すると共に前記プラズマに面し、前記板部材からの電界が伝搬する導電性のカバー部材と、
    該カバー部材の内側に略全周にわたり内含されて配置された導電性の部材とを備えたプラズマ処理装置。
  10. 前記カバー部材は、前記導電性の部材を収容するリング状の空洞部分を有し、
    前記空洞部分の両側のカバー部材の肉厚は、夫々2.0±0.5mmであることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理装置。
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